概要 - World Bank

持続可能な開発の基準策定
世界銀行のセーフガード政策の見直しと改訂
概要
2015/16環境・社会フレームワーク
修正案第2ドラフトに基づく
コンサルテーション
内容
•
セーフガード政策と世界銀行の目標
•
目的と狙い
•
スケジュール
•
基準案
•
コンサルテーションのアプローチ
•
検討課題
2
再確認: なぜ見直しをするのか?
世銀グループの目標
の達成に直結する
国際基準のセーフ
ガード
借入国制度を
一層活用し
パートナーシップを強化
最新の基準による貧困層と
環境の保護強化
貧困の削減と繁栄の
共有を支える環境・
社会フレームワーク
差別禁止原則を通じて
開発の利益への包摂的
アクセスを確保
最新のフレームワークを通じて
世界銀行のリーダーシップを
強化
3
再確認: なぜ見直しをするのか?
8つのセーフガード
政策 + 借入国の
制度に関する政策
ESF:
1つの政策 +
10の基準
断片的な政策から
一貫性のある
フレームワークへ
4
再確認: なぜ見直しをするのか?
モニタリングおよび実
施面での支援と借入国
の責任とのバランス
世銀プロジェクトにおけ
る持続可能な環境・社
会面の成果を強化
新たな開発需要や課
題に対処し、借入国の
様々なニーズに対応
現行のセーフガード
政策の基本原則を踏ま
え、環境・社会リスクの
対象範囲を拡大
国際基準の
セーフガード
フレームワークを目指す
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借入国にとっての利点
世銀と他の
ドナーとの
借入国の
協調アプローチ
ニーズや制約
を踏まえた
基準
プロジェクト
の境界の明
確化
一本化され、一
貫性があり適
用しやすい政
策フレーム
ワーク
借入国制度
の
一層の活用
資源の最適
利用を可能
にする新た
なリスク評価
方法
世銀/借入国
間での明確な
責任分担
プロジェクト
ライフサイク
ル全体にわ
たるリアルタ
イムでのリス
ク管理
政策の構成
ビジョン: 投資プロジェクト融資の環境・社会基準の策定
プロジェクトレベル
世銀の責任(義務)
環境・社会政策
審査と
デューデリジェンス
法的取り決め
とコミットメント
計画
目標
借入国の責任(義務)
環境・社会基準 1-10
義務
ガイダンス・ノート、ケーススタ
ディ、ツール
ガイダンス
環境・社会手続
評価と実施
実施のためのガイダンス、情報
管理システム
現行のセーフガード政策の改正
環境・社会フレームワーク第 2 ドラフト
基準
基礎
改正点
ESS1: 環境・社会リスク
と影響の評価と管理
OP/BP4.01
(環境アセスメント)
社会アセスメントの強化、差別禁止、適応的管理と遵守のための時間
枠、他の開発パートナーとの調和的アプローチ、借入国のフレームワ
ークの構築と強化、プロジェクトサイクル全体にわたるモニタリング
と報告を重視
ESS2: 労働と労働条件
OP/BP4.01 および EHS
(環境・健康・安全)ガイド
ライン
児童労働および強制労働の禁止、労働安全衛生と苦情処理メカニズム
に重点、差別禁止と機会均等、結社の自由と団体交渉に関する国内法
の尊重
ESS3: 効率的な資源管理
と汚染防止
OP4.09(病害虫管理)および
EHS ガイドライン
エネルギー、水、その他の資源や物質の効率的な管理、技術的・財政
的に可能な場合における温室効果ガス(GHG)排出量の推定と削減
ESS4: コミュニティの衛
生安全
OP/BP4.37(ダムの安全性)
および EHS ガイドライン
インフラ、設備、製品、サービス、交通、危険物の設計および安全性
を通じ、リスクとコミュニティへの影響を重視、緊急時への備えと対
応の計画、保安要員の管理
