浜頓別町人口ビジョン(素案).

浜頓別町人口ビジョン
(素案)
平成 28 年 2 月
浜頓別町
第1章
人口ビジョンの基本的な考え方 .......................................................... 1
1.1
位置づけ ......................................................................................... 1
1.2
対象期間 ......................................................................................... 1
1.3
国の長期ビジョン .............................................................................. 2
第2章
浜頓別町の人口の現状分析 ................................................................ 6
2.1
人口の推移 ...................................................................................... 6
2.2
年齢別人口 ...................................................................................... 7
2.3
人口動態 ....................................................................................... 10
2.4
産業別就業者 ................................................................................. 17
第3章
将来人口の推計と分析 ................................................................... 22
3.1
国立社会保障・人口問題研究所の人口推計の概要 .................................... 22
3.2
総人口・年齢区分別人口の推計 ........................................................... 24
3.3
仮定値による将来人口の推計と分析 ..................................................... 27
3.4
人口の変化が地域の将来に与える影響 .................................................. 29
第4章
人口ビジョン・総合戦略検討に向けたアンケート調査 ................................. 33
4.1
調査の概要 .................................................................................... 33
4.2
町民アンケート調査結果の概要 ........................................................... 34
4.3
高校生アンケート調査結果の概要 ........................................................ 39
第5章
5.1
第6章
人口減少問題に取り組む基本的視点 .................................................. 44
浜頓別町人口ビジョンにおける三つの基本的視点 .................................... 44
人口の将来展望 ............................................................................ 46
6.1
目指すべき将来の方向性 ................................................................... 46
6.2
浜頓別町の人口の将来展望 ................................................................ 47
第7章
参考資料 .................................................................................... 49
第1章 人口ビジョンの基本的な考え方
1.1
位置づけ
浜頓別町人ロビジョンは、国の「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」
及び北海道の「本道における人口減少問題に対する取組指針」の趣旨を尊重
し、本町における人口の現状分析を行い、人口に関する町民の認識を共有し、
今後目指すべき将来の方向と人口の将来展望を示すものです。
そのため、まち・ひと・しごと創生の実現に向けて効果的な施策を企画立
案する上で重要な基礎となることを認識し策定しました。
第5次 浜頓別町まちづくり計画
浜頓別町
総合戦略
基本構想
将来像
目標
未来につなげよう!!
ずっと住み続けたい町 はまとんべつ
将来像
①豊かな自然環境を活かしたまちづくり
②安全で安心して暮らせるまちづくり
③いきいきとした産業が根づくまちづくり
④個性豊かな人づくりと文化を育むまちづくり
⑤みんなで創る明るいまちづくり
基本方針
重点プロジェクト
主要施策
主な施策
基本計画
新たな
施策の拡充
実施計画
浜頓別町
人口ビジョン
図 1 浜頓別町人ロビジョンの位置づけ
1.2
対象期間
浜頓別町人ロビジョンの対象期間は、25 年後の平成 52 年(2040 年)とし、
第5次浜頓別町まちづくり計画やその他計画との整合を図るとともに、国立
社会保障・人口問題研究所(以下社人研)の人口推計を基礎数値として用い
ていきます。
1
1.3
国の長期ビジョン
(1) 長期ビジョンの趣旨
国のまち・ひと・しごと創生長期ビジョンは、日本の人口の現状と将
来の姿を示し、人口問題に関する国民の認識を共有するとともに、今後
取り組むべき将来の方向を示します。
(2) 人口問題に対する基本認識
① 「人口減少時代」の到来
· 日本の人口は、2008 年を境に人口減少局面に入り、今後は減少スピー
ドが加速しながら人口が減少し続けると推計されています。
· 人口減少は地域によって状況が異なり、都市部より地方(特に過疎地域)
では急速に人口が減少することと推計されています。
· 人口減少は地方から始まり、都市部へと広がっていきます。それは、地
方から都市圏、とりわけ東京圏に若年層の大量の人口移動があったため
ですが、地方の人口が減少すると、地方から都市圏への人材供給が枯渇
し、いずれ都市圏も衰退してしまいます。
② 人口減少が経済社会に与える影響
· 人口の減少により、経済規模の縮小や国民所得を低下させる恐れがあり
ます。特に人口が急速に減少する地方では経済規模の縮小により更なる
人口減少を引き起こすという悪循環に陥る可能性があり、深刻な事態が
生じる恐れがあります。
③ 東京への人口の集中
· 東京圈では大幅な人口流入が続いており、特に若い世代がその大半を占
めています。しかし、住宅事情や子育て環境などから、地方に比べて出
生率が低い東京圏へ若い世代が集中することによって、日本全体として
の人口減少に結びついていると言えます。
2
(3) 今後の基本的視点
① 人口減少問題に取り組む意義
· 人口減少問題に対する国民の危機感は高まってきており、その対策は一
刻の猶予も許されないという認識が国民に広まってきています。
· 「出生率の低下は先進国では避けられない」という意見もあるなか、先
進諸国の中でも出生率を回復してきている国々があることから、的確な
政策を展開し、官民挙げて人口減少問題に取り組めば未来は開けると考
えられます。
· 人口減少対策により出生率等が向上しても、その成果が挙がるまでには
時間を要しますが、その対策は早く講じられる必要があることから、人
口減少への対応は正に「待ったなし」の課題です。
② 今後の基本的視点
· 人口減少への対応は出生率の向上だけではなく、今後の人口減少に対応
する効率的かつ効果的な社会システムを再構築する必要があります。そ
のため、今後の取組みにおいて基本的視点となるのが以下に示す3点に
なります。
①「東京一極集中」を是正する
②若い世代の就労・結婚・子育ての希望を実現する
③地域の特性に即した地域課題を解決する
3
(4) 目指すべき将来の方向
① 「活力ある日本社会」の維持のために
· 人口減少に歯止めをかけるため、様々な分野にわたる総合的な取組みを
長期的・継続的に実施していくことで出生率の向上させていくことが重
要になります。
· 日本の人口がこのまま推移すると 2060 年には 8,674 万人にまで人口
