Weekly Outlook

投資情報部
2016 年 2 月 18 日(木)
Weekly Outlook
週刊投資情報
CONTENTS
1. 日本株見通しとポイント~内需高配当利回り銘柄を時間分散投資で ...................2
2. 米国株見通しとポイント~目先は手掛かり難 .......................................................3
3. 円相場見通しとポイント~原油下げ止まりに向け産油国の発言に注目 ................4
4. 国内経済動向~1-3 月以降の国内経済も調整含みの展開を想定 .......................6
5. 新興国市場・経済動向 ........................................................................................8
6. 日本株式~2 月 13 日はNISAの日 ..................................................................13
7. 訪日外国人~1 月として過去最高の 185 万人 ..................................................14
8. マイナス金利導入が日本株に与える影響..........................................................15
9. マイナス金利導入をきっかけに投資妙味高まる REIT 市場 ...............................16
10. 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 .......................................................17
11. 来週・再来週の主なスケジュール ......................................................................18
1
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
No.242
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
1.日本株見通しとポイント~内需高配当利回り銘柄を時間分散投資で
日本株担当: 西尾 浩一郎
欧州銀行の財務不安や原油価格を巡る懸念が和らいだことから、投資家心理は改善の方向にあるとみら
れる。ただ、株式市場が騰勢を強めるには今しばらく時間が必要で、引き続き、値動きの荒い展開が続くと
予想される。投資戦略としては時間分散投資が有効とみており、企業業績動向、利回り水準などを考慮し、
内需系高配当利回り銘柄に注目する。
 乱高下の後、やや落ち着きを取り戻す
30%以下、との条件を満たす銘柄の時価総額上位5社
を取りまとめたもの。投資の際の参考にされたい。
先週末以降の日本株市場は、原油安や急速な円高
などでリスク回避姿勢が強まり、日経平均は2014年10月
21日以来の15,000円割れとなったが、週初に1,069円高
となり一気に16,000円台を回復。その後は、やや落ち着
きを取り戻す展開となっている。この背景は、ドイツ銀行
が債券の買い戻し計画を発表し財務の健全性を強調し
たことで欧州銀行の財務懸念が後退、さらに原油価格
の動向を握る主要産油国の間で生産調整に向けた動
きが出始めたことにあろう。また、国内企業の自社株買
い(自己株取得)の発表が相次いでおり、株式市場が
素直に評価していることも寄与していよう(図表1)。
図表1. 自己株式取得枠設定金額の推移
9
7
6
5
4
3
2
1
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16
(年)
 3月以降、株価反転のキッカケを掴めるか
このように投資家心理は改善傾向にあるとみられるが、
日経平均の将来の変動を示すボラティリティ・インデック
スは、依然として昨年8~9月の株価急落時と同水準にあ
る(図表2)。中国懸念の再来、円高、原油安、日銀のマ
イナス金利導入の影響などを理由に値動きの激しい展
開が続くと予想される。そうした中、株式市場の雰囲気
が変わるキッカケとして、3月にかけてのスケジュールに
注目。2月26日からのG20財務省・中央銀行総裁会議、
3月5日からの中国全国人民代表大会、そして3月第2~
第3週には日米欧の金融政策決定会合も控える。ここで
不安心理を和らげる流れが醸成されれば、株価は実力
に見合った水準に訂正が進むと考えられる。
 利回り水準に着目した投資をコツコツと
注: 対象はTOPIX採用銘柄。2016年は2月17日時点
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
図表2. 日経平均ボラティリティ・インデックスの推移
22,000
(円)
(pt)
日経平均(左軸)
20,000
90
80
70
18,000
60
16,000
50
14,000
日経平均ボラティリティ・
インデックス(右軸)
12,000
40
30
10,000
20
8,000
10
14/1
14/4
14/7 14/10 15/1
15/4
15/7 15/10 16/1
(年/月)
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
図表3. 内需系高配当利回り銘柄
株式
コード
日本株市場が業績面で割安、テクニカル面で売られ
過ぎと分かっていてもなかなか手掛けにくい面があり、
投資戦略としては時間分散投資が有効であろう。足元
の決算発表で外需系企業を中心に業績下方修正が相
次ぐ一方で、内需系企業の業績堅調が鮮明になってい
ること、金利低下によりREITや高配当利回り銘柄の魅
力が高まっていることを踏まえると、内需系高配当利回
り銘柄が有望と考えられる。図表3は、TOPIX500採用銘
柄及び東証REIT指数採用銘柄のうち、(1)今期予想配
当利回り(年率換算)が2.0%以上(配当予想に上限と下
限がある場合、下限で算出)、(2)今期予想経常利益が
増益かつ増配、(3)直近本決算での海外売上高比率が
銘柄略称
予想
決算期
予想
予想 予想配当 2月17日
増益率
経常利益
1株配当 利回り
終値
(%)
(百万円)
(円)
(%)
(円)
1925 大和ハウス
2016/03
228,000
12.5
80
2.71
8604 野村HD
2016/03
350,000
0.9
21
4.20
2,953.5
500.0
9432 NTT
2016/03
1,220,000
14.4
110
2.26
4,871.0
9433 KDDI※
2016/03
820,000
-
65
2.17
3,001.0
9437 NTTドコモ
2016/03
703,000
9.2
70
2.65
2,641.0
3281 GLP
2016/02
5,264
13.2
2,330
3.85 121,100.0
8951 日本ビルF
2016/06
11,664
6.2
8,260
2.61 634,000.0
8952 JRE
2016/03
10,590
1.0
8,080
2.49 650,000.0
8955 日本プラR
2016/06
5,789
0.7
6,630
3.08 430,000.0
8976 大和オフィス
2016/05
4,769
1.7
9,850
2.91 676,000.0
注: KDDIは16/3期から会計基準を変更。前期実績経常利益7,524億円
から今期は増益とみなしている。網掛けはREIT。配当に関するデータ
は分配金を指し、増益率は前期比。予想は2月17日時点の日経予想
で、対象期間での変則決算は除く
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
2
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
(兆円)
8
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
2.米国株見通しとポイント~目先は手掛かり難
米国株担当: 河田 剛
2月10日以降の米国株市場は、欧州金融機関の財務状況への懸念などから当初は下落したものの、その
後は原油価格の上昇や値ごろ感などから反発した。株価は底入れの兆しを見せているものの、 2015年
10-12月期が減収減益に終わる見通しであること、アナリストの業績予想が下方修正優位であることなどか
ら、目先は手掛かり難で、本格上昇には原油価格と企業業績の底入れの確認が必要となろう。
 先週、今週のレビュー~後半は急反発
は前月比▲1.3の90.7と事前予想(92.3)を下回ったもの
の、依然として高水準を維持しているため、今後も消費
の拡大基調は続くものとみられる。
2月10日の米国株市場は、欧州金融機関の財務状
況への懸念がやや後退し、買いが先行したものの、イエ
レンFRB(連邦準備制度理事会)議長が議会証言でマ
イナス金利に慎重姿勢を示したことや、原油価格の下
落などからダウ工業株指数(NYダウ)は前日比▲99ドル
となった。11日は、2月6日終了週の新規失業保険申請
件数が事前予想を下回ったものの、欧州金融機関への
懸念が高まったことなどから、NYダウは▲254ドルの大
幅安となった。12日は、2月のミシガン大学消費者信頼
感指数(速報値)が事前予想を下回ったものの、1月の
小売売上高が事前予想を上回ったことや、ドイツ銀行が
債券の買い戻しを発表したこと、原油価格の上昇などか
ら、NYダウは+313ドルと大幅に反発した。プレジデンツ
デーの連休明け16日は、2月のニューヨーク連銀製造
業景況指数が事前予想を下回り、産油国4ヵ国の協議
で減産合意が成立しなかったものの、銀行株や小売株
に値ごろ感からの買いが入ったことで、NYダウは+222ド
ルとなった。17日は、1月の住宅着工件数が事前予想を
下回ったものの、1月の鉱工業生産が事前予想を上回
ったことや、1月のFOMC(連邦公開市場委員会)議事
録がハト派寄りととらえられたこと、産油国4ヵ国の生産
量維持に関する合意に対して、イランが協調姿勢を示し
たことなどから、NYダウは+257ドルと続伸した。
 当面の見通し~目先は手掛かり難
経済指標では23日発表予定の12月のS&P/ケース・
シラー住宅価格指数(事前予想:前年比+5.60%)、1月
の中古住宅販売件数(事前予想:前月比▲1.1%)など
が注目される。S&P500は2015年11月3日の直近高値
2,109から2月11日に安値1,829をつけた後、3営業日連
続で上昇、17日終値1,926までの騰落率は+5.3%となっ
ており、底入れの兆しが出てきている。ただ、S&P500採
用企業の10-12月期の1株当たり利益は404社発表時点
(17日)で前年同期比▲4.9%、売上高は▲4.4%と最終
的にも減収減益になる可能性が高まっている。また、ア
ナリストの業績予想の方向性を示すリビジョンインデック
スも 依 然 と して下 方 修 正 優 位 の 状 況 が 続 い ている 。
S&P500の12ヵ月先予想PERは2月11日時点の14.8倍か
ら17日時点には15.6倍に上昇しており、割安感がやや
薄れている(1985年以降の平均は約15倍)。このため、
目先は手掛かり難で、自律反発から本格的な上昇への
移行には原油価格と企業業績の底入れの確認が必要
となろう。
事前予想は Bloomberg、2016 年 2 月 18 日 10 時時点のもの
 1月の小売売上高
2月12日に発表された1月の小売売上高は、前月比
+0.2%となり、事前予想(+0.1%)を上回った。また、3ヵ
月連続で前月比プラスとなった。業種別では無店舗販
売が+1.6%、総合小売が+0.8%、自動車・部品が+0.6%、
建設資材が0.6%、食品・飲料は+0.5%と増加したが、ス
ポ ー ツ 用 品 ・ 玩 具 ・ 書 籍 ・ 音 楽 は ▲ 2.1% 、 家 具 は▲
0.5%と減少した。ガソリンスタンドは▲3.1%となった。自
動車・部品を除く小売売上高については、+0.1%と事前
予想(+0.0%)を上回った。12月が暖冬で、1月には寒波
があったため、天候による一時的な影響を受けている可
能性はあるが、概ね消費は堅調に推移しているとみられ
る。一方、消費者センチメントについては、12日に発表
された2月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
3
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
図表1. S&P500 リビジョンインデックスの推移
0.4
上方修正優位
0.2
0.0
-0.2
-0.4
下方修正優位
