総合交通調査特別委員会

総合交通調査特別委員会
開 会 午後0時59分
現在の定期路線でございますが、北海道エアシ
――――――――――――――
●國安政典委員長
ステム、通称HACによる4路線、釧路、函館、
ただいまから、総合交通調
査特別委員会を開会いたします。
利尻、三沢でございまして、季節や曜日によって
変動はありますけれども、1日12往復、24便を運
報告事項は、特にございません。
航しております。
それでは、議事に入ります。
次に、利用状況の推移でございます。
最初に、札幌丘珠空港(札幌飛行場)について
昭和49年に飛行場のピークである70万人台を記
を議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受
録しておりますが、同年12月に東亜国内航空が定
けます。
期便を千歳空港に移転したため、大幅に落ち込み
●浦田都市計画担当局長
本日は、札幌丘珠空
港の現状について説明させていただきます。
ました。その後、徐々に回復して年間30万人台の
時代が続きましたが、平成22年にA-net、エ
正式名称は札幌飛行場でございますが、札幌丘
アーニッポンネットワークが新千歳空港に移転
珠空港につきましては、昨今、各方面からその利
し、翌年、北海道エアシステムが新千歳空港から
活用に関してご意見を頂戴しているところでござ
丘珠空港に移転し、路線を集約しました。それで
います。本日は、丘珠空港のこれまでの経緯を含
も、再び減少となっているところでございます。
めた概要、一昨年から始まりましたFDA、フジ
その後、平成23年から徐々に増加傾向となってお
ドリームエアラインズによるリージョナルジェッ
り、平成26年は17万3,000人となっております。
ト機の運航、さらに丘珠空港の利用促進策、そし
また、過去3カ年の路線別搭乗率は、下の表のと
て丘珠空港周辺の生活環境保全、以上の4項目に
おりでございまして、平成26年度は全体で64%の
ついてご説明させていただきます。
搭乗率となっております。
詳細につきましては、空港担当の横井部長から
3ページ目をごらんいただきたいと思います。
説明させていただきます。
●横井空港担当部長
まず、空港ターミナルビルを運営管理している
札幌丘珠空港につきまし
て、お配りした資料に沿いまして説明させていた
札幌丘珠空港ビル株式会社についてでございま
す。
だきます。
①は、平成22年度から昨年度までの年度別の収
それでは、1ページ目をごらんいただきたいと
思います。
支を載せております。平成22年度は、A-net
が丘珠から撤退した年でございます。また、平成
初めに、札幌丘珠空港の概要についてでありま
す。
25年度については、空港ターミナルビル屋上の防
水工事や照明のLED化工事を実施した結果、当
札幌丘珠空港は、正式名は札幌飛行場、設置管
期純損失金額が161万円となっております。昨年
理者が防衛大臣である共用空港でございまして、
度は、直営物販店の売り上げ増や経費削減に取り
民間が使用するエプロン、駐機場のことでござい
組んだ結果、400万円余の当期純利益となってお
ますが、などは国土交通省が管理しております。
ります。
滑走路は、1,500メートルの1本でございます。
(2)には、昭和17年に設置されて以来、平成
次に、②の札幌いま・むかし探検ひろばについ
てでございます。
23年までの飛行場の主な沿革について掲載してお
ります。
空港ターミナルビルの有効活用と、飛行機を利
用されない方にも空港に足を運んでいただき、空
2ページ目をごらんいただきたいと思います。
港のにぎわいを創出することを目的に、ターミナ
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ルビル2階の約500平米のスペースを札幌市が借
ジョナルジェット機の運航についてでございま
り上げ、平成23年9月にオープンした広場でござ
す。
います。管理運営は、札幌丘珠空港ビル株式会社
に委託しております。
FDAは、本社が静岡市にあり、平成20年に設
立した航空会社でございまして、県営名古屋空港
札幌のまちの発展や空港、空港周辺の丘珠地区
と富士山静岡空港を拠点に全国に路線展開してお
の歩みを写真展示などでわかりやすく紹介してお
ります。使用している機材は、ブラジルエンブラ
り、このスペースを活用して、2カ月に1回、地