が減少となる推計がされていますが、出生率が向上し、人口減少に歯止
めがかかると、2060 年に総人口 1 億人程度が確保され、その後 2090
年には人口が安定状態になることが見込まれています。
② 地方創生がもたらす日本社会の姿
· 地方創生が目指すものは、地域に住む人々が自らの地域資源の未来に希
望を持ち、個性豊かで潤いのある生活を送ることができる地域社会を形
成することです。
※人口の減少段階
人口減少の進み方は地域によって様々ですが、大きく三つの段階
でみることができます。
「第1段階」…若年人口は減少するが、老年人口が増加する時期。
(国:2010 年~2040 年)
「第2段階」…若年人口の減少が加速化するとともに、老年人口が
維持から微減へと転じる時期。
(国:2040 年~2060
年)
「第3段階」…若年人口の減少が一層加速化し、老年人口も減少し
ていく時期。(国:2060 年以降)
4
図 2 国の人口・高齢化率の推移(まち・ひと・しごと創生長期ビジョン)
5
第2章 浜頓別町の人口の現状分析
2.1 人口の推移
本町の人口は、戦後開拓入植等により人口の増加が見られ、昭和 39 年に
8,767 人とピークを迎えましたが、その後、人口の流出が始まり、現在に至
るまで長期的に人口減少が続いており、平成 27 年 1 月末時点の人口は 3,933
人となっています。
しかし、人口が減少していることに対し、この間の世帯数はほぼ横ばいで
あり、世帯規模の縮小が続いていることがわかります。
(人、世帯)
10,000
総人口
8,000
世帯数
6,000
4,000
2,000
0
S30 S35 S40 S45 S50 S55 S60 H2
H7 H12 H17 H22 H27
図 3 総人口・世帯数の推移(国勢調査、H27.1 住民基本台帳)
表 1 総人口・世帯数の推移(国勢調査、H27.1 住民基本台帳)
項目
S30
S35
S40
S45
S50
S55
S60
総人口
8,231
8,074
7,927
7,130
6,800
6,503
6,117
世帯数
1,476
1,606
1,829
1,897
2,036
2,148
2,086
5.6
5.0
4.3
3.8
3.3
3.0
2.9
1 世帯当り人員
項目
H2
H7
総人口
5,573
5,219
4,957
4,582
4,168
3,933
世帯数
1,937
1,975
1,997
1,912
1,958
1,984
2.9
2.6
2.5
2.4
2.1
2.0
1 世帯当り人員
6
H12
H17
H22
H27
2.2
年齢別人口
本町の年齢別人口を 5 歳階級による人口ピラミッドで見ると、団塊の世代
といわれる 65 歳前後の世代の年齢層が最も多く、次いで第2次ベビーブーム
世代の 40 歳前後の世代の年齢層が多くなっています。日本全体の人口ピラミ
ッドと比較すると、老年人口(65 歳以上)が多く、生産年齢人口(15 歳~
64 歳)や年少人口(0 歳~15 歳)が少なくなっています。
浜頓別町
男
75
98
165
170
157
142
131
117
130
128
99
96
147
109
93
125
101
84
59
65
79
78
68
62
20~24
15~19
10~14
82
88
82
72
58
50
100
150
178
178
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
116
0
(人)
5~9
0~4
(才)
0
1,383
女
3,310
85~
80~84
75~79
1,916
2,738
3,648
2,897
3,464
4,199
70~75
65~69
60~64
4,486
4,354
3,815
4,414
5,080
4,488
3,936
3,538
3,834
3,923
4,321
4,922
4,328
3,792
3,377
20~24
15~19
10~14
3,226
3,096
2,973
2,798
2,684
4,000
4,785
4,474
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
3,961
2,000
0
5~9
0~4
(才)
200
150
100
50
全国
男
6,000
135
107
70~75
65~69
60~64
123
200
女
85~
80~84
75~79
53
3,076
2,953
2,826
2,661
2,550
0
2,000
4,000
6,000
(千人)
図 4 男女別人口ピラミッド(H27.1 住民基本台帳)
7
年齢3区分別の人口を見てみると、人口減少が始まった昭和 40 年以降、
年少人口と生産年齢人口は減少していますが、老年人口は増加し、平成 12
年以降は老年人口が年少人口を上回り、人口減少と少子高齢化が進んでいる
ことがわかります。
(人)
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
S30 S35 S40 S45 S50 S55 S60 H2 H7 H12 H17 H22 H27
年少人口
生産年齢人口
老年人口
図 5 年齢3区分別人口・割合の推移(国勢調査、H27.1 住民基本台帳)
表 2 年齢3区分別人口・割合の推移(国勢調査、H27.1 住民基本台帳)
S30
S35
S40
S45
S50
S55
S60
年少人口
3,358
3,077
2,591
1,975
1,731
1,604
1,407
生産年齢人口
4,535
4,633
4,941
4,726
4,658
4,426
4,116
338
364
395
429
411
473
594
年少人口割合
40.8%
38.1%
32.7%
27.7%
25.5%
24.7%
23.0%
生産年齢人口割合
55.1%
57.4%
62.3%
66.3%
68.5%
68.1%
67.3%
4.1%
4.5%
5.0%
6.0%
6.0%
7.3%
9.7%
H2
H7
老年人口
老年人口割合
H17
H22
H27
年少人口
1,137
908
738
600
504
420
生産年齢人口
3,707
3,454
3,221
2,876
2,516
2,223
729
857
998
1,106
1,148
1,207
年少人口割合
20.4%
17.4%
14.9%
13.1%
12.1%
10.7%
生産年齢人口割合
66.5%
66.2%
65.0%
62.8%
60.4%
56.5%
老年人口割合
13.1%
16.4%
20.1%
24.1%
27.5%
30.7%
老年人口
8
H12
年齢3区分別人口構成の推移を見ると、生産年齢人口の割合は大きく変わ
っていませんが、年少人口の割合が減少し、老年人口の割合が増加している
ことがわかります。
S30
40.8%
S35
55.1%
38.1%
S40
57.4%
32.7%
S45
25.5%
S55
24.7%
S60
23.0%
H2
14.9%
H17
13.1%
H22
12.1%
H27
10.7%
0%
6.0%
68.5%
6.0%
68.1%
7.3%
67.3%
9.7%
66.5%
17.4%
H12
5.0%
66.3%
20.4%
H7
4.5%
62.3%
27.7%
S50
4.1%
13.1%
66.2%
16.4%
65.0%
20.1%
62.8%
24.1%
60.4%
27.5%
56.5%
20%
年少人口
40%
30.7%
60%
生産年齢人口
80%
100%
老年人口
図 6 年齢3区分別人口構成の推移(国勢調査、H27.1 住民基本台帳)
9
2.3 人口動態
人口動態は自然動態による増減と社会動態による増減を合わせた人口の
動きをいいます。
表 3 用語の説明・定義
人 口 増 加 数
自
然
動
態
合計特殊出生率※
人口置換水準
社
会
動
態
転
入
超
過
転
出
超
過
自然増加数+社会増加数
自然増加数=出生数-死亡数
一定期間における出生・死亡に伴う人口移動の動き
一人の女性が一生の間に生むとした子どもの数に相当
人口が長期的に増減せずに一定となる出生の水準
日本の人口置換水準は 2.07
社会増加数=転入数-転出数
一定期間における転入・転出に伴う人口移動の動き
転入超過数=転入数-転出数
一定期間における転入数が転出数を上回っている状態
一定期間における転出数が転入数を上回っている状態
※出生数や死亡数が少ない人口規模の小さい自治体では、単年で合計特殊出生率を算
出すると、年により数値に大きく上下し、その地域の出生や死亡の動向を把握する
のが困難な場合があるため、3 か年の数値を算出しています。
合計特殊出生率=
5 歳~19 歳から
平成 20 年 1 月 1 日~平成 24 年 12 月 31 日の母の年齢階級別出生数
×5
平成 22 年 10 月 1 日現在の年齢階級別女性人口
10
× 5
45~49 歳までの
各 5 歳階級の合計
(1) 自然動態
本町の出生数は年次により変動はありますが、人口減少に伴い年々減少し
ています。死亡数については、年次により変動はありますが、高齢化に伴い
年々増加しています。
過去、本町においては出生数が死亡数を上回る自然増となっていましたが、
