中国地域における VOC 排出抑制自主的取組事例集 平成 27 年 2 月 経済産業省中国経済産業局 目 次 1.はじめに ................................................................................................................ 1 2.取組事例集の構成 .................................................................................................. 1 3.工業塗装における取組事例 .................................................................................... 2 4.印刷における取組事例 ......................................................................................... 22 4-1)オフセット印刷の VOC 排出抑制対策 ........................................................................ 22 4-2)グラビア印刷の VOC 排出抑制対策 ........................................................................... 31 5.産業洗浄における取組事例 .................................................................................. 38 6.接着工程における取組事例 .................................................................................. 43 7.化学工場における取組事例 .................................................................................. 47 8.参考資料 .............................................................................................................. 54 1.はじめに 本事例集は、経済産業省中国経済産業局の「平成 26 年度中国地域における揮発性有 機化合物(VOC)排出抑制のための自主的取組等の実態調査」事業として作成したも ので、VOC 排出抑制の自主的取組をまだ行っていない事業者向けに、同業種の企業が すでに実施している具体的取組事例を紹介することにより、VOC 排出抑制の自主的取 組が広く普及することを目的としています。 事業者の皆様方におかれましては、ご自分の所でも取り組める事例がありましたら、 ぜひチャレンジして頂けることを期待しています。 2.取組事例集の構成 1)取組事例の収集 中国地域の事業者等の VOC 排出抑制自主的取組の実施状況をアンケート調査し た結果、すでに自主的取組を行っているとの回答が多数ありました。 その取組内容について、各事業場を訪問、ヒアリングを行い、取組事例を収集 しました。 2)取組事例の編集 ヒアリングで収集した取組事例は、VOC 排出抑制対策の一部の事例であるため、 塗装、印刷、洗浄、接着、化学の分野に分類し、各分野における対策の全体像を 表と図で示し、今回調査し中国地域で収集した取組事例の位置づけがわかるよう にしました。 VOC 排出抑制対策の全体像は、平成 16 年 5 月に大気汚染防止法が改正され VOC 排出抑制対策が求められるようになってから 10 年間の間に実施された国の対策事 例調査結果や国、自治体、業界等のセミナーで発表された取組事例を収集整理し て作成したものです。 実際の取組事例数は 300 件以上あるため、表には事業者の皆様にとって比較的 取り組みやすい代表的な対策を中心として分野別に記載しています。 なお、今年度の調査では、事業者が取り組みやすい対策事例を収集したため、 排ガス処理装置の導入など設備投資を必要とするような導入事例等は少なくなっ ています。 3)事例集の構成 事例集は、はじめに取組事例の全体像を、次に中国地域企業の取組事例の順に 塗装、印刷、洗浄、接着、化学の順に紹介しています。 最後に、取組事例の全体像を作成するために活用した情報源を、参考資料とし て掲載しています。 1 3.工業塗装における取組事例 3-1)工業塗装における VOC 排出個所 工業塗装の場合、スプレー塗装現場での VOC 排出が全体の約 60%、セッティング(乾 燥炉に入れる前の一時保管) 時及び乾燥炉からの排出が約 25%、 機器洗浄時の排出が約 15% といわれています。塗装工場からの VOC 排出モデルを下図に示します。 スプレー塗装現場での VOC 排出源は、吹付塗装作業、色替え時の塗装器具の洗浄、塗料缶、 シンナー缶、廃ウェスや溶剤で濡れた軍手などです。 VOC VOC VOC 塗装ブース 色替え時の塗装機 塗料ホースの洗浄 乾燥炉 スプレー塗装 塗布工程 セッティング 工程 乾燥工程 塗装工場からのVOC排出のモデル 出典:VOC 排出対策ガイド(東京都立産業技術研究センター)の図を加工 3-2)工業塗装における取り組みやすい対策 工業塗装で取り組みやすい VOC 排出削減のポイントは、 ① 塗着効率の向上 ② 溶剤ロスの削減 ③ 不良率の減少 ④ 塗料、シンナー、ウェス容器の蓋閉め です。 2 ① 塗着効率の向上 塗着効率のよいスプレーガンの採用や、塗装方法の改善によって、塗料使用量の削減、 シンナー消費量の削減、産業廃棄物の減少等 VOC 排出削減だけでなく、コスト削減効果が あります。塗装技術は進化しています。慣れ親しんだ従来のスプレーガンや塗装方法への こだわりを捨てて、最適な塗装方法に切り替えるとさまざまな改善効果が得られます。 ② 溶剤ロスの低減 色替え時や作業終了時に、スプレーガンや塗料ホース(配管)を洗浄しますが、洗浄で 使用するシンナーのロスを減らすために、さまざまな方法が工夫され実施されています。 この事例集で紹介している洗浄方法を参考に、溶剤ロスの削減をしましょう。 ③ 不良率の減少 塗装した製品が品質不良になると、再度塗装することになり、塗料、シンナーを使用す ることになり、VOC の排出が増加します。 塗装の場合、品質不良の原因は塗膜表面にゴミ・ブツが付着したためであることが大半 です。ゴミ・ブツによる不良減少のために様々な取組が行われています。不良率の減少は、 作業量の低減、塗料及びシンナー使用量の減少、VOC 排出量の削減、産業廃棄物の減少効 果があり、生産性の向上、コスト削減につながります。 ゴミ・ブツ対策は根気よく続けることが大切です。あきらめずに粘り強く取り組みまし ょう。 ④ 塗料・シンナー・ウェス容器の蓋閉め 容器の蓋が開いていると溶剤が蒸発して作業場の空気を汚します。健康によくありませ んし、VOC が屋外に出れば光化学オキシダントの原因になります。 特に、ウェスや軍手は表面積が大きいので VOC の蒸発が多いことに注意が必要です。 また、塗装現場で使用するシンナー等は引火しやすいので火災予防のためにも蓋閉めは 重用です。 蓋閉めは簡単なようですが、ついつい面倒で閉め忘れることが多いものです。 従業員の健康維持のために蓋閉めが大切なことをよく理解し、自分のために蓋閉めを励行 することを教育と掲示、作業現場の見回り等で習慣づけるようにしましょう。 3 3-1)調査報告書、セミナー等で紹介されている取組事例 工業塗装の VOC 排出抑制対策の全体像を図1に示します。 塗着効率向上 溶剤ロスの減少 溶剤再生 塗装技能向上 低圧ガン 塗装機洗浄 方法の改善 溶剤回収 エアー圧力 塗装角度 塗料缶 溶剤缶 容器のふ た閉め 塗装機 空吹きやめ 塗装距離 クイックジョイント エアレスガン 廃ウェス容器 排出量 撹拌機容器 静電ガン 工業塗装の VOC 対策 コンベア・乾燥炉の 付着塗料除去 被塗物 ハイソリッド塗料 無溶剤塗料 外気 触媒燃焼装置 水性塗料 蓄熱燃焼装置 被塗室・装置 持ち込み排除 粉体塗料 冷却回収装置 作業員 室内清掃 直行率向上 (ゴミブツ対策) 低 VOC 塗料 排ガス処理装置 図1 工業塗装の VOC 排出抑制対策の全体像 工業塗装において VOC 排出抑制対策事例の全体像を表1に示します。 表1 工業塗装における VOC 排出抑制対策事例の全体像 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 塗着効率の 塗装機の選定 向上 低圧スプレーガンに変更 事例 T1 エアーレスガンを採用 事例 T2 静電ガンに変更 事例 T3 (静電塗装に切り替え) ベル型静電ガンに変更 事例 T4 (静電塗装に切り替え) 塗装方式の変更 電着塗装に切り替える 塗装方法の適正化 ガンと被塗物の距離、ガンの角度、スピー (塗装技能の向上) ド、空気圧、塗料噴霧量、ノズルパターン などを適正にする。 塗装ブースの風量低 塗装ブースに塗料ミストが過度に吸引さ 減 れるのを減らし、塗着効率を向上させる 4 事例 T5 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 色替え時の 塗料供給ホース内の 塗料供給ホースを短く、細くする。