第37回食品産業優良企業等表彰 功績の概要 一般

第37回食品産業優良企業等表彰
功績の概要
一般財団法人食品産業センター
公益財団法人食品流通構造改善促進機構
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●農林水産大臣賞受賞者一覧
(1)食品産業部門 <農商工連携推進タイプ> (4点)
名称
かぶしきがいしゃぱいおにあふーず
株式会社パイオニアフーズ
かぶしきがいしゃおおむぎこうぼうろあ
株式会社大麦工房ロア
業種(種類)
所在地
主な功績の概要
食品製造業(農産
冷凍食品、調理冷
凍食品)
北海道
(農商工連携の推進)
○当社は創業以来、原料と製法にこだわり、品質第一主義のもと、全てのお客様に安全で
安心な商品を届ける企業を目指している。ほとんど北海道産の野菜を原料に使用し、生産
者と協力・提携のもと、高品質の製品を生産している。
○当社が中心となって組織した「北海コガネ生産組合」に、栽培指導を行いながら、品質・
量ともに安定した馬鈴薯の供給が得られる体制を構築した。
○また、当社が独自に育種した新品種かぼちゃを、北海道内で契約栽培するなど、農家と
の結びつきによって、地域の農業生産に貢献している。
○こうした取り組みから、高品質の原料を調達することができ、馬鈴薯、かぼちゃ、人参など
の、素材品及び加工品の業務用冷凍食品を生産し、高い評価を得ている。
菓子製造・販売
栃木県
(農商工連携の推進)
○当社は地域密着のものづくりを理想とし、地元栃木県で広く生産される二条大麦を活用し
た「大麦ダクワーズ」を開発し、小さなケーキ店を売上高約48億円の大麦菓子メーカーに
成長させた。大麦素材に絞った商品開発、知名度向上のための各種菓子展示会への
出展・受賞、直営多店舗展開、観光地販売や通信販売など第二創業的な活動で売上
げを伸ばした。
○地元大麦生産者と原材料調達での協力関係の構築や、栃木県産業技術センター等と
の連携で新商品を開発するなど農商工連携による商品開発を進め、地域社会の活性化
にも貢献している。地元で毎年5月に開催する麦秋ウォーキングは地元 JA 足利との共催
で、今年で13回目をかぞえ、地域イベントとして定着している。
○東日本大震災の影響で観光客が激減すると、経営戦略を通信販売中心へ転換し大規
模な広告宣伝を展開するなど、次々と新たな取り組みを行ってきている。
○原料大麦は、全量、栃木県産二条大麦を使用。
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かぶしきがいしゃいとうえん
株式会社伊藤園
おおくちしゅぞうかぶしきがいしゃ
大口酒造株式会社
清涼飲料の
製造・販売
東京都
(農商工連携の推進)
○当社は、高品質な原料茶葉の安定調達を事業目的とし、社員が茶産地の方々とともに
茶葉の品質向上に取り組む「契約栽培茶園」に加えて、農業者や行政等と協働して耕作
放棄地などを活用して畑づくりから茶葉を育成する「新産地事業」などの茶産地育成事業
を展開している。
○茶産地育成事業(新産地事業)は、日本の農業の課題に対する解決の一助となることを
目指し、①耕作放棄地などの活用による食料自給率向上、②安定した農業経営、③雇
用創出など、地域活性化への寄与を図るものである。
○茶産地育成事業においては、茶園面積の将来目標を 2000ha に置いて毎年拡充を図って
いるが、2006 年の 380ha から 2014 年には 957ha にまで拡大している。
本格いも焼酎
製造・販売
鹿児島県
(農商工連携の推進)
○当社は、鹿児島県産の甘藷(さつまいも)にこだわり、おいしい焼酎造りに積極的に取り組
んでいる。昭和 62 年、昔ながらの黒麹仕込みを、現代の技術でよみがえらせた「黒伊佐
錦」は、芋焼酎業界で黒ブームを巻き起こしただけでなく、鹿児島県の黒文化・黒ブームの
火付け役となり、地域経済にも大きく影響を与えた。
