福島市の観光の現状 第3章

第3章
福島市の観光の現状
1.観光客入込等の状況
(1)観光客入込数の推移
平成 26 年における福島市の観光入込数は、で約 635.3 万人でした。
平成 15 年からの観光入込数の推移をみると、平成 22 年に 661.7 万人とピークを迎えたにもか
かわらず、翌年の平成 23 年は、東日本大震災の影響により、で約 547.4 万人まで激減しました。
平成 24 年には全国的な被災地支援の気運による来訪者の増加で約 627.2 万人まで戻り、平成 25 年
には約 651.4 万人まで回復しましたが、平成 26 年には再び減少に転じ、依然として震災前の水準
まで回復していません。
なお、平成 15 年及び 16 年は、他年と比べて観光入込数が極端に低くなっていますが、これは調
査地点数が少ないためです。
図 福島市の観光客入込数
表 福島市の観光客入込数
単位:人
観光客入込総数
自然
磐梯吾妻スカイライン
あぶくま親水公園周辺
吾妻山(登山者数)
歴史・文化
花見山公園
福島県立美術館
福島市古関裕而記念館
福島市民家園
花の写真館
千貫森公園(UFOふれあい館)
観光果樹園
福島市旧堀切邸
温泉・健康
飯坂温泉
土湯温泉
土湯峠温泉郷
高湯温泉
スポーツ・レクリエーション
吾妻高原スカイランド
福島市四季の里
あづま総合運動公園
ふくしまスカイパーク
あづまスキー場
都市型観光-買い物・食-
アンナガーデン
福島県観光物産館
吾妻の駅ここら
その他
道の駅つちゆ
夏まつり
平成15年
4,492,651
946,246
620,779
290,114
35,353
328,346
169,048
116,411
19,068
23,819
16年
4,414,077
876,489
594,460
251,187
30,842
366,816
201,497
125,859
18,624
20,836
17年
6,329,754
874,434
600,854
242,683
30,897
421,483
216,000
57,148
16,657
19,255
14,358
98,065
87,663
98,153
1,839,804
1,013,144
579,342
110,433
136,885
537,642
42,646
481,242
1,839,620
1,013,159
573,253
109,902
143,306
492,332
44,070
432,488
1,774,946
970,648
558,083
111,331
134,884
1,905,260
38,071
581,231
1,274,299
1,704,459
935,165
531,553
110,365
127,376
1,994,987
32,293
653,465
1,300,014
13,754
420,613
420,613
15,774
428,820
428,820
11,659
654,547
396,054
258,493
420,000
410,000
420,000
410,000
699,084
289,084
410,000
※スカイライン:平成23年7月から全車無料開放。
※高湯温泉はあったか湯を含む。
18年
6,416,062
867,657
548,227
287,668
31,762
456,420
250,000
61,197
19,201
21,628
16,731
19年
6,524,616
931,922
596,344
307,257
28,321
503,922
230,000
120,549
16,754
22,063
16,403
20年
6,370,145
718,125
548,516
141,619
27,990
498,699
260,000
86,757
16,480
20,222
16,622
6,408
92,210
21年
6,179,148
740,869
573,718
136,358
30,793
575,299
287,000
63,966
27,360
42,236
18,884
12,493
123,360
1,676,275
922,674
523,766
107,693
122,142
2,015,430
28,186
586,055
1,401,189
1,662,349
887,304
477,201
96,153
201,691
2,147,503
24,011
473,915
1,597,077
52,500
1,595,458
819,448
461,324
101,831
212,855
1,928,220
30,034
457,788
1,397,398
43,000
9,215
672,325
379,697
292,628
668,635
