第1 目的 愛媛県水産物産地市場再編整備計画(以下、県計画という。)は、本県水産物産地市 場(以下、産地市場という。)の機能強化を推進し、水産物流通コストの削減を図り、 多様化・高度化する需要者のニーズに的確に対応することで、経営体力と価格形成力の ある産地市場の形成を目指し、もって漁家所得の向上に資するとともに、食文化・生活 文化を支える基幹的流通機構としての役割を果たし、水産物の安定供給に貢献するよう 策定するものである。 第2 目標年度 県計画は、平成22年度を目標年度とする。なお、必要に応じて 計画策定から概ね5 年後に見直すものとする。 第3 産地市場を取り巻く経済的・社会的状況の見通し 1 集荷量の見通し 本県産地市場の集荷量は、平成7年度は7.6万トン、同12年度には6.6万ト ンとなり、この5年間で13%減少している。 今後、県においては平成12年12月に策定した「水産えひめ振興ビジョン」に基づ き、 積極的な資源増大と資源量に応じた漁場や資源の持続的利用並びに流通の拠点とな る産地市場の整備や周辺産地から拠点市場への集荷体制の形成などの施策を展開する こととしており、現状に比べ集荷量の増加が期待される。 2 需要及び消費の量的及び質的な変化 農林水産省の試算によると、国民1人当たりの年間需要量は、平成10年度55. 9㎏から目標年度56.4㎏とやや増加が見込まれるが、国勢調査確定値等から、人 口は同期間中4.3%の減少が予測されるため、総需要量はやや減少するものと見ら れる。また、需要は、イワシ、アジなどの大衆魚から、国内生産では賄いきれないエ ビ、マグロなどの高級魚へ変化している。 消費者は食料に対して鮮度や安全性への関心を高めており、今後、産地市場は安全、 安心でおいしい水産物を求める消費者のニーズや商品形態の変化、小売形態の変化に 対応した機能を有する必要がある。 3 輸送条件の変化 しまなみ海道の開通による瀬戸内三橋時代の到来や高速道路の南予地方への延伸な ど、交通網の整備が進展することに伴い、今後は、大都市消費地圏への輸送時間の短 縮などから、水産物流通の広域的な展開が一層進むものと予想される。 4 情報化の進展 IT(情報通信技術)の進展に伴い、情報通信産業の伸長やあらゆる産業の情報化 が進む中、産地市場においても、市場内における構内情報 通信網の整備等により、市 場関係者間の情報基盤を確立し、市場運営の効率化や流通業務の迅速化を図るほか、 水産物が安全、安心な食品であること等利用者本位の情報提供機能を充実整備する必 要がある。 5 産地市場の現状 漁協が開設している産地市場においては、市場規模が零細であるがゆえに、効率性 を欠き、漁協経営を圧迫している事例があり、また、市場業務に従事する職員の待遇 等について改善すべき点がある。 1 第4 産地市場及び関連施設の規模・配置の目標 本県の産地市場開設者の形態は、漁協28、漁連1、株式会社 4、公営(市)1と漁 協が開設する産地市場が多い。 基本的な配置目標として、漁協が開設する産地市場については、系統組織が平成10 年2月に設置した「愛媛県漁協組織強化対策本部」が、平成19年度を目標とする漁協 合併計画に示した6自立漁協の区域を基本とする。また、民間が開設する産地市場につ いては、民間活用、雇用機会の創出等、現在の社会情勢を踏まえて現状どおりを基本と する。 なお、再編整備する産地市場は、水産庁の示したタイプ別目標像(別添)3タイプの うち「地域拠点型」若しくは「大量広域流通圏型」とし、 いずれの市場においても市場 担当従業員1人当たりの取扱額の水準(3億円)を達成することを目安とする。 目標年度における産地市場の規模・配置の目標は表1のとおり、現状の34産地市場 から、「地域拠点型」4市場、「大量広域流通圏型」2市場、を含む9産地市場に整備 統合する。 