平成27年度第2回宮崎県環境審議会の議事録(PDF:49KB)

平成27年度第3回宮崎県環境審議会の議事録
平成28年2月3日
審議事項
報告事項
1
宮崎県環境計画の改定最終案について
2
平成28年度公共用水域及び地下水の水質測定計画案について
1
環境影響評価(環境アセスメント)の条例対象事業の見直しに
ついて
審議事項
(1)宮崎県環境計画の改定最終案について
事務局より説明
○会長
資料1−2の14ページの上から7行目、「歴史的文化的資源の保護・継承と活用」につい
て、もう少しわかりやすくということで、「本県の自然と一体となった」を追記し、非常に意
義がでてきたと思う。
資料の1−4の4ページの、第2章1「自然気候等の特性」について、下から3行目、昭
和56年、本県の快晴日数や降水量の記述の箇所について、明確にする為には「本県の」を、
加えるのが良いのではないか。より鮮明になると思われる。上の3つは本県、本土と入って
いる。
●事務局
御指摘のとおり、上の3つは本県や県土となっているので、「本県の」か、「県庁所在地の
宮崎市」か、調べた上で、記載することとしたい。
○会長
降水量の2,509ミリが、宮崎市のデータの可能性があるので申し上げた。
●事務局
前回の審議会で、委員から、都城市のプラスチック処理の方法について御意見を頂き、ま
た、焼却を始めた経緯等について、御質問を頂いた。この2点について、事務局で都城市に
確認を行った結果、まず、都城市において、プラスチック類の焼却処理については、平成1
5年2月に、一般廃棄物処理基本計画の中で、プラスチック製容器等の焼却処理の焼却熱を
発電に利用して、サーマルリサイクルに取り組むという方針を立てている。しかし、当時、
焼却施設の機能が古いこともあり、焼却の際に発生する熱に焼却炉が耐えられないといった
ような事があった為に、昨年の3月くらいまでの間、最終処分場への埋却処理、直接埋め立
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てを行っていた状況だった。
昨年の平成27年3月に、同市山田町に新たな焼却施設の都城クリーンセンターが稼働開
始し、ゴミの高温焼却処理が可能になったことで、当初作った計画とおりに、発生する熱を
利用した発電事業を兼ねた焼却処理を行っている。いわゆるサーマルリサイクルと言うが、
そういった形でのリサイクルを行っている状況。
次に、プラスチック製容器等のリサイクルについては、家庭用のゴミの半分強、商品の容
器や包装の形で使用されているプラスチックや紙だが、全体の約7割がプラスチック。従っ
て、そのリサイクルは非常に重要であり、国においても容器包装リサイクル法を施行してお
り、製造者、要するに製品とか容器をつくっている製造者の責任でリサイクルを行う事が定
められている。
市町村は、リサイクルを処理する為に、一般廃棄物の処理の責任者として、区域内の発生
するプラスチック類の、分別の回収に協力をしているという形になっている。しかしながら、
市町村の実状によっては、リサイクル処理が困難な場合もあり、そういった場合には、市町
村の判断によって、焼却処理や埋め立て処理を行っている状況。
県内においては都城市を含む3市、4町が、焼却処理を行っている。県としては、ゴミの
減量化、あるいは最終処分場の延命化、また循環型社会の推進といった観点から、プラスチ
ック等のリサイクルについても、市町村には積極的に取り組んで頂きたいと考えているが、
一般廃棄物の処理については、基本的には処理責任者は市町村という事になっており、それ
ぞれの実状も十分配慮しながら、廃棄物のリサイクルが更に進められる様に、県としても、
市町村と協議をしてまいりたい。
○委員
いま話のあった3市4町に対して、今後、県として、それぞれの実状に応じた対処の仕方
と言われたが、リサイクルをする方向で押していくのか、それとも、こういう現状であると
いう事で、そのままにしていくのか、聞かせて欲しい。
●事務局
前回の審議会の中でも申し上げたが、市町村の会議に呼ばれるだけではなく、積極的に市
町村を回らせていただきたいと考えている。現状についての原因や理由を聞いた上で、改善
方法を協議をさせて頂きたい。少しでもリサイクルが進む様な形で、県としてのリーダーシ
ップをしっかり取らせて頂きたい。
(2) 平成28年度公共用水域及び地下水の水質測定計画案について
事務局より説明
○委員
平成26年度の測定結果について2点うかがいたい。
以前の測定結果では大淀川のBODは九州のワースト10に常時に入っていたが、水質は改
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善しているのか。
継続監視調査において20地点が環境基準をクリアしていないが、数は減っているのか。
○事務局
大淀川の水質については、BODは2mg/L前後で推移している。国土交通省が以前発表
していた1級河川のBODランキングでワースト1であった平成2年頃から比較すると水質
