投資環境マンスリー - 三菱UFJ投信

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情報提供資料
投資環境マンスリー 2016年3月号
投資環境マンスリー
2016年3月号
経 済 調 査 部
M
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し
①米国
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
個人消費中心の緩やかな景気回復を予想
②英国
③日本
④オーストラリア
⑤中国
⑥為替
・・・
BREXIT – 現時点では不透明なことが多すぎること、これがリスク
・・・
マイナス金利は実体経済への即効性よりも、円安反転による収益改善に期待
・・・
資源安の一服で通貨底打ちの可能性も
・・・
景気安定の確証はいまだ得られず、不動産市況の回復基調が一段と強まるかが注目
・・・
米国悲観論の修正に伴い円相場も安定へ、ただし不安定な原油・中国動向には要注意 ・・・
Ⅱ. 国際金融市場の動向
Contents
①株式
・・・ 13
p.1-12
②金利
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ 14
③為替
1-2
3-4
5-6
7-8
9-10
11-12
p.13-15
・・・ 15
Ⅲ. 金融・商品市場のパフォーマンス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.16
Ⅳ. 2016年3月の主要な政治・経済日程
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.17
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0
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投資環境マンスリー 2016年3月号
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し ①米国: 個人消費中心の緩やかな景気回復を予想
 個人消費主導の緩やかな回復が続く見込み
M
米国の2015年10-12月期実質GDPは前期比年率+0.7%と、前期の同+2.0%か
ら減速しました(図1)。主な要因は、米ドル高や世界景気減速による輸出の
落ち込みと資源安によるエネルギー企業の設備投資減少とみられます。けん
引役である個人消費は、暖冬による衣料品の減少などが影響し前期から減速
も、同+2.2%と底堅く推移しました。年明け以降も、2016年1月小売売上高の
増加にみられるように(図2)、雇用・所得環境の改善で個人消費は緩やかな
増加が続いているようです。個人消費の改善を反映して、物価(コア個人消
費支出デフレーター)の伸び率は下げ止まりの兆しです(図3)。
米国株は緩やかな利上げと景気回復に支えられ、全体的に緩やかな上昇が
予想されます。しかし企業利益の市場見通しは業種間格差が鮮明で、株価動
向は銘柄間、業種間の差が広がりそうです(図4)。米国内での注目材料は、
利上げのペースとエネルギー企業の破綻懸念です。昨年12月のFOMC(連邦
公開市場委員会)では年4回程度(年1%程度)の利上げが想定されたものの、
FF金利先物市場では年0.10%程度の利上げしか織り込んでいません。3月15-16
日FOMCで公表される利上げの見通しが緩やかになれば、株価を支えそうで
す。一方、エネルギー関連企業の破綻増加が米国景気に悪影響を与えるリス
クには注意が必要です(図5)。銀行の融資基準の厳格化や社債利回りの上昇
がみられるものの、今のところデフォルト率は低位に留まっています。
 大統領指名争いは民主クリントン氏、共和トランプ氏が優勢
2月25日時点の大統領指名争いは、民主党クリントン氏が3戦2勝、共和党ト
ランプ氏が4戦3勝と優勢です。今後、3月1日のスーパー・チューズデーでは
多くの地域で予備選や党員集会が行われ、7月の全国大会に向けて候補者が絞
り込まれていきます。民主党では、サンダース氏が大学の無料化や大手銀行
の解体などクリントン氏と異なる政策方針を打ち出すことで支持率を高めて
います。一方共和党では、対中輸入の関税大幅拡大や不法移民の強制送還な
ど過激な政策を掲げるトランプ氏に対し、他の候補者の政策方針に大きな特
徴がみられず(図6)、トランプ氏との支持率の差が縮まらない状況です。市
場への影響は、サンダース氏とトランプ氏が優勢となれば、金融市場や対中
関係の悪化が懸念され、不安定要因となる可能性があります。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【図1】 輸出や設備投資が減少、市場の見通しは楽観的
(%)
10
8
6
4
2
0
-2
-4
-6
-8
-10
米国 実質GDP(前期比年率)と需要項目別寄与度
設備投資
2015年
10-12月期
+0.7%
(速報値)
在庫投資
個人消費
政府支出
住宅投資
純輸出
(輸出-輸入)
(市場予想)
実質GDP
(年)
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
注)市場予想は2016年1-3月期~同年10-12月期。Bloombergによるエコノミスト等へのヒアリング調査、
2016年2月23日時点。
出所)米商務省、Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 1月小売売上高は良好、自動車や非店舗販売がけん引
5
(%)
米国 小売売上高
(除くガソリン、前年比)(%)
米国 小売売上高・品目別
8
前年比(右軸)
4
120
2016年
1月
+4.4%
3
125
(2012年12月
=100)
自動車・同部品
6
115
2
4
1
110
非店舗販売
0.4%
105
0
2
-1
衣料・アクセサリー
100
前月比
(左軸)
-2
(年)
2013
2014
2015
2016
0
95
2013
2014
2015
2016
(年)
出所)米商務省より当社経済調査部作成
1
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投資環境マンスリー 2016年3月号
【図4】 企業利益はヘルスケアや消費財関連が良好
【図3】 所得と雇用の伸びが消費を下支え、物価が下げ止まり
米国 個人消費支出デフレーター
(前年比)
(%)
米国 所得と雇用者数
(万人)
(%)
M
120
実質可処分所得
(左軸、前年比)
90
2015年
12月
+3.1%
60
4.5
8
インフレ目標
=2%
3.5
3.0
4
2
0
0
2.0
1.5
2016年
1月
-30
15.1万人
雇用者数
(右軸、前月差)
-60
-90
1996
2001
1.0
+0.6%
0.5
-2
0.0
総合
-4 -0.5
-1.0
2006
2011
(年)
-6
米国 一株当り予想利益(EPS)
1,000
500
(1999年末=100)
900
ヘルスケア
800
400
700
200
600
150
300
500
400
100
200
一般消費財
・サービス
300
200
エネルギー(右軸)
50
100
S&P500(左軸)
電気通信
・サービス
100
0
-1.5
2016
(1999年末=100)
250
2015年
12月
コア
+1.4%
2.5
30
(1999年末=100)
素材(左軸)
4.0
6
米国 一株当り予想利益(EPS)
300
1996
2001
2006
2011
2016
(年)
注)雇用者数は非農業部門。コアは食料・エネルギーを除くベース。
出所)米商務省、米労働省より当社経済調査部作成
(年)
2000
2002
2004
2006
2008
2010
2012
2014
2016
0
0
(年)
2000
2002
2004
2006
2008
2010
2012
2014
2016
注)左図は各時点での当期予想利益でBloomberg集計値を当社経済調査部が指数化。
直近値は2016年2月24日。業種分類はBloombergの10分類を利用。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
【図5】 銀行融資基準が厳格化、エネルギー関連の社債利回り上昇 【図6】 過激な政策方針を示すトランプ氏とサンダース氏
米国 融資基準と社債デフォルト率
100
(%)
(%)
商工業向け融資基準
(大・中規模企業、左軸)
18
15
基準
引締め
投機的格付企業
デフォルト率
(右軸)
60
ドナルド・トランプ
(%)
5
2016年
1月
基準
緩和
Reigning the Promise
of America
12
3
A New American
Century
2
ヒラリー・クリントン
6
0
3
20
1.90%
(年)
1996
2001
2006
2011
2016
0
全体
1
(年)
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
注)投機的格付企業デフォルト率はJ.P.Morgan HY Default Rate。右図の直近値は2016年2月19日。
出所)FRB、J.P.Morgan Securities LLC、Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
為替政策
税制
移民対策
その他
自由貿易
そのものに反対
日中の通貨安
戦略を非難
・最高法人税率引下
(35%→15%)
・低所得者所得税0
不法移民は
全員強制送還
・経済成長目標6%
・対中輸入で関税
大幅拡大
反対
「ドルの安定」
(現在のドルは
「高い」との見解を
表明)
・最高法人税率引下
(35%→16%)
・所得税一律10%
不法移民への
市民権付与に反対
イランとの
核合意破棄
賛否保留
-
・最高法人税率引下
(35%→25%)
・配当・株式売却益
への課税廃止
不法移民の永住権
申請容認(条件付き)
・対中強硬姿勢
・軍事費拡大
・職業訓練の充実
反対
日中の
通貨安阻止
・中間層・中小企業
の減税
・大企業・富裕層の
税制改正(実質増税)
不法移民に市民権
獲得の道を与える
包括移民法を支持
公立大学の
授業料軽減
反対
-
・タックスヘイブン
利用企業への課税
・最富裕層への増税
マルコ ・ルビオ
9
8.2%
TPP
テッド・クルーズ
エネルギーセクター
4
