第1章 道路交通安全の目標等(PDF:1163KB)

第1編
道路交通の安全
1.道路交通事故のない社会を目指して
人命尊重の理念に基づき、究極的には、交通事故のない誰もが
安全で安心して暮らせる千葉県を目指す。
死者数の一層の減少に取り組むとともに、事故そのものの減少
についても積極的に取り組む必要がある。
2.道路交通の安全についての目標
24時間死者数を年間150人以下とする
(30日以内死者数等を同様に減少させる。)
死傷者数を年間18,000人以下とする
3.道路交通の安全についての対策
(6つの視点)
①高齢者・子どもの安全確保
②歩行者・自転車の安全確保
③生活道路・幹線道路における安全確保
④地域でつくる交通安全の推進
⑤交通実態を踏まえたきめ細やかな対策の推進
⑥先端技術の活用推進
(8つの柱)
①県民一人ひとりの交通安全意識の高揚
②安全運転の確保
⑥救助・救急活動の充実
③道路交通環境の整備
⑦被害者支援の推進
④車両の安全性の確保
⑧交通事故調査・分析の充実
⑤道路交通秩序の維持
1編
第1章
道路交通の安全
道路交通安全の目標等及び重点事項
1 道路交通事故のすう勢等
(1)道路交通事故の現状
県内の交通事故状況は、発生件数、死傷者数ともに年々減少していて、
平成27年の発生件数は18,650件、死傷者数は23,442
人で、平成23年の発生件数23,406件、死傷者数29,091人と
比較して、発生件数で20%、死傷者数も20%の減少となっています。
しかしながら、死者数は平成23年以降、平成27年まで、203人、
202人、201人、182人、180人と推移し、下げ止まりの状態で
推移しています。
第9次千葉県交通安全計画で掲げた抑止目標(平成27年までに年間死
者数を150人以下に、死傷者数を2万5千人以下に抑止する)について
は、死傷者数は平成26年に達成し、その後も減少していますが、死者数
は未達成であり、また、全国的に見ると依然としてワースト上位に位置し
ています。
資料:交通白書
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(2)交通死亡事故の特徴(平成23年~平成27年)
① 高齢者の事故死者数は増加傾向にあり、また、全体に占める高齢者の
割合は半数を超え増加傾向にある
② 歩行者と自転車利用者の死者数の割合は6割近くで推移している
③ 夜間事故が約50%以上を占めている
などが挙げられます。
また、後部座席のシートベルト着用率は平成24年以降、下降傾向とな
っており、平成27年は32.6%にとどまるなど、死亡事故の発生の一
因ともなっています。
6
7
【参考】これまでの千葉県交通安全計画の目標値と実数値
区分
期間
目標数値
実数値
第1次千葉県
交通安全計画
昭和46年度~
昭和50年度
歩行者推計死者数
約400人の半減
昭和50年
169人
第2次千葉県
交通安全計画
昭和51年度~
昭和55年度
死者数702人
(昭和45年)の半減
昭和55年
432人
第3次千葉県
交通安全計画
昭和55年度~
昭和60年度
死者数の着実な減少
昭和60年
438人
第4次千葉県
交通安全計画
昭和61年度~
平成2年度
死者数の着実な減少
平成2年
508人
第5次千葉県
交通安全計画
平成3年度~
平成7年度
死者数の着実な減少
平成7年
457人
第6次千葉県
交通安全計画
平成8年度~
平成12年度
死者数400人以下
平成12年
416人
第7次千葉県
交通安全計画
平成13年度~
平成17年度
死者数375人以下
平成17年
315人
第8次千葉県
交通安全計画
平成18年度~
平成22年度
第9次千葉県
交通安全計画
平成23年度~
平成27年度
死者数 245人以下
死傷者数 4万人以下
平成22年
210人
32,409人
死者数 150人以下
死傷者数2万5千人以下
平成27年
180人
23,442人
8
2
交通安全計画における目標
千葉県の究極の目標は、交通事故のない安全で安心して暮らせる社会の
構築ですが、一朝一夕にこの目標を達成することは困難であると考えられる
ことから、本計画の計画期間である平成32年までに、以下の数値を本県の
抑止目標として取り組んでいきます。
区
分
期 間
第10次千葉県
交通安全計画
目
平成28年度~
平成32年度
標
24時間死者数
死 傷 者 数
数
値
年間150人以下
年間 18,000 人以下
また、24時間死者数のみならず、交通事故に起因する死者数(30日以
内死者数等)を減少させていきます。
