「海外物流戦略ワーキングチーム」を開催

平成 28 年 2 月 26 日
物流連、平成 27 年度第 6 回「海外物流戦略ワーキングチーム」を開催
(一社)日本物流団体連合会(会長:工藤泰三)は、平成 28 年 2 月 25 日(木)、「海外物流戦略ワーキングチ
ーム」会議を千代田区霞が関の尚友会館で開催した。本ワーキングチームは、国際業務委員会(委員長:丸山英
聡
日本郵船㈱取締役常務経営委員)の下に設けられ、海外に展開する物流事業者が直面する課題で、個々の企
業では解決が難しい課題に、官民連携して取り組むことを目的としている。国土交通省関係者と物流事業のアジ
ア進出の実務に携わる会員企業により構成されており、本会議は、4 年前の発足当初より定期的に会議を重ねて
いる。本年度 6 回目の会議には、国土交通省の勝山国際物流課長他幹部や、会員企業から 23 人が参加した。
会議では、初めに 2 月 18 日に開催された、日マレーシア物流政策対話の結果について、国土交通省の勝山国際
物流課長から報告があった。本対話には、両国の官民により物流関係者があわせて 60 名ほどが参加し、両国の物
流施策の現状や課題の発表をもとに意見交換を行うとともに、マレーシアにおけるトラック輸送規制の緩和など
の要請も行われた。本対話を通じて、交通安全対策に係る取組や越境輸送の円滑化に係る取組の重要性について
の認識が共有されるとともに、日本側からの要請についても、前向きな姿勢が示されたとの報告があった。勝山
課長からは、本政策対話を行ったということだけで十分というわけではなく、本ワーキングチームの活動等を通
じ物流業者等の情報を得ながらコミュニケーションを進展させて行きたいとのコメントがあった。次に、昨年末
のASEAN経済共同体(AEC)の設立に関し、亜細亜大学アジア研究所所長の石川教授から、設立後も残る
非関税障壁の内容も含め説明を受けた。その後、昨年 11 月にワーキングチームのメンバー4 名で実施したカンボ
ジア・ラオス物流実態調査の結果報告書の素案が示され、内容の概要報告が行われた。また、来年度に向けたワ
ーキングの議題と物流実態調査の対象国について、事前にメンバーより集めたアンケートを元に優先順位をつけ
取組んでいくこととし、具体的には
①引き続き政府の行う物流政策対話の対象国をターゲットに据え、今後も
連携して課題検討や情報共有を行っていくこと、②海外展開する物流業者が直面する、特にASEAN地域の非
関税障壁に係る課題について掘り下げていくこと等、を決定した。海外物流実態調査については、インドネシア
とフィリピンの2か国に候補を絞り、秋の調査に向けて準備を進めていくこととなった。最後に、国土交通政策
研究所の鈴木研究調整官より、シンガポールにおける外資系荷主企業へのヒアリングについて準備状況の説明が
あり、事前に行った国内の外資系企業へのヒアリング結果が披露され、外資系荷主の視点として、
「国内で厳格な
温度管理を要する冷蔵品(医薬品等)を一括して扱える事業者が少ない」との指摘や、
「物流業者の選定にあたっ
て認証や資格、システムを重視している」点、「日本のドライバー不足を懸念している」点などが報告された。
来年度以降も、本ワーキングチームは物流企業の海外進出に係る課題について、官民連携で意見交換、情報交
換の活動を継続することにしており、適宜、現地情報や実務に詳しい会員企業や外部専門家の参加を得ることと
し、次回は、5月頃の開催を予定している。
以上
事務局
永尾
会議全景
説明する勝山国際物流課長