2015年度2月フォーラム - 公益財団法人千里ライフサイエンス振興財団

千里ライフサイエンスフォーラム開催のお知らせ
2015年度2月フォーラム
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と
き: 2016年2月9日(火)18時~20時(講演会:18:00~、懇親会:19:00~)
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と こ ろ: 千里ライフサイエンスセンタービル 8階801~802号室 7階701号室(懇親会)
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講
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テ ー マ:ニ ュ ー ト リ ノ 研 究 の 最 前 線 ~ 宇 宙 創 成 の 解 明 へ ~
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講演要旨:
師: 竹内 康雄(たけうち やすお)
神戸大学 大学院理学研究科 物理学専攻 教授
素粒子ニュートリノは、1950 年代に初めて発見されましたが、その詳細な性質はまだ謎に包まれていま
す。素粒子物理学の分野では、1970 年代に確立した「標準模型」により、これまでほぼ全ての素粒子現象
が説明されてきました。標準模型ではニュートリノには質量がないとされていましたが、1998 年にニュー
トリノが有限質量を持つ実験的証拠が、スーパーカミオカンデ共同研究グループから、初めて示されまし
た。観測された現象は「ニュートリノ振動」と呼ばれ、2015 年のノーベル物理学賞および、2015 年の基
礎物理学ブレークスルー賞の受賞につながりました。
現在ではニュートリノがゼロでない質量を持つという事実は確立していますが、ニュートリノにはまだ
未解明な性質があります。ニュートリノの性質を実験的に明らかにすることは、素粒子標準模型を超える
次のステップの素粒子理論の構築にも不可欠です。現在、ニュートリノ研究は世界でも活発に行われてい
ます。スーパーカミオカンデ検出器が設置されている岐阜県飛騨市の「神岡」を中心に行われている日本
のニュートリノ振動実験は、世界のトップクラスと言えます。ニュートリノの未解明の性質の一つは、物
質と反物質の非対称性に関わる性質であり、我々の宇宙がなぜ「物質」で構成されていて、身の回りには
なぜ「反物質」が存在しないのか、という疑問に答えることができるようになると期待されています。
本講演では、素粒子と宇宙の概要、ニュートリノとはなにか、ノーベル物理学賞などで評価された業
績や私自身の神岡での経験、ニュートリノ研究の今後、などに関して紹介する予定です。
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講師プロフィール:
学
歴: 1990 年 3 月 東京工業大学 理学部 物理学科 卒業
1995 年 3 月 東京工業大学 大学院理工学研究科 博士後期課程 修了(博士(理学))
職
歴: 1995 年 4 月 東京大学 宇宙線研究所 附属神岡宇宙素粒子研究施設 助手
2004 年 11 月 同・助教授
2010 年 4 月 神戸大学 大学院理学研究科 物理学専攻 粒子物理学講座 教授
2010 年 4 月 東京大学 数物連携宇宙研究機構 客員上級科学研究員(兼務)
専 門 分 野 : 天体素粒子物理学
主なる講演:
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“Super-Kamiokande and XMASS experiments”, 第 11 回アジア太平洋物理会議(APPC11), Shanghai,
China, November 14-18, 2010 (招待講演)
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“Super-Kamiokande”, 第 24 回ニュートリノ国際会議 (Neutrino 2010), Athens, Greece, June 14-19, 2010
(招待講演)
申込締切: 2016年2月2日(火)必着
参 加 費:千里ライフサイエンスクラブ会員(講演会のみ参加→無料、講演会+懇親会の両方参加→3,000 円)
ビジター(講演会のみ参加→1,000 円、講演会+懇親会の両方参加→4,000 円)
申 込 先:公益財団法人千里ライフサイエンス振興財団「千里ライフサイエンスフォーラム」担当
〒560-0082 大阪府豊中市新千里東町 1-4-2 Tel:06-6873-2001 Fax:06-6873-2002
E-mail:[email protected]
( HP:http://www.senri-life.or.jp/ )