この目標達成に向け、県、県警察、地方行政機関及び市町村は、県民、
関係機関・団体と協働してこの計画に掲げた諸施策を総合的かつ効果的に
推進していきます。
○
24時間死者数の目標:年間150人以下について
国は平成21年及び22年に設定した「平成30年を目途に、交通事故死
者数を半減させ、これを2,500人以下とし、世界一安全な道路交通の実
現を目指す」という中期目標を第10次交通安全基本計画の計画期間に達成
を目指すことを踏まえて、年間150人以下を本計画終了年度(平成32年
度)時の県の目標に設定します。
(参考)国の目標 死者数 年間2,500人以下
○
交通事故死傷者数の目標:年間18,000人以下について
最優先目標である交通事故死者数の減少とともに、事故そのものや死傷者
数の減少を図るため、交通事故死傷者数の目標を年間18,000人以下と
設定します。
(参考)国の目標 死傷者数 年間50万人以下
※
県内の30日以内の交通事故死者数
24時間以内
死者(a)
30日以内
死者(b)
(a)と (b)の
比率
平成23年
203人
249人
1.23倍
平成24年
202人
243人
1.20倍
平成25年
201人
252人
1.25倍
平成26年
182人
213人
1.17倍
平成27年
180人
人
倍
9
3
計画の重点事項
計画の策定に当たっては、本県の特性や社会情勢の変化等を踏まえ、以下の
とおり「高齢者の交通安全対策の強化」、「自転車の安全利用対策の強化」及び
「2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた交通ルール・
マナーの啓発の充実」の3項目に重点を置いた計画としています。
◆重点項目1:高齢者の交通安全対策の強化
高齢者に関する交通安全対策は、これまでも取組を推進してきたところで
すが、残念ながら、県内で高齢者が関係する交通事故は依然として多く発生
しており、対策のさらなる強化が必要となっています。
(1)交通事故に遭わないための取組
本県においては、交通死亡事故全体に占める高齢者の割合は半数を超え
ており、また、高齢者の交通事故死者数も増加していることから、交通事
故の防止に取り組む上で、特に高齢者が被害者となる交通死亡事故の防止
が喫緊の課題となっています。
このため、従来から実施している対策の充実・強化により、高齢者が被
害者となる交通事故の抑止を図ります。
(2)交通事故を起こさせないための取組
本県では、高齢者人口が急速に増加しており、これに伴って高齢者の運
転に起因した交通事故の発生も増加傾向にあり、社会問題化しています。
高齢運転者の増加に対応した効果的な取組を実施することにより、高齢
者が加害者となる交通事故の防止を強化します。
「高齢者の交通安全対策の強化」により実施する主な事業(取組)
(1)交通事故に遭わないための取組〔高齢歩行者等の対策〕
・高齢者宅訪問活動の促進(41 ページ)
・シルバーリーダーの指導・育成(41 ページ)
・高齢者交通安全いきいきキャンペーンの推進(42 ページ)
・視認性の高い服装の着用及び反射材の普及・促進(43 ページ)
・高齢者事故マップの活用による交通安全教育の推進(43 ページ)
・老人クラブ・自治会・配食サービス業者等を通じた高齢者への情報発信、
交通安全教育の推進(43 ページ)
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「高齢者の交通安全対策の強化」により実施する主な事業(取組)
(2)交通事故を起こさせないための取組〔高齢運転者の対策〕
・講習予備検査(認知機能検査)の充実(57 ページ)
・参加・体験・実践型教育の推進(58 ページ)
・運転免許自主返納に対する優遇措置の拡充(58 ページ)
・運転免許自主返納に関する周知・広報の強化、高齢者及び家族への支援・
相談体制の強化(58 ページ)
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◆重点項目2:自転車の安全利用対策の強化
本県の自転車乗車中の交通事故件数は交通事故全体の2割以上を占めて
おり、交通事故防止対策を推進する上で自転車の安全利用対策をさらに強
化する必要があります。
自転車の安全利用に関するこれまでの取組は、自転車運転者が自動車等
との交通事故により被害者となることを防止する対策を中心に展開してい
ました。しかしながら、自転車運転者が歩行者等と衝突し加害者となる交
通事故も多く発生し社会問題化していることから、自転車の安全利用をさ