平成 6 年に死亡数が出生数を上回る自然減となり、その後は年次によって多
少の変動はありましたが、現在では自然減が続き、人口減少に繋がっていま
す。
(人)
100
90
80
70
60
50
自然増加数
40
自然減少数
30
20
10
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
0
出生
死亡
図 7 自然動態の推移(統計資料)
表 4 自然動態の推移(統計資料)
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
出生
66
76
80
75
66
54
70
44
49
35
48
47
死亡
34
34
48
36
49
33
33
41
29
48
46
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
出生
40
31
53
35
42
36
40
30
32
死亡
42
35
27
44
43
59
49
54
43
H9
H10
H11
38
39
53
50
49
41
48
H22
H23
H24
H25
H26
26
26
20
19
32
23
58
44
49
51
49
56
11
本町の合計特殊出生率は、北海道や国よりは上回っているものの、年々数値は減
少し、その差は小さくなってきています。また、人口置換水準である 2.07 を大きく
下回っており、出生数の減少による人口減少に繋がっています。
1.8
1.7
1.68
1.6
1.53
1.5
1.4
1.44
1.36
1.31
1.38
1.3
1.2
1.1
1.24
1.19
1.25
H15~19
H20~24
1
H10~H14
浜頓別町
北海道
国
図 8 合計特殊出生率の推移(人口動態保健所・市区町村別統計)
12
(2) 社会動態
本町では、人口減少が始まった昭和 40 年以降、一貫して転出数が転入数
を上回る転出超過が続いています。平成 25 年に転入超過となっているのは、
住基法改正により、すでに本町に居住していた中国人実習生が新たにカウン
トされたためです。
(人)
600
500
社会減少数
400
社会増加数
300
200
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
100
転出
転入
図 9 社会動態の推移(住民基本台帳)
表 5 社会動態の推移(住民基本台帳)
S60
S61
S62
S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
転出
525
514
476
523
494
338
476
415
353
331
351
347
343
350
294
転入
429
441
373
318
304
326
289
290
242
278
233
301
262
258
292
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
転出
316
344
226
309
321
271
272
256
274
223
251
246
267
239
247
転入
254
247
196
230
246
219
161
177
200
183
208
166
200
266
169
13
本町から他市町村への転出及び他市町村からの転入の状況を見てみると、
年次によって変動はあるものの、札幌市や旭川市など都市部への転出超過が
総体的な転出超過に繋がっています。
(人)
100
80
60
40
転出
20
転入
0
純移動
-20
-40
-60
-80
-100
図 10 地域別転入・転出数(平成 24/25 年度合計)
(住民基本台帳)
表 6 地域別転入・転出数(平成 24/25 年度)
(住民基本台帳)
転入元の住所地
H24
H25
合計
H24
H25
合計
191
179
370
233
200
433
道 外
20
24
44
外
29
21
50
北海道
171
155
326
北海道
204
179
383
部
99
90
189
市
121
122
243
札幌市
27
33
60
札幌市
42
28
70
旭川市
16
12
28
旭川市
12
35
47
稚内市
20
18
38
稚内市
20
13
33
その他市
36
27
63
その他市
47
46
93
72
65
137
83
57
140
宗谷管内(稚内市以外)
37
33
70
宗谷管内(稚内市以外)
25
26
51
その他郡部
35
32
67
その他郡部
58
31
89
全 国
市
郡
14
部
転出先の住所地
全
国
道
部
郡
部
年齢階級別の純移動(転入-転出)の状況を見てみると、男性・女性とも
に、進学・就職の時期となる 10-19 歳の階級や、定年退職後となる 60 歳以
上で、札幌や旭川など道内の他市町村への転出超過となっています。
また、男性に比べて女性の転出が非常に多いことが分かります。男性は、
20-29 歳、30―39 歳の階級で転入超過となっており、これは大学等卒業・
就職・転職等のタイミングと考えられます。一方女性は、全ての階級で転出
超過となっており、特に札幌や旭川といった都市部への移動が多くなってい
ます。
(人)
40
道外
20
その他道内
0
-20
稚内市
-40
旭川市
-60
札幌市
不詳
60歳以上
50-59歳
40-49歳
30-39歳
20-29歳
10-19歳
0-9歳
合計
-80
総数
図 11 年齢階級別の純移動状況(平成 24/25 年度合計)
(住民基本台帳)
15
道外
その他道内
稚内市
旭川市
不詳
60歳以上
50-59歳
40-49歳
30-39歳
20-29歳
10-19歳
札幌市
0-9歳
合計
(人)
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
-20
男
図 12 年齢階級別の純移動状況(男性)(平成 24/25 年度合計)
(住民基本台帳)
(人)
10
0
道外
-10
その他道内
-20
-30
稚内市
-40
旭川市
-50
札幌市
-60
不詳
60歳以上
50-59歳
40-49歳
30-39歳
20-29歳
10-19歳
0-9歳
合計
-70
女
図 13 年齢階級別の純移動状況(女性)(平成 24/25 年度合計)
(住民基本台帳)
16
2.4 産業別就業者
本町の産業別※の就業者数を見てみると、人口減少に伴い各産業において
減少していることがわかります。また、産業別の割合で見ると、1次・2次
産業において全産業に占める割合が減少していることに対して、3次産業は
増加していることがわかります。
※1次産業…農業、林業、漁業
※2次産業…鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業、
※3次産業…電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、
小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・
技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯
楽業、教育、学習支援業、医療、福祉、複合サービス業、サービス業
(他に分類されないもの)
、公務(他に分類されるものを除く)
(人)
1,800
1,486
1,571
1,535
1,504
1,500
1,342
1,190
1,200
872
846
796
900
784
654
2次産業
545
600
3次産業
636
300
1次産業
578
510
504
H7
H12
444
404
H17
H22
0
S60
H2
図 14 産業別就業者の推移(国勢調査)
S60
20.7%
28.3%
51.0%
H2
20.2%
27.8%
52.0%
H7
17.6%
29.3%
53.1%
H12
18.1%
28.1%
53.9%
H17
18.2%
26.8%
55.0%
H22
18.9%
25.5%
55.6%
0%
20%
40%
60%
80%
1次産業
2次産業
3次産業
100%
図 15 産業別就業者構成比(国勢調査)
17
男女別産業大分類人口を見ると、男性では農業・林業、漁業、建設業が多
く、女性では製造業、医療・福祉が多いことがわかります。
A 農業,林業
B 漁業
C 鉱業,採石業,砂利採取業
D 建設業
E 製造業
F 電気・ガス・熱供給・水道業
G 情報通信業
H 運輸業,郵便業
I 卸売業,小売業
J 金融業,保険業
K 不動産業,物品賃貸業
L 学術研究,専門・技術サービス業
M 宿泊業,飲食サービス業
N 生活関連サービス業,娯楽業
O 教育,学習支援業
P 医療,福祉
Q 複合サービス事業
R サービス業(他に分類されないもの)
S 公務(他に分類されるものを除く)
T 分類不能の産業
0
従業者数 男
100
200
従業者数 女
図 16 男女別産業大分類別人口(平成 22 年国勢調査)
18
300
(人)
特化係数※をみると、男女とも「漁業」が非常に高く、次いで「鉱業、採
石業、砂利採取業」、「複合サービス事業」、「農業、林業」が高くなっていま