材質を 塗料ロスの 塗料を減らす 変更する。 エアー抜き時の塗料 エアー抜き時の塗料ロスを低減するため、 事例 T6 ロス低減 廃液の排出経路にバルブを設ける。 カラーチェンジバル スプレーガンの近くに設置して色替え時 ブを使用する の塗料、洗浄液が削減できる。 クイックジョイント クイックジョイントの手前の塗装ホース を使用する は色替えしなくてよくなる。 削減 カートリッジ方式を ・カートリッジ単位で色替えすることで塗 採用する 料供給ホースをなくすことができる。 ・カートリッジには塗装に必要な最低量を 事例 T7 充てんする。 塗装色の順番を最適 調色の順序の調整(なるべく類似の色を並 化 べる)により、不要な機器洗浄を回避する。 空吹きを止める スプレーガン洗浄液は容器に回収する。 使用量の削 クイックジョイント クイックジョイントからスプレーガンの 減 を使用する 先端までだけを洗浄すればよくなる。 塗料と硬化剤の混合 2 液塗料の場合、塗料と硬化剤の混合をス 場所の変更 プレーガンの直前で行うように変更し、塗 塗装機洗浄 時の洗浄剤 料供給配管の洗浄が必要な範囲を減らす。 洗浄シンナ 洗浄シンナーを回収 再生業者に再生を委託する。 ーの回収、 再生、再利 洗浄シンナーを回収しドラム缶に貯蔵し、 事例 T8 再生装置を設置 用 回収したシンナーを自社で再生し、洗い油 事例 T9 として利用する。 塗装機洗浄シンナー 洗浄シンナーを自動で回収するシステム 回収システムを導入 を設置する。 5 事例 T10 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 不良率の低 塗装室内のゴミ・ブ ・被塗物に付着した埃の除去 事例 T11 減 ツ対策 ・作業者が持ち込む埃の除去(入室前のエ 事例 T12 (ゴミ・ブ アシャワー、靴の洗浄) ツ対策) ・塗装室の密閉化、内圧化、二重扉化 ・室内の清掃 ・コンベア、ハンガー、フックの清掃 ・塗装室内の風の流れ適正化 乾燥炉でのゴミ・ブ ・エアフィルターの多重化 ツ対策 ・乾燥炉内のヤニ等の清掃 溶剤ロスの 使用中塗料缶の開口 ・上蓋の半割 事例 T13 低減 面積の縮小 ・密閉用の蓋制作 事例 T14 ・注入ノズルにキャップ取り付け 事例 T15 使用済塗料缶 ・蓋付き容器の設置 事例 T16 溶剤容器 ・蓋閉めの励行 使用済みウェス容器 ・蓋閉め励行の表示 使用中の手袋入れ ・揮発ロスと健康管理の教育 塗料撹拌機用容器 ・撹拌機用専用容器の製作 (蓋・カバ ーの設置) 事例 T17 ・蓋の製作と蓋閉めの励行 ・室内気流との接触を避けるためポリ袋 で覆う。 適正管理の 使用量・大気排出 ・VOC 排出チェックシートを作成する。 工夫 量・廃棄量の把握 ・排出場所、排出量に応じた取組 職場の有機溶剤濃度 ・排出場所、漏えい場所を特定する。 の測定 ・適正管理区域を維持するよう改善する。 必要塗料量の確認 ・塗装面積、被塗物形状、塗膜厚、塗着効 事例 T18 事例 T19 率から算出する。 塗料缶の塗料を使い ・塗料を小分けして必要最小塗料の持ち込 切る み、塗料を残さず使う。 6 事例 T20 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 低 VOC 塗 ハイソリッド塗料へ 料への転換 ・ハイソリッド塗料の採用 事例 T21 の転換 水性塗料への転換 ・水性塗装に切り替え ・ベース塗料を水性塗料に転換 ・中塗り塗料および上塗り塗料を水系塗料 に転換 ・水性電着塗装に切り替え 粉体塗料への転換 ・粉体塗装に切り替え 無溶剤塗料への転換 ・無溶剤塗料に切り替え 事例 T22 ・無溶剤紫外線硬化型塗料を採用 塗装の取り 塗装しない製品に転 塗装していたゴム製品を塗装が必要ない やめ・塗装 換 シリコーン系ゴム製品に転換した。 事例 T23 回数の削 減・塗装面 接着に転換 ・塗装による化粧板製造をやめ、プラスチ ックシートの接着に変更。 (接着剤は VOC 積の縮小 を含まない接着剤を使用) 塗装回数の削減 ・色つき防錆剤の採用により、2 回塗りを 1 回塗りにして塗料使用量を削減する。 ・下塗り塗料に色を付け、中塗り工程を省 く。 ・無溶剤塗料の採用により 1 回塗りとす る。(溶剤型塗料では 2 回塗りが必要) 塗装面積の縮小 部品の裏側等発注者が必要ないとしてい るところは塗装しない。 通い塗料容器システ 同色の塗料使用量が多い場合は、塗料缶を ムの利用 使わないで塗料容器リサイクルシステム を利用し、塗料補充時の塗料ロス、溶剤ロ スを低減している。 7 事例 T24 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 塗装方法の 水性塗装用カートリ 従来水性塗料を静電塗装するには導電性 革新 ッジ塗装方式の採用 の高い水性塗料から電流が流れるのを防 ぐために塗装機及び塗料配管を絶縁する 必要があった。水性塗料を充てんしたカー トリッジを塗装機に取り付け、絶縁性の液 体で塗料を押し出して塗装するカートリ ッジ方式が開発されて水性塗料でも溶剤 塗料と同程度の塗着効率で塗装できるよ うになった。 塗装技術の革新(塗 従来のような個別の環境技術の改善では 装工程の大幅集約) なく、高機能塗膜設計と高効率塗装技術の 事例 T25 開発による工程革新によって、超短縮/省 資源工程を実現した。 排ガス処理 塗装施設に排ガス処 ・触媒式燃焼装置を導入 装置の導入 理装置を設置 ・蓄熱式燃焼装置を導入 ・直接燃焼装置を導入 乾燥炉施設に排ガス ・触媒式燃焼装置を導入 処理装置を設置 ・蓄熱式燃焼装置を導入 ・濃縮装置、排ガス処理装置を導入 従業員の意 電着塗装の乾燥炉に ・触媒式脱臭装置を設置 脱臭装置を設置 ・蓄熱式脱臭装置を設置 事例 T26 改善成果の共有 ・対策実施の成果を共有し、コスト削減に 事例 T27 識改革 より経営に貢献していることを実感でき るようにする。 ・従業員が自信を持ち、改善意欲が高まる。 VOC 対策の健康維 ・VOC 対策は健康維持にも重要であるこ 持効果の理解度向上 とを認識できるようにする。 ・やらされる環境対策ではなく、自分のた めの取組であることを理解する。 発注者のグ 発注者からの VOC グリーン調達基準に適合した低 VOC 部材 事例 T28 リーン調達 成分不使用の要求 に転換を進めている。 事例 T29 基準 8 3-2)中国地域で収集した工業塗装時の VOC 排出抑制取組事例 今年度の調査で訪問聴取した VOC 排出抑制対策を以下に紹介します。 事例 T1 取組事例 塗装機に低圧エアスプレーガンを採用(2 例) 事業内容 船舶ブロック製造/自動車車体製造 取組の概要 塗料は溶剤系だが、低圧エアスプレーガンを使用し、塗着効率を上げ、 塗料のロスを削減している。 解説 低圧エアスプレーガンは通常のエアスプレーガンより塗着効率が約 10%高いので、塗料使用量が約 20%削減できる。VOC の排出量も約 20%削減できる。 塗装機と塗着効率(出典:すぐにできる VOC 対策[環境省]) スプレーガンの種類と塗着効率の関係 塗着効率(%) 液圧範囲 ~( エアスプレー(0.3~0.5MPa) 低圧エアスプレー(~0.3MPa) 1.0MPa) 静電エアスプレー(0.3~0.5MPa) ベル型静電塗装機 液圧範囲 エアレススプレー ~ (4.0MPa エア・エアレススプレー 静電エアレススプレー (静電エア・エアレススプレー) ) ※( )内数値は霧化するエア圧力を示します。 ※塗装品目、形状、塗装条件により塗着効率の数値は変わります。 ※塗膜の仕上がり要求を満たす塗装機を選ぶ必要があります。 ※塗料の種類によち塗装機を選ぶ必要があります。 出典:日本塗装機械工業会 事例 T2 取組事例 塗装機にエアレススプレーガンを採用 事業内容 造船 取組の概要 船体の塗装にエアレススプレーガンを使用している。 解説 エアレススプレーガンは通常のエアスプレーガンより塗着効率 が高いので、塗料使用量・VOC 排出量を約 30%削減できる。 (エアレススプレーガンの塗着効率は事例 1 の解説を参照) 9 事例 T3 取組事例 塗装機に静電エアスプレーガンを採用 事業内容 ゴム・鋼管・継手部品の製造 取組の概要 溶剤系塗料だが、静電塗装(摩擦帯電方式スプレーガン)を導入 し、塗着効率を高め、塗料ロスを削減した。 溶剤使用量削減効果(9.3 トン→6.4 トン 31%削減) 写真 静電スプレーガン (静電スプレーガン使用時の塗着効率は事例 1 の解説を参照) 事例 T4 取組事例 塗装機にベル型静電塗装機を採用 事業内容 自動車製造 取組の概要 塗着効率の良いベル型静電塗装機を採用することにより塗着効 率を大幅に改善した。 解説 ベル型静電塗装機の塗着効率は事例 1 の解説を参照 事例 T5 取組事例 塗装技能の向上 事業内容 ゴム・鋼管・継手部品の製造 取組の概要 塗膜厚さの自社基準を制定し、作業員を教育訓練して、厚塗りを 防止し、塗料使用量の削減を実現した。 解説 仕上がりを心配してついつい厚塗りになりがちであったので、過 大な膜厚は必要ないこと、またどのように吹くと膜厚が何ミクロ ンになるかを実習体験を実施して、厚塗りを防止している。 10 事例 T6 取組事例 色替え時に塗料ホース内の残塗料をエアーで削減 事業内容 自動車製造 取組の概要 色替え時にホース内の塗料を空気で押し出し、カートリッジに補 充後洗浄する。圧送力を微調整するため圧縮空気の膨張を利用す る。 これによりホース内に残留する塗料が減少するので塗料の洗浄 ロスを削減できる。 