らに徹底するための対策の強化が急務となっています。
(1)自転車に係る交通事故防止対策の必要性
【自転車が関係する交通事故の増加】
学齢期における交通事故発生状況(死傷者数)をみると、自転車が関
係する事故の割合は、中学生の交通事故発生件数の5割以上、高校生の
交通事故発生件数の7割近くが自転車の事故となっており、日常的な行
動範囲が広がり自転車の運転を行う機会が増加することに伴い、自転車
が関係する割合が非常に高くなっています。
このため、次代を担う小・中・高生の子供たちの安全な育成環境を確
保するためにも、自転車の安全利用対策をさらに強化する必要がありま
す。
(2)自転車保険の普及及び加入の促進
【高額賠償責任と保険】
自転車が歩行者をはねたり、自転車同士で衝突するなどの交通事故に
より、自転車運転者が加害者となる事故が頻発しています。
その中でも、自転車運転者が歩行者を死亡させたり、重度の障害を負
わせた場合、高額賠償を命ずる判決も出されていますが、賠償責任に対
応した保険に加入していない自転車運転者も多いことから、被害者救済
の側面からも懸念される問題となっています。
このため、自転車の安全利用を徹底するための対策を強化することと
合わせて、自転車運転者に賠償責任が生じた場合に備えた保険への加入
を促進する必要があります。
(3)道路交通法令の的確な運用
【自転車運転者講習制度の開始】
自転車運転者によるルールやマナーの遵守が徹底されていないことを
原因とした自転車が関係する交通事故が頻発しており、このような交通
環境を取り巻く社会情勢の変化を踏まえた道路交通法の改正により、平
12
成27年6月1日から、政令で定められた14の危険行為を繰り返した
者に対し、交通安全講習を受講することが義務付けられ、受講しない者
への罰則規定も設けられました。
同講習制度をはじめとする関係法令の的確な運用を通じて、自転車の
安全利用をさらに徹底していく必要があります。
「自転車の安全利用対策の強化」により実施する主な事業(取組)
(1)自転車に係る交通事故防止対策〔自転車安全利用の推進〕
・自転車安全利用キャンペーンの実施(44 ページ)
・社会人への広報・講習会等の開催(44、53 ページ)
・交通安全高齢者自転車大会の開催(45 ページ)
・自転車点検整備の促進(45 ページ)
・反射材の普及(45 ページ)
≪参加体験型交通安全教育の推進≫
・学齢期における交通安全教育(49~52 ページ)
・こども自転車免許証制度の推進(50 ページ)
・スケアード・ストレイト教育技法による自転車交通安全教室(52 ページ)
・高齢者交通安全教室等の開催(42 ページ)
(2)自転車保険の普及及び加入の促進〔交通事故被害者の保護〕
・自転車保険の加入促進(45 ページ)
・TSマーク制度の普及促進(45 ページ)
(3)道路交通法令の的確な運用〔悪質な運転者への指導等の強化〕
・自転車用指導警告書(イエローカード)の活用(45 ページ)
・悪質・危険な運転者に対する取締りの徹底(46 ページ)
・自転車運転者講習制度の適正な運用(46 ページ)
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子どもと高校生の交通事故発生状況(年齢層別・状態別死傷者の構成率:平成27年)
年齢層
幼児
小学生
中学生
高校生
状態別
死傷者数(人)
構成率(%)
死傷者数(人)
構成率(%)
死傷者数(人)
構成率(%)
死傷者数(人)
構成率(%)
歩行者
自転車
二輪車
四輪車
その他
95
71
0
313
3
19.7
14.8
0.0
64.9
0.6
310
289
0
325
3
33.4
31.2
0.0
35.1
0.3
69
233
7
122
2
15.9
53.8
1.6
28.2
0.5
58
521
63
137
0
7.6
66.7
8.2
17.6
0.0
14
計
482
927
433
779
15
16
高校生アンケート・ヒアリング結果
○自転車の安全利用について、現役高校生はどのように考えているのでしょうか。
○計画を策定するに当たり、県内 22 校、合計で 1,634 人の現役高校生に、自転車の安全利用につ
いて、アンケート調査(うち 4 校、20 人にヒアリング調査)を行ったところ、下記のような結
果になりました。
(主な回答を掲載しますが、調査全容は128ページに記載します。
)
【交通安全教育】
◆質問 1-1「自転車の交通安全教育を受けたことがありますか?」
①高等学校以前も含め、自転車の交通安全教育を受けたことがある(約 84%)