-0.6
12週移動平均
-0.8
-1.0
リビジョンインデックス=((業績予想上方修正数-下方修正数)/全修正数)
06
07
08
09
10
11
12
出所: DatastreamよりSMBC日興証券作成
13
14
15
16
(年)
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
3.円相場見通しとポイント~原油下げ止まりに向け産油国の発言に注目
欧米・為替担当: 本間 英至
産油国が原油価格の安定化に向けて協調姿勢を見せ始めた。原油下げ止まり観測が強まれば、不安心理
に伴うドル売り円買い圧力も一巡が期待され、産油国関係者の発言が注目される。一方、市場では米国は
年内利上げ見送りとの見方が強まっているが、それはさすがに行き過ぎとみている。米景気の順調な拡大
が確認されるに連れてドル高円安への動きが予想され、引き続きドル買い姿勢で臨むべきとみている。
 この1週間(2/10~)のレビュー
そうした中、16日にロシアやサウジなど産油4ヵ国が会合
を開き、他の産油国も賛同することを条件に原油生産
量を1月水準に凍結することで合意。減産に踏み込めな
かったことに加え、とりわけ経済制裁解除で増産の意向
を示してきたイランが賛同するのか不透明との見方から
一旦は原油安に振れたが、イランは翌17日に凍結に一
定の支持を表明したことで大きく反発となった。
ドル円 は 10 日 に 115 円 近 辺 でスター ト後 、イエ レン
FRB(連邦準備制度理事会)議長の3月利上げに慎重
な発言を機にドル安円高が進むと、翌11日は原油安や
欧州株の下落を受けてドル売りが加速し、一時110.99
円をつけた。その後、日銀によるドル買い介入の噂など
からドルが持ち直すと、16日の東京時間にかけては内
外株の上昇や原油価格の反発などを材料にドル買い
が優勢となり、114円台後半を回復した。ただ、115円に
は届かず上値の重さが確認されると押し戻され、18日の
東京時間にかけては114円を挟んでのレンジ推移となっ
た。ドル以外の通貨は、11日にリスク回避色の高まりか
ら対円で全面的に下落し、豪ドルは77.59円、NZドルは
73.21円、ユーロは125.78円まで一時売られた。その後、
豪ドルは持ち直して82円台前半まで一時回復したが、
NZドルは国際乳製品価格の下落などに上値を抑えら
れる展開、ユーロは127円を挟んでの小動きとなった。
(東京時間2/18正午時点)
サウジの姿勢に変化の兆候
16日の会合に関して、サウジが参加して曲がりなりに
も合意したことは、一段の原油安回避に向けて大きな前
進といえよう。同国のヌアイミ石油鉱物資源相は、必要
なら他の措置も決定するプロセスの始まりであるとの見
解を表明。これまで原油安を放置してきたサウジの姿勢
に変化の兆候が確認できる。また、UAEやオマーンなど
の産油国が賛同の意を示す等、原油価格の安定化に
向けて協調姿勢が進みつつある様子も窺える。
図表1. 年初以降のドル円相場の推移
122
 ドル円相場の見通しと来週にかけての注目材料
一時110円台まで下落
ドル円 は11日 にかけてドル安 円 高 が加 速 し、一 時
110.99円と2014年10月末以来の水準まで下落した。10
日のイエレンFRB議長の議会証言で3月利上げ期待が
一段と低下したことによるドル売りに加え、原油安等を
受けたリスク回避色の強まりによる円買いという、ドルと
円の両サイドからドル売り円買い圧力が強まったことが
背景にある。そうした中、115円以下のチャート上の節目
に乏しい「真空地帯」に入ったことでドル売りが加速。
110円台まで急落する展開となった(図表1)。ただ、その
後のドル円は戻り歩調。110円台まで下落したことによる
達成感に加え、原油安一巡への期待感がリスク回避色
の後退をもたらし、内外株の上昇とともにドルの買い戻
しが優勢の展開となっている。
(円/米ドル)
122
121.69円
120
120
118
118
116
116
僅か9営業日で10円以上も下落
114
114
112
112
110.99円
110
110
1/1
1/8
1/15
1/22
1/29
2/5
2/12
2016年
(月/日)
出所:BloombergよりSMBC日興証券作成
図表2. 原油価格とドル円相場の推移
(円/ドル)
126
(ドル/バレル)
44
ドル円(左軸)
124
40
122
120
36
118
32
原油価格安定化に向けて一部産油国が合意
116
原油価格に関しては、WTI原油先物価格が11日に
一時26.05ドル/バレルと2003年5月以来の水準まで下落
するなど軟調に推移する中、一部産油国から一段の原
油安阻止に向けて話し合いを求める声も挙がっていた。
114
4
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
(円/米ドル)
28
WTI原油先物価格(右軸)
112
12/1
2015年
12/10 12/21 12/30
1/8
24
1/19
2016年
出所:BloombergよりSMBC日興証券作成
1/28
2/8
2/17
(月/日)
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
原油が下げ止まれば市場リスク回避姿勢も一巡へ
円買いで反応。それだけ相場の地合いが悪いということ
だろうが、それに加えて、米国景気の先行きに対する不
安感、および利上げは3月どころか年末までないとの見
方の強まりもドル安をもたらす要因となった模様である
(図表3、4)。確かに、足元の経済指標を振り返ると、小
売売上高が良好な結果を示す一方で製造業活動は依
然停滞状態と、好悪入り交じりの状況にある。とはいえ、
米国景気の先行きを踏まえると、年末まで利上げできな
いとの見方はさすがに慎重に過ぎよう。米国景気の順
調な拡大が確認されれば、米国景気および米金融政
策に対する過度に慎重な見方の修正と共にドル高円安
への動きが予想され、来週にかけても米国の経済指標
は市場の焦点となることが予想される。
今回の合意は減産ではなく、原油の需給改善ではな
い以上、原油価格が上値を追う展開は期待し難いとこ
ろ。また、イランに関して、何らかの特別待遇が付与され
る可能性が報じられているが、その内容が不明である点
もやや気がかりである。とはいえ、前述したサウジの姿勢
の変化などを踏まえると、原油が下値を試せば一段の
原油安対策に向けた取り組みが期待され、原油価格の
大幅下落に歯止めがかかる可能性が高まったと言えよ
う。短期的には産油国関係者の発言などに振らされる
など不安定な値動きも想定されるものの、原油価格が下
げ止まれば市場心理の悪化も一巡が期待され、不安心
理で押し下げられてきたドル円はドル高方向への水準
修正が見込まれよう(図表2)。
また、26日から2日間に亘り、G20財務相・中央銀行
総裁会議が上海で開催される。為替市場など金融市場
の混乱および実体経済への影響がテーマの一つになる
ことが予想され、荒れ模様の金融市場に対して一定の
警戒姿勢が示される見込みである。それに合わせて、
何らかの政策協調姿勢が示される可能性もあり、会合
に向けた関係者の発言にも注目しておきたい。
政府・日銀の警戒モードもドルを下支えへ
ドル円反発のもう一つの材料が、政府・日銀の円高
阻止に向けた取り組み期待である。11日には日銀のド
ル買い介入の噂が流れたが、翌12日には安倍首相が
黒田日銀総裁や浅川財務官と立て続けに会合を開催
するなど、株安と円高に対して警戒姿勢を強めている様
子が窺える。前週号でも紹介した通り、これまで政府・日
銀は株高と円安という金融市場の動きをフル活用し、企
業収益の押し上げと賃金の上昇によりデフレ脱却と日
本経済の好循環入りに取り組んできた。それだけに、足
元でみられた大幅な株安と円高は当局として許容し難
いと推測され、一段の円高に対しては追加金融緩和策
を筆頭に何らかの政策対応が期待される。
図表3. インフレ連動債利回りとドル円の推移
(%)
0.9
(円/ドル)
ドル円(右軸)
0.8
126
124
122
120
118
116
114
112
110
時間分散でのドル買いは一考の価値
0.7
ドル円相場は依然荒い値動きを続けており、今後改
めて下値を試す可能性も想定されよう。しかし、原油の
下げ止まり期待や政府日銀の政策対応の可能性、およ
び米国景気の良好推移見込みなどを踏まえると、現在
の110円台前半レベルは、時間分散でのドル買いを検
討してよい水準と考えている。
0.6
出所:BloombergよりSMBC日興証券作成
年内利上げなしとの見方の修正がドル高材料に
図表4. FF先物金利(2017年1月限月)とドル円の推移
来週にかけて、米国では2月フィラデルフィア連銀景
況指数や1月耐久財受注の他、1月個人消費、1月住宅
販売件数など住宅関連指標の発表が予定されている。
10 日 の イ エ レ ン FRB 議 長 に よ る 議 会 証 言 や 17 日 の
FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨では、金融市
場の混乱の影響などを見極めるべく、3月会合での利上
げ見送りの可能性が示唆された。市場が荒れ模様の中、
利上げを急がないFRBの政策姿勢は市場心理の改善
をもたらし、不安心理による円買いの巻き戻し、すなわ
ちドル高円安要因になるとみていたが、市場はドル売り
(%)
(円/ドル)
1.1
126
ドル円(右軸)
1.0
124
0.9
122
0.8
120
0.7
118
0.6
116
0.5
114
0.4
FF先物金利(2017年1月限月、左軸)
112
0.3
0.2
110
10/1 10/22 11/12 12/3 12/24 1/14
2/4
2016年 (月/日)
2015年
0.5
0.4
0.3
10/1
10/22
2015年
5
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
インフレ連動10年債利回り
(≒実質期待成長率、左軸)
11/12
12/3
12/24
出所:BloombergよりSMBC日興証券作成
1/14
2/4
2016年 (月/日)
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
4.国内経済動向~1-3月以降の国内経済も調整含みの展開を想定
日本経済・金利担当: 野村 真司
10-12月のGDP1次速報は前期比年率▲1.4%と2四半期ぶりのマイナス成長となった。主因は個人消費の
落ち込みでその他の需要項目も軒並みマイナス。1-3月以降も調整含みの展開が見込まれる。大幅な賃上
げは期待できず、年初来の円高・株安等が個人消費、設備投資等には逆風となろう。今後の金融市場動向、
経済指標次第では、桜の咲くころまでに政府の景気対策への期待が高まる局面が想定される。
 10-12月GDP1次速報:内需主導でマイナス成長
図表1. 需要項目別GDP統計(季調値・前期比)の概要
10-12月の実質GDPは前期比▲0.4%(同年率▲1.4%)
と、2四半期ぶりのマイナス成長で市場予想(同年率▲
0.8%、Bloomberg調査)も下回った。主因は個人消費の
落ち込み(寄与度▲0.5%)。実質所得の伸び悩みが続
く中、暖冬により衣料、灯油の販売量減少等が影響した。
また、パソコン等の家電販売、増税による軽自動車販売
の低迷も足枷要因。その他住宅投資が4四半期ぶりの
マイナスに転じたほか、過年度の補正予算効果が一巡
した公共投資が2四半期連続、輸出も2四半期ぶりのマ
イナスとなった(図表1)。純輸出は2四半期連続のプラ
ス寄与となったものの、内需の低迷を示唆する輸入のマ
イナスが主因。プラスとなったのが設備投資である。前
期比+1.4%と2四半期連続のプラスとなった。マイナンバ
ー対応や金融機関のシステム投資等が押し上げに貢
献した模様である。
国内需要
民間需要
個人消費
住宅投資
設備投資
在庫投資
公的需要
政府消費
公共投資
純輸出
輸出
輸入
名目GDP
GDPデフレーター
国内需要デフレーター
2015年
7-9月
4-6月
10-12月
0.6
1.0
▲0.3
0.3
▲0.4
-
2.5
0.3
0.3
0.6
▲0.4
▲0.0
(▲ 0.2)
0.2
0.3
0.7
(0.3)
3.2
1.1
1.0
0.3
0.2
4.2
1.0
1.5
0.2
2.1
2.8
(0.5)
▲0.4
0.2
▲2.9
(▲0.0)
2.1
1.9
1.9
0.9
▲0.3
▲1.4
▲0.0
▲0.3
▲0.8
2.3
▲1.2
(0.3)
0.9
0.5
3.3
(▲0.3)
▲4.6
▲2.6
▲0.0
0.3
0.0
1.3
0.1
0.2
0.4
1.6
0.7
(▲ 0.2)
▲0.2
0.2
▲2.0
(0.2)
2.6
1.3
0.6
0.3
0.1
▲1.4
▲0.5
▲0.6
▲0.8
▲1.2
1.4
-
▲0.1
0.5
▲2.7
-