○原料の甘藷は、仲買業者を通して地元を含む県内の農家と春先の植え付け段階より契約
し、年間使用量を確保している。
○また、製造・販売に関わる全ての活動、製品及びサービスの環境影響を低減するために、
環境省が策定した「エコアクション 21」による環境マネジメントシステムを早くから導入し、地
球環境との調和を目指した取り組みを展開している。なかでも、焼酎粕をそのまま液状飼料
として豚に与える焼酎粕の有効活用と養豚から出た糞で肥料を作り、焼酎の原料である
米や甘藷の生産に使用するといった「地域食品の循環システム」への取り組み、酒屋と協
力して取り組む廃瓶・紙パックの回収リサイクルは、地域経済・地域社会に大きく貢献する
ものである。
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(1)食品産業部門 <経営革新タイプ③> (4点)
名称
ふじっこかぶしきがいしゃ
業種(種類)
所在地
主な功績の概要
惣菜製造
兵庫県
(栄養・健康に配慮した食品の開発・普及)
○当社は、1960 年の創業当初の「昆布」に始まり、フジッコは常に「健康とおいしさ」を意識し
て素材の良さ、食の安全、安心を追求しており、「大豆イソフラボン」「昆布の食物繊維」等
の効果を長年の基礎研究で明らかにしてきた。
○2007 年に、高齢化社会の食に対応するため、介護食として「蒸し豆パウダー」を開発。
2008 年には、「見栄え」は通常の商品と全く変らず、やわらかさや喉すべりの良さ、口の中
でまとまりやすさを実現した、「ソフトデリつけもの」を発売した。2010 年に「ソフト昆布佃煮」を
発売、さらには、2012 年に「ソフト大豆水煮」を発売した。
○加齢により噛む力が弱くなった方や、咀嚼困難な方にも再び食べる喜びを感じていただきた
いという願いを基本に商品開発に努めている。
菓子製造販売
大阪府
(栄養・健康に配慮した食品の開発・普及)
○レトルト食品、アイス、冷凍食品、菓子の 4 分野で栄養・健康に配慮した食品を展開してい
る。
○「噛むこと・飲み込むことに配慮した食品」において、幼児の咀嚼練習期、味覚形成期に
配慮した『1歳からの幼児食』(レトルト食品)で「幼児食」という新市場を創出し、20 年にわ
たり母親の食育推進、幼児の健やかな成長を願い、市場活性化に努めている。
○「カロリー制限食」においては、2003 年に発売した『カロリーコントロールアイス』で市場に“健
康アイス”を定着させた。2013 年には「糖質オフ」をコンセプトに加え「カロリーは気になるが
おいしいアイスを楽しみたい」というニーズに応え続けている。この健康ニーズを背景に 2015
年には『糖質オフキッチン』ブランドで低糖質「冷凍麺」「スナック」を開発し、普及拡大に注
力している。
フジッコ 株式会社
えざきぐりこかぶしきがいしゃ
江崎グリコ株式会社
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かぶしきがいしゃふーどてっく
株式会社フードテック
総菜製造
香川県
(経営革新)
○当社は、平成 10 年(1998 年)の創業以来『人に喜ばれる企業』を社是とし、従業員と共に
『香川から日本を変えよう』を合言葉に、日々精進している。当社が製造及び販売している
主な商品は冷凍惣菜であり、そのなかで2年前から取り組んでいるテ-マが、介護現場に
おける『食のバリアフリ-』の実現である。
○介護現場では、介護度の違いによって喫食形態が異なる。したがって、利用者全員に対
して同じメニュ-での食事提供が困難であり、介護サ-ビスの品質や生産性を低下させて
いる。
○そこで当社は、同じメニュ-でも柔らかさを【高齢者向け普通食】【やわらか食】【ミキサ-
食】の3区分に独自で区分して調理することで『介護度に合わせた美味しい食事』の提案
を行っている。これは、「介護現場等で介護食をより身近で便利に利用してもらい、高齢者
