連 系 線 運 用 基 準 平成27年5月 九州電力株式会社 この基準は、電気事業法第28条の41の規定に基づき電力広域的運営推進機関が策 定した「業務規程」、並びに同法第28条の40第3号及び第28条の45の規定に基づき 同機関が策定した「送配電等業務指針」を踏まえて策定したものである。 ©2004 九州電力株式会社 目 次 頁 1 総 則 3 目 1.2 適用範囲 1.3 用語の定義 2 1.1 的 空容量等の算出 2.1 対象設備 2.2 算出対象項目 2.3 算出対象期間 2.4 空容量算出 2.5 運用容量 2.5.1 運用容量の考え方 2.5.2 1回線停止時の運用容量 2.5.3 運用容量の検討断面 2.5.4 運用容量の拡大・超過 マージン 2.7 計画潮流算出 2.8 空容量等のデータの記録及び保管 3 2.6 5 連系線の利用手続き 3.1 連系線の管理の原則 3.2 送電可否判定 3.3 新規の容量登録に関する業務運行 3.3.1 確認事項 3.3.2 受付日時 3.3.3 業務運行 3.4 長期・年間・月間・週間計画における連系線の利用計画の更新に関する業務運行 3.4.1 確認事項 3.4.2 業務運行 3.5 連系線の利用計画の変更に関する業務運行 3.5.1 確認事項 3.5.2 受付日時 3.5.3 業務運行 3.6 9 翌日計画における連系線の利用計画の更新に関する業務運行 1 3.7 3.7.1 基本事項 3.7.2 受付日時 3.7.3 業務運行 3.8 4 通告変更に関する業務運行 マージン使用に関する業務運行 3.8.1 マージン使用手順 3.8.2 マージン使用可能量の通知 変更賦課金 19 4.1 目 的 4.2 変更賦課金の対象 4.2.1 変更賦課金対象の連系線及び時間帯 4.2.2 変更賦課金対象電力量 4.3 変更賦課金対象電力量の算定手続き 4.3.1 変更賦課金対象電力量の算定 4.3.2 変更賦課金対象電力量の通知 4.3.3 事後検証の対応 別表1 利用計画の変更及び通告変更の受付期間と変更可能な事由 21 別表2 計画潮流の断面 22 別表3 連系線の利用計画の更新スケジュール 22 2 1 総 則 1.1 目 的 この基準は、中国九州間の地域間連系線である関門連系線(以下、「連系線」という。)の 運用に関する事項を定め、公平な利用機会の提供を目的とする。 1.2 適用範囲 この基準は、当社が連系線の運用に関する業務を行う場合に適用する。また、本基準に定 める連系線の利用者に遵守・協力いただく事項については、当社と当該利用者で締結する給 電運用申合せ書などに定める。 1.3 用語の定義 この基準で使用する用語については、次のとおり定義する。 1 「連系線利用申込者」とは、連系線の利用(託送契約等により連系線を介して電気の供 給を行うことをいう。以下同じ。 )を希望する者をいう。 2 「連系線利用者」とは、連系線の利用計画を有する者をいう。 3 「関連一般電気事業者」とは、送電経路上の一般電気事業者をいう。 4 「需要側一般電気事業者」とは、関連一般電気事業者のうち連系線利用により供給を行 う需要が存在する地点を供給区域に含む一般電気事業者をいう。 5 「広域機関」(電力広域的運営推進機関)とは、電気事業法に定める広域的運営推進機関 として認可された法人をいう。 6 「給電指令」とは、電力設備の運転(操作又は停止を含む。以下同じ。)、電力設備の作 業中止その他必要な事項に関する指令(電力設備の運転等に用いる計算機、自動復旧装置 等により自動的に電力設備の運転等を実施する場合を含む。 )をいう。 7 「電源制限」とは、異常時において、電力系統の崩壊防止又は電力設備の保安のため、 制御装置などにより一部の発電機を緊急に遮断することをいう。 8 「マージン」とは、電力系統の異常時又は需給ひっ迫時等の対応として、連系線を介し て他の供給区域と電気を受給するため、又は電力系統を安定に保つために、各連系線の運 用容量の一部として広域機関が管理する容量をいう。 9 「希望計画」とは、連系線利用申込者から提出された連系線の利用希望量を示した新規 の計画をいう。 10 「時刻登録」とは、広域機関が、関連一般電気事業者を経由して提出された希望計画の 全てを受け取った時刻をもって、当該希望計画の登録時刻とすることをいう。 