CDP2016ワークショップ CDP2016ウォーター質問書 概要と回答評価 2016年2月25日 KPMGあずさサステナビリティ株式会社 斎藤 和彦 Agenda 1. CDP2016ウォーター質問書と採点基準の前年からの主な変更点 2. ウォーター質問書への回答に際して留意すべき事項 © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 1 1. CDP2016ウォーター質問書と採点基準の前年からの主な変更点 質問書の構成 質問書の構成と質問内容は前年から変わらないが、選択肢等に若干の追加や削除が ある。 現在の状況 W1. 背景 W1. 全社的な水データ W1. サプライヤーの報告 W1. 事業への影響(*) リスク評価 W2. 手順及び要件 影響 W3. 水リスク W4. 水に関連する機会 施設レベルの水データ W5. 施設レベルの水データ 対応 W6. ガバナンス及び戦略 W7. コンプライアンス W8. 目標およびイニシアチブ 相関・トレードオフ関係 W9. 水とその他の環境問題との間のトレードオフ関係の調整 SW追加質問 サプライチェーンウォーター追加質問 * 用語だけ「影響(Impacts)」から「事業への影響(Business impacts)」に変更されている。 © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 2 1. CDP2016ウォーター質問書と採点基準の前年からの主な変更点 質問書における主な変更点(1/2) 番号 変更点 W1.2b 「放流先」の選択肢に「他の組織への排水」が追加。 W1.3b 「主な理由」の選択肢に「リスク評価を実施したがリスクが特定されなかったため」が追 加。 W1.4a 「影響」の選択肢に「成長に対する制約」が追加。 W2.5 「方法」の選択肢に「CEO Water Mandate’s ‘Understanding Key Water Stewardship Terms’」と「Ecolab Water Risk Monetizer」が追加。 「説明」の字数制限が1500文字から3000文字に増。 W2.6, W2.7 「選択肢」から「関連性があり、一部の施設/サプライヤーについては評価に含めてい る」が削除。 「説明」の字数制限が1000文字から2000文字に増。 W3.2c, 「潜在的な影響」の選択肢に「成長に対する制約」が追加。 W3.2d W4.1c 「説明」の字数制限が500文字から1500文字に増。 W5.1 「当該施設における前報告年の総取水量との比較」の選択肢に「本報告年が評価の初 年である」が追加。 W5.2a 「他の組織への排水」が追加。 © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 3 1. CDP2016ウォーター質問書と採点基準の前年からの主な変更点 質問書における主な変更点(2/2) 番号 変更点 W8.1a 「評価の定量単位」の選択肢に「従業員の生産性の向上(%)」が追加。 「説明」の字数制限が500文字から1500文字に増。 W10.2 新しい設問が追加。 © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 4 1. CDP2016ウォーター質問書と採点基準の前年からの主な変更点 採点基準における変更点(1/2) 採点基準は現時点で未確定であるが、前年から大きな変更はないと思われる。変更の 内容としては、「判断基準の追加・明確化」が主なものであると予想される。 最終的なスコアレベルやスコアの表示、スコアリングの考え方も、前年と変わらないと予 想される。 スコアレベル 考え方 スコア リーダーシップ ベストプラクティスを実施しているかどうか A マネジメント リスクの軽減、リスクのある施設における水データ測定の向 上、より確実かつ包括的なリスク評価、水に関する方針の 実施及び水に関連するイシューのビジネス戦略への組入れ を行っているか B 認識 情報開示 事業活動への水によるインパクトのみならず事業活動が水 に対して及ぼすインパクトやそれが人々や生態系にどのよ うな影響を及ぼすかについて、どの程度包括的な評価を 行っているか 情報開示を行っているかどうか BC CD D- © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 5 1. CDP2016ウォーター質問書と採点基準の前年からの主な変更点 採点基準における変更点(2/2) スコアの計算式は以下のとおり。 スコア=(獲得ポイント数/獲得可能なポイント数)×100 (1未満は四捨五入) 次のスコアやスコアレベルに進むためには一定の基準値をクリアする必要がある。 XXポイント XXポイント XXポイント リーダーシップ マネジメント 認識 情報開示 © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 6 1. CDP2016ウォーター質問書と採点基準の前年からの主な変更点 採点のイメージ(1/2) W2.2 水リスク評価に関する手順の説明として最も当てはまるものを選択してください。 リスク評価の手順 対象範囲 • 包括的で全社的なリスク評価 • 直接の操業とサプライ • 他のリスク評価プロセスとは切 チェーン り離して水リスク評価を実施し • 直接の操業 ている。 • サプライチェーン 選択肢 • 全ての施設とサプライヤー • 全ての施設と一部のサプライヤー • 一部の施設と全てのサプライヤー • 一部の施設と一部のサプライヤー • 全ての施設 • 一部の施設 • 全てのサプライヤー • 一部のサプライヤー 説明 [自由回答: 1500文字以内] <2015年の採点基準> 情報開示 それぞれの列に回答すると、各欄につき0.5ポイントが付与される(最高2点)。 認識 採点対象外 マネジメント 包括的で全社的なリスク評価:0.5ポイント、他のリスク評価プロセスとは切り離して水リス ク評価を実施している:0.25ポイント、直接の操業とサプライチェーン:0.5ポイント、直接の 操業 or サプライチェーン:0.25ポイント、全ての施設とサプライヤー:1ポイント、全ての施 設と一部のサプライヤー:0.5ポイント、その他:0.25ポイント、説明欄への記入:1ポイント リーダーシップ このアプローチを採っている理由をその合理性とともに説明していれば、1ポイント。ただし、 マネジメントポイントを2ポイント以上獲得し、全ての列に回答している必要がある。 © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 7 1. CDP2016ウォーター質問書と採点基準の前年からの主な変更点 採点のイメージ(2/2) W2.2 水リスク評価に関する手順の説明として最も当てはまるものを選択してください。 リスク評価の手順 対象範囲 • 包括的で全社的なリスク評価 • 直接の操業とサプライ • 他のリスク評価プロセスとは切 チェーン り離して水リスク評価を実施し • 直接の操業 ている。 • サプライチェーン 選択肢 • 全ての施設とサプライヤー • 全ての施設と一部のサプライヤー • 一部の施設と全てのサプライヤー • 一部の施設と一部のサプライヤー • 全ての施設 • 一部の施設 • 全てのサプライヤー • 一部のサプライヤー 獲得ポイント 獲得可能なポイント 情報開示 2 2 認識 - - 1.75 (= 0.25 + 0.25 + 0.25 + 1) 3 0 1 マネジメント リーダーシップ © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 説明 [自由回答: 1500文字以内] 8 Agenda 1. CDP2016ウォーター質問書と採点基準の前年からの主な変更点 2. ウォーター質問書への回答に際して留意すべき事項 © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 9 2.ウォーター質問書への回答に際して留意すべき事項 W1.1 質問 貴社が成功するために、水の質と量はどの程度重要ですか?重要度(現在と将来につ いて)を評価してください。 よく見られた失点要因 「説明」において「間接的な使用」の用途や重要性評価の理由を説明していない。(マネ ジメントポイントを得るためには、「直接的な使用」についてだけでなく、「間接的な使用」 についても説明する必要がある。) © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 10 2.ウォーター質問書への回答に際して留意すべき事項 W1.2 質問 貴社の操業全体について、水に関する以下の側面のうちどの側面について定期的に測 定およびモニタリングを実施しているかご説明ください。また、実施している理由または 実施していない理由についてもご説明ください。 よく見られた失点要因 76%以上の施設でモニタリングが行われている場合、100%の施設でモニタリングが行 われているのかどうかについて説明が不足している。(「100%の施設でモニタリングが 行われているかどうか」がわかるような説明を行わないとリーダーシップポイントが得ら れない。) 76%未満の施設でモニタリングが行われている場合、76%未満である理由についての 説明が不足している。(76%未満にとどまっている理由について具体的な説明が記入さ れていないとリーダーシップポイントが得られない。) © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 11 2.ウォーター質問書への回答に際して留意すべき事項 W1.2a、W1.2b 質問 取水量:貴社の操業全体における報告年の取水量に関するデータを水源ごとにご回答 ください。 排水量:報告年について、貴社の操業全体の総排水量に関するデータを排水の放流先 別にご記入ください。 よく見られた失点要因 水量がブランクになっている項目がある。(例えば、W1.2aの質問で、「半塩水/海水」 の取水がなければ、そこには「0」を入力しないとポイントが得られない。) 各取水源(放流先)で回答されている水量の合計と総取水量(総排水量)の数値が一致 していない。 (一致していないとマネジメントポイントとリーダーシップポイントが得られな い。) © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 12 2.ウォーター質問書への回答に際して留意すべき事項 W1.3a 質問 どの程度の比率の主要なサプライヤーに対して水の使用量、リスク及び/または管理 について報告することを求めていますか?