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アーチダムのたわみおよびひずみの挙動解析ならびにそ
の信頼度検定に関する研究( Dissertation_全文 )
三池, 亮次
Kyoto University (京都大学)
1968-03-23
http://dx.doi.org/10.14989/doctor.r1209
Right
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Thesis or Dissertation
author
Kyoto University
アーチダムのたわみおよびひずみの
挙動解析ならびにその信頼度検定
に関する研究
昭和42年11月
三 池 亮 次
アー一一・・チダムのたわみおよびひずみの
挙動解析ならびにその信頼度検定
に関する研究
昭和42年11月
三 池 亮 次
は
じ
め
に
筆者が昭和36年土木研究所においてアーチダムの挙動解析の研究を担当して以来、すでに6
年のオ月が過ぎた。当時わが国にお・いても、ようやぐ多ぐのアーチダムが完成し、設計技術者は
設計法、荷重のとり方において事実と矛盾するかどうか、管理者側からは、アーチダムが安全に
挙動しているかどうかにっいて不安があり、堤体に多額の費用をもつて多数の計器が埋設され、
土木研究所にお・いても、実測解析を主要研究テーマの一つとして取り上げた○である。
日本の土木技術者は、ややもすると華やかな建設の過程に心を奪われ、竣功後の実測解析を含
めた管理の問題にっいては、とかぐ軽視する傾向があるように思える。
莫大な工費をもって折角計器が堤体に埋設されているにもかかわらず、管理所はその資料をど
のように活用すべきかを知らず、また研究者側からは解析の手法について適切な助言を与えるの
が困難な状態にあつた。
筆者はこの問題を解析することは囚家的使命であると考え、途中昭和39年熊本大学に転勤後
も解析を続行し、たまたま京都大学石原藤次郎博士より学位論文として提出するよう指示があり、
未だ検討すべき多くの問題を残しているが、今回ようやぐその結果を取りまとめる段階にまで起
した次沖である。
本論文の前半皿よりNまではアーチダムのたわみあるいはひずみを解析する基礎理論について
VよりKまでは、その具体的適用結果lcついて検討を加えた。前半の皿では挙動解析の各種の統
計学的手法を開発し、mにおいては主としてたん水開始後のアーチグムに作用すろ各種の荷重作
用にっいて考察を加え、Nでは無次元解析法によつてア・一一チダムのたわみ、応力の挙動特性を検
討した。
後半のV・Vlでは解析の対象とする4っのアーチダムの諸元、計器を紹介し、 W・Wではアー
チタ’ムのたわみ、ひずみの実測値と、各荷重との回帰関係を究明して、IVの無次元解析法による
推定値と比較検討した。またひずみの補正計算法についても検討を加えた。
Kではllで開発した各種の統計学的手法を駆使して、アーチダムの信頼度を検定し、アーチダ
ムの外荷重に対する抵抗の構造形式は刻々に変劫するものであることを確認し、アーチダムの安
全管理上のいくつかの問題点について考察を加えた。
本研究を行うにあたり京都大学、石原藤次郎教授、丹羽義次教授、佐々木綱教授より終始御懇
切な御指導、御鞭燵を受けた。また熊本大学工学部、福井武弘教授、藤芳義男教授、理学部、稲
葉三男教授から、アーチダムの構造解析法、統計解析法について御指導をうけた、,電子計算プロ
グラム作成ICついては熊本大学工学部松山公…教授より手解を受けた。
また土木研究所にお・いては、前ダム部長村幸雄博士、現赤羽支所長石井文雄、技術管理室長中
村慶一、ダム構造研究室長、飯田隆一の各氏より多くの御教示と示唆が与えられた。とくに中村
慶一博士より統計解析の手法について多くを学んだ。
宮崎県企業局、冨山県電気局、河川課、建設省鳴子ダム管理所、二瀬ダム管還所よb解析資料
の提供を受けた。電子計算は熊本大学電子計算機室FACOM−23ハによつて行つた。図表作
成その他にっいて熊本大学土木工学教室、土木研究所ダム構造研究室の方々の御協力を得た。
ここに関係各位に対し、心からの謝意を表する次牙である。
昭和42年6月 三池亮次
目 次
1総論______一..__...__._.__.____._・・__……一・・一
1444
皿 挙動解析の統計理論一…・…・…一……・一……・…一・一・一・……・一・…・・t’T
〔1〕 異重重回帰における有意性の検定 ・ …一・………一…・・…・……………・・
1.1要旨 ・……一………・・一…一…・………・……・……・・…一・・…・一…
1.2 最小二乗法一…・・一……・ …・・・・…一……………・一…………・…・’………”
1.3 帰無仮設による有意性の検定について
〔2〕 主成分分析法による信頼度の検定・・… ・…・…………・…・一・
2.1要旨.、_._………一一・・
2.2 主成分分析 … …一・…・ ……・…’…一一
2.3 主成分分析の電子計算 … …一・・…・・…t・’………………t・・一一・
2.4 信頼度の検定・・…… ’・一 ・・一…・・…・………一…一…一・・一…・・一……
〔3〕 異重重日帰にtsける一元配置論
3.1要旨…・一…・…・…・…一……『『………一一’ 一’…
3.2理論 ・・…・・……・・……・・……・…一・一…………・…・一………・…・・…
〔4〕 重回帰分析にtsける信頼性理論の適用について 一
4.1要旨.___...__. _…一…・… …・……・・
4.2理論・・……・… …・一・…一一
皿 アーチダムの挙動を支配する諸要因 ・’ ・一・… …………・…’・……一・一
〔1〕概説・・………’…一…一・・一一… ………・・・… …一
〔2} 流動変形 ・…・……一…一一・… t・−tt …一…
2.1 概説・………一…一・・’・・ …一’…・・……・・…一・…・…一・『…・………・一・・
2.2 流動変形の粘弾性論的取り扱い’一一……・……………’………一…一
〔3〕 温度荷重 ……・…・・一一一・一…・・… ………一…・…・一・………一…
3.1概説一・一・…”一……………・・・… …一一・t−一一・……………・・
3.2 温度荷重に関する弾性力学的考察 …一… …一…一・………………
3.3 堤体平均温度k’よび等値直線温度こう配の年間の変化量…・’
〔4〕 水圧荷重 ・…・・………・・…t・・一・…………・…… …_
4.1 外水圧 ・ .___. __...___.__.. ..._._,__.
4,2 内水圧・… … t−.一___.___._.,.
無次元解析法によるアーチダムの挙動特性の研究
〔1〕弾性固定アーチの理論 ・・
〔2〕 弾性固定アーチにおける応力の挙動特性
一特に引張応力発生の機構について一
2.1 要 旨 t.+. ・_一一・…・…… ’・…・一・・…・・’t
2.2 対称等厚円弧アーチ …_
55
33
2、3 弾性固定アーチにtsける引張応力発生の機構 .._.、.___一,
55
2.4結論 _._.t.tt__.._.__.__..._t._t._.__...._._..____.^
61
61
〔3〕 弾性固定アーチの応力の挙動特性一…・___.…._・…_…,._....____..__
一水圧X・よび温度荷重を受ける場合一
3.1要旨………・・……一・一……一……・’・……………・・…・・……・……・……・一・・…一……・
666777
114055
3.2 水圧荷重による応力の挙動特性 …………・・一一…………………・・…・……・………・…’…
3,3 堤体平均温度上昇による応力の挙動特性 __.._....._.___...__,_....,
3.4 温度こう配による応力の挙動特性 _一...____._.._..___......_____
3.5 総合効果 ・………一…_..______..__._..__._..__._._.,.t...
3.6結論・一……一・’…・…t.一一_t__.___.___.___.._一.一_,一___.._.
〔4〕 アーチダムのたわみの挙動特性 … 一.__.._...._____.___一_
7778888890
6660333453
1 1
2
4.1 要 旨 _.__._._._...÷一一.__._.___...__.__.._.._....._._..
4.2 弾性固定アー・・一チのたわみの挙動特性 _.__.一.一_.._._.._.._..._...
4.3 弾性固定てい形片持ばりのたわみの挙動・.一・_…_._..______.
44 結 3命........._..、..,..,........tt.tt.........t_.,....・’・.・・… tt・一・… 一・t・・・・… ’…
〔5〕無次元解析法によるアーチダムのたわみおよび応力の挙動特性・・……・…・……・
5.1要旨..._____..__.____.._,,____.__...___.._.,.._.
5.2 水圧荷重に対して …・……・・一…・・……………・…・・・・……………・…・………・…・一…・
5.3 堤体平均湿、度変化量に対して..___.._一_..._____.....t..一__.._._ .,.
5.4 温度こう配に対して 一 …・・t・t−tt……tt’…………・…’・・・…一………・…・…・・…・−
5.5結論 _._____._.____._____..._....._..__..__.__
V 解析に使用するアーチダムの諸元
W 実測計器宕よびその配置 ・__.
V1 たわみの解析・一・・一・…・………・
〔1〕概説______.._.__
〔2〕たわみの解析.__…一・_・−tt
2.1
綾北ダム ・…一……一…’……・・…’…一一一…一……・……・’・……………一・
2.2
鳴子ダム ・・………・………・一一・・………………………・…一・一…………・・…・’…………・
2.3
二瀬および室牧ダム ー…・一一…一…・………一…………一・・…………一一
〔3〕 考
察_,__…………一・……一一・一・…・…………・…・……………………’一・・…一
3,1
流動変形によるたわみ ……一・………一・……・一…・……・・…・………・……’一…
3,2
水圧荷重によるたわみ . .._一_..._..t._…・…・………・…・…一…一一・一一一
3.3
温度荷重によるたわみ ……一……・…・・一・………………・………’…・……・…’………
3。4
精密三角測量との比較 …一 一……・…・…一……・…一・……………・……’一・
3.5
無次元解析法によるたわみ計算値との比較t−一一…・……’・…・・………・………・・…
W ひずみの解析
.144
444445555
〔1〕概説__._…._…・・・… ……………・・…
455680002
〔2〕 ひずみの補正計算 __一__ _.__....___,__…___.…
2.1 ひずみの補正計算 __.._._....____.__.____.._
2.2 温度膨脹係数、ボアソン比、弾性係数の算定...._ .__.
2.3 適用例 一・………・…・・…’_…・・…….・.___._.._.,._____…..
〔3〕 ひずみの解析 .._._,. t−..._..____一_...___.__._._
3.1 概説.._._.__..,..____.._.._._.____._……・…・
3.2 ひずみの解析一.__.___...一一一.__.,_,_.____.__._
3,3 考 察
1X アーチダムの信頼度の検定 ._._一.t−.、.___._.._...一..…一…一・
〔1〕概説...___..・.…・・……………
〔2〕流動変形によるアーチダムの信頼度の検定 .,_...____
〔3〕 主成分分析法によるアーチグムの信頼度の検定
3.1概説. ...t_、
3.2 主成分分析による信頼度検定の電子計算 _ ..._.…・…−
3.3考察._._,_...__....一__.._..._..___・
3.4 結 論 ._........,. ・・・・・… 一一・・一一・・・・・… t−… 一一… 一・一 ・一一’t・・・・・・・・・・… 一一… ’・+・・・…
〔4〕 重回帰にk’ける一元配置論によるアーチダムの信頼度の検定
4.1概説...._..__._.....__. __....,._..
4.2 信頼度の検定 .t.._.___. ...._.____,一._____一一t...
〔5〕 アーチグムの安全管理について.、 _.,.一_.,.一.
111
5. 1 概 説 ・・・ ・… ………・… …… ◆・㊨㊨ 一 一…一 … 一 ・一 ’・『『『・一・…
5.2 アーチダムの信頼度検定論の実際問題への適用
X 結 論
1
7 7
1 総
論
近年、火主水従政策の下に黒部矛4発電所建設を頂点として、発電水カダム建設の隆盛期はよ
うやぐ過ぎ去つたかの風評を耳にするところであるが、わが国に残された唯一の水資源に対する
需要はますRす増大し、河水の効率的利用を計るため、洪水調節を兼ねた多目的ダム建設は今後
とも活疲に行われることが期待される。
コンクリートダムの中でもアーチダムは力学的にも経済的にももつとも合理的形態をもつだけ
に今後の研究の進展が望まれるところである。
実測資料によるアーチダムの挙動解析に関する研究は、
ω ダム施工におけるクーリングのための温度管理、グラウトのための継目開閉の計測等の施
工管理
(2) ダムの安全管理
{3 現在行われているダムの設計荷重のとり方、および設計計算方法の改善を目的としたダム
の構造作用解析
以上の3点を目的としているが、ここではその中、たん水開始以降のたわみtoよぴひずみ等の
実測資料によつて、アーチダムの安全管理k・よび構造作用解析の各種の手法の検討を行うに止め
る。
すなわちアーチダムの設計方法として現在用いられている荷重分割計算k・よび模型実験は、そ
れ自身多くの仮定の上に成立するものであり、実際建設されたアーチダムに生ずる応力、たわみ
現象に適合した設計が行われたかどうか保障できない。
たとえば堤体コンクリートtoよび基礎岩盤の流動変形、堤体コンクリートの非均質性、異方性、
継目の開閉、応力集中、施エの不十分、たとえば、コンクリートの強度の低下、設計形状どおり
の施工が行われていないこと。平面保持の法則、荷重分割計算の近似性、i基礎接触面にお・ける弾
塑性変形、温度応力、間隙水圧、揚圧力等の不明確性等々、これらの諸因子のアーチダムのたわ
み、応力に及ぼす影響をすべて考慮に入れて設計することは困難である。
しかしながら、たん水開始以降のたわみ、応力の挙動解析にその範囲を限定するなら、主要要
吋を水位、堤体温Et、およびその他の非可逆的流動変形に大別してかなりの精度で解析が可能で
あることが考察されるであろう。
1.1)・1.2)
Rocha等は温度条件として堤体平均温度、等値直線温度こう配を与え、たわみあるいはひず
みと水位、堤体温度との回帰関係を最小二乗法によつて求める方法を提案し、Cani?ada ダム
に対してたわみにもつとも大きく影響する因子は、むしろ堤体子均温度であることを述べた。
1.3)
To・niniもまた温度条件としてトップアーチと基礎アーチの温度差、上下流面温度差を与え、た
わみの解析を行い、温度荷重がダムのたわみに及ほす影響が、かなり顕著であることを指摘して
いる。
しかしながらRocha の解析方法は因子相互の相関性の問題、因子の有意性、流動変形の評価
が不十分である。
1.4)・15)
中村慶一氏および筆老らは重回帰にS・ける有意性検定の理論に基づき流動変形の因子を考慮し
一1一
て解析し、かなり良好な成果を得た。H〔1〕の異重重回帰にbける有意性検定の理論において、
拡張された重回帰における有意性検定法を紹介する。
本論文ではまた、水圧および温度荷重を受けたアーチダムのたわみあ・よび応力の挙動特性を無
次元量の形で把握する研究を試み、興味ある幾つかの成果を得、実測資料による解析の結果によ
1.6)
つてこれを検証した。
ダムに限らずすべての構造物が長年にわたる経験の下に次オにより大型化、複雑化することが
可能となる理由の一つとして、言わば実物による模型実験を積み重ねていくことが考えられる。
すなわち予備設計の段階には相似率の考え方が、意識的にか無意識に行われているのであろう。
したがって予備設計の段階で積極的に無次元解析法の概念を導入すればより合理的設計が行われ
るものと考えられる。
ダム管理者が進んでアーチダムの力学的挙動特性を知る上にもこの無次元解析法による解析の
成果の活用が望まれる。
アー一一チダムのたわみは局部的ひずみ現象を平均化した総合的変形現象であり、またたわみを言{
測するプラムラィンの精度がかなり高いため、設計によつて推定されるたわみ値と、実測解析の
結果得られるたわみ値とはかなり近似するが、アーチダムの局部的変形を表わす実測ひずみある
いは応力は、補正計算においてかなりの誤差を伴うこと、ひずみ計自身の精度がブラムライン程
には期待できないこと、設計では考慮されない各種の局部的要因などのため一般に設討ひずみあ
1.7)
るいは応力とはかなり相違するものと言われ、たとえば上下流面応力が均一化する傾向が筆者の
解析の結果によっても確認された。
従来、重力ダ。についての弾性力学に立脚。た理論的、実験的研報、多ぐの学f, tlCよつて行
1.9)
われて来たが、アーチダムのように3次元構造物の弾性解を求めることは困難であり、あくtで
近似計鎚である荷重分割計雛主体、しそ汎ル理論の適用靴関す。研購認られてい。
Oがアーチダムの力学的研究の現状である。
基礎の弾塑性的特性、クラツクの発生、間隙水圧、コンクリートのクリープ、非均負性、異方
性、継目○開閉等がアーチダムのひずみ、応力の挙動を擾乱する力学的機構は、大型電子計算機
の進歩によつて次矛に解明され、実測ひずみの不可解な現象もやがて説明されていくものと考え
られる。
一方アーチダムの変形,堤内温度等の挙動を実測資料によつて検証しようと言う試みは近代アー
チダムの建設が始まった20世紀初頭にts hてすでに行われた。すなわち1921年にスイスの
1.13)
Montgaユvensダムで三角測量によるたわみ測定が 1926年にはSteveneon−Greθk試
1.14)
験用アーチダムにお・いて炭素棒によるひずみ測定が試みられ、
1933年Hooverダムではカー一一
1.13)
ルソンひずみ計による本格的観測が実施された。以来多ぐのダムに各種の計器が埋設され多くの
観測資料および解析成果が公表されてS・り、ダムの変位、内部応力、ひずみ、温度に関する挙動
特性が逐次明らかになりっつある。
アメリカの勒ダ・である・。。r・, an、 H、。。。。e,・。。,ani・15)ダ。の実測解析‥いて、す
でに実測たわみを、温度、水圧荷重、その他の経年変化の各因子の持分にあぐまで図解法によつ
て分離しようとする試みが行われ、重カダムにおいても、温度荷重によつて大きく変形する事実
を確認しているが変形の主要要因に着目して各因子の影響度を分離して求めようと言う統計解析
一2一
学的研究はむしろR’)eha,Toniniによつて最初に行われたものと見るべきであろう。
コンクリート打設後のコンクリート○粘弾性的性質の著しい時点におけるひずみよb応力に換
1.16)
算する方法は、」・M・Raphaeユによって提案され、アメリガ⊃Bureau of Recユamatio n、わ
L17)
が国では君島氏らがかなり詳細な検討を行つている。 .,
さて実測資料は言わぱ統計的変量であ9、これを解析するための手段として、近代統計学の手
1.・18)
法を積極的に応用し、あるいは未開拓な分野であれば、数学的手法の開発に自ら挑戦していかな
ければ、正確な解析は不可能であろう。
たとえば堤体平均温度、温匿こう配の間の高い相関のために生ずる解析上の種々の問題は、主
1.19)
成分分析法の適用によって解決を試み、かくして因子のレベルでアーチダムの信頼度を検定する
ことが可能となつた。
主成分分析その他の方法によるたわみの解析の結果、アーチダムは決して安定した挙汕を繰り
返しているのではなぐ、とくにたん水切期の数ケ月間には、新しい環境に適応するため、かなり
著しい岩盤toよび堤体の非可逆的変形が認められ、その後においても外荷重に対するアーチダム
の抵抗の構造形式は刻々に変動することが擢定された。
アーチダムのたわみは、ひずみ、継目開度、間隙水圧、岩盤の挙動などの諸因子と相互に密接
な有機的関係を保ちながら、局部的変形を平均した総合現象であり、このたわみによるアーチダ
ムの信頼慶検定の結果は、アーチダムの安全管理を行う指標として重要な役割を演ずるであろう。
破壊直前の構造物の挙動を追求する弾塑性論、破壊の進行の過程を統計学的に研究する信頼性
1.20) 1.21)
理論、あるいは安全度を定義するいわゆる安全率の問題はここで言うアーチダムの信頼度の概念
をさらに明確に把握するため、今後研究すべき、主要テーマと考えられるのである。
フランスのマルパツセアーチタ’ムの惨害が口本では決して起こらないよう、アーチダムの実測
資科が提供する情報に耳を傾け、アーダムの信頼度にっいて適切な判断を即刻下す態勢を整える
よう努力しなければならない。
一3一
皿 挙動解析の統計理論
〔1〕異重重回帰における有意性の検定
1.1 要 旨
ある観測量yCtとp個の要因¢頃(i=1,2,……,p)との間に次の線型回帰模型が成
立するものとする。すなわち
Y、、 一 ¢Ctlff、+¢。、β、+……・・一+sexpfip+・Ct (2・1・1)
ただしα=1,2,……,nは観縄の組番号、β1,β2,……,βρは偏回帰係数でe Ctはここ
にとりあげなかつた因子による擾乱であり、各組の擾乱はおのtsの互に独立に正規分布
…,・・)をす・…仮定す…の場合の,・9・の不偏推定値Cl>iを求め・鵠帰無
仮設により各因子の有意性を検討する方法についてはすでに詳細な検討が行われ、アー
チダムの挙動解析に対してかなり有力な手段として利用されている。
_方測量資料を統計的に処理する誤差論においては(2.L1)式を間接測定にtsける観
測方程式と言い、各組の観測資料の重さが異なる場合を異重間接測定と称して未知量β
2.2)・2.3)
の最確値bよびその平均二乗誤差を求める方法が確立している。
帰無仮設による重回帰に関する有意性の検定の場合にも当然各観測資料の重さが異な
る場合が考えられる。
以下、各観測資料の重さの異なる場合の帰無仮設による有意性検定の理論を展開して
みよう。
1.2 最小二乗法
(2. 1.1)式をマトリクス記法で表示すれば
y=xR+e (2・1・2)
プライム記号で、マトリクスまたはペクトルの転置を表わすものとすれば、上式に.p・
hて
y’=〔X,”,一・・,y. ), A’ ・・〔・e・・β・ド・一・み〕
、
工u ¢匂…”◆ XiP,
x、、x。……x,ヨ
X=
……’
eノ=〔 et, e2,・・…・,en〕
@ 1
¢川工・ぜ一工・P]
また各観測の組の重さq:,q2,……,qava対して重さの対角マトリクス
/ 、
Q一
qr
一4一
を定義すれば、偏差eに対して、
E’〔e〕=O
rσ1、,2。/
t
E〔eet〕= \ ニσ2Q−s
、N
’ ハ
k°’・9
eこ(i=1,2,……,n)は互に独立ft分布をするものとすれば、異重測定に対しては、
残差二乗和
etQe=(y−Xβ)tQ(y−X/9)
=y’Qy−y’QXβ一βX竃・Qy+β‘X‘QXρ
を最小にす鎗がPの不離定鎗・。る.す⇔ち
命{(X’Qy)’の「鈴{Pi(X’ Qy)}−Xi QY
才{・P’(XIQW}一・X‘QXβ
であるから
μ躍e)],.β一一・X’Qy+・X’QX pA .・
●
したがって次の正規方程式を得る。
XIQX,2 −X・Qy
(2.1.3)
レ、ま
烏
Sz二xtQX
とすれば det(Sl)Ioであれば
β一silXI Q・
(2.1.4)
(2.1.5)
であるから ’ ,
E〔 c一Sl’X’Q E・X・P+・〕−SデX’QX行
(2.1.6)
すなわちノ9はβの不偏推定量となる。
残差平方和
SE−(y−X2)・Q(y−Xβ)
・ylQy一多XQy−y・Q Xfl+β・X・QXβ
=〉”Qy 一一 yt QX SI;;t XI Qy− yt QX S2 X!QY+y’QXS;1X‘QX卵Qy
−yOQy−♪・X’Qy (・.1.・)
であb
σ2−E
k嵩〕 ・ξ一Ek告ア (・…)
一5一
a・1・・E
kぴ三ヲ ,4) (・1・・)
であることも容易唖明することができる・ただしCiiは・s7の逆マトリクスの対角
・要素、aiは2の分散である.
1.3 帰無仮設による有意性の検定について
各組の観測資料の重さが異なる場合の重回帰にお・ける有意性の検定理論を展開するた
めに、ま’StJiali が重さの等しい場合と同じく、自由度n−pのX2分布をすることが次の
ように証明されるので紹介する。
2.5)・2.6)
ここでは確率分布関数に関する次の諸定理より検討を加える
定理1、
XL(・=一 1, 2,……・n)が互融立va・iF一規分布N(・L tσ∼)をするとき
X=Σa,XL十b
は正規分布N(Σaiμξ十b,.S alσ8)をする。
定理2、
Xi2が自由度M,1(i=1.2.……,k)をもって独立にゾ分布をするなら
k
z2−=2x.L
i.1 L
は自由度 」ξm,のX2分布をする(X2の再生性)
t=’
定理3.
eξN(0,¢i)であるとき二次形式e’Aeとe’Beが独立であるための
必要十分条件は
AB=0
2.7)
である。ただしA、Bは対称マトリクスである。
残差平方和
,e’=(y−Xβ)・Q(y−Xβ)
< <
=(y−xfi)’Q(y−Xβ)+(Xρ一X!9)tQ(Xβ一Xメヲ)
+(y−xP)’Q(xP−x fo)+(Xρ一Xβ)・Q(y−xp)
(2.1.】0)
しかるに(2. 1. 5)式から
P−S;XQy一障X’Q醐+・)= S2’x’ QX,fi+竿Q・
=P+障X’Q・
β一β (2・工口)
∴ =障X’Qe
であるから(2. 1. 10)
式における
オ1項=e’Qe
・i’・項一(fl 一β)i Sf(h一の一・・QX粘騨Q・
=・‘QX Sfx Qe
矛・項一e1QX(fi−P)一一dQX障XQ・
th・項一(β一P)’X‘Q・一:ξ二QX71XQ・
したがつて
SE=e’Qe−e‘QX障i)eQe
−・・Q・一・h−P)r Sg(β一β) (・・1・・2)
である・晋ぐN(・・1)であるから定王退2によって
S(÷)・一存噺竺♀∼−t…(・) (・.1.・3)
〆=’
〆=ノ
(2」.12)式の矛2項すなわち
R≡elQXSi1)X1Qe
二e‘QtQ±XS≡1)ぐQ+Qle (21.14)
冨
にお・hて
ノ ’ .