11 「送電可否判定」とは、時刻登録した希望計画が計画潮流に登録可能であるか否かの判 定を行うことをいう。 12 「送電可」とは、時刻登録した希望計画が計画潮流に登録可能であることをいう。 13 「容量登録」とは、送電可否判定において希望計画を送電可と判定した場合、当該希望 計画を計画潮流に登録することをいう。 14 「計画潮流」とは、連系線の利用者が確保した連系線の容量の合計として、広域機関が 管理する容量をいう。 3 15 「連系線の利用計画」とは、容量登録された希望計画(別表2の翌日計画・通告値運用 期間を除く。 )をいう。 16 「変更希望計画」とは、連系線利用者から提出された利用計画の変更を希望する計画を いう。 17 「増加希望計画」とは、変更希望計画のうち、その連系線の利用量が変更前の利用計画 より増加している断面に係る計画をいう。 18 「通告値」とは、翌日利用計画確定後において、連系線に流れる電力として30分単位 で連系線利用者が広域機関及び全ての関連一般電気事業者に通告したとして扱う値をいう。 19 「通告変更」とは、通告値の変更のことをいう。 20 「混雑」とは、連系線の空容量が負となる状態をいう。 21 「休業日」とは、土曜日、日曜日、国民の祝日に関する法律に定める休日、年末年始(12/29 ∼1/3) 、広域機関が指定する日をいう。 22 「営業日」とは、休業日以外の日をいう。 4 2 空容量等の算出 2.1 対象設備 連系線 2.2 算出対象項目 算出対象項目は、別表2に定める計画潮流の断面ごとの「空容量」、「運用容量」、「マージ ン」、 「計画潮流」(以下、これらを総称して「空容量等」という。 )の値とする。 2.3 算出対象期間 算出対象期間は、別表2に定める対象期間とする。 2.4 空容量算出 中央給電指令所は、別表2に定める計画潮流の断面ごとの連系線の空容量を、以下の式に より算出する。 中央給電指令所は、算出した空容量等(運用容量の決定要因を含む)及び連系線利用者か ら提出された連系線の利用計画を、別表3に定める空容量算出結果の提出期限までに広域機 関に提出する。なお、提出後に空容量等に変更を伴う事象が発生した場合、見直し後の算出 結果及びその理由を広域機関に提出する。 空容量 = 運用容量 − マージン − 計画潮流 また、中央給電指令所は、新規の容量登録などにより連系線の空容量等を更新する必要が 生じた場合、すみやかに更新値を算出し、更新した空容量等(運用容量の決定要因を含む) を広域機関に提出する。 5 2.5 運用容量 給電計画を担当する箇所は、広域機関が運用容量の算出及びその妥当性の検討において必 要とするデータを、広域機関に提出する。 2.5.1 運用容量の考え方 運用容量は、電力設備に通常想定し得る故障が発生した場合においても、電力系統の安 定的な運用が可能な最大潮流とし、次に掲げる潮流値の最小値とする。 ・熱容量等 設備健全時、又は、電力設備のN−1故障が発生した場合において、流通設備に流れ る潮流を熱容量その他の設計上の許容値以下とできる連系線の潮流の最大値とする。 ただし、熱容量とは、流通設備に電流が流れた際の当該設備の温度が当該設備を継続 的に使用することができる上限の温度となる潮流の値をいう。 ・同期安定性 通常想定し得る範囲において、送電線、変電所又は開閉所の母線その他発電機間の 同期状態に影響を与える可能性のある電力設備の故障が発生した場合に、発電機間の 同期状態が保たれ、発電機の安定運転を維持できる連系線の潮流の最大値から需要等 の瞬時的な変動に伴う潮流の偏差量を控除した値とする。 ・電圧安定性 通常想定し得る範囲において、送電線、変電所又は開閉所の母線その他電力系統の 電圧の安定性に影響を与える可能性のある電力設備の故障が発生した場合に、電力系 統の電圧を安定的に維持できる連系線の潮流の最大値から需要等の瞬時的な変動に伴 う潮流の偏差量を控除した値とする。 ・周波数維持 連系線が遮断し電力系統が分離した場合において、電力系統の周波数を安定的に維 持できる連系線の潮流の最大値とする。 2.5.2 1回線停止時の運用容量 原則として、単一事故が発生しても系統に影響を与えるような電源制限などの系統制御 を行わず安定して送電できる潮流とする。