エル社製のERJ-170 というリージョナル
域の歴史講座を開催しております。また、飛行機
ジェット機が3機、その兄弟機でありますERJ
を利用される方や一般の個人見学のほかに団体見
-175が6機、合計9機の体制となっておりまし
学などにも利用されておりまして、小学校の社会
て、来年には新たに2機が就航予定と伺っており
科見学や高齢者施設入居者の見学会など、昨年度
ます。
は95団体、3,000名を超える方々に利用していた
だいております。
これまでの丘珠空港におけるFDAの運航経緯
でございますが、平成25年7月に県営名古屋空港
次に、株式会社北海道エアシステム、HACに
ついてでございます。
からテストフライトを実施し、11月にはお客様を
乗せた実証飛行を行いました。この結果を経て、
北海道エアシステムは、平成9年、日本エアシ
昨年度の6月から9月の間、県営名古屋空港から
ステム、JASと北海道の出資により、新千歳空
26便、13往復のチャーター便を運航しまして、そ
港を拠点として設立した航空会社でございます。
のときの搭乗率は90%でございました。今年度に
その後、日本航空、JALと日本エアシステム、
つきましては、7月から8月の間、富士山静岡空
JASの経営統合によりJALグループに編入さ
港から5往復、県営名古屋空港から2往復のほ
れましたが、平成23年、日本航空の経営破綻に伴
か、丘珠空港から北九州空港へ向かうのが2往
い、日本航空がHACの経営から撤退したため、
復、神戸空港に向かうのが5往復と、合計28便の
北海道を中心に関係自治体や経済界等で経営を支
チャーター便を運航いたしました。ことしの搭乗
える新体制に移行したものでございます。この
率は95%という結果になっており、昨年度よりも
際、札幌市は7,560万円を出資し、2,400株を保
5%上がっております。
有、出資比率は13.5%となっております。平成26
次のページをごらんいただきたいと思います。
年10月には、経営再建を果たした日本航空が北海
道外との定期便化に向けた取り組みについてで
道や民間企業等から株式の買い戻しを行い、出資
ございます。
比率を過半数として再子会社化して、経営の安定
ことし8月22日、県営名古屋空港周辺の春日井
化を図り、路線の維持に努めているところでござ
市、小牧市、豊山町の自治体関係者や議員、経済
います。現在、丘珠空港においては、定期路線は
団体など総勢50名の方々がFDAのチャーター便
このHAC1社のみでございます。
で来札され、札幌側の参加者約60名と交流を図っ
なお、丘珠空港に移転する前年度の平成22年度
たところでございます。県営名古屋空港の活性化
から昨年度までの業績の推移は、一番下の表のと
に関する協議会ほかの主催により、空港周辺の両
おりでございます。
地域の交流が盛んになることを目指して企画され
続いて、4ページ目をごらんいただきたいと思
います。
たものでございます。この席上で、札幌市と札幌
商工会議所が、連名によりまして、FDAに対し
FDA、フジドリームエアラインズによるリー
て県営名古屋空港と丘珠空港の定期便就航を求め
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る要望書を提出いたしました。
供用開始を目指して現在工事中でございます。総
これまでの間、10月には、札幌市の空港担当課
事業費は、約180億円となっております。
長が県営名古屋空港を所管している愛知県庁を訪
次に、リージョナルジェット機の運航に当たっ
問し、定期便化の取り組みについて説明させてい
て、平成25年度に国土交通省のシミュレーション
ただいたほか、都市計画担当局長がFDA名古屋
ソフトを活用しまして、丘珠空港にリージョナル
本社を訪問し、再度、定期便就航の要請をしたと
ジェット機のERJが離着陸する際に想定される
ころでございます。現時点で、FDAからは、ま
騒音について試算しております。その結果、HA
だ検討中というお話でございます。
Cの現行機であるサーブ340が1日12往復24便の
続いて、6ページをごらんいただきたいと思い
ます。
とき、環境基準を超えないであろうERJ-170
の便数は1日15便程度という結果になってござい
丘珠空港の利用促進についての取り組みでござ
ます。
います。
なお、下の囲みのWECPNLとは、騒音の大
この事業は、平成23年度から取り組んでおりま