368,093
300,542
630,434
342,803
287,631
627,230
335,755
291,475
720,214
290,214
430,000
728,432
288,432
440,000
713,035
263,035
450,000
712,072
272,072
440,000
※花の写真館 東日本大震災被害により閉館中。
22年
6,616,980
758,708
590,013
144,030
24,665
866,365
338,000
133,367
24,812
49,410
15,308
11,565
132,377
161,526
1,531,490
811,848
416,283
95,346
208,013
1,922,671
26,717
439,541
1,415,913
40,500
23年
5,473,776
877,477
735,638
120,774
21,065
388,097
94,000
116,036
8,937
15,419
2,784
4,826
30,252
115,843
1,471,345
948,276
296,918
76,413
149,738
1,431,258
10,586
248,692
1,139,247
32,733
24年
6,272,214
1,085,816
920,798
136,561
28,457
414,628
101,000
77,646
13,718
32,705
0
5,910
50,504
133,145
1,343,059
856,231
227,728
78,676
180,424
2,197,690
18,294
316,318
1,807,716
55,362
25年
6,513,927
1,070,533
904,051
135,811
30,671
738,987
245,000
247,633
13,492
36,749
0
7,369
68,219
120,525
1,418,821
918,147
247,865
73,051
179,758
1,959,461
17,358
327,237
1,555,132
59,734
26年
6,353,129
989,803
809,443
146,342
34,018
593,199
270,000
49,214
12,487
36,939
0
9,093
83,148
132,318
1,461,373
956,695
260,422
68,672
175,584
2,089,751
23,489
328,160
1,693,678
44,424
813,145
335,764
283,771
193,610
724,601
264,601
460,000
688,762
298,622
244,826
145,314
616,837
206,837
410,000
579,239
300,427
101,363
177,449
651,782
221,782
430,000
614,226
297,634
117,977
198,615
711,899
221,899
490,000
597,659
295,749
103,624
198,286
621,344
211,344
410,000
資料:福島市観光客入込数(福島市観光コンベンション推進室)
福島市観光振興計画
9
(2)主要観光施設の利用状況
①観光資源別利用状況
福島市の観光資源を「自然」
、
「歴史・文化」、
「温泉健康」、
「スポーツ・レクリエーション」、
「都市
型観光(買い物・食)
」
、
「その他(道の駅)」に分類し利用状況をみると、平成 26 年における観光客
入込が最も多いのは、
「スポーツ・レクリエーション」で 32.9%を占めています。次いで「温泉健康」
が 23.0%、
「自然」が 15.6%、
「その他(道の駅)
」が 9.8%、
「都市型観光(買い物・食)」が 9.4%、
「歴史・文化」が 9.3%と続きます。
福島市の緑の多い自然環境に抱かれたあづま総合運動公園などのスポーツ施設や、豊かな温泉に訪
れる人が多いようです。この傾向は平成 17 年以来続いています。
図 観光資源別利用状況
資料:福島市観光客入込数(福島市観光コンベンション推進室)
②観光施設別利用状況
温泉地と夏まつりを除く、平成 26 年の観光施設の入込をみると、利用の最も多い観光施設は、あ
づま総合運動公園で観光施設入込数の 37.8%を占めています。次いで磐梯吾妻スカイラインが
18.1%、福島市四季の里が 7.3%、アンナガーデンが 6.6%と続きます。
豊かな自然の中にある観光施設が集客力を発揮しているようです。
福島市観光振興計画
10
図 観光客入込数にみる観光施設の利用状況