す。
※特化係数…本町のA産業の就業者比率/全国のA産業の就業者比率
A 農業,林業
B 漁業
C 鉱業,採石業,砂利採取業
D 建設業
E 製造業
F 電気・ガス・熱供給・水道業
G 情報通信業
H 運輸業,郵便業
I 卸売業,小売業
J 金融業,保険業
K 不動産業,物品賃貸業
L 学術研究,専門・技術サービス業
M 宿泊業,飲食サービス業
N 生活関連サービス業,娯楽業
O 教育,学習支援業
P 医療,福祉
Q 複合サービス事業
R サービス業(他に分類されないもの)
S 公務(他に分類されるものを除く)
T 分類不能の産業
01
特化係数 男
10
20
30
特化係数 女
図 17 男女別産業大分類別人口(平成 22 年国勢調査)
19
産業別の年齢構成割合を見ると、多くの産業において 60 歳以上の就業者
がその産業における一定の割合を占めており、各産業において高齢化が進ん
でいることがわかります。
また、漁業、鉱業・採石・砂利採取業、不動産・物品賃貸業において、全
体に占める 70 歳以上の割合が多く、特に高齢化が進んでいることがわかりま
す。
A 農業,林業
B 漁業
C 鉱業,採石業,砂利採取業
D 建設業
E 製造業
F 電気・ガス・熱供給・水道業
G 情報通信業
H 運輸業,郵便業
I 卸売業,小売業
J 金融業,保険業
K 不動産業,物品賃貸業
L 学術研究,専門・技術サービス業
M 宿泊業,飲食サービス業
N 生活関連サービス業,娯楽業
O 教育,学習支援業
P 医療,福祉
Q 複合サービス事業
R サービス業(他に分類されないもの)
S 公務(他に分類されるものを除く)
T 分類不能の産業
0%
15~29歳
30~39歳
40~49歳
50%
50~59歳
60~69歳
図 18 年齢階級別産業人口(平成 22 年国勢調査)
20
100%
70歳以上
表 7 従業者数・特性化係数(平成 22 年国勢調査)
分
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
M
N
O
P
Q
R
S
T
類
従業者数
男
農業,林業
漁業
鉱業,採石業,砂利採取業
建設業
製造業
電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
運輸業,郵便業
卸売業,小売業
金融業,保険業
不動産業,物品賃貸業
学術研究,専門・技術サービス業
宿泊業,飲食サービス業
生活関連サービス業,娯楽業
教育,学習支援業
医療,福祉
複合サービス事業
サービス業(他に分類されないもの)
公務(他に分類されるものを除く)
分類不能の産業
特化係数
女
169
134
8
188
98
22
1
69
91
11
4
47
28
20
58
53
46
70
87
9
男
76
25
2
26
223
2
1
27
121
22
2
13
55
40
52
167
26
30
25
6
女
3.6
28.1
12.0
1.4
0.4
2.5
0.0
0.7
0.5
0.4
0.2
1.0
0.6
0.6
1.4
1.0
6.0
0.9
1.6
0.1
2.3
15.8
15.7
1.0
2.0
1.4
0.1
1.2
0.7
0.7
0.1
0.6
0.7
0.8
1.0
1.0
4.4
0.6
1.3
0.1
表 8 年齢階級別産業人口(平成 22 年国勢調査)
15~
29 歳
35
30~
39 歳
37
40~
49 歳
38
50~
59 歳
74
60~
69 歳
48
70 歳
以上
13
20
29
31
28
22
29
1
1
2
2
2
2
D 建設業
11
35
49
66
44
9
E 製造業
76
52
35
67
70
21
F 電気・ガス・熱供給・水道業
8
6
5
4
1
0
G 情報通信業
0
0
1
1
0
0
H 運輸業,郵便業
12
20
23
26
14
1
I 卸売業,小売業
25
39
33
59
39
17
J 金融業,保険業
5
13
6
7
2
0
K 不動産業,物品賃貸業
0
1
2
1
0
2
L 学術研究,専門・技術サービス業
6
19
17
15
3
0
M 宿泊業,飲食サービス業
6
6
12
35
22
2
分
類
A 農業,林業
B 漁業
C 鉱業,採石業,砂利採取業
N 生活関連サービス業,娯楽業
9
4
10
13
15
9
O 教育,学習支援業
23
23
25
35
3
1
P 医療,福祉
27
51
53
66
22
1
Q 複合サービス事業
12
23
14
17
4
2
R サービス業(他に分類されないもの)
10
18
20
20
19
13
S 公務(他に分類されるものを除く)
16
32
28
29
6
1
0
1
1
4
8
1
T 分類不能の産業
21
第3章 将来人口の推計と分析
3.1
国立社会保障・人口問題研究所の人口推計の概要
(1) 推計期間
推計期間は平成 22 年~平成 52 年までの 5 年ごとの 30 年間とします。
(2) 推計方法
5 歳以上の年齢階級の推計においては、コーホート要因法※を用いまし
た。
本推計においては、①基準人口、②将来の生残率、③将来の純移動率、
④将来の子ども女性比、⑤将来の 0~4 歳性比が必要となります。
※コーホート要因法
ある年の男女・年齢別人口を基準として、ここに人口動態率や移動率
などの仮定値を当てはめて将来人口を計算する方法で、5 歳以上の人口
推計においては、生残率と純移動率の仮定値が必要となります。
0~4 歳の推計においては、生残率と純移動率に加えて出生率及び出生
性比に関する仮定値が必要となるため、子ども女性比及び 0~4 歳性比
の仮定値によって推計しました。
(3) 基準人口
平成 22 年国勢調査(平成 22 年 10 月 1 日現在)
(4) 将来の生残率
「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計)」(出生中位・死亡中位
仮定)から得られる全国の男女・年齢別生残率を利用しました。
(5) 将来の純移動率
原則として、平成 17 年~平成 22 年に観察された市区町村別・男女年
齢別純移動率を平成 27 年~平成 32 年にかけて定率で縮小させ、平成 27
年~平成 32 年以降の期間については縮小させた値を一定とする仮定を
置きました。
22
(6) 将来の子ども女性比
各市区町村の子ども女性比には市区町村間で明らかな差が存在するた
め、平成 22 年の全国の子ども女性比と各市区町村の子ども女性比との較
差をとり、その値を平成 27 年以降平成 52 年まで一定として市区町村ご
とに仮定値を設定しました。
(7) 将来の 0~4 歳性比
「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計)」(出生中位・死亡中位
仮定)により算出された全国の平成 27 年以降平成 52 年までの 0~4 歳
性比各年次の仮定値とし、全自治体の 0~4 歳推計人口に一律に適用しま
した。
23
3.2 総人口・年齢区分別人口の推計
平成 22 年国勢調査を基本とした国立社会保障・人口問題研究所の数値を
用いて将来人口を推計しました。
社人研の推計では平成 52 年に総人口 2,608 人、老年人口割合は 42.1%
となります。平成 22 年の総人口と比べて、62.6%まで減少する見通しとな
っています。
(人)
(合計特殊出生率)
10,000
1.6
社人研による推計
8,000
6,000
1.4
4,000
2,000
総人口
H52
H47
H42
H37
H32
H27
H22
H17
H12
H7
H2
S60
S55
S50
S45
S40
S35
1.2
S30
0
合計特殊出生率
図 19 総人口の推計(国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所推計)
表 9 総人口の推計(国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所推計)
総人口
S30
S35
S40
S45
S50
S55
S60
H2
H7
8,231
8,074
7,927
7,130
6,800
6,503
6,117
5,573
5,224
H12
H17
H22
H27
H32
H37
H42
H47
H52
4,957
4,582
4,168
3,890
3,646
3,395
3,130
2,869
2,608
1.44
1.51
1.48
1.45
1.45
1.45
1.45
合計特殊出生率
総人口
合計特殊出生率
24
(人)
5,000
80%
社人研による推計
4,000
70%
60%
50%
3,000
40%
2,000
30%
20%
1,000
10%
H52
H47
H42
H37
H32
H27
H22
H17
H12
H7
H2
S60
S55
S50
S45
S40
S35
0%
S30
0
年少人口
生産年齢人口
老年人口
年少人口割合
生産年齢人口割合
老年人口割合
図 20 年齢別3区分別人口・割合の推計(国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所推計)