きさに加えて、飛行回数と飛行時間帯を総合的に
して、公募型のプロポーザル方式により、専門的
評価した環境基準値でございます。環境基準値
なノウハウを有する広告代理店などに業務を委託
は、住居専用地域で70以下、その他の地域は75以
し、マスメディアや各種イベントを通じて丘珠空
下となっております。
港の認知度向上に努めております。今年度は、ラ
ジオ局とタイアップしたイベントなどを行ってお
次に、8ページ目をごらんいただきたいと思い
ます。
り、10月3日のイベントの来場者は延べ580名に
一昨年、平成25年のテストフライトからことし
達しております。そのほかにも、地下鉄の電照広
のチャーター便運航に至るまで、毎年、リージョ
告やPRポスター、市役所本庁舎のエレベーター
ナルジェット機の運航に合わせて丘珠空港周辺の
内広告の掲出などに取り組んでおります。
航空機騒音調査を実施しております。騒音調査の
次に、7ページをごらんいただきたいと思いま
す。
結果については表にお示ししたとおりでございま
して、全地点で国が定める環境基準値を下回る結
丘珠空港周辺の生活環境保全についてでござい
果となっております。
ます。
平成25年4月から環境基準の算定方法がLde
滑走路を100メートル延長するに当たって平成
nというものになっておりまして、この表は全て
10年に北海道、札幌市が取りまとめたものが
Ldenで整理しております。環境基準値も、W
(1)に囲みでまとめております空港整備に係る
ECPNLと称していた前基準から数字的には13
基本的な考え方でございます。札幌市では、この
下がるものになっております。Ldenの場合の
合意事項に基づき、地域の生活環境を守りつつ、
環境基準値は、住居専用地域で57デシベル以下、
丘珠空港の活性化を図ってまいりました。また、
その他の地域は62デシベル以下となっておりま
平成13年度から、航空機による地上騒音の軽減等
す。
の緩衝機能に加え、地域のレクリエーションの場
最後の9ページ目は、騒音の測定箇所を図で示
の提供等を目的に空港緑地の整備を進めておりま
したものでございます。
す。地図の右側の南東地区は平成23年度から供用
●國安政典委員長
開始しており、また、水色に塗った北西地区は平
す。
成28年春、黄色に塗った北東地区は平成29年春の
●伴 良隆委員
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それでは、質疑を行いま
私からは、今までの経緯とと
総合交通調査特別委員会
もに、札幌市の姿勢と今後の取り組みについて確
したところとも引き続き連携していかなければな
認してまいりたいと思います。
らないのはごく当たり前のことでございます。
今までるるご説明がありまして、丘珠空港の関
そこで、私の質問でございますが、丘珠空港に
係については私たちの先輩方も大変ご苦労されて
ついては、札幌市まちづくり戦略ビジョンの中で
きたところでもございます。ジェット化断念が約
も取り上げていただき、アクションプランでも取
20年前にあって100メートルの延長にとどまっ
り上げられ、そして、今つくっている最中の都市
た、そしてまたA-netの撤退、HACの重大
計画マスタープラン、さらに札幌市の強靱化計画
インシデントと、さまざまな苦難を乗り越えてき
の中でも取り上げていただきました。また、これ
ている最中でございますけれども、ご説明があり
からのことですが、予算要求でも約6,500万円を
ましたとおり、この数年で目まぐるしい空港の変
要求している最中でございます。
化というものがございました。これに対して経済
そこで、改めて、現時点での姿勢を伺いたいの
団体がいろいろな提言をされている中で、空港の
ですが、札幌市は丘珠空港のさまざまな価値をど
利活用については、FDAも地方間の空港という
のように認識しているのか、確認したいと思いま
ことで盛り上げていきたいという思いを共通にし
す。
て盛り上がってきているところでございます。
●横井空港担当部長
市も、ここ数年で言えば、丘珠空港は、交通と
言っていいと思いますが、道内の空港ネットワー
札幌丘珠空港に関する価
値をどのように認識しているか、改めて確認した
いということでございます。
クの拠点であり、防災や医療にも資するところで
丘珠空港は、都心から約6キロのところに近接
あるといった答弁を繰り返しされてきました。し