▲0.9
▲1.4
▲0.3
0.1
0.0
(▲ 0.5)
(▲ 0.5)
(▲ 0.5)
(▲ 0.0)
(0.2)
(▲ 0.1)
(▲ 0.0)
(0.1)
(▲ 0.1)
(0.1)
(▲ 0.2)
(0.3)
-
実質GDP
(前期比年率)
1-3月
注: カッコ内は寄与度
出所: 内閣府「国民所得統計」よりSMBC日興証券作成
図表2. 実質GDPの需要項目別寄与度の推移
4
(前期比、寄与度、%)
2.7
1-3月以降も調整含みの展開が想定される。プラス要
因として、暖冬の悪影響が剥落することに加え、閏年要
因による個人消費の押し上げ等が挙げられる。しかし、
現時点では景気の下方リスクの方が大きいと言わざるを
得ない。これから大詰めを迎える春闘は経営者側、組合
側双方で大幅ベースアップに慎重で、消費マインド改善
には期待しづらい。むしろ足元の株安が消費マインドの
悪化につながり、富裕層の消費に悪影響を与える可能
性さえある。また、10-12月にプラスを記録した設備投資
も楽観できない。設備投資の先行指標である機械受注
は昨年7-9月に前期比▲10.0%と大幅悪化。また年初来
の円高進行で企業収益が下振れする懸念が強まると共
に、金融市場の混乱や海外経済の減速が続けば、企業
の投資マインドが慎重になるのは必至である。市場では
日銀への追加緩和期待が継続すると共に、金融市場の
動向、3月1日発表の10-12月法人企業統計の結果次第
では、7月の参院選を控え、早晩景気対策含みの来年
度補正予算への期待が高まる局面も想定されよう。
2
1.4
1.1
1.2
1.5
0.2 0.9
1.0 0.7
0.6
0.5
1.0
0.3
0
-0.1
-0.5
-0.1
-0.4 -0.5
-0.6
-2
-0.6
-0.3
-0.4
-2.0
住宅投資
民間在庫品増加
設備投資
実質GDP
-4
-6
公的需要
外需
個人消費
-2.0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年/四半期)
出所: 内閣府「国民所得統計」よりSMBC日興証券作成
図表3. 機械受注の推移
(億円)
16,000
(季節調整値・月次ベース)
14,000
外需
12,000
民需(除く船舶・電力)
10,000
8,000
非製造業(除く船舶・電力)
6,000
4,000
 12月機械受注:1-3月見通しは未達の可能性
2,000
製造業
*マーカー入りの太線は3ヵ月移動平均。
12月の機械受注統計によれば、民間設備投資の先
行指標である船舶・電力を除く民需は、前月比+4.2%と
2ヵ月ぶりの増加。11月に同▲14.4%と大幅減少した反
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
出所: 内閣府「機械受注統計」よりSMBC日興証券作成
6
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
(単位:%)
2014年
10-12月
2015
(年)
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
動増が主因と言える。業種別にみると、製造業が同▲
3.4%と2ヵ月連続の減少。化学工業、その他製造業等
からの受注が低調だった。一方、非製造業(船舶・電力
を除く)は同+8.5%と大幅に増加し、金融業・保険業、通
信業等からの受注が堅調。また、四半期ベース(10-12
月)では前期比+4.3%と2四半期ぶりの増加で、内閣府
見通し(同+2.9%)も上回った。業種別では非製造業が
牽引役。製造業が7-9月に同▲15.3%と大幅な落ち込
みにもかかわらず、10-12月は同+0.5%と小幅増加にと
どまったものの、非製造業は運輸業・郵便業からの鉄道
車両や、通信業からの通信機、コンピューター等の受注
が好調で、同+6.9%となった。
同時に発表された内閣府の1-3月見通し(調査時点:
昨年12月下旬)は同+8.6%と2四半期連続のプラス、か
つ実現すれば比較できる2005年7-9月以降で最高の伸
び率となる見通し。前月比では+5.6%以上の伸びが必
要となる。しかし、2つの観点から見通しは未達の可能
性が高い。1つは達成率の上方バイアス。見通しは企業
の見込み額を集計し、過去3四半期の達成率を基に算
出する。製造業は昨年4-6月の達成率が記録的な高さ
だった影響も含まれており、製造業の見通し(同+12.0%)
には上方バイアスがかかっている。もう1つは調査時期。
調査は昨年12月下旬に実施されており、当然ながら中
国不安・原油安に起因する年初来の金融市場の混乱
を反映していない。投資マインドは調査時点よりも確実
に悪化していよう。従って1-3月見通しは未達となり、受
注動向は足踏みが続く公算が大きい。
 1月貿易収支:底入れが期待される輸出数量
1月の貿易収支は▲6,459億円(原数値)となり、2ヵ月
ぶりの赤字。輸出入金額共に前年同月比2ケタのマイナ
スで、輸出金額の減少幅が前月から拡大(同▲8.0→▲
12.9%)したこともあり赤字に転じた。輸出金額は米国・
EU向けの自動車関連が堅調だったものの、中華圏の
春節要因もあり鉄鋼、有機化合物等が大幅減少し、前
年同月比▲12.9%と4ヵ月連続のマイナス(2ケタのマイ
ナスは2012年9月以来)。今年の春節は昨年よりも11日
早い2月8日からスタートした。財務省によれば、春節が
始まる約2週間前から輸出が減少する傾向がある。また、
輸入金額も同▲18.0%と13ヵ月連続のマイナスで、2ケタ
減は5ヵ月連続となった。引き続き原油安を背景にエネ
ルギー関連(原油、液化天然ガス等)が下押し要因とな
っている。なお、季節調整値でみた貿易収支は+1,194
億円と3ヵ月連続の黒字を記録した(図表4)。
輸出数量は前年同月比で▲9.1%と7ヵ月連続の減少。
一方、前月比(季節調整値)では+4.2%と2ヵ月ぶりの増
加となった(図表5)。地域別では米国向け、アジア向け
7
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
で増加している。今後の輸出数量のトレンドを占う上で
カギを握るのは引き続き海外経済の動きだ。米国経済
は、FRB(連邦準備制度理事会)が9年半ぶりの利上げ
に踏み切ったとはいえ、依然として緩和的な金融環境
にある。改善傾向にある住宅市場と労働市場に支えら
れ、内需主導で2016年を通じて2%台の成長を維持す
る可能性が高い。欧州経済は、ECB(欧州中央銀行)に
よる量的緩和実施、及び追加緩和期待に伴う金利低
下・原油安等が下支え役となり、加速感は乏しいながら
も緩やかな回復が期待される。焦点はやはり中国経済
の動向であろう。引き続き設備投資主導から個人消費
主導へと経済のリバランスが続く中、政策当局が景気下
支えに取り組み、概ね安定した景気パスが期待されるも
のの、当面は製造業部門を中心に減速感の強い状態
が続く公算が大きい。因みに春節期間の小売売上高は
前年比2ケタの伸びを維持し、映画、国内旅行等のレジ
ャー関連消費が活況と伝えられている。以上から、今後
の輸出数量は中国向けに過大な期待はできないものの、
欧米向けを下支えに輸出数量全体でも底入れが期待
されよう。
図表4. 輸出入金額の伸び率と貿易収支の推移
(億円)
12500
貿易収支
10000
(季節調整値、左軸)
7500
5000
2500
0
-2500
-5000
-7500
-10000
-12500
輸出(右軸)
-15000
-17500
-20000
2010
2011
2012
2013
2014
(前年比、%)
70
60
50
輸入(右軸)
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
-50
-60
-70
-80
-90
-100
-110
2015
(年)
出所: 財務省「貿易統計」よりSMBC日興証券作成
図表5. 輸出数量指数(地域別)の推移
(2010年=100、季節調整値)
120
米国
110
全
全体
100
90
米
アジア
80
EU
70
60
2010
2011
2012
2013
2014
2015
出所: 内閣府「輸出入数量指数」よりSMBC日興証券作成
2016 (年)
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
5.新興国市場・経済動向
新興国担当: 山本 正樹 / 白岩 千幸 / 武田 泰典 / 前田 佑太
新興国株式市場は、欧州金融機関の信用不安や原油安等を背景に先週後半まで下落したものの、信用不
安の和らぎや原油価格の反発等を受け、先週末からは概ね買い戻しの動きとなっている。新興国通貨も同様
の展開となり、特に資源国通貨が大きく値を戻した。原油の下値不安後退に加え、これから3月にかけて政策
面の後押しが重なることで徐々に新興国市場は安定化していくとみている。目先はG20会議が注目されよう。
 最近の新興国市場の動向
新興国株式市場は、欧州金融機関の信用不安や原
油安等を背景に先週後半まで下落したものの、ドイツ銀
行の社債買い戻し(12日)や原油価格の反発等を受け、
先週末の欧米市場からは概ね買い戻しの動きとなって
いる。直近1週間の株価騰落率(図表1、17日時点)では、
商品市況の反発を背景に南アフリカ株(+3.7%)やロシ
ア株(+2.3%)など資源国株式が相対的に高い上昇率と
なった。また、中国・上海株(+3.8%)も高い。上海総合
指数は、春節休暇明けの15日は下落したものの、16日
は1月の新規銀行融資等が市場予想を大幅に上回った
ことが好感され前日比+3.3%と急伸、17日も続伸した。
一方、新興国通貨も概ね株式と同様の展開となった
が、直近1週間の騰落率(図表1、17日時点、対円)はま
ちまちとなった。ロシアルーブル(+5.4%)、メキシコペソ
(+3.9%)、南アフリカランド(+3.4%)など資源国通貨は
大幅に上昇。メキシコペソは、緊急利上げや為替介入
の強化(17日)も支援材料となった。一方、ブラジルでは、
政府の財政再建策に対する懐疑的な見方が強まり、通
貨レアル(▲0.8%)の重石となった。また、トルコリラ(▲
0.4%)は、シリアのクルド勢力に対する砲撃(後述)や首
都アンカラでのテロ(17日)等が悪材料となった。なお、
足元ではアジア時間のリスクオフの流れが欧州時間に
入って大きく反転するケースが続いたこともあり、アジア
通貨の騰落率はマイナスとなったところが多い。(前田)
図表1. 主な新興国市場の動向
直近値
騰 落 率 (% )
2月 17日
2016年 初 来 2015年 年 間 過 去 1週 間 過 去 30日 間 過 去 90日 間 過 去 1年 間
株価指数
中国
インド
韓 国
インドネシア
タイ
マレーシア
フィリピン
ロシア
トルコ
南アフリカ
ブラジル
メキシコ
為替
上海総合指数
香港ハンセン指数
SENSEX30種指数
韓国総合指数
ジャカルタ総合指数
SET指数
FBM KLCI総合指数
フィリピン総合指数
MICEX指数
イスタンブール100種指数
JSE全株指数
ボベスパ指数
ボルサ指数
2,867.33
18,924.57
23,381.87
1,883.94
4,765.50
1,288.47
1,664.32
6,756.82
1,770.31
72,805.12
50,039.31
41,630.82
43,585.23
▲19.0
▲13.6
▲10.5
▲3.9
3.8
0.0
▲1.7
▲2.8
0.5
1.5
▲1.3
▲4.0
1.4
9.4
▲7.2
▲5.0
2.4
▲12.1
▲14.0
▲3.9
▲3.9
26.1
▲16.3
1.9
▲13.3
▲0.4
3.8
▲1.9
▲1.6
▲1.8
0.7
▲1.2
1.2
1.8
2.3
1.7
3.7
3.1
2.5
▲1.6
▲1.6
▲3.3
0.3
6.3
3.5
2.6
6.7
9.1
2.5
6.7
9.7
7.3
▲20.7
▲15.9
▲9.5
▲5.3
5.5
▲7.0
0.3
▲1.0
▲2.3
▲9.5
▲4.0
▲13.5
▲2.3
▲11.7
▲23.6
▲19.7
▲4.0
▲10.7
▲18.8
▲8.1
▲13.3
▲1.3
▲13.8
▲5.3
▲17.8
0.8
▲5.4
▲8.3
▲8.8
▲3.1
▲4.0
▲3.6
▲6.8
▲7.8
▲6.3
▲5.1
▲5.7
▲11.1
▲4.0
▲4.2
▲6.6
▲9.7
▲8.3
▲18.0
▲4.0
▲20.1
▲19.7
▲24.9
▲32.6
▲13.8
0.2
▲0.2
▲2.3
0.4
▲0.2
▲3.1
▲1.2
5.4
▲0.4
3.4
▲0.8
3.9
▲1.8
▲3.9
▲3.8
0.1
▲0.8
1.1
▲2.8
2.7
▲0.1
6.1
▲1.1
▲3.5
▲9.0
▲10.3
▲12.4
▲5.3
▲6.6
▲4.8
▲8.6
▲20.2
▲10.6
▲15.8
▲13.4
▲15.9
▲8.1
▲13.2
