公開授業Ⅰ(9:45〜10:30) 公開授業① 場所 4年2組教室 社会科学習指導案 社会科学習指導案 平成28年 2月13日(土)4年2組教室 35名(男18名 女17名) 4年2組 滝沢 知之 大阪教育大学附属平野小学校 4年2組 滝沢 知之 1.単元名 「大阪のはってんにつくした人々」 2.単元設定の理由 本校社会科におけるコンピテンシーベースのカリキュラムづくり ~子どもが学びの必然性を持って学習することができる場の構成〜 (1)単元について 本単元は、淀川や大和川のつけかえを行い、地域の発展につくした人々について学習する単元である。淀川や大 和川をつけかえるにあたって、洪水に悩まされ少しでも洪水の被害を減らしたいという先人たちの思いや、つけか えによって田畑や住居が無くなってしまうという人々もいたことを学習し、それぞれ違った立場で考えることで、 川のつけかえという大規模事業について、より深く理解を深めていくことができると考える。本学年は、1学期に 社会科の学習で「大阪の水道の水は琵琶湖から淀川を通ってきている」ことについて学習をしている。また、春の 遠足では、淀川の河川敷に行き、お弁当を食べたりクラス遊びなどをしたりした。秋の遠足では、大和川のつけか えが行われた柏原に行き、大和川にかかる橋の長さを調べたり、リビエルホールにいる警備員さんから、昔の大和 川の様子について話を聞かせてもらったりしている。今回の学習では、遠足に行った時の体験や写真を活用しなが ら、より学習内容が子どもたちにとって身近になるような形で学習を始めていく。つけかえ前の淀川や大和川とつ けかえ後の淀川と大和川を比べてみることで、子どもたちはその大きな変化に驚きを持つとともに、 「どうしてこ んなことをしたのだろう」や「どれくらいのお金や期間がかかったのかな」という疑問も生まれてくると考える。 こういった子どもたちの思いやねがいを学習計画の中に取り入れて学習を進めていき、子どもが意欲的に学習に取 り組めるようにしていきたい。また、単元の終末には「これからの大阪をよりよくしていくためには」と称して、 大和川や淀川のつけかえの学習を通して学んだ「立場によって考え方が異なる」ことを活かして現在の問題につい て解決策を考えていくという学習課題を扱う。歴史的な事象を単なる知識の定着で終わらせるのではなく、今回の 単元で学んだ知識を活用し、新たな考えを構成していく場を設定していく。 (2)単元の目標 ○淀川と大和川のつけかえを通して、地域の発展に尽くした先人の働きに関心をもち、それらを意欲的に調べるこ とを通して、地域社会のよりよい発展を考えようとしている。 【関心・意欲・態度】 ○淀川と大和川のつけかえを通して、地域の発展に尽くした先人の働きについて学習問題や予想、学習計画を考え て表現し、地域の人々の願いや生活の向上と先人の働きや苦心について考え、適切に表現することができる。 【思 考・判断・表現】 ○淀川と大和川のつけかえを通して、地域の発展に尽くした先人の具体的事例を調査し、調べた過程や結果をノー トや作品にまとめることができる。 【観察・技能】 ○淀川と大和川のつけかえを通して、地域の人々の願いや生活の向上と、先人の働きや苦心を理解することができ る。 【知識・理解】 (3)活動構成の仮説 (仮説1)学習した考え方を現代における問題におきかえることで、より実生活に活かすことができる。 大和川の学習では、つけかえに賛成する人々や反対する人々の立場になって問題を捉えることで、より対象につ いて深く捉えることができる事を学ぶ。その考え方を現在におきかえて時事問題を扱うことで、今回の学習で学ん だ「様々な立場になって問題をとらえる」考え方を活かすことができると考える。単元名にもなっているように、 「地域の発展」として、将来の大阪がよりよくなっていくためには、どうすればよいかという点について話し合う ことで、子どもが学ぶ価値を感じて学習を進めていけると考える。 (仮説2)ICT 機器を活用することにより、話し合い活動を活発化することができる。 賛成や反対の意見を出し合う時に、それぞれの意見を ICT 機器の活用により視覚化することができる。これによ り子どもたち一人ひとりの考えを理解しながら話し合い活動を進めることができる。さらに、考えが変わった場合 もリアルタイムで考えを変えられるようにすることで、 「変えた理由は何か」ということについて更に話し合いを 展開させることができ、より深く話し合いができると考える。 — 46 — 3.