等に美味しいお食事を召し上がってもらうことで健康寿命を伸ばしていただきたい」という想
いからである。
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(2)食品流通部門 (4点)
名称
うえだ
業 種(種類)
所在地
主な功績の概要
青果卸売業
大阪府
(企業・団体における活動及び発展への寄与)
〇 (一社)全国中央市場青果卸売協会(平成26年4月から一般社団法人に移行)の理事・
副会長として理事就任当初より長年に亘り携わってきた青果物流通の業務における豊富な
経験・知識を生かし、協会会員相互の連携及び融和に尽力した。また地域に偏らず業界全
体として、卸売業者の経営体質の改善、条例に基づいた健全取引への徹底したルール化
の指導、電子化取引推進に率先して協会の推進役を担い、厚い人望により会員各社及び
業界関係者から多大な信頼を得て協会の円滑な運営及び発展に貢献した。
〇 (一社)日本青果物輸入安全推進協会の副会長として
一般社団法人への移行当初から理事・副会長となり、新法人の核となる事業の一つである
「輸入青果物安全管理行動規範」の制定と一般法人への移行に際しての協会運営の円
滑化に尽力した。平成27年には、日青協として輸出促進に取り組むことが理事会で承認され
、「日本青果物輸出促進協議会」の設立に尽力した。また、フィリピンバナナの輸入減少等
により協会は財政的に非常に苦しい状況に置かれていたが、ホームページや会員研修等の
見直し及び本部移転等による支出経費の見直しを行い、財政立て直しに尽力。
〇 大果大阪青果株式会社の社長・会長等として
入社以来果実畑一筋で業務に邁進してきたが、北部支社長、営業統括及び営業本部長
在任時には、果実畑時代の経験及び人脈を生かし、果実は当然として野菜についても新た
な産地開拓に手腕を発揮した。
社長就任後においては、営業経費、管理経費の大胆な見直しを図り、成果主義を取り入れ
た役職員への利益還元によって社員のやる気を引き出し、平成25,26年度は売上高を税込
1000億円に復活させた。
品質の維持等のための施設整備にも力を入れ、北部支社長在任時には平成15年7月に北
部支社2階の野菜売場に121㎡のパネル型保冷庫を増設。大阪市本場においては、専務
時代に、平成19年7月野菜売場に380㎡の10℃以下のまで設定可能なパネル型大型開閉
扉式の低温保冷庫を設置、更に社長就任後果実売場に360㎡のパネル型低温保冷庫を
設置、この果実売場の保冷庫は軟皮果実、リンゴの保冷を考慮して0℃まで設定可能な冷
蔵庫を内蔵した機能型保冷庫で産地からも高評価を得ている。
東日本大震災時には、被災地である産地には迅速な支援物資の提供を行い、また産地の
風評被害に対しては、価格面、荷受面において全社挙げて全面的に協力するよう指示した。
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たかし
植田 孝 72才
(大果大阪青果株式会社)
なかだ くにひこ
中田 邦彦
(新潟冷蔵株式会社)
水産卸売業
新潟県
(企業・団体における活動及び発展への寄与)
〇(一社)全国水産卸協会(略称全水卸)の理事として
積極的に会員相互の連携と融和に努めるとともに、水産流通業界が抱える諸問題の解決に
率先して取り組んできた。とくに、平成24年4月からは全水卸関東地域協議会の副会長とし
て消費者の食の安全・安心に対する意識の高まりなど卸売市場を巡る情勢の変化をいち早
く捉え、主導的な立場に立って水産物の安全・安心の確保への対応や水産物トレーサビリテ
ィに関する情報の集約等の必要性を会員に説き、その検討・取りまとめを行うなど、水産物の
安全安心な市場流通の確立に尽力した。
〇新潟魚市場物流協同組合の代表理事として
組合が建設した流通型冷蔵庫棟と開設者である新潟市が建設した中央卸売市場の低温