40
40
1991
6
《主な政策》
Make America
Great Again
80
20
米国 社債利回り(3年BBB格相当)
Hillary for America
バーニー・サンダース
A Political Revolution
is Coming
・大学の無料化
・大手銀行の解体
・最低賃金を時給
15ドルに引上
出所)各種報道より当社経済調査部作成
不法移民に市民権
獲得の道を与える
包括移民法を支持
2
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投資環境マンスリー 2016年3月号
②英国 : BREXIT- 現時点では不透明なことが多すぎること、これがリスク
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 BREXIT – すべてが不透明。まさにこれがリスク
【図1】 BREXIT回避と原油価格上昇の組み合わせがベストだが
英国 大陸欧州(ユーロ圏)金融市場へのBREXITの影響度
ブレグジット(BREXIT)、現在EU(欧州連合)政界で最も使われる言葉で、
英国のEUからの離脱を意味する造語です。2月のEU首脳会談にて、英国提案通
り、EU内での同国の政治的優位性が担保された後、英キャメロン首相は6月23日
にEU離脱を問う国民投票の実施を表明しました。しかし、元来EUには離脱の
ルールが存在しません。一方、英国内もBREXITを実現させる道も未整備なうえ、
目的も見えません。2月後半の為替市場における英ポンド下落も、すべてが不透
明、まさにこれがリスクとして認識され売り込まれたものとみています。
このBREXITが英国、大陸欧州(データ制約上ユーロ圏とした)の金融市場に
与える影響を、昨今の市場のメインテーマである原油価格を加味しイメージして
みると(図1)、原油価格上昇と共に英国民はEU離脱を回避との見方に市場が傾
けば、双方の株式市場は上昇とのシナリオが描けるかもしれません(図1丸印)。
もっとも、過去のデータは昨今の原油相場の影響を強く受けています。餅の絵す
ら描きにくい中、今後おおやけになるであろう事実を1つでも多く積み上げ、蓋
然性の高いシナリオを構築することが何よりも肝要といえるでしょう。
 BREXIT – その背景はEUへの不信、移民問題
英国は、歴史的にも政治、経済面で大陸欧州とは一線を画してきました。そし
てEU加盟以降、永らく独仏等の大陸欧州加盟国主導の政治的懐柔策に苦渋をな
めてきました。一方、主に国民総所得で拠出額が決まるEU予算(図2左)への巨
額負担を強いられ、またEU域内の人的交流の自由を受け英国に職を求め流入す
る労働者(図2右)等が英国民の不満の種となりEU離脱論が高まっています
英国 BREXIT世論調査
(EU離脱支持率)上昇
(EU離脱支持率)低下
上昇
(プラス)
下落
(マイナス)
原
油
価
格
上
昇
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
下
落
上
昇
下
落
為替
(対ドル)
国債
投資
IG
投資
HY
投資
株式
為替
(対ドル)
国債
投資
IG
投資
HY
投資
英
国
※赤色同系色は上昇と
その程度(濃いほど上
昇)、青色同系色は下
落とその程度(濃いほ
ど下落)を示す。
大陸
欧州
注)上図色は影響度を表し、濃いピンクになるほど価格上昇(金利低下)度合いが大きく、濃い青になるほど価格下落
(金利上昇)度合いが大きいことを示す。英国、大陸欧州(ユーロ圏)の株式はMSCI、国債、IG(投資適格)、HY
(投資非適格)投資は、BofA Merrill Lynch のインデックスを使用し、過去2年(直近値は2016年2月25日)の日次デー
タと原油先物(WTI期近物)価格の市場ベータ(2016年初来のベータ値に比重を置いた)を計測。英国BREXIT世論調査
の予測と英国、ユーロ圏金融市場の影響を定性的に調整し影響度を算出した。為替は英国はポンド、大陸欧州はユーロ。
出所)MSCI、BofA Merrill Lynch、Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 英国はEU予算拠出額、労働者の受け入れ共に多い
EU加盟主要国のEU予算拠出額
(2011年~2014年)
450
400
350
300
こうした社会的要請を受け、先に英キャメロン首相はEU離脱を問う国民投票
の実施を宣言しました。そして昨年11月、同首相は英国に有利となるEU改革案
を提示、2月18日以降のEU首脳会談で最終的な協議の末、英国の主張を盛り込ん
だEU改革策がほぼ全面的に受け入れられました。EU残留を目指すキャメロン首
相ら残留派にとっては、強力な武器を手に入れたことになりましたが、一方で
BREXITを目指す離脱派の声も強くなっています。EU首脳会談後、現地で人気の
高いボリス・ジョンソン ロンドン市長の離脱賛成表明には衝撃が走りました。
上
昇
株式
(億ユーロ)
EU主要国 EUからの出稼ぎ労働者の
比率(25歳以上)
(%)
7
英国
2011年
2012年
2013年
2014年
6
ドイツ
5
250
200
4
EU28ヵ国
150
100
3
50
フランス
ドイツ
フランス イタリア
英国
スペ
イン
その他
2
2005
2008
2011
2014
(年)
2017
注)右図は各国雇用者数に占める大陸欧州から流入した労働者数の割合。直近値は2015年7-9月期。
出所)欧州統計局より当社経済調査部作成
3
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投資環境マンスリー 2016年3月号
 BREXITは英国、EU双方に悪影響
【図3】 ユーロ圏は政治面、英国は経済面で打撃
欧州 株価指数と政治不安定指数
BREXITは英国、EU双方に悪影響を及ぼすとみられます。元来、EUには離脱
に関するルールがありません。仮にBREXITが実現すれば、EU史上初となり、
EUにとっては政治的正念場となりましょう。EUは「次の英国」を志向する加盟
国が出てくる可能性を危惧、意思決定には一段と政治的柔和が求められ、端的に
は「決められない欧州」との政治的評価が一段と定着しましょう(図3左)。
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一方、英国も金融市場の動揺を通じ経済的打撃を受けることになるとみていま
す。財政、貿易で双子の赤字を抱える英国政府に、EU離脱に伴う秘策はないと
みます。同時に、1992年の英ポンド危機時とは遥かに取引量が異なる為替市場で、
外貨準備もさほど持たない英国中央銀行は、想定される資本逃避に近い自国通貨
安を静観するしかないでしょう。さらに離脱の実務面も極めて不透明です。例え
ば、英国はEUからの輸入が全体の約4割も占めますが(図3右)、離脱となれば
何かしらの貿易協定を結ぶ必要も生じます。その間の輸入停滞と通貨下落は消費
主導の英国経済を急減速させると共に、消費者物価は急騰しましょう(図4左)。
 為替市場は英世論調査、株式は好業績・高配当がクッションに
目下、BREXITに関し唯一明らかなのは「6月23日の国民投票実施」だけです。
BREXITを巡る確定的要素が少なく蓋然性の高いシナリオを想定し難い、投資
家の英ポンド売りは正にこうした不安が主因とみています。株式市場では、企
業業績(高収益力、高配当銘柄)が、市場全体の下落圧力へのクッションとし
てある程度期待できましょう。実際、2月25日に増配(0.75→2.25ペンス)を発
表した英大手金融機関ロイズは、前日比約+13%と大きく買われました。しかし
事実上こうしたクッションが無い為替市場では、当面投資家心理に左右される
展開を覚悟すべきでしょう。そして多くの不確定要素が残る今次局面で投資家
が蓋然性の高いシナリオを構築し得る最大の材料は、英世論調査(図4右)とみ
ています。目下世論調査は、英国のEU離脱派と残留派はほぼ拮抗、英政権内で
すら依然態度未表明閣僚が半数いますので、今後の閣僚動静は要注意です。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(指数:逆目盛)
英国とユーロ圏 双方の輸出入シェア
(%)
60
50
欧州政治
政治
不安定指数 安定化
(右軸)
2,500
50
英国
EUからの輸入シェア
100
40
2,000
1,500
30
150
ユーロ圏
英国
英国への輸出シェア EUへの輸出シェア
20
1,000
200
欧州株価指数
(左軸)
500
10
ユーロ圏
英国からの輸入シェア
政治
不安定化
0
250
1997 2000 2003 2006 2009 2012 2015
0
(年)
2001
2004
2007
2010
2013
2016 (年)
注) 左図の政治不安定指数は、欧州主要紙の政治的ネガティブ記事数とポジティブ記事数から指数を作成したもの。
直近値は、左図は2016年1月。右図は英国の数値は2015年12月、ユーロ圏の数値は2015年11月。
出所)Thomson Reuters Datastream、欧州統計局、英国家統計局より当社経済調査部作成
【図4】 世論調査を元に高い蓋然性あるシナリオ構築が急務
英ポンド下落と物価上昇率
25
20
(%)
(%:逆目盛)
消費者物価上昇率
(前年比) (右軸)
15
英国世論調査(YouGov)
-4
-2
5
2
0
4
-5
6
-10
-15
60
(%)
EU残留
50
0
10
-20
米格付会社ムーディーズはBREXITは英国にとってデメリットの方が大きい
と表明しました。仮に英国が格下げ(現在Aa1)となれば、英金融機関は格下
げの憂き目に遭いましょう。金融システム安定性の観点から金融機関の債務返
済可能性と共に、ソブリン格付けも重要視されるためです。(徳岡)
(指数)
3,000
物価下落
英ポンド実効レート
(前年比)
1年先行 (左軸)
42
40
38
30
20
8
10
EU離脱
10
判断未定
物価上昇
-25
12
1991 1996 2001 2006 2011 2016 (年)
0
2013/5 2013/11 2014/5 2014/11 2015/5 2015/11 (年/月)
注) 直近値は、左図は英ポンド実効レートは2016年2月23日、消費者物価上昇率は2016年1月、右図は2016年1月
28日。
出所)Financial Times、英国中央銀行、英国家統計局より当社経済調査部作成
4