が改善されている。大淀川以外の他の河川においても水質の浄化が進んでいるため、九州で
1番、2番とはいかないが、相対的に改善が図られていると考えている。
2点目の地下水質調査の継続監視調査における環境基準値の未達成地点数は平成25年度
と比較して変化はなかった。
地下水の特性上、浄化に時間がかかり、対策を講じても改善が難しい状況である。
事業場の有害物質については、水質の浄化命令等が出されるようになったのは、水質汚濁
防止法が改正された平成9年4月からであり、基準超過した大部分の地点については、改正
前に汚染が発見された事例が多く、改善が難しい状況である。
継続的にモニタリングしながら、住民には飲用には使用しないよう注意喚起を行っている。
○委員
志比田橋周辺の水質汚濁の要因が生活排水ということだが、ずっと改善されていない。何
か対策はないのか。
資料2−3に記載されている測定項目について、どのような物質なのか分からないので、
簡単な説明の記載がほしい。
○事務局
1点目について、志比田橋では継続的に水質調査をしているが、近年BOD値は2mg/
Lで推移している。環境基準は6つの類型に分かれており、志比田橋周辺の水域はB類型の
環境基準が適用になるが、A類型の環境基準値である2mg/Lまで水質の改善が進んでい
ると認識している。
一方で、大淀川の下流域についても水質の改善が進んでおり、BODが1mg/L前後、
あるいは1mg/Lを下回っている。相対的に見ると大淀川下流域に比べ上流域が汚れてい
ると言える。原因としては、生活排水や事業場からの排水が考えられるため、事業場への指
導を今後も行っていく。また、生活排水についても都城市の処理率は高くないので、処理率
を上げるよう対策を行っていく。
○会長
志比田橋の上流域にある今迫橋の結果はどうなのか。どこが汚染源になっているのか。
○事務局
平成22年度から平成26年度の今迫橋の水質測定データでは、BODは1.0∼1.4
mg/Lの範囲である。大淀川の水質変動の特徴としては、中流域である岳下橋から樋渡橋
までで水質の悪化がみられており、その原因は生活排水や事業場の排水であると考えている。
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○委員
都城の生活排水による汚染は今までも問題視されてきた。NPO法人大淀川流域ネットワ
ークとしていかに大淀川をきれいにするか地域住民に対して啓発活動をしている。水質測定
結果受け、住民の水の使い方が重要になってくるので、自分たちが住んでいるの状況、きれ
いにしなければならないという意識改革が必要であり、NPO法人として重要な役割である
と感じた。
○会長
分析項目の中身を分かるようにという意見に対してはどうか。
○事務局
測定項目については、用途や毒性を中心に整理して記載することでよろしいか。
○委員
よい。
○委員
資料2−3の31ページについては、記載しているものが調査項目と判断して良いか。川
南町については、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は測定しないのか。
○事務局
資料2−3の31ページからの平成28年度地下水質測定計画案については、それぞれ記載
している数字が測定回数を示している。
31ページにあるのは有害物質使用事業場周辺調査であり、有害物質を使用している事業
場周辺の調査である。川南町については、調査対象の事業場で硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
は使用がないということで測定しない。
33ページに記載している概況調査のメッシュ調査は、地域の全体的な状況を把握する調
査であり、川南町においては1地点測定する計画としており、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
を含めた項目を測定することとしている。
○委員
5年前に口蹄疫が発生し、家畜が大量にと殺され相当な窒素化合物が排出されたと思うが、
その状況はどのように把握しているのか。
○事務局
口蹄疫が発生し、268地点で埋却したが、その埋却地周辺の水質モニタリング調査をし
ていた。そのうちの都農町、川南町、高鍋町等の4地点で季節的にTOCの値が上がってい
る傾向があり、埋却地の影響が考えられることから継続してモニタリングを実施している。
その他の地点については、水質の異常は見られなかったためモニタリングを終了している。
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○委員
資料2−2で砒素が環境基準未達成と報告があったが、検出濃度と経時的にはどうなって
いるのか知りたい。
○事務局
砒素については、年平均値で評価を行うため、年平均の値を述べる。東岸寺用水取水点で
は0.027mg/L、岩川用水取水点では0.037mg/Lであり、経時的な変化につ
いては、ここ数年は数値に大きな変動はない。休廃止鉱山では、高千穂町で鉱害防止対策工
事が現在も続いている。