▲13.4
▲9.5
▲12.4
▲18.4
▲10.8
▲20.4
▲20.7
▲27.8
▲32.0
▲22.3
※プラスは外貨高・円安、マイナスは外貨安・円高
中 国
インド
韓 国
インドネシア
タイ
マレーシア
フィリピン
ロシア
トルコ
南アフリカ
ブラジル
メキシコ
円/人民元
円/インドルピー
円/韓国ウォン(x100)
円/ルピア(x100)
円/バーツ
円/リンギ
円/フィリピンペソ
円/ルーブル
円/トルコリラ
円/ランド
円/レアル
円/メキシコペソ
17.51
1.66
9.31
0.84
3.20
27.00
2.39
1.51
38.58
7.37
28.62
6.21
注: 「直近値」については、当該日付が休場となっている場合は、その前営業日の値を掲載
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
8
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
 新興国市場関連トピック
中国~1月の人民元建て新規銀行融資は急拡大
インドネシア~64業種で外資出資上限を引き上げ
14日に発表された春節休暇期間(2/7~13)の小売売
上高は前年比+11.2%(12月の小売売上高+11.1%)と概
ね堅調な結果となった。一方、16日に発表された1月の
人民元建て新規銀行融資は前年比+70.7%の2.51兆元
と市場予想(Bloomberg)の1.9兆元を大幅に上回り、過
去最高となった。人民元の先安観測を背景に外貨建て
債務を返済し、資金調達を国内に切り替える動きが拡
大したとみられる。また、マネーサプライ(M2)も前年比
+14.0%と市場予想の+13.5%を上回った。1月は金融当
局によるドル売り人民元買い介入により国内の流動性
低下が懸念されたが、金融当局による資金供給により
流動性は潤沢になったといえよう。もっとも、1月のような
緩和的なスタンスが今後も持続する可能性は低いとみ
ている。(白岩)
インドネシア政府は11日、約2年ぶりとなるネガティブ
リスト(投資規制業種リスト)の改正を発表。観光、通信、
電子商取引等の分野を中心に計64業種で外資の出資
上限を引き上げた。
政府は昨年9月以降、経済政策パッケージを相次い
で発表しており、外資の誘致を通じて経済の活性化を
図る姿勢が鮮明となっている。ジョコ大統領は今回のネ
ガティブリスト改正を「ビッグ・バン」と称しており、また産
業界やアジア開発銀行(ADB)等、各方面からも高く評
価 す る 声 が 上 が っ てい る 。 イ ン ド ネ シ ア 投 資 調 整 庁
(BKPM)によると、2015年のインドネシアに対する海外
直 接 投 資 ( FDI 、石 油 ガ ス ・ 金 融 等 を除 く ) は前 年 比
+19.2%の365.9兆ドルと2014年の+13.5%を上回る高い
伸びとなっている。政府の積極的な取り組みを背景にイ
ンドネシアに対するFDIは引き続き高い伸びが続くと期
待される。(山本)
中国~人民元対ドルレートは05年7月以来の上昇率
春節休暇明け15日の人民元の対ドルレートは休暇前
の5日に比べ+1.20%となり、固定相場制が廃止された
図表3. 対インドネシア海外直接投資(FDI)
2005年7月21日の+2.05%以来、最大の上昇率となった。
(兆ルピア)
400
上 昇 の 一 因 と して、本 土 市 場 が 春 節 で 休 場 した 2月
350
8~12日の週に香港市場の人民元対ドルレートが0.90%
300
上昇したことが挙げられる。また、13日発行の雑誌「財
250
新週刊」のインタビューで、人民銀行の周総裁が「人民
200
元安が継続する理由はない」と述べたことや、人民銀行
150
100
が設定する15日の基準値が春節休場前(5日)に比べ
50
0.30%引き上げられ、金融当局が人民元安を容認しな
0
いとの認識が広まったことも、人民元買い材料となった。
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年)
ただし、中国の経済成長率は鈍化し、輸出も減少傾
向が続いていることから、政府は再び人民元安を容認
するとみられる。(白岩)
注: 石油ガス、金融等を除く
出所:インドネシア投資調整庁(BKPM)よりSMBC日興証券作成
図表2. 人民元の対ドルレートの推移
インドネシア~経常赤字は4期連続で前年比縮小
(元/ドル、逆軸)
12日に発表された10-12月経常収支は▲51.15億ドル
(GDP比▲2.4%)と、前年同期の▲59.53億ドル(同▲
2.7%)から赤字が縮小した。前年比での赤字縮小は4四
半期連続。うち貿易収支については、輸出入ともに大
幅な減少傾向となっているが、輸入の減少がより小さく、
黒字は3四半期ぶりに前年比で縮小した。引き続き原油
安が貿易収支の改善要因となる一方、インフラ投資等
の内需拡大は貿易収支の悪化要因となりつつある。
6.0
人民銀行が設定する基準値
6.1
6.2
6.3
6.4
本土の
市場レート
6.5
人
民
元
安
6.6
香港の市場レート
年明け以降も景気の緩やかな回復傾向が続いている
とみられ、経常赤字の縮小傾向には歯止めがかかって
こよう。もっとも、景気に過熱感は乏しく、経常赤字が健
全性の目安となるGDP比3%を上回る水準まで急拡大
する可能性は低いとみている。経常収支の動向を背景
6.7
6.8
15/6
15/7
15/8
15/9
15/10
15/11
15/12
16/1
16/2 (年/月)
注: 人民元対ドルレートは人民銀行が毎日設定する基準値に対し±2%
以内に変動が制限される
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
9
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
に通貨安圧力が徐々に高まる可能性はあろうが、景気
回復に伴う海外からの直接投資の増加等が通貨のサポ
ート要因となり、通貨ルピアは引き続き底堅く推移しよう。
(山本)
図表5. インドの消費者物価指数
14
(前年比、%)
総合
被服
燃料
12
食品・飲料
住居
その他
10
図表4. インドネシアの経常収支
(%)
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
-1.0
-2.0
-3.0
-4.0
-5.0
6
4
2
0
14/1
2011年
2012年
2013年
2014年
14/4
14/7
14/10
15/1
15/4
15/7
15/10 16/1
(年/月)
出所: CEIC、インド中央統計局よりSMBC日興証券作成
1-3月
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
4-6月
7-9月
10-12月
12,500
10,000
7,500
5,000
2,500
0
▲ 2,500
▲ 5,000
▲ 7,500
▲ 10,000
▲ 12,500
8
貿易収支(左軸)
サービス収支(左軸)
第一次所得収支(左軸)
第二次所得収支(左軸)
経常収支(左軸)
経常収支GDP比(右軸)
(百万ドル)
インド~12月鉱工業生産は2ヵ月連続で前年比減
2015年
12日に発表された12月鉱工業生産は前年比▲1.3%
と市場予想の▲0.2%を下回り、11月の▲3.4%に続いて
2ヵ月連続のマイナスとなった。10-12月の累計では前年
比+1.5%と、7-9月の+4.8%から大幅に鈍化した。同様に
10-12月累計で財別の内訳をみると、好調な自動車販
売等を背景に耐久消費財は+23.4%と7-9月の+11.9%を
大 幅 に 上 回 っ た が 、 資 本 財 は ▲ 10.0% と 7-9 月 の
+13.4%からマイナスに転じ、強弱まちまちとなっている。
出所: CEIC、インドネシア銀行よりSMBC日興証券作成
インド~1月の消費者物価指数は予想を上回る
12日に発表された1月の消費者物価指数(CPI)は一
部食品価格の上振れ等を背景に前年比+5.69%と、市
場予想の+5.40%および12月の+5.61%を上回った。CPI
前年比は7月の+3.69%をボトムに6ヵ月連続で上昇して
いるが、これは前年同月の水準が低かったことにより押
し上げられている面が強く、概ね想定内の動きといえよ
う。1月の前月比は+0.16%と12月の▲0.39%に続き、落
ち着いた動きとなっており、インフレの基調は引き続き抑
制されているとみられる。なお、インド準備銀行は2015
年3月から政府との合意に基づくインフレターゲット制を
開始し、その最初のターゲットをCPI前年比+6%未 満
(2016年1月時点)に設定していた。最初のターゲットは
達成されたことになるが、次のターゲットとして、2016年
度(4月~)以降は+4%±2%に設定されている。
なお、先行きについては、予定される公務員の賃上
げ動向等 (注) によりある程度左右されるとみられ、2月末
に明らかとなる予算案が注目される。賃上げ動向次第
では、インフレの上振れリスクもみておく必要があろうが、
政府は財政規律の観点から大幅な賃上げは回避する
可能性が高いとみている。(山本)
注:政府の諮問機関である第 7 次中央給与委員会は昨年 11
月 19 日、2016 年以 降 の公 務員 給 与の大 幅な引 き上げ
(+23.55%)を勧告した。公務員給与のうち基本給は、概ね 10
年に 1 度この勧告に基づき改定される。なお、前回 2008 年の
改定では 35%の引き上げ勧告に対して実際は 21%引き上げ
られた。
一方、月初に発表された1月の日経製造業PMI(購
買担当者景気指数)は51.1と6ヵ月ぶりに上昇。内訳で
は、新規受注や生産等の主要なサブ・インデックスが大
幅な上昇となっている。製造業PMIは2015年7月の52.7
を直近ピークに低下し、12月は49.1と景況感の分岐点と
なる50を下回っていたが、2016年1月は底打ちの動きと
なった。なお、足元の生産減速は11月から12月にかけ
て南部の主要都市チェンナイ等で発生した大規模な洪
水の影響も受けていると考えられる。洪水の影響剥落も
相まって、先行き生産は徐々に持ち直すとみられる。
(山本)
図表6. インドの鉱工業生産、日経製造業PMI
(前年比、%)
60
58
8
鉱工業生産(右軸)
56
6
54
4
52
2
50
0
48
-2
46
-4
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
(年/月)
出所: Markit、CEIC、インド中央統計局よりSMBC日興証券作成
10
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
10
日経製造業PMI(左軸)
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
トルコ~軍がシリアのクルド勢力を攻撃
 来週にかけてのスケジュールと見通し
トルコ軍は13日、シリア北部アザズ周辺のクルド人組
織PYD(民主連合党)の拠点に対する砲撃を開始した。
クルド人はシリア、イラク、トルコに居住し、トルコ国内で
は分離独立や自治権拡大を目指しており、トルコ政府と
対立関係にある。トルコはPYDを「テロ組織」として敵視
する一方、米国はIS(イスラム国)掃討に向けた重要な
戦力としてPYDを支援しており、米国との間で足並みの
乱れが顕在化している。
足元の金融市場は引き続き原油価格の動向に一喜
一憂する展開となっている。サウジアラビアなど4ヵ国に
よる産油量据え置きの合意(16日)については、当初期
待外れとの市場の反応もみられたが、17日にはイランが
理解を示したことなどから期待感も浮上している。足元
の動きによって、原油価格が大きく押し上げられるとみ
るのは楽観に過ぎようが、少なくとも下値不安の後退に
つながることは考えられる。先週の当欄でも述べたように、
何か一つのイベントをきっかけに一挙に市場の流れが
大きく変わる展開までは期待しにくいが、これから3月に
かけて政策面の後押しが重なることで徐々に新興国市
場も安定化していくとみている。その意味でG20(主要
20ヵ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議(2月26~27
日)、中国の国会に相当する全国人民代表大会(3月5
日開幕)をはじめ、3月中旬に立て続けに開催される日
米欧の金融政策会合が注目される。
ダウトオール首相は、PYDが再びアザズに近づけば、
「トルコは厳しい対応で臨む」と主張。政府高官は、シリ
アに地上部隊を派遣する準備があると述べた。トルコが
シリアに地上部隊を派遣すれば、シリアのアサド政権と
の衝突も不可避とみられ、シリア国境付近の緊張が一
段と高まることも想定される。昨年11月に発生したトルコ
軍によるロシア軍機撃墜の後、トルコとロシアの関係は