売場を接続し、民営施設と公設施設が一体化した全国初のモデル市場として、先駆的な低
温流通の仕組を実現させるなど、水産物の効率的な低温流通の確保と品質管理の向上
に尽力した。
〇新潟冷蔵株式会社(以下「新潟冷蔵」と略)の代表取締役社長・会長として
地方卸売市場新潟魚市場の卸売業者として、新潟魚市場を地方卸売市場から中央卸売
市場に昇格させるべく、主導的な立場に立って市場開設者や市場内の仲卸業者、売買参
加者等に働きかけ、積極的に取り組み、平成19年5月に全国で最後となる中央卸売市場(
水産物部)として農林水産大臣の認可を受け、その昇格を実現させるなど、市場機能の強
化に貢献した。
平成19年5月に中央卸売市場となった水産物部の機能の拡充を推進し、平成23年3月に
流通ネットワークの核となる「中央拠点市場(水産物)」に選定されることとなったことについて
貢献した。
〇新潟魚市場管理株式会社の代表取締役社長として
平成19年5月に地方卸売市場新潟魚市場が新潟市中央卸売市場に昇格し、移転・入場
する際には、意見が異なる市場関係業界を公正な立場に立って取りまとめ、国、県、市等の
行政機関と連携して、円滑に中央卸売市場への移管を実現させるなど、適切な市場管理
に貢献した。
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ぬまづちゅうおうせいかかぶしきがいしゃ
青果卸売業
静岡県
(食品流通の高度化・近代化の推進)
〇青果物の品質向上とより効率的な市場流通を確保するための市場移転
当社は、静岡県東部地域の青果物流通の合理化、近代化を目指して平成26年7月に青
果市場の移転を行った。これにより、
① 新市場の周辺には住宅地がなくなり、立地環境が改善。移転後面積は移転前の約2倍と
なり十分な駐車スペース及び車両導線の確保(渋滞解消)が可能となった。
② 青果物の鮮度保持のためには可能な限り自動車排気ガスから隔離する必要があり、これ
までフォークリフト、プラッター(フォークリフトの商品名)についてはすべて電動タイプに切り
替えていたが、駐車場不足で荷卸し・荷揚げの際の車両進入を許していたため、十分な
効果を上げていなかった。しかし新市場は、土間より1.1m高いプラットフォーム上にあるため
、車両の売場からの完全排除が可能となった。
③ 青果物の品質保持のため、コールドチェーン化が急がれるが、新市場では売場面積の4
割強に当たる2410㎡が低温売場となり、夏場での品質劣化を防ぐ全国に例を見ない規模
のコールドチェーン対応市場となっている。
④ 新 市場のオープンにより、青果物の劣化に伴うクレームは大幅に減少、また年々減少傾
向にあった出荷額及び買上額は、出荷者の出荷ベースで年間百万円以上の人数は107
%、買参人の買上げベースで年間百万円以上の人数は109.9%と、それぞれ増加に転じ
た。更に生ごみなどの廃棄物処理費用は6.8%減、水道光熱費は14.8%減の節約効果が
あった。
ボランタリーチェーン
大阪府
(食品流通の高度化・近代化の推進)
〇 共同事業の推進
本組合は、大阪の卸主宰のボランタリーチェーンを前身として全日食チェーンがこれを引き継
ぎ、平成8年に関西協同組合を設立。以後組合員を拡大しながらチェーン活動を展開し、平
成27年には62組合員71店舗が加盟。関連会社である全日本食品(株)関西支店を拠点に
門真市にドライ・チルド・生鮮センターを構え、これら商品の安定供給を関西2府4県に行ってい
る。店舗では、VC-POS(全日食チェ-ン開発POSシステム)から得られる販売データを基に、顧
客に安心安全な商品を適切な売価で提供。
〇 新たな物流システム・技術への取組
門真市の物流センターでは、加盟店71店に毎日1回の配送を行っており、開店時間に間に
合うよう配送コースを組み、効率的な配送に努め、各店舗の業務の効率化に寄与。生鮮品
沼津中央青果株式会社