Ag =QiXSIX Qi (2.1.15)
とし、直交マトリクスLに対して
ノ
Qるe=Lw (2.・1.16)
ただし
w”=〔w、,w,ド・…・,Wn〕
によって、互に独立な分布をするeをwに変換すれば、wもまた互に独立な分布をする
ベクトルとなり、
R・ Nv, L’ A, L w ’ (・1・・7)
t’
しかるに旬は対称行列であるから
LIAζL一λ (2・1・18)
となるように実数の固有値λおよび直交行列Lを選定することができる。また
t ’ t
A6二QラXS芦αQ’XSi1XQ7
− AS (2・1・19)
’ ノ
t「ace(AX)=t「ace(S・3’ X‘Qτ Q’ X)
=P (2.L20)
であり、
λ2=1/ALL’AL
? l
sλ (2.1.21)
であるから、λの(i・・)翻λ‘1または0で
・「ace(λ)=・・ace(A$)==・ (・…22)
−7一
(2.1.23)
∴λ=
0
\×一・
\)
O J
上式を(2.1.17)式に代入すれば
R=㎡λw
P
づ・1 (2・1・24)
t・’
を得る。しかるに(2.1.16)式から
.L
w=L’Qae
∴Wt=」多εQ∼e
(Qte)ieN(0,σ2)であるから
∴Wd eN(o・珍μcσ2)
(2.1.25)
ξN(O,σ2)
となり、Wl,w2,……,Wnは共通の分散σ2をもっ、互に独立な正規分布をする
∴号,ξ・・(・) (・…26)
を得る。(2. 1.12)式より
号テ+暑一一皇三一鮮○
尋・・2(・)六r−・・ X2(n)であるからS・とRが互噛立の分布をするな
ら、定理2によつて
喜・・2(・一・) (2・1・27)
2.8)
が推定される。すなわち重さの等しい場合と回じ関係を得る。
(2.1.2)式におけるXマトリクスを因子数r個のX・と因子数P−r個のXiに分割すれ
ば、
y=XIノθ1+X』」β2+e (2. L 28)
卑6零2(・一・) .、(2・・1・2・9)
また、 (2.1. 7)式において 図2.1.] 帰無仮設による有意
R(β)⊃XIQy (・…3・) 性の検定
一8一
とするとき、
S,−y’ Qy−R(2)
(2.1.31)
同様に
Q(H,)=、y・Qy−R(f>i)
(2.1.32)
したがつて
R(2,iβ、)≡Q(H、)−SE
=R(2)_R(β,) (2..1.33)
は、Piによる修正後のP2の効呆を表わし、(2.1.27),(2. 1. 29)から、
R(鯉・2。,,(,−r) (。1.、、)
σ2
2.9)
であることが定理2より推定される。
旦L必,⊥む./,一・
∴’SE/n−P−6F(P−「・n−P) (2・1・35)
2. /“)
そこで分割した模型に対するAO▽表は、等重重回帰の場合に従い次のようになる。
AOV 表
SV*
S
Ou
**
H2:β二(β’,0)
DF MS
r 一一um
B(β1)一合、X・,Qy ,
輪よる鉦’後鋤,
R(P、、β、)・R(2)−R(2、),一,
H1:β=ψ㌦,β,)
残 差
1
L・___
Rらb,)=2,・ X・Qy p
S。−y・Qy−R(h) ・一。
片1万=→……
SE/n−P
一 胃千 一 °一一一」^一一.一一一・一^w −一
ylQy
8JuLrcθ Of variation
変動変因
**98
’S・U・mof squares
平方和
degr■o of frθedO囮
自由度
mθan Square
平均平方(不偏分散)
****MS
F {
煤│’Lv−一’一一’一’一’一’一’一一一’一一一’−H−一一一”’r−・…一一
*SV
*絆1)F
i
喰亀率 *“*
すなわち異重重回帰分析においては重さの平方根ぜ可二を乗じた各資料に対して等重重
し
回帰分析の場合とまったく同じ要領で演算すれば有意性の検定が可能となる。
アーチダムに埋設された温匿計、ひずみ計等の計器自身○精度は年々低下するばかり
でなく、アーチダムの構造もまたクラツクの発生コンクリート、基礎岩盤の弾性係数の
増減により刻々変動することが考えられ、したがつてアーチダムのたわみと、水圧、潟
度荷重との回帰式における回帰偏差の分散も年々変化することが考えられる。
回帰係数自身が変動する場合は、もはや同時解析を行っても、偏回帰係数の推定は
一9一
はなはだ暖昧なものとなり、むしろ1年度間の回帰係数の変動は小さいものとして年度
毎に資科を分割し、解析すべきであろう。
回帰係数自身に変動が無く、分散のみが変化する場合1は、異重重回帰分析の手法の
適用tよって全資料の同時解析が可能となるであろう。
異重重回帰における有意性検定を実施する場合重さは次のように概略推定すればよい
であろう。すなわち年度毎に有意性の検定を行い、その不偏分散を求め、初年度の重さ14
を】とし、i年度に:lli・ける不偏分散をVEiとして、 i年度の重さqiを次式
・・一篭 (2・・1・・6)
とすればよいo
通常前述のように初年度にteける回帰係数は年度を任るにしたがっ’次矛に乱れてく
る。初年度の資料にウエイトをおいてそれ以降の非可逆的流動変形を1個の因子として、
概略抽出したい場合には、初年度のqlあるいは資料組数nlを他の年匿のそれより大きぐ
とる必要があろう。
S∈とRが互に独立な分布をすることは次のように証明される。
〔解〕 (2.L12)式より
s・・= e’t(Q−QX Si’x’ Q)e
t , ノ ノ
=・,Qマ(1“ Q’x S3’x Qi)Q’e
t l
= ・’ Q7(1−・A l)QZ e (2・1・37)
ノ ト
Rr−e’QΣA}Qde
であり i=’−1.2,’…㍉nに対して、
l
(QΣ e)・6N (O,σ2)
L
(1 一“ Az)’A7. 一 Ali 一 Ai
(2.・1.19)式を上式に代入すれば
(1−A$)’A多=° (2」’38)
ノ
となり定埋3によつて、Q7eva関する二次形式であるSEとBは独立である。
皇一…(・一・)である・・は、杜次のよう唖明される・
〔解〕 (2.1.16)式の変換ICよって
S。 ・we(1一λ)w
(2.1.39)
しかるに(2. 1. 23)式から
/・へ・
1一λ=
(2.1.40)
−ーL
一10一
となり
Sε『2 W『 (2.1.41)
L=Ptl
We(i=1.2,……,n)は互に独立な共通分散σ2をもつ正規分布をするから
∴」詳6x2(n−P)
なお・(2・1・24)・(2・1・4」)からS∈とRは独立であることがわかる。
上与釦ε,・(。一.)であるこ、、ま次のように翻。れる.
〔解〕(2.1.12)式よ!
i ’ t s・二e1Qe−e」Q2A8Q』elQ乏(1−A3)Q7e
(2.1.42)
=e‘Qe−Rs
同様に
1 」 ’
q( H・)二eてQ・一e‘Q7A3・iQ2e=・‘ QL’(1一与・1)Q’e
=elQe−Ra
(2.1.43)
ここに
t t
Rs=et QZAIQ?e
(2.1.44)
t
Ra=e「Q〆A3.1Q2“e
(2.1.45)
ノ
A3・t二Q:X・(X∫QX1)’1X㌧Qi
(2.1.46)
とすれぱ
R(β、1会1)=・ Q(H、)−SE
・R・ ” R・一・‘Q9(Al 一・Ai・,)Q9・
(2.1.47)
また
・IQ・一・,+R、+R(P,i2,)
一」己平 (2.1.48)
F_ x2 ( n)
・辛一ξτ・(・一・)
乎・ez2(r)
であり、二次形式s。,R、,R(釦紀・・互噸立。分布をするこ、が淀理、va
よって証明される。すなわち
l ’ ‘ ’
A3Q乏X=Q7XSi’x’Q三Q三X
,
=Qix (2.L49)
一11一
∴AllQ7XI=Qi x、
∴品Q±AバQf
(2.L50)
, ’
∴A2.、A8=Qi X,(X!, QX,)∼i X:Q才 A7
=Qt X、(X, QX、)” MlQ「を
(2.1.51)
zaA5’t
したがつて
A6・・(1−A$)−AヂAθ・A6=A・rAグ・=O
AI・,(As−・Av・・)… A7’・A8一遼;・−A8・・一”・Al’・=0
(Af−・Ae・)(1−A多)−Az−A}一旬・+A3・A2−Arケ旬・+Al・=O
となるからである。
R(♪,|A)
σ2
ξ12(P−r)
が推定される。
〔2〕主成分分析法による信頼度の検定
2.1 要 旨
重回帰における有意性の検定は、原則として各因子(独立変数)が完全に独立である
ことが必要条件とされている。しかしながら一般にこの条件を完全に満足する場合は稀
であり、各因子間の相関が顕著である場合には、回帰分析によって各因子の偏回帰係数
の不偏推定値が得られたとしてもその値は不安定なものとなる.これは多重共線性ある
いは線型重合の問題(Muユti−Colinearity problθm) として多くの統計学者によ
2,11)・2.12)
って研究されてきたe
この問題を解決する一っの手法として主成分分析(PrincipaユComponent ana一
ユysis)による方法を考える。
主成分分析鯉,確1測変量間の内部従眺を解明す・fcめ、健量が張る多次元空間
にかける観測変量マトリツクスXによつて構成されるxtxの固有値および固有マトリク
スを求め相互の相関係数を零とする新軸に対する各軸の全体の変動の中での影響度、相
関関係を検出することである。
かくして全く独立な観測変量マトリクスUと従属変数yとの間に重回帰分析を行い、
各因子の有意性を検定することが可能であり、ここではこれを含めて広義の主成分分析
と言うことにする。
しからば、偏回帰系数の不偏推定値の分散はきわめて小さくなり、この偏回帰係数の
値を時系列の中で捉えることによつて重回帰の構造の変動を推定し、その信頼度を検定
することが可能となるであろう。
一12一
2.15)
2.2 主成分分析
観測確定変数マトリクスXと従属変量ペクトルyとの間に(2」.2)式が成立するもの
とし、かっ各観測の組の重さが等しい場合を考える。
しかるとき、正規方程式は
X・xP−Xly
(2.2.1)
であり、方向余弦マトリクス
ノ珍 、
ノノ P =〔彫t,珍2,・・…・,珍ρ〕
L=
β
ノ
ノ
によつてX座標系よりU座漂系に直交変換するには、次式
U;XL
(2. 2. 2)
によればよいt) ここbC
lu。 u。………u 、t、、
u21 u22……… u2t・
U= 、 ・ }
l l ll
! ↓ l l
r 〔 li
いいし’・, 2’…’’” ’1・f・.1
であり、新軸に対して正規方程式は
U・Uか⊆Uly (,.,.、)
・こにβ…はU願剰・鮒・劇帰係郷物不鱗定値である.
(2.2.2)式を(2. 2. 3)式tc代入すれば、
(XL)・(XL)2・・1−Ll X・ XL P・“・. L・ SL,2・t・・−U・y ・・2、)
しかるにSは対称マトリクスであるから固有値の性質によりn次の実数の対角マトリク
スλに対して
L,SL =λ (2.2、5)
とすることができる。
∴λβ…−Uly (,.、.、)
あるいは
P・・』λ・U・y (,.。,)
(22・6)式の左辺は変数U相互の相関係数が零であることを示すもので、λはマトリク
スX「Xの固有値、Lは固有マトリクスである。
したがつて、この場合の重回帰に・k・ける有意性の検定はきわめて簡単となり
y ==U,lc?fa)+U,〆”+・ (2.2.8)
−13一
に宕いて、帰無仮設H、:β2‘の=Oを設ければ、’仮設H,における残差平方和
Q(H、)。y・y一β1’・{H,)U・1y
.y・y−Rω(会1) (・.2、9)
ただし、
R」“,(1,)一,λ;・uly)tu‘、Y=(UI, yyλ∫1(Ul y)
まだ対立仮設H、・、e’pt)L(β;・・’
(2.2.10)
C助に抽・残差平方和
s。 =y・ y 一,P・vb’t y
。y・y一頁・・(♪)
( 2.2.】 】 )
ただし
Rω(♪)一(U・y)ta−・(u’ y)
一〔:ll]’已1巴1
=(U’1y)1λ?(U∼y)+(Usy)‘λ…1(U5y) (2・212)
したがつてP(・’・Cよる駐後のμ・ノによる平方和は
R.(pt)(♪、1♪1)=Rω・(β)−R’・’(β、)
二Q(H,)−SF−
=(U∼y)1λr(U』y) (2.2.】3)
であり洞様。β批よる修正後の♪;・kよ秤方和は
R・・(IP、 i P、)一(U∼y)sλli(U’、 y) (・.・」・)
であり、帰無仮設H2の下で、
R…、、IA)
P−f二.一一ξF(P−・,・・−P) (2.2.15)
。竺・r
によって容易に4θ2の有意性を検定することができる。ただしrは、変数マトリクスU,
の因子数である。その分割した模型に対するAOV表は次のとtsりである。
AOV 表一ω
一一一jマー一「一
@ ゆF, F
{1ご1羅念{::1綴lll詑叉遷董鍾
・。−y’卜F・・(β) 1・一・ほ一主p
← 一 F
]
yy
一14一
2.3 主成分分析の電子計算
{」) 計算法
常数項をもつ線型回帰模型に対しては、常数項を除ぐ諸因子の相関係数マトリクス
に対して固有値計算を行い新軸に変換するのが得策と考えられる。この場合のn組の
観測変量の線型回帰模型を
y= θ9t)+Xσβρ与e (2.2.]6)
ただし
誤1
yl=〔 yl,y2,…… , YtL〕
、β:’L〔β:ノ,,31”,……,β;〃〕
βω=〔β;)・fr;”・一・・RP’〕
C‘「a〔e1,e2,…… ,e7〕
tり
とするとき・XはP個の因子のn組の確定変数マトリクス、yは観測変量ベクトル、
蹄よ常数項ベクトル、グは朱知母辺ベクトル、eはランダム・イズベクF・.n’である。
P個の各因子の平均値お・よぴ残差平方和の平方根はi=1.2.…… ,pに対して、
牢⊇箒 (・.・.1 7)
ユー/ξ丁云二…52 (2.・2.1 8)
である。ここで各因子を標準化し、
¢。i =(ぢ1ご字1’う/万三 (2・2・】9)
とすれば
!Xtl I「n ’…”…エ1硫
t
x。1㌣ …∋
巳∴∪
に対して、線型回帰模型i”よび正規方程式は
y=ノタo十X/デ十e (2.2.20)
:∴違に二ll (・2・21)
f
−15一
上式において
(2.2.22)
R=Xx
は相関係数マトリクスとなり、次式
(2.2.23)
U−=XL
ただし
ム1βn………ムβ
ul: u亀 ’’’’”°” u1P
吟14n’’’”…そ・pi
u2t u2 ’’’’’”◆$ u2e
: : :
u=
1 : :
L=
− ii
BiしG,………こ.pl
I ! ・ }
ノ
〔・・鵠・一…・1…]
re。e2………e,}
ul
Xp:Lp・……’ノPら
人 ’
によってX座標系よbU座標系i直交変換すれば、新軸にお・ける線型回帰模型、正規
方程式は、
y一β。+Uβ(“♀・ (2・・2・24)
・・lllo。翻 (2..2..2.5)
・訓♪唄ぴy、
したがつて
2。弓Σ。一; (・…26)
U・ U2(“’−ul・Y (…27)
とすることができる。(2. 2. 21)におけるx’yの各要素は次式
( ‘’♪ _(ox㎡i−xこ)
ix・iyec = f^一一’.一『でニー 一” yet
−⊃≒、{7識一訂力} (2228)
vaよつて計算が可能であり・酬係数マトリ2スRの各要素は・残差積和をs・iとす
れば、
む
Σ解・=7誌ξ
(2.2.29)
(2.2.23)式にs・けるLをRの固有マトリクスとし、λをRの固有値マトリクスと『
とき、(2.2、 25)式にtsける。
u,u=A
(2、2.30)
である。まfc ut yの各要素は次式によつて計算する。すなわち
ノ
u[”’y−(xeL)’y一珍X‘y
グ の
==∫i{琢(ξ,伽♪y・)}
−16一
(2.2.31)
キる’
(2.・2.・28)式で計算されるξ輪jy元を上式に代入することによつて(2.2.31)式の計
算が可能である.J
したがって・既述のAOV表一{1)に対して次のAOV表一②を得、βo tsよびβ‘”)O
有意性を検定することが可能である。
な齢電子計算には熊大FAOOM23]を使用したため、記憶容量の制限を受け、
プログラムを分割し演箆する方法をとつた。またJaCObi法により固有値計算を行
つた。
AOV 表一(勾
1 : nd’一 }㊤一一’「“一’一一
一 一一一一一一゜一}’、一一一 鼈鼈黶@・一一一一一≡一.一
く
一㌣斗一一ぎ;:ニー一一一1−一∴ ;こ耳∼三こ・1TVI:v・一・1
l MS l F l
i l l
l l・ 1 ! i
烈三圭∫坦2・い祇1
「副蒔尋遼{τ縦上王一
。一(,+1)μ㍉ご下m!
,]・一一一.違_Lニコ
にlt⊥二二≡二二二.二_:,仁一’−
・_..___L__.
_一_L__」
② 計算の手順
矛1段階
ピけ
①因子数p、データ組数n、およびマトリクス〔X,y〕を入カデータとして
与え、正規方程式を作成する。xY’”,yを別のarrayに格納する。
② p,n,Σy,y’yをパンチアウトする。
⑬正規方程式の掃き山し計算の矛]段階に表われる各因子の平均値≡1’己・よび
平方和・獅叶リクスを求めづ’ン託をプリントする・
④相関係激マトリクスRお・よびx1yを(2.2.29),(2.2.28)式に従って計算
し、〔R,)ぐy〕をブリソトする。
⑤〔R,My)をパンチアウトする。
⑥掃きti・・L計算を続行・浅差平fi・f・s。はび根βを求めs。をパンチアウ・
する。
オ2段階
①矛1段階におけるパンチデータP、n、、Σy、 yty、相関係数マトリクスR
およびSEを読み込みRをarrayA1、Aに格納する。
②③
固有値マトリクスA、固有マトリクスLの計算むよびプリント
U座縣悶する醐擁式の根β〈㌦・びその不偏分散卿澗
仁告Σ・, W−÷下r§≡丁一 (2.・2.32)
−17一
ぽ二膓U:ノy V・、・1ビr=S…ご「 (2・・2・・33)
(曳》’
ただし、i=1,2,……,pであり、Ucyは(2. 2. 31)式に従つて計算する。
シ
④ 有意性の検定
⑤SS・−k(Σy)2 VE−=睾T F・一撃一 (2…34)
・S鴫(㎡1/y)・ 宇撃 (2・・2・35)
ただし、i=1,2,・・一,p
◎ E>Fet(],n−p−】;0.05)の場合のβCは有意である。ただし
し
i=0,1,2.......,p
◎舗性の検定の結果縮姻子に対する平方禾・をss慨すると舗賠
因子に対する残差平方和の計算
S二y・y一ΣSS‘.9) (2.2.36)
t=e 乙
ただし「は有意な因子数
⑥ AOV表の作成
⑤ 有意な因子の番号順列Qの作成
⑥固有値ベクトル・固有マトリクス等のパンチアウト
(3 入力データ
入力データとしてp(常数項を除ぐ因子数)、n(データ組数)、〔X(i;y〕
(観測変量マトリクス)を与える。
矛2段階の入力データは矛1段階のパソチアウトデータをそのまま用う。
(4) 出力データ
オ1段階○出カデータとして、MEAN(各因子の平均値)、D(vf’Sil。ile)、
H(〔R,X‘y〕)、SE(残差平方和)、SB(〔R・XIy〕の根)がプリントさ
れる。
また、矛2段階の出力データとして、EV(固有値および固有マトリクス)、
B(U軸・対す・偏醜緑の不偏推定値β・・)、V(♪‘UtO不鰯散)、 A・V(分散
分析表)、SS(平方和)、SSε(’残差平方和SE)、SSEU(有意な因子による残差
平方和)、SSr(全変動)、RV」(回帰偏差の不偏分散の平方根一E欄に括弧書き)
DF(自由度)、F(F値)、LAST(有意刀因子に*印をつける)がプリントされる・
(5) プログラム
図2.2.1 参照
一18一
図2−2−1 主成分分析の電子計算のプログラム
矛1段階
bθgin int69er i, j, k, P, v, w, x, N;
reaユYY, R, Se, yy; YY :=0・0; R :=0・0;
procedure Arraアprint(r,rハ,1,Z,Y);
ValUe rl, r,ユ; intGg◎r r】, r,ユ; array Z; 8tring Y;
bθgin integer V, w, x, 9;
procedure P1(s,t);
va.1UO θ,t; intθger s,t;
Lθgin integer h;
CRLF; Spacθ(7);
fOr h :=6 9tθP 】 untiユ t do
bggi’n Printx(h,2); SpaCe(1十5)
θnd;
CRLF;
end of P];
Procedure P2(B,t,u);
vaユue Stt,U; integθr S,t,U;
begin integer i,j;
fOr i :=1 stop l untiユ s do
begin Space(3); printx(i,2); gPacθ(2);
fOr j :=1 5top ] untiユ u do
if j<i−t then Spaco(1十7)
eユ8e Printreaユ(Z〔i,j十t〕,ユ); .
CRLF・
,
ep.d
θnd Df P2;
OR]li F; Print6tring(Y); CRLF;
commont: 7 6pacos rθsθrv6;
v:=]13div(ユ十7); :
if r工く:=v then
bθgin P1(],r1); P2(r,0,rl);
go to END
ond;
W:=rl diV V; X:=rl−W寧V;
forg:=16tθPluntiユwdO
begin CRLF; CRLF;
P1(1+(9−−1)*v,9*v); コ2(9*Vt(9−1)*v,v);
end;
if xこ=O then go to END;
GR工」F; CRLF;
P1(]+w*v,rl); P2(r,w*・v, x);
END: ・
end of Arrayprint;
一19一
procθdurθ 9工MEQ3(r,S,c);
valUe c, r; integθr c, r; array S;
begin intgger i,J,k; real w;
fOr k :=1 θtep l untiユ r dO
begin w:=S〔k,k〕;
S(k,k〕:ニ1・0;
for j :=1 Eltθp l untiユ r十1.do
8〔k,j〕:=9〔k,j〕/w;
for i :=:1 step l untiユ r dO ,
if i〆k thθn
bθ91n w :=s〔i,k〕;
S〔itk〕:=0・0;
for j:=]stepluntil r+]do
S〔i,j〕 :=S〔i,」〕−w寧S〔1ζ,」〕; ・
end; if c=2 then g・to SEND;
θnd; SEND:
θnd of SIMEQ;
Readinteger(P);Readinteger(N);
bθgin array X〔1:P+1〕,A〔1:P+】,]:P←・2〕・B〔1:P+1〕;
for i:=】8tep】untiユP+1 do .
for コ :ニ1 8tep l untiユ P十2 do
A〔i,O〕 :=#0.0;
A〔1,1〕 :=N;
fOr 1く :=1 日tθP ] until N do
begin for i :=1 3tep ] until p十1 do
Readreaユ(X〔i〕); ・
fOr j :=】 8t6p l until p十1 do
A〔],」十]〕 :=A〔1,j十1〕十X〔j〕;
fOr i :=1 stOP 】 untiユ P (10
A〔i十】,1〕 :=A〔i十1,]〕十X〔i〕;
for i:=1日tθP]untiiユpdo
for j :=1 step l untiユ P十1 do ,
A〔i十1,j十]〕 :=A〔i十】,」十]〕十X(i〕*X〔j〕;
YY :=YY十X〔P十】〕*X〔P十1〕;
ond;
Punchinteger(P);1・?・nchinteger(N); : .
fOr i :=1 step l untiユ P十】 dc
B〔i〕:=A〔i.P+2〕;Punch(B〔1〕);Punch(YY);
YY:ニB〔】〕↑2/N;
S工MEq3(P十1,A,2);
L:CRLF;Printst ri ng(‘MEAN’);CRLF;
for i :=1 3tep ] untiユ P do
beg 戟F。,、、pac。(、)、。。、r、、t。(、,、)、,pace(、)、 P.、n,r6。ユ(。〔ls、+1〕,、);
end;
CRLF;Space(4);P・int・t・i・1;(‘Y’);Space(2);P・i・tre・1(A〔1・P+2〕・6);
−20一
CRLF; CRLF; Printstririg(‘D,); CRLF;
f。.i:=1。t・p】un・iユpd・ ’ ・ : :
bθ9in
CRLF; Sp.ace(3); Printx(i,2); Sp:c9(,2);
printrea1(sqrt(A〔i十】,i十1〕),6);
end;
c《)mmen℃: corroユatiOn co伍PしitatiOn;
fOr i :=1 st6P 】 untiユ p do
A〔i,Pト2〕 :=(B〔i十】〕一一A〔],i十】〕*B〔1〕)/s(irt(A〔i十11i十1〕);
fOr i :=:] stθP l Ulitiユ p do
fOrj:=i3tePluntilpdo
bggin
if i・=j then A〔i,」〕 :=1.O eユse
begjn A〔i,」〕 :=A〔i十1,」十1〕/sqrt(A〔i十1,i十1〕*A〔」十1・j十1〕)
A〔j,i〕 :=A〔i,j〕;
end;
end;
for. i :=:1 step ] untiユ P (10
A〔i,p十】〕 :=A〔i,p十2); CRLF;
Arrayprint(p,p,6,A,‘R,);
fOr i:=1 stOP l untiユpdo
fOr j :=1 8tep ] untiユ P十ユ do
Punch(A〔i,」〕);
fori:=19tθPluntiユpdo
B〔i〕 :::A〔i,P十】〕;
S工MEQ」3(P,A,]);
fOr i ::=1 s℃ep ] ;1 ntiユ p dO
R :=R十B〔i〕*A〔i,.p十]〕; b”g :=YY−R−yy;
「JRLF;CRLF;Printstring(‘Se’);
CRLF; Space(3); Printreftユ(So,6); Punch(Sθ);
CRLF; CRLF; Printsting(‘SB,);
ORLF;
fOri:=18tepla 11tilp(10
bogin CRLF; 8pace(3); Printx(i,2); Space(2);
Printreaユ(A〔i,P十1〕,6);
θnd; CRLF;
gnd
end of PrOgr巳m of Miikθ;
.オ2段階
bθgin c°mment「θallength:=]°;i”teg°「i・j・S・P ・. N・「・「1;
real Sθ・ YY, R, Se9, Fa1, Y;
Readint・ger(P);Readinteger(N);Read・eal(Y);Readreaユ(YY);
一一21一
begin
arrayA1〔1:P,1:P十1〕, A, L〔1:P,1:P〕, SS, F, Fut K〔0:P〕;
intθger arraアq, eta〔0:P〕;
procedure Aprint2(r,r],ユ,Z,Y);
value r], r,ユ; integθr r, rl,ユ; array Z; string Y;
bOgin integer V, W, X, 9;
procedure P]、(s,t);
valUθ S, t; intθger s, t;
begin int6ger h;
CR工,F; Spaco(7);
forh:=s8tθpluntiユtdし
bθgin Printx(h,2); Space(ユ十5)
θnd;
CRLF・
,
endofP1;
prOcodurθ P2(8,t,u);
vaユUθ日pt,U; intθger ts’ st・ tU;
bigin integer i,」;
for i :=1 step l untiユ e do
begin Space(3);Printx(i,2); Space(2);
fOr j :=1 θtθP 】 until u do
Trintreal(Z〔i,j十t〕,1);
CRLF;
end
gndofP2;
CRLF; PrintBtri亀9(y); CRLF;
comment:7Spaces reserve;
v :=]]3 (1iv (1十7);
if rlくこ=v then
begin P1(1,r]); P2(r,0;r1);
go to END
end’
,
W:=(r】)div V; X:=rl−W*V;
f・rg:=1・tepluntilw.d・
begin CRLF; CRLF;
P1(1十(g−1)●v,g*v); P2(g*v,(gr 1)*v,v);
end;
if x=O then go to END;
CRLF; CRL■;
P】(1+w*v,r1); P2(r,w*v,x);
END:
θnd of Aprint2;
procedure JACOB工(n,A,E,6);
vaユUe rt; integer n,O; array A,E;
begin intθger i,j,P,q;
reaユw,w1,w2,w3,mu,ユamtome,日int,cost,eps,M;
−22一
Boolean test;
M :=0・0;
fOr i :=:1 stθ刊 1 untiユ n do
for j ::=1 stOP 1・u灘til i do
begin if i:=j then E〔i,j〕 :=1・O
oユ6e bθgin E〔i,」〕 :=E〔」,i〕 :=0.0; .
if abs(A〔i,」〕) > M then M :=.abθ(A〔i,j〕) en(1
end.;
ep6:=M・10.0↑(2−一・e);Ch。ck(‘EPS=’,6ps); 』
EL;
w :=0・0;
fOr i :=2 step ] untiユ n do
forj:=】stepluntili−1 do
if ab白(A〔],j〕) >w then
t)egin w :=abs(A〔iレ」〕); P :=i; q :=j end;
CheCk(‘M=’,w);
tθst :=abs(w)〉 θps;
w1 :=A〔P,P〕; w2 :=A〔P,q〕; w3 :=A〔q,q〕;
lam :=一一w2; mu :=0.5*(w1−w3);
ome :=lam/sqrt(ユaln↑2十mu↑2);
if mu< 0.O thθn omθ :=一・Ome;
w:=6qrt(].0−o皿・↑2);
sint :=ome/θqrt(2.O*(1.0十w));
coot ::=sqrt(】・0 − sint↑2);
fOr エ :=1 step ] untiユ n dO
bOgln W :=:A〔i,P〕*cost−A〔i,q〕*sint;
A〔i,q〕
:=A〔i,P〕*sint十A〔i,q〕*cost;
A〔i,P〕
:=w‘
w
:=ヨ]〔i,P〕*cOst− E〔i,q〕*sint;
E〔i,q〕
:=E〔i,P〕*sint+E〔i,q〕*co8t;
E〔i,P〕
:=W
end’
,
Btep l until n (10
:fori:=:1
begin A〔P,S〕 :=A〔i,P〕; A〔q,i〕 :=A〔i,q〕
w :=2.0*w2*sint*co8t;
A〔P,P〕:=w1・e・st↑2+w3・sint↑2−w;
A〔q,q〕 :=w1*si llt↑2十w3*co8t↑2十w;
A〔p,q〕 :=A〔q,p〕 :=0.0;
if tθ6t then go to EL
ond JACOB工;
fOri:ニ1日tθPluntiユpdo
for j :=】 step l untiユ p十1 do
Readreaユ(Al〔i,」〕);
Readreaユ(Sθ);
S :=10;
for i :=1 6t6P l untiユ p do
for j:=1 step]until p do
A〔i,j〕 :=A1〔i,j〕;
一23一
end;
JACOB工(p,A,L・S);
CRLF; CRLF; Printstring(‘EV,);
CRLF; CRLF; Printθtring(‘VAL°); CRLF; CR工」F;
CRLY;
for i:=1臼tep]untiユpdo
begin 8pace(3); Printx(i,2); 日pace(.2); Printrθaユ(A〔i,i〕,6);
SpaCθ(3); CRLF;
θnd;
CRLF; Aprint2(p,p,6,L,‘Vθc・);
CRLF;
for i
K〔i〕
:=1step l untiユpdO
:=0・0;
fOr i :=]θtepluntilpdo
fOr j :=】 8tep ] until p dO .