悪化しているが、ロシアはシリア・アサド政権の後ろ盾で
もあることから、一段の関係悪化も懸念される。
なお、世界同時的な市場の変動が鎮静化するにつ
れ、足元では軽視されがちな各新興国の個別の材料に
も徐々に市場の目が向くとみられ、来週にかけては以下
のようなイベントにも注目したい。
シリア情勢をめぐっては、トルコ、米国、ロシアなどの
思惑が複雑に絡み合っており、混乱が長期化する可能
性は高いとみられる。また、17日には首都アンカラで少
なくとも28人が死亡する大規模なテロが発生するなど、
国内の治安への脅威も高まっている。このような国内外
の緊張の高まりがトルコリラの重石となる局面は当面継
続するとみられ、注意を要しよう。(前田)
中国では、前述の通り、26~27日に上海でG20財務
相・中央銀行総裁会議が開催される。この会議で何ら
かの国際協調が打ち出されれば、人民元やグローバル
な金融市場の安定化につながることが期待されよう。
インドでは、目先は主だった経済指標の発表は予定
されていないが、来週は「予算国会」が始まり、29日には
2016年度(4月~)の政府予算案が発表される予定。予
算案は政府の経済政策を見極める上で市場の注目度
も高くなっている。その内容次第では、足元で調整色が
強まっている株価が浮揚するきっかけになる可能性があ
ろう。加えて、予算国会では、物品サービス税(GST)関
連法案の行方も焦点。複雑な間接税体系の簡素化を
図るGST導入は大きな経済効果が期待されるが、上院
で多数を占める野党の反対で先送りが続いている。しか
し、足元では与野党歩み寄りの動きがみられ、当初目
指した2016年4月からのGST導入こそ難しいものの、関
連法案成立の可能性は高まったとみている。GST導入
に道が開ければ、2014年のモディ政権発足以来で最大
の成果として、市場でもポジティブに受け止められよう。
ブラジル~S&Pが長期債務格付けを「BB*」に引き下げ
格付け大手S&Pは17日、ブラジルの外貨建て長期債
務格付けを投資不適格級の中で一番高い「BB+*」から
「BB*」に1段階引き下げた(自国通貨建て長期債務格
付けは「BBB-*」から「BB*」に2段階引き下げ)。また、
見通しを「ネガティブ*」で据え置いた。格下げの理由と
して、財政再建の遅れや景気の悪化等を挙げている。
17日のレアル対ドル相場は、原油等の商品市況上昇
を背景に他の新興国通貨とともに上昇し、S&Pによる格
下げを受けて上げ幅を縮小する場面もあったものの、前
日比+1.9%の1ドル=3.99レアルで終了した。(武田)
注:(*)日本では無登録の格付け機関による格付け及び見通し
トルコでは、23日に金融政策委員会が予定されてい
る。中銀は従来から米利上げに追随して政策変更を行
う方針を示していたものの、昨年12月に米国で利上げ
が決定されて以降も、2会合連続で政策変更を見送っ
ている。バシュチュ総裁は当面、様子見スタンスを維持
11
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
する可能性を示唆しており、中銀は今会合でもすべて
の政策金利を据え置く可能性が高いと予想している。も
っとも、中銀の利上げに対する消極姿勢は織り込み済
みとみられ、再び利上げを見送ったとしても市場の反応
は限定的となろう。
南アフリカでは、24日に2016年度(16年4月~17年3月)
予算案の国会提出およびゴーダン財務相の演説が予
定されている。これに先立ってズマ大統領は11日、施政
方針演説で投機的等級への信用格付け引き下げを回
避すべく、一段の歳出削減を行う方針を示した。また、
中期的な目標として、立法の首都機能(現在はケープタ
ウン)と行政の首都機能をプレトリアに統合する案を検
討するよう議会に要請したと明かした。もっとも、短期的
な歳出削減策としては、不要不急の海外出張削減や国
際会議等における使節団の規模縮小など小粒なものに
とどまっている。また、大統領は低成長が続く経済のテ
コ入れについて重要性を繰り返し強調したものの、改革
案は具体性や新味に乏しく、やや市場の失望を買って
いる模様。予算案提出に際して、ゴーダン財務相からは
追加の財政再建案や経済改革案の発表があるとみられ
るが、その内容によって通貨ランド等が上下に振れる展
開も想定されよう。
ブラジルでは、来週にかけては国内のイベントが少な
く、商品市況など海外の動向に左右されやすい展開と
なろう。国会では、中銀の独立性を確保するための法案
採決が来週にかけて予定されているが、より注目度の高
い財 政 関 連 については特 に進 展 はないとみられる。
21~28日はバルボザ財務相がG20会議等で外遊中のた
め、今年度予算の歳出凍結や基礎的財政収支目標の
変更、年金制度改革案、小切手税再導入など重要政
策の発表は帰国後の3月上旬頃になるとみられる。
(山本、白岩、武田、前田)
12
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Weekly Outlook No.242
6.日本株式~2月13日はNISAの日
日本株担当: 母良田 剛
NISAは2014年の導入以来、今年で3年目を迎える。今年1月からは上限が120万円に増額されたほか、4
月からはジュニアNISAも開始となる。NISAはその性格上、「長期投資」に向いているといわれ、結果として
高配当利回り株や投資信託などが人気となっている。日銀のマイナス金利の導入によってますます高配当
利回り株やJ-REITなどへの関心が高まる可能性があろう。
 2月13日は、「に・い・さ」(ニーサ)の日
図表1. NISA口座: 世代別総買付額の推移
2月13日はNISA(ニーサ)の日である。この少額投資
非課税制度は2014年1月に導入され、昨年9月末時点
で口座数は約957万、買付総額は約5兆8665億円にま
で増加している。今年1月からは上限が従来の年100万
円から120万円に増額され、4月からは未成年者向けの
ジュニアNISAも開始予定となっている(上限は年80万
円)。NISAはその性格上、「長期投資」に向いていると
いわれ、結果として高配当利回り株や投資信託などが
人気のようである。日銀がマイナス金利の導入を決定し
たことに伴って、預貯金の利回り低下やMMFの受付停
止など、運用難は表面化しつつあるだけに高配当利回
り銘柄やJ-REIT、および関連する投資信託の人気がさ
らに高まっても不思議ではない市場環境になってきてい
る。足元の株価下落によって、TOPIXの予想平均利回
りは、2012年12月以来の高水準にまで上昇している(図
表2)ことからも注目を浴びやすい状況にある。
(億円)
20,000
 内需系高配当利回り銘柄に注目
2.2
20歳代
40歳代
60歳代
80歳以上
18,000
16,000
14,000
30歳代
50歳代
70歳代
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
14年3月末
14年6月末
14年12月末
15年3月末
15年6月末
15年9月末
出所: 金融庁HPよりSMBC日興証券作成
図表2. TOPIX予想配当利回りの推移 (週次6年)
(%)
3.0
2.8
2.6
2.4
また、海外においては中国の景気懸念や原油安だけ
でなく、欧州の金融機関の信用不安もくすぶっており、
結果として安全資産への逃避の流れから円が買われて
いる。そこで海外要因が業績に与える影響が相対的に
小さい内需系の高配当利回り銘柄を今回は紹介したい。
図表3は、TOPIX500 採用銘柄(変則決算は除く)のう
ち、(1)今期予想配当利回り(年率換算)が2.0%以上
(配当予想に上限と下限がある場合、下限で算出)、(2)
今期予想経常利益が増益、(3)今期予想1株当たり配
当金が増配、(4)直近本決算での海外売上高比率が
30%以下、との条件を満たす銘柄の時価総額上位 10
社を証券コード順に並べたもの(予想は日経予想でスク
リーニングに用いたデータは2月17日時点)。ここに挙げ
た銘柄は、国内事業を中心に業績面での安定感があり、
増配予想であること、流動性も考慮されていること、そし
て配当利回り水準が相対的に高いことから、株式市場
での評価が高まり易い銘柄と位置付けることができよう。
今後の投資の参考にされたい。
2.0
1.8
1.6
1.4
10/2 10/8 11/2 11/8 12/2 12/8 13/2 13/8 14/2 14/8 15/2 15/8 16/2
(年/月)
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
図表3. 主な内需系高配当利回り銘柄
株式
コード
銘柄略称
予想
決算期
予想
予想 予想配当 2月17日
増益率
経常利益
1株配当 利回り
終値
(%)
(百万円)
(円)
(%)
(円)
1925 大和ハウス
2016/03
228,000
12.5
80
2.71
2,953.5
1928 積水ハウス
2016/01
167,000
6.8
54
3.10
1,742.5
8591 オリックス
2016/03
350,000
1.7
45
3.24
1,388.5
8604 野村HD
2016/03
350,000
0.9
21
4.20
500.0
8630 損保JPNK
2016/03
230,000
10.4
80
2.72
2,946.0
9021 JR西日本
2016/03
153,000
25.4
135
2.08
6,493.0
9432 NTT
2016/03
1,220,000
14.4
110
2.26
4,871.0
2016/03
820,000
9.0
65
2.17
3,001.0
9437 NTTドコモ
2016/03
703,000
9.2
70
2.65
2,641.0
9531 東ガス
2016/03
181,000
7.6
11
2.07
532.5
9433 KDDI
※
注: KDDIは16/3期から会計基準を変更。前期実績経常利益7,524億円
から今期は増益とみなしている
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
13
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2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
7.訪日外国人~1月として過去最高の185万人
日本株担当: 母良田 剛
1月の訪日外客数は過去最高の185万人となり、単月では昨年7月に次いで過去2番目の高水準となった。
インバウンド消費については客単価の伸びの鈍化が一部で懸念されているが、消費額全体のパイは拡大し
続けると考えている。こうした環境下、ホテルの需給はひっ迫が続いており、結果として単価も上昇している
模様である。インバウンド関連の中でも利益率改善が見込まれるホテル株に注目したい。
 1月は185万人となり過去最高
図表2. 宿泊者数に占める外国人の割合
2月16日発表の1月の訪日外客数は185万1800人(前
年同月比+52.0%)となり、1月としての過去最高を更新し
た。また、単月では昨年7月(約191万8000人)に次いで
過去2番目の高水準となった。主要20市場では、ロシア
を除く19市場が1月の過去最高を更新した。国・地域別
では韓国が1位、中国が2位となった。アジア地域での
学校休暇による訪日旅行者数の増加と、欧米豪地域に
おける航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がり
を受けた訪日需要の拡大などが好調の主な要因である。
また2月もアジア地域において旧正月の休暇時期を迎
えることから、高い伸びが期待できよう。
18%
16%
14%
12%
10%
8%
6%
14/1
14/4
14/7
14/10
しばしば報道されているようにホテル不足が問題とな
ってきている。図表2で示すように、日本の宿泊客に占
める外国人の割合は着実に上昇しており、現在(2015
年12月時点)では15%前後になっている。日本人の宿
泊者数はほぼ横ばいで推移しており、ホテル需給はひ
っ迫する方向にある。これに伴い、「ホテル単価の上昇
⇒好業績」という図式が直近のホテル関連企業の決算
からもうかがえる。民泊の解禁は、ホテル業界にとっては
リスク要因であるものの、(1)市場全体が拡大している、
(2)民泊の規制緩和のスピードは今のところ緩やか、(3)
日本流「おもてなし」を宿泊に求める外国人は少なくな
い、(4)通常、ビジネス客は民泊を利用しない、などを考
えれば、ホテル業界の繁忙は当面、続きそうだ。
図表1. 訪日外国人数の伸び (前年同月比)
(%)
70
50
40
30
20
コード
銘柄名
3258 ユニゾHD
3287 星野リゾート・R
株価
(2/16時点)
0
14/10
15/1
15/4
15/10 (年/月)
15/7
15/10
16/1
(年/月)
「ホテルユニゾ」名でビジネスホテルを