ぜんにっしょくちぇーんかんさいきょうどうくみあい
全日食チェーン関西協同組合
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は配送センターでパック加工、少量供給することにより生鮮品取扱店舗を増やしている。
〇 新たな商流システム・技術への取組
VC-POSシステムは、全国の加盟店が販売するすべての商品が登録され、売上管理等を一括
処理しており、関西協同組合では導入率が43%で、これによる売れ筋情報や販売予測が
各店舗で活用されている。本システムにより店舗における商品管理が効率化され、自動発注
、欠品防止やZFSPシステム(フリークエンド・ショッパーズ・プログラムの略)により優良顧客の
獲得や維持のための販売促進に活用されている。
加盟店と本部の間では全日食チェーンシステムが構築されており、取引先との受発注は本
部で一括して行われることにより、加盟店の負担軽減、商流コストの削減が行われている。ま
た、チェーンは卸機能を備え、メーカーとの直接商談、本部物流倉庫への直接入荷など高
度な商品管理が行われている。
〇 流通の低コスト化と需給の安定化への取組
関西エリアでは、門真市の1000坪あまりの敷地に物流センターを保有。POSデータを基に売
れ筋、死に筋の商品情報により品揃え改廃を行い、欠品や逆に在庫過多を防止し、適切な
商品管理を行うとともに、メーカー、問屋と情報を共有し、季節変動も加味して安定した商品
供給体制を構築。
〇 パソコンによる情報の共有化
加盟店全店に本部ホストサーバーに接続されるパソコンを無料配布して、本部・加盟店間
、加盟店同士の情報共有、連絡体制の構築などを図っている。
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(3)環境部門 <省エネ等環境対策推進タイプ>(1点)
名称
さっぽろびーるかぶしきがいしゃ ほっかいどうこうじょう
サッポロビール株式会社 北海道工場
業種(種類)
所在地
主な功績の概要
ビール・発泡酒・
その他の酒類の
製造
北海道
○サッポロビール北海道工場は、1989年(平成元年)に竣工した工場で、敷地面積36万m2
のうち、62%の緑地面積を有する花と緑の多い工場です。創業以来、自然環境・地域社会
との調和を目指し、環境保全活動に積極的に取組んでいます。最新の省エネルギー設備
の導入と共に工場内全部門参加による省エネルギー委員会を中心としたソフト面の活動も
行うことで、省資源・省エネルギー意識の醸成と管理の徹底を創業以来継続して行ってい
ます。
○また、工場から排出される副産物・廃棄物は1998年6月に再資源化100%を達成し、17年間
に渡って維持し、ビールの原料である麦芽の未利用部分となるモルトフィードについて、飼料
や肥料とし再生利用する等、循環型社会の形成、廃棄物の減量等に継続して取組んで
います。
※温室効果ガス排出削減 1990 年比 31%削減、2008 年比 3%削減
※副産物廃棄物の再資源化100% (17年連続達成・継続中)
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(4)団体部門
(1点)
名称
業種(種類)
所在地
主な功績の概要
食品産業団体
高知県
(し界の発展の寄与)
○団体における活動
1971年から高知県食品産業協議会会員となり、1993年~2002年まで同協議会の副会長
を務めた後、2003年~2012年まで会長を務めた。2013年以降も理事として、高知県の食品
産業発展に向けた活動を継続して実施している。
○団体の発展への寄与
会長、副会長を合わせて20年務めた。その間、国からの補助金が無くなり、会員からの会
費のみで協議会の運営を余儀なくされた際には、率先して他団体との協働や事務の合理
化による経費削減を進めた。一方、時代に先駆けて当協議会のホームページを開設し、イ