ただし、供給力の基盤として広域的に活用する 電源を送電する場合、その相当分の電源制限を行うことを前提に当該託送相当分を増加さ せる。 6 2.5.3 運用容量の検討断面 連系線の運用容量の検討断面は、次に掲げる場合を除き、30 分毎に検討する。 ・月間計画以前の断面の運用容量を検討する場合 ・連系線の混雑の発生が見込まれない場合 ・周波数維持以外により運用容量が定まる場合 なお、上記のいずれかに該当する場合は、以下のとおりとする。 (中国向き) ・長期計画では、年度を通じて1断面とする。なお、その運用容量は、需要ピーク時 の値とする。 ・年間計画から翌日計画までの検討断面は、以下のとおりとする。 ・月別 : 月別区分に加え。端境期である9月、3月については、前後半に区 分する。 9月前半(9/1∼9/15)、9月後半(9/16∼9/30) 、 3月前半(3/1∼3/15)、3月後半(3/16∼3/31) ・時間帯別: 昼間帯(8時∼20 時)※1、 点灯帯(20 時∼24 時) 、 深夜帯(0時∼8時) ・平休日別: 平日(月曜日から金曜日(連続休日※2 明けの深夜帯を除く)、祝日は 除く)※1、 休日(上記、平日以外の日)※1 ただし、特殊日(ゴールデンウィーク、盆、年末年始期間など)については、別途、 運用容量を検討する。 なお、別表2に定める各断面の運用容量については、上記断面にて検討した運用容 量の最小の値とする。また、「特殊日」及び「連続休日※2 明けの深夜帯」の運用容量に ついては、週間計画から翌日計画において使用する。 ※1 別表2に定める「昼間帯」 、「平日」、 「休日」とは異なる。 ※2 休日又は特殊日が2日以上連続する場合をいう。 (九州向き) ・長期計画から翌日計画までは、原則、年度を通じて1断面とする。 また、連系線の作業停止などにより、運用容量が減少する断面の運用容量も併せて検討 する。 7 2.5.4 運用容量の拡大・超過 当社供給区域の需給ひっ迫に対応するために、広域機関の承認のもと運用容量を拡大し て連系線を使用する場合がある。 また、事前に織り込めない突発的な事象に対応する場合及び当社供給区域の需給ひっ迫 に伴う供給力追加対策を行ったにもかかわらず需給がひっ迫している場合又はひっ迫が予 想される場合の対応のために、運用容量を超過して使用する場合がある。 2.6 マージン 給電計画を担当する箇所は、広域機関がマージンの算出及びその妥当性の検討において必 要とするデータを、広域機関に提出する。 2.7 計画潮流算出 中央給電指令所は、広域機関にて容量登録された連系線の利用計画をもとに潮流の向きを 考慮して合算し、計画潮流として算出する。 2.8 空容量等のデータの記録及び保管 空容量等を算出した各箇所は、空容量等の算出結果を記録し、算出に使用したデータを3 年間、保管する。 8 3 連系線の利用手続き 3.1 連系線の管理の原則 連系線の管理を行うにあたっては、以下を原則とする。 ・先着優先 連系線の利用において、先に受理した計画を後から受理した計画より優先して扱う こと。 ・空おさえの禁止 連系線の利用の計画段階において、実際に利用することが合理的に見込まれる量を 超えて連系線の容量を確保する行為を禁止すること。 3.2 送電可否判定 中央給電指令所は、広域機関からの依頼に基づき、送電可否判定の手順の一部として、個 別可否判定を以下のとおり行う。 個別可否判定とは、別表2に定める計画潮流の断面ごとに連系線及び当社供給区域に関し て希望計画及び増加希望計画(以下「当該希望計画等」という。)が送電可であるか否かを判 定することをいう。 ・個別可否判定において、以下の全ての条件を満たすときに、当該希望計画等を送電可と 判定する。 ・当該希望計画等が託送契約等に適合したものであること。 ・当該希望計画等の容量登録を行っても、全ての断面において連系線の空容量が負と ならず、かつ電力系統の安定運用に支障を生じないこと。 ・作業停止計画(年間計画及び月間計画)に伴い連系線の運用容量が減少する場合には、 当該連系線にかかる個別可否判定において、当該作業停止計画に伴う運用容量の減少量 を考慮する。