表 10 年齢別3区分別人口・割合の推計(国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所推計)
S30
S35
S40
S45
S50
S55
S60
H2
年少人口
3,358
3,077
2,591
1,975
1,731
1,604
1,407
1,137
908
生産年齢人口
4,535
4,633
4,941
4,726
4,658
4,426
4,116
3,707
3,459
338
364
395
429
411
473
594
729
857
年少人口割合
40.8%
38.1%
32.7%
27.7%
25.5%
24.7%
23.0%
20.4%
17.4%
生産年齢人口割合
55.1%
57.4%
62.3%
66.3%
68.5%
68.1%
67.3%
66.5%
66.2%
老年人口割合
4.1%
4.5%
5.0%
6.0%
6.0%
7.3%
9.7%
13.1%
16.4%
H12
H17
H22
H27
H32
H37
H42
H47
H52
老年人口
年少人口
H7
738
600
504
440
399
364
324
294
265
3,221
2,876
2,516
2,177
1,890
1,693
1,548
1,408
1,245
998
1,106
1,148
1,272
1,356
1,338
1,257
1,167
1,097
年少人口割合
14.9%
13.1%
12.1%
11.3%
10.9%
10.7%
10.4%
10.2%
10.2%
生産年齢人口割合
65.0%
62.8%
60.4%
56.0%
51.8%
49.9%
49.5%
49.1%
47.7%
老年人口割合
20.1%
24.1%
27.5%
32.7%
37.2%
39.4%
40.2%
40.7%
42.1%
生産年齢人口
老年人口
25
社人研の推計をもとに、老年人口の増減から人口減少段階を分析すると、
以下の 3 段階に分けられます。
・第 1 段階:老年人口増加、生産・年少人口減少
・第 2 段階:老年人口維持・微減、生産・年少人口減少
・第 3 段階:老年人口減少、生産・年少人口減少
平成 22 年の人口を 100 として、老年人口の指標をプロットすると、平成
32 年に増加から維持・微減に転じ、平成 37 年以降に減少段階に入っている
ことが分かります。
(指数)
160
第1段階
140
第2段階
第3段階
120
100
80
60
40
20
0
H22
H27
年少人口
H32
H37
生産年齢人口
H42
H47
H52
老年人口
図 21 人口減少段階の分析(国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所推計)
26
3.3 仮定値による将来人口の推計と分析
(1) 仮定値を用いた 3 種類の推計
仮定値を用いた推計として、以下の 3 種類について試算を行いました。
社人研推計
推計人口
国立社会保障・人口問題研究所の推計値
シミュレーション1
推計人口+出生率上昇
合計特殊出生率を国の「まち・ひと・しごと創生長
期ビジョン」の中で出生率上昇モデルとして示され
ている合計特殊出生率を用いた推計値
・平成 32 年…1.6
・平成 42 年…1.8
・平成 52 年…2.07(人口置換水準)
シミュレーション 2
推計人口+出生率上昇+社会動態±0
①と②の推計に、2030 年以降の社会動態による人口
の増減を 0 とした推計値
シミュレーション 1 の結果、出生率の上昇のみでは人口減少のスピー
ドが減速することはなく、総人口の減少率(平成 22 年比)は、64.8%と
なっており、社人研推計結果の減少率(62.6%)と大きな差は見られま
せんでした。これは、出産のサイクルが 30 年程度であるため、出生率が
上昇しても、その効果が目に見えて現れるまでには基本的に数十年単位
の期間を要するためです。
シミュレーション 2 では、出生率の上昇に加え、2030 年以降の社会
動態による移動数をゼロと仮定したことにより、人口減少は自然減のみ
となり、総人口の減少率(平成 22 年比)は、70.4%の人口を維持して
おり、人口減少のスピードが抑えられています。
ただし、これらシミュレーションは何もせず達成されるものではなく、
合計特殊出生率を上昇させるための施策、社会動態による移動数を抑え
るための施策が必要となります。
27
(人)
4,500
4,000
社人研推計
3,500
シミュレーション1
シミュレーション2
3,000
2,500
2,000
H22
H27
H32
H37
H42
H47
H52
図 22 仮定値による将来人口の推計(国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所推計)
表 11 仮定値による将来人口の推計(国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所推計)
H22
H27
H32
H37
H42
H47
H52
4,168
3,890
3,646
3,395
3,130
2,869
2,608
年少人口割合
12.1%
11.3%
11.0%
10.7%
10.4%
10.3%
10.2%
生産年齢人口割合
60.4%
56.0%
51.9%
49.9%
49.5%
49.1%
47.8%
老年人口割合
27.5%
32.7%
37.2%
39.4%
40.2%
40.7%
42.1%
4,168
3,883
3,650
3,412
3,170
2,929
2,699
年少人口割合
12.1%
11.2%
11.1%
11.2%
11.7%
12.0%
12.8%
生産年齢人口割合
60.4%
56.1%
51.8%
49.6%
48.7%
48.2%
46.5%
老年人口割合
27.5%
32.8%
37.2%
39.2%
39.6%
39.8%
40.6%
4,168
3,883
3,650
3,412
3,256
3,094
2,933
年少人口割合
12.1%
11.2%
11.1%
11.2%
11.9%
12.2%
12.8%
生産年齢人口割合
60.4%
56.1%
51.8%
49.6%
49.1%
49.0%
47.8%
老年人口割合
27.5%
32.8%
37.2%
39.2%
39.1%
38.8%
39.5%
総人口
社人研推計
総人口
シミュレー
ション1
総人口
シミュレー
ション2
28
3.4 人口の変化が地域の将来に与える影響
自然動態や社会動態が現状のままで推移した場合に、大幅な人口減少が続
くことで、以下のような地域への影響が考えられます。
(1) 財政状況への影響
歳入の面では、町税収入が歳入に占める割合は、平成 26(2014)年
度で 9.3%となっており、自主財源が少ないのが現状です。本町の歳入は、
地方交付税に依存しており、平成 26(2014)年度では歳入の 53.5%を
占めています。更なる生産年齢人口の減少に伴って、税収の減少が見込
まれます。
歳出の面では、公債費負担は減少傾向にありますが、平成 26(2014)
年度で実質公債費比率は 12.2%と全道平均の 9.2%よりも高い状況です。
公債費が縮小する一方、扶助費(社会保障費)は増加傾向にあり、平成
26(2014)年度には平成 16(2004)年度と比べて 1.8 倍となっていま
す。今後、高齢化の進行に合わせて、扶助費の増加が予想されます。
(2) 公共施設の維持管理・更新等への影響
住宅施設としては、平成 26(2014)年度末で 12 団地 429 戸の公営
住宅を管理しており、このうち 231 戸が既に耐用年数を経過しています。
また、道路や上下水道についても、計画的な整備・維持・保全が図ら
れています。道路では、平成 25(2013)年度末で改良率が 63.2%、舗
装率が 50.1%となっています。上下水道では、平成 25(2013)年度末
で水道普及率が 99.5%と、水洗化率は 81.4%となっています。
今後は、人口減少、少子高齢化が進むと、税収が減少して財政規模が
縮小するとともに、利用者数の減少が予想されます。住宅施設やインフ
ラ施設をはじめ、福祉・コミュニティ関係施設や社会体育等関連施設、
図書館・博物館、学校施設など、現状の施設の維持管理や更新が難しく
なる恐れがあります。
29
(3) 子ども・子育てへの影響
本町には、こども園が1園、小学校が 2 校、中学校が 1 校、高等学校
が 1 校あります。小学生、中学生、高校生数は減少基調にあり、平成 26
(2014)年度ではそれぞれ 199 人、97 人、128 人となっています。
このまま人口減少が続き、各地区の小中学生・高校生が減少すると、
小中学校の統廃合や複式学級、高校の間口削減が生じる可能性がありま
す。
(4) 生活利便施設等への影響
本町の商業施設である小売店数は、平成 6(1994)年以降減少してい
ます。人口減少や少子高齢化により、市場規模が縮小するとともに、都
市部への購買力の流出も重なって、さらなる商業施設の撤退やサービス
の縮小を招くことが懸念されます。
(店舗)
120
107
113
101
100
100
92
91
91
83
80
80
70
64
60