資料:福島市観光客入込数(福島市観光コンベンション推進室)
(3)宿泊客数等の推移
①温泉地における宿泊客数と日帰り客数の推移
平成 26 年の温泉地における宿泊客数と日帰り客数の割合は、宿泊客が 65.6%、日帰り客が 34.4%
となっており、宿泊客が 6 割以上を占め、宿泊で温泉を楽しむ利用客の方が多くなっています。
温泉地における宿泊客数と日帰り客数の推移は、平成 15 年以降の入込数が全体として減少傾向に
ある中で、宿泊客数と日帰り客数の比率はおおむね 7:3 前後で大きな変化はみられません。
図 温泉地の入込客数(宿泊客・日帰り客)の推移
資料:福島市観光客入込数(福島市観光コンベンション推進室)
福島市観光振興計画
11
②温泉地別宿泊客の推移
平成 26 年における温泉地別の宿泊客数は、飯坂温泉が最も多く 70.5 万人で宿泊客総数の 73.5%
を占めています。次いで土湯温泉が 11.6 万人(12.1%)
、高湯温泉が 9.3 万人(9.7%)
、土湯峠温泉
郷が 4.5 万人(4.7%)の順で続きます。
温泉地別宿泊客数の推移は、宿泊客総数が減少傾向にある中で、各温泉地の占める割合の大きな変
化はみられません。
図 温泉地別宿泊客の推移
資料:福島市観光客入込数(福島市観光コンベンション推進室)
③宿泊客に占める観光客の推移
福島市における宿泊者の推移は、宿泊旅行統計調査(観光庁)によると、平成 26 年における宿泊
客は約 193 万人です。この内、観光目的の宿泊客は約 89 万人(46.1%)
、観光目的以外が約 104 万人
(53.9%)です。
平成 22 年からの推移をみると、宿泊者数は増減を繰り返し、ほぼ横ばい傾向にある中で、観光目
的の宿泊者数は、震災前の水準まで回復していない一方、平成 24 年以降、観光目的以外の宿泊客数
が観光目的の宿泊者数を上回っています。
観光目的以外の宿泊客数の増加は、平成 23 年の東日本大震災と東京電力(株)福島第一原子力発電
所事故の復興・復旧関連の宿泊が多くなっていることが要因と考えられます。
図 宿泊者の推移
資料:宿泊旅行統計調査
(観光庁)
福島市観光振興計画
12
④外国人延べ宿泊者の推移
福島市における外国人延べ宿泊者数は、平成 26 年で延べ 4,790 人です。この内、観光を目的とす
る宿泊者数は 1,024 人(21.4%)
、観光目的外の宿泊者数は 3,766 人(78.6%)と観光を目的とした
外国人延べ宿泊者は約2割にとどまっています。
平成 22 年以降の推移をみると、平成 22 年の外国人延べ宿泊者数は延べ 13,057 人、観光目的の宿
泊者数が 4,887 人(37.4%)
、観光目的外の宿泊者数が 8,170 人(62.6%)でしたが、平成 23 年には
宿泊者数は延べ 4,240 人、観光目的の宿泊者数が 1,771 人(41.8%)
、観光目的外の宿泊者数が 2,469
人(58.2%)と急減しています。平成 24 年以降は増加し、平成 25 年には宿泊者数は延べ 8,233 人、
観光目的の宿泊者数が 563 人(6.8%)
、観光目的外の宿泊者数が 7,670 人(93.2%)とやや持ち直し
たものの、平成 26 年に再び減少に転じ、東日本大震災以前(平成 22 年)の4割に満たない状況で
す。
この要因としては、東日本大震災に伴う東京電力(株)福島第一原子力発電所事故による風評被害が
未だに大きく影響していると考えられます。
図 外国人延べ宿泊者の推移
注)
平成 26 年の数値は速報値のため、
目的別人数の内訳は不明
資料:宿泊旅行統計調査(観光庁)
⑤宿泊施設の状況
福島市における宿泊施設総数は 107 件あり、収容人数は 12,363 人となっています。
温泉地と市街地内をみると、宿泊施設と収容人数が最も多いのが飯坂温泉で、それぞれ 47 件、5,455
人となっています。次いで市街地内が 30 件(3,570 人収容)、土湯温泉が 17 件(2,407 人収容)
、高湯
温泉が 13 件(931 人収容)の順で続きます。
宿泊施設総数にみる1施設あたりの収容人数は、1施設あたり 116 人/施設となっています。温泉地
と市街地内でみると、収容人数が最も多いのが土湯温泉で 142 人/施設、次いで市街地内が 119 人/施
設、飯坂温泉が 116 人/施設、高湯温泉が 72 人/施設の順で続きます。
表
宿泊施設数と収容人数
飯坂温泉
土湯温泉
高湯温泉
市街地内
計
単位:件、人、人/施設
1施設当たり
宿泊施設数
収容人数
収容人数
47
5,455
116
17
2,407
142
13
931
72
30
3,570
119
107
12,363
116
資料)観光コンベンション推進室調べ
福島市観光振興計画
13
⑥宿泊施設の稼働率