K〔i〕
:=K〔1〕十L〔j,i〕◎A】.Lj,P十1〕;
r:=0; R:=0・0;
CRL■; CRLP; CRLF;
Fa】 ::=Fa(1・0,fユoat(N− p・一一】));
Check(‘Fa1,,Fa】);
Printθtring(‘AOV,);
CRLF; Printstring(4 SV SS
DF
?
LAST’);
SS〔0〕 :=Y↑2/N;
F(0〕:=SS〔0)/(Se/(N−P−−1));
fりr i :=1 stop l untiユ. p do
bθgin
SS〔i〕 :=K〔」.〕↑2/「A〔i,i〕;
コ『〔」〕 ::=9S〔i〕/(Sle/(ムトーP−1));
if F〔i〕<Fa】 then eta〔i〕 :=O
P・ユse eta〔i〕 :=1;
Q〔i〕:=i*ota〔i〕;
R:=R十SS〔i〕*f)oat(eta〔i));
r:=r+eta〔i〕;
θnd;
R :=R十SS〔0〕;
So9 :=YY−R;
for i :=O stθP ] until P do
じGgin 『
CRLF;
8pacθ(3); Printx(i,2); Space(】); Printreal(SS〔i〕,6);
Space(】);
Printx(1,3); Space(1); Printreal(P〔i〕,3);
if F〔i〕>Fal then begin Space(】); Print6tring(‘ ■,)
end・eユBe
Q〔i〕 :ニ0;
end;
、
CRLF;
Spaco(3); Printstring(‘Eu ,); Printreaユ(Ses,6); ・
Space(1); printx(N− r−1,3); Spaoθ(]); Print8tring(‘(9);
prill treaユ(sqrt(Seθ/(N_ ptj)),6); print8tring(‘)°); CRLF; Spacθ(3);
一24一
Printstring(‘E ,); Printreaユ(Sθ,6); Spacθ(1); Printx(N−一・p−】,3);
日paco(】); Printstring(‘(,); Printrθaユ(Gqrt(Se/(N−−ps1)),6);
printstring(‘),); CRLF; Space(3); Print8t「in9(‘T ,);
Pfintreal(YY,6); Spaco(1); Printx(N,3); CRLF;
if F〔0〕>Fa] thθn begin r1 :=r十】; YY :=YY−SS〔0〕; end
oユ6er]:=r;
CRLF; CRLF;
Printstring(‘B,); 8paee(26); Pr’intstring(!V・); Space(】2);
Printstring(‘VS,); CRLF; 8pac6(3); Printx(0,2); Spacθ(2);
Printreaユ(Y/N,5); Spaco(1);
Printreaユ(Se/(N−P−1)/N),5); 』
fOri:=.15teplunti1‘pdo
bogin .
CRLF; Spacθ(3); Printx(i,2); Spacθ(2); Printrθaユ(K〔i〕/A〔i,i〕,5);
Spacθ(1); Prinrea1(8e/(N−p−1)/A〔i,i〕,5);
if F〔i〕>Fal then Legin
Space(]); Printreal(So8/(N− r−一 1)/A〔i,i〕,5) ond; ’
end’
,
CRLF・
,
end
θnd of prOgram of Miike;
一25一
2.4 信頼度の検定
主成分分析法によつて有意となつたU軸によつて構成されるU1座標系tc toけるu:因子
の従属変量yに対する偏醜係数の不偏推定値全ぬ散は比較的小さいもの・。るで
あろう。
さて、いま観測変量を時系列の中でとらえる場合、もしその観測変量が時間的に安定
〈
したものであれば、それを任意に分割した何れの水準に対してもβ’(toの値はほぼ定値をと
るべきであろう。すなわち従属変量yとu1因子との間の多次元空間va・tsける回帰平面は、
時間の如何tかかわらず、多次元空間に固定されるであろう。
したがって全資料に対して、主成分分析によりU座標系に変換し有意なU、因子に対す
る変換マトリクスL,を求め、次に全資料を各時間の区分毎に数個に分割し、ここに分割
された矛j番目の貸料に対してL1によbul座標系に変換し、最小二乗法により各因子の
偏回帰系数免・・を求め・戚もしこの縣列・1安定。たものであれば・の如耐か・・わ
らず、〆ω相互に差異があるとは断定できない筈である。
このことをたとえばアーチダムのたわみの挙動解析に適用すればアーチダムの信頼度
の検定が可能となるであろう。重回帰にts hて因子相互に多重共線性が存在する場合、
因子のレペルで回帰係数の信頼度を議論するためには、主成分を求めるため、一たん座
標軸を廻転する必要があるように思う。
時系列を数個の酬の区分に分割した矛】翻の傭’と矛播目のβ芦の間に差異が
ご!o
あるかどうかの検定を行う前VCまずノθ」そのものの有意性を帰無仮設により検定する。以
下βの添字{U)を省略する。
すなわち〉卜j番目の観測変量ベクトルyjと主成分分析の結果有意となつた因子によつ
て構成される確定変数マトリクスUssとの間に次の線型回帰模型
yj一β・3+U」喝+e5 (2・2・37)
が成立するものとする・ここva・P。j・ Pj・ejはts O bの偏回帰係数・偏差ベクトルで・こ
の観測変量の組数をn5,有意な因子数をP‘、残差平方和をS』」、この正規方程式にk・け
る正方マトT)9スの逆マトリクスの(i・i)要素をCC」とし・k=1’2・…’・・5に対して
(2.2.38)
ej・kξ N(0・σ了)
が成立する・き吟の・麟緑その不偏牡醜の差・・対・て
9ラーβ∫ζN(o・qづσ」2)
(2.2.39)
∴(2r侮∼:.、,(1σ.σ2 L し’J7)
(2.2.40)
また
キξピ(n5 一豆「+])
(2.2.4】)
であ・か・与苧・t、が互融立・肺をするなら
一26一
一窪量;2(nj−一「)6F(1 ・ ・1− p’+1) (−2)
上式においてfgi」 =0の帰無仮設に対して左辺の値が、自由度{1,n。一(p「+])}の
F分布の有意水準5%における値F〆(1,n5−pt+】;0・05)より大きい場合は
弓:.3 =0の仮設は棄却され、μ」は有意と考えられる。
この有意な烏とたとえば矛1番目の,tgL ,との間に差異があるかどうかの検定は次のよ
うにすればよいであろう。すなわち
2㌻μゴ・N(o’cら竺2) (・…43)
2、一β、1∈N(・. , ・、 a; )’ (・・・…)
であるからβ1=β↓Da.f=σ3=σ2の仮設に対して、
2ゲ9、、・N(0,0り+Ci、σ2) (・…45)
∴旦二亙ど…、,・(1) (、.、.、6)
(Ci;+c・ !)σ2
また(2. 2.41)より、
琴旦・X・(n.+n,−2‘1Tゴ」) (・・…7)
(免」−i>i1)・
∴二』量i墨二二・…∈F(】,・」+・’−2∂ギ了) (・…48)
11.十rユ1−2ず’=F「
)
上式左辺の値がFdi(1,nJ+n「2う「年i;0.05)よ1)大きい場合は帰無仮設は棄
却されんとfi、.」の間に差異があると判定されるであろう・
全資料に対して各囚子を標準化して主成分分析を行う場合、各年度毎の(2.2.37)式
におけるU,jは、この標準化されだj年度における資料Xjに対して、
U,;= Xj L’ (2・2・49)
tK)
によって計算しなければ、回帰係数β」の差の比較検定を行うことができない。この場
合の正規方程式は、有意なpt個のU,因子に対して新たに通し番号を付けるとき、
、 / 、 / 、
(2.2.50)
であり、上式における
V,1 U,;一(XJ L,)’(X」L1)・・ Ll( X]」 X」)L,
(2.2.5】)
U, ;yl=(X;L,), YJ=L㌔(X㌧yj)
( 2.2.52 )
/
凱
L
二
ΣΣ Σ
UU U
=
(
X.
L
㌍
L
一
=
27
μ
一
L
Σ2 Σ
=
品
訟⑳ エ
(2.2.53)
でIrはn行単位ペクトルであり、偏回帰係数の不偏推定値の計算が可能である。
当ヂがSE・は独立V・・X・(1)…i・zaをすることを証明しぽ
〔解〕
(2.L]1.)式に従い、等重の場合には.
β一β一S・X’。 (2.、.・4)
である。ee(i=1.2.・…・・…,nj)は互に独立な共通分散σiの正規分布をするから
免、一θ、ξN{・,(S・X1)、(( S−・ xi)、ぽ}
6N{o,(S’ix’XS’i)万σ3}
eN(0,C・σパ
Lノ ドノ
叫rμ・戸(1)
(2.2.55)
(2ゑ56)
t’J ’J
ここに添字iはi行要素、添字i・tはi行i列要素を表わす。
B・
セ旦2−(ll一β)1−P一β)
(2.2.57)
‘し
なる二次形式で表示することができる。ここ}C、
1°・、.l l
l ・ 「 l
(2.2.58)
:’\
N
l ’ol
’ ノ
である。(2.257)に(2. 2.54)を代入すれば
B=e’XS’1ES『:ES−1Xe=etBe
(2.2.59)
ここに
B=XSiES’i ES‘!X
(2.2.60)
であり、(2.1.37)式より、
SE= e,(1−XS一りe)e== e‘(1−A)e
( 2、2.6 1)
しかるに
B(1−A)=B−BA
=B−XS’1ES’1ES’1XXS’,X!
=B−B=O
であるから、S.とBとは独’ ァであることが証明された。
−28−・
(2.2.62)
〔3〕異重重回帰における一元配置論
3.1 要 旨
重回帰線型回帰模型における観測変量を時系列の中でとらえ、これが時間的に変勤す
るかどうかを主成分分析法によつて検定する方法についてはすでに述べたとお・りである。
ここで理論を展開する重回帰にtsける一元配置論は、’回帰偏差の不偏分散の時間的変
動から回帰の構造の変化の有無を検定しようと言う一試みであ!、一種の共分散分析で
ある。
級間変動の効果k・よび因子Xを併合した線型重回帰模型に対して共分散分析を行う手
itf’ 17 }cっいてはすでに理論の展開が行われているがここでは観測変量yから因子Xの影
2.18)
で、回帰係数の級間変動をも同時に検
響を差し引いて一元配置の分散分析を行う方法
定することができる。
また観測変量yと因子Xとの重回帰構造に鉛ける回帰偏差の分散が、水準毎に変動す
る異重重回帰にお・ける場合を取り上げる。
図2. 3.1 重回帰における一元配置論
3.2 理 論
観測変量yの真の値をμとし、偏差を
e°t tn er
ピ 一 顧
y
ここbC資料をm個の水準に分割し、
9 i∧
7ec t=〔/c〈 ’,,ieL▲,……,μ柵〕
y
yl=〔y∼,yb,……,y.〕
⊥
1
.⊥一_」
eOl=〔e?i , e;1 ,・・・… ,e禦 〕
」
一
一
一
ニ
とする。単変量の場合は、μは一般にすべての水準に対して同一である。しかし、μが
因子Xと重回帰の閥係にあるとき、μは因子Xscよって、したがって一般に各水準によ
って異なり、i=1,2,,……,mに対して
・叫=〔μ∼‥μ∼・・……・μノ…t〕
y}=〔yど1,y(2,…… ,ア・・zこ〕
e:’=〔・1,’・2・・……・・1…)
である。この幾つかに分割された観測変量yの真の値が実は7e( i+atこであつたとする。
もし〆が零でない場合はyの真の値は各水準によつて変動することを意味するであろ
う。
しかるとき i:1,2,,……,mに対して
y(:=iLLe+0(t+eこ (2.3.2)
一一一
Q9一
ここに
磯=〔αd・‥αこ・・,……,α∼・q〕
e㌍〔ei l t今・・……’ei ・・t〕
であり
atrt=〔ぱ、,偽,・・…・.、 at ’nt〕
e‘ r:〔 e∼ ・ ei ,・・・… , etm〕 ・
《
とする。(2.3.1)式におけるμの推定値をy,残差をV°とするとき
y。=S+。・ (・.・.・)
(2.・3.・)式に鋤獅の齪値輪、,残差パ・する・き
《 〈
y、 =・y。+・1・+Ve (2・3・4)
−9+』v、
ただし
く 《 〈
y=y+欲 (2.3.5)
(2.3.3),(2.3.4)から
。・一Ω+V (2.3.6)
〈 《 〈
ここにy,y,(叉,v,vo左るベクトル量はy,琢,eと同様に定義されるものとする。
(2.3.6)式から
v・IQv・=(〈0ζ十V)・Q(♂{+v)
。2・Q会+vl Q。+、Glt・ Q。 (2・3・7)
ここva Qは各水準の重さを表わすマトリクスで、次のよう.va定義されるものとする。
’
q
q
、
qO
0
2\
Q=
=
ーー
q
0
q
、
、
、
、
qn,
0
q
《
。て、単変髄齢でyがyの全酬に対す靖術平均値ぴがyの各水縫の算術平
均値である場合、
Pqし・べO
J
であるから、もし i=1,2.・・°・……,mに対して水=〔αC,αい…’・・,αt〕 の仮設が成
立するなら
く ∧
αIQv=2’α!q.vし
し
し
しく
=;α’t Fqt・け
し フ
=0
−30一
∴v°1Qv°=㊧1Q㊧+VQv (2・3・8)
ここ。会・Q2は級屹動S。,.,・・Q…級内麺S・,で…Qv・を全変動S・。とすれば・
S・・−SE∧+S・・ , (2・3・ 9)
この関係は単変量の場合におげる一元配置論として周知のとおりである。
9あるt、,,、は;を重回帰に紺る従属変量yの全酬あるいは各水準毎の推定値・し、
yより9あるいは;を差。引いた残差にっいて考えn・rr.一一元配置論を重回帰の場合に
拡張することが可能である。
さて、yとXとの間に(2.1.2)式に従い、
y=Xρ十e° (2・3・10)
。。醐関係が成立する場合には(、..1.、)式に。り、ffの不偏推定値♪・…び重・・
マトリクスQ°に対して、
)ぐQ・Xβ・==X‘Q・y (2・3・11)
9。Xβ・ (、.、.1−2)
が成立する。観測変量をm個の水準に分割し、i番目の水準に対して、
(2.3.13)
yi=Xこβ十ee
である場合には、同様に
x}Xβ、・x㌧y、
(2.3.14)
銑.x珍、
(23.]5)
が成立するであろう。ここに
lx∴
i司
!エ:11
1x、,・
xζt2 ’’”°’’”⑳”
Dd 22 °’’’’’’”°”
x「xi XI = −
ll
1:
{丸、
エ・’・l
x
cv t. 2 e
;
: i
一
. 1
!arl。、,、
9t「z・刀こ、2…………
の㌧
β゜1=〔β?,β身ド・・…,βP)
♪・,2も,,e・と・同様のペクト蝿と定義する.な級間変動のある場合は、・の分散は
必ずしもe°の分散と一致しないため重さのマトリクスQ°は各水準の重さQと一致しない。
しかるときこの場合に対しても(2.3.3)∼(2.3.7)式がそのまま成立し、かつ常数項
を含む回帰構造に対して 署陥=0 であることが推察される。
J
ぐぼし
∴」ξq乙喝=°
したがつて(2.3.7)式において、もし笥=〔αこ,αe,……,αi〕の仮設が成立するな
ら
一31一
∧
凶lQv=o
となり、(2.3,8)1(2.3.9)式が成立する。
さて、重さのマトリクスQの対角要素qεは重さ1の分散をσ2,i水準にtsける偏差et
の分散をσ了とすれば
σ2
q↓㍉・ (2・3・16)
‘
である。既述のようにαキoの場合はeの分散はe°の分散と一致しない。またQはQ°と
一致しない。
しかし(2.3。2)式にbいてa ・=0の仮設を設けるとき、
e=eO
また
Q=Q°
となり、重さQを用いて、(2・1.7)va従い計算されたsε oは、全変動となり、(2. L 27)
式により、
与㌢圧一α・(・一,) (・.・.17)
ーまた
&,司q、況一2;Xlq、叱 (・・.1−8)
とするとき、
乎・6・・(nt−・) (・.・.19)
∴一
^・但・(・一・,) (・.・.2・)
∴・」吾』・§撃・・6・乏(m−1P) (・.・.・・)
SEA
. 行=1)⊃
..
@...__ __ 6F(五「=:丁Tp,n−mp) (2.3.22)
SEE
u−mp
上式にお・ける左辺が有意水準5%におけるF,(五=]p,n−mp;0.05)より大きい場
合は仮設は棄却され各水準の間に差異があると判定されるであろう。実際上、母分散σデ
し
を求め7eことは不可能であるので、その不偏推定値VELによって重さを評価する。
なお各水準間の分散に差異があるかどうかの判定は次のようにすればよいであろう。
すなわちもし各水準の分散の間に差異が無いとの仮設を立てるとき 次式
与ピ臼・(・i−・・,) (・・.・・)
・竿臼2(rl・・一・・) (・・.24)
−32一
にお・いて σ5=σ…であるから
SεEC
・㌔已一eF(・・一・・…−P1)
( 2.3.2 5 )
nl−P,
上式左辺が有意水準5%にk・けるF“(nニーPo, nl−Pl;0.05)より大きい場合には
両水準の分散の間に差異があると判断されるであろう。ここにPtはi水準における因子
数で各水準にお・ける因子数は相違するものとする。
各水準の分散の間に差異があれば、異重重回帰にS・ける一元配置論によって各水準の
間の級間変動効果の存在の有無を判定すべきであろう。
SεEとSEAが仮設α==o,したがってe=e°,Q=Q°の下で互に独立の分布をし、
睾一6・・価=i・)であることは次のよ5・・va証明さ・れる.・
〔解〕
コ ヅ
簡単のためva等重の場合t(っいて説明する。異重の場合はX,eの代りt・c Q5X,QTe
を用いれば、まつたく同様に証明できる。
Xを次のようにm組のクラスに分割する。すたわち、
Xi=〔Xi,__,Xl,・.._,XL〕 (2.3.26)
(2.1.37)式に従い
Sεわ=et(Ie.T−一一Ao)e (2.3.27)
ここに
A・=XS’iXt (2: 3.28)
同様に
SeEL=e『(IUi.−Aε.、.)e; (2.3.29)
ここに
Aε i.=XzS:8X㌧ . (2・3・30)
∴SEE = e’(1,。−AE)e (2. 3.31)
1。 \、
\ Aε
一33一
∴ SFA==SEO−Sεε
( 2.3.3 3 )
=e1(Aε一Ao)e
しかるに
(1−AE)・(AE−Ao)=Aε一Ae−Aξ十AεAp
(2.3.3 4)
であり、At.L二AELであるから、
嵯一「㌻゜ト
(2.3.35)
[°遍。1
また
(2.3.36)
A’o=〔Ah,……,Aもi……,A‘納〕
とすれば、(2.3.28)式より
N
であるから
(2.3.37)
A。t=XξS−1Xl
を得る。したがつて
Ar・ ,: A・e=XこSごX!XεS−1×1
( 2.3.38)
=Ao.i
であり
、
AEA o=
&
A臼
、
・ 0
\
A匡】
●
Aoこ
の
0 ’A‥
\
、A・・
「蕊:’
( 2.3.39 )
=A。
〔曳1ア酬
一34一
(2.3.35),(2.3.39)式を、(2.3.34)式に代入すれば、
(1−A后)(AE−Ao)=O
( 2.3.4 0 )
したがつて SEEとSEAは互に独立k分布をする。
なお・
Sr、)
SEA
S匪
『δ丁^^=二芦一+「丁
で一 xex・(・一一mP)
§号巳E z2(n−P)
でSEEとSεAは互に独立であ・るから、
㌢・z・(≡一]・)
であることが推察される。
最小二乗法により誘導された残差の和が、常数項を含む回帰構造に対して零となるこ
とは次のように証明される。
〔解〕 残差をVとするとき〔]〕の考察により、
v == y−9
=y−X(X,X){ixt y
=(1−A)y ’ (2.3. 41)
すべての要素が1である単位列ペクトルを1ヵとするとき、残差の和は、
1膓v=IL(1−A)y
=(E−ISA)y (2.3.42)
しかるに(2.1.49)式より等重の場合
AX=X (2.3.43)
であり常数項を含む場合のXは、単位ペクトル1脅と常数項を含まないマトリクスX、に
によつて
X=〔1。,Xi〕
のように分割される。 この関係を(2,3.43)式に代入すれば、
Aln=ln (2.3.44)
であり、上式を転置して、(2.3.42)式に代入すれば、
1㌧V=(1;−IL)y
=0 (2.3.45)
−35 一
すなわち、残差の和が必ず零となることが証明された。
〔4〕重回帰分析比おける信頼性理論の適用にっいて
4.】 要 旨
重回帰模型にtoける観測変量を幾つかの水準に分割して、もし回帰の構造が各水準に
対して不変である場合には各水準にお・ける分散σ2の値も変動しないであろう。
したがつて、いま観測変量を時系列としてとらえ、これを幾つかの水準に分割し、各i
水準に対してσ2が変動する場合には、ここに取り上げた因子では説明できない何らかの
影響が回帰の構造に変化を生ぜしめたことを意味する。
ここに展開する理論は、各水準にS・ける分散の変動に対して、信頼性理論を適用しよ
うと言う一っの試みである。
4,2 理 論
(1) 概 説
信頼性理論によれば、破損の型を大きぐ、初期破損、偶然破損、摩耗破損の3っに
分飢ている2s’g)’繊酬、は、運転の初期順われる故障でその願率は大きぐ、
ディバッキング過程で初期破損を無くすことができるとされている。初期破損を経た
構成品は偶然破損に移行する。偶然破損は不規則にランダムに発生すると言う。
さらに寿命に達した構成品の破損率は急激に増加する。この場合の破損を摩耗破損
という。
さて、ある組織の大いさXが次矛に破損し、その大いさが減少する過程を考えてみ
よう.組織の大いさxの時間・に紺る減少率一砦がその時点に鮒る組織の大い
さ¢と、衝撃λの関数9(λ)の積として 次式
一』i÷aR・、ω (2・…)
のとおり表わされ、かっ
9(X)==¢ (2.4.2)
である場合には、
¢一。山」も (2.、4.,)
である。
Xを偶然破損における残存の確率Rとするとき、λは一定となり
一人亡
(2.4.4)
R=θ
であり、破損の確率Fは、
F = 1 − e”1ち ( 2.4.5)
−36二
し
したがって、単位時間あたり破損する確率すなわち破損の密度関数
・一』喜=λ・一 K“’ (・・…)
2.21)
を得る。
② .重回帰分析にお・ける信頼性理論の適用
さて、ある水準にむける重回帰にtoける偏差をetとし、i(1,(一を観測変量yの期待値と
すれば、
y=双+eど (2・4・7)
である。偏差eeを、初期における基本的偏差eoと、その後の何らかの破損のために
追加さi、 ..る偏差eFtむよび、各水準の間にk・いて非可逆的破損の進行のために生ずる
偏差ef bに分解されるものとすれば、
et −e・+eF、+e.c (2・4・8)
が成立し、各偏差が独立で、その分散をおのかの年,パ,噴,啖とするとき
(2.4.9)
σ2=σも+σ声こ+σゲ
e
< <
< <
あるいは各分散の不偏推定値をザ,σ6,悦,σ表とするとき
c㌔合6+鬼+D;d
(2.4.10)
《
さて、ここで破損の確率Fに対して、概略
く
( 2.4.】 1 )
儂・』畢
(2.4.12)
蠕Ct耳∼
であると仮定すれば常数kF,kf,kに対して、
2・…9s+・,研・,え暫+・
( 2.4.1 3)
〈
∧
上式に(2.4.5),(2.4.6)式を代入し、かつ
t=0でゲ=ao2の条件を考慮すれば、
年』・,・・一・−REt・一 ・t・・,(1−・一 Rft)
(2.4.14)
とくにλF ==λ∫である場合には、
〈
・li_]=K(】一←λt)
( 2.4.1 5)
’万
ただし
K一
Y(象一・)
(2.4.16)
を得る。
2.22)
上式は言わば、系の破損の確率が一種のワイブル分布
一(t−r)皿/to
F(t)=】一θ
に従うことを意味する。
一37一
λが次矛に増加を開始する場合には、系は摩耗破損に従い破損を始めたものと考えら
れるから、系の点検修理が必要である。すなわちλがtの増加関数であれば、“予防
保全雪拓う必要がある。
一38一
皿 アーチダムの挙動を支配する諸要因
「1〕概
説
貯水または取水の日的をもつて、河谷を横断して築造されるアー一チダムは、水圧荷重を支
持し、これをアーチおよび片持ばり作用によって基底h’・よぴ側壁の岩盤に広ぐ分布せしめる
構造物であ!、アーチダムのたわみ、応力にお・よほす静動水圧の影響は大きい。
アーチダムはまた高次の不静定構造物であるから、同時にかなり温度荷重に支配され変形
する。
その外、アーチダ。の設計条件、して裁られるタト㌶1)殼挑、師、観力、泥圧、
氷柱、地震力、波圧、風圧、セイシユ等はすべて、アーチダムの挙動を支配する要因である
が、この解析にお・いては、主eして平時にtsけるたわみおよびひずみ、応力の解析を主体と
し、地震力、動水圧、風圧、波圧等のアーチダムの長い材令から見れば瞬間的挙動の解析は
行わない。
しかし、地震、動水圧がかりに基礎あるいは堤体の構造に変化を惹起すれば、間接的にア
ーチダムの変位に対して、作用後何らかの効果を及ぼすことが考えられる。この効果は、流
動変形として取り扱われるであろ5。
ノ
また本解析においては、名実ともにアーチダムとしての機能を発揮するたん水開始の時点
以降のアーチダムの挙動を対象とし、たん水開始以前のコンクリート打設後、グラウトを経
てたん水開始までの堤体内部の温度、ひずみ等の現象は、原則として取り扱わない。
外荷重によってアーチが変形すれば、自重による曲げモーメソトに多少の増減があるもの
と:考えられる。しかしその値は僅少で、たん水後に解析の範囲を限れば、自重の効果は、ほ
とんど無祝されるであろう。
〔2〕流 動 変 形
2.1 概 説
アーチダムのたん水開始以前の応力、ひずみ、たわみは、コンクリートの水和熱、ク
リープ、人工的グラウト、クーリソグ等の影響を受け、きわめて複雑な履歴を呈するの
でたん水開始以降のアーチダムの挙:ψ解析にその範囲を限るとしても、なお完全に弾性、
可逆的変形のみによつて、現象のすべてを説明することは到底不可能と考えられる。
ここでは弾性論では説明できない一切の現象を広義の“流動変形”と定義する。
3.4)
レオロジーの理論によれば流動変形の基本型を塑性流動と粘性流動に区分し、塑性流
動とは“降伏点以上にお・ける変形で永久変形の部分を言い、弾性と一緒にだけ認められ
る現象’であり、クリープまたは遅延弾性とは、“ある時点から一定の応力をかけると
き、物体の変形が一時に起らず時間と共に増大し、一定の値に漸近する粘弾性的現象”
を盲う。
−39一
さて、アーチダムのたん水開始以降にtsける流動変形と.して、考えられる種々の現象
を列挙してみよう。
まずアーチダム本体にっいて次の諸点が考えられる。
(1)堤体コンクリートのクリープtsよび塑性変形
② 堤体コンクリートのクラツク発生による剛性の低下、あるいはそのための揚圧力の
増大
堤体継目の開閉
3.5).3.6)
コソクリート硬化に基づく弾性係数の増犬
損食、たとえば石灰分の遊離等による強度の低下
3.30)
コンクリートのアルカリ骨材反応等にともなう自己成長
ダム本体の基礎接触面における滑り
3.7)
基礎岩盤に対して、
(1}
岩盤を構成する岩石のクリープおよび塑性変形
②
基礎岩盤の締まb的圧縮による体積の減少、あるいはそのための変形係数の増大、
すなわち空隙の減少に抵抗する最弱岩石の小規模破壊
〔3 基礎岩盤の圧密現象、すなわち、圧力水を消滅することによつて生ずる圧縮現象、
あるいはそのための変形係数の増大
ω㈲㈲m㈲⑨倒
基礎岩盤を構成する岩石の圧潰
基礎岩盤におけるクラツクの発fF一
クラツク面にお・けるすべり変形の進行
風化あるいは湿潤した岩石の物理性質の変化に伴う弾性係数の低下
ダム下流直下の放水による洗掘の進行
3.9)
基礎グラウトセメントの流出に伴う諸現象
繊の変動:8k嬢氷圧、泥圧の影響
2.2 流動変形の粘弾性論的取り扱い
時間θ6にtsける何らかの刺et Xに対して応答yが、θ>eeなるθと共に変化し、次
式・(・)
で与えられる場合、これを、ボルツマンの重畳原理と吾う。q(θ,ei )は単位の刺戟
に対する応答の時間的変化を示す余効関数と言われるもので、θ〈θζにおいて¢(θ,el)
=0 である。
Xをコンクリートに作用する応力σ,yをクリープεcと考えれば、 Davi8−Granviユ1
3.11)
foよびWhitneyの法則によb、上式はクリープ現象にそのまま適用できる。
単位の応力によるクリープSCIは、余効関数q(θ,θt)であb、e<θiにおいて
g(〃,θg)=0となる次式
・,・一ψg(]十θ一丁口「) (・・2)
c
−CO 一
ただし、 θ<θtにお・いて ec 1=0
3.12)
で与えられるものとすれば、
ボルツマンの重畳原埋により
・.一∼・、・・g(÷‡』,)一器r・・i (・.2.・3..)
