西暦 2016 年 02 月 14 日 ダレナン博士の研究所 研究報告書 No.177 題名:「いないいない...ばぁ」を科学的に考える 報告者:エコノ 「いないいない...ばぁ」は、小さなお子さんがいる方なら誰でも知っているフレーズである。顔の目の部分 に手を当て、目隠しをして、 「いないいない」とした後に、少し間を置き、その目隠しを扉を開けるがごとく、 開いて「ばぁ」とする。すると、前にいる子供(主に就学前の年齢)は、きゃっきゃと喜ぶ。その反応は、まさ に、効果のあることが実感でき、子供をあやすうえでとても面白いフレーズであることが分かる。ちなみに、 英語圏ではこの「いないいないばぁ」は「Peekaboo、Peek-a-boo」とされるが、その方法は日本とは少し 異なり、自分の顔を両手で覆った後「Peek-a-boo!」と言い、両手を顔からどけるとされる 1)。 「いないいない...ばぁ」を喜ぶ子供は、生後 6 カ月ぐらいである 1)。この生後 6 カ月は、大きな声を発した り、視力が備わったりと外界とのコミュニケーションがとれるようになる時期であり、また、親を認識し始め、 遊びも少しずつできるようになる時期でもある 2)。また、子供の運動の発達のメルクマークとして、寝がえり、 ハイハイ、二足歩行の 3 つが主に挙げられるが、この 6 カ月は、この中の寝返りができるようになる率が高 くなる時期でもある。すなわち、子供にとって 6 カ月とは、認知・運動ともに動物的な様相を抜け出し、よ り人間的な様相へと呈する時期である。そのため、「いないいない...ばぁ」は、単純な遊びではあるが、そこ には、親ないし人間を認識し始める子供と、その反応の様子を人間的であ るとする親ないし人間との駆け引きが存在していることが分かる。しかし ながら、なぜ目や顔を覆うのか、そこには、人が顔を認識するある法則が あるからである。 ここで一枚の写真を見て頂きたい。それを図 1 に示す。この写真は、顔 ではない。家である。しかしながら、多くの人がこれを顔と認識してしま うに違いない。このように目と口のように 3 点の物体の配置があれば、人 はこれを顔と認識してしまうのである。さらに、図 2 に「いないいない... ばぁ」をよく表現している写真を示す。単 なる乾燥機の写真ではあるが、まさに「... ばぁ」の状態である。このような顔ではな いのに顔と認識してしまう現象を、シュミ ラクラ現象 5)と言い、人に備わっている顔 図 1 家の顔 認識システムと言われている。 ネット上でも、顔の画像がある記事には反応しやすい。これはある意味、ネ ット上の「いないいない...ばぁ」でもあり、その画像をついクリックしてしま 図 2 乾燥機の顔 4) うのは、案外「いないいない...ばぁ」を喜ぶ子供と同じかもしれない。 1) https://ja.wikipedia.org/wiki/いないいないばあ (閲覧 2016.2.14) 2) https://akachanikuji.com/6months (閲覧 2016.2.14) 3) http://blog.jnavi.jp/akacyannegaeri-4225 (閲覧 2016.2.14) 4) http://forums.france2.fr/france2/Que-le-meilleur-gagne/alphabet-sujet_36_13.htm (閲覧 2016.2.14) 5) https://ja.wikipedia.org/wiki/シミュラクラ現象 (閲覧 2016.2.14)
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