59
57
47
43
40
20
図 23 小売店舗数の推移(商業統計調査、H24 経済センサス)
30
H26
H24
H19
H16
H14
H11
H9
H6
H3
S63
S60
S57
S54
S51
S49
0
(5) 医療・福祉への影響
本町には、町立病院があり、一次医療・初期救急医療を提供できる医
療体制を維持しています。現在は常勤の医師が 2 名いますが、医師・看
護師不足が深刻となる中、今後も医療スタッフを安定的に確保できるか
が課題となります。
また、平成 22(2010)年から平成 52(2040)年にかけて、総人口
は約 37%の減少となりますが、高齢化率・後期高齢者比率は大幅に増加
することが想定され、高齢者医療費の負担の増加も課題となります。
また、高齢化に伴って、医療・福祉サービスの需要はさらに高まり多
様化すると考えられます。これらへの対応により、町民が安心して暮ら
せる医療体制を整えることが必要となります。
(人)
4,500
45%
4,000
40%
3,500
35%
3,000
30%
2,500
25%
2,000
20%
1,500
15%
1,000
10%
500
5%
0
0%
H22
H27
総人口
H32
H37
高齢化率
H42
H47
H52
後期高齢者比率
図 24 高齢化率・後期高齢者比率の推移(国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所推計)
31
(6) 雇用や人材への影響
本町が管轄内である名寄公共職業安定所管内における有効求人倍率
(一般+パートタイム)は、平成 19(2007)年度以降は全道より高く推
移しており、全国の有効求人倍率と同レベルとなっています。
平成 25(2013)年 11 月~平成 26(2014)年 10 月の名寄公共職業
安定所管内の新規求人・求職状況をみると、「建設・採掘の職業」「専門
的・技術的職業」
「農林漁業の職業」で人手不足で、
「事務的職業」
「運搬・
清掃等の職業」で人材過剰となっています。
生産年齢人口が減少する中、現在の求人・求職状況が続くと仮定した場
合、求人過多の職業の人手不足が予測されます。
(倍)
1.2
1
0.8
全国
0.6
北海道
0.4
名寄
0.2
0
H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26
図 25 有効求人倍率の推移(安定所別月間有効求人倍率(常用)の推移)
4,000
2,000
0
16
A管理的職業
B専門的・技術的職業
Eサービスの職業
1,092
635
H生産工程の職業
I輸送・機械運転の職業
J建設・採掘の職業
K運搬・清掃等の職業
分類不能の職業
2,622
1,538
1,129
1,681
2,540
277
F保安の職業
G農林漁業の職業
4,000 (人)
13
2,684
C事務的職業
D販売の職業
2,000
156
556
有効求職者数
259
723
有効求人数
545
954
530
1,096
298
636
2,106
0
315
図 26 名寄公共職業安定所管内の求人・求職状況(H26 職業安定業務統計)
32
第4章 人口ビジョン・総合戦略検討に向けたアンケート調査
4.1
調査の概要
人口の将来を展望するにあたって、住民の居住・結婚・子育てに関する意
識などを把握し、施策の検討を行う基礎資料とするため、町民アンケート調
査を行いました。また、将来を担う世代である高校生に対しても、高校生の
日常生活をはじめ、自分自身やまちの将来に対する考え方などを把握するた
め、アンケート調査を行いました。
表 12 アンケート調査の概要
種類
町民アンケート
高校生アンケート
配布対象
18 歳以上の町民
浜頓別高校
1 年生~3 年性
配布数
1000 票
129 票
配布方法
回収方法
郵送配布
郵送回収
学校配布
学校回収
回収数
回収率
455 票
45.5%
122 票
94.6%
調査項目
・回答者属性
・居住と転入・転出
・結婚の実態・希望
・子育ての実態・希望
・町の施策
・回答者属性
・浜頓別町への居住/希望
・卒業後の進路/希望
・地元就職の意向/希望
・町の施策推進
33
4.2 町民アンケート調査結果の概要
町民アンケートの調査結果について、概要を整理します。
(1) 今後の居住意向
町民の半数以上が今後も浜頓別町に住み続けたいという意向を持って
います。また、浜頓別町出身者のほうが、町外から転居してきた人より
も居住意向が高いことが分かります。
全体
51.4%
生まれた時からずっと
69.2%
浜頓別町出身で戻ってきた
41.0%
0%
20%
21.0% 17.7% 4.8%
26.2%
40%
22.9% 4.2%
60%
浜頓別町に住み続けたいが、
30.1% 2.7%
80%
図 27 居住経験別居住意向(町民アンケート)
N=62
N=256
100%
町外へ転居したい
たぶん町外へ転居すると思う
34
N=455
13.5%
11.3%6.0% N=133
56.5%
町外から転居してきた
浜頓別町に住み続けたい
21.5%
無回答
(2) 生活環境の満足度
本町では、全体としての「暮らしやすさ」については、6 割程度が満
足~普通と回答していますが、交通、医療・福祉、買い物等の暮らしの
利便性が特に低下しており、6 割以上が不満であると感じています。
2.0%
公共交通の利用のしやすさ 1.8%19.8%
32.7%
40.4%
3.3%
2.0%
病院や診療所の利用のしやすさ
5.7% 25.9%
28.6%
36.3%
1.5%
4.4%
買い物等の日常生活の利便性
7.9%
こども園や子どもの遊び場などの子育て環境
4.4%
8.4%
30.3%
29.2%
50.5%
25.5%
2.6%
17.1% 9.7%
9.9%
5.1%
図書館や文化施設、スポーツ施設等の利用のしやすさ
学校などの教育環境
7.9%
4.4%
6.6%
55.2%
14.9%11.6% 5.3%
58.0%
14.7% 7.5% 8.8%
5.3%
自然災害に対する安全性
近所づきあいなどの人間関係や地域のつながり
9.9%
8.6%
15.6%
3.5%
57.1%
7.5%
14.9%
6.4%
7.0% 2.4%
61.8%
4.6%
全体としての「暮らしやすさ」
9.2%
0%
満足
やや満足
普通
43.5%
20%
40%
やや不満
24.0%
60%
不満
17.1% 1.5%
80%
無回答
100%
N=455
図 28 浜頓別町における生活環境についての満足度(町民アンケート)
35
(3) 結婚・出産・子育て
本町では、10~40 代の独身者のうち、今後結婚したいという意向の人
が半数以上を占めています。
一方、結婚したいと思わない人の理由としては、自由な生き方がした
いという気持ちの他に、経済的余裕がないこと、ふさわしい相手に巡り
合えないことを理由としてあげている人が多くなっています。
無回答, 2.0%
すぐにでも結婚
したい, 12.9%
生涯結婚したく
ない, 19.8%
今は結婚したい
とは思わない
いずれは結婚し
が、いずれ結婚
たい, 42.6%
するだろう,…
N=101
図 29 結婚の意思(町民アンケート)
自由な生き方や生活がしたい
53.5%
経済的余裕が無い
37.2%
相応しい相手に巡り合わない
27.9%
年齢的理由・健康上の理由
20.9%
親族が増えるのが煩わしい
18.6%
家事・育児の負担が増える
16.3%
仕事が不安定
14.0%
異性とうまく付き合えない
14.0%
親の介護など家庭内の事情
14.0%
仕事等に打ち込みたい
11.6%
交友関係を制限されたくない
11.6%
その他
N=43
2.3%
0%
20%
40%
60%
図 30 結婚したいと思わない理由(町民アンケート)
36
回答者のうち、10~40 代の町民の理想とする子どもの数は平均 1.94
人であるのに対して、現在の子どもの数は平均 0.86 人と少なくなってい
ます(無回答除く)。
また、出産や子育てに必要な事として、あげられているもののうち、
医療環境・サービスの充実や安定した雇用環境、収入の増加が多くあげ
られています。
理想とする子どもの数
無回答,
5人, 1.3%
4人, 1.7%
現在の子どもの数
0人, 7.8%
9.1%
1人, 4.3%
5人, 0.4%
無回答,
4人, 0.9%
3.4%
3人, 9.1%
2人,
3人,
25.0%
0人,
20.3%
2人,
50.9%
53.0%
1人,
12.9%
N=232
N=232
図 31 理想とする子どもの数と現在の子どもの数(町民アンケート)
医療環境・サービスの充実
56.5%
安定した雇用環境
43.1%
(世帯全体で)収入が増えること
36.6%
育休・短時間勤務など働きやすさ
26.7%
配偶者・家族の理解・支援
25.0%
子育て支援施設の充実
19.0%
買い物など生活環境
17.7%
学校や習い事などの教育環境
15.9%
妊産婦健診や予防接種等の支援
14.7%
住宅環境(家が狭い)
11.6%
地域全体での子育て支援
10.3%
出産・子育てに対応できる体力
9.1%
不妊治療に対する支援・環境
6.5%
その他
0.9%
無回答
N=232