○会長
平成28年度公共水域・地下水測定計画案について、何か御意見はないか。
○委員
異議なし。
○会長
それでは、平成28年度は原案のとおり進めていく。
報告事項
1
環境影響評価(環境アセスメント)の条例対象事業の見直しについて
事務局より説明
○委員
今回の見直しで、森林地域等の自然地域での開発に、ある程度のブレーキがかかると思わ
れ、その面では大変ありがたい。
施行区域についてだが、例えば森林地域で計画した場合に、全体が60ヘクタールあった
として、土地改変面積は49ヘクタール、残りは保護や保全の地域として何も扱わないとし
た場合は、環境アセスの対象となるのか。
○事務局
宮崎県の場合は、実際に太陽光パネルを置かなくても、全体の面積が50ヘクタール以上
であれば、土地造成が49ヘクタールでもアセスの対象となる。
○委員
逆に、土地改変する49ヘクタールだけで申請すれば、アセスの対象外となるのか。
- 5 -
○事務局
対象外となる。
○委員
計画中のメガソーラー事業に関して、設備認定を受けたものは対象外というのは、それは
そうなのだろうが、気持ち的には腑に落ちない。将来的なものを考えると、何か考えないと
いけないのではないか。
○事務局
太陽光発電の設置は、経済産業省から設備認定を受け、また九州電力からつなぎ込みの承
認を得なければならない。その中で、経済産業省の設備認定を受けるには、都道府県の条例
でアセスの実施が必要なところは、アセスを実施し、知事の意見書を添付しなければならな
い。宮崎県で設備認定をすでに受けた事業者はアセスを行わずに認定されており、それに対
し遡ってアセスを行わせるのは、不利益を生じさせるため、適用除外としている。
○委員
ソーラーパネルについて、将来的に、地震や台風などで壊れたものは廃棄処分しなければ
ならないが、相当大変である。そのことも考えに含めておいた方がよい。
○事務局
風力発電についてのアセスの案件では、アセス専門委員から、固定価格買取期間が終了す
る20年後の廃棄処分の方法についても、どこかで記載した方が良いのではという意見があ
った。これから県の技術指針を作っていく上で、適正な破棄処理についても明記してもらえ
るようにできればと考えている。
○事務局
ソーラーパネルの廃棄物については、今後かなりの廃棄が予想されるので、国も高い問題
意識を持っている。そのための処理について研究が進められており、ガイドライン的なもの
も出されている。民間ベースで採算を取りながら処理できる体制を作る方向で進んでいる。
○委員
太陽光パネルは、20年経過したら産業廃棄物として処理するよう条件付けられているの
で、今のは、もう済んでいる話だと思うが。
○事務局
事業活動によって生じた廃棄パネルの処理は、当然、産業廃棄物として処理されるが、想
定以上に相当数の太陽光パネルが設置された状況になっている。焼却や埋め立てだけでは処
理が追いつかないと懸念されることから、適切な処理がなされるよう、リサイクルも含めた
対策の研究が国で進められている状況である。
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○委員
メガソーラーについては、どこの県も苦慮しているようだ。先月、福岡で各県の方たちが
集まった場でも、その話が出た。どの県も、対策をしなければならないのに、なかなかでき
ていない状況。宮崎県では、今回、これで一歩、前に進んだのではないか。
○委員
環境アセスメントの条例でメガソーラーを対象にしている都道府県はどれぐらいあるのか。
また、規模要件などを教えていただきたい。
○事務局
全国で27道府県が対象としており、今回、宮崎が対象とすれば、九州では福岡と沖縄を
除く県で対象となる。規模要件については、50ヘクタール以上が17道府県、50ヘクタ
ール未満が10県である。
先ほど施行区域面積の話をしたが、例えば鹿児島県では、施行区域ではなく造成面積の規
模で、対象になるかが決まる。
○委員
50ヘクタール以上だと規模が大きすぎると感じるが、この規模のメガソーラーは県内に
あるのか、また、今後もありえるのか。
○事務局
設備認定を行う経済産業省から詳しい情報は入ってこないが、本県におけるこの規模の認
定件数は10件程度あり、このうち2件はすでに工事中である。計画中は8件程度になるが、
九州電力によると、系統へのつなぎ込みは大変難しい状況のようだ。例えば、都城・小林・
えびの地区では、50ヘクタール、これは30メガワット相当になるが、その規模だと、送
電線や鉄塔、変電所の設置により約14億円∼15億円の追加費用がかかる。それを考える
と、事業者の方も、設備認定は受けても事業化はなかなか難しいのではないか。
○会長
意見が出尽くしたようなので、本日の議事はこれで終了するが、最初の宮崎県環境計画につ
いては、多少の修正を行ったのち、答申の準備に入るが、よろしいか。
○委員
異議なし
○会長
それではこれで終了する。
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