する利便性の非常に高い空港でございまして、こ
かし一方で、FDAの動きや名古屋側の動きと
れを十分に活用することで、経済の活性化、観光
か、各種経済団体、民間団体のいろいろな提言、
振興などの面で、札幌のみならず、北海道全体の
また、地域住民の方々の20年前とは違う盛り上が
発展に寄与するものでございます。また、防災の
り、そして、HACのハンドリング等も空ビルと
拠点となる可能性も秘めているものと考えており
一緒になったパッケージングといったことで、良
ます。このため、地域の生活環境を守りながら、
好な連携をとりつつあるところでございます。そ
使われていない発着枠の活用に向け、定期便化の
して、今、秋元新市政になったという状況でござ
取り組みを進めるなど丘珠空港の活性化を図って
いまして、アクションプランにもあるとおり、観
まいりたいと考えております。
光から経済、そして産業、雇用といったアプロー
●伴 良隆委員
チが非常に重要ということになってきているわけ
けではなく、北海道全体のまちづくりに資するよ
でございます。
うな方向性を確認したところでございます。
新たな視点も含めて、札幌だ
よって、今までとは少し違う経済や観光、そし
しかしながら、状況は好転しているかのように
てまた、我々会派も強く主張している国土強靱化
は見えますけれども、実際は、エアラインが本当
に資する防災拠点といった視点も、さらにプラス
に来てくれるのかどうか、あるいは、HACの状
アルファで新たにかかってきているところでもご
況は今後どうなるか、大変心配でございます。さ
ざいます。当然、地域の市民の方々の安全・安心
らに、札幌市が借り上げている空港ビルの床もあ
ということで環境の保全も保たなければいけませ
りますが、ここにも年間4,000万円のお金を支
ん。また、自衛隊や国交省といった国との連携と
払っていて、言ってみれば、空港ビルの経営を成
ともに、北海道、新千歳空港もそうですが、こう
り立たせるために札幌市がそこで何とか踏ん張っ
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総合交通調査特別委員会
ているところでございます。
ましては、北海道庁も参加しておりまして、その
そこで、この4,000万円も、当たり前ではな
場において、丘珠-名古屋間の定期便開設に向け
く、これがゼロベースになって、空港ビルの経営
て、双方の地元やFDAで協力していくことが確
も独自の採算で成り立っていって、今、国でも一
認されたものでございます。それを受けて、10月
体経営ということで民営化等を進めていくわけで
に課長レベルで愛知県と協議を行った際には、都
すけれども、こういったことに資するようなこと
道府県同士のチャンネルを持つ北海道に窓口に
も必要でございます。また、大変喜ばしいことで
なっていただくなどご協力いただいているところ
ございますが、今後、新幹線が函館に来るといっ
でございます。この際、航空会社であるFDAと
た状況もございまして、HACに関して函館便が
も協議を行ったほか、その後、都市計画担当局長
今後どうなっていくのかと考えると、非常に心配
もFDA名古屋本社を訪問し、幹部に直接要請し
でございます。
たところでございます。国に対しましても、丘珠
そういう中で、先ほど基本的な姿勢を確認でき
空港利用者利便向上協議会という法定の協議会が
ましたけれども、札幌市の都心から6キロメート
ございますが、そういった機会を捉えて、FDA
ルという利便性のある空港に関しては、当然、自
の定期便化を通じた丘珠空港の活性化を目指すと
衛隊との関係もございますが、自衛隊あるいは国
いう札幌市の立場をるる説明してきたところでご
交省、道庁、我々の大切な市民、丘珠周辺の
ざいます。
方々、そしてまた、空港ビルとともに、エアライ
今後も、引き続きまして関係機関の理解や協力
ンの皆さん方ときちんと連携をとっていかなけれ
をいただきながら、丘珠空港の活性化のため、新
ばいけないということでございます。ただ、これ
規路線就航や定期便化に取り組んでまいりたいと
は、言葉だけの連携ではなくて、札幌市が積極的
考えております。
な姿勢を示すのであれば、コーディネーター、調
●伴 良隆委員
整役というだけではなくて、リーダーシップを
いただいているということをエビデンスでとった
とって連携していただきたいと思います。エアラ
わけでありますが、私は、個人的にもそうであり