また、それは貴社の調達費に対してどの程 度の比率を占めていますか? よく見られた失点要因 「サプライヤーに求める情報の種類についての詳しい情報」や「その情報が回答企業内 でどのように活用されているか」といった情報が「比率の根拠」の欄で説明されていない。 (求められている情報がないとマネジメントポイントが減点されてしまう。) © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 13 2.ウォーター質問書への回答に際して留意すべき事項 W2.5 質問 水リスク評価に用いる方法を選択してください。 よく見られた失点要因 「選択した方法がリスク評価の中でどのように用いられているか」、「その方法が選択さ れた理由」などについての説明が行われていない。 (求められている情報がないとマネ ジメントポイントが減点されてしまう。) © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 14 2.ウォーター質問書への回答に際して留意すべき事項 W2.6 質問 次のイシューのうち、貴社が水リスク評価を行う際に常に評価の要素として考慮するも のはどれですか? よく見られた失点要因 「関連性があり、評価に含めている」 を選択した場合に、W2.5で選択した方法のどれを 用いているかについて説明していない。 (マネジメントポイントが減点されてしまう。) © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 15 2.ウォーター質問書への回答に際して留意すべき事項 W5.1、W5.1a、W5.2、W5.2a、W5.3 質問 取水量:報告年について、W3.2aの回答に含まれる施設全ての取水量に関するデータ を下の表にご記入ください。 取水量:報告年について、W5.1で回答した施設全ての取水量に関するデータを利用し ている水源別にご記入ください。 など よく見られた失点要因 W3.2aで回答した「貴社のビジネス、操業、収益または費用に実質的な変化をもたらす 可能性のある水リスクにさらされている施設の数」よりも少ない数の施設についてだけ 回答している。 (W3.2aで回答した施設の数とW5.1、W5.1a、W5.2、W5.2a、W5.3で回 答する施設の数が一致していないとマネジメントポイントが減点されてしまう。) 取水量や排水量の合計が一致しない。(リーダーシップポイントが得られない。) © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 16 2.ウォーター質問書への回答に際して留意すべき事項 「取水量」と「水消費量」の定義と計算方法(1/2) 水使用量に関する指標には、「取水量(Water withdrawal)」と「水消費量(Water consumption)」とがあるが、定義がわかりにくい。 取水量 水消費量 用途を問わず、あらゆる水源(地上水、 地下水、雨水、地方自治体の水道な ど)から報告組織のバウンダリへ取水 された総量(GRIガイドラインにおける 定義) 使用され、元の取水源に戻されない 水の量(Ceres Aqua Gaugeにおける 定義) 直接取水した水と仲介者が取水した 水が含まれる。 蒸発した水、発散した水、製品、作物、 廃棄物の一部となった水、人や家畜 に消費された水、その他の方法で水 源から除去された水が含まれる。 消費してしまい、水源から除去された水の量 © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 17 2.ウォーター質問書への回答に際して留意すべき事項 「取水量」と「水消費量」の定義と計算方法(2/2) 現実的に「水消費量」をどのように計算すべきか? 蒸散 河川取水 工業用水 市水 地下水 海水 製品 廃棄物 組織 取水量 河川 下水道 海 地下浸透 水消費量= 使用され、元の取水源に戻されない水の量 = 蒸散量+製品や廃棄物に含まれる水の量+取水した水源以外への排水量 = 取水量-取水した水源への排水量 © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. 18 お問合せ先 KPMGあずさサステナビリティ株式会社 代表取締役 斎藤 和彦 Tel: 03-3548-5303 Fax: 03-3548-5455 [email protected] ここに記載されている情報はあくまで一般的なものであり、特定の個人や組織が置かれている状況に対応するものではありません。私たちは、的確な情報をタイムリーに提供するよう努めておりますが、情報を受け取られた時点及びそれ以降においての正確さは保証の限りで はありません。何らかの行動を取られる場合は、ここにある情報のみを根拠とせず、プロフェッショナルが特定の状況を綿密に調査した上で提案する適切なアドバイスをもとにご判断ください。 © 2016 KPMG AZSA Sustainability Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. The KPMG name, logo and ‘cutting through complexity’ are registered trademarks or trademarks of KPMG International.
© Copyright 2024 ExpyDoc