支え合いによる地域包括ケアシステムの構築について

看護がつなぐ地域包括ケアフォーラムin熊本 リレートーク
~誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる
福祉のまちづくりを目指して~
地域包括ケアシステムと住民主体の支え合い活動
社会福祉法人 熊本県社会福祉協議会
事務局長 加藤 貴一郎
社会福祉協議会(社協)とは
 社協は、民間の社会福祉活動を推進することを目的とした
民間非営利団体です。昭和26年(1951年)に制定された社
会福祉事業法(現在の「社会福祉法」)に基づき設置され、
「地域福祉の推進を図ることを目的とする団体」と規定され
ています。
 社協は、それぞれの都道府県、市区町村で、地域住民や、
民生委員・児童委員、社会福祉施設・社会福祉法人等の社
会福祉関係者、保健・医療・教育など関係機関の参加・協
力のもと、地域の人びとが住み慣れたまちで安心して生活
することのできる「福祉のまちづくり」の実現をめざしたさま
ざまな活動に取り組んでいます。
市町村社協の事業 1
○ 住民参加の地域福祉活動と地域づくりの推進
校区社協、地区福祉会等の組織化、活動の推進
小地域ネットワーク活動(隣近所による見守り、生活支援活動)
ふれあいいきいきサロン活動(身近な集いの場)
43社協 2,463カ所
食事サービス(会食型、配食型)
ボランティアセンター(活動のコーディネート、福祉教育、災害時支援)
市町村社協の事業 2
○ 地域における相談支援活動
総合相談支援事業
生活福祉資金貸付事業
生活困窮者自立支援制度「自立相談支援事業」(平成27年4月~)
地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業) (平成11年10月~)
契約累計件数 2,025人(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者)
成年後見制度(法人後見)による支援
成年後見センター立ち上げ 6社協
法人後見受任 9社協104件
市町村社協の事業 3
○ 在宅福祉サービス
訪問介護事業
通所介護事業
訪問入浴事業
居宅介護支援事業
実施社協数
37社協(82%)
23社協(51%)
14社協(31%)
36社協(80%)
地域包括ケアシステムの構築について
○ 団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで
続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の構築を実現。
○ 今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が
重要。
○ 人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部、75歳以上人口の増加は緩やかだが人口は減少する町村部等、高齢化の進展
状況には大きな地域差。
○ 地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていく
ことが必要。
地域包括ケアシステムの姿
病気になったら・・・
医 療
介護が必要になったら・・・
介 護
病院:
急性期、回復期、慢性期
日常の医療:
・かかりつけ医、有床診療所
・地域の連携病院
・歯科医療、薬局
通院・入院
通所・入所
住まい
・地域包括支援センター
・ケアマネジャー
■在宅系サービス:
・訪問介護 ・訪問看護 ・通所介護
・小規模多機能型居宅介護
・短期入所生活介護
・福祉用具
・24時間対応の訪問サービス
・複合型サービス
(小規模多機能型居宅介護+訪問看護)等
■介護予防サービス
■施設・居住系サービス
・介護老人福祉施設
・介護老人保健施設
・認知症共同生活介護
・特定施設入所者生活介護
等
・自宅
・サービス付き高齢者向け住宅等
相談業務やサービスの
コーディネートを行います。
いつまでも元気に暮らすために・・・
生活支援・介護予防
老人クラブ・自治会・ボランティア・NPO 等
※ 地域包括ケアシステムは、おおむね30分以内に必
要なサービスが提供される日常生活圏域(具体的に
は中学校区)を単位として想定
支え合いによる地域包括ケアシステムの構築について
○地域包括ケアシステムの構築に当たっては、「介護」「医療」「予防」といった専門的サービスの前提として、「住まい」と「生活
支援・福祉」といった分野が重要である。
○自助・共助・互助・公助をつなぎあわせる(体系化・組織化する)役割が必要。
○とりわけ、都市部では、意識的に「互助」の強化を行わなければ、強い「互助」を期待できない。
自助:・介護保険・医療保険の自己負担部分
・市場サービスの購入
・自身や家族による対応
互助:・費用負担が制度的に保障されていないボランティアな
どの支援、地域住民の取組み
共助:・介護保険・医療保険制度による給付
公助:・介護保険・医療保険の公費(税金)
部分
・自治体等が提供するサービス
地域包括ケア研究会「地域包括ケアシステムの構築における今後の検討のための論点」(平成25年3月)より
新しい総合事業
 介護保険法の改正により、平成27年4月からスタート
(平成29年3月までの経過期間あり)
 地域の支え合い活動(互助)への期待がより一層高まった。
社協への期待も高まっている
社協に期待される具体的な取り組み
 安否確認等見守り活動の展開
小地域ネットワーク活動・見守り応援隊活動
 ちょっとした困りごとへの住民相互の支援活動の展開
 多様なニーズに応える生活支援サービスの展開
 認知症高齢者や知的障がい者・精神障がい者の在宅生活の支援
生活の中のちょっとした困りごとの
お手伝いを住民同士で支える活動
お仲間(協力会員)募集
買い物だったらお手のものよ!
お掃除ならまかせてちょうだい!
ちょっとした日曜大工、
まかしてはいよ!
ゴミだしだったら僕に任せて!
分別もできるよ!
重たいものを運ぶことなら
まかせてね!
お話しすることや
聞くことが大好き!
※協力会員の養成講座を受講していただく必要があります。
詳しくはお問合せください。
(利用料)
(社協会費・協賛金等)
協力会員(団体)登録 ※現在…10団体が登録
(うち行政区で組織されている団体は6つ)
※取り組み例
すずかけ台地区(ぽっかぽかすずかけ)
① 利用会員に対して、
地区で担当協力会員を配置
② 月1回の買い物ツアーを実施
③ 集いの場「よんなっせ」の開設
よりよい地域包括ケアシステムを目指して
 地域住民の主体的な参加の推進
 地域づくりの視点での支え合い活動の展開
 介護、医療・看護等の専門機関と地域の支えあい活動との連携
誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる
福祉のまちづくり