インに来ていただきたい、誘致していきたいとな
ますけれども、丘珠空港をどうにかしなければな
れば、当然、国や道、地域の方々、エアラインと
らぬというだけではなくて、丘珠空港は北海道経
ともに、リーダーシップをとって連携をとってい
済と札幌の経済の切り札である、そして、これは
ただきたいのであります。
何かというと、まちづくりに資するものであり、
そこで、質問ですが、札幌市は、新しい路線就
具体的な行動を実際に示して
大きなテーマだというふうに思っております。
航や定期便化のための環境づくりを進めるに当た
その中で、丘珠空港がどのような分野で役に立
り、国や北海道、各航空会社などとどのように連
つのかと考えますと、今までは空港という交通の
携を図っていくおつもりか、その積極的な姿勢を
ネットワークということでありますけれども、や
伺いたいと思います。
はり、防災の拠点であるとか、経済、観光、産
●横井空港担当部長
新規路線就航や定期便化
業、雇用、丘珠周辺の地価の上昇も含めて地域に
に関する国、道、航空会社などとの連携につい
資するものなので、まちづくりの視点にまでなっ
て、札幌市がリーダーシップをとって進める考え
てくるというふうに私は思っております。
はないのかというご質問でございます。
さはさりながら、実際には、予算の要求は
先ほども資料の中で説明させていただきました
6,500万円余でありますが、こういったものにつ
小牧空港周辺の方々との8月22日の交流会におき
いても、数字だけで推しはかるわけにはいかない
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総合交通調査特別委員会
ので、その中身はどうなっているのかといった部
の航空会社であります。そのHACの安定経営、
分で我々は姿勢を問うわけでございます。また、
安定運航は、丘珠空港の活性化にとって最も重要
そういう中で、経済団体や民間団体、市民団体は
で、欠かせない要素であります。丘珠空港は、る
いろいろな提言をされている最中でございます。
るお話がありますとおり、都心に近く、利便性が
こういったことについては大変歓迎しております
非常に高いことから、ビジネス客の利用が多い空
し、いろいろな方々のいろいろな意見を集約して
港であります。運航の安定性については何よりも
いただくということをぜひともお願いしたいと思
重視すべきであります。
います。
一方で、国内では、青森空港に次いで積雪量の
しかし一方で、先ほど住民合意のことがござい
多い空港でもありまして、冬場の欠航が多いこと
ました。44便という中で、環境基準を満たしてい
が丘珠空港の一つの特徴だと思います。実際に国
くときのERJのエンブラエルは15便ということ
土交通省の資料によりますと、旅客数が最も多い
でございます。そしてまた、今現在あるのは
函館線を例に挙げますと、昨年の就航率は、夏場
1,500メートルの滑走路という状況でございま
が100%ですが、12月は90%、1月は94%とやは
す。やはり、目の前の住民合意とともに、今ある
り下がってしまっています。機材の故障や天候の
インフラの状況というものを大切にしていく、そ
悪化などにより欠航が続けば、当然、利用者が遠
の中で一つ一つの扉を開いていって、行く行くは
ざかってしまいかねません。そういった意味で、
大きな構想、グランドビジョンといいましょう
HACにおいては、引き続き安全・安定運航に向
か、グランドデザインを描いていってまちづくり
けた取り組みを図っていただき、経営の安定につ
に資するようにしていただきたいというふうに思
なげていただきたいと考えています。
う中で、1社1機でもおり立って、そして飛んで
そんな中、昨年10月、JALグループに復帰
いっていただく、こういったことがなければどん
し、約1年がたったところでございますが、グ
な構想を述べても実際には地に足がついたことに
ループに復帰した際のJALの社長のコメントで
ならないわけであります。
は、まずは現行路線を維持し、経営の安定化を
そこで、市にお願いしたいのは、先ほど申し上
図っていくということでした。確かに、現在の3
げた調整能力だけではなく、リーダーシップを
機体制の中では、現行の4路線の運航が精いっぱ
とっていただくとともに、まずは一便でも多く飛
いだとは思いますが、将来的には、今お話があり
んでいただくようにやっていただきたいのであり