②受講していない(約 15%)
◆質問1-2「どのような交通安全教育を受けたことがありますか?」
(複数回答)
①「自転車の安全な乗り方及び交通ルールについて」
(約 83%)
②「自転車の加害責任について」
(47%)
③「自転車の整備について」
(26%)
◆質問1-3「交通安全教育はどのように効果的でしたか?」
〔主な回答〕
・自転車の基本的な乗り方(左側通行や歩行者優先であること)
・イヤホン・スマホ・傘差しが禁止されていること
・標識の見方と標識を守る意識
・自らも加害者になってしまう可能性があること
・自転車整備の必要性
よく分かる
ようになった
【自転車安全利用のルール等】
◆質問 2「高校生に自転車のルールやマナーを守ってもらうために効果的な方法は?」
①「体験を通じた交通安全教室の実施」787 件(約 36%)
②「テレビやラジオ、インターネットを通じた CM 等」522 件(約 24%)
【自転車保険の加入】
◆質問 3-1「自転車保険の加入状況はいかがですか?」
①「わからない」929 人(約 61.1%)
②「加入している」311 人(約 20.5%)
③「加入していない」280 人(約 18.4%)
◆質問 3-2「どのような保険に加入していますか?」
①「TSマークつき付帯保険」
(約 39%)
②「個人賠償保険」
③「保護者の自動車保険等の特約」
17
【自転車安全利用の推進】
◆質問 4「自転車を安全に利用するためには、どのようなことが必要だと思いますか?」
①「交通安全教育など啓発活動を強化する」
②「道路の形状を変える」
③「テレビやラジオ、インターネット等を通じたCM等による啓発活動を行う」
◆質問 5「自転車を利用して、日頃感じていること」
(自由記載)
〔回答:907 件〕6 つのカテゴリーに分けて集計
①「道路環境等の整備に関すること」
(約 4 割)
②「自転車のルールやマナーに関すること」
自転車のルールやマナーに関する
13 件
354 件
こと
99 件
242 件
79 件
歩行者に関すること
120 件
自動車に関すること
道路環境等の整備に関すること
自転車の整備に関すること
その他
◆ヒアリング
【質問】自転車の交通安全啓発活動(マナーアップ隊)の活動内容について
○「自転車置場の整頓」
、
「自転車の乗り方等の講習会への参加」
、
「登校・下校時の
声かけ
活動」
、
「自転車の点検活動」
、
「ポスターの制作掲示」
、など
○マナーアップ隊の活動を通じ、自らの安全利用意識が高まった、との回答も多数
《アンケート結果のまとめ》 ~10 次計画に向けて~
○調査結果から、自転車の安全利用のためには、体験を通じた交通安全教育の強化、
テレビな
どの媒体を通じた広報啓発の強化、道路環境等の整備を進めていくことが 重要であることが浮
き彫りとなりました。
○また、自転車の保険については、加入しているかどうかわからない、という回答が
多かった
ので、加入の意識付けも重要です。
○さらに、自らが交通安全活動に主体的に関わることで、知識も増え安全意識が高まることが想定
されるので、利用者の自主的な取り組みを推奨することが大切と考えます。である。
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◆重点項目3:2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた
交通ルール・マナーの啓発の充実
2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に当たり、本県では、
オリンピックの3競技、パラリンピックの4競技が実施される計画となって
います。また、本県は、東京都に隣接し、成田国際空港を擁することから、
今後、多くの外国人観光客や、他都県からの来訪者が増えることが見込まれ
ます。
そのため、「安全・安心の確保」を最重要課題として、官民一体の「オー
ル千葉」による受け入れ態勢の整備を進め、観光客が安心して本県を訪れ、
滞在できる環境づくりを進めることが必要です。
「安全・安心の確保」に当たっては、「交通安全」が極めて重要であり、
本計画の計画期間の最終年度に2020年東京オリンピック・パラリンピッ
クが開催されることを踏まえ、本計画においても以下のとおり必要な取組を
推進していきます。
(1)交通安全に関する本県の受け入れ態勢の充実
①交通ルールの遵守と交通マナーの実践に関する県民意識の醸成
〔課題〕
県民一人ひとりが交通ルールを遵守し、県全体で「安全・安心」を