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投資環境マンスリー 2016年3月号
③日本: マイナス金利は実体経済への即効性よりも、円安反転による収益改善に期待
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 マイナス金利は個人消費にむしろ逆効果も
昨年10-12月期の実質GDPは前期比年率で▲1.4%と減少しました。暖冬で
冬物衣料の売れ行きが不振だったことや輸出の減少が大きく響きました(図
1)。足元の日本経済は足踏み状態が続いており、年初来の円高や米中景気
不安の高まりは大きな打撃になります。日本銀行は1月29日の定例会合で、
マイナス金利の導入という、新たな緩和に踏み切りました。2月16日から、
日銀当座預金の一部にマイナス金利の適用が始まっています(図2左)。
この決定を受け中長期債利回りがマイナスに沈み、10年国債利回りも2月9
日に初めてマイナスをつけました(図2右)。マイナス金利導入の衝撃は大
きく、預金や住宅ローン金利の低下や銀行の収益悪化懸念、年金やMMF、
国債ファンドの運用悪化など、様々に波及しました。日本の家計資産1,684
兆円のうち5割強が現預金であるため(図3)、家計の不安も大きく膨らんで
います。他方マイナスの面だけではなく、借入金利低下による債務負担減や
資産投資拡大も期待できるため、景気への影響は両面を考慮すべきでしょう。
 円高が急伸するなか、2016年度企業収益が下方修正の恐れ
【図1】 景気は足踏み状態、消費鈍化と輸出の低迷が要因
日本 実質GDPと項目別寄与度
(%)
15
実質GDP
(前期比年率)
10
公的需要
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(2010年=100)
112
小売販売額(右軸)
100
110
在庫投資
98
108
96
106
94
104
92
102
90
100
民間住宅投資
88
98
民間設備投資
86
0
-5
2015年10-12月期
実質GDP▲1.4 %
(1次速報値)
個人消費
-10
-15
-20
2012
2013
2014
2015
(年)
2016
96
輸出数量指数(左軸)
84
2012
2013
2014
2015
2016
94
(年)
注)2016年1-3月期~10-12月期は当社経済調査部予想。 注)直近値は小売販売が2015年12月、輸出が2016年1月。
データは季節調整値。
出所)内閣府
出所)財務省、経済産業省
【図2】日銀がマイナス金利導入、10年国債利回りがマイナス
400
350
300
日本 当座預金残高
「マイナス金利付き量的・
質的金融緩和」の導入
今後は、「量」・「質」・「金利」の
3つの次元で金融緩和を進めて
いく。
250
200
100
日本 国債利回り
(%)
1.6
年間80兆円増
当座預金への
適用金利の
イメージ
【マイナス金利の導入】
150
上場企業の2016年3月期決算はかろうじて増益を維持する見通しですが、
来期の増益は不透明と言えます。現在予想PERは14倍弱と過去レンジの下限
近くにあります。今期のEPSが前提でも割安感があり、平均的な水準(15.7
倍)に戻れば1万8千円台も想定内です(図5)。また、マイナス金利の定着
で配当利回りに着目した株式への資金流入も期待できます(図6)。今後も
為替相場が鍵となり金融財政政策への期待は高まるとみられます。(向吉)
純輸出
日本 輸出と小売売上高
5
(兆円)
マイナス金利導入後は内外金利差の拡大を通じ、円安圧力の拡大が期待さ
れましたが、実際は長続きせずむしろ世界的なリスク回避を背景に急速な円
高が進みました。円高と同時に株安が進み、日経平均は一時1万5千円割れに
なっています。この間、2016年3月期企業収益予想の大幅な下方修正が起こ
り、株価の下落に歯止めのかからない状況になりました。昨年12月時点の企
業の為替想定レートは1ドル=120円弱であり、今年に入って一時110円台ま
で円高が急進したため、収益計画が大幅に狂いつつあります(図4)。
(予想)
(2010年=100)
102
・金融機関が保有する日銀当
座預金に▲0.1%のマイナス金
利を適用。必要な場合、
さらに金利を引き下げる。
政策金利
残高
(▲0.1%)
1.4
マクロ加
算残高
(0%)
1.0
1.2
10年国債利回り
0.8
5年国債利回り
0.6
・日銀当座預金を3段階の階層
構造に分割。「基礎残高」に
+0.1%、「マクロ加算残高」に
ゼロ%、「政策金利残高」に
▲0.1%を適用。
0.4
基礎残高
(+0.1%)
0.2
0.0
50
0
2008
-0.2
2010
2012
2014
2016
(年)
2年国債利回り
-0.4
2018
注)直近値は2016年1月。当座預金への適用金利のイメージ
は「本日の決定のポイントQ&A(1月29日)」に基づく。
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
(年)
注)直近値は2016年2月25日。
出所)日本銀行、Bloomberg
5
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
【図3】 預金金利の低下が消費マインド悪化につながる恐れ
M
日本 家計の金融資産・負債残高
(兆円)
2,000
1,800
1,600
1,400
金融負債残高 376兆円
金融資産残高 1,684兆円
2,000 18
1,800 16
125
120
保険・
年金準備金
444
1,400 12
1,200
115
8
800
債券
600
現金・預金
その他負債
887
その他借入
63
114
住宅借入
199
200
0
2015年9月
受取利子
200
2
0
2003
2006
2009
注)直近値は2014年度。
2012
2015
出所)内閣府
【図5】 企業収益の過去最高水準更新が株価上昇の原動力
(%)
90
80
日経平均 一株当り利益(EPS)
予想>実績
予想EPS
(右軸)
日経平均株価
(円)
24,000
予想PER17倍
想定為替レート
85
(大企業全産業)
-5
75
2012
予想PER15.6倍
(2011~2015年平均)
1,000
50
実績EPS
(右軸)
40
20,000
19,000
18,000
800
2013
2014
注)直近値は2016年2月25日。
2015
2016
(年)
17,000
600
20
予想PER15倍
10
(%)
3.5
3.0
2013
2014
2015
2016
注)想定レートと市場レートの乖離率は2016年
2月25日現在。
出所)日本銀行、財務省
出所)日本銀行
日本 株式配当利回りと10年国債利回り
(兆円)
日本 株式配当金と自社株買い
9
配当利回り
10年国債利回り
自社株買い
8
7
2.0
1.5
6
1.0
5
日経平均株価
予想EPSと実績EPS
の乖離率(左軸)
配当金
0.0
3
-0.5
10,000
-1.0
9,000
-1.5
2013
2014
2015
2016
(年)
7,000
注)直近値は2016年2月25日。
出所)日本経済新聞社
4
2
配当利回り
-10年国債利回り
1
8,000
0
注)直近値は2016年2月25日。
14,000
11,000
200
(年)
15,000
12,000
2
0
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(年)
2012
2.5
0.5
13,000
400
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
-6.3
(2015年7-9月期)
16,000
30
-30
全産業経常利益
(前期比)
-10
21,000
60
-20
23,000
22,000
70
-10
(円)
1,200
90
【図6】金利マイナス化による株式への資金シフトに期待
25,000
1,400
0
80
(年度)
2000
出所)日本銀行
100
円高
5
各調査時点の当該年度見通し
支払利子
0
2015年9月
円安
10
ドル円相場
95
4
400
15
想定為替レートと
市場レートとの乖離率
100
6
600
20
105
1,000
25
日本 企業収益と為替相場
(%)
2015年度想定レート
(日銀短観12月調査)
119円56銭
110
受取配当
10
163
91
日本 ドル円相場と企業の
想定為替レート
130
1,600 14
投資信託
400
(円/米ドル)
74
株式・出資金
800
日本 家計の金融収支
(兆円)
その他
1,200
1,000
(兆円)
【図4】円高急伸で企業の増益期待後退、円安転換が望まれる
出所)日本経済新聞社
-2.0
(年)
2000
2004
2008
2012
2016
注)直近値は2016年2月25日。配当利回りは日経平均ベース。
出所)日本経済新聞社、Bloomberg
0
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
(年度)
注)自社株買いは2016年2月25日時点。金融除く全産業。
出所)東京証券取引所、アイ・エヌ情報センター
6
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
④オーストラリア: 資源安の一服で通貨底打ちの可能性も
 中国景気減速や資源安の中でも景気良好
M
2011年前後から中国の景気減速や資源価格の下落が続いているものの、
オーストラリアの景気は、他の先進国に比べて相対的に良好です(図1左)。
人口増加やエネルギー安で消費や住宅投資が活発で実質GDPが高め、一方、
輸出価格の大幅下落で名目GDPは、過去に比べて伸び率が大幅に鈍化してい
るものの、他の先進国と遜色ない水準に留まっています(図1右)。2016年に
入っても新車販売の好調など良好な消費は継続している模様です(図2)。
【図1】 オーストラリアのGDPは、実質が高め、名目は他国並み
実質GDP (前年比)
6
 オーストラリア(豪)ドルは底堅さを強める可能性も
豪ドルは、世界的に不安定な金融市場を背景に円が強く対円では下落も、
対米ドルでは底堅く推移しています(図5)。景気が比較的良好な中、昨年8
月に豪中銀が声明文の文言を変更し通貨安誘導を和らげ、その後も政策金利
を維持してきたことが一因とみられます。賃金伸び率は低く、物価上昇圧力
が弱いため(図6)、豪中銀は、声明文で「より緩和的な政策が予想される」、