ただし、以下に掲げる場合は、この限りではない。 ・年間計画における作業日数が一月あたり平日6日又は休日3日未満の場合。 ・月間計画における作業日数が一週あたり平日3日未満の場合。 ・広域機関からマージンの利用が認められた場合は、マージンを利用することを考慮した 個別可否判定を行う。 ・個別可否判定については、広域機関からの依頼順に行う。 9 3.3 新規の容量登録に関する業務運行 3.3.1 確認事項 ネットワークサービスセンターは、新規の容量登録の申し込みを受けた際に、連系線の 希望計画に係る発電設備等の接続検討が事前に完了していること及び以下のいずれかの条 件を満たしていることを確認する。 ・希望計画に対応する需要が確保されていること ・連系線を利用するまでの期間が1年を超え、連系線の効率的利用を阻害しないと見込ま れる需要の確保に関する計画があること ・供給先が確保できていない発電設備を保有する者又は発電設備を設置しようとする者か ら提出された希望計画であって、広域機関が、その内容の妥当性を認めていること また、原則として、供給開始の10営業日前までに、別表2に定める計画潮流の断面ご とに希望計画を提出されていることを確認する。 3.3.2 受付日時 ・受 付 日:営業日 ・受付時間:9時∼12 時、13 時∼17 時 3.3.3 業務運行 (1)申込受付 ネットワークサービスセンターは、連系線利用申込者から新規の容量登録の申し込み を受け付け、中央給電指令所に希望計画を提出する。中央給電指令所は、広域機関に希 望計画を提出する。 なお、ネットワークサービスセンターは、需要側一般電気事業者として関連一般電気 事業者への希望計画の提出を代行する場合、当該希望計画を関連一般電気事業者に提出 する。 ※申し込まれた希望計画は、広域機関により新規の時刻登録が行われる。 (2)個別可否判定の実施 中央給電指令所は、広域機関から送電可否判定の依頼を受け送電可否判定を実施し、 判定結果及び判定理由をすみやかに広域機関に通知する。また、送電可でないと判定し たときは、「送電不可となる断面とその断面で送電できる量」についてもあわせて通知す る。 (3)送電可否判定の結果の通知 中央給電指令所は、広域機関から関連一般電気事業者の判定結果を踏まえた、送電可 否判定の判定通知を受けるとともにその内容を確認し、ネットワークサービスセンター に通知する。 ネットワークサービスセンターは、送電可否判定の結果を当該連系線利用申込者に通 知する。 10 (4)空容量の更新処理 中央給電指令所は、広域機関の送電可否判定結果により、「2.4 空容量算出」に基 づき空容量等の更新処理を行い、広域機関に提出する。 (5)申込データ不備時の対応 ネットワークサービスセンターは、広域機関から申込データの欠損あるいは内容不備 により、希望計画の登録時刻の取消の通知を受けた場合、当該連系線利用申込者に取消 の通知を行う。 11 3.4 長期・年間・月間・週間計画における連系線の利用計画の更新に関する業務運行 3.4.1 確認事項 中央給電指令所は、連系線の利用計画の提出を受けた際に、提出する計画における断面 ごとの連系線の利用量が、従前の利用計画における当該断面の利用量を超えていないこと を確認する。 3.4.2 業務運行 (1)連系線の利用計画(調整用)の受付 中央給電指令所は、連系線利用者から別表2に定める計画潮流の断面ごとの連系線の 利用計画(調整用)を、別表3に定める調整用提出期限までに受け付ける。 なお、中央給電指令所は、需要側一般電気事業者として関連一般電気事業者への利用 計画の提出を代行する場合、当該利用計画を関連一般電気事業者に提出する。 (2)連系線の利用計画(空容量算出用)の受付 中央給電指令所は、連系線利用者から作業停止計画を考慮した別表2に定める計画潮 流の断面ごとの連系線等の利用計画(空容量算出用)を、別表3に定める空容量算出用 提出期限までに受け付ける。 (3)連系線の利用計画の更新 中央給電指令所は、別表3に定める空容量算出結果の提出期限までに「2.4 空容量 算出」に基づき連系線の空容量などを広域機関に提出する。 中央給電指令所は、別表3に定める利用計画更新期限までに最終的な連系線の利用計 画を更新し、連系線利用者及び広域機関に通知する。