解説 1 回の色替えで削減できる塗料は数 cc 程度と少量であるが、色 替え頻度が多いことから積算すると削減量は大量になる。 事例 T7 取組事例 カートリッジには塗装に必要な最低量を充てん 事業内容 自動車製造 取組の概要 塗装色が同じ車種、台数、塗着効率等から必要最低塗料量を計算 し、必要量をカートリッジに充てんして塗装することにより、色 替え時の塗料残を最小にする。 解説 カートリッジはフラッシャブルカートリッジを使用し、塗料充て ん、使用済みカートリッジの洗浄を自動で行う。 11 事例 T8 取組事例 洗浄シンナーの回収(1) 事業内容 自動車部品製造 取組の概要 塗装機洗浄後のシンナーを回収しドラム缶に貯蔵して、再生事業 者に再生を委託する。 写真 洗浄シンナー回収ドラム缶 解説 塗料機洗浄のシンナー回収方法 効果的な洗浄方法 STEP1 ①ホースとガンを切り離す 塗料 A クイックジョイント STEP2 洗浄シンナ ② 洗浄用ノースに取り付け ガンを洗浄する ガン洗浄のみ排出量は減少 STEP3 塗料 B ③ 色替:別の供給経路につなぐ ガンまでの充填量削減 (出典: 「VOC 対策アドバイザーによる経験談」 平野克己氏) 12 事例 T9 取組事例 洗浄シンナーの回収(2) 事業内容 造船 取組の概要 溶剤再生装置を導入し、洗浄後のシンナーを回収・再生して、洗 い油として使用している。 解説 塗料ホース洗浄時のシンナー回収方法 STEP4 塗料 A STEP5 ④ホースを供給装置にリターン 経路の残塗料を回収 廃塗料削減 ⑤洗浄溶剤に取替え、供給装 置・ 経路を洗浄 洗浄液が回収できる STEP6 洗浄剤の 再利用 溶剤 蒸留回収 装置 シンナー洗浄 ⑥塗料混じりの洗浄液は蒸留装置 で再生させる 洗浄液のコスト削減 (出典: 「VOC 対策アドバイザーによる経験談」 平野克己氏) 事例 T10 取組事例 洗浄シンナーを回収(3) 事業内容 自動車製造 取組の概要 シンナー回収システムで塗装工程から洗浄シンナーを自動回収 し、配管を通してタンクに移送、リサイクルする。 解説 ― 事例 T11 取組事例 塗装前のゴミブツ対策 事業内容 自動車部品製造 取組の概要 部品製造工程から届いた部品に付着しているゴミブツを洗浄剤 でふき取り、エアブローで除去する。 洗浄室内の空気の吸気にはエアフィルターを二重又は三重に取 り付けている。 解説 ― 13 事例 T12 取組事例 作業者が持ち込む「埃」の除去 事業内容 自動車部品製造 取組の概要 塗装室前の廊下に粘着性シートを敷いて、靴底の埃を除去してい る。廊下の突き当りにあるエアシャワー室を通って塗装室に入 る。 写真 粘着シートを敷いた廊下 靴底の汚れが付着した シート ↓ 事例 T13 取組事例 塗料缶の上蓋を分割式に改造 事業内容 ゴム・鋼管・継手部品の製造 取組の概要 塗料缶の吸い込みパイプと攪拌機を缶の中央部から挿入できる ように、「分割式の蓋」を作成して蒸発を抑制する工夫をしてい る。 写真 写真左と中央が分割蓋、右は蓋を外したもの。 14 事例 T14 取組事例 塗料缶密閉用の蓋制作・利用 事業内容 自動車部品製造 取組の概要 ロボット塗装で使用する塗料缶からの VOC の揮発を防止するた め、塗料缶の上蓋に塗料ホースと攪拌機を挿入できる穴を開けた 蓋を自社で製作している。 写真 塗料缶のカバーと内部 事例 T15 取組事例 溶剤缶の注入ノズルにキャップ取り付け 事業内容 自動車車体製造 取組の概要 塗料缶、シンナー缶は少量缶を使用し、缶に取り付けたノズルの 先端にはキャップをつけて VOC の蒸発を防いでいる。 写真 ノズル先端にキャップを取り付け(キャップはホームセンターで ノズルサイズに合ったものを購入) 15 事例 T16 取組事例 蓋付き廃ウェス容器の設置 事業内容 自動車部品製造 取組の概要 塗装室内にシンナーで汚れたウェス専用の蓋つき容器を設置し、 表示を貼り付けている。 写真 蓋つき廃ウェス容器 事例 T17 取組事例 塗料撹拌機用蓋付き容器の設置 事業内容 自動車部品製造 取組の概要 塗料撹拌時に使用する手動撹拌機の入れ物(内製)で、中にシン ナーも入っているので蓋付きを使用している。 写真 撹拌機用蓋付き容器 16 事例 T18 取組事例 職場の VOC 濃度測定と VOC 濃度低減対策 事業内容 自動車部品製造 取組の概要 有機溶剤使用職場で定期的に職場の有機溶剤濃度を測定してい るが、第 2 管理区分に該当する濃度が検出されることがある。 この場合原因を究明し職場の作業環境が第 1 管理区分の濃度に なるよう改善策を実施する。 最近の対策事例では、廃ウェス容器の蓋閉めが徹底していなかっ たので、蓋つき容器を配置し、表示をした。 写真 事例 16 の写真を参照 事例 T19 取組事例 必要塗料量の確認 事業内容 造船 取組の概要 塗装面積、被塗物形状、塗膜厚、塗着効率から必要な塗料の量を 算出する。塗装に必要な塗料を現場に持参して塗装をおこなう。 (缶内の塗料はこそぎ取って使用し、廃棄塗料を削減している。 ) 解説 船の内部構造部分の面積計算が複雑で計算精度が粗くなると、塗 料管理が甘くなりがちである。 事例 T20 取組事例 塗料を小分けして必要最小塗料を用意する 事業内容 自動車部品製造 取組の概要 1 回の塗料必要量は、同色塗装の塗装物数、塗装物の種類・形状 等で決まるが、16kg 缶では塗料が残ってしまうことがあるので、 あらかじめ塗料の必要量を計算し、16kg 缶と 4kg 缶を使って塗 料を準備し、余剰塗料を少なくしている。 写真 16kg 缶から小分 けした 4kg 缶 (手前の丸い缶) 17 事例 T21 取組事例 ハイソリッド塗料への転換 事業内容 造船 取組の概要 船舶塗料にハイソリッド塗料を使用。溶剤型塗料ではあるが溶剤 の含有量が少ないので VOC の排出削減になる。 解説 ハイソリッド塗料の特徴 低 VOC 作業性 経済性 一般溶剤型塗料と比べ、VOC を 45%以上削減しますので、 大気汚染の防止に繋がります。 塗装作業性、塗装条件などは溶剤塗装と変わりません。 既設の塗装ブースがそのまま使えますので、ブース改造費が かかりません。 塗料の切替のみで環境配慮に貢献できます。 ハイソリッド塗料による VOC 削減効果 ハイソリッド塗料の VOC 削減率は、粉体塗料や水性塗料には及びませんが、溶 剤型塗料から環境配慮型塗料にする場合に最も容易に切り替えられる塗料とし て注目されています。 溶剤型塗料から 切り替えの場合 VOC 削減率 塗装設備改造 塗装条件・焼付温度 粉体塗料 水性塗料 ハイソリッド 100% 大改造 変化・高い 70~85% 中~小改造 変化・高い 45~60% 不要 変化なし (出典:Nippe Show-Biz ハイソリッド塗料) ・ハイソリッド塗料は造船以外の様々な塗装でも使用されてい る。 事例 T22 取組事例 無溶剤塗料への転換 事業内容 造船業 取組の概要 船舶の飲料水タンク塗装に無溶剤塗料を使用している。 無溶剤塗料は厚塗りができるので、1 回塗りでよく、塗装時間を 短縮できる。 解説 無溶剤塗料(ノンソル塗料)は VOC 含有量が 1%未満の塗料を いい、大幅な VOC 排出削減効果がある。 また、可燃性溶剤を含まないので火災危険性が低い、有機溶剤中 毒のおそれがないことから、換気のよくない橋脚内面の塗装にも 採用されている。 無溶剤塗料は粘度が高く作業性が劣る欠点があるが、塗装作業性 に優れた塗料も開発されてきている。 18 事例 T23 取組事例 塗装しない製品に転換 事業内容 ゴム製品製造 取組の概要 塗装をしていたゴム製品を、塗装が必要ないシリコーン系ゴム製 品に転換した。 解説 自動車用ゴム製品において塗装を必要としない製品への転換が 行われている。 事例 T24 取組事例 必要ない個所に塗らない 事業内容 自動車部品製造 取組の概要 プラスチック製品の場合、自動車部品で人目につかない個所(バ ンパーの裏側、ボンネットの裏側等)は、必ずしも塗装の必要が ないか、表面程の完全な塗装を要求されないことがある。 発注側と協議の上、必要ない個所には塗装しないで、塗料の節約、 塗装時間と検査時間を短縮している。 解説 塗装面積が減るので VOC の排出削減になる。 事例 T25 取組事例 塗装方法の革新(塗装工程の大幅短縮) 事業内容 自動車製造 取組の概要 2002 年に溶剤塗料で中塗工程と上塗工程を集約する技術を確立 し、VOC/CO2 を大幅に削減した。2009 年には、更なる VOC 削 減を狙って水性塗料を採用しつつも、単なる材料置換ではなく、 高機能塗膜設計と高効率塗装技術の開発によって工程を革新、超 短縮/省資源工程を実現し、CO2 を増加させずに VOC を大幅に 削減した。 解説 - 19 事例 T26 取組事例 蓄熱式脱臭装置を設置 事業内容 自動車部品製造 取組の概要 工場周辺への臭気問題を起こさないよう電着塗装乾燥炉の排ガ スを蓄熱式脱臭炉により処理している。 周辺住民からの悪臭苦情は出ていない。 解説 工場に塗装ラインを新設する際に、設計段階で脱臭装置の設置を 織り込んでいる。 事例 T27 取組事例 改善成果の情報共有 事業内容 自動車製造 取組の概要 職場で行う小集団活動で、塗料等の使用量削減に取り組んでい る。現場作業を熟知した作業員が改善案に基づきテストを行い、 データを取り、分析をして、小さな改善を積み重ねている。 1 つの改善効果は小さくても 1 年間を積み上げると大きなコスト 削減、VOC 削減効果を生み出している。 現場でのたゆまぬ改善努力が大きなコスト削減になった成果を 改善に取り組んだ関係者が情報共有することにより、次の改善に 意欲的に取り組んでいる。 