としており、市場では追加利下げ観測が残っているようです。比較的良好な
経済環境のもと、原油安に歯止めがかかれば、豪州の利下げ観測後退や国際
的な金融市場安定で、豪ドルは対円や対米ドルで緩やかな上昇が期待されそ
うです。日本のマイナス金利導入による国債利回り差も豪州への投資を促し
通貨を支えそうです。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(%)
12
オーストラリア
4
オーストラリア
10
8
2
6
4
0
2
先進資源国
(カナダ、ノルウェー、
ニュージーランド)
-2
12月までの輸出は、金額が鈍化も鉄鉱石などの資源や観光などのサービス
の輸出数量の伸びが下支えになっています(図3)。主要輸出品である鉄鉱石
の足元の価格は、連動性のある原油価格の下げ止まりなどから、若干上昇し
ています。今後、輸出金額が持ち直すのか、原油価格の動向が焦点です。
WTI原油先物価格(期近物)は、2月11日に1バレル26ドルまで低下した後、2
月25日には同33ドルまで回復しました。この背景は、2月16日にサウジアラビ
ア、ロシア、カタール、ベネズエラが増産凍結で合意したためです。正式に
は、3月中旬にOPEC加盟国や他の産油国と会合を開き、決定する予定です。
焦点は、今年1月の経済制裁解除で増産を目指すイランが参加するのかという
点です。仮に特例でイランだけ日量50万バレルの増産を認めた場合でも、米
EIA(エネルギー情報局)の見通しに基づけば、原油の需給環境の改善が予
想され(図4)、原油価格は底値を固める可能性があります。
名目GDP (前年比)
(%)
0
先進資源国
(カナダ、ノルウェー、
ニュージーランド)
-2
-4
主要先進国
(米国、日本、ドイツ、英国、
イタリア、フランス)
-6
-4
-8
-8
(年)
2009
2011
2013
主要先進国
(米国、日本、ドイツ、英国、
イタリア、フランス)
-6
2009
2015
2011
2013
(年)
2015
注)オーストラリア以外は対象国の平均値。直近値は2015年7-9月期。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 失業率が低下傾向、2016年1月も新車販売が好調
オーストラリア 失業率と雇用者数
8
(万人)
(%)
7
2015年1月
6.3% 2016年
1月
6.0%
失業率
(左軸)
6
60
15
新車販売台数
(左軸)
50
2016年
1月
+5.1%
20
40
5
4
3
2016年
20
1月
+29.8万人
2
0
2016年
12月
+4.2 %
1
2006
2009
2012
2015
(年)
0
6
-20
3
10
2003
12
9
雇用者数
(右軸、前年同月差)
30
0
2000
オーストラリア 新車販売と小売売上
(前年比)
(%)
40 (%)
小売売上高
(右軸)
-40
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年)
0
2016
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
7
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
【図4】 産油国の増産凍結協議が合意すれば需給懸念が後退か
【図3】 資源安の悪影響を資源やサービスの輸出数量増が緩和
オーストラリア 輸出金額と鉄鉱石価格
350
(億豪ドル)
(米ドル/トン)
M
350
▲9%
300
300
250
2011年
8月
200
200
▲76% 2015年
12月
150
150
100
輸出数量の内訳
220
製造業
9%
2011
その他
3%
資源(右軸)
160
1月
サービス
18%
資源
59%
2014
(年)
2016年
7月
1月(現在)
4月
7月
12月
米国供給
1,301
1,459
1,512
1,474
1,474
1,446
1,453
OPEC供給
3,080
3,068
3,209
3,161
3,186
3,211
3,211
サウジアラビア
990
960
1,025
995
995
995
995
イラン
280
280
280
280
305
330
330
世界の供給 ①
9,171
9,427
9,648
9,516
9,549
9,553
9,571
世界の需要 ②
9,118
9,196
9,510
9,315
9,452
9,567
9,563
53
231
138
201
97
-13
8
400
300
サービス(左軸)
農業(左軸)
100
200
100
60
製造業(左軸)
40
2000
1月
(万バレル/日)
500
120
0
2015年
2014年
600
農業
11%
180
50
0
2008
700
80
鉄鉱石価格
(右軸)
50
(億豪ドル)
140
100
2005
240
200
輸出金額
(左軸)
250
原油需給 (米国減産、イラン増産、イラン以外の産油国生産維持)
オーストラリア 輸出数量
(億豪ドル)
2003
2006
2009
2012
①-②
0
(年)
2015
注)左図の赤字は2011年8月から2015年12月までの変化率。鉄鉱石価格は中国・青島の輸入価格、2008年4月以前は、オース
注)2016年1月が実績値、以降は予想値、米国供給が米EIAの予想、OPECのイランが7月までに日量50万バレル増産し
トラリア中銀の商品価格指数を用いて当社経済調査部が試算。鉄鉱石価格の直近値は2016年2月23日。右図は2015年7-9月期。 イラン以外の産油国が1月の生産量維持と想定し当社経済調査部が試算。
右図の輸出数量内訳は2014年10月から翌年9月の合計。直近値は2015年7-9月期。
出所)米EIAより当社経済調査部作成
出所)オーストラリア統計局、オーストラリア中銀、Bloombergより当社経済調査部作成
【図6】 賃金上昇率が低く、物価上昇圧力は弱い
【図5】 円高要因で対円為替が下落、小幅の利下げ観測残る
120
(円/
オーストラリアドル)
オーストラリアドル
(米ドル/
オーストラリアドル)
オーストラリア 国債利回りと政策金利
1.1 8
(%)
5
↑オーストラリアドル高
115
1.0 7
↓米ドル高↓円高
110
対米ドル(右軸)
0.9
105
2016年
2月24日
0.7196
100
95
6
3
5
2
2016年
2月24日
2.40%
4
オーストラリア 賃金上昇率
(前年比)
2015年
10-12月期
+2.0%
85
対円(左軸)
80
政策金利
0.5 1
3
75
(年)
2013
2014
2015
2016
0.4 0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
注)市場予想は2016年12月までで2016年2月24日時点。Bloombergによる市場調査の平均値。
2016年2月24日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2015年
10-12月期
+0.5%
-2
2.0%
政策金利の市場予想
2016年12月 1.85%
80.731
4
0
-1
2
2015年10-12月期
総合物価 +1.7%
コア物価 +2.1%
インフレ目標
+2~3%
3
0.6
(%)
1
0.7
90
オーストラリア 消費者物価(前年比)
5
名目賃金上昇率
4
10年国債利回り
0.8
(%)
2
実質賃金上昇率
(=名目賃金-消費者物価)
-3
-4
2000
2003
2006
2009
2012
(年)
2015
1
2003
2005
2007
2009
2011
2013
(年)
2015
注)賃金は民間部門。
出所)オーストラリア中銀、オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
8
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
⑤中国: 景気安定の確証はいまだ得られず、不動産市況の回復基調が一段と強まるかが注目
M
 2015年に比べれば、景気減速感は和らいでいる印象も
中国景気は昨年に比べ減速感こそ和らいだ感はあるものの、明確な底打ち
には至っていない模様です。業種別PMIを見ると、サービスなど非製造業で
は底固めの気配も見られますが、製造業は依然低迷しています(図1)。輸
出の不振も一因のようです(直近1月の米ドル建て輸出額は前年比▲11.2%
と7ヵ月連続のマイナス)。産油国中心に低調な海外景気に加え、為替面で
は対米ドルで元安が進んだとはいえ、長期的に見れば割高感は根強く、輸出
競争力低下を招いていることなどが逆風になっているとみられます(図2)。
外需に多くを期待できないなか、景気軟着陸に向け内需底上げが不可欠な
情勢です。直近2015年12月時点の社会消費品小売総額(名目)は前年比
+11.1%と安定(図3左)、住宅市況回復に伴い家電(同+13.5%)、家具
(+16.5%)、建材など(+20.0%)も堅調、同年10月から開始された自動車
(小型車)取得税減税なども奏功し、個人消費は底堅い模様です(図3右)。
【図1】 製造業は低迷も、サービスなど非製造業は底打ちの兆し
中国 業種別PMI
(ポイント)
国家統計局公表値
マークイット公表値
(ポイント)
60
60
非製造業
58
58
56
サービス業
56
業況 54
拡大
54
53.5
52
50
52.4
52
50
49.4
48
製造業
業況
縮小 46
2010
2012
2014
2016
(年)
48.4
48
製造業
46
2010
2012
2014
2016
(年)
注)直近値はすべて2016年1月時点。
出所) 中国国家統計局、マークイットより当社経済調査部作成
 注目の全人代 ー 国内投資回復に向け追加の財政政策を期待
一方、減速続く固定資産投資に対しては、当局主導でてこ入れを図ってい
る様子がうかがえます。直近1月のマネーサプライ(M2)は前年比+14.0%
へ加速(2015年目標は同+12%)、新規人民元貸出は単月で過去最高水準と
なるなど、当局容認の下で銀行が融資を積極化したと判断されます(図4)。
インフラ関連投資は相対的に高い伸びを維持、固定資産投資全体の下支え
役を担っています(図5左)。足元は投資の先行指標が底打ちを示すなど
(図5右)、当局による金融緩和、インフラ増強方針と投資計画認可の加速
が奏功しているとみられ、固定資産投資の減速感は和らぐと期待されます。
