IEA石油市場レポートの概要(2016 年 2 月 9 日公表)

IEA石油市場レポートの概要(2016 年 2 月 9 日公表)
(代表部仮訳のため、正確には IEA のホームページを参照)
1 原油価格は1月に大幅に下落。備蓄を増やしながら30ドル/バレル以下とな
った。2月初旬には市場は徐々に上昇したが、これは世界規模で生産の縮小
に向けた調整の議論を行う可能性があるとの示唆を受けたもの。直近取引で
ブレント価格は33.93ドル/バレル、WTI価格は30.65ドル/バレルとなっ
た。
2 世界の石油需要の伸びは、2015年にここ5年間で最大の160万バレル/
日の伸びを記録した後、2016年には120万バレル/日へと相当程度緩和す
ると見込まれる。これは欧州、中国、米国の顕著な経済減速によるもの。2
015年第4四半期には、今後の減速の初期要素が現れている。
3 世界の石油供給は、1月に20万バレル/日落ち込み9650万バレル/日とな
った。これは、非OPEC国の減産の一部しかOPEC加盟国の増産が埋め
合わせできなかったことによる。非OEPCの供給は、一ヶ月前から50万
バレル/日減少し、1年前と同等のレベルに近いものとなった。2016年全体
では、非OPECの生産量は60万バレル/日減少し、5710万バレル/日とな
ると見込まれる。
4 1月のOPECの原油生産は、制裁解除されたイラン、サウジアラビア、
イラクといった国々の生産量の増加を受けて、28万バレル/日上昇し、326
3万バレル/日となった。1月のOPECグループの供給量は1年前と比較して
170万バレル/日近い増産レベルである。
5 OECD諸国の商業在庫は、12 月に季節要因とは逆に760万バレル積み上
がり、月末には 30 億 12 百万バレルとなり、平均を 3 億 5 千万バレル上回った。
精製品は将来の需要を 32.3 日分まかない、11 月末と比べて 0.1 日分上回った。
暫定的な情報に基づけば、在庫は1月も積み上がり続けていることが示され
ている。
6 世界の精製設備稼働は、1月に130万バレル/日減少し、7980万バレル/
日となった。これは米国における季節的なメンテナンスの開始と精製利益率
の減少によるもの。しかしながら、世界の精製量は、特に米国と中東におけ
る力強い伸びにより、1年前より170バレル/日上回っている。