‘ し
VL
であり、
K戸k∼一諸・・〃’ (・.・.・)
とすれば、
・・一ΣK、ノ・・(】十e1十〃ソ) (3・・2・・)
が成立する。
同様、本解析における流劫変形δeに対しても(3.2.5)式を拡張適用できるものとし、
・・一・2’・Kle・・(1十〇了斗一ff、1) (・.・.・)
ただし、 θ<θiにあ・いて、δθ=0
3.13)
とする。
〔3〕温 度 荷 重
3.1 概 説
アー・チダムは堤体の厚さが薄ぐ、高次の不静定構造物であるため外気温の周期的変動
にともなって堤体温度も周期的に変動し、内部に拘束応力およびひずみを生じ堤体は変
形する。
堤内各部の温度分布は一様でなぐ、半径方向に対して夏型温度分布は下に凸、冬型温
度分輪上va凸⑭継晒、その遷移点は、胎よU・・.1。月であ214)(図、.3.、参照)
1鶯:1,…12月]1日i・6↑)1,,i、 ∴2∴13∴月18。
図一3.3.1 二瀬ダム半径方向温度分布変動図(EL・515 クラゥンカンティレパー)
−41一
Sh_ノ
ー般にこの半径方向温度分布が図3.3.2のCDEである場合には、これと等値の効果
図3.3.2 アーチダムの温度分布図
をもつ等値直線温度こう配C‘Etが堤体に生じた
t
ものとしてアーチダムのたわみを解析すればよい。
等値直線温度分布とは、上流端O点のまわりの
上流面
乙
下流面
一次モーメントと面積が実際の温度分布CDEFO
のそれと等しいような台形温度分布C,ElFOを
C
言い、堤体平均温度tと等値直線温度こう配αに
ご才
3.15)・3.16)
よって決定することができる。
しかしながら堤体応力を検討する場合には、この等値直線温度分布に対するアパツト
メントの拘束に基づぐ応力に、実際の温度tと等値直線温度tlとの差ピに基づぐ応力
を加えろ必要がある。これを自己拘束応力と称することにする。
3.2 温度荷重に関する弾性力学的考察
317)
物体内部の温度分布が一様でないことから生ずる応力は一種の固有応力と考えられる。
この固有応力が作用しないときの直交x,y方向のひずみ(固有応力源ひずみ)をOe xx,
°eyY・せん断ひずみを%ソとすれば・醍雌 e” ..],
係数o,に対して、
ee。z=,、・・ /
1
°elr=ce°t }(3.3’】) ,ev,_」L
Oe・Y=O
ノ エ__.」ごx
図3.3.3 自己拘束温度応力
によるひずみ
であり、これに対して固有応力によるひずみを’ezz,eeソ7 t te ,/,適合条件式を満足す
る真のひずみをen.,e77,eX/とすれば
e.。 =°eq+eekt
|
}(3・・3・・)
・yy=°e夕f+ee〃
」
・・/=°eヲ+〉
である。
ひずみの適合条件式
一一器誇一一鵠丘+⊇
(3.3.3)
に(3.3.2)式を代入すれば、
一隅争+一等溜一旦畿㌻一一(与㍗+会』纈㌢)
しかるに平面応力の場合、弾性法則か6、
一42一
(3.3.4)
eθ・・ ・』、.(e《㌦一レe(;y)
・弓・−i。(eσ・一・ eax) (3・…)
㌔戸2⊥呈辺㌔〆
ここにンはボアソン比、Ecは弾性係数、 ea(,㌦は、 x,y方向の垂直応力、 e互γはせん
断力である。上式および次の平衡方程式
ド336)
亘㌻’+告旨一繧箭一も、{静+9i晋一・(∂嶽+警)
一…+川一帯;}
ヨ。(∂2 ∂2−b72El+∂y・)(ea・+玩)
(3.3.7)
(3.3.])式を(3.3.4)式の右辺に代入すれば
一(∂tC“e.t−’+』!三.〉_」?三輪∂ア2 ∂エ2 ∂¢∂y)一一9(一護・一+、考・)・
(3. 3.8)
しかるにAiryの応力関数Fに対して
a.t一騨…一繧’・,一一∂舞 (・.・.・)
であるから、ラプラス演算子△に対して、
△・△F=−CtE‘△t (3.3」0)
3.18)
を得る。
平面ひずみの場合は同様にして、次式
△△F−一隅已・・グム・ (、.、.11)
3.19)
となる。
(3. 3.]0)式を極座標(r,θ)で表示すれば
’(8/2 + 「} ∂≒ + ÷2 ∂∂
Q2・)(騨+÷皇‡+÷,92募)
∂2t ]∂t ユ
2
十
☆Eパ
百
十
7
百丁
十
r
逆∂
t
亨
川
)
ここにr・θ方向の各応力をeae・e巧・せん断力をe Tアeとすれば、
二二
/”
ー 43 ’一 嘱・
さて、アーチダムのアーチ要素が曲率半径roの円孤であるとし、そのアバツトメソトに
おける拘束を解除した状態で、半径方向VC 一一様でない温度分布が生じ、かつ温度tがr
のみの関数である場合には、(3. 3.12)式は次式のようになる。すなわち
亮・(邑詩+・ピ・)+÷☆(rご+・,・・)+志鑑
(亙繧+・ビ・)・・ (3・・3・1・4)
厚・半径玲。の小・哺肉アーチの場a“a・÷・・かつクラウンの近傍では励の対称
性か・・∂
g÷・であるからθ方向のひずみ
6 =「tp. 十〇〇
辱 θラ
ん
一登+・… (・…1 5)
(
であり、
零・舞+÷一許一÷£{・∂詳一}一。 (・.・.16)
∴e,, =c,1。9・+・・ (3・3・]7)
ここにCl,c2は常数であり、したがつて両端の拘束のないアーチに一様でない温度分
布が生じたとき、両端より十分離れた断面における接線方向のひずみの分布は対数曲線と
・ることが推察・れ… か・、$。・・J・・い鮪アーチでは、・の対蜘線はアー一チ
断面の範囲内では近似的に直線とみなしてさしつかえ左いであろう。すなわち、図3. 3. 3.
にX・いて半径方向をX軸に接線方向をy軸にとれば、
e.,γ ==CIX+c・ (3・3・18)
となるL,厚肉アーチでしかも両端に近い部分ではひずみは直線形に分布しないものと思
われる。
直線ばりの軸方向すなわちア軸方向va 一様でない温度分布が生じた場合にも、それに
酸す・噛方向の応i…q,・*・でかつ、両端から+分齢た郁帥て芸多÷・の
仮定の下にアーチの場合と同様の手法によって、y軸方向のひずみe:,rの線形分布を示す
(3.3.18)式を誘導することができる。
(3. 3.15)式にtsいて添字θをyと書き変え(3.3.】8)式に代入すれば、次式
・。一岳・+・。・・−c1¢+・、 (3.・3.・ 9)
乙
を得る。アーチの各横断面上の曲げモーメントtoよびスラストは零であるから、厚さを
Tとするとき
/T
己E
d工
=
O
∼紗・x−・
(3.3.20)
ノ6
また実際の温度分布OCDEFの面積ふ・よびO点のまわりの一次モーメントをA,Mとす
れば(図一3.3.2参照)
/T
A−/・・x ,
r
(3.3.21)
Y.
−44一
であるから(3..3..19)式を嶺分し、(3.3.20),(3.3. 21)式を用いれば、
・ピA−6c1T2+・・T
あるいは
・ピM一丁・IT・弓・・T・
∴・、一・( 一 M2t−3T・)・・…L・t (・・22)
Cl・=・‖・・警,一τ)・・三・・. (・…23)
ここに
スー全 (3・・3・2・4)
である,また
・ゾ・e’t・ (3・ 3・25)
なるtlを定義す・れば(3.3.22),(3. 3.23),(3.3.25)式を(3.3.19)式に代入するこ
とによつて、
t1=α♂十cS (3.3.26)
を得る。ここに誘導されたtlは等値直線温度でαは等値直線温度こう配である。すなわ
ち、(3.3.22),(3.3.23)式に従いαtSよびc∼を求め、これを(3.3.26)式に代入し、
tlを求めれtt、(3. 3.25)式によってひずみeryは容易に計算される。なお温度こう配
は下流温度が上流より大きい場合を正にとることにする。したがって自己拘束応力eくワ
は(3.・3.】),(3.3.25)式を(3.3.2)式1(代入し次式
・(;7=Ec Ct(tl−t)=E.Ctte ・一・… (平面応力の場合)
}(3.3.27)
eOx=EしCe・tl/(】一ン) ……… (平面ひずみの場合)
によつて求めることができる。平面ひずみの場合は(3. 3.10),(3.3.]1)式の比較によ
つて上式が拒察される。
両端において固定されたアーチに一様でない温度分布が生じ、さらに水圧荷重その他
の外荷重が作用して・図3・3・3・のGH線で示される引張ひずみεr7が生じた場合・この
e71と、等値直線温度によるひずみの差
△・r/ ==・・/一・〃 (3・3・28)
は言わば、両端固定のために生ずる温度応力、水圧荷重その他の外荷重による応力に基
づぐひずみで、ひずみの適合条件式を満足し、はり理論によつて計算される。(れこお
いて考察する。)
したがつてまた、実測資料によbひずみの挙動を解析する場合に行う実測ひずみの温
度補正において、この等値直線温度によるひずみenを実測ひずみetrより差し引いてお
けば、固有応力によるひずみを含むひずみと外荷重との関係を検討することができるで
あろう。 (遁にお・いて詳察する。)
しかし、ひずみより応力に換算する場合は(3.3.27)式によつて計算される自己拘束
一45一
応力を差し引かなければならない。
3.3 堤体平均温度tsよび等値直線温度こう配の年間の変化量
堤体温度は、外気温、水温、コンクリートの水和熱、人工冷却等の影響を受け変動す
るP620≧ンクリート打設後水和熱のため堤温は上昇するが、人工冷却が十分行われたアー
チダムでは、打設後2∼3ケ月で通常たん水開始までに最終安定温度に違し、それ以降
は主として気温と水温に支配されて周期的に変動するJ
しかるに表面よりの距離の大きい堤内温度の年間温度振巾は小さいから、堤厚が大き
いほど堤体平均温度の年間の変化量△tは小さ〈なる。図3. 3.5は綾北、室牧、鳴子、
二瀬ダムの△tと堤厚Tとの関係tsよびU.S・A.Bureauりf Recユamation の潟
3.21)
匿変化量推定式
△・−T≒12治 (・…29)
を図示したものである。ここに△t,Tの単位は、 ts‘のtsの℃・mである。図よりまた、
少ぐとも上記4ダムについて近似的に次式
△・−13° (・・3…)
ただし、T>5m
の成立することが了解されるであろう。
もし、アーチダムのグラウトの時期が堤体平均温度の年間の平均値に堤体平均温度が
一致する時であれげ(この時期は堤体平均温度の気温に対するズレのため、春季末また
は秋季末で・る)堤体平均瀕上昇量または降下量△・‘は△・の9・紗、△・‘で応
力計算を行えばよい。
図3.3.6は等値直線温度こう配(単に温度こう配と言うことにする)の年間変化量と
堤厚との関係を図示したものである。当然のことであるが、上流面が水没しない断面の
温度こう配は近似的に零であるが、たん水後っねに上流面が水没する下部徴高の温度こ
う配の年間変化量は厚さに逆比例し、温度こう配の年間の変化量α(℃/m)に関する
次の近似式
α=14.2⊥ (3.3.3】)
T
ただし、T>5m
を得る。薄肉アーチダムの場合は次式
α一21・・圭・T>・・ (3・・3・・32)
の方がより適切であるように思われる。
一46一
図3,35 堤体厚さと堤体平均温度変化量との関係
30
20
(C°)、
10
「(●)
図3.3.6 堤体厚さと温度こう配変化量との関係
●
3
、
@ 、
●●t〆▲(葡輿)
@ へ
署髢q〆ム(’)
A o、
@鳴子〆ム(厚内)
、o 、
@ 二■’▲(’)
血■21.0⊥ 7
@、 、
@●
2
えになノ1、 ‘ll呈部(分
\
、
f)\、
(§鵠
、、 、 、 、
1
、、
幽■14.2」.
@ 、、
@ 、
、、
怐@ 、、匂、
■■●、、●r」
、∼一一
●
0
10
20
?(臼)
一47一
30
40
これは、薄肉アーチダムの温度こう配変化量は、厚肉アーチダムのそれより、同じ堤厚
に対して大きいことを意味し、その理由として温度こう配が堤厚以外にその部分にtsけ
る水深あろいは水温に影響されることが考えられる。
上流面が水没したり露出したりする上部温度こう配の変化量は一般に小さ〈・たまた
ま夏季Rたは冬季に長期にわたり水没する場合、より大きくなるであろう。すなわちこ
の場合の温匿こう配は水位Oある関数となる。
温度こう配はグラウトの時期に零であり、かつグラウトの時期に関係しない。
(3.3.31)式と(3. 3. 32)とを平均した近似式として次式
・==・64,T>・・ (・・・…)
が成立するであろう。tt;ti’図7.1.】∼7.1.4より一般的に水面下に水没する下部温度こう
配の正の部分は負の部分よりはるかに大きいことがわかる。
〔4〕水 圧 荷 重
4.1 外 水 圧
外水圧を受けアーチは変形する。単位面積あたりの水圧荷重Pは、水深をh,,水○単
位体積重情をwとするとき、次式
P ・= whl (3・4・】)
で与えられるd,アー一チダムのアーチ作用部分における最高標高に水位が一致する場合の
アーチダムのたわみをδ月基底水深をHとするとき
らd琵 (3・4・2)
○関係がある。(W(5〕参照) したがつて水位をh,基底標高をh。とするとき、
h−ho=H となるhに対して(3, 4. 2)式を満足するようにたわみδ〆と水位hの関係
式を次のように定める。すなわち、
」^== c1(h−h。)・+。、(h−h。)(h。一 h)+・、(h−h。)2(h。−h)
(3.4.3)
ここにhcはアーチ作用部分における最高標高、 Cl,C2,C3は、未知の係数である。
同様に h−h。=H となる満水位hに対して、応力σはwHvc比例するから
〆=cl(h−h。)+・、(h−be)(h・−h)+・・(h−h・)2(h・・:−h)
(3. 4. 4)
なる関係式が成立するものとして、解析する。アーチダムにおいては水圧荷重の方向は
一般に水平でなく、鉛直成分が存在する。
水位、したがって貯水量の増大は渓谷自身を変位させ、間接的にダムに影響を与える
一48一
3.2z)
ことがHooverダムにtSいて解析されている。
4.2 内 水 圧
水は.また、・揚圧力、間隙水圧、その他様々な形式としてアーチダムに作用する。
ダム基底、または堤体クーiツクtsよび水平打継目を通して滲透した水は、堤体に揚圧力を
3.23)
作用する。その大いさは水深の2乗に比例すると言われるが、アーチダムにかいては基
底面積が小さく、主としてアーチ作用によつて外圧に抵抗するので、揚圧力の堤体に及
3.24)
ぼす影響は小さく通常設計荷重として考慮する必要がないものとされている。
3.25)
コンクリートは湿潤状態で膨脹し、乾燥状態で収縮する。
水面下に埋没したり、露
出したりするアーチダムの上部上流面のひずみに対して若干影響を及ぼすものと考えら
れる。
3.26)
コンクリートを微視的に観察すれば多孔質材料と考えられる。空隙容横のコンクリー
3・・27)
ト容積tc対する割合は4∼6%である。
したがって、ダム上流面の水面下に.埋没するコンクリートに新たに圧縮力が追加され
3.28)
れば、その圧力の一部は間隙水圧により抵抗を受け、有効圧を減少せしめるものと考え
られる。
ただし、全圧力に増減がなければ、過剰水圧は次)ヤに逓減し、有効圧は逆に逓増する
3.29)
一種の圧密現象が生ずるであろう。
しかし、アーチグムに作用する水圧のように通常きわめて緩慢に変動する圧力に対し
て、問隙水圧に基づく有効圧の減少は、比較的小さいものとなるであろう。
内水圧の中、湿潤乾me tsよび内部間隙水圧の影響は主としてアーチダム上流面va限ら
れてk・り、少ぐともたわみに及ぼす影響は、きわめて小さいものと考えら’れる。
この内水圧の効果はすべて(3.43),(3.4.4)式に含Rれるものとして解析を進める
ことにしよう。 .
一49一
W 無次元解析法によるアーチダムの挙動特性の研究
〔1〕弾性固定アーチの理論
4.1)
弾性固定アーチの理論は、コソクリートアーチ橋にっいてはストラースナー によってア
4.2)・4.3)
一チダムのアーチ要素に対してはU.S. A BUreaU of Reclamatlon によつて開発されてい
Z−,。前者は基礎に不静定力をとるが、後者はアーチの内部に不静定力をとり、アーチ要素の
微小部分の断面力による変形を楕分し、不静定力作用点にS一いて両断されたアーチのその作
用点におげる各変形を等しくぶくことによつて誘導されたものである。
ここでは、まずBureaU of Roc lamalion の立場に立ち、仮想仕事の原理から弾性方程式
4.4)・4.5)
の誘導を試みた。すなわちM◎,H⇔,V〕をアーチのクラウソにおける曲げモーメント、ス
・ス・、せん断力・し、.囎,鵬をクラウ・に勒て両断された左右の静定基本系の
クラゥンにおいてjなる荷重が作用したときのi荷重方向の変位を表わすものとする。ただ
し添字i,j=1.2.3はおのおのクラウンに訟ける単位の曲げモーメント、スラスト、せん
断力を表わし、内弧側に引張応力が発生するよ6な曲げモーメント、せん断力、および圧縮ス
ラストと各断面力方向の変位を正とする。しかるとき、クラウソにS・ける正の単位の曲げモ
ーメント、スラスト、せん断力によるアーチの任意の断面にk・ける曲げモーメント、スラス
ト、せん断力mi,hi,vj(i=1,2.3)は
hhh
/ー
mm皿
ロ /
VVV
=
1 (4. 1.・1)
2 む
3
同様にアパソトメソトにおける断面力m・A i,hAi・VAi 拾よび各断面力方向の変位
△θ。、・△6。・・△rA・
(i=1, 2, 3)
0 、
凱ll㍍川
Bin¢A
Lm,, h。,_・.、3」
…φ・
v
(4.1.2)
! α1 ・ α・ /
= (α・yA+α・8i・φA)β・。・φA((XiyA+γ8inφA)
(αxXA+α2 Cos ¢A) 一β8inφA (偽XA+γco6φA)
ノ
(4.L3)
ここにα1.α、、β.,は、いわゆ・v。9tの岩舗薮)46)であ・.したがつて仮想仕事の原
理を基礎の変形にまで拡張すれば、たとえば左側アーチのクラウソにk・ける単位のせん断力に
ょる左接線方向の変位は
一50一
・訂㌔d才りご竺づ含㌘芸φdイ
・y。(α1X。+α・c・・φ。)一・。・φ。β・i・φ。+・’・φ。(α・X・+γc・8φ・)
一鵬、
(4.1.4)
tklA
1≒∋−9
‘ L66 R4θ
R肱
図4.1.1 アーチにbける正の諸断面力
ここにAはアーチの断面積、Ec・Gcはコンクリートの弾性係数およびせん断弾性係数であ
る。空た静定基本系に外荷重が作用したときのアーチの任意断面またはアパ:7・トメソトにおけ
る断面力または変位は、左付添字o,tによつて水圧荷重、温度荷重を表わし、水圧荷重によ
る断illi力をML・Hし・V,コ とし、かつ△t・α・ c tSによつて・堤体平均温度上昇、温度こう
配、)’3hよびコンクリートの膨脹係数を表わすものとすれば、
r・皿ch gv ) r M・ H・ V・ 1
o皿A
ehA
必吟輪
」玖r
c.△eA
。△孤
t△θ
t△3
/ 、
M・A H・A VL・ 1
(α、M。。 +α,V。A)P且.A(α、M.A+・V・A)i
(4.1.5)
i
㍉α翻 一c・△td・? o ノ
したがつて、静定基本系に水圧または温度荷重が作用する場合のクラウンのたとえば左接線
方向の変位は
、箒芸ぽ際φdづ:K漂dイ
+LMLA(α・YA+α…nφA)+LHLAβ・。sφA+LVLA(α・y。+r・i・φ・)
◎1
三一、。己
(4.1.6)
−51一
したがつて静定基本系に水圧bよび温度荷重と、各不静定力が作用した場合のクラウンにk・
◎ ◎
◎ .◎
ける正の断面力方向の変位を、左側および右側に対しておのおの し△θjL△♂,L△r,R△θ
,△才r。△P・すれば
◎11
ぐqテ汁
し
㌻劃ii/・
{閨・
一一
・ 乙◎
とtも}1
[llll/
(4.1.8)
ー
ノ
{i三il
/,ぽ
= ・シ㌣
x
L
,偲,竃パMΦ’
〔R。肥「
々鍵,膿川H⑰
+ ROδρ +
㍉劉ヒv・1
kR。5倒
「認目
(4.L9)
、Rt4◎〕
アーチの連続条件式
{
二目.ピ∋一。
( 4.1.10 )
1スムr°/
、△rヲ
に(4.L8),(4.1,9)式を代入することによって次式に示されるアーチの弾性方程式を誘
導することができる。 すなわち
(・∫
ili繍・
(、,宵・,胤
(、も鴉+R,鳥
( 4,1、1 1 )
(、,阜Rt島
ロ
(4.1.11)式はBureau of Reclamationが微小部分の変形のアーチクラウンの変位に及ぼす
影響を積分することによつて誘導した弾性方程式にまつたく一致する。かくして左辺の
fユexibilityマトリクスの・各要素すなわちアーチ常数の意義と、それが対称マトリクスとな
る。とは、弾性固定アーチに紺る。クスウ・ルの定違7)・4㌦意味することが明らかにされた。
一52一
〔2〕弾性固定アーチにおける応力の挙助特性
一 特に引長応力発生の磯構について
2.1 要 旨
アーチダムのように無筋コソクリート構造物においては、引張応力の発生を防止するこ
4.9)
とが形状設計におけるもつとも重要な課題となつている。また実測資料にょるアーチの応
4.10)
からも応力の挙動特性を把握することは不可
力ないし、たわみの挙動を追求する観点
欠である。
4.11).4.12).4.13)
弾性固定アーチにfO・ける断面力ないし応力の挙動に関する研究はLieUranee
林
らによって等厚円弧アーチに対して行われた。
4.6)
何れも基礎が、VOg七 の理論に従い、弾性変形をし、 LieUranceはコソクリートと基礎
岩盤の弾性係数の・噺一・の場合の断面力を榊{誤種・の値に対・て水圧荷重を受
けるアーチの断面力および応力を計算し、それを数表にとりまとめた。
ここでは弾性閲定円弧アーチに、外荷重として一様な水圧荷重が作用する場合のアーチ
クラウソとアーチアパットメントにおける引張応力の発生の機構について検副し、それが
外荷重の大い・・は無関係で{ピ・堤体厚さとアーチ中心線の曲率半誌中心角・φ・
bよび岩盤常数のみによつて判定されることを述べ、各因子の量的関係にっいて若干の考
察を行なった結果を報告するものである。
2.2 対祢等厚円弧アーチ
左右対称で、等厚円弧アーチに対しては(4.1・11)式において添字◎,R、Lを省略し・
かつ左付添字O,△t,αによつて水圧荷重、堤体平均温度上昇、温度こう配に対する値を
表わすものとすればクラウソにおける各荷重による曲げモーメソト、スラストの値は、次式
。M。一±、?/・δ:,÷繋ε,H。一工繧↓㌃鷲2
(4.2、1)
。,M。一幽δ吉慧=璃二㌦H。一一4芸、芸、:.鑑≡
(4. 2. 2)
。M。一・〆1δ1㌃』鑑旦.H。一亙☆譜☆
(4.・2.・3)
のとお・りとなる●
等厚円弧アーチのアーチ常数は
12r
δL’= d。T・〔φh〕+α1
一53一
三芸( 1 ETc…+百k・茸三)
12r
三E」・e‘…d
( 4,2.4.1 )
し
12r2
δ’2 = X、di・’〔φA−8’nφ・〕+α1孜情θ’nφ・
≡量iき{・・2+;謬(k・ver・φA+k〆2・i・φ・…}
12r2
≡E、T・’c‘・・2
…一
( 4.2.4.2 )
〔号φAC°日φA
モ〔・仁・・i・φA+−eA+1’塾c°8旦・+EiT
φA−8’nφA三゜t¢A−〕・α、yi+…、YA・i・・¢A・P・…φ。+r・・・…
十3 2 A
l T2 1EcT
…2.,(F)・颪F{k。v・…φ・+・kb(2 Ver・φ・
12r8
三E、T・〔lc・・2+T・ ト
2
・i・φ。…・(kβ・・…A+k,・…。)(…)}〕
三芸・L・ (4・・2・…)
のとbり表わすことができる。
ただし、上式における岩盤常数αt, a2は単位のモーメントを受ける基礎アパットメソト
のモーメソト方向の迦転ts k・よびせん断方向の変位であり、β, rは単位のスラストまた
は単位のせん断力を受けるアパットメントの各荷重方向の変位で、単位巾とTの厚さのア
ーチエレメントに対して岩盤常数は、
…芸偽一芸β一㌃・一葦 (・2・)
次に等分布永圧荷重を受けるアーチの荷重常数を検討しよう.