解説 - 事例 T28 取組事例 グリーン調達基準への対応 事業内容 ゴム製品製造 取組の概要 発注企業の購買仕様書で要求されているグリーン調達基準に適 合した低 VOC 部材を使用するよう転換を進めている。 解説 部品や資材を購入する際に有害化学物質を含まないことや環境 管理標準に基づいた製造をすることを購買仕様書で規定する事 例が増えている。 20 事例 T29 取組事例 発注者のグリーン調達基準 事業内容 自動車製造 取組の概要 資材購入先、部品調達先等取引先企業に「グリーン調達ガイドラ イン」を提示し、取引先に対して法規制の遵守、環境マネジメン トシステムの構築、事業活動における環境負荷低減の取り組み、 環境負荷物質とリサイクル材使用状況の管理、環境担当者の登録 を要請している。具体的に VOC の排出削減を要請していないが 環境負荷低減の対象としている。特に自動車室内部品については 社室内の VOC 濃度を基準値以下に抑えるため、資材や部品の VOC 低減に取り組んでいる。 解説 具体的に VOC の排出削減を要請していないが環境負荷低減の対 象としている。特に自動車室内で使用する資材や部品については 車室内の VOC 濃度を基準値以下に抑えるため、VOC 低減に取 り組んでおり、 取引先の製造現場に赴き VOC 削減状況を確認し、 必要に応じて改善指導をしている。 21 4.印刷における取組事例 4-1)オフセット印刷の VOC 排出抑制対策 4-1-1)オフセット印刷における VOC 排出個所 オフセット印刷工程で VOC の排出が多い個所は、印刷時のインキ溶剤の蒸発、湿し水中 のアルコール類やエーテル類の蒸発とロールやブランケット洗浄時の溶剤の蒸発です。 また、印刷現場でのインキ缶、溶剤缶、廃ウェスや溶剤で濡れた軍手などです。 オフセット枚葉印刷機(片面4色機) 印刷ユニット 用紙の流れ 版胴 ブランケット胴 圧胴 紙渡し胴 デリバリ部 印刷部 フィーダ部 ユニット 1 つに 1 色の版がセットされており、 印刷された用紙を揃える この 4 つのユニットを通ることで 4 色掛け合 用紙を印刷部に送る わせのカラー印刷になります インキローラー 水ローラー 版胴 VOCの発生は通常印刷 VOC の発生は通常印刷 自よりも、ローラー及 時よりも、ローラー及 びブランケット洗浄時 びブランケット洗浄時 湿し水 の方が多い の方が多い ブランケット胴 用紙 圧胴 図の出典:木元省美堂 HP(オフセット印刷機) オフセット印刷方式 22 4-1-2)オフセット印刷における取り組みやすい対策 オフセット印刷で取り組みやすい VOC 排出削減のポイントは、 ② 植物性インキの使用 ② グリーンプリンティング推奨品(湿し水、H 液)の使用 ③ グリーンプリンティング推奨品の低 VOC 洗浄剤の使用(水系、植物系) ④ インキ缶、ウェス容器の蓋閉め です。 日本印刷産業連合会では、環境経営に優れた取組をしている企業にグリーンプリンティ ングの認定をしています。 印刷方式毎にグリーンプリンティング認定基準が公開されていますので、VOC 対策とし て何に取り組むとよいか参考になります。 さらに印刷資機材として推奨する商品を日本印刷産業連合会のホームページで公開して いますので、推奨品を選定できます。 4-1-3)オフセット印刷の VOC 排出抑制対策の全体像 オフセット印刷の VOC 排出抑制対策の全体像を図 2 に示します。 インキ 作業改善 資材転換 大豆油インキ 洗油容器 低 V OC 製 品 へ の 転 換 密封化 ノン VOC インキ 植物系への転換 廃棄物置場 廃ウェス・残肉容器 自動供給 UV インキ 換気装置 見える化:表示・掲示・手順書 オフセット 印刷の BOC 対策 ダンプニング IPA レス 布洗浄装置 水なし印刷 装置 石油系混合溶剤 エチレングリコール 含浸布 IPA 5%以下 低 VOC・植物系 塩素系 H液 洗浄剤 湿 し 水 水・植物系 図 2 オフセットの VOC 排出抑制対策の全体像(出典:P&Gマネジメント) 23 オフセット印刷に関して調査報告書、セミナー等で紹介されている VOC 排出抑制対策 事例の全体像を表 2 に示します。 表 2 オフセット印刷における VOC 排出抑制対策事例の全体像 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 インキ・溶剤の適正管理 VOC 使用 インキ及び各種溶剤の購入量、使用量の把 量の定量管 握し、VOC 排出削減のための管理を行っ 理 ている。 グリーンプ オフセット印刷グリーン基準に沿って リンティン VOC 排出抑制に取り組む。 事例 O1 事例 O2 グ認定取得 作業改善(適正管理) 密封化 溶剤容器 溶剤容器の蓋を閉める。 事例 O3 インキ缶(残肉容器) インキ缶(残肉容器)の蓋をする。 廃ウェス容器 廃缶保管袋を密閉化する(蓋をする)。 事例 O4 使用済みウェスは廃ウェス容器に入れ、容 事例 O5 器の蓋をする。 使用済み手袋 使用済み手袋を蓋のある容器に保管する。 廃棄物置場 廃棄物置場の容器に蓋をする。 見える化 表示・掲示・手順書 洗浄作業手順書を整備する。 資機材転換 低 VOC 製品への転 低 VOC 資材への転換を検討する。 換 グリーンプリンティング推奨品に切り替 事例 O6 事例 O7 える。 インキの VOC 対策 低 VOC イ 大豆油インキ 大豆油インクの使用 ンキへの転 ノン VOC インキ 植物油タイプインキへの転換 換 UV インキ 紫外線硬化型インキへの転換 自動インキ 自動インキ補充設備の設置(写真) 供給装置の 設置 湿し水の VOC 対策 IPA の削減 IPA 濃度を 5%以下 低 IPA 湿し水への転換 の湿し水を使用 24 事例 O8 事例 O9 IPA レス湿し水に転 湿し水のノン IPA 品への切り替え 事例 O10 換 ダンプニング装置の 導入 H液 低 VOC の H 液への H 液のノン IPA 品への切り替え 転換 植物系 H 液への転換 エチレングリコール への転換 水なし印刷 水なし印刷システムへの転換 への転換 洗浄剤の VOC 対策 低 VOC 洗 石油系混合溶剤への 浄剤への転 転換(密閉型洗浄機) る。 換 水系洗浄剤への転換 水系洗浄剤に転換する。 洗浄方法の 布洗浄装置の導入 自動洗浄装置を導入する。 改善 含浸布の採用 塩素系洗浄剤を石油系洗浄剤に切り替え その他 VOC 対策 その他 溶剤再生装置の設置 溶剤の回収・再利用のために、廃溶剤回収 装置を導入する。" レンタルウェスの利 レンタルウエスを利用する。 用 25 事例 O11 事例 O12 4-1-3)中国地域におけるオフセット印刷の VOC 排出抑制取組事例 中国地域に所在する企業を訪問し、取集した取組事例を以下に示します。 事例 O1 取組事例 インキ・溶剤の適正管理 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 インキ、洗浄剤、助剤の購入量、使用量を把握し、VOC の排出量 を理論計算で推算している。(各種取組の結果 VOC 排出量は 90% 削減を実現している。) 解説 低 VOC のインキ、溶剤はコストアップ、作業能率悪化のマイナス 面もあり改善課題であるが、VOC 排出削減は作業環境改善行おい ても確実な効果が上がっている。 事例 O2 取組事例 グリーンプリンティング認定取得 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 オフセット印刷グリーン基準に沿って VOC 排出抑制に取り組む。 解説 日本印刷産業連合会 グリーンプリンティング認定基準 購入資材 オフセット 印刷インキ (水準-1) ・VOC 含有量 1%未満(ノン VOC インキ)但し軸転インキは除く (水準-2) ・VOC 含有量 15%未満(低 VOC インキ)または大豆油インキ 製造工程 表面加工材 ・無溶剤タイプまたは低 VOC タイプの塗料 枚葉印刷 ・湿し水からの VOCVOC 発生を抑制していること ・水なし印刷システムを採用していること ・湿し水循環システムを採用するなど、IPA 濃度を 5%未満に管理していること ・VOC 配慮型湿し水を 50%以上使用していること ・洗浄剤からの VOC 発生を抑制していること ・自動布洗浄を使用する。または自動液洗浄の場合は循環システムを使用している ・VOC 配慮型洗浄剤を 50%以上使用していること ・廃ウェス容器や洗浄剤容器に蓋をする等の VOC 発生抑制策を講じていること 軸転印刷 ・熱風乾燥印刷の場合、VOC 排出処理装置(脱臭装置)を 100%設置し適切に運転・管理 していること。または UV 印刷を行っていること ・湿し水からの VOC 発生を抑制していること(枚葉印刷と同じで省略) ・洗浄剤からの VOC 発生を抑制していること(枚葉印刷と同じで省略) 表面加工 (水準-1) ・無溶剤化(UV 塗料及びサーマルフィルム使用も含む) またはアルコール類濃度 5%未満で使用すること (水準-2) ・アルコールを使用時 30%未満で使用すること (出典:P&G マネジメント) 26 事例 O3 取組事例 洗い油容器のふた閉め 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 洗い油容器のふた閉めを励行 解説 - 事例 O4 取組事例 使用後のインキ缶のふた閉めと廃棄物管理徹底 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 インキ使用後の空缶を蓋を閉めポリ袋をセットしたかごに入れ 口を閉じている。 