ンターネットを活用した情報発信を行うなど、先進的な見地から必要な事業には積極的に
投資し、協議会の結束を強めるとともに、協議会経営の効率化を主導した。
○業界における活動
当協議会として初めてのスーパーマーケットトレードショーへの出展や、県外量販店の高知
フェアへ協議会の枠を超えて多数の事業者で出展するなど、高知県の食品産業を県外に
アピールする活動を積極的に推進した。
○業界の発展への寄与
消費地の求める生産管理の重要性が増す中、当協議会内に「食品表示に関する相談
窓口」の設置を推進し、高知県食品産業全体の食品表示に関するレベルアップを図った。
また、他県の食品産業協議会とも積極的に交流し、先進的な食品加工、衛生管理など
の知見を高知県内企業に取り入れられるように努めた。
はしだ てるき
橋田 照喜 78歳
(高知県食品産業協議会)
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●農林水産省食料産業局長賞受賞者一覧
(1)食品産業部門 <経営革新タイプ②> (1点)
名称
かぶしきがいしゃでんろく
株式会社でん六
業種(種類)
所在地
主な功績の概要
菓子製造販売
山形県
(新技術開発・実用化又は新製品の開発)
○落花生の加工製造企業としては国内トップ企業。1924 年の創業以来、落花生・アーモンド・カシ
ューナッツ等を材料とした菓子製造・販売に取組む一方、世界初の落花生食味計の開発や県
内初のトータル鮮度管理システムを導入するなど、新鮮・安心・安全なお菓子を提供するための
技術開発を続けている。
○創業者の名前に由来した「でん六豆」は昭和 31 年の発売から今日まで 60 年間ロングセラーを
続けているヒット商品であるが、新たに、山形県を代表する果物である「さくらんぼ(佐藤錦)」の果
汁を加えた「さくらんぼでん六豆」を開発した。誰もが知っている「でん六豆」の味・食感とともに、当
社が蓄積してきた品質技術との融合商品は、県産農産物の付加価値拡大とさくらんぼ農家の収
益性向上に大きく貢献している。
長野県
(栄養・健康に配慮した食品の開発・普及)
○元来、そば粉 100%のそば(十割そば)の製造は、手打ちそばではつなぎや製造工程を工夫しての
製造が可能であったが、工業的な製造工程での製品化は極めて困難であった。また、従来の乾
麺製造では食塩を使用することが一般的であり、食塩を一切使用しない乾麺製造は大変難しか
ったが、本製品はつなぎや食塩を使用しないそば粉のみ原料とした製品である。
○本製品の開発は、長野県農村工業研究所との連携により長野県内 3 社で構成する研究会とし
てスタートした「本十割そば」の製造だったが、技術的な課題から 2 社が製造から撤退し、現在は
当社 1 社のみで「本十割そば」の製造を行っている。
○最近では、日本各地からそば粉の持ち込みによる十割そば製造依頼があり、地産・地消や6次
産業化の推進、高付加価値化食品の製品化に貢献している。
(1)食品産業部門 <経営革新タイプ③> (1点)
しんしゅうとがくしそばかぶしきがいしゃ
信州戸隠そば株式会社
和麺製造・卸
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(2)食品流通部門 (1点)
名称
業 種(種類)
所在地
主な功績の概要
外食品卸売業
兵庫県
(企業・団体における活動及び発展への寄与)
〇 福岡県青果市場連合会副会長・筑後支部長として
平成16年に同連合会副会長及び筑後支部長に就任すると、会員の指導と産地における青果
物の生育状況などの情報の共有を図るとともに、産地農家に対しては出荷時期や売れ筋情報の
提供を行うなど、県内農業の振興に貢献。
青果市場の役職員の資質向上のため、民間や行政部局から講師を招き、セリ技術の向上や社
会的知識の習得のための研修会の開催に尽力し、また筑後支部では、支部12市場が抱える問
