公開授業② 公開授業② 場所 第1理科室 場所 第1理科室 1.単元名 理科学習指導案 理科学習指導案 3年2組 川俣 尚之 3年2組 川俣 尚之 「じしゃくとそのはたらき」 2.研究主題との関連 学びを創り続ける理科の授業~学びを創り続けるカリキュラムに着目して~ ―目には見えない磁石の働きについての科学的な見方・考え方を育む単元展開の工夫― (1)単元について 3年生の子どもは日常的に身の回りの磁石の道具に触れており、磁石に物が付くことや磁石同士 を近付けると引き合ったり、退け合ったりすることを体験的に知っている。しかし、磁石に付く物 と付かない物があることについて、物の素材に着目して現象を捉えているとは考えられない。さら に、磁化されることは知識として知っていても、その現象と出合う場は極めて少ないと考えられる。 本単元では、児童にとっては磁石という魅力ある物の理解をその性質と働きに着目しながら、興 味・関心をもって追究する活動を展開したいと考えた。ここでは、磁石に付く物と付かない物を比 較し、そこには一定の決まりがあることを素材に着目しながら弁別する能力を育てたい(物質的な 見方・考え方)。さらに、目に見える現象としての磁石の性質について捉えるだけでなく、目には見 えない磁石の働き(磁力)についての初歩的な見方・考え方を育みたい(エネルギー的な見方・考 え方)。それらのねらいをもって単元名を「じしゃくとそのはたらき」とした。 導入場面では、 「物の重さ」や「電気の通り道」で扱った素材(鉄、アルミニウム、銅などの金属、 木、プラスチック)を水面に浮かべ、磁石の力で動かす活動を行う。解決場面では磁石の性質に関 する問題を中心に解決していく。活用場面では鉄を磁石に近付けるだけで磁化する鉄について、獲 得した科学的な見方・考え方を用いて説明する活動を行い、科学的な見方・考え方の定着を図る。 (2)単元の目標 磁石の性質について興味・関心をもって追究する活動を通して、磁石に付く物と付かない物を比 較する能力を育てるとともに、それらについての理解を図り、磁石の性質や磁石の働きについての 見方や考え方をもつことができるようにする。 (3)活動構成の仮説 ①素材でつながる単元配列の工夫 「電気の通り道」、 「じしゃくとそのはたらき」、 「物の重さ」は、扱う素材がつながる。 「物の重さ」 で扱った木、プラスチック、金属の物の見方・考え方を土台として、本単元でも同様の素材を水面 に浮かべ、磁石の力で動かす活動を行うことで、今までの学習経験や生活経験では説明できない事 実に直面し、磁石に付く物と付かない物を追究する必要感を子ども自身が持つことできると考えた。 3つの単元で扱う素材に着目して単元配列、単元展開を考えることで物の見方・考え方がより深ま ると考える(物質的な見方・考え方)。これは4年「金属、水、空気と温度」につながっていく。 ②5年「電流の働き」につながる解決場面、活用場面の工夫 本単元では、「磁石は目には見えない力が働いている。」というエネルギー的な見方・考え方の基 礎を養いたい。そこで磁力についての解決場面でイメージ図を活用する。実験では鉄粉やマグチッ プを用いて磁力線を可視化し、磁力についてより科学的に表現できるようにしたい。また、活用場 面において磁化する鉄について説明する活動を行う。これは5年「電流の働き」において「電流を 流したコイル(導線)から磁力が生じる。」という科学的な見方・考え方の素地につながると考える。 — 79 — 3.指導計画(全12時間 学びの過程 課題 本時9時間目) 問題 ・子どもの意識 〇科学的な見方・考え方 磁石を使って、船を動かすことができるだろか。 ・磁石につけなくても 船は動かないな。 動いているよ。 ・金属でも動くものと動 ・離れていても磁石の力 かないものがある。 ・鉄でできている船は 動いているぞ が働いているのかな。 ・磁石にどんな力があ るのかな 教師の役割 関 磁石 に物 を引 き付 け ○ 〇金属(鉄、アルミニウム、 たり動くようにした 銅)や木、プラスチック ・鉄でできた船が他 りしたときの現象に の船を準備し子どもが の船と違う方向を 興味・関心をもち、進 何度も繰り返し試行で 向いている。 んで磁石の性質や働 きる場を設定する。 きを調べようとして 〇子どもの思考を整理 1.素材が違う船を水面に浮かべ、磁石の力で動かす活動【2時間】 ・木やプラスチックの 関 思 技 知 評価○ ○ ○ ○ ・鉄でできた船同士 がひっついている いる。 よ。 しながら、問題意識の 共有化を図る。 技 磁石に 引き 付け られ る ○ ○実験方法について 物 と 引き 付 け ら れ な い はできるだけグル ・木やプラスチックはやっぱり付かなかったな。 物 を 調べ て 記 録 し て い ープで考えさせ、必 ・金属は電気を通したから、付くと思ったけどアルミや銅は付かなかった。 る。 要な実験道具をあ 2.磁石に引き付けられる物、引き付けられない物を調べる実験【2時間】 どのようなものが磁石に付くのだろうか。 知 物には磁石に引き付けられ ○ ・鉄や磁石同士は付くけど、磁石同士は付き方がちがう。 ○鉄は磁石に引き付けられる。 る物と引き付けられない物 ○磁石と磁石は引き付けられるときと退け合うときがある。 があることを理解している。 らかじめ準備して おく。 技 自由に回転する磁石がど ○ ○実験方法が考えら んな向きで止まるかを実 れない場合は教科 ・水面に磁石を浮かべると同じ向きを向くね。 験し、結果を記録してい 書の実験方法を参 ・北に向く方同士は反発するけど、北の方と南の方は引き合った。 る。 考にして考えさせ 3.磁石の極性の特性を調べる実験【2時間】 なぜ磁石は引き合ったり退けあったりするのだろうか。 ○磁石は N 極と S 極があり、同じ極は退け合い、違う極は引き付け合う。 知 磁石の異極は引き合い、 ○ ○自由に動くようにしておくと N 極が北を向く。 同 極 は退 け 合 う こ と を 4.磁石の力は離れていても働くのかを調べる実験【1時間】 理解している。 る。 磁石にはどのような力が働いているのか。 ・磁石とクリップの間にノート三冊分までなら鉄を動かすことができた。 ○磁石と物との間を開けても引き付けられる力が働きその力は近いほど働く。 思 磁石の 力が 働く 範囲 に ○ ○鉄粉やマグチップな ・磁石の周りに砂鉄をまくと模様ができたよ。 つ い て自 分 の 考 え を 表 どを準備し、磁力線が ○磁石の周りには磁石の力が全体に広がっている。 現している。 見えるようにする。 5.磁石にはどのような力が働いているのかを調べる実験【1時間】 思 磁石は どこ で切 って も ○ ○極性や磁力について 磁石になることから、磁 考えを深められるよ ・切ったところに方位磁針を近付けると端と反対の極になった。 石 の 働き に つ い て の 見 うに切断可能な棒磁 ・切ったところに砂鉄をまくと、磁石と同じように模様が見られた。 方 ・ 考え 方 を 深 め て い 石や丸型のフェライ ○切った棒磁石はどこで切ってもの、磁石の働きをする。 る。 ト磁石を準備する。 6.棒磁石の真ん中を切ったときの極性や磁石の力を調べる実験【1時間】(本時) 】 切った棒磁石は、どうなるのか。 7.磁石に付けたり近付けたりした鉄が磁石になるかどうかを調べる実験【2時間】 磁石に付けたり、近付けたりした鉄はじしゃくになるだろうか。 ○磁石に付けたり近付けたりした鉄は磁石の性質をもつ。 8.科学的な見方・考え方・が活かされる場(活用場面)【1時間】 ○ 磁石は目には見えない力が働いていてそこに鉄が入ると磁石の性質をもつ。 思 磁石の性質と磁化した鉄 ○ の性質を比較して、自分の された鉄を用いて、 考えを表現している。 実験を行う。 知 磁石に付けたり近付けたり ○ した鉄は磁石の性質をもつ ことを理解している。 — 80 — ○導入で扱った磁化
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