表1 産地市場の規模・配置の目標 市町村名 既存産地市場名 形 態 目標年度における産地市場の規模・配置の目標 市場の分類 川之江市 川之江水産物地方卸売市場 漁 協 燧灘東部地区については、新居浜市又 は西条市を拠点に既存の10産地市場を 三島漁業協同組合地方卸売漁 協 統合整備する。 伊予三島市 市場 なお、地域内の既存市場について、物 寒川漁業協同組合地方卸売漁 協 理的な市場統合が集出荷の効率面などか ら適当でなければ、隣接する既存市場間 市場 土居町 土居町漁業協同組合魚市場 漁 協 での統合を別途図りながら、これらすべ てを支所集荷地として、拠点市場との間 新居浜市大島漁業協同組合漁 協 で情報通信技術を活用した取引形態とす ることも考慮する。 地域拠点型 鮮魚介類共同販売所 新居浜市 西条市 東予市 西条市 東予市 多喜浜漁業協同組合魚市場 漁 協 (現状10市場→計画1市場) 新居浜市垣生漁業協同組合漁 地方卸売市場 新居浜漁業協同組合地方卸漁 売市場 西条漁業協同組合地方卸売漁 市場 河原津漁業協同組合鮮魚介漁 類共同販売所 西条魚市場株式会社地方卸株 売市場 会 株式会社秋山魚市場 株 会 株式会社小糸魚市場 株 会 協 協 協 協 式 存置とする。 社 式 存置とする。 社 式 存置とする。 社 2 ― ― ― (表1 産地市場の規模・配置の目標 続き) 市町村名 今治市 波方町 北条市 伊予市 双海町 既存産地市場名 形 態 目標年度における産地市場の規模・配置の目標 市場の分類 今治漁業協同組合鮮魚介類漁 協 今治・越智地区については、今治市を 共同販売所 拠点に既存の3産地市場を統合整備する 桜井漁業協同組合魚市場 漁 協 とともに、高付加価値化や流通・販売方 法の見直しを図り、地域拠点型の目安で地域拠点型 小部漁業協同組合鮮魚介類漁 協 ある20億円規模の取扱額を目指す。 (現状3市場→計画1市場) 共同販売所 北条市漁業協同組合鮮魚介漁 類共同販売所 伊予市地方卸売市場 漁 上灘漁業協同組合鮮魚介類漁 共同販売所 下灘漁業協同組合地方卸売漁 市場 長浜町水産物地方卸売市場 漁 協 協 協 協 協 長浜町 八幡浜市 三瓶町 明浜町 宇和島市 八幡浜市水産物地方卸売市公 営 場 (市) 三瓶湾漁業協同組合地方卸漁 協 売市場 明浜漁業協同組合鮮魚介類漁 協 共同販売所 愛媛県漁業協同組合連合会漁 連 宇和島地方卸売市場 伊予灘地区については、伊予市又は双 海町を拠点に既存の5産地市場を統合整 備する。 なお、拠点に遠い北条地区などの市場 については、拠点市場の支所集荷地とし地域拠点型 て、拠点市場とこれら集荷地の間を情報 通信技術を活用した取引形態も考慮す る。 (現状5市場→計画1市場) 八西地区については、八幡浜市を拠点 に既存の2産地市場を統合整備する。 大量広域流通 (現状2市場→計画1市場) 圏型 宇和島地区については、宇和島市を拠 点に民間市場を含めた既存の5産地市場 を統合整備する。 (現状5市場→計画1市場) 吉田町 津島町 御荘町 城辺町 西海町 地域拠点型 株式会社宇和島魚市場地方株 式 卸売市場 会 社 吉田町地方卸売市場 漁 協 津島地区漁業協同組合鮮魚漁 協 介類共同販売所 御荘町漁業協同組合鮮魚介漁 協 南宇和地区については、城辺町鯆越に 類共同販売所 整備した深浦市場を拠点に既存の6産地 南内海漁業協同組合魚市場 漁 協 市場の市場統合を推進するとともに、市 場統合に伴い離接岸する漁船数や取扱規 久良漁業協同組合地方卸売漁 協 模の増加に対応できる市場関連施設の整 市場 備に努める。 大量広域流通 深浦漁業協同組合地方卸売漁 協 圏型 市場 (現状6市場→計画1市場) 東海漁業協同組合魚市場 漁 協 西海町漁業協同組合鮮魚介漁 協 類共同販売所 3
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