住宅市場についても、当局は昨年3・9月に続き今年2月も住宅購入の頭金比
率引き下げを決定するなど底上げを狙っています(図6)。鉄鋼・セメントな
ど建設資材を含め関連産業の裾野も広い不動産市場を中心に、3月の全人代
で、政策面から後押しする姿勢が一段と鮮明になるか注目です。(瀧澤)
【図2】 世界経済低迷で輸出は低調脱せず、人民元高も重石に
(%)
中国 米ドル建て輸出額
(12ヵ月累計、前年比)
中国 名目実効為替レート
(対41ヵ国・地域)
(2010年=100)
50
140
40
130
アジア<50>
30
米国<18>
20
120
100
0
90
80
EU<16>
-20
70
産油国<11>
-30
2010
2012
元安
110
10
-10
124.86
元高
2014
2016
(年)
60
1995
2000
2005
2010
(年)
2015
注)左図:ここでの産油国はカナダ・ノルウェー・ロシア・メキシコ・ブラジル・OPEC(エクアドル・リビア除く)。
<>内の値は輸出総額を100としたときのシェア(2015年)。直近値はすべて2016年1月時点。
出所)中国海関総署、BIS(国際決済銀行)より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
9
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
【図3】 底堅さ増す個人消費、自動車市場では政策効果も顕在化 【図4】 景気浮揚を狙い、当局主導で融資活動積極化の動きも
M
22
(%)
中国 社会消費品小売総額
(前年比)
中国 自動車販売台数
(12ヵ月累計)
(万台)
2,600
中国 マネーサプライ(M2)と新規融資額
(%)
30
28
26
24
22
20
18
16
14
12
10
8
2015年10月~2016年末
小型車の取得税減税
20
2,400
18
名目
2,200
16
2009年1月~2010年末
小型車の取得税減税
14
2,000
+11.1%
12
1,800
10
8
+9.5%
実質
6
2010
2012
2014
2016
(年)
1,600
1,400
2010
2012
2014
(年)
3.0
新規
2.51兆元
人民元建て融資額
(右軸)
M2(前年比、左軸)
1.5
+14.0%
2006
2008
2010
2012
中国 都市部固定資産投資の先行指標
(年初来累計、前年比)
全体
30
プロジェクトに対し
払い込まれた資金額
25
+17.3%
20
15
+10.0%
10
5
うち
インフラ関連除く
0
+7.9%
-5
2010
2012
2014
2016
(%)
30
15
全体
20
+7.7%
10
+5.5%
2013
2014
5
+1.0%
うち住宅
0
-5
2012
15
10
新規着工
プロジェクト
投資計画額
5
2015
(年)
2016
注)左図:ここでのインフラ関連は公益・水利・公共施設・交通運輸の合計とした。
直近値はすべて2015年12月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
中国 不動産開発投資額
(年初来累計、前年比)
25
0
(年)
(%)
35
20
25
(年)
0.0
出所)中国人民銀行より当社経済調査部作成
40
30
うちインフラ関連
35
2016
【図6】 関連産業が多く裾野の広い不動産市場の活性化が鍵
(%)
40
2014
注)直近値は2016年1月時点。
【図5】 固定資産投資はインフラ主導で減速歯止めの期待も
中国 都市部固定資産投資
(年初来累計、前年比)
1.0
0.5
出所)中国国家統計局、中国汽車工業協会より当社経済調査部作成
(%)
2.5
2.0
2004
2016
注)左図の実質値は消費者物価で実質化。直近値は左図が2015年12月、右図が2016年1月時点。
(兆元)
+0.4%
-5
2010
2012
2014
2016
(年)
中国 住宅販売・新規着工面積
(年初来累計、前年比)
70
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
販売面積
+6.9%
▲14.6%
新規着工面積
2010
2012
2014
2016
(年)
注)直近値はすべて2015年12月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
10
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
⑥為替: 米国悲観論の修正に伴い円相場も安定へ、ただし不安定な原油・中国動向には要注意
M
 世界的なリスク回避の流れが加速し、円高ドル安が急進
【図1】 円高急進、次のチャート的な目処は106円程度
チャート的な節目としては、2011年10月の円高値75円32銭と2015年6月の
円安値125円86銭で見た場合、23.6%戻しの113円を突破した今、38.2%戻し
の106円(半値戻しは100円、なお日本が変動相場制に移行した1973年2月を
基準とした日米購買力平価(生産者物価ベース)も直近100円程度)が視野
に入ります(図1)。また今般同様、過去も米国の利上げ開始前後で円高ド
ル安に振れましたが、その平均変動率17.4%を上記の125円86銭に当てはめ
れば107円程度です(図2)。目先は106~107円が円高の目処といえそうです。
 米国悲観論が修正されれば、急激な円高ドル安も小休止へ
足元の円高ドル安は、米国株安に代表される世界的なリスク回避色の強ま
り、さらにそれが米国利上げ期待(ひいては日米金利差拡大期待)のはく落
につながったことが主因と考えます(図3)。また昨年来、リスク回避的な
動きを助長した材料として、①原油安②人民元安が挙げられますが(図4)、
その背景にある、①原油市場の供給過剰感、②中国の景気不安、を市場は当
面引きずる可能性が高く、リスク回避色が和らぐまで時間を要しそうです。
ただし、ドル円相場の基調自体が変わるかは米国景気次第と考えます。住
宅価格上昇が示唆するように、米国の屋台骨である家計部門の改善に変調は
見られず(図5)、一部でささやかれる景気後退観測は行き過ぎといえます
(図6)。当面、原油・中国動向を材料に金融市場内の楽観・悲観論が交錯、
円相場の変動率が高まるリスクは残るものの、米国景気への極度の不安心理
が修正されるのに伴い、円高ドル安が一服する展開を予想します。(瀧澤)
ドル円相場と円の戻り高値目処
(円/米ドル)
2月のドル円相場は、11日に一時1米ドル=110円99銭を付けるなど、円高
が急進しました。ドル円相場は今年1月20日に115円98銭を付けた後、同月29
日に日銀が追加金融緩和に動いたこともあり、金融市場では115円近辺が警
戒水準(政府・日銀がこれ以上の円高を許容しないとの思惑)として意識さ
れていましたが、足元は大幅に割り込み、目処が見えづらくなった模様です。
130
125
120
115
110
105
100
95
90
85
80
75
70
2015年6月5日 125円86銭
113円93銭(23.6%戻し)
106円55銭(38.2%戻し)
100円59銭(半値戻し)
2011年10月31日 75円32銭
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
(年)
注)2011年の円高値と2015年の円安値(ともにザラバ)で見たチャート上の代表的な節目を表記。
直近値は2016年2月25日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 過去4回の米国利上げ前後でも一時的に円高が進行
過去4回の米国利上げ期前後のドル円相場
初回利上げ
①
1994年2月4日
② 1997年3月25日
最終利上げ
1995年2月1日
---
③ 1999年6月30日 2000年5月16日
④ 2004年6月30日 2006年6月29日
円安値
円高値
1994年1月5日
11月2日
113円60銭
96円12銭
1997年5月1日
6月11日
127円50銭
110円65銭
1999年5月20日
11月26日
124円75銭
101円25銭
2004年5月14日 2005年1月17日
114円88銭
101円69銭
変動率
18.2%円高
15.2%円高
23.2%円高
平均
17.4%
円高
13.0%円高
注)1997年の利上げは1回で終了。ドル円相場の値はすべてザラバベース。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
11
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
【図3】 世界的なリスク回避の流れが米国慎重論を強め円高材料に 【図4】 昨年来、原油・中国動向が市場のリスク許容度を左右
米国株式とドル円相場
M
20,000
(米ドル)
ドル円相場(右軸)
19,500
130
125
19,000
18,500
120
(%)
米国株式と原油価格
(円/米ドル)
1.8
ドル円相場(右軸)
1.6
130
125
1.4
120
1.2
18,000
115
17,500
115
1.0
17,000
110
株安
16,500
16,000
日米金利差とドル円相場
(円/米ドル)
105
0.6
100
0.4
NYダウ(左軸)
15,500
2015
2016
(年)
110
0.8
金利差
日米
縮小
実質金利差
(米-日、左軸)
2015
2016
105
100
(年)
注)右図:実質金利=10年国債利回り-(10年物物価連動国債で見た)期待インフレ率、で算出。
直近値はすべて2016年2月25日時点。
(米ドル)
20,000
原油先物価格
(期近物、右軸)
19,500
19,000
18,500
原油安
18,000
17,500
17,000
16,500
NYダウ(左軸)
16,000
15,500
2015
2016
米国住宅価格とドル円相場
(2000年1月=100)
ドル円相場(右軸)
210
200
190
180
170
160
150
140
130
120
S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20大都市平均、左軸)
2005
2007
2009
2011
2013
2015
(年)
135
130
125
120
115
110
105
100
95
90
85
80
75
70
65