写真 空インキ缶置き場 箱の上部に掲示した表示 27 事例 O5 取組事例 使用後のインキ缶のふた閉めと廃棄物管理徹底 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 使用済みウェスは廃ウェス容器に入れ、容器の蓋をする。 また、使用済みウェスを放置しないよう掲示している。 写真 参考 下記写真と測定データは、参考資料によるもので、訪問企業の事 例ではない。 蓋を開けた状態から蓋を閉めると VOC 濃度が 100 分の 1 にな る。 廃ウェス容器での測定例 廃ウエスの密閉! 出典:P&G マネジメント 28 25ppm ← 2,400ppm 蓋閉め効果絶大 事例 O6 取組事例 洗浄作業手順書の整備 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 洗浄作業手順書を制定し、VOC 取扱い手順を定めるとともに、 手順通りの実施状況を確認している。 解説 - 事例 O7 取組事例 グリーンプリンティング推奨品への切り替え 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 印刷資材はグリーンプリンティング推奨品を使用している。 また、有機溶剤は第二種までしか使用しない。 解説 日本印刷産業連合会のグリーンプリンティングの認定を受けて おり、VOC に関する要求事項を満たす取組をしている。 グリーンプリンティング推奨品は、日本印刷産業連合会のホーム ページ(http://www.jfpi.or.jp/greenprinting/)で公開されている。 事例 O8 取組事例 大豆油インキの使用(2 事例) 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 大豆油インキを使用している。 解説 大豆油インキとは、構成成分として大豆油を使用したインキで、 石油系溶剤も 10%程度含まれている。 事例 O9 取組事例 ノン VOC インキに切り替え 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 ノン VOC インキを使用している。 解説 ノン VOC インキとは、インキの高沸点石油系溶剤を植物油等に 置き換えて石油系溶剤を 1%未満に抑えたインキで、植物油に は、大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油、米ぬか油等がある。 29 事例 O10 取組事例 湿し水のノン IPA 品への切り替え 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 IPA5%未満の湿し水から IPA レスの湿し水に切り替えている。 H 液もアルコールを含まないものに変更している。 解説 - 事例 O11 取組事例 自動洗浄装置の導入 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 ブランケット自動洗浄装置を導入し、手作業での洗浄を取りやめ ている。 解説 版切り替え時のブランケットの洗浄は手作業だと長時間が必要 なので、自動洗浄装置を導入する。VOC の揮発ロスが減り、作 業者の健康にもよい。 事例 O12 取組事例 自動インキ補充設備の設置 事業内容 オフセット印刷 取組の概要 印刷機に自動インキ補充装置を取り付け、手作業によるインキ補 充を取りやめている。 写真 自動インキ補充設備 30 4-2)グラビア印刷の VOC 排出抑制対策 4-2-1)グラビア印刷における VOC 排出個所 グラビア印刷機(5色)の工程図 乾燥排ガス(VOC) 印刷(フィルム・紙)の流れ 給紙部 印刷ユニット 巻取部 乾燥排ガス(VOC) フィルム グラビア印刷工程で VOC の発生が多 いのは ① 乾燥排ガス(ダクトで屋外へ) 乾燥器 ② インキパンからの溶剤蒸発 ③ インキ缶、溶剤缶、ウェスからの 蒸発 VOC VOC 圧着 ローラー 版 インキ ローラー ドクター刃 グラビア印刷方式 31 4-2-2)グラビア印刷における取り組みやすい対策 グラビア印刷において取り組みやすい対策は、 ① ハイソリッドインキ及び浅版の採用によるインキ使用量(溶剤使用量)の低減 ② インキパンにカバー取り付け ③ インキパンの近くに風よけ設置 ④ インキ缶、溶剤缶、ウェス容器の蓋閉め です。 4-2-3)グラビア印刷の VOC 排出抑制対策の全体像 グラビア印刷の VOC 排出抑制対策の全体像を図 3 及び表 3 に示します。 インキ 作業改善 インキ容器 風 除 け インキバン ハイソリッド 密閉化 蓋締め 水性インキ インキ カバー取付け 溶剤容器 回収型インキ ウェス容器 局所換気 見える化:表示・掲示・手順書 グラビア印刷 の VOC 対策 高精度化 マイクロガス 排ガス濃縮 タービン 触媒燃焼 乾燥能力 印刷版 蓄熱燃焼 浅版化 高温燃焼 印刷速度 乾燥排ガス処理 印刷機・プロセス 図 3 グラビア印刷における VOC 排出抑制対策事例の全体像 32 燃焼法 表 3 グラビア印刷における VOC 排出抑制対策事例の全体像 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 作業改善 グリーンプリンティ グラビア印刷グリーン基準に沿って VOC (適正管 ング認定取得 排出抑制に取り組む。 理) インキパンからの溶 インキパンに揮発防止カバーを付ける。 剤揮発抑制 インキパンにプラスチック板とフィルム カバーを付ける。 インキパン前面に透明なカーテンを付け る。 自動粘度調整機を導入する。 密閉化・蓋閉め 溶剤容器に蓋をする。 インキ缶、溶剤缶の蓋を製作し、蓋閉めを 事例 G1 徹底する。 廃ウェス容器に蓋をする。 作業改善 見える化: 廃ウェス容器の近くに「使用後のウェス容 表示・掲示・手順書 器の蓋閉め励行」を表示する。 局所換気装置 インキパン近くの局所換気の風量を過大 (適正管 理) 事例 G2 にしない。 溶剤の回収 溶剤回収装置を設置し、使用済み溶剤から 事例 G3 溶剤を回収する。 溶剤の小分け使用 溶剤を少量容器に小分けして使用し、溶剤 事例 G4 のこぼれを減少。 低 VOC イ カラーマネジメント カラーマネジメントシステムを導入し、イ システム導入 ンキ使用計画の適正化を図っている。 ハイソリッドインキ ハイソリッドインキに転換する。 ンキへの転 水性インキ 水性インキを導入する。 換 印刷インキを水系のものに転換する。 トルエンを含むグラビアインキを使用し ていたが、可能な製造品は水性インキに転 換する。 水性専用印刷機を増設する。 回収型インキ 溶剤再生可能インキの試験利用 33 事例 G5 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 印刷機・プ 印刷版の浅版化 ロセス 製版方法をエッチング方式から彫刻方式 に移行し、版の深さを浅くすることによ り、インキ使用量を削減する。 高精度印刷版の採用 油性版に比較して、水性版セルサイズを縮 小し、浅くすることで、インキ使用量を減 少させる。 印刷速度 準備時間を短縮する。印刷速度をアップす る。 排ガス処理 乾燥能力 印刷機乾燥風量の適正化 蓄熱燃焼法 蓄熱燃焼装置を導入する(装置サイズを小 事例 G6 さくするためには、排ガスを濃縮すること も効果的である)。 触媒燃焼法 触媒式燃焼装置を導入する。 (排ガス濃縮装置と触媒燃焼装置を組み 合わせる。 ) 排ガス濃縮装置 印刷機の乾燥空気の一部を循環・濃縮し、 排ガス量を減らす。 排ガス処理 排ガス回収装置 吸着回収装置を導入する。 マイクロガスタービ マイクロガスタービン発電装置を設置す ン る。 他の印刷プ フレキソ印刷機の導 グラビア印刷からフレキソ印刷に転換す ロセスへの 入 る。 転換 34 事例 G7 4-2-3)中国地域におけるグラビア印刷の VOC 排出抑制取組事例 中国地域に所在する企業を訪問調査し、取集した取組事例を以下に示します。 事例 G1 取組事例 インキ缶、溶剤缶のふたの製作とふた閉めの徹底 事業内容 グラビア印刷 取組の概要 溶剤缶に自社で製作した蓋を取り付け、溶剤の蒸発を防いでい る。 写真 インキ缶に蓋取付 事例 G2 取組事例 使用後のウェス容器のふた閉めの励行 事業内容 グラビア印刷 取組の概要 使用後のウェスは廃ウェス容器に捨てる。容器にはポリ袋を入れ ておき、ポリ袋の中にウェスを入れる。容器の蓋閉めを徹底して いる。 写真 使用済みウェス容器 35 事例 G3 取組事例 溶剤回収装置 事業内容 グラビア印刷 取組の概要 溶剤拐取装置を設置し、使用後の溶剤から溶剤を回収する。 回収溶剤は機械・器具等の洗浄用として使用している。 写真 溶剤回収装置 事例 G4 取組事例 溶剤を少量容器に小分けして使用し、溶剤のこぼれを減少 事業内容 グラビア印刷 取組の概要 溶剤を 18 リットル缶に小分けして使用し、溶剤使用時にこぼさ ないように配慮している。 解説 この工場では大量に溶剤を使用するため、ローリー車で購入し、 貯蔵タンクに受け入れている。溶剤使用時には 18 リットル缶に 小分けして使用している。 事例 G5 取組事例 カラーマネジメントシステムの導入でインキ使用計画の適正化 事業内容 グラビア印刷 取組の概要 色調合で多種のインキを使用するが、カラーマネジメントシステ ムを導入してインキの残液が残らないようにパソコン制御で各 インキの必要最小限の量を設定している。 