ましたように、JALの力をかり、そして、札幌
ます。さまざまな構想と現実的な目標がある中
市がリーダーシップを図りながら機材をふやし、
で、44便、1,500メートルということはございま
グループ内のほかの会社が新千歳空港から運航し
すが、先を見越した形で前向きな姿勢をとってい
ている女満別、東北地方の路線なども丘珠の発着
ただきたい、そのはざまの中で市の積極性を見た
として担っていくことができれば、さらなる経営
いのであります。我が会派も、その積極性を注視
の安定化、丘珠空港の活性化につながっていくの
してまいりたいと思いますし、応援してまいりた
ではないかと考えているところであります。
いと思います。
●岩崎道郎委員
そこで、質問ですが、北海道を中心に地元が支
私からは、北海道エアシステ
える体制からJALグループの体制へと変わった
ム、HACについて、1点質問させていただきた
ことにより、これまでのところHACの経営にど
いと思います。
のようなメリットが生じているのか、伺います。
HACは、丘珠空港に定期便を有している唯一
●横井空港担当部長
- 18 -
HACのJALグループ
総合交通調査特別委員会
化によってどのように変わったか、メリットが生
も本当に簡単にできるという利便性を実感してお
じてきたかというご質問でございます。
ります。こういった意味においては、道内の各地
昨年10月、HACは、実績のある航空運送事業
域と丘珠空港がますます結ばれ、そして便数がふ
者であるJALグループにまた入ったということ
えていくことを非常に期待したいと思っておりま
で、幅広い販売網を生かした営業力の強化が図ら
す。
れ、搭乗率の維持・向上につなげていると考えて
最後に、この質問の中でも申し上げましたが、
おります。さらに、JALグループ内には、鹿児
積雪の対策です。雪が降っては飛行機が飛びませ
島を拠点にHACと同一機材を運航する日本エア
ん。そういったことで札幌市が直接何かできるこ
コミューター、略称JACと言っておりますが、
とは少ないかもしれませんが、やはり私たちのま
そういう会社がございまして、本年10月に同社が
ちにある空港ですので、先ほどから何度も出てい
保有する機材、サーブを共通事業機として登録し
るリーダーシップを図っていただき、防衛省や国
たことによって、HACの事業機として運航する
交省などのさまざまな機関と連携して、できるだ
ことが可能となったものでございます。このこと
け欠航が出ないような冬の対策を図っていただき
で、11月には、通常であれば1機が定期的な整備
たいと思います。
で減便する予定を組んでおりましたところ、JA
そのことを強く要望しまして、私からの質問を
C、エアコミューターから機材を借り受け、HA
終わらせていただきます。
Cの3機体制を維持できたことにより、通常の便
●小形香織委員
数で運航することができました。このように、J
について、1点だけ質問したいと思います。
確認の意味で、生活環境保全
ALグループの航空会社運営のノウハウや他のグ
説明では、1日12往復24便のときに、新たな小
ループ会社との協力を得られるなど、さまざまな
型ジェット機を飛ばす際の便数は1日15便程度と
メリットが生じてきているものと考えておりま
いうことでした。合わせると39便になると思うの
す。
ですが、生活環境保全の五つ項目の中には、環境
●岩崎道郎委員
きょうお配りいただいた資料
基準を超えない運航便数は現状の2倍程度、つま
では、昭和49年には70万人の乗客があったとあり
り44便程度を想定すると書かれております。先ほ
ましたが、あれを見て本当にびっくりする方のほ
どのやりとりの中で、一層の活性化が必要だ、よ
うが多いと思います。丘珠空港にそれだけのポテ
り大きな将来を描くという求めもあった中で、心
ンシャルがあったのかと実際に驚いております
配しておりますのは、生活環境保全について基準
し、過去の環境等々と比べるとそのままというわ
を超える便数を飛ばすことがないのか、この基準
けにはいかないでしょうけれども、逆の意味で、
を守るというお考えについてお聞かせいただきた
それだけのポテンシャルを秘めた丘珠空港に大き
いと思います。
な期待を寄せるべきで、そして、何とか活性化を
●横井空港担当部長
図っていくべきだと考えているところでありま
保全について、平成10年12月の基本的な考え方で
す。