ESS5: 土地の取得、土地
利用制限、非自発的住
民移転
OP/BP4.12(非自発的住民
移転)
土地所有権の明確化、共有資源へのアクセス、自発的取引、エスクロ
ーの使用、元の場所での再定住、強制的移転と収用の区別
8
現行のセーフガード政策の改正
環境・社会フレームワーク第 2 ドラフト
基準
基礎
改正点
ESS6: 生物多様性の保全
と生物天然資源の持続
可能な管理
OP/BP4.04(自然生息地)お
よび OP/BP4.36(森林)
生物多様性への影響の評価と緩和措置および生物天然資源の管理に関
する義務、コミュニティの生活に対する影響への対応、一次サプライ
ヤに関係する義務
ESS7: 先住民族
OP/BP4.10(先住民族)
定義の明確化、特定の状況での FPIC の導入、自発的に孤立している
先住民族の保護
ESS8: 文化遺産
OP/BP4.11(有形文化資源)
チャンスファインド手順の策定、影響を受けるコミュニティとのコン
サルテーションの強化、無形文化遺産、文化遺産の営利化に関するコ
ミュニティとのコンサルテーション
ESS9: 金融仲介機関
OP/BP 4.01
金融仲介事業の特性及びリスクの水準と影響に対応した環境・社会的
手続きの構築、世銀への年間報告
ESS10: 情報開示とステー
クホルダーの関与
世銀の関与に関する条項を統
合
有意義なコンサルテーション、ステークホルダーの関与の拡大、情報
へのアクセス、苦情処理
9
改訂のプロセス
2012年10月
– 2013年5月
2012年
10月
アプローチ
ペーパー
フェーズ1 コ
ンサルテー
ション
2013年5月 –
2013年7月
フィードバッ
ク分析
2013年7月 –
2014年7月
フレームワー
ク第1ドラフト
の作成
2015年3月 –
2014年8月 – 2015年6月
2015年3月
フェーズ2 コ
ンサルテー
ション
フィードバッ
ク分析と修
正
2015年
8月 –
2016年
前半
2016年半ば
(未定)
未定
最終承認
第3ドラフト
フェーズ3 コ
ンサルテー
ション
10
フェーズ3 コンサルテーション (2015年8月-2016年3月)
•
対象: 33カ国(借入国30カ国)*
アフリカ地域(10カ国):アンゴラ(アフリカ会議)、 東アジア・大洋州地域(3カ国):中国、ベトナム、
南アフリカ、マダガスカル、ルワンダ、タンザニア、 インドネシア
カメルーン、ブルキナファソ、エチオピア、ナイ
ジェリア、ケニア
ラテンアメリカ・カリブ海地域(5カ国): ペルー、メ
キシコ、ホンジュラス、セントルシア、ブラジル
ヨーロッパ・中央アジア地域(3カ国):トルコ、ウ
ズベキスタン、タジキスタン
中東・北アフリカ地域(6カ国):エジプト、レバノン、 パートI(3カ国):ベルギー、日本、米国
イラク(VC)、ヨルダン(VC)、モロッコ、サウジア
ラビア
南アジア地域(3カ国):インド、バングラデシュ、
アフガニスタン
•
優先的トピック
 世銀プロジェクトでの基準案の実施可能性
 借入国にとって新たな負担となる可能性のある事項
 第3ドラフトで対応されるべき検討課題
*上記の国の構成は計画策定の進展
に伴って変更される場合があります。
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コンサルテーションにおける検討課題
• さらなる議論が必要であると幹部および理事会が指摘した52の 課題 の一部
(完全なリストは付録を参照):
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人権に対するアプローチ
労働(結社の自由、団体交渉など)
気候変動と温室効果ガス排出