注)住宅価格指数は季調値。直近値は住宅価格指数が2015年12月、ドル円相場は2016年2月時点。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(元/米ドル)
20,000
19,500
6.1
人民元相場
(対米ドル、右軸) 6.2
19,000
6.3
18,500
元安
18,000
6.4
6.5
17,500
6.6
17,000
16,500
6.7
NYダウ(左軸)
6.8
16,000
15,500
2015
2016
(年)
6.9
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
【図6】 米国景気後退入りへの思惑はやや行き過ぎか
(円/米ドル)
220
(年)
65
60
55
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
(米ドル)
注)左図はWTI原油先物価格。直近値はすべて2016年2月25日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
【図5】 家計部門の改善基調堅持を裏付ける住宅市況の回復
米国株式と中国人民元相場
(米ドル/バレル)
セントルイス
連銀試算
100
80
60
40
20
0
(%)
米国 景気後退確率
■は景気後退期
(NBER)
2015年11月
3.8%
(年)
1967 1972 1977 1982 1987 1992 1997 2002 2007 2012 2017
ニューヨーク
連銀試算
100
80
60
40
20
0
(%)
■は景気後退期
(NBER)
2017年1月
4.6%
(年)
1967 1972 1977 1982 1987 1992 1997 2002 2007 2012 2017
注)セントルイス連銀:非農業部門雇用者数、鉱工業生産、個人所得(実質、社会保障給付を除く)、
製造業・商業売上高(実質)を元に、景気後退確率を算出。
ニューヨーク連銀:10年国債と3ヵ月国債の利回り差を使用し、12ヵ月後の景気後退確率を算出。
出所)セントルイス連銀、ニューヨーク連銀、NBERより当社経済調査部作成
12
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
Ⅱ.国際金融市場の動向
M
(すべて2005年初=100)
先
進
国
①株式: 2月下旬にかけては、原油安一服に伴い米国中心に反発
米国
日本
180
200
160
180
140
160
180
200
100
150
120
100
80
100
80
60
60
40
40
20
20
2008
2010
2012
2014
2016
0
2006
100
450
400
400
350
350
300
300
250
250
200
200
150
150
100
100
50
50
2008
2010
2012
80
60
50
40
20
2008
2010
2012
2014
2016
0
2006
2008
インド
450
0
2006
160
140
120
中国
新
興
国
オーストラリア
200
140
120
0
2006
ドイツ
250
2014
2016
0
2006
2012
2014
2016
0
2006
500
300
2008
2010
2012
2014
2016
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
0
2006
350
250
350
140
200
300
120
100
200
80
100
150
60
100
40
100
50
20
50
2010
2012
2014
2016
2014
2016
(年)
200
150
2008
2010
2012
2014
2016
0
2006
注1)2005年初=100として当社経済調査部が指数化。直近値は2016年2月25日、注2)先進国はMSCI WORLD、新興国はMSCI EMの国別指数に基づく(現地通貨ベース、配当後)。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(年)
250
250
2008
2012
300
150
0
2006
2010
南アフリカ
400
2016
2008
ポーランド
160
2014
2016
50
180
2012
2014
100
100
400
2010
(年)
150
200
450
2008
2016
200
450
0
2006
2014
300
200
0
2006
2012
250
ブラジル
50
2010
トルコ
350
500
300
2008
インドネシア
600
400
メキシコ
350
2010
2008
2010
2012
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査部作成
13
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
②金利: 1月の日銀追加金融緩和を反映し、日本では10年国債利回りもマイナス圏へ
M
(単位はすべて%)
日本
8
6
先
進
国
4
利回り
(10年物国債)
2
米国
8
0
ユーロ圏
8
オーストラリア
8
6
6
6
4
4
4
2
2
2
0
0
0
政策金利
-2
2006
2008
2010
2012
2016
中国
18
新
興
国
2014
-2
2006
16
14
14
12
12
10
10
8
8
6
6
4
4
2
2
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
メキシコ
18
2010
0
2006
2012
2014
2016
インド
18
16
-2
-2
2008
2008
2010
2012
2008
2014
2006
2016
2010
2012
2014
2016
2006
2016
26
24
22
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
2006
インドネシア
26
24
22
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
ブラジル
18
2006
2008
2010
2012
2014
ポーランド
18
16
16
16
14
14
14
14
12
12
12
12
10
10
10
10
8
8
8
8
6
6
6
6
4
4
4
4
2
2
2
2
0
2006
0
2006
0
2006
2010
2012
2014
2016
2008
2010
2012
2014
2016
2008
2010
2012
2014
2016
0
2006
2010
2012
2014
2016
(年)
2014
2016
(年)
2014
2016
トルコ
2008
2010
2012
南アフリカ
18
16
2008
2008
2008
2010
2012
(年)
注1) 政策金利は、日本:無担保コールレート(翌日物)、米国:FFターゲットレート、ユーロ圏:リファイナンス・レート、オーストラリア:キャッシュレートを使用。中国: 1年もの最優遇銀行貸付金利、インド:RBIレポ金利、
インドネシア:BI金利、トルコ:2010年5月18日まで翌日物借入金利、以降は1週間レポ金利、メキシコ:翌日物金利、ブラジル:SELIC金利誘導目標、ポーランド:2週間物レポ金利、南アフリカ:レポ金利を使用。
注2)国債利回りは、ユーロ圏:ドイツの10年国債利回り、トルコ:2年国債利回り、ブラジル:2年国債利回り、南アフリカ:10年国債利回り(2011年10月5日~2012年6月26日は9年国債で代用)を使用。
注3)直近の米国の政策金利(FF金利誘導目標)は0.25~0.50%だがグラフ上は0.50%で表示、なお、日本では政策目標を無担保コールレート(翌日物)とする措置を2013年4月4日で終了。
注4)直近値は2016年2月25日。注5)一部データの欠損あり。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
14
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
③為替: 世界的なリスク回避の流れを受け、円独歩高に
M
日本・円
(円/米ドル)
70
各国・地域通貨高
米ドル(日本円)安
先
進
国
80
円高
(円/元)
2008
(INR
/米ドル)
22 30
2010
2012
2014
20
6.5
18
インド・ルピー
(円/INR)
7.0
16 50
7.5
14 55
8.0
12
40
45
60
8.5
2006
8
65
10 70
2008
(MXN
/米ドル)
2010
2012
2014
メキシコ・ペソ
2016
(円
/MXN)
10
2006
12
1.5
11
2.0
10
12
9
14
2008
(BRL
/米ドル)
2010
2012
2014
16
7
18
20
2008
2010
2012
2014
1.2
120 0.8
0.7
100
0.6
ブラジル・レアル
(円/BRL)
2016
70
50
3.0
2010
2012
2014
インドネシア・ルピア
2016
オーストラリア・ドル
(円
/豪ドル)
120
100
6
4.0
30
5
4.5
20
2008
2010
2012
2014
2016
80
60
0.5
2006
(円
/100 IDR)
1.5 1.0
2008
(TRY
/米ドル)
2010
2012
2014
トルコ・リラ
2016 (年)
(円/TRY)
40
120
1.4
8,000
1.3
1.5
100
10,000
1.2 2.0
1.1
80
12,000
1.0 2.5
60
0.9
14,000
3.0
40
0.8
16,000
1.5
2008
(PLN
/米ドル)
2010
2012
2014
ポーランド・ズロチ
2016
(円/PLN)
0.7 3.5
2006
60
2.0
50
2.5
3.0
40
3.5
2006
80
2008
6,000
2006
60
2.5
対日本円
(右軸)
(IDR
/米ドル)
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
2016
8
2006
140 0.9
0.8
2006
2016
35
6.0
(米ドル
/豪ドル)
1.1
1.4
1.0
円安
120
2006
新
興
国
160
110
130
中国・人民元