解説 - 36 事例 G6 取組事例 印刷機乾燥風量の適正化 事業内容 グラビア印刷 取組の概要 印刷機の乾燥風量を(使用状況により)適正化し排ガス量の低減 を図っている。 解説 同社は排ガス回収装置を設置しているので、VOC 回収装置の負 荷を下げ、ランニングコストの削減効果もある。 事例 G7 取組事例 排ガス回収装置の導入 事業内容 グラビア印刷 取組の概要 グラビア印刷の排ガス中の VOC を除去するために吸着処理装置 (脱臭装置)を導入した。 解説 大型グラビア印刷機の場合は排ガス濃度規制により、VOC 除去 装置の設置が必要になる。 37 5.産業洗浄における取組事例 5-1)産業洗浄における VOC 排出個所 洗浄時に VOC が排出しやすいのは、洗浄機による溶剤ベーパーの冷却能力不足や洗浄槽 の高さ不足による洗浄槽からベーパーの流出、風によるベーパーの流出、換気(局所排気) の過大な吸引によるベーパーの吸い出し、ベーパー乾燥不足による洗浄液の持ち出し、洗 浄カゴの形状による洗浄液の同伴などです。 三槽式洗浄機 フタ付け対策 VOC 嵩上げ対策 非使用時のフタ 冷却管 洗浄カゴ 洗浄液のベーパー 洗浄液 洗浄槽 廃液 洗浄液 蒸気槽 リンス槽 図の出典:日本産業洗浄協議会 5-2)産業洗浄における取り組みやすい対策 産業洗浄において取り組みやすい対策は、 ① 冷却能力を上げる(冷却水温度低下、冷却面積増加) ② 洗浄装置の嵩上げ ③ 洗浄槽に取り外し可能なカバー取り付け ④ 洗浄槽周囲の風よけ ⑤ 換気装置による過度の排気防止 です。 38 土井潤一氏講演資料 5-3)洗浄の VOC 排出抑制対策の全体像 産業洗浄における VOC 排出抑制対策の全体像を表 4 及び図 4 に示します。 作業手順の改善 洗浄剤揮発防止 工程の見直し 洗浄剤の転換 水系洗浄剤へ転換 周辺の風の低減 局所排気の吸い 込み形式の変更 工程のスキップ 洗浄機にふた、 ヒーターの調節 局所排気の 塩素系洗浄剤から 過剰吸引の防止 石油系洗浄剤へ転換 部分的覆いの設置 溶剤交換時期 産業洗浄の VOC 対策 洗浄液補充時の漏えい防止 冷水装置 設 置 フリーボード比 蒸気洗浄後の液切り 冷却能力 起動手順、 密閉式洗浄装置 冷却水温度 停止手順 作業手順の遵守 深冷凝縮装置 の確保 活性炭回収装置 処理装置の導入 洗浄装置 図 4 洗浄の VOC 排出抑制対策の全体像 表 4 産業洗浄における VOC 排出抑制対策事例の全体像 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 洗浄剤の揮 洗浄機に蓋・部分的 発防止 覆いの設置 洗浄槽への常設蓋を設計・設置する。 洗浄槽の上部にロールスクリーン(蓋)を 設置する。 休憩時には洗浄槽の蓋閉めを徹底する。 周辺の風の低減 洗浄槽の側面および後面に風除けカーテン を設置する。 シャッター閉めを徹底する。 局所排気の吸い込み 上方吸い込みから洗浄槽側面吸い込みに変 形式の変更 更する。 39 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 洗浄剤の揮 局所排気の過剰吸引 排気ブロワーの吸引を過大にしない。 発防止 排気ブロワーにインバーターを取り付け の防止 る。 作業時間外の局所排気の引き過ぎを改善す る。 洗浄剤容器の蓋閉め 洗浄剤補給後、洗浄剤容器(ドラム缶)の 蓋を必ず閉める。 ウェス容器の蓋閉め 使用後のウェスは蓋付容器に捨て蓋をす る。 洗浄剤の転 低 VOC 洗浄剤への 水系洗浄装置に切り替える。 換 転換 水溶性の洗浄剤に転換し、洗浄方式も変え る。 洗浄剤は、洗浄剤メーカーと協力して開発 する。 アルカリ洗浄槽を併用し、溶剤系洗浄の回 数を減らす。 溶剤型超音波洗浄から噴射式水洗浄に転換 する。 塩素系洗浄剤から石 石油系密閉型洗浄装置に切り替える。 油系洗浄剤への転換 作業手順の 作業手順の明確化 遵守 洗浄マニュアルを作成する。 洗浄マニュアルを教育する。 作業手順書を掲示する。 起動手順・停止手順 冷却水の通水、局所排気装置を稼働した後 に洗浄槽の昇温、洗浄作業を行い、作業終 了後も冷却水及び局所排気装置はしばらく 停止しない。 蒸気洗浄後の液切り 蒸気洗浄時の静止時間を確保する。 洗浄液補充時の漏え 洗浄液を補充する際にこぼさないようにす い防止 る。 洗浄液補充方法の制 廃液の分析と洗浄液の補充・廃棄管理を標 定 準化する。 40 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 作業手順の 洗浄を不要とする検 製品が汚れない製造工程に変更し、洗浄を 改善 討 不要にする。 洗浄を不要にするため加工油を速乾性のも のに変える。 清浄度基準の見直し。 工程順序の見直し 工程順序を変更して、部品のみを洗浄する ようにする。 一部工程のスキップ 被洗浄物の形状・汚れの状況に応じてシャ ワーリンスの工程を省く。 効果の少ないシャワー工程を停止する。 効果の少ない超音波を停止する。 蒸気洗浄後の液切り 冷却ゾーンでの放置時間を延長する。 現場で口頭指導して徹底する。 処理量が多い場合のために、自然乾燥ボッ クスを用意する。 ヒーターの調節 ヒーターの能力をやや下げて、溶剤の拡散 を抑える。 過大なヒーター容量を削減する。 溶剤交換時期の見直 洗浄剤の交換頻度を減らす。 し 洗浄前に切削油の油切りを徹底し、洗浄剤 (塩化メチレン)の交換頻度を少なくする。 洗浄装置の 溶剤の再利用 溶剤を温度管理して再利用する。 冷却能力の強化 冷却水温度を下げる。 改造 冷水装置(チラー)を設置する。 冷却水配管の内面・外面を清掃する。 洗浄槽を深くし、冷却コイルを増やす。 冷却水の流量を増やす。 冷却水配管の管径を太くする。 フリーボード比の確 洗浄槽を深くし、ベーパー冷却域を高くす 保 る。 洗浄物の動き 被洗浄物に上下動を与えることにより、洗 浄効果を高め、時間を短縮する。 洗浄カゴを回転させて洗浄効果を高める。 41 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 洗浄装置の 洗浄カゴ 改造 洗浄物に対応した最適な洗浄カゴを使用す る。 洗浄カゴのメッシュを改善する。 洗浄カゴに仕切板を取り付ける(液切りの 改善) 。 洗浄カゴの液切りをよくするために孔を開 ける。 治具 治具の液溜まりを減らすために、孔を開け る。 仕上げ洗浄の後、パレットを 2 秒傾けるこ とにより、パレット上に残った洗浄液を洗 浄槽に戻す。 処理装置の 密閉式洗浄装置 密閉式洗浄装置を採用する。 活性炭回収装置 活性炭回収装置を導入する。 導入 溶剤は回収・再生する。 再生した溶剤は洗浄液として再利用する。 深冷凝縮装置 深冷凝縮装置を導入する。 溶剤は回収・再生する。 再生した溶剤は洗浄液として再利用する。 5-2) 中国地域で収集した産業洗浄の VOC 排出抑制取組事例 今年度の調査で訪問聴取した VOC 排出抑制対策として紹介できる事例は見出せませんで した。 42 6.接着工程における取組事例 6-1)接着の VOC 排出抑制対策の全体像 接着工程における VOC 排出抑制対策の全体像を表 5 及び図 5 に示します。 多物質への転換 適正管理 水系接着剤 標識 職場パトロール 意識喚起 無溶剤接着剤 接着剤塗布済みフ 報告会 ィルムの使用 接着工程の VOC 対策 溶剤缶に蓋取付け 蓄熱燃焼装置 冷却凝縮装置 撹拌タンク密閉 密閉化 活性炭吸着装置 触媒燃焼装置 扉の二重化 マイクロガスタービン タンク密閉 処理装置の導入 装置の改造 図 6 接着における VOC 排出抑制対策の全体像 表 6 接着における VOC 排出抑制対策の全体像 対策の 該当設備 具体的対策 分類 適正管理 事例番号 全般 作業者の意識喚起のために、標識を設置す る(例: 「廃液はお金を捨てているのと同じ こと」など)。 工場内各所の VOC 濃度を測定する。 測定結果と風量データを元に、VOC の使用 箇所ごとに排出量を計算し、重点箇所を絞 り込む。 装置のメンテナンス、パッキンの交換を行 う。 意識喚起のために、報告会を開催する。 VOC 対策案をリストアップし、優先順位を 付ける。 適正管理 中国地域 全般 VOC 対策の責任者を任命する。 43 対策の 該当設備 具体的対策 分類 事例番号 自主行動プランシートを作成する。 パトロールにより適正管理の状況をチェッ クする。 全般(接着剤製造) 建屋内の温度上昇防止のために、給気を増 加する。 溶剤缶 溶剤缶は必ず台車で運ぶようにルール化す る。 蓋・カバー 排ガス処理装置 排ガス処理効率を把握する。 溶剤容器 容器に蓋を設置する。蓋は二つに割る、あ の設置 蓋閉めの るいは切り欠きを付ける。 溶剤缶 励行 溶剤缶に蓋を取り付ける。 蓋閉めを励行する。 保管室 作業性を損なわない程度に保管室の扉を閉 める。必要に応じて、給気系・排気系を改 善する。 塗工部 蓋閉めを励行する。 装置接続部 装置接続部を密閉化する。 全般 外からの風を防止するために、扉を二重に する、隙間防止スポンジテープを貼る。 乾燥炉 溶剤缶に蓋を作成して設置する。また塗工 機前にカバーをする。 タンク 攪拌タンク、攪拌機を密閉化する。 溶剤タンクに蓋を設置する。 不燃性のカーテンで間仕切する。 密閉化を行う。" ウェス容器 蓋閉めを励行する。 作 業 手 タンク 作業マニュアルを改善する。 順・処理手 ドライラミネータ VOC の回収・精製と工場内で再利用する。 