静定基本系に水圧荷重のみが作用したときのアーチアパットメソトにお・ける曲げモーメソ
ト、スラスト・せん断力をMしA,HしA,VLA とすると・半径方向等分布荷重Pに対し
て
MLA=−PRu「Ve「s ¢A
HLA = PRec vθ「白φA
VLA== TPRec・i・φA (4・2・6)
である。ここにRaはアーチ外弧面における曲率半径である・
したがつて、この場合の荷重常数は
●
一54一
・δ・一」
゙2Pゴ㌧・・φ〕一α1㌦一a・v・・
’慧P〔…+緯手{い・・φA+㎏曲・・:}〕
−1謬Pφ・ (一)
ぽ一三誤り㌧・⑭づ1㍍・一φ〕・ec6¥P〔一∫1㌦一・⑭
/内
+3、Y。s’͡〕−M・・(α・y・ ”a2日’nφ・)−H・Aβc°θφ・
一V、A((・i・YA+r・i・φA)
三一罐P〔・c,.・+三、c,。ぽ講…{k・ Vers・¢A・・k・・e
・…φA・i・φA…・(・,輌仁与Ver・φ。…φ。)(訂}〕
一呈漂P・乞。 (・・2・・7・・)
左b同様にして温度荷重を受けるアーチの荷重常数、すなわち静定基本系に一様な堤体平
均温度上昇△tも、あるいは一一様な堤体温度こう配αが生じたときの変位は次式のとおりで
ある。すなわち
、. 、δ1−・ 。,δ1−・t△七・…φ。 (4・2・8)
。δ1−・tα・φ。 ・δ;一一・trセ(・仁・’・φ。) (・・…)
ここにCtはコソクリートの膨脹係数である。
2.3 弾性固定アーチにおける引張応力発生の機構
(1) 条件式の誘導
弾性固定された等厚円弧アーチに水圧荷重が作用する場合の引張応力発生の磯構にっ
い睡討しよち1:)
アーチクラウンに工・ける曲げモーメソト、スラストは(4. 2.4.1)∼(4.2.4、3)およ
び(4.2.7,1)、(4.2.7.2)式を(4.2.1)式に代入すること1(よって次式のとS・一り
誘導することができる. ,
・M。−Pぺ鷲隠±
≡PR {, rM :
≡Pr2 M’1 (4.2.10)
一55一
ここに
M:一(1+碁)M, (4・2・11)
cbO ciユー cio ci2
・H◎=PR・,i、 c2、:三;:
三PRu Hi
≡P団t (4・2・・12)
である。したがつて、クラウンの内外弧面にtsける応力は、平面保持の法則が成立し・
かつ中立軸がアーチ断面の中心線に一致するものとみなせぱ近似的に
・%ξ一r…』墾詳
・票(H1埠M,) (一)
となる。ここに応力は圧縮応力を正にとつているから、クラウンにbいて引張応力を生
じないためには、曲げモーメントスラスト比
。(・a)。十讐1ド (−4)
でなければならない。
同様にして、アバットメントにお・ける曲げモーメント、スラストは内弧側に圧縮応力
○生ずる曲げモーメソトおよび圧縮スラストを正にとるとき
oMA=−MtA −oM◎− oH◎yム
=PRur(・…φA−M・ 一 H・ Ve「sφA)
≡PRu rMA、
,一 P・・M㌦、 (4・2・15)
・H、=・H◎c。sφA+H・A
=PRu(H・c。・φA+vθr・φA)
三≡PRuHA1
三PrH/Al (4.2.16)
であるから、アパットメソトの外、内弧面に$・ける応力は
・a・F一苧(H・・‡・きM・・) (4…17)
したがって、引張応力が生じないためには、アバットにお・ける曲げモーメソト、スフス
ト比は、
・(・a), ,・一, 1一嬰㌻く… (・・18)
でなければならない●
’
−56一
(2) 引張応力発生の機構
’・ 一メ・ト・スラスト係数・(・・)◎・・(・a)・の値をφ・=45°,5°°,55°,6°°
晋一1,・,・,・,1・,・・÷・・5…6…7…8・・1・・一・ ・・…
0.40.0.60,1.00の値おすべての組み合わせに対して求めてみ・よう。
な$・、岩盤常数は次式
kec == k… 。ss 9+k・siW・。・9・
kβ・ k・°c。8sg+k・si「fqc。θ¢
k、=ks◆COθ9
k。.2=再…㍉
のとおりであり、アパツトメソトの鉛直面に対する傾角9=0°としk,,再,kh, k,,k』の
値として、考えられる種々の載荷状態に対する平均値をとるものとすれば
k =k,=5.075
ka.2=k・=O・5
kβ=k・=1・55
k)=ks=1・785
図4. 2.1はφA=500の場合のクラウンとアバットメソトにおけるUi!げモーメント、ス
ラスト係数・’(・∋記・(・a)Aのイ直の言+算結果を図示したものである・
実線はクラウン、点線はアパソトメントにtp’ける値である。引張応力が発生しないため
の条件式(4.2.14),(4.2.18)を満足するためには、モーメント、スラスト比は
OT
クラウソ ,’
. ._一 一一一
F_
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図4.2.1
水圧荷重悶す・…一。(・・)曲線(・。一…)
−57一
太喉線で示・れる.。(・a)≦・・if・・ twの下湖域o…ければ・ら・い・・の直線・
の交点齢け・:の値を。胤,とし・。(三/・hと音の関係を各中心触対・てプ
ロットすれば、図4,2.2が得られる。そして図4.2.2にts hて引張応力の発生しない領
域は図、.。1から実線に対してはその下方、点線に対し一ttは、点線と‡軸で髄才・る
外側の区域であることがわかる。
5
o
/0
Ec
!玄
三〇
“E’7
図4.2.2 水圧荷重に対する引張応力発生領域を示す曲線
図4.2.2より∼欠の事項が考察されるe
①ク・ウソに鮒る引張応力,・ 3を小さくする.すなわち厚さを薄く半径を大きくす
る程発生し難い。
②・・ウン四け・引就加晋が小…1・と・す1・・bちアパツ・メソ・が硬・・ほ
ど発生し難い。
③ クラウソにお・ける引張応力は中心角が大きいほど発生し難い。
④アパツ・〃・性け・引緬プ・は:があ・繊・た・’・・rr・・−45°,爵一・で
・17<?<・.33 にS・・L・て発生す・・
すなわち薄肉であれば、厚さを薄くするほど、厚肉であれば厚さを厚くするほど・引
張応力は発生し難くなる。
⑤アパットメ・トに鮒・引張応加・㌢が大きいほど、したがつてア・・ツトメ・ト
ト
が軟らかいほど発生し難い.
⑤ アパツトメソトの引張応力は、中心角が大きいほど発生し難い・”x
⑦ したがつて、アーナアパットメントとクラウンに引張応力が発生しない領域は、各
中心角に対して、図4.2.2の実線と点線で示される下部分であb、一般に中心角を大
き四を小・・すれば引張応加雛・難いことがわかる・・た葺を大き・
−58一
する、すなわちアパットメソトが軟らかくなれば、クラウンにおいては引張応力が生じ
やすく、アパットメソトにおいては生じ難くなる。
上記の引張応力発生の機構を検討するために(4.2.11),(4・2.12),(4・2・15),
(・.・.16)で計算され・M;,Hl , Mλ.., ,Hλ.1の舞対す・関係を・φ。一・・°,・・°
…c−1,・,1・の各趣対・て図4・・2・…醐示・た.実縦φ。一…、点線は
r
φA=60°・ 図4・2・3・はクラウン、 図4・2・4 はアバットメソトにおける値であり・
Mr,Hl”,畷1,HA,はクラウ・、アパット〃トva・k一けるモー〃ト・スラストの・・わば
無次元最であり、便宜上その1000倍の値をとっている。この値はLiθUrance、林によ
つても数表としてとりtとめられているが、さらに詳細に検討してみよう。
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4.2.3 水圧荷重に対するクラウンのモーメソト・スラストM1.H,
x to .) (x loa)
「一 ‥一・一.一 .’一
一
一A吟
」
一 一
一 一 一 一
_ 一 一 一 一 一
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鼈鼈鼈鼈鼈
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0・2 .3 子一
,4 05 1 f
圧荷重に対するアパットメソトのモーメソト・スラストMA 1,再1
−59一
6
① クラウソの曲げモーメントは、ここで与えられた条件の下ではっねに内弧側引張りの
モー…であ・・牡・の曲げモー・…≦,許蜘・・恥触に反比例す
るo
② クラウソのスラストはつねにiF.、すなわち圧縮力であり、曲げモーメソトの動きとは
逆に杜反比例する.またφ。に蜘1する・
舞闘・てぱ獅動・をし・い・す・わちFの大・い厚肉鰍でC・・ス・ストlt
豊ピ反比肌・それが小さL・・薄肉繊では舞砒例す・傾向をもっ・
③ アパットメソトの曲げモーメソトは、外弧側引張りを正にとるとき、♀の小さい薄肉
賊では、っね旺で巨比例す・が、;一が大きくなれ髄峠の駄と共に曲げモー
・・トは小さく7・ b、たとえ{触一・・°,断一1・,睾一1朔合・・アパット〃
トに負の曲げモーメントが作用する。
またアパットメソトが軟らかくなればクラウンの場合とは逆に曲げモーメントは小さく
・・.中心角¢Al’C対・て鐸捌・さい範囲では反比肌・:猷き・・醐では剛の
関係が考察される。
④アパットメソトのスラストはっねに正すなわち圧縮力であり、中心角に比例する。
杜:に対しては中心角の大いさによつて、その傾向を異にして勧・¢A−5・°では
逆比例・¢A−…では比例の関係が考察…る・穀対す硝係はクラウン・甜・
と同様である。
上言・の考察…指摘・れ・・う・ク・ウソ親ぴアパツ・…の・・ス・・及・・璃
の効果、アバツトメソトの曲げモーメソトに及ぼす中心角の効果に1:1肉厚特性があるが・
ここではまず薄肉アーチのみについて検討しよう。
表4.2.1 クラウソお・よびアバソトメソトにおける
モーメソト、スラストの増減の傾向
T
F→小
髭一大 ・A一大
一一,一,A吟
クラウソ
ャ 「一吟,.一,一・
一.←
@曲
大 一
・4λ1
・÷
@ i薄肉小.厚肉 大_二ニニ_L_____.____一. 、
g51
@ !φ。一・ぴ大.・。一・ぴ小 ⊥__..__
綱云醒兀「
大
_.」
①クラウソぶびアパットメソトに対し一十e ・J・さくすれ舳げモーfソトは減少し・
かつクラウソva対して、玲小さくすれば・スラストが大きく剖・杜厚さ・を小
さくする場合は断面積が小さくなるために、スラストによる圧縮応力が増大する。
したがつて㌔小さくするほど引張応力醗生し難くなる・
② クラウソおよひアバツトメソトに対して、中心角を大きくすれば曲げモーメソトは
一60一
小さくなり、スラストが大きくたるため、引張応力は発生し難くなる。
③クラウン規びアパット・・卜齢け・引張応力話の糊に告が及鮒効果は
詰を大・・すれ舳げモー…がクラウソでは大きく・アパツ・メ・・で・s・・1・・
くなることに帰因する。
2.4 結 論
① アーチにおける引張応力発生の有無は曲げモーメントとスラストの比、曲げモーメ
ソトスラスト係数と厚さ半径比の大小関係によって判定される。
②あ…は・引張肋発生…fi無は・厚・半径比・中心角轟射び岩酷数のみに
よって決定されるもので荷重因子には無関係となる。 ⑱
すなわち、水圧荷重に対しては中心角を大きくとり三を小さくするほど、クラウソ
…びアパツ・・ソ・・…一け・引蹴力・・縫・難くな…た葺が大きくなは
礎岩盤がより軟らかくなれば引張応力はクラウソに生じやすくアパツトメソトに生じ
難くなる。この量的関係を1図上に表わすことができた。
③引飢力発生に及ばす、中心角と一計の効果につL・てはこれまで各輸研究が行わ
4.15).4.16) r
れてきた。
ここでは特弓の引張応力発生va対する量的効果にっ・・て強調したい・
この問題に対しての考え方は、単に円弧等厚アーチに水圧荷重が作用する場合ばか
りでなく、各種のアーチ形状をもち温度荷重を除く各種の外荷重を受けるアーチに対
して適用できるものと考えられる。
〔3〕弾性固定アーチの応力の挙動特性
一水圧および温度荷重を受ける場合一
3.1 要 旨
円弧等厚アーチに単独に温度荷重が作用する場合には、引張応力の発生を避けることが
できない。しかし水圧荷重とのある組み合わせに対して引張応力の発生を除去することは
可能である。 ここでは、Aず水圧S・よび温度荷重を受けるアーチ応力および堤体平均温
度変化量、tsよび堤体温度こう配変化量が堤体厚さに逆比例する関係を考慮した温度荷重に
ょるアーチ応力の挙動特性を:考察し、温度荷重による引張応力を除去する方法について若
干の検討を加えた。
3、2 水圧荷重による応力の挙動特性
水圧荷重を受けるアーナクラウンの応力は次式によつて表わすことができる。すなわち
(4.2,13)式より
一61一
.阜一r(H・土・{i M,)
−P¥(1+ff)(H,士・i; M,)
t
=P・σ㊦1
(4.3.1)
ただし
/
.憂一き( 1T1十一一 2r)(H・・±・訓)
(4.3.2)
上式に餐いてPは等分布水庄荷重、Ruはアーチ外弧面の曲率半径H,・M,は水圧荷重
を受け乙クラウンのスラストtsよび田げモーメントを表わす無次元量であり、 o 6−1@ g は
1
単位の等分布水圧荷重を受けるクラウソの応力を表わす無次元量で圧縮応力を正にとり・
添字◎はクラウソを、E,工は外弧、内弧面における値を示し、左付添字0は水圧荷重を示す
同様にしてアバットメソトにおける応力:t(4・2・17)式より
・乏,−P$( 1T1+7EF)(HA1二・iM・・)
1 !
三P・σ云、 (4・3・3)
r ‘
クラウ・・・… tびアパツ・メソ・・…s }tる水圧荷鋼す・応力係数・傷ビ露・…
の関係を電子計算して 図4.3.1 ,図4.3.2に図示した。なお横軸長さには7の逆数を
とり、薄肉における応力の挙動の拡大考察を可能にした。図より水圧荷重を受けるアーチ
応力の挙動特性として、次の事項が指摘される。
① クラウソお・よびアパットメソトにお・ける引張応力の発生限界を示す限界厚さ半径比
②霧。㌫癬:1蕊蕊i㌦㌘∵∴芦、の薄.
アーチでは圧硫力峠旺比例し惚大す…れは厚・櫛くなるこ… るスラ
スト応力の増大に帰因するものと解釈でぎる。
③ クラウソの圧縮応力は中心角が大ぎくなれば薄肉では外弧側において小さく内弧側に
おいて大きくたるが、厚肉では外弧側にお・いて逆の傾向が見られる。これは厚肉では甲
心角が大ぎくなることによるスラストの増大に、薄肉ではむしろ中心角が大きぐなるこ
とに’よるモーメントの減少に支配されるζとを意味する。
④ アパットメソトに訟ける圧縮応力は、中心角が大きくなれぱ薄肉では内弧側において
小さく、外弧側にお・いて大きくなるが、厚肉では内弧側において逆の現象が見られる。
その埋由として③の場合と同様のことが考えられる。
⑤・・ウン…びアパツ・メ・・の圧縮・卵・外弧面・・…い障砒例す駕?
すなわち、アパットメソトが軟らかくなれば外弧面の圧縮応力は大きくなるが・内弧面
はその逆である。これは.主としてアパットメソトが軟らかくkることによるクラウソの
内弧側引張り曲げモーメントの増大あるいはアパットメソトの外弧側引張リモーメソト
.’62一
図4.3.1 水圧荷重に対するクラウソの応力係数
20
、
一5
OS
工
r
図4.3.2 水圧荷重に対するアパットメソトの応力係数
30
20
、
10
0.1 0 09 0,08 0.07
1.00.60.4 0,3 0.2 0.15
7’
一63一
005
の減少に帰因するものである。
⑥ 圧縮応力はクラウソでは外弧側が、アバットメントでは内弧側がより大きい値をとる。
したがつて、一般的に圧縮応力を小さくするためにはより厚肉構造とし、厚肉か薄肉かに
ょって中心角を小さく2たは大きくとり、クラウンに対しては基礎アパツトメントをより
硬ぐし、アバツトメントに対しては基礎アパツトメントをより軟らかくすればよい。
しかも引張応力が発生したいためには厚さを薄くしなければならない。また厚さが薄い方
が経済的であることから、与えられた水圧荷重のみが作用する場合には、許容圧縮応力以
下のしかも許容圧縮応加近・・値をとる三を選択することが望まい・.
⑦ 温度荷重が同時に作用する場合にも、水圧荷重が単独に作用する場合を想定して、水圧
荷重のみにより引張応力が発生したいように設計すべきであろう。
3.3 堤体平均温度上昇による応力の挙動特性
(1) 曲げモーメソト、スラストおよび応力係数
アーチクラウンに工・ける曲げモーメソトおよびスラストは(4.2.4、1)∼(4.2.4.3)
式k・よび(4.2.8)式を(4.2.2)式に代入することによつて、次式で与えられる。
ノ
・,M。一吉%△t…φ・禦〆.二1:≒万
一吉・t△・・i・φ。禦蛎
ロ
≡Ct△七E,r2 M、
(4.3.4)
ただし
止一占…φ。(駆
(4.・3.5)
また
I
△,H。一“2c,△・・i・φ工撃 C
t I l2
CLI C22−C↓2
s “, ・。△・・i・φ。㌢響恥
≡・t−△tE・・「「・
(4.3.6)
ただし
比一6…φ。(9)3H・
(4.3.7)
したがつてクラウン∠)外、内弧面に生ずる応力は
△・0@f−・t△・蹄…φ・(睾ア(H…iFM・)
ノ
三・t△tE・・。・〈砲ε
(4、3.8)
J
一64一
上式にbいてM2,且2は一様な堤体平均温度を生じたアーチクラウソの曲げモーメソ
トおよびスラストを表わす無次元量であり、△tは温度上昇量、Ctはコソクリートの
ロ
膨張係数Ecはコソクリートの弾性係数であり、CLI,c↓2,……はアーチ常数である。
また△t( ワは・この場合のクラウソcD応力をNb撫次元量で圧硫正にとb・添字
△tは平均温度上昇を示す。
同様にしてアパットメソトにお・ける曲げモーメソト、スラスト、応’力は
△,M。:・一・.△tE。r・M。, (il.・3.・9)
ただし
M已と・i・φ。(TEF)SM。、 (・・31・)
l
△tHA二・t△tE、r H’A 2 (4・ 3・ 11)
ただし
H’・・一吉・i・φ。(…)sH。、 (・.・.12)
△・di ・¥ =・t△・E・ 12…φ。(9)2(且・・土・EiM・、)
ノ
≡Ct〈七E・・t嘩 (4・3・13)
となる。
クラウンお・よびアパットメソトの曲げモーメソト、スラストを表わす無次元量 M,,
1 t t ノ 1
H・・M…H・・k’‘び応力係数△・u’v 揩r・△・%昨の騨結果を図4・3・3・4
5,6に図示した。図よりiEの温度荷重を受けるアーチ応力の挙動特性として次の事項が
指摘される,
①クラウソお・よびアパットメントの何れに対しても引張応力を避けることができない。
これは温岐上昇に対してはスラストよりむしろ曲げモーメソトの影響を顕著に受けるた
めである。
② クラウソには内弧面に圧縮応力が、外弧而に引頒応力が生ずるが、アパットメソトに
は外弧面に圧縮応力が、内弧面に引張応力が生ず。温度降下の場合は逆方向の応力が生
ず。
③ クラウンあるいはアバットメソトの応力の絶対値は、平均温度上昇量△tを一定とす
る場合、厚肉アーチであれぱより厚いほど、また薄肉アーチであればより薄いほど小さ
くなる。
薄肉アーチでは主として厚さが薄くたることによる曲けモーメソトの減少のため、厚
肉アーチでは厚さが厚くなることによる断面係・数の増大の影響を受けるためであろう。
④ クラウソあるいはアバツトメソトにtsける応力の絶対値は薄肉アーチでは中心角が大
きいほど小さくなるが、厚肉では逆の現象がみられる。これは中心角がクラウソあるい
はアバットメソトの曲げモーメソトに及ぼす影響の厚肉と薄肉アーチにおける相違を反
映するものであろう。
−65一
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図4. 3. 3 堤体平均温度上昇に対するクラウソのモーメソト、スラストM2,H2
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狽堰@b
図4.・3.5 堤体平均温度上昇に対するクラウソの応力係数
10
05
、
一〇.
1.00.60.4 0.3 0.2 0.15 0.1 0.09 0、08 0.07 0.06 0.05
÷
図4. 3.6 堤体平均温度上昇に対するアパットメントの応力係数
1
(外彊■)
叙■4丁
汕黷Tぴ
、
γ
1
、 、
、 、、1
来黷U0’
一 一
1
0.5
4
、
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一 一
一 一一
一
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一
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10
一
、、
一一軸鞠一
一 一
一 一
一一 一
一 一
10
、
、
、
、
10 一一 一
、 4
4 一
1‘−1ン
、
一
4
一_ 一
一〇.55
一 一
,’
一
一「
一一 一
一一
一一一
一
一 一
’
1
’
’
(内弧側)
←1
’1.00.6
0.4 0.3 0. 0.15 0.1 0.
7丁
一67一
0.0 0.06
05
⑤クラウ・…s :びアパソ・メ・・の応力の絶対値は
oャ・いほど・・たがつて基
礎アバットメントが硬いほど大きくなるが、この理由として、クラウソおよびアパッ
トメソトが硬いときにはアーチリングの温度膨脹に対する拘束力が大きくなることが
考えられる。
⑥ 以上の結論として、温度上昇を生じた円弧アーチの温度応力の絶対値を小さくする
ためには、薄肉アーチでは厚さを薄〈し中心角を大きくとり、基礎を軟らかくすれば
よい。また厚肉アーチでは、はり理論の適用の可否についての疑問はあるが、厚さを
厚くし、中心角を小さくとり、かつ基礎アバットメソトを軟らかくすればよい。
(2) 堤体平均温度変化量と堤体厚さとの関係を考慮したアーチ応力の挙動特性
年間の堤体温度変化量△t(℃) と堤体厚さT(m)との間の逆比例の関係を示ナ。
次式 (皿〔3〕参照)
△t一半,T>・・
●
を(4.3.8)式あ・よび(4.3.13)式に代入すれば、アーチクラウンに対Lて
b,σ。。」㌧鷲;・i・φ。(訂(H, ±・iM・)
r
ニー1、99_ 『t些9,_● σノ’
(4.3.14)
r n・eOE
T
ただし
論‥6…φ。睾(H・士・戸・) (…3・・1・Jr)
i
同様にアパットメソトに対して、次式
、,・ギ旦旦。≡乙…σス。 (・・316)
. 1
ただし
口E→・i・φ。睾(H。、土・ilF M。,) (・…17)
L
を得ることができる。ただし係数100は℃mなる次元をもち、△tは温度上昇量と
考える。
(・1・3・15),(4・3・ 17)式で示される応力係数を図4・3・7,8に図示した・
これより
① 堤体平均温度上昇に基っくクラウンおよびアパットメントのアーチ応力の絶対値を
小さくするためには、堤厚を厚くすればよい。堤厚を厚くすれぱ、温度変化貴△tが
小さくなり、アーチ応力の絶対値は、したがつて小さくなるであろう。
②その他のい・び晋の因子がアーチ応力に及ぼす効果等については・△・を一一
定とする場合と同様である。
−68一
図4.3.7
堤厚と堤体平均温度上昇との関係を考慮しだ堤体平均温度上昇
に対するアパットメントの応力係数
10
5
、
0
一5
一10
1,00.60.4 0.3 0.2 0.15
工O・ 10・ OS
0.08 0.07
0.05
0.06
P
図4.3.8
堤厚と堤体平均温度上昇との関係を考慮した堤体平均温度上昇
に対するクラウソの応力係数
1410
(内彊側)
5
4
10
一 一
一
,’
一 一
鼈鼈鼈鼈
,一一
一一
一一 一一
鼈
1
0
、
、、
`一一一一一
∼
一一
一一
一 一 一
0 _
似ロ4’
一5
一φ485α
モAロθOP
一
1.00.60.40.3
4
(外彊側)
1
.2 0.15 .1 0.
7一’
一・
U9一
0. 0. .05
③・駅一4),(−6)式に・つて暑一定として半径・を・・たがつて
アーチのスケールを大きくすれば、応力の絶対値は小さくなることがわかる。これは
スケー〃が大きくなれば厚さが大きくなるため温度の影響を受く難くなるためである。
3.4 温度こう配による応力の挙動特性
(1) 曲げモーメソト、スラストお・よび応力係数
アーチクラウンにibける曲げモーメントおよびスラストは(4.2.4.1)∼(4.2.4.3)
式S・よび(4.2.9)式を(4.2.3)式に代入することによつて
t ’
.M⑥一“2・七・E・T8熱2㌶’ご:一㌻『必!
・“2・・叱T3M・
’
≡Ct・EcrSM・ (4・3・18)
ただし
砿一圭(s−)3 Ms
。且。−6・七・禦
( 4,3.1 9 )
ロ 1
一蟹㌣二」旦二:三ひ亙≧一㍉
C1.1C 2.2−
e1.2
≡f2・七・警T8H・
三・taE、 r2且’、
(4.3.20)
を得る。
ただし
Hl3一圭(:)⑨H・ (…21)
したがつてクラウソの外、内弧面に生ずる応力は
tZ−・一・亨一6・,・撃2(Hs±・9 M・)
t
三cてαEcr函σ◎E (4.3.22)
工
ただし
嘱一壱(;一>t(H・±・{F M・) (一)
上式においてM,,H8 は一様な温度こう配αを生じたアー一チクラウンの曲げモーメソ
ノ
ト、スラストを表わす無次元量であり、aO)@EGiこの場合のクラウソの応力を表わす無
エ
次元量で圧縮を正にとり、添字αは温度こう配を示す。
一70−一
同様にしてアバットメソトにおける曲げモーメソト、スラスト、応力は
t
。MA−CtαE,rSMA、 (43・24)
ただし
M’。、一詩)3M・, (4・・3・25)
t
。HA−c,αE, r2 H。3 (4・ 3・2 6)
ただし
H’。,== f2(:一)3H。、 (一)
・・YAf 12・・αE呈T2(H・・士・ii M・・) (4・ 3・2 8)
≡・,αE,r.d^E
クラウ7}.、びアパツ,メノ,のモ.,。,、ス,ス・を表わ撫次元9・M’,・,H;,ぬ3
l i
H・、・s xび応力係数adY@f , a ON.」’・・fの電算結果を図4・ 3・ 9,1°・11・12 va図示
した。これよりこの場合のアーチ応力の挙動特性として次の事項を指摘することができ
る。
① クラウソ、アパットメソトの何れに対しても、引張応力の発生を避けることができ
ない。これは、平均温度上昇の場合と同様アーチ応力が、スラストよりむしろ曲げモ
ーメソトの影響を顕著に受けるためであろう。
② 正の温度こう配に対してクラウソtsよびアパットメソトには外弧面に引張応力が内
弧面に圧縮応力が生ず●負の温度こう配に対して逆方向の応力となる。
, ,
図4.3.9 温度こう配に対するクラウンのモーメソト、スラストM,,Hs
ゑ5
脚σり
L5
rス,スト柘(’A−50
(XIσ
4,’
@ ’ (靭禽60F
●一一
2
’
一一 ウ一メント断(〃■5ぴ
’ (軌一60◆
一一 一
岳一杉多’
,ゲ’
モ…多L’
’
多ユー考’イ
1
’ ノ
@ 1,” ’ ,’ ,’’ /
’
@ !
@ レ!
@ !
¥
v
@ ’ ’
’
@ ,’
@ 一 ’
,一
1
O⊇ニニー一’一
一 !
〆! !
〆 /
ノ 4 10,’
’ ’ ’ ’’ 10
’
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@ ! !
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z
1
’ ン
z ’
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I / ,’
’ ! ’
’ ,’ ,”
’
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’
, ’
zz
0
.05 0.)
’
’
’一》官
一
0.2
00 0.4 r
T
一71一
0.5 α6
0
温度こう配に対するアパットメ・トのモーメ・ト、スラストMll、,Hk 3
図4.3.10
25
1.s
(yloう
(Xlめ
一ス
,ストπ柱(φ4−5∀
’ (φ4−6(r
一一一
一一一 bツントぬ3(φ4靖5σ
’ (φゐエ6〔r
一一一
2
1
4
1 ,’
,’
C ’
10
jニジ声
C一
一一
@, ’
’ ,’
ツユ’’”
莞一1・一一 ”
’◆
’
鼈鼈鼈鼈
≡_一一一一
一
黷k一
1
弁迂
P
@ 一一一
!
1 ’
7
@!
ン
ノ
Yン
,’
ア
7
’
Z
0
!
,’
S ’ン
’
C’
’ 10,一一一一一
@’
f
f
@一 ’
@,’’
__一”,._一’
C一一’
〃一一一.<二,r=. エ ー一’一一一
一
0
0,05 0.1
O.2
0.3
0.6
O.5
0.4
7一
■
図4.3.11 温度こう配に対するクラウソの応力係数
0.15
4
0.4
.1
0.3
4
長κr
D1
O.2
O.05
10
而
10
、
堰@ 1
(内彊旬
O0−0.−0.
0.1
、
0
10
一〇1
10
l l 10
7
(外弧側)
z
一〇:
4!
・「ノ 1
i
φA=4ぎ
モA=5σ
4
一〇.3
一一一一 モ4=6ぴ
.4
_04
1,
0.6 0.4 ∪ 3 0 2 0.15 0.1
0.09 0,8
r’
一72一
0.05
図4.3.12温度こう配に対するア・・ツトメソトの応力係数
0.4
0,3
0.2
0
、
一〇.
一〇.
一〇.
一〇
丁
また外、内弧面に生ずる応力の絶対値はほぼ等しい。
③クラウ。、、..、びアパツ・メ・・姓ず・応力の絶対廊・温度・う配aを一定とす
。、き、薄肉アーチほど小…る・考え・・い・これは主・して厚さ備くなる
ことによる曲げモーメソトの減少に帰因するものと考えられる・
④クラウ。V,.、sける応力の鞠齢鴻肉アーチで1・中心触・び鑓の礁の脚
をほとんど受et ltい.アパットメ・トで峰礎の拘束が大き・・ほど応力の絶対値は大
きくなる.