対米ドル
(左軸)
180 1.2
1.0
90
各国・地域通貨安
米ドル(日本円)高
(元
/米ドル)
(円
/ユーロ)
ユーロ
1.6
100
5.5
(米ドル
/ユーロ)
1.8
40
3.5
30
4.0
4.5
2006
20
2008
2010
2012
2014
2016
4
20
2008
(ZAR
/米ドル)
2010
2012
2014
南アフリカ・ランド
2016 (年)
(円/ZAR)
20
6
18
8
16
10
14
12
12
14
10
16
8
18
6
2006
2008
2010
2012
2014
2016 (年)
注)上段右図:豪ドル=オーストラリアドル。直近値は2016年2月25日。
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
15
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
Ⅲ.金融・商品市場のパフォーマンス
期間別 各資産の投資収益率(%)
M
基準日: 2016年2月25日
現地通貨ベース
1ヵ 月
株式
業種別
海外先進国
2.4
▲ 7.7
▲ 8.6
2.8
▲ 7.7
新興国
2.2
▲ 8.5
▲ 15.1
2.8
▲ 11.6
素材(景気敏感)
6.5
▲ 10.3
▲ 23.3
8.0
エネルギー
7.1
▲ 12.5
▲ 24.1
IT(情報技術)
1.5
▲ 8.9
▲ 5.7
▲ 1.7
▲ 7.6
▲ 6.5
日本
2.8
4.0
5.0
海外先進国
1.8
2.8
新興国(現地通貨建て)
0.9
1.5
その他
債券
その他
3ヵ 月
1年
2011年
▲ 6.1
▲ 18.2
▲ 13.0
▲ 10.5
▲ 1.7
▲ 15.7
▲ 23.8
▲ 1.7
▲ 19.6
▲ 9.3
▲ 25.3
3.6
7.5
▲ 13.2
▲ 26.3
1.9
▲ 8.3
▲ 5.6
▲ 1.0
▲ 6.9
▲ 7.6
▲ 5.5
2.8
2.7
2.4
3.5
0.2
▲ 2.1
4.0
2.5
▲ 1.8
▲ 9.3
▲ 2.0
2.5
▲ 0.4
0.8
▲ 2.0
海外先進国
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
▲ 18.6
21.8
54.8
9.8
10.3
▲ 15.6
▲ 15.4
▲ 9.2
30.2
48.8
▲ 28.8
▲ 23.4
31.4
19.1
20.1
▲ 0.8
▲ 5.7
11.9
▲ 14.2
▲ 17.3
▲ 30.2
▲ 24.8
24.6
25.3
▲ 5.8
9.1
▲ 14.5
▲ 5.9
3.0
▲ 21.2
▲ 31.2
▲ 4.5
15.3
▲ 2.6
▲ 16.2
▲ 10.5
▲ 7.4
26.6
40.2
2.7
▲ 21.8
▲ 3.5
50.7
30.4
5.6
▲ 14.8
▲ 12.5
5.0
31.2
▲ 6.8
58.5
32.4
7.5
▲ 8.0
4.0
5.0
2.2
1.8
2.1
4.5
1.2
3.3
▲ 4.5
▲ 4.7
1.2
19.8
21.7
17.1
▲ 3.4
▲ 2.7
▲ 9.7
▲ 14.2
▲ 5.2
24.1
15.0
13.9
▲ 9.0
1.3
▲ 8.4
▲ 4.1
0.8
30.2
16.1
21.2
1.6
1.2
1.7
2.6
2.1
6.8
4.9
▲ 1.5
9.4
0.6
3.2
2.3
▲ 0.7
0.3
6.9
17.2
▲ 5.7
7.0
0.8
1.0
投資適格
1.4
0.8
▲ 2.7
▲ 3.1
▲ 7.1
▲ 7.6
▲ 0.7
23.9
21.4
17.0
▲ 3.4
▲ 4.8
ハイイールド
0.5
▲ 4.1
▲ 7.3
▲ 3.9
▲ 12.0
▲ 12.2
▲ 2.6
32.1
29.3
13.7
▲ 3.8
▲ 8.0
投資適格
新興国
(米ドル建て) ハイイールド
1.2
▲ 0.1
▲ 0.8
▲ 3.2
▲ 8.0
▲ 5.7
0.5
26.0
19.5
19.3
0.2
0.6
1.7
▲ 2.8
2.0
▲ 2.8
▲ 10.8
▲ 2.9
▲ 8.7
33.9
21.9
12.9
3.8
0.9
新興国(米ドル建て)
世界
社債
円換算ベース
1ヵ 月
1年
▲ 13.0
新興国(米ドル建て)
ヘッジ有
3ヵ 月
▲ 18.2
ヘルスケア
国債
米ドルベース
1ヵ 月
1年
▲ 6.1
日本
地域別
3ヵ 月
先進国
▲ 0.0
▲ 6.6
▲ 5.6
0.8
▲ 5.3
▲ 6.0
▲ 3.7
▲ 13.2
▲ 10.9
▲ 10.4
25.1
38.5
17.6
1.6
▲ 10.6
新興国
▲ 1.0
▲ 3.1
▲ 2.4
▲ 0.5
▲ 2.4
▲ 4.5
▲ 5.0
▲ 10.3
▲ 9.4
▲ 17.0
28.6
33.8
15.6
4.3
▲ 8.3
物価連動 先進国
国債
新興国
1.2
▲ 0.3
▲ 3.5
▲ 3.3
▲ 8.2
▲ 8.5
5.5
19.7
16.6
17.8
▲ 4.3
1.2
5.3
▲ 1.8
▲ 14.7
0.8
▲ 9.7
▲ 19.7
▲ 8.1
30.6
6.3
15.6
▲ 18.8
2.2
先進国
3.4
▲ 0.3
▲ 4.3
▲ 1.0
▲ 8.2
▲ 9.3
▲ 3.4
36.3
24.6
37.1
1.6
▲ 1.6
新興国
11.5
▲ 9.0
▲ 22.0
7.0
▲ 16.9
▲ 27.0
▲ 13.1
49.5
9.4
22.8
▲ 17.2
0.4
1.7
▲ 7.9
▲ 26.2
▲ 2.8
▲ 15.8
▲ 31.2
▲ 18.5
11.7
11.9
▲ 3.3
▲ 24.3
▲ 3.5
転換社債
リート
商品
注)株式は、日本、海外先進国、業種別がMSCI WORLDにおける当該地域・業種別の各指数、新興国がMSCI EM、
債券は、国債(日本、海外先進国、海外先進国ヘッジ有り)、社債(世界)、転換社債がBofA メリルリンチ債券インデックスにおける当該市場の各指数、国債(新興国《現地通貨建て》は
J.P. Morgan GBI - EM Broad、国債(新興国《米ドル建て》、新興国《米ドル建て》ヘッジ有)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、社債(新興国《米ドル建て、投資適格》) は
J.P. Morgan CEMBI High Grade、社債(新興国《米ドル建て、ハイイールド》) はJ.P. Morgan CEMBI High Yield、物価連動国債(先進国)がバークレイズ世界物価連動国債インデックス、物価連動債(新興国)が
バークレイズ新興市場物価連動国債インデックス、リート(先進国)はS&P先進国REIT指数、 リート(新興国)はS&P新興国REIT指数、商品はブルームバーグ商品指数に基づく。
2015年は2014年末から基準日までの数字。
上記分析は作成時点のものであり、将来の市場環境等を示唆・保証するものではありません。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)J.P. Morgan、Bloomberg、S&P、MSCI、バークレイズ、BofA メリルリンチより当社経済調査部作成
16
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
Ⅳ.2016年3月の主要な政治・経済日程
月
M
2/29
(日)
(日)
1月 鉱工業生産
1月 商業販売統計
(米)
(米)
1月 中古住宅販売仮契約指数
2月 シカゴ購買部協会景気指数
(欧)
2月 消費者物価(速報)
火
水
木
3/1
2
3
(日)
(日)
(日)
(日)
1-3月期 法人企業統計調査
1月 労働関連統計
1月 家計調査
2月 新車登録台数
(米)
2月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
(米)
(米)
2月 ADP雇用統計
2月 新車販売台数
(豪)
10-12月期 実質GDP
(米)
(米)
(米)
(他)
(中)
7
(日)
(米)
1月 消費者信用残高
14
(日)
(日)
(日)
(欧)
1月 鉱工業生産
(米)
連邦公開市場委員会(FOMC)
(~16日)
21
(米)
10-12月期 実質GDP(2次速報)
1月 経常収支
2月 消費者態度指数
2月 銀行貸出
2月 景気ウォッチャー
(欧)
(独)
(豪)
10-12月期 実質GDP(2次速報)
1月 鉱工業生産
2月 NAB企業景況感指数
2月 中古住宅販売件数
(日)
(日)
1月 製造工業 稼働率指数
1月 第3次産業活動指数
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
1月 企業売上高・在庫
2月 生産者物価
2月 小売売上高
3月 ニューヨーク連銀景気指数
3月 全米住宅建築業協会
(NAHB)住宅市場指数
(独)
(独)
(英)
(英)
3月 ifo景況感指数
3月 ZEW景況感指数
2月 消費者物価指数
2月 生産者物価指数
1月 製造業受注
1月 耐久財受注
2月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
(米)
(米)
1月 貿易収支
2月 雇用統計
(伊)
10-12月期 実質GDP(2次速報)
ブラジル 10-12月期 実質GDP
(他)
ブラジル 1月 鉱工業生産
10
2月 鉱工業生産
2月 商業販売統計
2月 労働関連統計
2月 家計調査
(米)
1月 S&P/ケース・シラー
住宅価格指数
3月 消費者信頼感指数
(カンファレンス・ボード)
11
(日)
2月 企業物価指数
(日)
1-3月期 法人企業景気予測調査
(米)
1月 卸売売上高
2月 輸出入物価指数
1月 鉱工業生産
3月 消費者信頼感指数
2月 月次財政収支
欧州中央銀行(ECB)理事会
1月 鉱工業生産
(米)
(英)
(豪)
(米)
(欧)
(仏)
(伊)
1月 鉱工業生産
(中)
(中)
(他)
2月 消費者物価指数
2月 生産者物価指数
ブラジル 1月 小売売上高
(他)
ブラジル 2月消費者物価(IPCA)
(米)
(米)
(米)
17
2月 鉱工業生産
2月 消費者物価
2月 住宅着工・許可件数
(米)
(他)
2月 新築住宅販売件数
ブラジル 2月 失業率
(米)
3月 ADP雇用統計
12
(中)
2月 鉱工業生産
18
(日)
2月 貿易統計
(日)
日銀金融政策決定会合議事要旨
(1/28~29分)
(米)