ただし、長期、年間、月間計画に おいて、利用計画更新期限が休業日の場合は、休業日前の直近の営業日に広域機関に通 知する。 (4)混雑発生時の対応 中央給電指令所は、相殺方向の連系線の利用計画の減少の結果、混雑が発生する場合、 給電運用基準「第 16 章 混雑管理」に基づき連系線の利用計画を調整するとともに、そ の結果を広域機関及び当該連系線利用者に通知する。 (5)申込データ不備時の対応 中央給電指令所は、提出された連系線の利用計画が既に登録されている容量を しているなど連系線利用者から提出されたデータに不備がある場合、その旨を 系線利用者に通知し、不備項目が修正された連系線の利用計画を受ける。 12 超過 当該連 3.5 連系線の利用計画の変更に関する業務運行 3.5.1 確認事項 中央給電指令所は、連系線の利用に関する計画変更の申し込みを受けた際に、託送契約 等の範囲内であることを確認する。なお、利用計画の変更の受付期間と変更可能な事由は 別表1に定めるとおりとする。 3.5.2 受付日時 (1)受給日の2営業日前の 12 時以前 ・「3.3.2 受付日時」に定める新規の容量登録の受付日時と同じ。 (2)受給日の2営業日前の 12 時以降 ・受給日の前日が営業日の場合:前日の 11 時∼12 時 ・受給日の前日が休業日の場合:前日の9時∼12 時 3.5.3 業務運行 (1)申込受付 中央給電指令所は、連系線利用者から連系線の利用計画変更の申し込みを受け付け、 広域機関に変更希望計画を提出する。 なお、中央給電指令所は、需要側一般電気事業者として関連一般電気事業者への変更 希望計画の提出を代行する場合、当該変更希望計画を関連一般電気事業者に提出する。 ※ 変更希望計画の、変更前の連系線の利用計画からの増加部分については、広域機関 により新規の時刻登録が行われる。 (2)個別可否判定の実施 中央給電指令所は、広域機関から個別可否判定の依頼を受け個別可否判定を実施し、 判定結果及び判定理由をすみやかに広域機関に通知する。また、送電可でないと判定し たときは、「送電不可となる断面とその断面で送電できる量」ついてもあわせて通知する。 (3)送電可否判定の結果の通知 中央給電指令所は、広域機関から関連一般電気事業者の判定結果を踏まえた、送電可 否判定の判定通知を受けるとともにその内容を確認し、当該連系線利用者に通知する。 (4)混雑発生時の対応 中央給電指令所は、相殺方向の連系線の利用計画の減少の結果、混雑が発生する場合、 給電運用基準「第 16 章 混雑管理」に基づき連系線の利用計画を調整するとともに、そ の結果を広域機関及び当該連系線利用者に通知する。 13 (5)空容量の更新処理 中央給電指令所は、広域機関の送電可否判定結果により、「2.4 空容量算出」に基 づき空容量等の更新処理を行い、広域機関に提出する。 (6)申込データ不備時の対応 中央給電指令所は、広域機関から申込データの欠損あるいは内容不備により、希望計 画の登録時刻の取消の通知を受けた場合、当該連系線利用申込者に取消の通知を行う。 14 3.6 翌日計画における連系線の利用計画の更新に関する業務運行 (1)翌日計画の受付 中央給電指令所は、受給日の前日 12 時までに、連系線利用者から翌日の連系線の利用計 画を受け付ける。 なお、中央給電指令所は、需要側一般電気事業者として関連一般電気事業者への提出を 代行する場合、当該利用計画を関連一般電気事業者に提出する。 (2)翌日計画の更新 中央給電指令所は、連系線利用者より受け付けた連系線の変更希望計画について、15 時 までに「3.5 連系線の利用計画の変更に関する業務運行」に基づき連系線の利用計画の 変更手続きを行い、その結果を連系線利用者に通知する。 なお、中央給電指令所は、連系線利用者から混雑処理又は送電可否判定の結果送電不可 と判定されたことによる調整結果を反映した連系線の利用計画を受け付けた場合、必要に 応じて変更手続きを行い、翌日の連系線の利用計画に反映する。 中央給電指令所は、別表3に定める空容量算出結果の提出期限までに「2.4 空容量算 出」に基づき翌日の連系線の空容量等を広域機関に提出する。 中央給電指令所は、別表3に定める利用計画更新期限までに最終的な翌日の連系線の利 用計画を更新し、連系線利用者及び広域機関に通知する。 (3)連系線潮流の基準値の調整 中央給電指令所は、広域機関より連絡された連系線潮流の基準値(連系線の利用計画に ついて振替損失率を考慮した値に変換したもの)が、連系線の段差制約値を超過する場合 は、当該潮流に係わる一般電気事業者と協議、調整を行う。 ただし、一般電気事業者を除く連系線利用者のみの託送で、段差制約を超過するような 大幅な段差が発生した場合、中央給電指令所は、段差制約の調整方法について、当該連系 線利用者と別途協議・調整を行う。 (4)申込データ不備時の対応 中央給電指令所は、連系線利用者から提出されたデータに不備がある場合、その旨を当 該連系線利用者に通知し、不備項目が修正された連系線の利用計画を受ける。 15 3.7 通告変更に関する業務運行 3.7.1 基本事項 通告変更の申し込みは、受給日の前日 17 時の連系線の利用計画確定以降、託送契約等の 範囲内で行うことができる。なお、通告変更の変更可能な事由は別表1に定めるとおりと する。 ただし、中央給電指令所は、電力系統に重大な事故が発生している場合、多数の通告変 更が重なった場合その他通告変更を処理することが困難な場合、本項で定める通告変更に 関する業務を一時中断する。なお、上記理由により通告変更に関する業務を一時中断した 場合、中央給電指令所は、当該時間帯に通告変更の申し込みがあった旨を記録し、保管す る。 また、中央給電指令所は、当社供給区域の需給・周波数調整などのために、緊急に通告 変更を行う必要が発生した場合は、以下の手続きによらず通告変更を実施する。 なお、こ の場合の通告変更開始時間は、一般電気事業者間で協議、調整する。 3.7.2 受付日時 原則として、受給日の前日 17 時から、受給開始の 30 分前までとする。 ただし、当社が指定するシステム以外によりデータを提出する場合は、受給開始の 60 分 前までとする。 9:00 9:30 10:00 10:30 30 分前 通告変更対象時間帯 10:00∼10:30 例えば、通告変更の対象の時間帯が、10:00∼10:30 の 場合は、9:30 までに通告変更の申し込みを行う。 3.7.3 業務運行 (1)通告変更の受付 中央給電指令所は、連系線利用者から通告変更の申し込みを受け付け、広域機関に通 告変更の希望値を提出する。 なお、中央給電指令所は、需要側一般電気事業者として関連一般電気事業者への通告 変更の希望値の提出を代行する場合、当該希望値を関連一般電気事業者に提出する。 ※ 通告変更の希望値の、変更前の通告値からの増加部分については、広域機関により 新規の時刻登録が行われる。 16 (2)通告変更可否判定の実施 中央給電指令所は、広域機関から通告変更の可否判定の依頼を受け通告変更の可否判 定を実施し、判定結果及び判定理由をすみやかに広域機関に通知する。なお、一部の値 が送電可能なときは、断面ごとにその送電可能な値を広域機関に通知する。 (3)通告変更可否判定結果の通知 中央給電指令所は、広域機関から関連一般電気事業者の判定結果を踏まえた、最終的 な通告変更の可否判定の判定通知(一部通告変更可となる場合は、新しい通告値)を受 けるとともにその内容を確認し、当該連系線利用者に通知する。 (4)連系線潮流の基準値の調整 中央給電指令所は、広域機関より通知された連系線の基準値について、「3.6(3) 連系線潮流の基準値の調整」に基づき調整を行う。 (5)混雑発生時の対応 中央給電指令所は、相殺方向の連系線の利用計画の減少あるいは連系線事故による運 用容量の減少などに伴い混雑が発生する場合、給電運用基準「第 16 章 混雑管理」に基 づき連系線の利用計画を調整するとともに、その結果を広域機関、関連一般電気事業者 及び当該連系線利用者に通知する。 (6)空容量の更新処理 中央給電指令所は、広域機関の通告変更の可否判定結果により「2.4 空容量算出」 に基づき空容量等の更新処理を行い、広域機関に提出する。 (7)通告値の再調整 中央給電指令所は、「(3)通告変更可否判定結果の通知」により通告値の変更が希望 どおり認められなかった通告変更希望者又は「(5)混雑発生時の対応」により連系線の 利用計画を調整された連系線利用者から、「2 受付日時」に定める時間までに、「(3) 通告変更可否判定結果の通知」又は「(5)混雑発生時の対応」で通知した通告値の範囲 内で新しい通告変更希望値を受け付ける。 (8)申込データ不備時の対応 中央給電指令所は、広域機関から申込データの欠損あるいは内容不備により、希望計 画の登録時刻の取消の通知を受けた場合、当該連系線利用申込者に取消の通知を行う。 17 3.8 マージン使用に関する業務運行 3.8.1 マージン使用手順 中央給電指令所は、当社供給区域の需給ひっ迫又は下げ代不足に対応するために連系線 のマージンを使用した送電を希望する場合、事前に広域機関へ当社供給区域の需給に関す る計画等を提出するとともに、マージン使用の必要性について説明し、マージン使用の承 認を依頼する。 広域機関がマージン使用を承認した場合、対象供給区域における自らの供給力不足の解 消のためにマージンを使用する供給を希望する連系線利用者は、自らの需給に関する計画 等を広域機関に提出し、マージンを使用する供給の必要性について説明する。なお、緊急 時において時間的余裕がない場合は、事後判定とすることができる。 3.8.2 マージン使用可能量の通知 中央給電指令所は、他の連系線利用申込者がマージンを使用するために、広域機関より マージン使用可能量の確認依頼があった場合、当社が確保しているマージンの使用可能量 を広域機関に通知する。 なお、当社供給区域で需給ひっ迫が発生した場合または系統故障などによる運用容量の 減少により、マージン使用可能量に変更が生じた場合には、その旨を広域機関に通知する。 18 4 変更賦課金 4.1 目 的 連系線の空おさえを抑制する観点から、連系線利用者が連系線利用の直前に当該利用を減 少する変更を行う場合において、一定の要件を満たす変更について変更賦課金を課すものと する。 4.2 変更賦課金の対象 4.2.1 変更賦課金対象の連系線及び時間帯 受給日の7日前の 17 時(計画変更賦課金対象)又は受給日の前日 17 時(通告変更賦課 金対象)において、連系線の空容量が運用容量の5%を下回る 30 分ごとの時間帯を変更賦 課金の対象とする。 4.2.2 変更賦課金対象電力量 「4.2.1 変更賦課金対象の連系線及び時間帯」に該当する連系線の時間帯において、 以下に定める電力量を変更賦課金の対象とする。 ・計画変更賦課金対象電力量 受給日の 7 日前の 17 時時点における連系線の利用計画に対する受給日の前日 12 時 時点における連系線の利用計画が 10%以上減少した電力量のうち、10%を超えた部分。 ・通告変更賦課金対象電力量 受給日の前日 17 時時点における通告値に対する実需給時点における通告値が 10%以 上減少した電力量のうち、10%を超えた部分。 ただし、以下の事由により利用計画等(利用計画または通告値をいう。以下同じ。)を減 少する場合は、変更賦課金の対象外とする。 ・マージンを使用する利用計画等を減少する場合 ・運用容量拡大分又は運用容量を超過して連系線を利用する利用計画等を減少する場合 ・不可避的な変更により利用計画等を減少する場合 ・系統運用上必然的な変更により利用計画等を減少する場合 ・発電トラブルによる変更により利用計画等を減少する場合 19 4.3 変更賦課金対象電力量の算定手続き 4.3.1 変更賦課金対象電力量の算定 中央給電指令所は、「4.2.2 変更賦課金対象電力量」に基づき変更賦課金の対象電力 量を算定する。なお、「4.2.2 変更賦課金対象電力量」のただし書きの「不可避的な変 更」、「系統運用上必然的な変更」、「発電トラブルによる変更」に該当する連系線の利用計 画の変更分については、当該連系線利用者から提出される説明資料などを付して広域機関 に提出し、対象外となるか否かの確認を依頼する。 4.3.2 変更賦課金対象電力量の通知 中央給電指令所は、広域機関の確認結果を考慮した変更賦課金対象電力量を、ネットワ ークサービスセンター及び広域機関に連絡する。 ネットワークサービスセンターは、変更賦課金対象電力量を当該連系線利用者に通知す る。 4.3.3 事後検証の対応 中央給電指令所は、広域機関から事後検証に必要な資料の提出を求められた場合には、 適切に対応する。 