②温度.う配変化量・堤体厚さ・の関係を考慮・たアーチ応力の挙繊性
つ劔水面下、,水没す。年間の温度・う配変1ヒ量・(℃/・)・難厚さT(m)との間
の逆比例の関係を示す。
次式 (m〔3〕参照)
α・・誓・T>・・
を(、.、.22),(・.328)銚代入すれば・アーチクラウソに対して
.(S’。f−16c・E・“2(1)(H・士・きM・)
−16c,E・5v (・.3.29)
t
−73一
ただ・・晦一☆㊥(H・±・¥ Ms) (4・ 3・ 3°)
同様にしてアパットメソトに鉛ける応力は
。r−16c,E,“2(TT)(H・・土・Ill M・・)
≡16c,E,・吟 (4・ 3・3 1)
グ
タ’
・なる・ただ・係数16は’Cの次元をもつ(4・3・3°)・(4・3・31)式ゆけるa‘7‘(・⇔・㍗
を図示した図4.3.13,14より次のことが考察される。
堤厚と温度こう配の関係を考慮した温度
図4. 3.13
こう配に対するクラウソの応力係数
ξ‘ 310品
1
),5
,rρ
一 一
一一一 一
1
4−一 一_
@ 1
(内弧側)
4
’
γ
10
F’
005
φえエ45’
モ刀=50°
一一一一
モ4=60’
一
\
10
\
、
1
(外弧側)
1_
@4
一 一 一
一
10
0.1 0.09 0.08 0.07 0,06 0L
1.0 0.6 0,4 0.3 0.2 0.15
:
図4.3,14 堤厚と温度こう配との関係を考慮した温度こう配
に対するゾパットメソトの応力係数
0.5
ミ 、
竃●
一〇5
LOO.60.40.『∼ 0.2 0.15
008
τ}
一74一
007
005
、
① 温度こう配によるクラウソおよびアバソトメソトのアーチ応力の絶対値を小さくす
るためには堤厚を大きくとれげよい。
ただし、薄肉アーチのアーチクラウソでの応力は厚さに関係なくほぼ一定した値をと
る。
3.5 総合効果
このように温度荷重が単独にアーチに作用する場合には、引張応力の発生を避けること
ができない。しかし、水圧荷重による圧縮応力が温度荷重による引張応力を十分打ち消す
大いさであれば、引張応力を生じない。
したがつて、もし温度荷重による引張応力が一圭ず場合には、水圧荷重による圧縮応力を
大きく温度荷重による引張応力をできるだけ小さくするようにすればよいのであつて、具
体的には基礎が軟らかく、温度荷重に対する拘束力が小さい場合、あるいは(4・3・14)
式においてrが大きい場台、すなわち類似の材科、形状特性をもっアーチダムに対して、
そのスケー,レ猷きいほど、温蜘郵・る弓i張⑰は小さくなる.・た睾剖・・くして
水圧荷重による圧縮応力の増大を期待することも考えられる。
その他、温度荷重による引張応力を取り除く方法として、アーチリソグの温度膨脹に対
する片持ばり抵抗を大きくするため、基底厚高さ比を大きくとること、片持ばり要素の下
“7)
が考えられる。また
流オーバーハソグによる自重、過冷却によるプリストレスの応用等
グラウト完了後は速かにたん水を開始しなければ左らないであろう。
コソクリートアーチ橋では主として自重による圧縮応力により温度荷重による引張応力
を打ち消すように設計すべきであろう。
3.6 結 論
① 堤体平均温度上昇および温度こう配によって堤体内、外弧面に生ずる応力の絶対値は
緬を一定・する場合、薄肉では㍗・」・・いほど小さく・・る・
② クラウンおよびアパツトメソトにおける水圧荷重による圧縮応力bよび堤厚と温度荷
重・の関係を端した場台の温飾力の酬値畦が小さいほど大きくなる・
③ 水圧荷重による最大圧縮応力はクラウソに対しては基礎が軟らかいほど、アパツトメ
4.15)
温度応力の絶対値は基礎が軟らかいほど小さ
ソトに対しては硬いほど大きくなる。
くなると考えてよい。
④ 水圧荷重を受けるアーチの圧縮応力および堤体平均温度上昇によるアーチ応力の絶対
値は、中心角鉄きく。るにした、りて薄肉ではより小さく、厚肉で、,より大きく魏.
温度こう配による応力は、中心角の影響をとくに薄肉アーチの場合、顕著に受けない。
⑤ 温度荷重が単独にアーチに作用する場合には、引張応力の発生を避けることができな
い。この引張応力を除去する方法として2、3の考察を行なつた。
一75一
〔4〕アーチダムのたわみの挙動特性
4.1 要 旨
構造物のたわみあるいは変位は、構造物の剛性を表わすパラメーターとして、また不
静定構造物の解法における手段として利用される。アーチダムのいわゆる荷重分割計算
も、アーチ要素tsよび片持ばり要素の変位を等しくするように各要素の配分荷重の大い
さを決定するものであつて、換言すれげ配分荷重の大いさを定め得るものは、この変位
あるいは変位を各要素とする構造物のt’ lexibilityマトリクスそのものであると考え
られる。
ここでは2ず弾性固定等厚対称円弧アーナeよびてい形片持ばりのたわみ特性を検討
する。
4.2 弾性固定アーチのたわみの挙動特性
弾性固定対称アーチのクラウソの上流方向の変位△「◎は次式
△・。鳴M。’ti, H。一。輻、苛 (・ω
の、…b表わず・・ができる.ここに㍗5(」=1,2)は、…bのクラウン醐・て
単位の曲騰つソト・スラストが作用したときの上流方向への変位を表わし・M◎・
1鷲ウ、㌢㌧≡∴ニト隠れた静定基本系に水圧、温度荷重
が作用したときのクラウソの下流方向の変位を表わし
∫:1器〔…8φ・〕・a・XA+偽一・。
三葺・〔・・.1+緯…{k・…φ・+k・・c・・φ・…}〕
≡苦嘉・㌧・1 (・…)
ぷ・一量i芸〔Ve。,φ一一竺こむ A 2〕・E…T〔8in2・。〕
+α’XAyA+Ct2 XA・inφA一β・i・φA・・日φA+α・yA・。・φA+r・i・φA・。sφA
≡誘:〔1C・.2+圭・C・・(訂・畿:{ka…φ。・…φ。
・ka.、(・・n・・A+Ver・φ。…φ。)…一(kB−kr)・i・φ。…φ。():}・〕
≡謬・・13・・ (4・・4・・)
上式でka,ka.2,kβ,krは岩盤常数・rはアーチ中心線の曲率半径、Tは堤厚ζ2φA
はアーチ中心角、Ec,Erはコソクリート、岩盤の弾性係数である。
一76一
また
,輻一晋ドP〔・C、.。+f2・C・.・(日2+圭器{k。・i・φ・一φ・
・ka.2(…φ。・・r・・¢A+・…φ。)三・(・β・…φ。+k,…φ。)・i・φ。(S2}〕
≡12R・「2P・’、.。 (4.4.4)
Ec TS
己一一・,△・・・…φA (4.・.・)
。ざ;一・,…v…φA (・.・.・)
上式でRu,]i),Ct,△t,αはおのおのアーチ外弧面の曲率半径・等分布水圧荷重・
コンクリートの膨脹係数、堤体平均温度上昇、温度こう配をあらわす。
(1) 水圧荷重によるたわみ
水圧荷重による上流方向のたわみo(△r)◎1)1 M,,H,によつて水圧荷重によるクラ
ウンの曲げモーメソト、スラストの無次元量を表わすものとすれば(4.4.2),(4.
4・3),(4・・4・4)⇔よび(4・2・・0),(4・2・・2)式を(4・4・1)式↓こ代入す
ることによつて次式のとおりとなる。
・(△・)。一講・』、PR・・rMt・Sil’1;1;・・∼・PR・且1一謬P・∼・・
一一鑑〔12( 1T1十一一 2r){・㌦・一(・;・M1+・’…H・)D
=−fc「〔12(1+S9)(tl)s{c品一(c”s・1 M1+c’3“H’)}〕
≡一£・。(△・1。 (4・・4・・)
図4.4.1水圧荷重に対するクラウンのたわみ係数
7σ「「「1”一一一−「『^i.’『『』「…「
・・…一一一一i・i−i・: …」一….−L−−i−;;ブー一「
5り!一++rt・m−” i−…「】c
/<
:一=JO
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一◎ヲ゜;一÷』
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、
・…ヨ『 ウ一日・・,
ω』藷インア 一⊥一一一「一!・一一一γ・一・斗
φ4=4s’
φA= 5C一
ol」_;_一∴__一_.一_−
1・0θ.ら0鳥0,3 )2
子 の晒・ρ8 °・ク7
−77一
Oo6
e, 05
(、.。,)式に鮒・…bみ係数,硲・」。・睾の関係の電算結果・図4・一図示・
た。図より次の諸点が考察される.
① 水圧荷重によりアーチは下流にたわむ。
②水圧荷動・るアーチクラウソのたわみは事正比例す・・
③登ぱ例して…bみは大きく・る・
④ 基礎が軟らかい薄肉アーチであれば中心角が大きいほどたわみは小さくなる。
また、基礎が軟らかいほど中心角によるたわみの差異が顕著に表われる。
(2) 堤体平均温度上昇によるたわみ
堤体平均温度上昇によゐ上流方向のたわみ At(△r)◎ はM2・H・によつてこの
場合のクラウソの曲げモーメント、スラストを表わす無次元量とすれば
4t(△・)◎−Ct△・・{・…φ。+・i・φ。(・;・・M、+・1・且・)}
−Ct△・・。,(△・}・ (4・4・8)
である。(4.4.8)式の電算結果をプロツトした図4.『4.2より次の事項が考察される。
図4.・4、・2 堤体平均温度上昇に対するクラウンのたわみ係数
2.0
1.5
1
0
0.5
1 0.60.4 0.3 0.2 0.15
0,1 0,09 0.08 0.07
0.06
O. 05
7一’
① 堤体{ド均温度上昇により、アーチは上流方向にたわむ。
②薄肉アーチほどt。bみは大きいが…が・1より小・い薄肉アーチではたわみの値
に大きい差異は認められない。
③ 中心角に比例してたわみは増大する。
④ 基礎が硬い方がたわみは大きくなる。
一78一
(3) 温度こう配によるたわみ
温度.う配。・る上流方向のたわみ。(△・)⑨t・・[・1様次式のとt° bである゜
。(△・)。一・t…(ver8φA+c5・M・+c;・H・)
’
≡・tαr2α(△r)◎
(4.4.9)
上式の。(△・1。礪算⊇プ・ツ・した図・・一り次の事項が考察される゜
図4.、.3温度・う配に対するクラウ・のたわみ係数
一〇.3
一〇2
一〇.
05
1 0.60。4 03
τ’
温度。う配に、る薄肉アーチの変位峠の大・…嚥関係にきわめ・小さいi直
①
をとりαの正負に応じて上流または下流にたわむ。
②
③
厚肉ア.チの変鍵α〉・の場舗下流方向性… り厚肉であるほど下流
方向の変位は大きい。
厚肉アーチの下流方向変齢・礪肉7一チの上流方向変位は難アパットメソトが硬い
ほど小さ…晋一・す・わち完全固定の場合のアーチクラウンの変位は零「c近づく㌧
完全唖アーチの状態・り、次第時礎アパツ・ノ・・が軟らかくなることは’兀
全固定アーチのアパツ・メ・・酬弧倶・1引張りモー… が作用することであり’
。のモ.,.,四るアーチリ・グの変形は厚肉アーチでは円弧の形状を保つたま
,下流へ麹す・が、薄肉アーチでは、円弧形状が変形し・むしろクラウソでは上
流方向に変位するのであろう。
一79一
薄肉アーチにおける温度こう配によるたわみがいかに小さい値をとるかを示すために
・−1…,・−1・mt・。一…,{釜一・のアーt…水圧硫P−1K・㎡・
△t=10℃,α一= 1.5℃/m(⊃各荷重が単独に作用したときの各荷重によるたわみを求
める.ただしEc=200.OoO Kg/ビ、 ct=10×10−6とする。
〔解〕
T
−=0.1であるから
r
。(△・)。一,。。5。。・1・・・・・…7・・=・ 13・・…………………………(an)
.,(△・)。== 1・…→・1・・1・・・・・・…6・一 16.・………………(zm)
。(△・)@−1・・1・−6・…1…1・・’・・・・…558 一 O.835”・’・・㈹
基礎アパツトメソトが軟らかく厚肉の場合には温度こう配によるたわみは無視できな
いが、厚さが厚くなれば温度こう配変化量が小さくなるため、何れにしても温度こう
配によさ変位は小さいものと考えられる。
4.3 弾性固定てい形片持ばりのたわみの挙動
(1) 固定片持ばり
片持げりの高さHi、基底厚Tb、クレスト厚Tiで基底よりの任意の商さ“7における
厚さTzがzと共に一次的に逓減するてい形の問定片持げりのクレストにおいて準位
の集中荷1『[を受ける場合の高さXにおけるたわみを求めよう・
図4.4.4 てい形片持ばり
巨三叫cP’
〔(L『 一
≡一▼一,
「r一曽
1
・i
丁
一’
王
F’一一,−
丁1
i
ウ
已一」
比例常数kに対して
Tz=Tb−k2
( 4.4.1 0 )
したがつて
一80一
Tし=Tb −kHt
∴k一
ST’一曇( Ti1−− Tb) (4411)
また
’7一釜一 (・…12)
L
なる7を定義し、クラウソにおける水平荷重cPtにょる高さXにtsけるたわみを
函・高さ・陸ず・齢モー・ソトをM・とすれば
Mz=(Ht−z)cp‘
であり、高さXに単位の荷重が作用したときのZにおける曲げモーメソトは
t
Mz= X−Z
であるから、仮想仕事の原理によって
/ズ
咋一一ド(量i−…ヂ㌧〕・Z
ただし、工zは高さZにおける片持ばり断面の2次モーメントであり
・・−6T;一;(T・−k・)s
t(
∴5−」㍉H岸謬≡d・ (・・13)
(4.4.13)式の分数を部分分数に分解し積分すれば
」ザEl袖ヨ (…)
ただし
・仁12†,〔えR・(1−i一三di,)−S2・(1−C川一t(1+C)ts〕
‘
( 4.4.1 5 )
・一(1一晋) (…16)
R・一晋 (・川
をi3る。
ノ
r ,
(・…15)式に紺る両と「1の関係をR七の各種の値に対して図4・ 4・ 5 tlcプ11
・トしたが・R七にたわみ砲は逆比例する・
なお、片持ばりのたわみの傾角は(4.4.15)式をノ∼で微分することによつて次式
のとまSSりとなる。
賠12志{一÷(・−c)(1.も,y,+元」了÷(1+C)} (一)
1 ‘
−81一
図4. 4. 5 固定片持ばりのたわみ曲線
20’噌’
Nミv
、
qc
05
ζ
「o
2.筋
・
η
とくにη==1における傾角は
時ピ誌一(・+c)}
のとむり求めることができる。
(2) 片持げりのたわみに及ぼす基礎の変形の効果
荷重 cP‘により片持ばりのアバットメソトに生ずるモーメソト、せん断力をMA,
VAとすれば、片持ばりのアパットメソトのcP’方向の変位は
c・iA L=v。・+蝿α2
一葺(kr+k・・±) (一)
したがつて
P・一・び基礎の回転に・少片持ぱ・の高さx(・HL va生ずる変位は
咋,一・6・・(M・α!+V・α・)ll・H・
一一翌L〔認{7k。.、+(1+7)k。.、(曇)・k,陶2}〕
叫ガト仁 ( (_)
−82一
したがって荷重cP‘による弾性固定片持ばりの任意点におけるたわみは(4.4.14)
(4.4.20)式の和として次式
c ・−Y%・J一万・岳・・
一一
?ア,・ll
( 4.4.2 1 )
ただし
・占一・2吉〔えR・(・一一一f1−d,,)一毛2・(1−Cそ)一†(1+C)川
+蔭申{ilk…+(1+1「z)鴫+k障1};_)
のとお・り表わすことができる。
’
ターとなることが考察された.
4.4 結 論
(1)水踊藪・び堤体平均醜上昇に・るアーチのた捌㌧ぱ比例す・・
す杜ち厚さ半径比1はこの場合のアーチ岡IJ性を表わすパラメー・一時えられる・
同様峰底囎さ比・暑は片持ばりの離を劾すパラメー・一であ・.
L
(・)温度・う配・・繊肉アーチのたわみは1の大・・さに煕関硫他の・荷重熾
して、きわめて小さい値をとる。
③ 水圧荷重お・よび温度こう配によるアーチのたわみは基礎が硬い方が小さくなるが、
堤体平均温度上昇によるたわみは逆に基礎の硬さに比例して大きくなる。
ω 水圧荷重による薄肉アーナのたわみは、中心角が大きいほど小さいが、堤体平均温
度上昇によろたわみは逆に中心角に比例して大きくなる。
〔5〕無次元解析法によるアーチダムのたわみbよび応力の挙動特性
5.1 要 旨
いくつかのアーチおよび片持ばりが重複して造られるアーチダムのたわみおよび応力
はアーチダムの荷重分割計算の過程に表われるアーチおよび片持ばりに関するStiff−
ness マトリクスaK,cKの和あるいは比の関数として表わされることを述べ、 a−K,
、Kの粧要パラメー・一である麟標高アーチの厚・半径比爵組び片措り噂
底麟設琵と配分荷重・P・cp励くr,たわみ8の鰍元量・の関係について
アーチクラウンカンテイレパー法による電子計算結果を考察し、その挙効特性を明らか
にした。荷1{[としては、水圧荷4[、堤体平均温度、温度こう配の3荷重をとった。
−83一
419)
5.2 水圧荷重に対して
(1) 理 論
ア.ナダ。のクラウン片持胸の下流加〕のたわみを。」、配分髄を.P、
flxibilityマトリクスを cFとすれば
ぷ㍉F.,p (4・5・1)
ただし
lil ll;:]
』=
し
…1・司…
。∫。1 [,∂。ノ
・cJ1.1 C ・r、.2_…_,♂1.。、
,cS’
A.1 C♂,.2___,♂、P
cF=
L・Of・n.・C♂㎎………・8・・]
、4,、pの各a」M・6tt添字は標高程を表わし、、Fの各鱈。ξ、、,はj標
●
高に$’いて単位の荷重が作用したときのi標高に$・けるたわみで(4.4.z∼)式より
計算され、左付添字cはすべて片持ばりを表わす。
同様にアーチ要素に対して
ぷ㍉.F.,P (・…)
ただし
(。」^・〕
ノ !。IP‘1 l
1。ご21
凶=
lpll
( ・・rnl
i ll
L。P’ ・ .1’
P…i
・P
_a2i
・。・(1.1
、
、F−
@2.・°1
0 ’
、、 ,
N 己⑭1
ノ
ただし。Fは対角マトリクスであり、 ,8、e …騙アーチクラウンの単位の荷蘇
・る下流方向たわみで、(4.・・.・)式・り計算される・。Pはアーチ配分爾・⊃
はアーチクラウソのたわみで添字の意味は片持ばりと同様である。
しかるときPを全荷重とすれば
(4.5. 3)
P= P・+ P
a 乙
一.84一
また
」一。∫三s』 , (・…)
l
であるから
,F・cp=一一aF(P−cP)
,P ・・(。F・,FS’。FP
−{。F(.F’1.。F・、F・’“・1,F)rlFP
−(1㌔F−1cF)−1P
−(1・,K、r1)−1P 』 (…5・・)
”’ 、.P−(1・,K。K−1)−1P (・・5・・)
(・.・・),(4.・・.・)式齢ける。K,、Kl・ ,F,。F’の…逆マ・リ・スで…わ
げ片持ばりおよびアーチの抵抗を表わす一種のstiffnes日マトリクスである。1は単
位マトリクスである。
(4.5.6)式を(4.5.2)式に代入すれば
♀㍉F(1+、K己K二1)−1P
−(。K・、K )”1P (4・・5・・)
以上の計算における配分荷重、たわみ、応力をすべて無次元量で表示しよう。
高さH。を⇒分しt。Lからi翻の緒の㌣区間の水圧荷馳満水位剛して、
水平方向に単位巾あたり
pl一呉三り・曹)2
=pr・ .}Hg。 (4.・5.・8)
し
ここに
]?:・,一」∼≒≡1) (・・5・・)
ロ
であり P’ を等分布荷重P・に換算すれば
’ (」
、「’
1 L
F.=IPe
し Ho
T“
tl
L・=P,r ・WH。 (4・ 5・10)
を得・.aFの(・,・)・」・$.・…P:−1す・わちP、一÷。はる・・bSであり
丁
これを(ftF):.dとすれば鰍元m
一85一
ム・−12音( Tr1十〇.5−一・− r. レ)(c’・…一 6,・iMli−・1・・Hli)/(謬
^n−
( 4.5.1 1 )
に対して(4.4.7)式より
c’
(。F・)、ゴ苛一一 (…12)
同様に(44.21)式より
(、F)こ5一舟 (一)
を得る。(4.5.7)式に(4.5.8),(4,5.12),(4.5.13)式を代入すること
に・つて、K,、K,Pの各蝶に長,・」I」,己・・る歓漣を用いると
き・たわみの無次元量鵠が求め・れるこ・が了解・れ・であろう・
同様にして(4・5・10)式のPdを(4・3・1)のPとして用うとき・次式に示されるク
ラウンの外弧側応力の無次元量
一驚一耳( T・1十〇.5 c r, し)(H・.t +・量M1.、)/(㌻(一)
を得る。配分荷重は等分布荷重として(4.5,10)’
ョより次式
P. tS
請一Pe・ (・・5・15)
0
左る無次元量として求めた。
ぽアーチ、片持ばりのたわみb:び応力の計算式の中に鋤れ・曇晋・
. し
どの無次元量は次に示される数個の無次元量の算術式として表わすことができる。
すたわち
E−・一
W。
Tρ
R七し
T,
玉
Rtch
●●
●●
●●
Ho
上
●●
φo
標準標高におけるコンクリートと岩盤の弾性係数の比
標準標高厚と基底厚の比
クレヌト厚とダムの高さの比
・襟高アーチの丁中心角と麟舗のそれとの比
−s−tLg−
●●
E,・u
L,一
TR・一
THR・一
■●
W
ワ
■●
●●
E勘とi標高岩盤の弾性係数の比
標準標高谷巾に対するi標高谷巾の比
標準標高アーチの厚さ半径比
基底厚と高さの比
一86一
② 電・子計算と考察
離H。を1・等分した上・鵬・翻のアーチの中心角の去親び半径等を≠、,
γ、一・・し第・翻のアー理素を礫アーチ・して緋比Lパ・びPl・’CN角上ヒ書
を、綾北、室牧、鳴子の各ダムに対して図4.5.1、図4.5.2に図示した。谷形比は3ダ
ムに対して大きい差異は認められぬが、中心角比は前者が定角アーチダムであるに対し
て、鳴子ダムは定半径型であ:るため、前2者と鳴子ダムでは明らかに傾向を異にしてい
る。
以下には定角のアーチダムとして綾北ダムの定半径アーチダムとして鳴子ダムのLr
彫を用…両・・プのダ͡し( TR・一晋,THR.一晋の値を種・に変
’え、配分荷重、たわみ、応力の無次元量を電子計算した。
5
図 4
1
中 心 角 比
血砲
を
曲
示す
一
…
コ、
「
・ 室孜タム
、i−…糸良叫
図4.5.2 谷形比Lrを示す曲線
線
r−「「’三τ「丁て:』’‘
一 「|, …
}
L.4..−L−、ニー.i..,,一_}. .:.・___:
一
f
ノ‘
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一プ←一一一” −tt
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1
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丁
1 ・ ’ i
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一
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一
川 i
’σ”一ス1;一…一「晶’』’
1.o 「」
o・∼ Lρ L5
L2
旦
い
L・・己1
‘t’。
⇔、Rτφ・・59・t E・・e= 5・・,−
堰Ff:、 t・上部で・.・、下・tsで・を採用した・
Rtb は TRe THRo Rtchより計算した。
, ,
一87一
配分荷重
。p}・:び。P・・t・tS・o・k’の,K・,r1,。K・。K−1の関数として表わされる・標
繍⇔け・厚・半径比晋はアーチの岡臓表わすパラメー・一であり・アーチ
のたわみは
V逆比例し・・た鎚厚・高・の鴫は片持ぱりの岡働表わす・
とはすでに考察のとおりである。
したがつて、ア’一チ抵抗aKおよび片持ぱり抵抗cKのマトリクスの各要素の絶対
値は⇒口の皇一,廿に剛す・か・・配分荷風皇・晋の比に影響
され・であろう.・の比は近似的崎巾と高さの比誌に関係すると託・。
さて図4.53、4より負の片持ばり配分荷重の生ずる上部を除けばアーチの剛度
を鋤す晋鉄き・・ほど7 一一チ醐荷重鉄きく・片持胸配分礁が小さく・
ること、また片持ばり剛度が大きくなれば片持ばり配分荷重が大きく、アーチ配分
荷重が小さくなることが考察される。
上部の負の片持ばり配分荷重の生ずる部分では必ずしも上記の関係が満足されな
い。
図4.5.3 水圧荷重に対する配分荷重(定角アーチダム)
「「「「「’「’ u『㍍「
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L−−t−一…一’‥
…丁丁…「]
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o.9 ⇔,∂ o、7 0.6 05 q」4 C」.3 c.2
⊥
・. H。
■
一88一
c.l o −(、1
図4.・5.・4 水圧荷重に対する配分荷重(定角アーチダム)
.+一、彫.・
・−
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アー4醒摘璽
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ト
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秩│∵一・到当’・
〈}・9 qa C.7 θ.6 0.く
e.1 ) −6,i
一一
・−
e,4 ;.a ‘2
P
苛;
図4.5.5
水圧荷重に対するたわみ曲線
たわみ
図4.・5.・5に図示されるように(4.5.7)式で
(定角アーチダム)
「一一’▼’『’一一’一一一’−TN−“F−}一「一’一’一一丁“一’一一一’
与えられるアーチクラウソのたわみはアーチ
i
鞭莞が大きいほど小・く1・る・しかしク
・ T』 ‘ i
’再二゜’z
: ,. . .._→_一_.i
I 1
2i
3:
ラウンのクレストのたわみの挙動を示す図
4.5.6,7からも考察されるように、必ずし
… ;−一・:1コ
も片持ばり徽丑が大きいほどたわみ1・小
@…・ ・ ’ ・ ’一一・−1
さく・る・は断定できない.‡i鉄き・・齢
.…
にはむしろ片持ばり剛度がアーチ剛度に比して大
4’
きいほどたわみは大きくなる。たとえば水位がト
ップァーチクラウンに達したときのトップァーチ
4
6
クラウンにおける水圧荷重は零であるから、もし
…一一一」
片持ばり剛度が零の場合には片持ばりにょる下部
』’
荷重の上方への伝達がなく、トツプアーナクラウ
{t”+一’一’^−
ンのたわみが零で、片持ばり剛度が大きくなるほ
3−
i
どたわみが増大する。
:
Cif +…
i
, 1{・・一]
L._____L_,___________ 一一L___二___._一:
「フ 1・フ 20 3C 40 50 60
E.∫
耳
一89一
図4.5.6.
水圧荷重によるトップアーチクラウンのたわみ
(定角アーチダム)
一一一一u「丁一一一嚠齟
50
1
↑
@ @ @一
40
[ @ @ @一
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O.o c,c5 007 c,t o.15 c・、2 e・3
ユニ
ト。
図4.5.7水圧荷重によるトップアーチクラウンのたわみ
(定半径アーチダム)
:H
501
鼈黶{
●二獺タム
0鳴手ダム
40』
「「
k__一..L_..−A_.
..3° 狽秩│一一一’一
・._一一一_
つ。山
丁
“\
\
i1i!tS
戊0
Oes e.07”e./ o、庁 42 q3
工
be
aK , c
Kが一定の場合はたわみは高さの2乗に比例して大きくなるであろう。
一90一
●
一7二呈.クラ.ウ∠○之理旦.アーパシ.一トメントPjタ弧型竺と応カー
負の片持ばり配分荷重の生ずる上部アーチの応力は複雑な挙動を示すため、最初
にアーチクラウソの外弧測の下部アーチの.応力の挙動を図4.5.8,9によって考察
してみよう。
図4.・5.・8 水圧荷重を受けるアーチクラウン外弧面応力(定角アーチダム)
「……丁「『一’”su「’一一” ’1“−−…丁確孜;lr−’一「…−t’t
tc’・°i−……r〕『…「.…−’r…『r蝉・ヒクム 1−一一 一一 1
∴二誌ご…丁三∵丁丁二工二,
1−・一に二=二ぎ㊦∴Nsこ二こ午くニ…1−一一一l
l二∫二沽ン苦三二芋ヰ≒貢’二i
ヒ・⊥二讃:三二「±ニゴ『1⊥
c.o
o.δ5 6.σ7 1:1 シ」5 0.2 (?_3
工
Y,,
図4.5.9水圧荷重を受けるアーチクラウンの外弧面応力(定角アーチダム)
/v、o
…一
二…「egKクム
gー!