複雑な政治的・文化的背景がある場合や先住民族が憲法で認められていない場
合における先住民族に関する基準の実施
先住民族による、十分な情報に基づいた事前の自発的な同意(FPIC)の確立・実
施の基準
差別禁止原則のうち、特定の側面( 脆弱層のリスト化、複雑な社会・政治環境に
おける適用)
借入国の国内制度の活用
適応的リスク管理の側面(行動や文書開示のタイミング)
不法占有者の取り扱いと権利
借入国でのキャパシティ・ビルディングおよび実施の支援
12
ありがとうございました
詳細は下記をご参照ください:
http://consultations.worldbank.org/consultation/reviewand-update-world-bank-safeguard-policies
付録: フェーズ3 コンサルテーションにおける
検討課題
2015年7月1日、開発効果委員会(CODE)は環境・社会フレームワーク(ESF)の修正案(第2ドラフ
ト)に基づき、新ラウンドのコンサルテーションの開始を承認しました。理事会は世銀幹部に対し、
フェーズ3コンサルテーションでいくつかの問題点について議論するよう求めました。以下の表は
CODE会合の後に作成されたもので、今後開催されるコンサルテーション、特に政府とのコンサル
テーションの中で取り上げるよう理事会が幹部に求めた具体的な論点が記されています。コンサ
ルテーションでは、下記をはじめとする問題やESFのリソースおよび実施に関する借入国やその
他のステークホルダーからのフィードバックの収集を重点的に取り上げます。下記のリストは議論
すべき課題を例示したものであり、すべてを網羅しているものではありません。
14
人権
差別禁止と脆弱層
1.
2.
3.
借入国の環境・社会フ 4.
レームワークの活用
5.
環境・社会フレームワークでの人権へのアプローチ
具体的な脆弱層のタイプ/名称別の具体的例示(年齢、性別、民族、宗教、身体・精神・その他の障害、
社会的地位・婚姻状況や健康状態、性的指向、自己の性別認識、経済的困難または先住民族、固有の
天然資源への依存)
一定のグループが国内法で認められていないなど、複雑な社会・政治環境における差別禁止の原
則の特定の側面
6.
国内制度によってプロジェクトが環境・社会基準(ESS)に実質的に合致した目的の達成が可能になる場
合における、影響環境・社会リスクの管理と評価における借入国の国内制度の役割
借入国の国内制度によってプロジェクトがESSに実質的に合致した目的の達成が可能になる場合の評
価方法など、借入国の国内制度の活用に関する意思決定のアプローチ、ならびに世銀の裁量の行使
高リスク/実質的リスクがあるプロジェクトにおける借入国の国内制度の役割
協調融資/共通アプ
ローチ
適応的リスク管理
7.
協調融資において協調拠出者の基準が世銀の基準と異なる場合の環境・社会基準に関する取り決め
8.
環境・社会基準への適合状況のモニタリングならびに実施中のプロジェクトの変更に対するアプローチ
リスク分類
9.
プロジェクトのリスク・レベルの判定および見直しのアプローチ
環境・社会リスクおよ
び影響の評価と管理
10. 考慮すべき累積的・間接的影響の評価と性質
11. プロジェクトの評価で累積的・間接的影響が特定された場合の取り扱い
12. プロジェクトの境界の確立、ならびに関連施設、請負業者、一次サプライヤ、FIサブプロジェクト、直接出
資のサブプロジェクトへのESSの適用可能性
13. 借入国が第三者である独立専門家を雇う必要があると世銀が判断する状況
環境・社会コミットメント 14. ESCPの法的位置づけ、ならびに法的取り決めの一部としてのESCPの変更の意味
計画(ESCP)
15
労働と労働条件
15.
16.
17.
18.
19.
20.