大都市圏にチェーン展開
1,266,000.0
「星のや」、「界」、「チサンイン」などへ
の投資を行うJ-REIT
6097 日本ビューホテル
1,439.0
浅草、成田、伊良湖などで「ビューホ
テル」ブランドのホテルを運営
8179 ロイヤルHD
2,100.0
「リッチモンドホテル」などのホテル事
業は、利益の面では外食に次ぐ柱
8985 ジャパン・ホテル・R
「オリエンタルホテル東京ベイ」、「ホテ
89,900.0 ル日航アリビラ」などに投資するJREIT
692.0
14年9月に「サンルート」を買収。横浜
ベイシェラトンなども運営
9010 富士急行
1,207.0
富士山周辺エリアで鉄道、遊園地、ホ
テルなどを手掛ける
9024 西武HD
2,263.0
国内最大級のホテルチェーン「プリン
スホテル」などを運営
9616 共立メンテナンス
8,020.0
独立系の寮運営会社だが、「ドーミー
イン」などホテル比重が増加中
9708 帝国ホテル
2,270.0
高級ホテルの代表格。大阪や上高地
でもホテル展開
9713 ロイヤルホテル
236.0
大阪・中之島の「リーガロイヤルホテ
ル」が主力。京都や東京などにも展開
9722 藤田観光
521.0
「ワシントンホテル」、「椿山荘」、「箱
根小涌園」などを経営
9723 京都ホテル
746.0
「京都ホテルオークラ」と「からすま京
都ホテル」の2拠点
9003 相鉄HD
出所: Bloomberg、東洋経済、各企業HPよりSMBC日興証券作成
出所: 日本政府観光局〈JNTO〉よりSMBC日興証券作成
14
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
事業内容
3,690.0
10
14/7
15/7
出所: 観光庁「宿泊旅行統計調査」よりSMBC日興証券作成
60
14/4
15/4
図表3. 主なホテル関連銘柄
 ホテル不足は当面続く見込み
14/1
15/1
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
8.マイナス金利導入が日本株に与える影響
日本株担当: 石田 卓也
マイナス金利導入の影響として、ECBがマイナス金利を導入した際の欧州株式市場は乱高下したあとに上
昇が始まったこともあり、日本株市場においても、しばらくの乱高下は想定される。そのような相場展開の中
でも内需・ディフェンシブ銘柄は有望視されると考えられ、物色対象として意識されやすく注目度は高まろう。
また、金利低下から配当利回りに着目した投資も有効であろう。
 マイナス金利導入開始
図表1. 欧州株におけるマイナス金利導入後のパフォーマンス
1月29日に日銀がマイナス金利導入を決定して以降、
未曽有の体験による混乱や国内景気減速懸念、さらに
海外発のリスク要因により日本株は下落した。2月16日
に実際にマイナス金利の運用がはじまったが、実体経
済への影響は全体ではプラスになるとみられており、今
後の株式市場への波及に期待したい。
情報技術
ヘルスケア
通信サービス
生活必需品
一般消費財
公益
金融
 内需・ディフェンシブ銘柄には恩恵
資本財
前例となるECB(欧州中央銀行)がマイナス金利を導
入した際は、欧州株式市場は乱高下を見せたあとに本
格的に上昇したこともあり、日本株市場もしばらくは乱高
下を想定しておかなければならないだろう。そのような相
場展開が想定される中、有効と考えられる株式への投
資戦略を探ってみたい。
素材
エネルギー
(対MSCI Europe、%)
-20
-15
-10
-5
0
5
10
15
注: ECBがマイナス金利を導入する前営業日(2014/6/4)から2014年末
までのセクターパフォーマンス
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
図表2. 日本株業種別の金利差感応度
-0.4
欧州ではECBのマイナス金利導入以降、欧州株のセ
クター別パフォーマンスで内需系・ディフェンシブ系セク
ターがアウトパフォームした(図表1)。マイナス金利下で
は、日本でも同様に内需株(銀行業、保険業除く)やデ
ィフェンシブ株が有望視されると考えられる。一方、弊社
では、今回の追加緩和での円安効果は限定的とみてお
り、円安恩恵銘柄が大きくアウトパフォームする可能性
は高くないと考える。
東証REIT指数
陸運業
医薬品
空運業
サービス業
不動産業
倉庫・運輸関連業
小売業
食料品
建設
その他製品
情報・通信業
繊維製品
ゴム製品
電気・ガス業
金属製品
化学
その他金融業
精密機器
卸売業
石油・石炭製品
パルプ・紙
ガラス・土石製品
海運業
輸送用機器
電気機器
機械
鉱業
非鉄金属
鉄鋼
証券・商品先物取引業
銀行業
保険業
日銀のマイナス金利導入発表以降、国内の長短金
利差はより縮まった。過去の金利差縮小局面でTOPIX
をアウトパフォームしたセクターは図表2の通りである。こ
こでも海外要因の影響が相対的に小さい内需系・ディ
フェンシブ系が名を連ねている。足元の決算発表で外
需株の業績苦戦が鮮明になったことも踏まえると、物色
対象として意識されやすいと考えられる。
以上からマイナス金利導入により内需株・ディフェン
シブ株への注目度は高まると考えられ、金利低下を念
頭に配当利回りにも着目した投資が有効であろう。
-0.3
-0.2
-0.1
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
(感応度)
アウトパフォーム
する傾向
注: 各業種の対TOPIX相対株価と長短金利差の感応度を計測。長短金
利差=10年国債利回り-2年国債利回り。感応度の計測期間は260週
(5年)
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
15
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
9.マイナス金利導入をきっかけに投資妙味高まるREIT市場
日本株担当: 溝渕 彩乃
REIT市場に追い風が吹いている。1つ目はマイナス金利導入による金利低下、2つ目は分配金増加期待で
ある。オフィス需要の堅調な拡大により、空室率の低下や賃料上昇が見込まれ、これを受けた分配金の増
加が期待できる。さらに、今後日銀は必要があれば、量・質・金利の3つの次元を駆使して金融緩和を進め
る方針である。金利低下や需給面でサポートすることによりREIT市場にプラスに働こう。
 乱高下が続く株式市場の中で追い風が吹くREIT
市場
図表1. 東京都心5区のオフィス市況
(円/坪)
足元でREIT市場に追い風が吹いている。1つ目は、
日銀のマイナス金利導入による金利低下である。REIT
は、金利低下局面では、利回りの高さや借入環境の改
善期待から投資妙味が高まる傾向がある。2つ目は、分
配金増加期待である。東京都心部のオフィス賃料は25
ヵ月連続上昇と好調で、今後も堅調な需要拡大により、
空室率は低下し、賃料は上昇、分配金も増加すること
が期待できる。また、日銀によるREITの買い入れも需給
面でサポート要因となろう。日銀は2015年12月の決定
会合で、REITの各銘柄の買い入れ限度額を従来の発
行済投資口に対して「5%以内」から「10%以内」に引き
上げている。これにより、2015年12月末時点の時価総
額を基準にすると、新たに4,000億円程度のREITの買
い入れが可能になったと試算できる。これは、今後日銀
が追加緩和を実施してREITの買い入れ額を増加させる
余裕が生まれたことを意味しよう。
10
21,000
9
20,000
8
平均空室率(右軸)
19,000
7
18,000
6
17,000
5
平均募集賃料(左軸)
16,000
4
15,000
10
11
12
13
14
15
3
16 (年)
出所: INDBよりSMBC日興証券作成
図表2. 業績拡大や分配金の増加が期待できる主な銘柄
 今後の見通しと関連銘柄
分類
今後、日銀は必要があれば、「量(マネタリーベース
の拡大)」・「質(資産〈ETF、REIT〉買い入れ額拡大)」・
「金利」の3つの次元を駆使して、金融緩和を進める方
針である。ここで重要なのは、日銀がどの手段を用いて
も、REIT市場にはプラスに働くということだ。「量」・「金利」
の手段を用いた場合は、金利の低下をもたらす。国債
利回 りや貸 出金 利が低 下 している状況においては、
REITの高い分配金利回りは、地域金融機関にとって魅
力的で、地方銀行によるREITの買い越し姿勢の継続が
期待できよう。また、「質」の手段を用いた場合は、REIT
の買い入れはREIT市場を需給面で下支えしよう。この
ように、日銀が「量」・「質」・「金利」のいずれの次元で緩
和を行ったとしても、REIT市場にプラスに働こう。これら
を追い風に、弊社では、今後6~12ヵ月後の東証REIT指
数のターゲットは2,000pt(2/17時点1,804pt)と見込んで
いる。図表2では主な関連銘柄を取りまとめた。投資の
際に参考にされたい。
16
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
(%)
22,000
コード
3295
8952
オフィス
8956
8972
3453
商業施設
8964
3281
物流施設
3283
ホテル 8963
銘柄名
2/17終値
ヒューリックリート
173,800
ジャパンリアルエステイト 650,000
プレミア
130,100
ケネディクス・オフィス
625,000
ケネディクス商業リート
263,100
フロンティア不動産
513,000
GLP
121,100
日本プロロジスリート
234,200
インヴィンシブル
69,400
出所: QUICKなどよりSMBC日興証券作成
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
10.主な国内株価指数とテクニカル指標の推移
日本株担当: 溝渕 彩乃
日本株は先週まで下落傾向が続いていたが、原油価格や欧米株の上昇、春節休暇明けの中国市場が比
較的堅調だったこと、更に日本株に割安感があったことなどから、2月15日の日経平均は1,000円超上昇す
るなど今週に入ってから堅調な値動きとなっている。しかし、東証一部25日騰落レシオは依然として「売られ
過ぎ」を示している。懸念材料は燻るもののリスクオフの巻き戻しによる日本株の上昇余地はありそうだ。
図表1. 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移
【国内主要株価指数】
110
105
100
95
90
85
80
75
70
65
60
【東証REIT指数と日本10年物国債利回り】
(pt)
1,900
(150日前を100として指数化)
1,850
7/7
8/6
9/5
10/5
東証マザーズ指数
12/4
2015年
1/3
0.5
1,750
0.4
1,700
0.3
1,650
0.2
【日経平均と25日移動平均・乖離率】
日経平均株価(左軸)
22,000
2/2 (月/日)
0
7/7
(%)
9/5
10/5
11/4
12/4
1/3
-0.1
2/2 (月/日)
2016年
【日経平均と100日移動平均・乖離率】
(円)
20
10
20,000
8/6
2015年
15
25日移動平均(左軸)
0.1
東証REIT指数(左軸)
1,550
2016年
(円)
0.6
日本10年物国債利回り(右軸)
1,500
11/4
0.7
1,800
1,600
日経平均
日経JASDAQ指数
(%)
(%)
20
日経平均株価(左軸)
22,000
15
100日移動平均(左軸)
10
20,000
5
18,000
0
-5
16,000
25日移動平均乖離率
(右軸)
14,000
7/7
8/6
9/5
10/5
11/4
12/4
2015年
(円)
1/3
5
18,000
-5
16,000
100日移動平均乖離率
(右軸)
-10
-15 14,000
2/2 (月/日)
7/7
2016年
8/6
10/5
11/4
12/4
(円)
-15
2/2 (月/日)
【日経平均 ストキャスティクス(9日)】
300
日経平均株価(左軸)
%D(右軸)
Slow %D(右軸)
22,000
250
20,000
1/3
-10
2016年
300
日経平均株価(左軸)
東証一部25日騰落レシオ(右軸)
9/5
2015年
【日経平均と東証一部25日騰落レシオ】
22,000
0
250
20,000
200
200
(%)
18,000
150
18,000
150
(%)
80%ライン
100
120%ライン
16,000
100 16,000
70%ライン
14,000
7/7
2015年
8/6
9/5
10/5
11/4
12/4
50
20%ライン
1/3
2016年
50
14,000
2/2 (月/日)
7/7
2015年
8/6
9/5