7L.ー「
・…一
ぽ
一一…
1「『,(]動系委・ナヒグム
採高8
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\
こ・・一一一=一一一一一1
_::L._
20
a, Pぷ4ρ7 4/
o. /LS一
.2?o
03v
ユ
γ.
アーチ応加一定荷輪対して吾に逆比yけるがアーチ配分荷重は・アー翔‖度
皇一に比例して大きくなることは・すで時察したと・・bである・
一91一
・たがつて(4・・…)式肋いて片紺り岡臓晋が晋砒して小・い鮪の場合
は・P≒Pで一定・なるか・・アーチ応力・・曇に綱する・磯繧に比し
て大きい場合のアーチ応力は、むしろ配分荷重に支配され、アーチ剛度−一に比例し
て大きくなる。
図4.5.10 水圧荷重を受けるアーチクラウソの外弧面応力
(定角アーチダム)
/O. O
50
b
o士ミ
qo
o.05ao7 0・/
4z
♂.x.s
45
“『
、O
図4.5.11
水圧荷重を受けるアーチクラウンの外弧面応力
(定角アーチダム)
5.0
うτ3
卜
aク
ρos∠《07 グ/
a・ IS To o・コ
一92一
o.3
図4. 5. 12 水圧荷重を受けるアーチクラウンの外弧面応力
(定角アーチダム)
/0、 ci
斗棟
高 3
一一「−一^
ib
一
鴫
i
]
50
寒ム
一一一一一一
¥一
@1 、
B5 !
・’−’−
o.o
i−一一十一…一:_i≡一≒
、−
秩f一’’”「 ∼‘
45 @T. fi ?
r
2ク5’r:ひ7 e・ノ
一一一一
゚≡・
D ρ’ 1
一−
43
赦片縮り鵬融・大きいほど7一チ配分荷馴小…り・アーチ応加
ノ」、さくなる。
負の片持ばり配分荷重の生ずる上部アーチでも図4.5.10,11,12において
Q・×きいほど、畏の大棚係・a =L,・て応加
観察・れ…に、アーチ臓一
大きくまたまたは小さくなることについては下部アーチと変わりがない。
しかし皇の大きい上部アーチでは・片持ltり順丑が大きいほど・応加大
きくなることはたわみの場合と同様である。
片持ばりの応力
水圧荷重によつて、片持ばりの上、下流面には、互に反方向の絶対値は近似的に
等しい応力が生ず。図4.5.13,14,15は片持ばりの下流面の応力の挙動を示
すが、片紺りの齢樋は上部で負・なるため・晋のとくに小・い場合・アー
チ上部では下部・反鵠のか・りの大…の応力雄ず・しかし☆の大き哨合
は、上部片持ばり応力は下部と同符号に近づき、その大いさctきわめて小さくな
る。
また、アーチ剛度⊥が大きくなるほど、片持ばり配分荷重は小さくなり、片持…
ru
ばり応力も小・くなるが、片持・ま・順音欲きくなるほど・片持ばり齢髄
は大きくなるが、厚さが大きくなるため断面係数が大きくなるためか、片持ばり応
力の絶対値は小さくなる傾向がある。
アーチ㍊び片撲り鵬晋竜等の鰍元量を一定・すれば・励の無元
as
量唖。も同値をとることを知った・
一93一
図4.5.14 水圧荷重を受けるクラウン片持
ばりの下流面応力(定角アーチ
ダム)
図4. 5.13 水圧荷重を受けるクラウソ片持
けりの下流面応力(定角アーチ
ダム)
r
一s,r’
5:0
P,o
!ア∼
LvH。
cv F七
@「
@ @ @ @ @ @ @ 一『
}[ 一・一
一一一一
「
したがつて、かかる形状、材料因子がまつ
たく相似の条件の下で高さHoがn倍となれ
ば応力もn倍となるであろう。
なお、以上の計算には、自重S・よび鉛直方
玉二α3日,
向水圧荷重の影響を加味していない。
P 一「−
一
一一
一
一.
「 1 1
“ぐや
、
図4. 5. 15
、\ 、
水圧荷重を受けるクラウン片持ばりの
1
{」
下流面応力(定角アーチダム)
\
’ i
一50 aO _sZ
ωHP
ぶ0
一94一
5.3’堤体平均温度変化量に対して
(1) 理 論
堤体平均温度変化を生じたアーチダムのクラウンの片持ばり要素の下流方向たわみを
⊇、醐荷髄c。,P、…x・b・i・・y・ト〃スを・Fとすれば
c.△t《$=・ぐF,Cbt P
(4.5.16)
であり、アーチ要素のクラウンの肋み・.・・9は・tを・ン・・一・の膨脹翻㌦,f
をアーチ要素の堤体平均温度変化量△tに対する f1θxibilitアマトリクス P
a.』七
をアーチ配分荷重とするとき
a、・・S ・=・F、,a,.P一ゾ (4,5.17)
ただし
m三i
et…f−
一:‖
しかるに
。心謡=。.。忍_謡
( 4.5.1 8 )
であるから
(cF+aF)(.AtP=−d・.Af.f
∴ぐ.4tP=元二¢P
=一(eF+aF TL.4(f
( 4.5.1 9 )
▲t・》)=−cF(ぐF+aF)−1 a4tf
=一(aK−lcK+ 15i a .tf
( 4.5.2 0 )
である。
h.., fo各要素.,.。.。,、£を(4。4.8)式によって無次祓示すれぱ
芸三嘉一一r、・…由、(・S’、M)・+・S.・.・H・.t)(一)
厚さと温度との関係(3.3.30)式を上式に代入すれば
α識一{Ver・ ・2 L+・i・¢A?、( ノ 1C3.i.ZM7.( +C3.Zこ且2.こ)}/(晋)
A
( 4.5.2 2 )
a.ntfの各要素として(・L 5.22)式で示される無次元量を用いれば(4.5.20)式
に鮒るたわみ。遥のば素として・・5/1・・C,が計算される・また(4…9)
式に鮒る。.・tfの各要素として1司じく。t.〈ST,/100・,を、、F,。Fの各要素とし
て(4・・…1 2)・(4・・…1 3)式に紺る・51.・,・∬1.戊を用いるとき、・「扮髄
tl ノ
CatPのi要素は ebt P=c’aP/100c℃Ec なる無次元量として求められるで
あろう。
−95一
したがつて等分樋ぽ荷重の鰍元量として,。tP/1…tE・/且・を得ることがで
きる。ただし係数100はメートルの次元をもつ。
またアーチダムのアーチ要素にbける応力t。i。δ∫は片持ばり抵抗を受けたいアーチ応
力aAt 6と片持げり抵抗による応力a.at.vi5の和であり
。。ピ。◎=。.。ZO+“.・〆,σ (4・5・23)
a.Af!∫’の各要素を(4.3.14,16・)式によつて無次元表示すれば
上△ wE,−f2・i岬曇)砦)(H、、±・音M。 L) (・・5・24)
100−Ho
ll毒=6 ・(Tこr ;.)(㌢)( 嘘叫z・)(…)
杜(・.・.、,・)式に・つてa.・・,・6一の鰍元批、既述の鰍元紛荷重。.、,P”
を用いるとき
雲査:=η蹄(『)(H’L酬)(4526)
σ1㌃箕曜音( T,:1十〇.5 rL)(再・手6吉M・の(4527)
He
電子計算と考察
②
図4.5.16 堤体平均温度上昇を受ける配分荷童
配分荷重
(定角アーチダム)
「^…=「…一一一十一一一一一=====F二1“tV:『
t−_,.____
⊥⊥
注
L
‘1卜
一一
下流方向アーチ
堰Q一_._
234
l一一一…一一一一一
l I l
I
十
i l煤D −m−一
tl己分荷重を正と
−T−
@・一 @ ≡∼「一一H一一一一
一
一
する。
蒜㊥
一†一一”一’F−一”
」瀦7
67
一一 一…
Z…ー,「ー
↓ダ’
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0ρ5
一・一一一
■
ク0
9
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o. tO
O
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60
50
勿
1必遷一・_.一..、../。
3ρ −O /0 0
P
〈一長さの単イ釦才フη)
Ct Ec
Ho
一一
X6一
rfO
図4. 5. 17 堤体平均温度上昇を受ける場合
の配分荷重(定角アーチダム)
注 下流方向アーチ配分荷重を正とする。
T、;
図4.5.16 17より一⇒般にアーチ剛度一
, ro
が大きいほど配分荷重は小さくなる。
片持ぱ剛度丑が小…ダ・では、上部
Ts
配分荷重はきわめて小さいが、一
「が大きく
なるにしたがつて、上部配分荷重は大きくな
り下部配分荷重は小さくなる。
アーチに作用する配分荷重は一般に下流方
向vc.・f’fi用するが、玉が大きい場合に、沖間
ro
標高において上流方向の配分荷重が生ず。
P
(長きの牢伽コ・%)
Ct Ec、
}− VtT70
図4.5.18 堤体平均温度上昇を受けるアーチ
クラウンのたわみ曲線
た わ み
図45.18に見られるようにアー・■チクラウ
(定角アーチダム)
/
ンの標高に対するたわみの変化率は、上部に
おいて急変する上に凸なるたわみ曲線である
2
ことは、水圧荷重の場合と異なる。
トツプアーチクラウソにおける厚さ半径比
⊇一
皇を一定・するなら… プァーチ・・ウン
4
T6
のたわみは’ 奄堰fs一が大きいほど小さくなる筈で
あるが、既臼9⇔・・て‡iを一定・し
5・
ル/
極
て晋を増せば一i}が・1以上に・・…1・・て、た
ユLユρ7}イo
ぺ6
一’
P ’
R.↓ ”
7
lL’/∫,1’ノ
8
9
1ゴー定・するた鴫を定…して音
・大きけるにつれ ホが小・くなる・言・
㌻一ヰ
Y
幾可学的条件に帰因する。
膨
1
1・〃
r L
:::工=_
I:〃 1
/0
わみが大きくなる傾向がある.このことは
ノ ∠
’ φ
Y/
1
QL」
’
゜ プ゜ −2°E元 一4° −se−6°
万7(∂の単位Jl n)
1t
一97一
図4.5. 19
一7ク
堤体平均患度上昇によるトップァーチクラウンのたわみ
(定角アーチダム)
|
1.・、
一s。 L
一一
。ひ
卜一
(ざo目当c℃
」×
ρ.3
一†一…
づ0、一
、、
一20 −一
馬
五_パ
o.!
ヂio
\一
’/o
o.o
ク03 4Pク ’.ノ0
P.ls
0.20
工
Yo
■
一98一
430
堤体平均温度上昇によるトップアーチクラウンのたわみ
図4. 5. 20
(定半径アーチダム)
一「「
イク
O二↓頼ヂム
9厄
(D鳴ヲダム
一負ク
t
_⊥_
(§娯嶽
一deO
さ
5づo
wミ
一20
一⊥一 、来三
烹・・
工こ・・z1
o,3
s”一一
〔一一
=’i’−
}/o
e,o
ごよ
ρ05 e.∂7 0!
九
片持ばり応力
堤体平均温度上昇により、ク
ラウン下流側には引張応力が生
じ、上、下流面応力は互に反方
向で絶対値は近似的に等しい。
図4.5.21
堤体平均温度上昇による
クラウンの下流側応力(定
角アーチダム)
一ノ〈λ0
一5.0
ぴ
庖全王三.(長Σの馳弓・万川
Hn
一99一
図4.5.22
堤体平均温度上昇によるクラウン 図4.5.23 堤体平均温度上昇によるクラウソ
の下流側応力(定角アーチダム) の下流側応力(定角アーチダム)
i
戸、
一7
9
ノ0
−/o.o −50 0.o
o
二扇舌宏・蜘物)
宅ε.(表ω単砲勿)
100−P;一
片紺り剛度晋が小・い場合e・、蝸では片持ばり配分鯖は・」・…片持ば
り応力もしたがつて小さいが、下部では配分荷亜が大きく左り片持ぱり応力も大き
くなる。
片端り臓☆・×きくなる・・上部では端・り配分荷重が大きく・り・し
たがって応力も大きくなるが、下部ではfi[分荷重が小さくなり片持ばり応力も小さ
くなる。
蛯砦が大きく・るほど・牒ばり酋己分随は小さくなるか・・応力も・」・・く
なる。
アーチクラウソの外弧側応b、内弧側応力
外弧側応力
堤体平均温度上昇によるアーチ応力は、単独アーチに堤体平均温度上昇が生ずる
場合の応力と、片持ばり抵抗による応力の和である。
一100一
図4.5.24
堤体平均温度上昇によるアーチクラウン外弧側応力(定角アーチダム)
u20
「
●室衷ダム
1
@譲比ダム
一
t
!
矛 〃
’楳
高 1
@ ‘
十 !
1
i
:
一
1
●
●
.1
−L⑳
eeべ・ro7 P・/ o.ノs
4z 43 ,
五
ro
図4. 5. 25
堤体平均温度上昇によるアーチクラウン外弧側応力(定角アーチダム)
i−一
t
u一
一…一一… 一一一「一一t−一一・・一
一「.教クム
’…
高
50
’ ㊦{?.負 」ヒダム
ゴー一’一一
←一一一一一
…
「
’ 陣^一^一一一一’一『
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、、、、
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@ @ ’
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i
1 ‘
o・tS’°7 (t/
ぺぽ
〃亨 一T。 eZ
423
T
図4.5.26
堤体平均温度上昇によるアーテクラウンの外弧側応力(定角アーチダム)
一一p−u一’一…「一一.一一「一一『一’一一
工二工
一一・・1
」一…o豹ζダA
−._.___L___
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P
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t
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o.!占 42
」≧
ho
−101一
∠、3
単独アーチに堤体平均温度上昇が生ずる場合のアーチ外弧側応力は一般に負とな
・が、片鮒り剛度音の大き噛練・・、アーチの変形内する抵抗が大きく・
したがつて、外弧側応力が正となることがありうる。
一般に片持ばり剛度が大きいほど圧縮を正とする外弧側応力は大きくなる。
・た上部アーチ・s・び晋の小・い場合a・下部アーチの外弧側応力は晋に逆姻
す・が、寺の大きい場合の下部アーチの外弧側応力は晋砒例して大きく1・る
傾向がある。
内弧側応力
・の場合の応加圧縮剛・下部アーチbtびξの大きい船の上部アーチ
では・片鮒り剛度に逆比例するが・㌢の小・い場合の上部アーチでは・・の傾
向が逆転する。
図4.5.27 堤体平均温度上昇によるアーチ内弧側応力(定角アーチダムン
1
1
1
@ .、
怐I室1叔クム、
ツ綾北ダム
4e、0
※高 1
ヂ
寒
で 3qo
s,
些’qク
一
f
瞳“.
今∼
一
ρ<介
一’
∠入ノ
o,0 戊∂タ ψ07 e./ 4ノ∫ 〃20 030
ユ
he
図4.5.28 堤体平均温度上昇によるアーチ内弧側応力(定角アーチダム)
/ρLOi一
《
』。
茎
潜.
ミ
ao
ea−“ P,P!ア ρ/
診1z
q!5
、O
一102一
03
Te
また・片持ばり剛度の大きい場合には三「に逆比例し・片持げり剛度の小さい場
合にはユ・に比例して、内弧側応力は大きくたる傾向が観察される。
re
堤体平均温度に対する応力はスヶ一ルHoが夫きいほど小さくなるであろう。
図4.5.29 堤体平均温度上昇によるアーチ内弧側応力(定角アーチダム)
一T⑳夏輝A
゚綾比ダム
十
一一
___L___._ _
_竺二∂/
一一_
一「一}一
S.,th− 一一_
7L’
ノ
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o.・5 1
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+『≡
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一 ・l l
ユ __コ ロ ’ −−−−J−−
‘)./ t・t ILS一
o,z o,3
6ジ5 4e7 、一王.
5.4 温度こう配に対して
(1) 理 論
温度・脳趣生・たアーチのたわみ量爵の小・い場合はきわめて小さい
が片持ばりのたわみは無視することはできない。
鎚・りの高さ・o・ Ztの微小部分△Zに温度・う配azを生じた片持・i bの高さZt
におけるたわみは下流方向を正にとるとき
一103一
。Jl戸一c七、dγ.△Z(Z・一・Zi)
一・tα了△Zec・8v
( 4.5.2 8)
ただし
z‘>zノ
であり、温度こう配についての次のflexibilityマトリクス
。c、Z、SIL、。語、、.._一,,。5、n
O。α523._一『』CtzE2・
c.mF=
0、 i
O \、 eaEn−1,n
、 、
’\0 ノ
を定義すれば、温度こう配を生じたアーチダムのクラウソ片持ばりの
たわみは
。.,S ==、F,.,、 P+c. Ct F・α・・e・△Z (4・5・29)
アーチクラウンのたわみは
。..、S㍉F・・,・P (4・5・3°)
ただし・,・P㌦、Pはこの場合の片持ばり・アーチの各配分礁であり両配分荷重に
よるたわみを等しく.8とお・〈ことにより
(cF+aF)a.CtP=Ct.∠NZ’c.“F’《メ
∴,.。P−一・t.△Z(,F・aF)㌔F・or (・…31)
=−a,ocp
∴」一。F・・t・△Z・(・F+aF)−1,..F・ec
_・t,AZ(。F。F−1+1)一し.、F’or
−・、△Z(。K㌔K+1)−1 c.、、F・OC (・・5・32)
、.、Fの要素パ帰として次の無次元量
一(Zc Zj且o H6)一一(そ‘’一? 2)
を用い、温度こう配と厚さの関係式より得られる次式
旦
TH
1 0
一缶α・
l6
欲=
( 4.5.3 3)
鳴−畏
ー
一104一
および
且o
( 4,5,3 4 )
Az=
n
の関係を(45.32)式に代入し、たわみを無次元表示すれば
1きH.一±{(…☆K)一一:・・F・a(t}e ・4…35)
!
⇔・F…Fの各糠として(・・5・12)・(・…13)式に鮒る・if、1・ ,、ぷ1,を
用いるとき 配分荷重の無次元量
1蕊H。−S{(・F+・F)一:・兄α・}・≡認 ( 36)
したがって等分布配分荷重の無次元量
き一㍉れ (4・・5…7)
を得る。
無次元応力もまた、堤体平均温度の場合と同様(4.3.1),(4,3.3)式および(4.
3.29),(43.31)式によって次のようec求めることができる。
爵』富(曇)(H…±・量一M・・) (4538)
−1繧;一㌢)(HA・・土・芸叫・・) (4・・5…9)
竃一蹄( Tし1十〇.5− rこ)(H1・土壷M・・) (一)
篭記蹄(1+・5告)(且・・峠恥)(・541)
(2) 電子計算と考察
配分荷重 図4.5.30,31によつて1Eの温度こう配に対する片持ばり配分荷重は上
部では下流方向に作用し、下部ではその方向が逆転することが考察される。
一二「二:「干 一1−『1
駐鷺己 「笈一ヨ已
図4.5.30
−一十 一十z
温度こう配に対す
i
+茸莞
る配分荷重(定角
アーチダム)
}
トーー一
}
} 一
一 …
寸寸+,
3 4∫
㎎、滋ユ
…
注)
+宏
「/二∠
下流方向アーチ
配分荷重をIEとす
寸鷹
トー一一一
る。
「
パ∂ρ4
ぐ
/
1、...一一一_亡:ゴニゴニ_一一i
’
/
’
/
/
9
… ”
〃十_ 「ゴ=」
t
20 !ぐ”0 5− ∂ −5
P
!b e・t Ec
−105一
−2(ン’
(x/扮一3)
図4.531温度こう配に対する配分荷重(定角アーチダム)
25
20
∫
ノ5− /c.」
ρ
o
一夕
一’s
@ }20い/〆つ
/6CtEc
・た、堤体平均蹄上昇の場合・は逆・・アーチ剛度㌢が大きくなるほど配分荷
の絶対値は大きくなる.これは温度こう配による片持ばりのたわみに対するアーチ
要素の抵抗が、アーチ剛度が大きいほど大きくなるためと考えられる。片持ばり剛
度・
L対する配分荷重の変動副・・いが配分荷重の零点の位置が穀・大きいほ
ど下方に移動する。
何れにしても、温度こう配に対する配分荷重の絶対値は他の2荷重の場合のそれ
に比して・小さい。
△.主み
図4.5.32,33,34,35に見bれるように正の温度こう配によるアーチク
ラウウのたわみは、上部標高では上流方向に、下部標高では反対にわずかに’卜’流方
向にたわむc
またア.チ向順.Z・が大きくなるi・aど調μ民う配vcよる片持ばりのたわみに対
ro
するアーチの抵仇が大きくなり、fcわみは小さくなる。
同廓片強・舷暑・・入きくな・はど之わ虻一誤大きく・・鯛を示
0
す。
この場合のfcわみ曲撤は堤体平均温度上昇の場合と同椋上に凸である。
一106.一
図4.5. 32
温度こう配に対するたわみ曲線
図4.5.33
温度こう配に対するたわみ曲線
(定角アーチダム)
(定角アーチダム)
/
2
ハ
蝿
呪
∫
坐
弛
6
7
ノ0
o,P
一∠0
一〇.タ
o.o
一zp
一tP. .S
一一
囎S
5
_∠6
/bCt H,.
5
/6 Dt Ho
図4.534 温度こう配に対するトップァーチクラウンのたわみ(定角アーチダム)
§
已
o,o
a. eSρ〃7 0ノ
∂、え
o./3一
工
一107一
⑱
o.3
図4.5.35 温度こう配K対するトップアーチクラウソのたわみ(定角アーチダム)
一/∫
㊧二瀬グム
〉〉
⑲鳴iチタム
1
k
一/o
惑
←
こ
VD
\_
∠∼9
一鱈
一十一一
臼
ρ.∼
\
, 、
@\
p’
\ρ/5一
θ/
1
1
碇o
1
1
1 −「
P
ん!8
レ1/
‘∼ρ、丁
| 一一
〆lz 脅3
@ 毛
7
アーチクラウンの外、内弧側応力
温度こう配に対する配分荷重は小さいから、この場合の応力は単独アー一一チに温度
こう配が生ずる場合の応力に近似的に等しくなる筈である。したがつて片持ばり剛
度☆の増蹴・るアーチ応力の変動は・1・・く・正の温度・う配…Xる外弧眺力
は負・紘内弧側応加正・・る・・た醐の応力の綱値は丑が大きくltる
ほど一般に小さくなる。
図45.36 温度こう配に対するアーチクラウンの内弧側応力(定角アーチダム)
ユ:
1
1.0
一
一一 .
1●室媒タム
○綾ナヒグム
. ...螺高3
一一『一 噤c一一一”−
・
@ i ∼一一、.一一}
←
:・トー一一・一!←.−−「一一,
…一
¥二
乖ンθ’
閨f
1
1
,一 一≡『・°’
マ・ら_一一
マ.2
≡●
b
t
」
1_− i
一丁一…
4ろ
一 一一一_↓ __ シ
匡
@ 一^
@ 1_十_
一二工
一一 一一一 }一 ← 一一’ 一一’一. 「 } ≡
「一
一一A−
@ 1
黶D
鼈黶u
「
@|
…『
「一
← … “一.
旨 1
4・ 〃。5ぴη 4/ 〃夕 久2 43
@ ユ
一’
P08一
温度こう配に対するアーチクラウソの内弧側応力
(定角アーチダム)
図4.5.37
標 高5
一一
毛=ω
0」5
O.5
a5
一〇2
0.3
@1
直ぴ£
b
‥・一.一
・
0.O
00
005 007 《)」 0』5 σ2 03 τ
τ
図4.5.38
温度こう配に対するアーチクラウンの内弧側応力
(定角アーチダム)
●室牧ダム
1.o
Φ綾北ダム
標 高8
b
疋・α,
05
p5
露
・
0.O
0.0
OO5 0.O 7 0LI
o.2
O.15
r.
一109一
o.5
図4.5.39 温度こう配に対するアーチクラウンの外弧側応力
(定角アーチダム)
QO
●室牧グム
O綾北ダム
1標 高2
u$一一〇5
bd
苫ご・、
o.、
一
D
o
一〇g
0Ll Oλ5 0L2 03 τ
00 α05α07
下
図4,5.40 温度こう配に対するアーチクラウンの外弧側応力
(定角アーチダム)
0.0
1
●室牧ダム
ウ綾北ダム
_標 高5
∨]げ里
.
』
玉=olH.
一〇5
一一一一一’
05
1
一〇8
00 005 007 01 0」5 コ巨 02 0・3
ト 図4.5.41温度こう配に対するアーチクラウソの外弧側応力
(定角アーチダム)
・
玉=03氣‘
一臨Ol 一
一
這
』
£
一 O.5
一
標 高8
●室牧ダム
一〇.9
一
ウ綾北ダム
02 0.300 005 007 0」 OI5 工
一110一
温度こう配に対するクラウン片持ばりの
下流側応力(定角アーチダム)
図4.5.42
片持ばり応力
ノ
正の温度こう配に対して片持ばり
の下流側応力は常に正となる。図4.
2
5.42,43,44に図示されるように
晋を:定・して干を増せば応力
3
は上部で増加し、下部では減少する
・嘉が・・以上では・ほとん・大
4樋5軽6
卜
ミ\
部分の騙で93 va比肌て応加
T. = e・/
丁十〕
ボく
i鷲1
大きくなると考えてよい。これはア
T。
一チ剛度一が増せば上部片持ばり
ro
にかかる配分荷重が大きくなるため
T。
である。また〒:を一定にして片持
1…
、》
』ーー−ー
ク
Te
ばり剛度一㌫を増せぱ、片持ぱり応
力は小さくなる。
一ーL
9
゜1
ナL・
、叱’
何れにしても温度こう配による片
図4.5.43温度こう配に対する片持ばりの下流側
応力(定角アーチダム)
十一
7
持ばり応力はアーチ応力より小さい。
4−_+1
ノ∂
1,0 2.0 30
↑
/6G乾
40 窃 ツ
(A’・「…’一
図4.5.44
!