題等をテーマに勉強会を開催するなど、会員の指導育成に努力しており、更に市場間での情報
の受発信機能等に差があることにかんがみ、連合会役員や会員相互間の情報交換や研修の
機会を設け、会員市場の経営安定化や体質強化に貢献している。
福岡県南部地域は、中小の卸売市場が多く、連携再編が課題であるが、氏は積極的にこれに
取り組み、関係者の信頼を得ている。
〇 久留米青果株式会社の社長等として
久留米市中央卸売市場周辺が野菜果樹の一大産地であることから、立地条件を生かし、「産
地とともに生きる」という戦略的視点をもって、経営は規模ではなく機能であるとの信念の下産地と
の共存を図るため、個選、少量ブランド品の集荷、地元産品のブランド化(筑紫次郎の贈りもの)
に取り組むとともに、久留米市と協力してロゴマークの活用や地場野菜の情報発信等、地元農
産物の生産・消費の拡大に取り組んでいる。
青果物の鮮度保持のための保冷の必要性に早くから着目して保冷施設の導入を図り、昭和52
年に冷蔵棟、昭和57年に保冷庫(蛇腹式)、平成5年に野菜の低温売場と青果部C級冷蔵庫、
平成11年に物流センター、平成23年には大型冷蔵施設をそれぞれ導入し、更に平成26年には果
実の低温売場を設けるなど、青果物の品質管理の高度化を推進してきた。
卸売市場におけるロジスティクス構築のため、国の補助事業を活用して自社、卸商組合、買参組
合と共同で、共同物流システムの構築、共同配送システムの構築、市場内物流システムの構築
など物流最適化に取り組み、その成果を(有)ロジスティクス久留米に引継いでいる。
みやざきかずき
宮﨑 一喜
(久留米青果株式会社)
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(3)環境部門 <容器包装リサイクル推進タイプ> (1点)
名称
あじのもとぜねらるふーずかぶしきがいしゃ
味の素ゼネラルフーヅ株式会社
業種(種類)
所在地
主な功績の概要
飲食料品の製造
販売
東京都
○近年、個食化、小世帯化、嗜好の多様化により、1杯ずつ飲用できるパーソナル製品は需要が
高まり、市場が大きく拡大しています。特にお湯や水を注いで手軽に楽しめるコーヒーミックス、ティー
ミックス等のスティック製品は、その簡便さから、家庭内にとどまらず、オフィスや屋外でも飲用が拡大
し、市場規模は300億円を超えている。AGFはこのスティックタイプ飲料市場においてNo.1のシェアを
獲得、市場の拡大に大きく貢献してきた。しかしながら、これらスティック製品は個包装で手軽である
が、大容量包装品より包装資材が多くなっており、消費者に環境負荷が大きいと感じられることが課
題として挙げられていた。
○そこで、AGFは、2015年5月より<ブレンディ>、<マキシム><ちょっと贅沢な珈琲店>スティックシリーズ
を中身・包装への新技術導入により、パウダー当たりの味わいを濃厚にすることを可能にし、軽薄短
小(省資源)および輸送効率の改善により環境配慮面で大きく刷新した。
すなわち、コーヒーやミルクの香り成分をアロマ化する新技術と短くなったスティックの粉噛み等がす
ることのない密封技術を採用することにより、味わいを濃厚にする製品リニューアルに合わせ、容器
包装に関し、省ゴミ化と使い勝手の向上を目的に、大幅なコンパクト化を図った
○スティックの長さを15cm→13cmに2cm短縮し、それに付随して、カートン、段ボール箱の2次包材
もコンパクト化を実施したことにより、年間のプラスチック素材の使用量を13%、紙使用量を8%それ
ぞれ削減することができ、包装重量としては約400トン/年、CO2排出量としては、約1,400トン/年を
削減することができた。また、段ボール箱のコンパクト化に伴い、パレット輸送効率も向上し、従来品
と比較すると60%改善することができた。
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