10/5
11/4
12/4
1/3
2016年
0
2/2 (月/日)
注: データは2016年2月17日まで
出所: 各図表ともQUICKよりSMBC日興証券作成
テクニカル指標の見方
 騰落レシオ(25 日):過去 25 日間の値下がり銘柄数に対する値上がり銘柄数の割合。一般的に、120%以上で買
われ過ぎを、70%以下で売られ過ぎを表す。
 ストキャスティクス(9 日):直近の終値が過去のレンジで相対的にどのレベルに位置するのかを見るための指標。
%D=(直近終値と直近 9 日間の安値の乖離の 3 日移動平均)÷(直近 9 日間の高値と安値の乖離の 3 日移動平均)
Slow%D は%D の 3 日移動平均。一般的に%D が 80%以上で買われ過ぎ、20%以下で売られ過ぎを表す。
17
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
11.来週・再来週の主なスケジュール
<来週のスケジュール>
発表日
国・ 地域
日本
2月 22日 (月 )
ユーロ圏
米国
2月 23日 (火 )
独
2月 24日 (水 )
トルコ
メキシコ
日本
米国
マレーシア
南ア
米国
2月 25日 (木 )
ユーロ圏
英国
豪州
日本
市場予想 前月・ 前期・ 前年
1月
2月
2月
12月
1月
2月
-
10-12月期
2月
-
10-12月期
-
1月
1月
-
12月
1月
1月
1月
1月
10-12月期
10-12月期
1月
2月
10-12月期
1月
2月 26日 (金 )
2月 27日 (土 )
2月 28日 (日 )
米国
ユーロ圏
NZ
-
米国
英国
2月
1月
1月
2月
1月
-
-
2月
全国スーパー売上高(前年比)
製造業PMI(速報)
サービス業PMI(速報)
S&P/ケースシラー住宅価格指数( 前年比)
中古住宅販売件数( 前月比)
コンファレンスボード消費者信頼感指数
【大統領選】ネバダ州党員集会(共和党)
実質GDP(前期比、確報、前回値は速報値)
IFO景 況 指 数
政策金利
実質GDP(前期比、確報、前回値は速報値)
衆院予算委 中央公聴会(2016年度予算案審議)
新築住宅販売件数( 前月比)
消費者物価指数(前年比)
2016年度予算発表
FHFA住宅価格指数(前月比)
耐久財受注( 前月比)
耐久財受注( 除輸送用機器、 前月比)
マネーサプライM3(前年比)
消費者物価指数(前年比、確報、前回値は速報値)
実質GDP(前期比、改定値、前回値は速報値)
民間設備投資(前期比)
全国消費者物価指数( 生鮮食品除く、 前年比)
都区部消費者物価指数(生鮮食品除く、前年比)
実質GDP( 前期比年率、 改定値、 前回値は速報値)
PCEコア・ デフレータ
( 食品・ エ ネルギ ーを除く 個人消費デフレータ、 前年比)
ミシガン大学消費者信頼感指数( 確報、 前回値は速報値)
個人所得(前月比)
個人支出(前月比)
経済信頼感指数
貿易収支
G20財務省・ 中央銀行総裁会議( 上海、 ~ 27日)
【大統領選】サウスカロライナ州予備選(民主党)
全国住宅価格(前年比、発表日未定、~3日)
-
-
-
5.60%
▲1.1%
97.5
-
-
-
-
-
-
▲3.5%
-
-
0.5%
2.3%
0.0%
-
-
-
▲2.5%
0.1%
▲0.1%
0.5%
-
0.0%
52.3
53.6
5.83%
14.7%
98.1
-
0.3%
107.3
7.50%
0.6%
-
10.8%
2.7%
-
0.5%
▲5.0%
▲1.0%
4.7%
0.2%
0.5%
▲9.2%
0.1%
▲0.1%
0.7%
1.4%
91.0
90.7
0.4%
0.3%
0.2%
0.0%
105.0
-
▲2.25億NZドル ▲0.53億NZドル
-
-
-
-
4.4%
-
注: 発表日は現地時間。市場予想と実績は2016年2月18日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります
出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成
18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
<再来週のスケジュール>
発表日
国・ 地域
日本
2月 29日 (月 )
米国
ユーロ圏
日本
米国
3月 1日 (火 )
ユーロ圏
英国
中国
3月 2日 (水 )
豪州
インドネシア
タイ
南ア
米国
豪州
ブラジル
米国
3月 3日 (木 )
ユーロ圏
英国
豪州
トルコ
ブラジル
日本
米国
3月 4日 (金 )
3月 5日 (土 )
3月 6日 (日 )
豪州
フィリピン
ロシア
ブラジル
中国
市場予想 前月・ 前期・ 前年
1月
1月
-
1月
2月
2月
10-12月期
10-12月期
1月
1月
1月
2月
2月
2月
-
1月
2月
2月
2月
-
2月
2月
10-12月期
2月
10-12月期
-
1月
2月
-
1月
2月
1月
2月
10-12月期
1月
1月
2月
2月
2月
1月
2月
2月
1月
-
小売業販売額(前年比)
鉱工業生産指数( 前月比、 速報)
2016年度予算案 衆院通過(予定)
中古住宅販売成約指数(前月比)
シカゴ購買部協会景況指数
消費者物価指数( 速報、 前年比)
設備投資( 法人企業統計、 ソフトウエ ア 除く 、 前年比) 全産業
設備投資( 法人企業統計、 ソフトウエ ア 含む、 前年比) 全産業
家計調査-実質消費支出(前年比)
有効求人倍率
失業率
新車販売台数(除く軽自動車、前年比)
ISM製 造 業 景 況 指 数
自動車販売台数(年換算)
スーパーチュ ーズ デー( 党員集会、 予備選集中日)
失業率
製造業PMI
製 造 業 PMI
非製造業PMI
政策金利
消費者物価指数(前年比)
消費者物価指数(前年比)
実質GDP(前期比年率)
ADP雇用統計( 前月比)
実質GDP( 前期比)
政策金利
製造業受注(前月比)
ISM非製造業景況指数(総合)
地区連銀経済報告( ベージ ュ ブッ ク)
小売売上高(前月比)
ハリファックス住宅価格指数(前月比)
貿易収支
消費者物価指数(前年比)
実質GDP( 前期比)
毎月勤労統計-現金給与総額(前年比、速報)
貿易収支
失業率
非農業部門雇用者数( 前月比)
民間部門雇用者数( 前月比)
小売売上高(前月比)
消費者物価指数(前年比)
消費者物価指数(前年比、発表日未定、~9日)
鉱工業生産(前月比)
全国人民代表大会( ~中旬ま で)
▲1.1%
-
▲1.7%
-
-
-
0.1%
-
55.6
-
0.4%
-
11.2%
-
11.2%
-
▲4.4%
-
1.27倍
-
3.3%
-
0.2%
-
48.2
-
1,746万台
-
-
-
10.4%
-
52.9
-
49.4
-
53.5
-
2.00%
2.00%
4.14%
-
▲0.53%
-
0.7%
-
20.5万 人
-
0.9%
-
14.25%
-
▲2.9%
-
53.5
-
-
-
0.3%
-
1.7%
-
- ▲35.35億豪ドル
9.58%
-
▲1.7%
-
0.1%
-
▲434億ドル
-
4.9%
-
15.1万 人
-
15.8万 人
-
0.0%
-
1.3%
-
9.8%
-
▲0.7%
-
-
-
注: 発表日は現地時間。市場予想と実績は2016年2月18日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります
出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成
19
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2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
投資情報部作成最新レポートのご紹介
【定期発行レポート】
日次
週次
月次
Daily Outlook(日刊投資情報)
Weekly Outlook(週刊投資情報)
月刊投資情報(株式・為替・金利の見通し)
@ Wall Street
投資部門別売買動向(現物・先物)
日本株投資戦略(月刊プレゼン資料)
主要通貨デイリー
来週・再来週の注目スケジュール
米国株式投資ガイド
新興国通貨デイリー
米国 ETF テクニカル週報
日興ストラテジー・セレクション(注目銘柄リスト)
Global Market Review
米国主要企業決算発表スケジュール
投資初心者向け資料
向こう 3 ヵ月の注目スケジュール
Japan Market Review
【随時発行レポート】
<Spot Report >
2016/02/18
メキシコ経済
緊急利上げを含む包括的な通貨安抑制策を発表
2016/02/18
米国株式
Hot Topics:米国株市場の反発期待銘柄
2016/02/17
NZ ドル
期待インフレ率低下という独自の下落要因が浮上
2016/02/12
日本株式
下げ止まらない日本株市場について
2016/02/10
日銀金融政策
日銀のマイナス金利導入に関する Q&A
2016/02/10
日本株式
欧州金融の財務不安でリスクオフ
2016/02/03
日本株式
日銀の追加緩和策と原油相場
2016/02/03
中国株式
今後の中国経済と本土株式市場について
2016/02/01
日銀金融政策
異次元緩和からマイナス金利付き量的・質的緩和へシフト
<カントリー・レポート>
2016/01/18
2015/10/19
南アフリカ共和国概観
インド概観
<注目の投資テーマ&業界ナビ>
2016/02/01
注目の投資テーマ ~2016 年 2 月~
2016/01/07
2016 年の注目 10 銘柄のご紹介
<プレゼン資料ほか>
2016/02/18
日経平均株価の 2015 年 8 月急落時と今回との比較
2016/02/09
マイナス金利導入が日本株に与える影響
2016/02/09
マイナス金利で投資妙味高まる J-REIT
2016/02/05
NZ ドルの現状と見通し
2016/02/05
米国ストラテジー・セレクション『フィリップ モリス インターナショナル』
2016/02/03
米国ストラテジー・セレクション『アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド』
2016/02/03
原油関連データ集(更新版)
2016/02/02
米国ストラテジー・セレクション『アルファベット』
2016/02/02
投資環境と株式市況の見通し(日本株中心)
2016/02/01
海外・個人投資家・事業法人売買動向
2016/02/01
日経平均株価・ドル円の推移と主な出来事
2016/02/01
日銀の金融緩和策(ETF・REIT)
* 上記レポートをご希望の方は、最寄りの支店までお問い合わせください。
20
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
無登録格付に関する説明書
格付会社に対しては、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業者の登録制が導入されてお
ります。
これに伴い、金融商品取引業者等は、無登録格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合には、金融商品取引法により、
無登録格付である旨及び登録の意義等を顧客に告げなければならないこととされております。
つきましては、格付会社(ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク、スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ、フィ
ッチ・レーティングス)の「無登録格付に関する説明書」を下記の通りお知らせ致します。
<無登録格付に関する説明書(ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク)>
○登録の意義について
登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対
象の証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を
受けるとともに、報告徴求・立入検査、業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・
監督を受けておりません。
○格付会社グループの呼称等について
格付会社グループの呼称:ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク
グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:ムーディーズ・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第2号)