ある環境基準を超えない便数の考え方をこれから
丘珠空港周辺の生活環境
私の個人的なお話になりますが、田舎が釧路な
も守るつもりがあるかということでございます。
ので、よくHACに乗って丘珠空港から釧路空港
環境基準につきましては、環境省所管の環境基
まで飛んでおります。JRで行く旅や車で行く旅
本法に基づく航空機に関する空港の運用基準でご
も悪くないのですが、何よりも早くて、雑誌一冊
ざいますので、これは国の法律に基づく基準にな
を読み終わる前に釧路に到着してしまい、日帰り
ります。したがって、空港運営に関して環境基準
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総合交通調査特別委員会
を守るのは、運営会社も航空会社も我々自治体
まえ、同社に対し、現認可案のとおり、北海道新
も、当然、それを守ることを前提に運用していく
幹線札幌駅のホームを現駅に併設することを求め
ものと考えております。
るべきと考え、決議案の提出に向け、各会派から
●國安政典委員長
ご意見を賜りながら、理事会で協議を重ね、お手
ほかに質疑はございません
か。
元に配付のとおり決議案を作成いたしました。
なければ、質疑を終了いたします。
それでは、決議案につきまして、ご意見のある
ここで、理事者が退室いたしますので、委員の
方はいらっしゃいますでしょうか。
方はそのままお待ちください。
(「なし」と呼ぶ者あり)
次に、北海道新幹線札幌駅のホームを現駅に併
設するよう求める決議についてを議題といたしま
●國安政典委員長
ご意見がなければ、決議案
の提出についてお諮りいたします。
す。
この決議案を委員会提出議案として本会議に提
最初に、お手元に配付の決議案に係る検討経過
出することにご異議ございませんか。
をご報告いたします。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
当委員会におきましては、運営方針における調
●國安政典委員長
査事項の一つに北海道新幹線に関する本市施策等
の調査を掲げ、さきに開催した委員会において、
よって、この決議案を委員会提出議案として本
会議に提出することと決定いたしました。
北海道新幹線についてを議題とし、理事者から報
告を受けたところでございます。
異議なしと認めます。
なお、決議案につきましては、あす12月10日の
本会議に提出し、私から提案説明を行います。
北海道新幹線は、来年3月26日にいよいよ新青
森-新函館北斗間が開業いたします。また、本年
最後に、委員派遣についてを議題といたしま
す。
1月には、政府・与党整備新幹線検討委員会にお
この件につきましては、理事会において調査都
いて、札幌までの延伸を5年前倒しし、平成42年
市や調査項目などを協議し、お手元に配付の内容
度末に開業を目指すことが決定されたところであ
のとおり、1月25日から27日までの日程で行政視
ります。
察を行うことで合意が得られたところでありま
本市では、国の認可などから、JR札幌駅に併
す。
設して新幹線駅を設置するとの認識のもと、駅周
ここで、委員の皆様にお諮りいたします。
辺におけるまちづくりの検討を進めてきておりま
本委員会として、本案のとおり、行政視察実施
す。しかしながら、先般、北海道旅客鉄道株式会
のため、委員派遣を行うことにご異議ございませ
社が、新幹線札幌駅のホーム位置を、現認可案の
んか。
ほか、地下や東側、西側の計4案について検討し
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
ている旨の報道があり、本市に対して検討経緯に
●國安政典委員長
関する見解が示されました。
り決定いたします。
本市は、現駅に新幹線ホームが設置されること
を前提として、各交通機関との乗り継ぎ利便性の
異議なしと認め、そのとお
なお、行程などの詳細につきましては、理事会
にご一任願います。
向上等を念頭に駅周辺のまちづくりの検討を進め
てきた経緯があり、新幹線ホーム位置の変更はこ
の検討に大きな影響を与えるものであります。
以上で、委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後1時37分
当委員会といたしましては、こうした経緯を踏
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