気候変動と温室効
果ガス排出量
21. 環境・社会フレームワークにおける気候変動関連規定と、気候変動に関するより広範な取組み、特にUNFCCCとの関
係
22. 世銀プロジェクトにおける温室効果ガス(GHG)排出量の測定およびモニタリングについて、そうした推定およびモニタ
リングの範囲、閾値、期間、頻度、経済的・財政的実現可能性の決定など、基準案に沿ったアプローチ案とそのインプ
リケーション
23. 基準案に沿って借入国に世銀プロジェクトの温室効果ガス排出量の推定および削減を求めるインプリケーション
特定の第三者(ブローカー、代理人、仲介機関)により雇用された労働者の定義、必要性、および管理要件
請負業者、コミュニティ、ボランティア労働および一次サプライヤへの特定の労働要件の適用と実施インパクト
プロジェクト従事者全員に苦情処理メカニズムを利用できるようにする上での制約
結社の自由および団体交渉を認める上での国内法の参照
結社の自由および団体交渉が国内法で認められていない場合にそうした権利に関係する代替メカニズムの運用化
労働安全衛生(OHS)規定/基準の運用化における問題
土地の取得および 24. 不法占有者の取り扱いと権利、ならびに土地取得に無関係の状況での強制的移転に対するアプローチ
非自発的住民移転 25. 様々なプロジェクトの状況における「開発機会」としての住民移転の概念の解釈
生物多様性
26.
27.
28.
29.
一次サプライヤおよび生態系サービスに関する規定の運用化、特に機能が不十分な状況の場合
自然生息地や絶滅の危機にある生息地の保護と保全に関する国内法の役割
プロジェクトの便益への考慮も含めた、生物多様性オフセットの基準
生物多様性のネットゲインの定義と適用
先住民族
30.
31.
32.
33.
34.
35.
36.
複雑な政治的・文化的背景がある場合における先住民族に関する基準の実施
先住民族が憲法で認められていないあるいは一部の民族しか先住民族として認められていない国でのESS7の実施
先住民族を表すためにそれぞれの国で使用されている言葉の違いを反映させるために使用可能なアプローチ
免除が考慮される可能性のある状況(基準、タイミングなど)と、理事会の意思決定のために提出すべき情報
十分な情報に基づいた事前の自発的な同意(FPIC)の確立および実施の基準
提案されているFPICと、コンサルテーションに関する既存の要件との比較
先住民族の文化遺産に及ぼす影響へのFPICの適用
16
文化遺産
37. 無形文化遺産の取り扱い
38. プロジェクトで文化遺産の商業化が意図されている場合の無形文化遺産の適用
39. 文化遺産が法的に保護されていない、またはそれまでに特定されていなかった、または手を付けら
れていなかった場合における文化遺産要件の適用
金融仲介機関
40. 金融仲介機関サブプロジェクトへの基準の適用と、リスクに応じた資金面の影響
41. IFCやエクエーター原則採択銀行とのアプローチの調和化
ステークホルダー 42. プロジェクトのステークホルダーおよび関与の性質の定義と特定
43. プロジェクトのステークホルダーの特定における借入国または実施機関の役割
関与の強化
EHSGとGIIP
44. 環境・衛生・安全ガイドライン(EHSG)および国際的な産業グッド・プラクティス(GIIP)の適用、特に国
内法と異なる場合または借入国に技術的/財務的な制約があるか、プロジェクト固有の事情があ
る場合
実行可能性と実施 45. 環境・社会フレームワーク案の範囲の拡大(労働基準など)、借入国の能力の相違、適応的管理の
アプローチといった要因を考慮した場合の、借入国にとっての実施面およびリソース面の影響
のためのリソース
46. 付加的な負担やコストの軽減、ならびに有効性を維持しながら実施効率を高めるための選択肢
借入国のキャパシ 47. 借入国のキャパシティ・ビルディングへの資金提供
ティ・ビルディング 48. アプローチと重点分野
49. 紛争影響国、小国、緊急事態など、能力面の制約がある状況での環境・社会フレームワーク実施
と実施支援
のアプローチ
開示
50. 特定の環境・社会影響評価書(ESS1およびESS10に関連)の作成と開示のタイミング
環境・社会フレー
ムワークの実施
51. 環境・社会フレームワークを効果的に実施するための世銀内でのキャパシティ・ビルディング、資金
確保、行動変化
52. 解釈の難しい問題に関して借入国と世銀が相互理解に達するための方法
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