○信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要 に関する情報の入手方法について
ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページ(ムーディーズ日本語ホームページ(http://www.moodys.co.jp)の「信用格付事業」をク
リックした後に表示されるページ)にある「無登録業者の格付の利用」欄の「無登録格付説明関連」に掲載されております。
○信用格付の前提、意義 及 び限界について
ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(以下、「ムーディーズ」という。)の信用格付は、事業体、与信契約、債務又は債務類似
証券の将来の相対的信用リスクについての、現時点の意見です。ムーディーズは、信用リスクを、事業体が契約上・財務上の義務を期
日に履行できないリスク及びデフォルト事由が発生した場合に見込まれるあらゆる種類の財産的損失と定義しています。信用格付は、
流動性リスク、市場リスク、価格変動性及びその他のリスクについて言及するものではありません。また、信用格付は、投資又は財務に
関する助言を構成するものではなく、特定の証券の購入、売却、又は保有を推奨するものではありません。ムーディーズは、いかなる形
式又は方法によっても、これらの格付若しくはその他の意見又は情報の正確性、適時性、完全性、商品性及び特定の目的への適合性
について、明示的、黙示的を問わず、いかなる保証も行っていません。
ムーディーズは、信用格付に関する信用評価を、発行体から取得した情報、公表情報を基礎として行っております。ムーディーズは、こ
れらの情報が十分な品質を有し、またその情報源がムーディーズにとって信頼できると考えられるものであることを確保するため、全て
の必要な措置を講じています。しかし、ムーディーズは監査を行う者ではなく、格付の過程で受領した情報の正確性及び有効性について
常に独自の検証を行うことはできません。
この情報は、平成26年2月18日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証するもの
ではありません。詳しくは上記ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページをご覧ください。
21
2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
<無登録格付に関する説明書(スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ)>
○登録の意義について
登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対
象の証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を
受けるとともに、報告徴求・立入検査、業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・
監督を受けておりません。
○格付会社グループの呼称等 について
格付会社グループの呼称:スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ
グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第5号)
○信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要 に関する情報の入手方法について
スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のホームページ(http://www.standardandpoors.co.jp)の「ライブラリ・規制関
連」の「無登録格付け情報」(http://www.standardandpoors.co.jp/unregistered)に掲載されております。
○信用格付の前提、意義 及 び限界について
スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(以下「レーティングズ・サービシズ」)の信用格付は、発行体または特定の債務の将
来の信用力に関する現時点における意見であり、発行体または特定の債務が債務不履行に陥る確率を示した指標ではなく、信用力を
保証するものでもありません。また、信用格付は、証券の購入、売却または保有を推奨するものでなく、債務の市場流動性や流通市場
での価格を示すものでもありません。
信用格付は、業績や外部環境の変化、裏付け資産のパフォーマンスやカウンターパーティの信用力変化など、さまざまな要因により変
動する可能性があります。
レーティングズ・サービシズは、信頼しうると判断した情報源から提供された情報を利用して格付分析を行っており、格付意見に達するこ
とができるだけの十分な品質および量の情報が備わっていると考えられる場合にのみ信用格付を付与します。しかしながら、レーティン
グズ・サービシズは、発行体やその他の第三者から提供された情報について、監査・デュー・デリジュエンスまたは独自の検証を行って
おらず、また、格付付与に利用した情報や、かかる情報の利用により得られた結果の正確性、完全性、適時性を保証するものではあり
ません。さらに、信用格付によっては、利用可能なヒストリカルデータが限定的であることに起因する潜在的なリスクが存在する場合もあ
ることに留意する必要があります。
この情報は、平成26年2月18日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証するもの
ではありません。詳しくは上記スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のホームページをご覧ください。
<無登録格付に関する説明書(フィッチ・レーティングス)>
○登録の意義について
登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対
象の証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を
受けるとともに、報告徴求・立入検査、業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・
監督を受けておりません。
○格付会社グループの呼称等について
格付会社グループの呼称:フィッチ・レーティングス(以下「フィッチ」と称します。)
グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社 (金融庁長官(格付)第7号)
○信用格付を付与するために用 いる方針及び方法の概要 に関する情報の入手方法について
フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社のホームページ(http://www.fitchratings.co.jp)の「規制関連」セクションにある「格付方針等
の概要」に掲載されております。
○信用格付の前提、意義 及 び限界について
フィッチの格付は、所定の格付基準・手法に基づく意見です。格付はそれ自体が事実を表すものではなく、正確又は不正確であると表現
し得ません。信用格付は、信用リスク以外のリスクを直接の対象とはせず、格付対象証券の市場価格の妥当性又は市場流動性につい
て意見を述べるものではありません。格付はリスクの相対的評価であるため、同一カテゴリーの格付が付与されたとしても、リスクの微
妙な差異は必ずしも十分に反映されない場合もあります。信用格付はデフォルトする蓋然性の相対的序列に関する意見であり、特定の
デフォルト確率を予測する指標ではありません。
フィッチは、格付の付与・維持において、発行体等信頼に足ると判断する情報源から入手する事実情報に依拠しており、所定の格付方
法に則り、かかる情報に関する調査及び当該証券について又は当該法域において利用できる場合は独立した情報源による検証を、合
理的な範囲で行いますが、格付に関して依拠する全情報又はその使用結果に対する正確性、完全性、適時性が保証されるものではあ
りません。ある情報が虚偽又は不当表示を含むことが判明した場合、当該情報に関連した格付は適切でない場合があります。また、格
付は、現時点の事実の検証にもかかわらず、格付付与又は据置時に予想されない将来の事象や状況に影響されることがあります。
信用格付の前提、意義及び限界の詳細にわたる説明については、フィッチの日本語ウェブサイト上の「格付及びその他の形態の意見に
関する定義」をご参照ください。
この情報は、平成26年2月18日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証するもの
ではありません。詳しくは上記フィッチのホームページをご覧ください。
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2016 年 2 月 18 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.242
本資料について
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論見書、お客様向け資料等をよくお読みになり、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
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【金融商品取引法第 37 条(広告等の規制)にかかる留意事項 】
手数料等について
弊社がご案内する商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等をご負担いただく場合があります。例えば、店舗における国内
の金融商品取引所に上場する株式等(売買単位未満株式を除く。)の場合は約定代金に対して最大 1.242%(ただし、最低手数料 5,400
円)の委託手数料をお支払いいただきます。投資信託の場合は銘柄ごとに設定された各種手数料等(直接的費用として、最大 4.32%の
申込手数料、最大 4.5%の換金手数料又は信託財産留保額、間接的費用として、最大年率 5.61%の信託報酬(又は運用管理費用)及
びその他の費用等)をお支払いいただきます。債券、株式等を募集、売出し等又は相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお
支払いいただきます(債券の場合、購入対価に別途、経過利息をお支払いいただく場合があります。)。また、外貨建ての商品の場合、
円貨と外貨を交換、又は異なる外貨間での交換をする際には外国為替市場の動向に応じて弊社が決定した為替レートによるものとしま
す。上記手数料等のうち、消費税が課せられるものについては、消費税分を含む料率又は金額を記載しております。
リスク等について
各商品等には株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等及び有価証券の発行者等の信用状況(財
務・経営状況を含む。)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)、又は元
本を超過する損失を生ずるおそれ(元本超過損リスク)があります。
なお、信用取引又はデリバティブ取引等(以下「デリバティブ取引等」といいます。)を行う場合は、デリバティブ取引等の額が当該デリバ
ティブ取引等についてお客様の差入れた委託保証金又は証拠金の額(以下「委託保証金等の額」といいます。)を上回る場合があると共
に、対象となる有価証券の価格又は指標等の変動により損失の額がお客様の差入れた委託保証金等の額を上回るおそれ(元本超過
損リスク)があります。
また、店頭デリバティブ取引については、弊社が表示する金融商品の売付けの価格と買付けの価格に差がある場合があります。
上記の手数料等及びリスク等は商品毎に異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書又はお客様向け資料等をよ
くお読みください。なお、目論見書等のお問い合わせは弊社各部店までお願いいたします。
商 号 等 SMBC日興証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2251 号
加入協会 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商
品取引業協会
(2015/04/09 版)
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