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● 『土佐國群書類従拾遺』第4巻
ご案内
日頃は、県立図書館のご利用や出版事業にご協力をいただき、感謝申し上げます。
このたび、『土佐國群書類従拾遺』全7巻のうち第4巻を刊行する運びとなりまし
た。
第3巻に引き続き傳記部が収められた第4巻の内容の一部をご紹介します。
土佐では、地下を支配する庄屋の地位が、藩政を通じて次第に凋落していく傾向に
ありました。庄屋たちはその状況を憂い、自らの職分に対する誇りと地位の回復を目
指して連携を強めます。その動きが幕末の庄屋同盟にもつながっていきます。
第4巻では、この庄屋に関する資料群がひとつの柱になっています。
「盲人笻末路」(巻 25)、
「盲人笻」(巻 27)、
「證跡筆記」(巻 28)などは、庄屋の
歴史的職分について具体的な文書や事例を基に検証し、その地位の向上・回復を訴え
るものです。特に「盲人笻」、
「證跡筆記」は、天保庄屋同盟の指導的立場にあった細
木庵常がまとめたもので、藩から土地と人民の総宰を預かる庄屋の誇りと地位を訴え
る内容となっています。さらに「同盟談話之條々」
(巻 29)は、庄屋同盟の思想的な
背景を著したものであり、天保庄屋同盟研究の基本資料となるものです。
また、
「町役順席一乱端書」
(巻 29)や「大工頭等僭上無礼筆記」
(同)、
「違格難問」
(同)など、庄屋の地位の低下を象徴するような事件と、それに庄屋がいかに対応し
たかの経緯をまとめた資料も収録されています。
その他の資料としては以下のものがあります。
巻 26 には「尾池氏主従之事」、
「田の浦孝女之事」、
「御飛脚番萬蔵夫妻事蹟」など、
忠臣や孝子を顕彰する資料が収録されています。
巻 30 の「復讐松魚魁」は、実際にあった廣井磐之助の仇討に題をとった仇討物語。
巻 32 の「土佐藩届書類」は、戊辰戦争における土佐藩の届書類をまとめたもので、
官軍の一翼を担った土佐兵の奮闘ぶりをうかがうことができます。
巻 33 に収められた「時態録」は、弘化3(1846)年の米国船の来航から慶応2(1866)
年の孝明天皇崩御までの国内政治・外交・軍事・社会状況を示す様々な資料をまとめ
たものです。
土佐の歴史・文化を知ることのできる本書を、ぜひ既刊の『土佐國群書類従』も含
めて、ご活用いただきますようご案内申し上げます。
平成 28 年 2 月 高知県立図書館
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頒価・第4巻 12,000 円(税込・送料別途、冊子小包 350 円必要)