単元計画(15時間 本時第13時) 教師の役割 願いや思い 評価計画 他教科・単元との関わり 昔の人々も、今と同じよう 賛成が多ければいいので 暮らしやすい世の中になって 世の中に対して人々の願 に、世の中をより良くしよ はなく、反対の人の事も いるのは昔の人のおかげだか いがあるというのは、今 うと頑張っていたんだね。 考えないといけないね。 ら感謝しないといけないね。 も昔も同じなんだね。 単元のふりかえりをしよう×2 立場によって考え 方が変わるという ことを思い出して 学習に取り組むよ うにする。 今までの学習を通して感じたこと をまとめて、発表する。 これからの大阪府について考えよう。(本時) どちらか片 方が終わっ た後にもう 片方の学習 を始める。 機械の力も使っ このつけかえによっ てつけかえを行 て、ようやく洪水が無 くなったんだね。 ったんだ。 沖野忠雄について 外国の方に頼む 工事したけれど、ま ほど、洪水に困っ た洪水が起きてしま ていたんだね。 ってかわいそう。 観察・技能 淀川と大和川のつけか えを通して、地域の発 洪水で困っている 田畑の水がこなくな 展に尽くした先人の具 人は大賛成なんだ ってしまったら、生活 体的事例を調査し、調 ろうね。 できなくなるよ。 べた過程や結果をノー トや作品にまとめるこ 当時の人々の思い とができる。 家が無くなる人は 絶対に引っ越した くないだろうな。 当時の人々の思い とても多くの人の努 力のおかげで今の川 があるんだね。 思考・判断・表現 みんなのために、 功績をたたえて、遠足 淀川と大和川のつけか 幕府まで動かした でも見た銅像が立っ えを通して、地域の発 なんてすごいな。 ているんだね。 展に尽くした先人の働 きについて学習問題や 中甚兵衛について 予想、学習計画を考え 表現し、地域の人々の 願いや生活の向上と先 跡地には、平野で 洪水は無くなって良か 人の働きや苦心につい も有名な綿が栽 ったけど、港に船が入れ て考え、適切に表現す 培されたんだね。 なくなったんだね。 ることができる。 つけかえた後の大和川 ヨハネス・デ・レーケについて 洪水を少しでも無 くしたい気持ちは よく分かるな。 機械も無い頃なの に大規模な工事を してすごい。 たった8ヶ月で工 事を完成したなん ておどろくな。 昔の淀川のつけかえ工事 洪水がたくさん起 きてとても困って いたんだな。 洪水で家だけでな く田畑も無くなり 生活が大変だ。 何で川をつ けかえたの かな。 あんな広い幅の川を 人の手で作ったなん て本当にすごいね。 大和川のつけかえ工事×2 洪水が起きると、普通 川の近くに住んで に生活ができなくな いる人は、いつも ってしまうね。 心配だろうな。 昔の淀川のようす 最初に遠足でいっ た淀川について調 べたいな。 関心・意欲・態度 淀川と大和川のつけか えを通して、地域の発 展に尽くした先人の働 きに関心をもち、それ らを意欲的に調べるこ とを通して、地域社会 のよりよい発展を考え ようとしている。 知識・理解 淀川と大和川のつけか えを通して、地域の 人々の願いや生活の向 上と、先人の働きや苦 心を理解することがで いる。 毎回の感想を座席 表にして配布する。 昔の大和川のようす 川をつけかえるの に、どれぐらいの お金がかかるの。 近くに住んでいる 人はどうなったの かな。 つけかえの前と後で大 活躍した人 きく変わったことはあ 物について るのかな。 知りたい。 学習計画を立てよう 今までの学習の流れを振り返ること ができるように、教室に掲示する。 子どもの思いや願いを視覚化し て、全体で学習計画を立てていく。 川幅も広くて、堤防も ものすごく高かった な。 リビエルホールからつけ かえの場所を実際に見た ね。 1学期 単元 「健康なくらしをささえる〜水〜」 1学期 遠足 「淀川」 2学期 遠足 「大和川」 47 — 淀川と大和川のつけか え前と後の写真を提示 して、気づいたことを 出し合う。 子どもの思いやねがい をカテゴリー別に色分 けをして、整理しやす くする。 「大阪府の土地のよう子と人々のくらし」の単 元で学習した流れをふりかえりながら、学習計 画を立てられるように声かけをする。 わたしたちの使う水は琵 淀川の水を浄水場でくみ 琶湖から、淀川を通ってき あげて、きれいな水にして いるんだったね。 ているんだね。 — これから学習していく 内容を確認して、みん なで調べていきたいこ とを出し合う。 遠足の様子を思 い出せるよう に、遠足の写真 を提示する。
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