平成 26 年における温泉地宿泊施設の稼働率は 18.4%~35.4%で、平均は 29.9%と推計されます。
この稼働率は低い水準にあります。
温泉地別にみると、飯坂温泉が最も高く 35.4%で、次いで高湯温泉が 27.3%、土湯温泉が 18.4%
となっています。
一方、市街地内宿泊施設の稼働率は 74.7%と推計され、高い水準にあります。稼働率が高い要因
としては、個人旅行の増加、や復興関連従事者の宿泊などが考えられます。
なお稼働率は、以下のような方法で推計しました。市街地内宿泊施設の宿泊延べ数は、宿泊旅行調
査による福島市の宿泊延べ数から観光課調べによる温泉地の宿泊延べ数を差し引き求めました。また
宿泊施設の年間可能収容人数は、宿泊施設の可能収容人数に 365 日を乗じて推計しました。
表 宿泊施設の稼働率(推計)
単位:人、%
平成26年
宿泊延べ数
宿泊施設の
可能収容
人数
年間可能
収容人数
稼働率
飯坂温泉
705,081
5,455
1,991,075
35.4
土湯温泉
161,295
2,407
878,555
18.4
高湯温泉
92,644
931
339,815
27.3
959,020
973,663
1,932,683
8,793
3,570
12,363
3,209,445
1,303,050
4,512,495
29.9
74.7
42.8
温泉地小計
市街地内宿泊施設
計
資料)観光課調べ、宿泊旅行統計調査(観光庁)
資料:観光コンベンション推進室調べ、宿泊旅行統計調査(観光庁)
(4)福島市への来訪者の動向
≪福島市来訪者調査の主な結果≫
①福島市来訪の目的
通年において、福島市を来訪した目的の複数回答で最も多いのが、
「温泉を楽しむ」で 56.8%を占
めています。
次いで「自然や景観をみてまわる」
(38.5%)、「おいしいものを食べる」(21.7%)、「復興支援」
(15.8%)が続きます。
福島市観光振興計画
14
図 福島市来訪の目的(通年、N=1308)
〈MA〉
温泉を楽しむ
自然や景観を見てまわる
おいしいものを食べる
復興支援
街なかを楽しむ
仲間と過ごす
自然を楽しむ(キャンプ、山歩き、釣り)
森林や高原でゆったり
買い物
祭りやイベント
ビジネス・研修・展示会
他地域を目的とした通過地
帰省・冠婚葬祭関連
記念日
スポーツ(ゴルフ・大会等)
その他
56.8%
38.5%
21.7%
15.8%
11.5%
10.4%
9.6%
9.5%
9.3%
7.7%
5.8%
4.4%
4.4%
2.5%
0.8%
21.9%
0.0%
20.0%
40.0%
60.0%
②福島市来訪における総合満足度
総合満足度は、通年でみると、
「大変満足」と「満足」の合計が 84.2%で、
「不満」と「大変不満」
の合計 0.9%を大幅に上回っており、来訪者の総合満足度は高くなっています。
四期別にみても、
「大変満足」と「満足」の合計が 78.5~85.8%で、来訪者の満足度は高く、特に
春期は 85.8%、秋期は 85.6%、夏期は 84.5%と通年を上回り、来訪者の満足度は高くなっています。
しかし、冬期は 78.5%と通年を下回っており、満足度の向上に向けた取り組みが望まれます。
図 総合満足度〈SA〉
通年
(N=1308)
H25夏
(N=476)
H25秋
(N=307)
H25冬
(N=200)
H26春
(N=325)
大変満足
22.7
61.5
20.6
18.2
24.0
63.9
13.7
67.4
9.4
54.5
29.2
満足
11.2
12.0
56.6
どちらでもない
不満
4.2
7.0
8.9
大変不満
3.7
4.3
無記入
福島市観光振興計画
15
③福島市への再来訪の意向
福島市への再来訪の意向は、通年でみると、「大変そう思う」と「そう思う」の合計が 92.5%で、
「思わない」と「全く思わない」の合計 1.0%を大幅に上回っており、福島市への再来訪の意向はか
なり高くなっています。
四期別にみても、
「大変そう思う」と「そう思う」の合計が 92.2~93.5%で福島市の来訪者の満足
度は高く、特に冬期は 93.5%と通年を上回り、来訪者の満足度は高くなっています。しかし、夏期お
よび秋期は共に 92.2%、春期は 92.3%と通年をわずかに下回っており、再来訪の動機付けに向けた
総合的な取り組みが望まれます。
図 福島市への再来訪の意向〈SA〉
通年
(N=1308)
40.7
51.8
H25夏
(N=476)
35.7
56.5
H25秋
(N=307)
36.8
55.4
H25冬
(N=200)
H26春
(N=325)
44.5
5.4
6.5
4.2
49.0
49.2
43.1
3.5
5.8
大変そう思う
そう思う
どちらでもない
思わない
全く思わない
無記入
福島市観光振興計画
16