10-12月期 経常収支
(米)
3月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(速報)
(豪)
2月 雇用統計
24
30
(日)
(日)
(日)
(日)
(米)
1月 毎月勤労統計
2月 マネーストック
23
29
2月 個人所得・消費
2月 中古住宅販売仮契約指数
(日)
(日)
16
22
28
(米)
(米)
9
(日)
(日)
(日)
(日)
(日)
15
日銀金融政策決定会合(~15日)
黒田日銀総裁定例記者会見
1月 機械受注統計
発表日未定経済指標など
2月 製造業PMI(国家統計局)
8
1月 景気動向指数
金
4
(米)
(独)
25
(日)
(日)
2月 企業向けサービス価格
2月 消費者物価指数(全国)
3月 消費者物価指数(東京都)
(米)
10-12月期 実質GDP(確報)
(仏)
10-12月期 実質GDP(2次速報)
(豪)
聖金曜日
2月 耐久財新規受注
4月 GfK消費者信頼感指数
31
4/1
(米)
3月 シカゴ購買部協会景気指数
(日)
(日)
(米)
(米)
(欧)
(英)
3月 消費者物価(速報)
10-12月期 実質GDP(確報)
(中)
3月 製造業PMI(国家統計局)
(米)
(米)
(他)
日銀短観(3月調査)
3月 新車登録台数
3月 雇用統計
3月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
3月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(確報)
3月 新車販売台数
ブラジル 2月 鉱工業生産
注)(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、を指します。
日程は変更になる可能性があります。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)Bloomberg等より当社経済調査部作成
17
M
投資環境マンスリー 2016年3月号
留意事項
◎投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場における取引価格の変動や
為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元金が保証されているものではなく、基準価額の下落
により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。運用により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。
投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が
異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等を
よくご覧ください。
M
◎投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用
・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込)
※一部のファンドについては、
購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあります。
■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用
・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの計算
方法を表示することができません。
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込)
※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。
■その他の費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完
書面等でご確認ください。
※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限額ま
たはこれらの計算方法を表示することができません。
お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間等に
応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、三菱UFJ
国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に
係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、
目論見書補完書面等をご覧ください。
各資産のリスク
◎株式の投資に係る価格変動リスク
:株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の
活動や業績、市場・経済の状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎公社債の投資に係る価格変動リスク
:公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金
利の変動等を受けて変動するため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎REIT(不動産投資信託証券、以下REIT)の投資に係る価格変動リスク
:REITへの投資には価
格変動リスクを伴います。一般にREITの価格は保有不動産等の価値やそこから得られる収益の増減等により変動するため、REIT
の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎オルタナティブ(代替投資手段、以下オルタナティブ)の投資に係る価格変動リスク
:オルタナティブ
への投資には価格変動リスクを伴います。オルタナティブは各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)等に投資
するため、各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)の価格の変動により損失を被り、投資元金を割り込むこと
があります。
◎信用リスク
:信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場合も
しくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値がなくなること、または利払
いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金
を割り込むことがあります。
◎カントリーリスク
:新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制
の変更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、市場・信用・流動性の各リスク
が大きくなる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込む可能性が高まることがあり
ます。
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■当資料は、投資環境等に関する情報提供のために三菱UFJ国際投信が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではあり
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ブルームバーグとUBSセキュリティーズ・エル・エル・シー(UBS Securities LLC)の間の契約に従ってブルームバーグが算出し、配信し、
販売するものです。ブルームバーグ、ならびにUBSセキュリティーズ・エル・エル・シーおよびその関係会社(以下「UBS」と総称しま
す。)のいずれも、三菱UFJ国際投信の関係会社ではなく、ブルームバーグおよびUBSは、当ファンドを承認し、是認し、レビューしま
たは推奨するものではありません。ブルームバーグおよびUBSのいずれも、ブルームバーグ商品指数(Bloomberg Commodity IndexSM)に
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S&P先進国REIT指数の所有権及びその他一切の権利は、スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーが有してい
ます。三菱UFJ国際投信株式会社は、スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーとの間で同指数の算出・管理
に関する契約を締結しています。スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーは、同指数の算出にかかる誤謬等
に関し、いかなる者に対しても責任を負うものではありません。
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◎流動性リスク
:有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十
分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利な価格での取引となる可
能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
国内株式・国内債券への投資は上記のリスクを伴います。海外株式・海外債券への投資は上記リスクに加えて以下の為替変動リスクを伴
います。
◎為替変動リスク
:海外の株式や公社債、REIT、オルタナティブ資産は外貨建資産ですので、為替変動の影響を受けます。
そのため、為替相場が円高方向に進んだ場合には、投資元金を割り込むことがあります。
新興国への投資は上記リスクに加えて以下のカントリーリスクを伴います。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
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