3.9%
0%
20%
40%
60%
図 32 出産や子育てに必要な事(町民アンケート)
37
(4) 施策全般
結婚・出産・子育て支援の為に町が積極的に進めるべき施策として、
「保
険・医療の充実」に対して多くの要望がありました。
また、地域の活力を維持する為に町が積極的に進めるべき施策として、
「誰もが暮らしやすいまちづくり」「基盤産業の経営強化」「後継者・新
規就業者の確保に向けた取組」に対して多くの要望がありました。
保健・医療の充実
72.7%
児童福祉・ひとり親家庭福祉の充実(経済支援・相談)
21.8%
託児・学童保育サービスの充実
20.9%
学校教育の充実
19.3%
地域ぐるみの子育て・教育サポート
18.5%
結婚サポート
15.8%
無回答
8.8%
0%
20%
N=455
40%
60%
80%
図 33 結婚・出産・子育て支援の為に町が積極的に進めるべき施策(町民アンケート)
誰もが暮らしやすいまちづくりの推進
47.5%
基盤産業の経営強化
42.0%
後継者・新規就業者の確保に向けた取組
36.3%
観光地としての魅力PR
26.2%
移住・定住希望者の確保に向けた取組
24.4%
浜頓別ブランドの開発
23.1%
新産業の創出
22.6%
スポーツ・文化活動の振興
10.3%
交流施設の整備
10.3%
地域連携によるコミュニティづくり
9.2%
無回答
N=455
4.4%
0%
20%
40%
60%
図 34 地域の活力を維持する為に町が積極的に進めるべき施策(町民アンケート)
38
4.3 高校生アンケート調査結果の概要
高校生アンケートの調査結果について、概要を整理します。
(1) 浜頓別町について
浜頓別町で充実して欲しい施設・サービス・施策として、「娯楽施設」
「食事が楽しめる施設」
「買い物が楽しめる施設」に対して多くの要望が
ありました。
娯楽施設(カラオケ・ゲームセンターなど)
63.1%
買い物が楽しめる施設
54.9%
食事が楽しめる施設(カフェ・レストランなど)
54.9%
スポーツ施設
29.5%
公園や休憩施設等
13.9%
便利な公共交通
13.9%
図書館や文化施設
9.8%
行事やイベントなどの催し物
9.8%
浜頓別町での就職先の確保
9.0%
情報通信ネットワークの整備
5.7%
学校等の教育施設
3.3%
地域住民とのふれあい
0.0%
その他
1.6%
無回答
2.5%
0%
N=122
20%
40%
60%
80%
図 35 浜頓別町で充実して欲しい施設・サービス・施策(高校生アンケート)
39
浜頓別町への愛着や誇りについて、全体の 60%以上が感じると回答し
ており、特に浜頓別町在住の高校生では約 80%と高くなっています。
また、浜頓別町への居住意向について、全体の約 30%、浜頓別町在住
の高校生では 45%が近い将来浜頓別町に戻りたいという希望を持ってい
ます。
全体
12.3%
浜頓別町
50.8%
18.9%
29.5%
62.2%
0%
20%
感じる
40%
16.2%
60%
やや感じる
7.4%
80%
それほど感じない
N=122
2.7%
N=74
100%
全く感じない
図 36 浜頓別町への愛着や誇り(高校生アンケート)
4.1%
全体
11.5%
4.9%
13.9%
9.0%
44.3%
12.3%
N=122
2.7%
浜頓別町
16.2%
0%
6.8%
20%
21.6%
8.1% 12.2%
40%
60%
32.4%
80%
N=74
100%
高校卒業後、浜頓別町に住みたい
大学・短大・専門学校等を卒業後、浜頓別町に住みたい
就職して外に出ても、近い将来に戻ってきて、浜頓別町に住みたい
老後は、浜頓別町に住みたい
浜頓別町に住みたいが、難しい(住めない)
浜頓別町に住みたくない
今自分が住んでいるまちに住みたい(浜頓別町以外に住んでいる方)
図 37 浜頓別町への居住意思(高校生アンケート)
40
(2) 進学・就職について
高校生の進学・就職先の市町村のうち、進学先については、男女とも
に札幌市が最も多く、就職先については、男性は浜頓別町が最も多いの
に対して、女性は札幌市や旭川市が多いことが特徴となっています。
1.7%
1.7%
全体
26.9%
4.2%
12.6%
47.9%
N=119
1.7%
2.5%
札幌市
男性進学
21.2%
N=33
9.1%
6.1%
6.1%
57.6%
浜頓別町
旭川市
2.9%
男性就職 5.9%
38.2%
5.9%
猿払村
47.1%
中頓別町
N=34
北海道内
3.0%
女性進学
51.5%
3.0%
道外
45.5%
N=33
無回答
5.3%
女性就職
31.6%
10.5% 15.8%
10.5%
36.8%
N=19
0%
20%
40%
60%
80%
100%
図 38 進学・就職先の市町村(高校生アンケート)
41
高校生の仕事や職業に対する考え方では、「楽しく働きたい」「人のた
めになる仕事をしたい」が特に高くなっています。
また、働くことについての考え方では、
「やりたい仕事ができれば中小
企業でもよい」という回答が 40%以上となっているほか、「公務員がよ
い」という回答も 20%以上と高くなっています。
出世したい, 0.0%
社会に貢献したい,
無回答, 2.5%
3.3%
自分の夢のために
働きたい, 9.0%
楽しく働きたい,
収入さえあればよ
34.4%
い, 12.3%
人のためになる仕
個人の生活と仕事
事をしたい,
を両立させたい,
22.1%
14.8%
N=122
図 39 仕事や職業に対する考え方(高校生アンケート)
絶対に大手企業が
農林水産業や自営
家業を継ぐ, 0.8%
よい, 0.8%
無回答, 6.6%
業など自分の力で
稼ぎたい, 3.3%
中小企業がよい,
やりたい仕事がで
4.9%
やりたい仕事がで
きれば中小企業で
きれば大手企業が
もよい, 42.6%
よい, 17.2%
公務員がよい,
23.8%
N=122
図 40 働くことについての考え方(高校生アンケート)
42
働くにあたって重視することとしては、「給料がいい」「働き甲斐があ
る」
「やりたい仕事ができる」
「安定している」が特に高くなっています。
将来就きたい仕事としては、男性では「公務員」、女性では「医療・介
護・福祉関係」が最も多くなっています。
50.8%
給料がいい
40.2%
働き甲斐がある
やりたい仕事ができる
38.5%
安定している
37.7%
30.3%
休日・休暇が取りやすい
23.8%
親しみのある雰囲気
13.1%
自分の能力や専門性が活かせる
9.8%
社風がいい
転勤がない
9.0%
地元で働くことができる
8.2%
7.4%
一生働くことができる
4.1%
福利厚生(住宅、勤務制度など)がいい
0.8%
研修等が充実しスキルアップできる
0.8%
有名な会社である
海外で活躍できる
0.8%
その他
0.0%
N=122
4.1%
無回答
0%
20%
40%
60%
図 41 働くにあたって重視すること(高校生アンケート)
1.6%
0.8%
3.3%
全体
15.6%
4.9%
3.3%
16.4%
6.6% 6.6%
4.1%
4.1%
1.4%
男性
2.9%
5.7%
18.6%
1.6%
5.7% 10.0% 5.7%
7.1%
3.3%
8.2%
15.6%
4.1% N=122
1.4%
7.1%
10.0%
18.6%
5.7%
1.9%
女性
7.7%
11.5%
25.0%
15.4%
7.7%
N=70
1.9%
N=52
7.7% 5.8% 11.5%
3.8%
0%
20%
農林水産業
公務員(国家・地方)
医療・介護・福祉関係
商店・飲食店
運輸業
情報通信業(IT関係)
観光サービス業
40%
60%
80%
100%
教師・保育士
公務員(自衛官・警察官・消防士)
美容師・ファッション関係
建設業
製造業(ものづくり)
金融業
その他サービス業
図 42 将来就きたい職業(高校生アンケート)
43
第5章 人口減少問題に取り組む基本的視点
5.1
浜頓別町人口ビジョンにおける三つの基本的視点
本町におけるこれまでの人口の推移及び将来人口の推計による分析結果
の他、町民アンケート結果を踏まえ、本町では以下の三つの視点を掲げます。
(1) 安心して子どもを産み育てられる子育て環境の整備
過去の推計では、本町における合計特殊出生率の減少と共に、年少人
口が大きく減少しています。
この要因としては結婚率の低下や晩婚化が考えられますが、町民アン
ケートの結果では希望する子どもと現在の子どもの数に差が生じている
ことが明らかとなりました。
これらの実態から、本町での子育て対策をより拡充し、子育て世代の
方々が浜頓別町でより安心して子どもを産み育てられる環境を整備する
ことで、平成 52 年に人口置換水準である合計特殊出生率 2.07 を目指し
ます。
(2) 人口流出の抑制と新たな人口流入促進
本町では、過去の推計において若年人口の人口流出が多くなっていま
す。これは浜頓別高校卒業後に進学等により札幌市を始めとする都市部
への人口流出が多く、その後は就職のため都市部に残っていると考えら
れます。しかし、高校生アンケートの結果では、多くの高校生が将来的
に浜頓別町に戻りたいという希望を持っていることが明らかになりまし