順の改善 ー 付加設備 抄造施設 の導入 他物質へ 中国地域 抄造機への扉の設置による排出ガス(二硫 化炭素)の漏洩を防止する。 塗工機、乾燥施設 水系接着剤や接着剤塗布済みフィルム(サ 44 対策の 該当設備 具体的対策 分類 中国地域 事例番号 転換 ーマルフィルム)に転換する。 休日は接着剤が固化しないように、石油缶 に戻して密栓する。 塗工機 接着剤塗布済みフィルムに代替する。 塗工機 水系洗浄を導入する。 洗浄溶剤の使用を最小限にする。 作業改善、ガス拡散防止装置を設置する。 塗工機 水系接着剤に転換する。 接着施設 接着剤を水系のものに転換する。 接着施設 接着剤の溶剤を揮発性の低い物質に転換す る。 焼結工程 接着剤を水糊や水溶性接着剤に転換する。 ラッピング機 無溶剤接着剤を採用する。 処理装置 不明 溶剤回収装置を導入する。 の導入 塗布工程、発泡工程 排ガス処理のために、蓄熱式燃焼装置を導 入する。 塗工機 活性炭吸着回収装置を導入する。 接着施設 排ガス処理のために、直接燃焼装置を導入 する。 接着施設 排ガス処理のために、繊維状活性炭吸着回 収装置を導入する。 乾燥炉等 マイクロガスタービン発電装置を設置す る。 乾燥炉 排ガス処理装置を設置する(例:簡易な活 性炭吸着装置) 。 風量を下げるために、乾燥炉内を分割する。 処理装置 乾燥炉 燃焼処理装置を導入する。 乾燥施設 蓄熱燃焼処理装置を増設する。 乾燥施設 吸着・回収装置を検討する。 乾燥施設 乾燥施設の密閉化強化、活性炭吸着装置の の導入 運転最適化等により、トルエン回収率を向 上させる。 ドライラミネータ VOC の回収精製装置を導入し、工場内での 45 事例 S1 対策の 該当設備 具体的対策 分類 中国地域 事例番号 ー(乾燥工程) 再利用を促進する。 蓄熱燃焼装置を導入し、第1ゾーンの高濃 事例 2 度VOCを処理している。 6-2)中国地域における接着工程での VOC 排出抑制取組事例 中国地域に所在する企業を訪問調査し、取集した取組事例を以下に示します。 事例 S1 取組事例 水溶性接着剤の導入 事業内容 スポーツシューズ製造 取組の概要 一般のウォーキング用シューズの接着剤を水溶性に切り替えた。 その他のシューズについても水溶性接着剤に切り替えつつある。 厳しい製品品質保証が要求される高級シューズの接着剤を水性に変 更するのは難しい。 解説 - 事例 S2 取組事例 乾燥ガス処理装置の導入 事業内容 フィルムラミネーション 取組の概要 ドライラミネーション設備の第1ゾーンの乾燥ガスは VOC が高濃 度なので、蓄熱燃焼装置を設置し燃焼除去している。 写真 蓄熱燃焼装置 ブロワー(右)と制御盤 *ドライラミネーション(接着)の VOC 排出抑制対策は、グラビア印刷の VOC 対策 と共通点が多いため、グラビア印刷の対策も参考にしてください。 46 7.化学工場における取組事例 7-1)調査報告書、セミナー等で紹介されている化学工場の取組事例 化学工場における VOC 排出抑制対策の全体像を図 6 及び表 6 に示します。 化学プロセスは多種多様で、プロセスによって VOC 排出抑制対策もさまざまですが、公開 されている取組事例を整理したものを全体像としています。 また、取組事例は化学工業のほか石油製品関連工場の取組も含めています。 他物質への転換 作業手順の改善 反応工程変更 抽出 工程 撹拌タンク 乾燥工程 素材変更 容器 化学工場の VOC 対策 反応 方式 変更 蓄熱燃焼装置 冷却凝縮装置 密閉化 冷却回収 活性炭吸着装置 触媒燃焼装置 タンク改造 スクラバー 処理装置の導入 装置の改造 図 6 化学工場における VOC 排出抑制対策の全体像 表 6 化学工場における VOC 排出抑制対策の全体像 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 作業管理 有機溶剤取扱い管 有機溶剤取扱い管理の徹底 理 従業員教育 職場会議で従業員教育を実施 作業手順・処 抽出施設 使用量を削減するために、抽出溶媒のリサ 理手順の改 イクル率を向上させ、また抽出時間を延長 善 することで、抽出率を向上させる。 乾燥施設 乾燥しない製法に変更する。また原料の投 入量を約半分にしても問題ないため減ら す。 47 事例 C1 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 作業手順・処 撹拌タンク 攪拌タンクに蓋をする。また攪拌時間につ 理手順の改 いては、仕上がり具合(粘度、色、塗膜な 善 ど)を測定しながら、製品ごとに設定して、 作業手順・処 最適化、最短化する。 理手順の改 容器 善 容器のふた閉めを励行する。 溶剤容器、使用済みウェス容器にふたを取 事例 C2 り付ける。 装 置 の 改 反応設備を連続重 製造プロセスをバッチ重合式から連続重 造・入れ替え 合方式に転換 合式に転換する。 付加設備の 反応施設をクロー 設備を密閉式循環方式に改造する。 導入 ズド方式に転換 原料投入工程の密 撹拌槽の上部を開放して原料を投入する 閉化 方式から、配管で投入する方式に変更す 事例 C3 る。 反応施設各部の密 プラントの開放部分を密閉化する。 閉化 テフロン、シリコンパッキン、ドライシー ル(メカニカルシール)で密閉する。 コンデンサーで反応ガスを冷却する。溶剤 は釜に戻す。 グランドパッキン、メカニカルシールで密 閉する。 VOC の冷却回収 VOC を含むガスの冷却回収を行う。冷却 には、コンデンサー(-20℃)とドライ アイス(-170℃)を用いる。 溶剤回収装置の冷却を水冷から冷媒に切 り替えることにより回収率を向上させた。 貯蔵タンク 貯蔵タンクを固定屋根式から内部浮屋根 式に改造する。 液面計を設置し、タンクへの液量が一定と なるように制御する。 (従来は、タンク内 の液量が減ると、補充していた。) タンク内の温度を下げて、VOC の分圧を 下げる(85℃→60℃) 。 48 事例 C4 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 装置の改 貯蔵タンク 造・入れ替え 付加設備の エアリングからの排出削減のために、凝縮 液化設備を設置する。 計量タンク 導入 充填量の計量メモリの精度向上により、添 加量を適正にする(過剰に添加していた分 が減る)。 他の物質へ 反応工程の変更 塩化メチルを使用しないで製品を製造す る工程に変更する。また燃焼処理装置を設 の転換 置する。 樹脂素材の変更 揮発性のある可塑剤が必要な樹脂からオ レフィン系の樹脂に転換する。 繊維素材の変更 繊維製品の硬化にフェノール樹脂(未反応 モノマーを含む)を使用していたが、フェ ノール樹脂を使わない繊維に転換する。 排ガス処理 反応設備からの排 活性炭回収装置を導入する。 装置・ 出ガス処理 VOC 吸着装置を導入する。 回収処理装 排ガス処理のために、シリカゲルを使った 置の導入 除去回収装置を導入する。 反応釜からの未反応分のスチレンの排気 口に触媒燃焼処理装置を導入する。 排ガス処理のために、直接燃焼装置を導入 する。 排 ガ ス 処 理 の た め に 、 PSA(Pressure Swing Adsorption)装置、触媒酸化装置、 蓄熱燃焼装置を導入する。 製造プロセスをバッチ重合法から連続重 合法に転換する。排ガス処理のために、蓄 熱燃焼装置を導入する。 反応設備、乾燥設 排ガス処理のために、蓄熱式燃焼装置を導 備、溶融押出機から 入する。 の排ガス処理 反応施設、精製施 排ガス処理のために、コンデンサー、活性 設、乾燥施設からの 炭吸着装置を導入する。 排ガス処理 49 対策の分類 対策項目 具体的対策 中国地域 事例番号 排ガス処理 反応施設、洗浄施設 排ガス処理のために、触媒式燃焼装置、ス 装置・ からの排ガス処理 クラバーを導入する。 回収処理装 抽出施設からの排 溶剤抽出塔の排気口に冷却凝縮処理装置 置の導入 ガス処理 (コンデンサー)を設置する。除去し切れ ない分は、既設ボイラーで焼却処理する。 蒸留設備からの排 蒸留設備のベントガス中の VOC を活性炭 ガス処理 吸着及びスクラバーで除去している。 混合施設からの排 排ガス処理のために、活性炭吸着装置を導 ガス処理 入する。 乾燥施設からの排 排ガス処理のために、蓄熱式燃焼装置を導 ガス処理 入する。 局所排気の排ガス 局所排気ダクトの出口部に活性炭吸着設 処理 備を設置し溶剤ベーパーを吸着除去して 事例 C5 事例 C6 いる。 排ガス処理装置 触媒燃焼装置の触媒を交換する(臭気はか なり改善) 。 排ガス処理装置 処理能力の大きな活性炭吸着装置に入れ 換える。 7-2)中国地域で収集した化学工場の取組事例 今年度の調査で訪問聴取した VOC 排出抑制対策を以下に紹介します。 事例 C1 取組事例 有機溶剤取扱い管理の徹底 事業内容 塗料用合成樹脂・シンナー等の製造 取組の概要 作業場が第二管理区分に該当するため、定期的に作業環境測定を 実施し、VOC の蒸発・揮散防止に努めている。また、局所排気 設備を設置している。 解説 - 50 事例 C2 取組事例 溶剤容器、使用済みウェス容器に蓋を取り付け 事業内容 各種工業用洗剤の製造 取組の概要 溶剤容器、使用済みウェス容器に従業員が製作した蓋を取り付 け、VOC の蒸発を抑えている。 写真 溶剤容器の蓋 事例 C3 取組事例 原料投入工程の密閉化 事業内容 各種工業用洗剤の製造 取組の概要 撹拌槽の上部を開放して原料を手作業で投入する方式から、配管 で送入する方式に変更している。 