20 別表1 利用計画の変更及び通告変更の受付期間と変更可能な事由 受付期間(※1) 連系線利用計画の変更が可能な事由 (1)受給日の2営業日前の12時 ・不可避的な変更(※2) まで ・系統運用上必然的な変更(※3) ・発電トラブルによる変更 ・需給バランス、同時同量等のための変更 ・経済行為による変更 (2)受給日の2営業日前の12時 ・不可避的な変更(※2) から1営業日前の11時まで (3)受給日の1営業日前の11時 ・不可避的な変更(※2) から前日の12時まで ・系統運用上必然的な変更(※3) ・発電トラブルによる変更 ・需給バランス、同時同量等のための変更 但し、需給バランス、同時同量等のための変更に該当す る利用計画の減少によって混雑が発生するときは、当該 利用計画の変更を不可とする。 (4)受給日の前日の12時から前 ・不可避的な変更(※2) 日の17時まで (5)受給日の前日17時以降の通 ・不可避的な変更(※2) 告値運用時間帯 ・系統運用上必然的な変更(※3) ・発電トラブルによる変更 ・需給バランス、同時同量等のための変更 但し、需給バランス、同時同量等のための変更に該当す る通告変更によって相殺潮流が減少し混雑が発生すると きは、当該通告変更を不可とする。 ※1 受給日の前日が休業日のときも、本表に定める期限の通りとする。 ※2 不可避的な変更 ・給電指令に伴う変更 ・混雑処理に伴う変更 ・マージンの一部を利用した供給の取消に伴う変更 ・自然災害(雷、風雪、鳥獣接触等) 、公衆災害等事業者の責任ではない事象い伴う変更 ※3 系統運用上必然的な変更 ・河川の出水状況により変更が必要となる水力から送電を行うもの ・定格熱出力一定運転を行っている原子力電源において、海水温度の変化による出力変動 に対して変更がなされるもの ・供給区域の需給調整・周波数調整等に伴い変更がなされるもの ・補修や運開前運転等に伴う調整運転等の変更 21 別表2 計画潮流の断面 対象 期間 長期計画 年間計画 月間計画 週間計画 (第3∼ (第1∼ (3週間先∼ 第10年度) 第2年度) 翌々月) (2日先∼ 通告値運用 翌々週) 断面 各年度別の 各月の平休日別の 各週の平休日別の 30分ごとの 及び 最大時kW 昼間帯、夜間帯の 昼間帯、夜間帯の kWh 最大時kW 単位 翌日計画・ 30分ごとの kWh 最大時kW (※1) ・時間帯別: 昼間帯(8時∼22 時)※2、 夜間帯(0時∼8時、22 時∼24 時) ・平休日別: 平日(下記、休日以外の日)※2、 休日(土曜、日曜及び祝日並びに広域機関が指定する日)※2 ※1 計画潮流及び空容量の単位。 ※2 「2.5.3 別表3 運用容量の検討断面」に定める「昼間帯」、 「平日」 、「休日」とは異なる。 連系線の利用計画の更新スケジュール 長期計画 年間計画 月間計画 週間計画 (第3∼ (第1∼ (翌月∼ (翌週∼ 第10年度) 第2年度) 翌々月) 翌々週) 調整用 毎年1月15日 毎年12月20日 毎月5日 提出期限 17時 17時 17時 空容量算出 毎年3月10日 毎年3月1日 毎月15日 用提出期限 17時 17時 17時 対象期間 空容量算出 翌々日計画 翌日計画 毎週火曜日 受給日の 17時 前日12時 (※2) (※3) 毎週木曜日 受給日の 受給日の 14時 1営業日前 前日16時 提出期限 (※2) の前日14時 (※3) 利用計画 毎週木曜日 結果の 更新期限 公表時期 (※1) 毎年3月24日 毎年3月31日 毎年3月31日 毎年3月8日 毎年3月15日 毎年3月15日 毎月19日 毎月20日 毎月20日 受給日の 前日17時 (※2) 毎週木曜日 (※2) (※3) 受給日の 受給日の 1営業日前 前日17時 の前日15時 (※3) ※1 公表時期:広域機関がウェブサイトにおいて公表する時期。 ※2 提出期限や更新期限が休業日に当たり期限の調整が必要になる場合は、広域機関が一般電 気事業者と協議のうえ、提出期限及び更新期限を定め、これを公表する ※3 受給日の前日が休業日のときも、本表に定める通りとする。 22
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