た。そのため、若者が働ける環境づくり・仕事とのマッチングが必要と
なります。
よって、各産業が連携し、浜頓別高校卒業者や大学等進学後に地元で
就職できるような仕事を地域に作り出すことで、人口の流出を防ぎ、人
口減少を抑えることを目指します。
また、本町が取り組んでいる移住・定住促進事業をより進め、新たな
人口流入を促すことで平成 52 年に社会動態±0 を目指します。
44
(3) 観光産業を核とした交流人口の増加
本町にはクッチャロ湖やベニヤ原生花園を始めとした観光資源が豊富
にあります。また、平成 23 年から始まった「北オホーツク 100 ㎞マラ
ソン大会」では道内を始め道外からも多くのランナーや家族が来町し町
民との交流が行われています。
観光ニーズが多様化し、滞在型・体験型観光へのニーズが高まってい
る中、本町の貴重な自然・産業などを活用した新たな観光振興の取組が
必要となっていることから、滞在型、体験型に対応できる観光振興に取
り組む必要があります。
このような観光産業を核とした交流人口の増加は、地域の活力を創出
していくことから、今後さらなる交流人口の増加を目指します。
45
第6章 人口の将来展望
6.1 目指すべき将来の方向性
本町では、昭和 40 年以降一貫して人口減少が続き、現在ではピーク時の
半数以下の人口となっています。これは、少子高齢化に伴う人口減少の他に、
若者の都市部への流出、労働を求めての流出、老後の医療や介護への不安か
らの流出等、様々な要因が人口減少に繋がっていると考えられます。過疎地
域である本町では減少のスピードが特に速く、人口減少段階(P4 参照)はす
でに第 2 段階となっており、人口減少問題への対策は待ったなしの状態とい
えます。
これら問題に対し、本町では子育て環境の整備や移住・交流人口増加のた
めの施策、医療機関との連携等、様々な施策を展開してきましたが、今後は
これら施策をさらに拡充させていく必要があります。
人口減少問題に対して特効薬のような答えはなく、本町に限らず日本全体
の問題であるこの問題に対し、本町が今まで実施してきた施策をより拡充す
ることにより、人口減少のスピードを抑え、過疎地域であるものの自立し、
第 5 次まちづくり計画で掲げる「未来につなげよう!!ずっと住み続けたい
町 はまとんべつ」の実現に向け町全体で人口減少問題について取り組んでい
く必要があります。
46
6.2 浜頓別町の人口の将来展望
少子化に歯止めをかけ、緩やかな人口減少と年齢構成のバランスを維持す
ることにより、持続可能な浜頓別町の実現を展望します。
・将来の合計特殊出生率を人口置換水準である 2.07 とし、それを達成す
るための施策を展開していきます。
・現在実施している移住・定住促進事業をより拡充し、さらに、若者が住
み続けられる雇用体制を整備することで、社会動態±0 を目指します。
・観光客を始めとする交流人口を今まで以上に増加させることを目指しま
す。
(人)
(合計特殊出生率)
7,000
2.5
6,000
本町の将来展望
2
5,000
1.5
4,000
3,000
1
2,000
0.5
1,000
0
0
S60
総人口
H2
H7
H12 H17 H22 H27 H32 H37 H42 H47 H52
年少人口
生産年齢人口
老年人口
合計特殊出生率
図 43 仮定値による将来人口の推計
47
表 13 仮定値による将来人口の推計
S60
H2
H7
H12
H17
総人口
6,117
5,573
5,219
4,957
4,582
4,168
年少人口
1,407
1,137
908
738
600
504
生産年齢
人口
4,116
3,707
3,454
3,221
2,876
2,516
老年人口
594
729
857
998
1,106
1,148
年少人口
割合
23.0%
20.4%
17.4%
14.9%
13.1%
12.1%
生産年齢
人口割合
67.3%
66.5%
66.2%
65.0%
62.8%
60.4%
老年人口
割合
9.7%
13.1%
16.4%
20.1%
24.1%
27.5%
合計特殊
出生率
1.44
H27
H32
H37
H42
H47
H52
3,883
3,650
3,412
3,256
3,094
2,933
年少人口
434
404
381
386
376
375
生産年齢
人口
2,177
1,890
1,693
1,598
1,516
1,401
老年人口
1,272
1,356
1,338
1,272
1,201
1,158
年少人口
割合
11.2%
11.1%
11.2%
11.9%
12.2%
12.8%
生産年齢
人口割合
56.1%
51.8%
49.6%
49.1%
49.0%
47.7%
老年人口
割合
32.8%
37.2%
39.2%
39.1%
38.8%
39.5%
合計特殊
出生率
1.44
1.60
1.60
1.80
1.80
2.07
総人口
48
H22
第7章 参考資料
◎国勢調査における浜頓別町の人口・年齢別人口の推移
S30
S35
S40
S45
S50
S55
S60
8,231
8,074
7,927
7,130
6,800
6,503
6,117
0~4 歳
1,210
773
671
593
585
507
423
5~9 歳
1,213
1,148
768
642
552
575
452
10~14 歳
935
1,156
1,152
740
594
522
532
15~19 歳
770
757
816
681
487
392
398
20~24 歳
689
611
577
589
518
354
279
25~29 歳
635
598
595
513
612
572
382
30~34 歳
551
604
594
565
493
623
526
35~39 歳
435
531
602
543
520
456
542
40~44 歳
422
412
517
544
516
485
441
45~49 歳
336
382
390
444
523
490
455
50~54 歳
297
288
354
348
421
437
420
55~59 歳
213
259
266
293
309
356
377
60~64 歳
187
191
230
206
259
261
296
65~69 歳
140
146
157
171
159
208
224
70~74 歳
99
102
117
114
125
111
174
75~79 歳
72
64
63
80
66
83
99
80~84 歳
14
41
40
38
50
42
62
85~89 歳
10
6
15
21
7
26
25
90~94 歳
2
5
1
5
3
3
9
95~99 歳
1
0
2
0
1
0
1
100 歳以上
0
0
0
0
0
0
0
年少人口
3,358
3,077
2,591
1,975
1,731
1,604
1,407
生産年齢人口
4,535
4,633
4,941
4,726
4,658
4,426
4,116
338
364
395
429
411
473
594
年少人口割合
40.8%
38.1%
32.7%
27.7%
25.5%
24.7%
23.0%
生産年齢人口割合
55.1%
57.4%
62.3%
66.3%
68.5%
68.1%
67.3%
4.1%
4.5%
5.0%
6.0%
6.0%
7.3%
9.7%
総数
老年人口
老年人口割合
49
H2
H7
H12
H17
H22
5,573
5,224
4,957
4,582
4,168
0~4 歳
336
234
218
184
158
5~9 歳
394
308
232
206
164
10~14 歳
407
366
288
210
182
15~19 歳
363
292
238
172
120
20~24 歳
193
266
205
169
135
25~29 歳
310
246
315
253
194
30~34 歳
371
289
247
308
257
35~39 歳
454
348
274
239
266
40~44 歳
492
432
326
261
230
45~49 歳
411
483
440
322
247
50~54 歳
424
399
472
431
305
55~59 歳
370
391
360
422
382
60~64 歳
319
313
344
299
380
65~69 歳
265
283
285
313
269
70~74 歳
199
231
244
244
294
75~79 歳
137
174
212
211
223
80~84 歳
68
106
142
178
174
85~89 歳
41
44
78
103
123
90~94 歳
15
15
34
43
54
95~99 歳
3
4
3
13
10
100 歳以上
1
0
0
1
1
年少人口
1,137
908
738
600
504
生産年齢人口
3,707
3,459
3,221
2,876
2,516
729
857
998
1,106
1,148
年少人口割合
20.4%
17.4%
14.9%
13.1%
12.1%
生産年齢人口割合
66.5%
66.2%
65.0%
62.8%
60.4%
老年人口割合
13.1%
16.4%
20.1%
24.1%
27.5%
総数
老年人口
50