解説 以前は原料缶を撹拌槽の上に運び、手作業で槽内に投入していた ので投入作業時に投入口から VOC が揮発していた。タンクから 配管で撹拌槽に送入するように変更し、蒸発ロスがなくなるとと もに作業環境も改善した。 51 事例 C4 溶剤回収装置の冷却を水冷から冷媒に切り替える 取組事例 事業内容 受託化学品製造、蒸留精製受託事業 取組の概要 溶剤回収装置での蒸留製品の冷却を水冷から冷媒に切り替えるこ とにより回収率を向上させた。 (92%→95%) 写真 冷却器(最上部) 冷媒タンク(右)と クーラー(左) 図 精製工程のフロー図 密閉 冷却器 密閉 ①サンプリング 密閉 蒸留 貯蔵 窯 タンク 貯蔵 タンク ローリー受入 ②ローリー積込 ②ドラム充填 52 事例 C5 取組事例 蒸留設備のベントガス中の VOC を活性炭吸着及びスクラバーで の吸収で除去 事業内容 石油製品、化学品の蒸留 取組の概要 蒸留設備のベントガス中の VOC を 2 種類の方法で除去してい る。1 つは各所の排ガスを集合してアルカリ水スクラバーで吸収 処理している大型の設備。もう一つは小型の活性炭吸着処理装置 である。 写真 小型活性炭吸着装置 事例 C6 取組事例 局所排気ダクトの出口部に活性炭吸着設備を設置 事業内容 各種工業用洗剤の製造 取組の概要 局所排気ダクトの出口部に活性炭吸着設備を設置し溶剤ベーパ ーを吸着除去している。局所排気を行っているのは製品を缶に充 てんする充てん口付近の空気である。 写真 充てん機付近の吸引ダクト 53 活性炭吸着槽 8.参考資料 VOC 排出抑制取組事例として参照した資料は以下のとおりです。 VOC 対策の詳細に ついては各 URL からダウンロードすることができますので、ぜひご覧ください。 ① 関東経済産業局「平成 22 年度 VOC 対策事例集」 (平成 24 年 1 月) http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/kankyo/recycle/22fy_voc_nw_investigation.ht ml ② 関東経済産業局「VOC 対策事例集~アドバイザー派遣サービスと事例収集調査によ る VOC 対策の具体事例~」 (平成 22 年) http://www.kanto.meti.go.jp/tokei/hokoku/data/zireisyu.pdf ③ 中部経済産業局「今すぐできる!コストダウン・作業効率アップにつながる VOC 自 主的取組 VOC 排出抑制に関する業種別成功事例」(平成 22 年) http://www.chubu.meti.go.jp/kankyo/data/voc20.pdf ④ 中部経済産業局「中部地域における揮発性有機化合物(VOC)排出抑制に関する自 主的取組を推進するための調査事業報告書」 (平成 21 年) http://www.chubu.meti.go.jp/kankyo/data/voc20.pdf ⑤ 近畿経済産業局「VOC 対策取組事例集~アドバイザー派遣事例に学ぶ VOC 排出抑 制の手引き~」 (平成 21 年) http://www.kansai.meti.go.jp/3-6kankyo/downloadfiles/h21voc-houkokusho/h20tor ikumizirei.pdf ⑥ 近畿経済産業局「VOC 対策先進事例集~取組事例に学ぶ VOC 排出抑制の手引き~」 (平成 20 年) http://www.kansai.meti.go.jp/3-6kankyo/downloadfiles/VOC/H19voc.jirei.pdf ⑦ みずほ情報総研株式会社(経済産業省請負調査) 「揮発性有機化合物(VOC)の排出 抑制対策に関する調査」 (平成 19 年) http://www.meti.go.jp/policy/voc/downloads/voc_taisakujirei.pdf ⑧ 産業環境管理協会(経済産業省請負調査) 「環境負荷物質対策調査(揮発性有機化合 物(VOC)の排出抑制対策技術調査」(平成 18 年) http://www.jemai.or.jp/tech/research/H17_all.pdf 54 ⑨ 環境省「揮発性有機化合物対策功労者表彰受賞者」 (平成 18 年度~22 年度) http://www.env.go.jp/air/osen/voc/prize/index.pdf ⑩ 環境省「PRTR 対象化学物質の排出削減に向けた取組事例集」(平成 17 年) http://www.env.go.jp/chemi/prtr/archive/jireisyu_1.pdf ⑪ 東京都 VOC 排出抑制対策ガイド 工場内編 http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/guide/index.html ⑫ 東京都 VOC 排出抑制対策ガイド 建築・土木工事編(屋外塗装等) http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/guide/index.html ⑬ 千葉県「揮発性有機化合物の排出抑制対策事例集」 http://www.pref.chiba.lg.jp/taiki/jirei.html ⑭ 埼玉県「炭化水素類排出抑制取組事例集」(平成 18 年) http://www.pref.saitama.jp/uploaded/attchment/201567.pdf ⑮ 川崎市「川崎市 VOC 排出抑制取組ガイド」 http://www.city.kawasaki.jp/300/cmsfiles/contents/0000015/15385/vocguide.pdf ⑯ 愛知県「VOC 排出抑制取組事例集」 http://www.pref.aochi/cmsfiles/contents/0000036/36567/hyoushimokuji.pdf ⑰ 広島県「VOC 排出抑制ガイド」 http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/eco/e_e1_voc_vocindex.html 18 工業塗装高度化協議会セミナー資料(日本塗装機械工業会 HP) 1) 岡山県塗装技術研究会セミナー「画期的な工業塗装と環境対策」 (平成 25 年) 2) 塗装と環境セミナー「つくろう工業塗装の明るい未来!」(平成 24 年) 3) 塗装と環境セミナー「つくろう工業塗装の明るい未来!」(平成 23 年) 4) VOC セミナー「ECO でコスト削減」大阪開催(平成 22 年) 5) VOC セミナー「ECO でコスト削減」東京開催(平成 21 年) http://www.cema-net.com/documents/doc_seminar.html 55 19 日本塗装機械工業会 CEMA 技術シンポジウム 1)第 12 回 VOC・CO2 削減の最新技術(平成 23 年) 2)第 11 回 VOC 削減・CO2 削減の最新情報と最新技術(平成 22 年) 3)第 10 回 環境負荷低減と塗装コスト削減の同時解決技術(平成 21 年) 4)第 9 回 VOC 削減の現状と対応(平成 20 年) 5)第 6 回 よくわかる VOC 規制と取り組み(平成 17 年) http://www.cema-net.com/documents/tech_symposium.html 20 全国グラビア協同組合連合会 環境対策協議会 1)第 12 回 業界連携による VOC 排出抑制自主的取組の実践発表会(3) 2)第 11 回 業界連携による VOC 排出抑制自主的取組の実践発表会(2) 3)第 10 回 業界連携による VOC 排出抑制自主的取組の実践発表会(1) 4)第 9 回 VOC 排出削減対策の現状と平成 20 年の課題 5)第 8 回 排ガス回収・再利用による VOC 排出削減へのチャレンジ http://www.meti.go.jp/policy/voc/dawnloads/kankyotaisaku-kyogikai_08.p69.pdf 21 環境省・日本産業洗浄協議会・旭リサーチセンター「産業洗浄現場における VOC 対 策事例集」 (平成 20 年) http://www.env.go.jp/air/osen/voc/jirei1/pdf04.pdf 22 環境省・日本産業洗浄協議会・旭リサーチセンター「産業洗浄現場における VOC 自 主的取組マニュアル」 (平成 19 年) http://www.env.go.jp/air/osen/voc/manualfull.pdf 23 社団法人日本電機工業会「VOC 対策事例」(平成 22 年) http://www.joma.jp/kankyou/v1.htm 24 社団法人日本電機工業会「VOC 対策事例」 (平成 21 年) http://www.joma.jp/kankyou2009/voc1.html 25 社団法人日本電機工業会「VOC 対策事例」(平成 20 年) http://www.joma.jp/kankyou2008/voc5.html 26 社団法人日本電機工業会「VOC 対策事例」(平成 19 年) http://www.joma.jp/kankyou2007/voc1.html 以上 56 ★本事例集に関する問合せ・連絡先 経済産業省 中国経済産業局 資源エネルギー環境部 TEL:082-224-5676 環境・リサイクル課 E-mail:[email protected]
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