推進していくことは、本県を訪れる多くの方を温かく受け入れる上で
極めて重要です。
特に、東日本大震災以降、エコ等の観点からも利用が促進されてい
る「自転車」については、便利である一方、最近では、マナーの悪さ
や危険な乗り方が社会問題化しています。歩道を暴走するなど交通ル
ールを無視した危険な走行は、本県を訪問する観光客の安全を脅かす
とともに、本県に対する信頼感やイメージを著しく損ねるおそれがあ
ります。
〔取組〕
○交通ルール・マナーの徹底
本県の一人ひとりの運転者が交通ルールを遵守し、安全運転を行う
ことは、バスやタクシーを利用し、レンタカーやレンタサイクルを運
転する外国人観光客に安心感を与え、本県の交通社会に対する信頼を
得ることができます。
交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践については、交通安全
運動を始めとする様々な機会を通じて、子供から高齢者まで幅広い世
代に対し啓発や教育を徹底していく必要があります。
県民に対して交通ルールやマナーの徹底を図るためには、関係機
関・団体等との連携だけはなく、従業員教育や社会活動を通じた企業
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の協力や、多様な地域住民の参画等を通じて、幅広く県民一人ひとり
に訴えかけ、交通安全意識の醸成を図ることが不可欠です。
○安全運転の確保
自動車の安全な運転を確保するためには、運転免許の取得時や更新
時の講習、事業用自動車の運転者教育の充実を図ります。
また、高齢運転者に対する講習や検査を充実するほか、運転免許自
主返納に関する優遇措置の拡充、相談・支援体制の強化を推進します。
②交通標識等の各種掲示設備の整備
〔課題〕
多くの外国人観光客が本県を訪れる際には、電車やバス、タクシー
等の公共交通機関を利用するほか、公共交通機関だけでは訪問しづら
い地域を中心にレンタカーやカーシェアリング、レンタサイクル等を
利用して県内各地を周遊することが見込まれます。
外国人観光客がレンタカー等を運転する際に、交通標識による規制
の内容や、災害等発生時の道路情報等が運転者に適切に伝達されない
と、交通事故等の発生の危険も高まるため、適切な情報提供等による
外国人観光客の安全運転を確保する必要があります。
〔取組〕
交通標識や道路案内看板、その他の情報提供設備等において、英語
などの多言語表記や誰にでも分かりやすいピクトグラムの表記等、情
報提供の充実に努めます。
(2)本県を訪問する外国人観光客への交通ルール・マナーの実践の徹底
〔課題〕
今後、本県を訪問する外国人観光客の増加が見込まれますが、各国
の交通事情や交通ルール・マナーが日本と異なる場合も想定され、外
国人観光客がレンタカーやレンタサイクル等を運転する際に日本の交
通ルールを遵守しないことによる交通事故の発生も危惧されます。
このため、本県を訪問する外国人観光客に対し、交通ルールの遵守
と交通マナーの実践についての周知・啓発が重要となります。
〔取組〕
関係機関や事業者等と連携し、成田空港や宿泊施設、レンタカーや
レンタサイクル事業所等において、日本の交通ルール等を外国語でわ
かりやすく記載したチラシの配布等を通じ、周知・徹底に努めます。
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「2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた交通
ルール・マナーの啓発の充実」により実施する主な事業(取組)
(1)交通安全に関する本県の受入体制の充実
①交通ルールの遵守と交通マナーの実践に関する県民意識の醸成
≪交通ルール・マナーの徹底≫
・交通安全の日における活動の推進(34 ページ)
・交通安全団体への支援等(35~36 ページ)
・交通安全運動の推進(37 ページ)
≪安全運転の確保≫
・運転免許取得時、更新時の講習(56 ページ)
・高齢運転者に対する講習や検査の充実(57 ページ)
・運転免許自主返納に関する優遇措置の拡充、相談・支援体制の強化
(58 ページ)
・事業用自動車の運転者教育の充実(59 ページ)
②交通標識等の各種掲示設備の整備
・分かりやすい道路交通環境の確保(81 ページ)
(2)本県を訪問する外国人観光客への交通ルール・マナーの徹底
・外国人に対する交通安全教育(54 ページ)
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