温度こう配に対
するクラウソ片
持ばりの下流側2「’
応力(定角アー
3
チダム)
4
4・
5
糎
A
6
繋
ク
7
8
8
9
9
xP
’c
OO /0 20 .ミO
一こ一
ノbCぐEt
40 否0
o. tJ
1. b
@7・°J.,.3r) プ.、め
(κ tO’1)
−111一
/6‘tEc
5.5 結 論
水圧荷重、堤体平均温度上昇、堤体温度こう配の3荷重に対してアーチダムのたわみ、
応力、配分荷重の無次元量、E・b/・rf。,%H・,PWH・,。t・S/1…。,
.,r/1…WH。・・tp/1・・c・・ic /H…8/16・t三・・㍗/16・tE・・ ・ap/16戚
のアー鋼触・び片持ば・般を表わすパラメー・鴫ぽ悟柑る挙幼酬をク
ラウンカンティレパー法により電子計具し、推察を加えfc。
すなわち
q) 水圧荷重と温度こう配の片持げり配分荷重は、上、下において符号が反転する。し
かし配分荷重の芹点は水圧荷重では上部にあるに対して・温度こう配の場合は水圧荷
重の場合より下方にある。堤体平均温度上昇の上、下部の配分荷重は同符号で中央部
の配分荷重は小さい。
温度こう配の配分荷重は他の2荷重に比して小さい。
(2) 水圧荷重のたわみ曲線は下に凸であるが、温度2荷重によるたわみ曲線は上に凸で
ある。
堤体平均温度上昇によるたわみは SCa19 の大小に関係しないが水圧荷重と温度こ
う配、によるたわみはScalθfactor H。に比例して大きくなる。とくに水圧荷重によ
るたわみはH。の2乗に比例して大きくなるであろう・
また水圧荷重によるたわみはE,oc・vc逆比例するが、温度荷重によるたわみはE,
単独には無関係で晋に・って影響・れ・・
,・プアーチクラウソの励㌶晋吉・対す・関係は・硬・・鋤の嗣
・示す.す肋ち寺に逆比例し、莞の大’;・に応じて・たわみは一銑に比例・・たは
逆比例の傾向がある。
ただし堤体平均温度上昇の場合のこの現象は、主として幾何学的特性による。
㈲水圧荷重に・る下部アーチ応加趨に逆比例する・・た齢£に比して大きい・
きは砦・比脳が融小・い・き・・畢逆比例す・・永圧荷重に・る・・プアーチク
・ウンの応力の誠鮒聯はト・プアーチクラウンのたわ㌘轍類{以している・
堤体平均温度上昇による外弧側応力は、片持ばり剛度一百二が大きいほど配分荷重に
よる圧縮応力が大きくなるため、圧縮側に大きくなる。下部アーチの内弧側応力にっ
いては、・の傾向が逆転する.・酬弧側応力は芸に逆比例の傾同を示すfJl・内弧
側応加貴の大小rL応・て手に逆・ヒ例・たは比附る・
温度こう配によるアーチ応力は、配分荷重が小さいため単独アーチに温度こう配が
生じた場合の応力と同様である。
(4) 標高に対する水圧荷重、温度こう配による片持ばりの応力曲線は類似している。
ただし、前者は上、下部で符号が逆転するが後者は同符号である。標高に対する応力
変化率の零点は水圧荷重の場合は上方にあるが・温度こう配の場合は下方にある。
堤体平均温度上昇による片持ばりの応力は上、下部とも同符号で下部ほど次第に応
力は大きくなる。
水・・鯖・堤体平均緯上昇醐合の片持1−rり応力の靹値は晋・貴1・逆比
一112一
例す・が醸・う配・ついて燈に対して逆比例・已について吐部で比例の傾向がb・6・
(5) 水圧荷重による応力はSCale factor且。に比例して大きくなるが堤体平均温度上昇
による応力は逆にH。に逆比例するであろう。温度こう配による応力は、且。に無関
係となる。
したがつて SCaleの小さいアーチダムの応力は水圧荷重より、むしろ温度荷重の影
4・20)
響を顕著に受け SC aユθ の大きい場合水圧荷重teよび温度こう配
に支配されるで
あろう。
水圧荷重による応力はEc単独には影響されないが、温度荷重による応力はEeに
比例する。
(・)Jt・1・・t・・ ・t’ b Ml}度晋・アーチ剛度晋の比は近似的に谷巾・高・蝿を意味語
従央アーチダムの建設の可能範囲を概略推定する手段としてこの兀が用いられた。
(,本
G蕊驚曇二灘㍍.晋の値を三_て同_を実
行すれぱ、アーチダム上部○たわみ、応力の挙動特性をより正確に把握することが可
’能となるであろう。
㈲晋のアーチダムの水踊鯛るたわみ・応加及ぼ醐果に関す・研究は杜に
を含むもの・すれば、晋の効果の傾向をある程難定することができるであろう・
一113一
V解析に使用するアーチダムの諸元
ここで締の触、す。ア.チダムは綾球議1二劇鳴子ダi4)であり、その諸元瞭
5.1のとおりである。
ダム諸元;献名
\
河
川
名
大淀川支川綾川 神通川支川室牧川
薄肉アーチダム 薄肉アーチダム
グ ム の 種 類
的
目
室 牧
北
綾
P・A・P
F.A. P
総貯水容量(㎡)
21.300,000 17,000,000
1960年4月2日 1961年3月30日
たん水開始期日
鳴 子
二 瀬
荒
)
ー
北上JIN:川江合川
ー
厚肉アーチダム
厚肉アーチダム
P.A.P
F・A・P
50,000,000
26,900,000
196。元皿㌫11957年、月,日
一 ’,一一 一 一 プラムライン 堤頂面にbけ
たわみ計測標高
上段El.S45 m 上段Eユ.260
中段EJ.273
下段Eエ.460m 中段El.215
下段E1.179
十一一一一一・一一一一一一一・一一
A−−
1234
計測断面
d1,245
E1. 186
@ 275
@ 215
@ 245
@ 285.
十二. 185 76 70 7.5 7.0 64 100 115 57.200
@ 一
@ 一
頂基
形状特性
部 標 高
Eユ. 298 E1 261 傷
@底 標 高
纐ハよりの高さ H 阿
癡p部分の高さ H,㊥
@ 221
癡p部分基底厚 Tb (叫
x部分平均厚町,㈲
頂堤堤堤
煤@半 径 Rc ◎
白?S角 θ (度)
@頂 長 Lc ⑪
@体 積 v (㎡)
一ト弾性係数Ec㈱
@ 73
@ 66
@ 13
@ 10
5345
40
1 28
iii
28
130
120
290
ト
180,000
356,000
@ 100
@ 100
@ 174
@ 47,000
200,000
250,000
サ岩、頁岩および
@ 質
サの互層
タ山岩一部凝灰岩
ィよび凝灰安山岩
ユ弾性係数ErU(K必紛
@ 40,000
@ 40,000
下部岩盤弾性係数Er 1(K繊
80,0 OO
表5.1
194.3
El.458
226.3
495
242.3
515
Eユ. 545
1. 260
175
455
85
90
79
82
材料特性
地
一 一
プラムライソ
上段Ln ).2 9 8 る視準測量
下段E1.248.3
断面番号
プラムライン
70・OOO l
− 一一 H − }’ L
200,000
200,000
端、び千枚岩By,緑花合、び
1石英粗面岩
i
50,000 、 20,000
100,000; 1000,000
|
ff;F:洪水調節、 A:かんがい. P:発電
ア ー チダム 諸元
図5.1,2,3,4は$・のtsの綾北、室牧、二瀬、鳴子ダムの一般図である。
一114一
図5.1 綾北ダムー般図
魏
幼
(a)平面図
(b) 1丑i汀^ill〔】 図
(じ)/賃用臼
一115一
図5.2 室牧ダムー般図
P・‘
■ §§
酬
ω⇒図
(b)断面回
一116一
図5.3
二瀬ダムー般図
§、N.
(蛋曝屑.」)囚旧国
国但萄
⑩∼°。
封
(u)
.ミざ●d
/
(3
ε旦
一117一
図5.4.鳴子ダムー般図
ω干面凶.艮び片門架的「面図
(b)展用図(柚稗)
一118一
VI実測計器およびその配置
たわみの実測は、綾北、二溶鳴子ダムではプラムライ・/・室牧ダムでは祝準測量によつて
4テわれている0
6.1)
たとえげ、綾北ダムではクラウンに表5.1、図5.1のとむりプラムライソが設置される。
すなわちEl.298のワイヤー掛けより吊り1Fげられた吊ワイヤー(直径約.6ma)の先に錘(約
20K9)を取り付け、これを油槽に浸して振動を吸収し、 Eユ・273に$・けるマイクロスコープに
6.2)
よつて吊リワイヤーの動きを計測しE} 1・298∼El.273の相対たわみ量を求める。
同様にしてEユ.248.3∼E1.273の相対たわみが計測される。 その精度は0・025SUである。
室牧の視準測量にヒるたわみは図5.2に示されるように、ダムより十分離れた2点の見通し
6,3)
観測精度はプラムラ
線上、クラウソの堤頂に直かれた移動標識の動きによって観測されるが
インより:悪し、e
ひずみ計、無応力ひずみ計、継目計、応力計はすべてカールソン型ひずみ計またはそれを応
64)
用したものである、J
ひずみ計は、同一点にt”いて3, 5 ,9方向のひずみが計測されるようハブおよびロッドによつ
て蹴され、スパイダーの先端齪さ㌶iひずみ計の搬は1。。1・→酬であ・と;s s。
ひずみ量はひずみ計にtoける抵抗比の変化をコードを介して、指示計に導き側定される。
なむ、ひずみ計の選抗値から温度の測定が可能であり、その精度は士1℃である。温度計に
よる温度の観側精度は士0.3℃であるから、精度の向上を計るためにはできるだけ温度計を併
設すべきであろうご6)職計器の個数ぱ、.1に示す、詞である製その外三鯛量、水準
測量のための計器、標識、地震計等、表に掲載されない計話が若干あるL・
(注)ひずみ計の⑤一130は5成分ひずみ計が
表6.1 実測計器埋設個数一覧
130個あることを意味する。
綾北ダム i室牧ダム
プ ラ ム ラ イ ン
’
視 準 測 量
傾 斜
温
ーτ;莇 了「一一‘“’− o
0 0
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度
応, 力
3 (2段) 1
一一一
計一計
゚子ダム
二瀬ダム
¥一一一一
一・一
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49 1 6÷←一÷2
計
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ひ ず み 計
239
無応力ひずみ計
継
鉄
目
筋 計
計一”−L’一一
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一119一
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綾北ダム計器坦般図(の
図6,1
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綾北ダム計器埋設図
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注 単位
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[ 7i3
W たわみの解析
〔1〕概
説
水圧荷重および流動変形に基づくアーチダムのたわみが、おのtsの(3.4.3)(3.2,6)
式に従うものとし堤体平均温度t、温度こう配αとたわみとの間には、(4.5.20)式S・よ
び(4.5.32)式に従い線型回帰の関係があり、かつttsよびαとしてクラウンの2,3の
断面にbける実測値を与えるものとすれぱ、総たわみ量(∫に関する次の線型回帰模型
2
δ=k+la、 tL+Σb民+c’(h−h。)+c・(h−h・)(hビh)
L よ
…(h−h・)2(・,−h)・ξd・ユ・g(]‡1、)・・ (7・・1・1・)
・1成立する11)ここにk麟額であ9、・,,・bEは七、,α、・かかる徽で下部縞・り上方
にi=1,2,3……をとるものとする。d・は対敦項にかかる係数、 uは偏差である。
ここではクラウンの堤高および綾北、鳴子ダムではその外に中間標高点の基礎に対する相対
たわみの外荷重に対する関係が検討される。一般にたわみδはアーチダムのあらゆる点の∼品
度条件の溺放であるから、一見できるだけ多くの点の温度条件を入力として与える必要があ
るように恩えるが、4ダムの堤体平均温度と温度こう配の挙動は図7.1.1,2,3,4に示
すと‡・・9で相互の相関性がきわめて顕著であり、実はクラウンにおける数個の還度条件で十
分現象が説明できるのであるe
上部己度こう配が不規則に変動するのは、アーチダム上部上流面が水面下に水没したり露
出したりするためである。すなわち上部温度こう配は水位の動きと密接な関係があり、水面
上に露出断面の温度こう配はほぼ零となる。しかし上、下流何れかの面が太陽輻射を強く受
ける場合は若干の温度こう配が発生する。
図7.1.1(2)より、綾北ダム右岸の堤体温度はクラウンのそれと大差がないことがわかる。
堤体平均温度と温度こう配の高い相関性のためにあるいは、もつと少数断面の温度条件のみ
で、たわみ現象を十分説明できるかもわからない,そOkめ重回帰にtsける有慈性侠定によ
つて、酬一⇔イ億1生を衡這する、72)
有意性検定理論はまた流動変形の最適解を検出するのに有効である。すなわち流動変形の充
生する時点θこ をできるだけ多くとる方が、より1E確な流動変形の検出が可能であるように
匡1えるが、あまり多くとると流動変形の中に、濫度変形の一部が含まれることttcなり、まfc
:」三際上、電算機の。己憶容量からθこ の個数の制限を受けるので、小容量電算後では、たん水
開始後のZ,3ケ月同、あるいは、その外の新たに顕著な流動変形が発生すると思われる時点
においてθこ を密にとり、有意性検定によつてθこ の個数を減じながら.逐次試算的に流動
変形の最適解を退求する。通常はたん水開始後の2,3ヵ月以外には、毎年1個のθ.で十分
し
73)
のようである。
な齢時間θの単位は日とし、たん水開始前100日を原:点にとる。これはθ=OD付近の
対数曲線の大きい曲率を避けるためである。
−123一
綾北ダムクラウソの堤体平均温度,温度こう配変動図
図7.1.1(1)
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幽聖讐1聖闘ll:ξ1:ξ1°川12!S:2温纈窒2竺至三魏懸竪嬰霊塞魑
図7.1,1② 綾北ダム右岸堤体平均温度,温度こう配変動図
藷2010032104
h漂掌》訓 .エ・一二・エ4,・.,」:に1「.亡二二;一 三三訂1認
図7.1.2 室牧ダムクラウン堤体平均温度,温度こう配変動図
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3458789101112123456781
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二瀬ダムクラウン堤体平均温度,温度こう配変動図
図7.1.3
係平均湿度
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36 年
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昭io 37零
図7.1.4 鳴子ダムクラウン堤体平均温度,温度こう配変動図
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−124一
さて、ここで流動変形とは、・丁逆的な弾性変形ではi説明されない一切の現象の総称である
と定義した。基礎および堤体の塑性変形はもちろん、コンクリート、岩盤の弾性係数の増大・
堤体のクラソクの発生もまたその甲に含まれる。後者は、むしろ弾性変形の範崎に属するも
ので、過度、水位に関する回帰係数の増減の原因となるが、前者は残留変形を伴うものであ
り、回帰係凶を不変のまま、流劫変形が新たに生起することになる。
温度、水位に同する回帰係数すなわち弾性抵抗の構造が不変である場合は、たん水開始以
降数年の質料の同時解析が可能である。ただし年度毎の回帰偏差の分散に変動があるものと
考えられるから、異重重回帰における有意性の検定を行わ左ければならないであろう。
しかしながら一般に回帰係数は刻々変動する、すなわち回帰係数自身に経年変化のある場
合には多年間を通して回帰分析を行なうことは無意味であるが、初年度に対して非可逆的な
流動変形が如何に変動していくかを検出するために、初年度の重さ伽 あるいは初年度の組
数γレを他年度のそれに比して大きくとり同時解析を行なつてもよいことは既述のとおりで
である。
たん水開始以降水位は次第に上昇する。しかし利水に対する余裕を残してお・くために水深
がふたたび零となることは稀であb、通常、最低水位は基底標高より遙かに高い。
そのため、水圧荷重によるたわみと、たん水初期○流動変形を完全に分離することが困難に
なる。水位を人為的に下げて水深を零とすることができれば、もちろん両者の分離は可龍と
なる。あるいは水位を下げなくても.一一・一般にたん水初期の流動変形は蔵漫に起こるから、た
ん水後の1.2ケ月は毎日の資科を入力データとして与えれば、ある程度流蜘変形と水圧荷重
によるたわみの分離が可能となるであろう。綾北ダムでは、この方針に基づき、たん水初期
の流動変形の侯出を行なつた。もし、同じ水位が何回も課り返す高い水位に対するアーチダ
ムのたわみのみを求めるのが目的であれぱ、単に
t
O2=c(h−ho) (7・1・2)
として解析してもよい。ただし、この場合には、低い水位にエ・ける水圧荷重によるたわみの
一部が流動変形の甲に含まれることになるであろう。
しかし、一般に低い水位の水圧荷重によるトップァーチクラウンのたわみは、高い水位の
場台に比して非常に小さいものと考えられるから(7.1.2)式によつて水圧荷重によるたわ
みの概略の推定が可能となるであろう。
なお各ダムのたん水開始以降の水位の変動は図7.1.5,6,7,8に示すとbりである。
一125_
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〔2〕たわみの解析
2.1 綾北ダム
最初に綾北ダムのたん水初期における挙動を解析する。図7,1.5より綾北ダムの水位
はたん水開始後約20日間の中に水位が2回以上繰り返す最低水位に達することがわか
る。最初の20日間の流勤変形の検出はもちろん不可能であるが、流動変形が緩慢に生
ずるものとし、この区間の流勤変形が、その後の流動変形を外挿することによつて推定
できるものとすれば、たん水後毎日の資料を入力として与えれば、たん水初期の流動変
形を検出することができるであろう。
さて、綾北ダムの下流方向のたわみδが(7.1.1)式に従い変動するものとする。た
だし、綾北ダムのクラウソの温度計埋設断面 E1.245,Eユ.275,肌.285における堤体
平均温度、温度こう配にをのおの添午1,2,3を付し、流動変形項の日数θの原点と
してたん水開始前100日をとり、流動変形が顕著と思われる時点ti .として0日、
し
160日、200日をとり、またho=225m hc=29Lsmとし、たん水を開始した
35年4月2日以降、昭和36年4月4日までの96組の資料について、とくに昭和
35年4月2日より昭和35年6月15日までは、ほとんど旬日データを入力として与
え解析した.
最初、最小二乗法によつて回帰係数を求め、次に帰無仮設による有意性検定によつて
有意な因子を抽出した。その結果クラウソの堤頂(Eユ・298)のたわみ
3,,,一一,.37+、。,,(t1.1.1.6、).L,42(,,.1H。)一、。75(α1+。ρ、)
2
−3・376(αa+0・05)+0・0005928(h−225)
一・・…4848(h・一一 22S )2(291・−h)+2・S47ノ.(1、:1θ)
(7.2.1,
を得た。その回帰偏差の不備分散の平方根は0.457uaであつ7c。 (7.2.1)式}(よっ
て待られi.)途たわみ訂只1也、㍍度何重1’Cよるたわみ、汎蜘変形の変動を速7.2.1に凶示
した。 (S298の観測値は(7・2・ 1)式によつて高い糠で推走力河能である・
しかし、各標高における堤体平均温度相互の相関、温度こう配相互の相開、あるいは
下部標高温度こう配と堤体平均温度間の相関は顕著であるため、温度荷重の各因子によ
るたわみに分離することは不可能で、その和である温産荷重による/cわみとしてしか意
義がrk・V・。たん水初期に水圧荷重によつて上trii・lf rml rLたわむのは.S29S ltEi.2・8.3に
に対するli・1.298の相対たわみであり、水位の低い間堤頂の変位がほとんど零であるた
めであろう。何れにしてもこのノ1(圧荷重による相対たわみ量は、湿度荷重によるたわみ
に比して小さい。温度荷重によるたわみの年間の変化泣は約26Mに達する。また、た
ん水初期に下vfi向きの流動変形が考察される。その値は昭相36年3月までに約4anで
あるc
一127一
綾北ダムクラウン堤頂のたわみδ tssの挙動
図7.2.1
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図7.2.2
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綾北ダムのクラウンの中間標高のたわみδ273の挙動
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一128一
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●836
次に綾北ダムの中間標高のたわみδ273の同様解析の結果、次式
∧
δ273=8.71−0・2744(七・−11・10)−o・1921(t・・−11・87)−1・390(α1+O・O 3)
2
−03789(α2+0.05)+0.0005772(h−225)
−0.00004457(h−225)2(29L5−h)−2.4412n(1+θ)
・6.…2n(1+θ161)一・.2772n(帯) (Z…)
を得た。その回帰偏差の不偏分散の平方根は 0.1876 rmで、きわめて高い精度でδ273
の推定が可能である。δ273の総たわみの観測値と計算値、温度荷重と水圧荷重によるた
わみ、流動変形は図7.2. 2に示すとおりであり、とくに温度荷重によるたわみがδ2g8に
比して小さくなつてむり、年間変化量は約12anである。流動変形は僅かであるが上流
向に生ず。
Kにお・いて考察するように一般にアーチダムの外荷重に対する抵抗の構造形式は刻々
に変動するものである。したがつて長期間ecわたるたわみの同時解析は無意床である。
しかし回帰係数の経年変化を含む流動変形がどのように変動するかを推定するためには
初年度の資料を多くとる長期間の同時解析は、有効な方法の1つと考えられる。
さてたん水を開始した昭和35年4月2日より昭和40年3月30日までの136組
の☆料に対して、たわみδ298の解析を行なってみよう。θの原点のとり方は前記と同様
とし θi=0,160,200,1065,1469を与え・また水圧荷重によるたわみは(7・1・2)
式に従うものとし、35,36,37,38,39年度の資料組数を41,32,17,13,22個と
し、倹定の結果次式
く
ご298=・22.20十〇.6047(七i−1L62)−L236(t2−1LlO)−3ユ08(αt+0・03)
2
−4.268(α2十〇.065)十〇.001036(h−225)−5.9862n(1十U)
・・2.・・92n(1+θ161)−1・5・S72。(1ま署)一・・9S22。(器)(・…3)
を得た。その回帰偏差の不偏分散の平方根はLO6 maであり、総たわみおよび分解され
た各荷重によるたわみは図7.2.3に示すとk・りである。初期の流動変形の様相が凶7. 2.1
と異なるのは水圧荷重によるたわみとして(7.L2.)式を与えたためであり、水圧荷重
による下流方向たわみが(7.2.1)式より大きくなるのは、この中に流動変形の持分が
含まれるためである。
たん水初期を除いて流動変形は大体定値をとる。しだがって綾北ダムは40年度現在
安定した挙動を繰り返しているものと考えられるであろうtJしかし回帰偏差の不偏分散
の平方根がたん水初期のそれの2倍以上になつている。 Xにむいて流動変形の動き、
あるいは回帰偏差の不偏分散よりダムの安全性の検討が行なわれるe
z4)
2.2 鳴子ダム
鳴子ダムにtsいては、水圧荷重によるたわみを単に次式
δh=C、(h−h。)+c,(h−h。ナーc,(h−h。)s
一129一
(7.2.4)
とし、たん水初期の入力データ組数を殊更に多くとることなく比較的容易にたん水初期
の流動変形の検出が可能で、蓮回帰分析によらな〈ても、図上たわみの観測値の変動か
ら、この流動変形を確認することができるであろう。
t
さて、流動変形が顕著と思われる時点としてθこ=0,50,100・365,800・1460
(原点はたん水前100日)を選定し、昭和32年4月5日より昭和36年12月20日
までの約4年9ケ月にわたる120組の資料について解析し、有意となつた因子にっい
て、頂部標高ts xび甲間標高のたわみ626。, 8215の回帰式をつくつてみると
3,,。一一25.196−・8529(t,−6.144)−11.194(α,一・.1267)
2
−L148(αs−0.0562)十〇.7516(h−179.6)−0.0265(h−179.6)
・・…267(h−・7・9.・)⑨+1・2.・・69…(1+e)−12.857…(∼6:)
−31.371ユ・・(1十e1461),h>225・ ,(・…2・・)
ハ
δ215=−15.597−0.2514(t・−6.144)−4・147(α1−0・1267)
十1.579(α2−0.107)十〇.4624(αs−0.0562)
−O.05567(h−179.6)十〇.002577(h−179.6)2十7.764109(1十θ)
一・6.338・・o・C蒜〃)−14・16ユ・g(1十θ1461),h>215・ (・・…)
回帰偏差の不偏轍の平方根はA626。に対し・.、・■,亀、5に対して…m(・あった。
総たわみbよび分解された各因子によるたわみは図7.2.4,図7.2.5に示すとおりであ
り♂26。,含、、5の流動変形は昭和32年・月・・日より・ケ月の間にそれぞれ下流へ…,
5・rm程度進行している。その後は大体安定していると:考えてさしつかえないであろう。
75)
2.3 二瀬および室牧ダム
ニ瀬および室牧ダムの水圧荷重によるたわみは単に(7.1.2)式に従うものとして解析
した。したがつて2回以上水位が繰り返す上方水位変動によるたわみは検出されるとし
ても、低い水位に対するたわみまたは初期流動変形の検出は不可能となる。
(1) 二瀬ダム
昭和35年11月16日以降昭和37年5月までの32組の資料に対して、流動変
形の基準点とし ti t=0・100,110・120・130・200・300・450 を与え解析し・
頂部たわみに関する次式
合_22.4.7、8− 1.5 3(七,−145)−11.22(α.+。,2.343)
+…172(h−445)2−・・38・・g(1+の・・3…7・・o・(畏)
+51.・・㎏(瀞 (7・…)
を得た。その回帰偏差の不偏分散の平方根は 1.06Wtであり、各因子の持分は図7.2.
6に図示されるとX・りである。図より初期の3ケ月間に約15ロ上流に動き、以降
15ケ月間に6観回復する流動変形が見られる。水圧荷重によるたわみを(7.1.2)
式で与えるために、正確に初期流動変形の推定はできないがたん水後温度および水圧
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一132一
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荷重によるたbみは下流向であるにもかかわらず、たわみがほぼ定値をとるのは明ら
かに上流向の流動変形の存在を示唆するものである。これは、下部に水圧荷重がかか
つた場合の下部の流勤変形が上部より下流側に大きいfcめに生ずるのであつう。
② 室牧ダム
昭和36年3月30日より38年6月まであ70組の資料について、流動変形が顕
著と思われる時点としてθ・=0,100,200,400,700(たん水開始前100日を原
し
点にとる)を選定し、堤頂のたわみδにっいての解析の結果、次式
ハ
δ==−12.76−0.5706(七s −5.23)−3.1 4 5(α2十〇.518)
+0.00115(h−185)2+6.037i。9(1+の
一・98・…(1十ti401) (・・…)
を得た。その回帰偏差の不偏分散の平方根は1.94m・であつた。
〔3〕考 察
3.1 流動変形によるたわみ
(1) アーチダムの非可逆的挙動を示す流動変形は一般にたん水初期に顕著であり数ケ月
で大体安定するようである。
(2}鳴子、綾北、室牧ダムでは、下流向流動変形がたん水開始後観察されるが、二瀬ダ
ムでは上流向のかなり顕著な流動変形がみられる。これは中間水位がかなり長期間継
涜し、下部岩盤の流動変形が上部岩盤より大きかつたためと考えられる。
(3) 二tw .鳴子ダムでは図より容易に流勤変形の存在を確認することができる。これは
両ダムの基礎が軟弱で流動変形が顕著であることによるものと思われる。
.二瀬ダムの流動変形の図上推定については既述のとおりである。鳴子タ’ムの流動変
形は、水位、堤体平均温度、温度こう配のほぼ等しい昭和32年5月13日と昭和
33年5月20Hのたわみの値に約5期の差があること、精密三角測量の結果より検
7.6)
証することができる。
(4) 流動変形が緩慢に生起するものと仮定し、たん水開始後1,2ケ月間,の毎日の資料
を入力として与えることによって、たん水初期の流動変形をより正確に検出すること
ができる。
(5) 水圧荷重によるたわみ式として水深の2乗あるいは4乗式を仮定する場合は・流動
変形の一部が尖は水圧荷重によるたわみであることが考えられるから注意を要する。
3.2 水圧荷電によるたわみ ・
(1) 綾北ダム
綾北ダムのEユ.248.3に対するE1. 273およびE1.298のクラウンの水圧荷重による
相対たわみは、次式
一133一
合。.298−・.…592・(h.−225 )’一 o.・・…848(h−・225)1(291・・−h)(・…1)
S。.273−・.…5772(h−225)2−・・…4457(h−225)2(291・・−h) (7・…)
のと鉛りであった。上式を図示した図7.3.1において太い実線は、この水位たわみ曲
線より得られた水位El.291に対するクラウンのたわみ曲線でE1・248.3以下は外挿
による推定線であり、外挿線を求める方法については後述する。
水圧荷重によるたわみは、下部において急変し、上部での増減は緩慢である。(7.
3、1),(7.3.2)式で計算される綾北ダムの水圧荷重による相対たわみが非常に小
さいのは主にこの理由κよる。
(2) 鳴子ダム
鳴子ダムのE1.179に対するE1.260,肌.215の水圧荷重による相対たわみは次式
S。.26。=・ O.7516(h−・179・・)一・・26・(h 一一 179・・)2
s
+O.OOO267(h−179.6) (7.3.3)
ただし h>225m
♂恥215−一・・5567(h− 179.・)・α・・2577(h−179・・)2 (7・…)
ただし h>215m
である。各標高の水位たわみ曲線は図7.3.2に図示されるとtsりであり、これより水
位EL254,E1・230のクラウソのたわみ曲線を推定することができる。この肌・254のた
わみ曲線より水位El.254に対して、アーチ作用部分の頂部、 El 254のたわみは約1 7・5
UUであることがわかる.な澄鳴子ダムに対して、上部たわみ曲線の変化率はかなり大き
い。鳴子ダムの流動変形の推定はかなり正確なものであると考えられるから、水圧荷
重によるたわみの推定もまた正確なものであろう。
(3 二瀬ダム,室牧ダム
ニ瀬ダムの水圧荷重によるクラウン頂部E1.545のたわみ
2
δh.545 =・・OO172(h−455) (7・3・ 5)
を図示した図7.3.3にむいて矢印のE1.500∼E1.537の区間において水位は2回以上
繰り返し、この区間の水位の㊧劫に対するたわみ8.2顕はかなり正確な値であるが、
E1・500の水位に対するたわみが、3.4mであると断定できない。何故ならこの中に流
動変勅の持分が若干含まれているかもわからないからである。
同様室牧ダムのクラウソの頂部E1・260のたわみ
δ。.26。一…115(h−18S)t (・・…)
を図示した図7.3.3より水位Eユ.222∼EL 255の変動に対するたわみ4Mは保障で
きるとしても、水位El・222のたわみ1.5mの中に、流動変形の持分が含まれている
かもわからない,)
一134一
図7.3.1綾北ダムのクラウソのたわみ曲線bよび水位たbみ曲線
543Z lO−1−2−3−4−5
タ
フk
日.241。たわみ吻線
(εε)楡£担
0」.弓
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∈1.273・水位た枯曲線
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日.z98。始励漣線
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23。Z4。。旬・④ 27。2802903°°
繰亮(水位)m
図7.3.2
鳴子ダムのクラウンのたわみ曲線
および水位たわみ曲線
30
20
(ε5
180 1¶O tOO Z‘O ZZO ∼SOよω∼め
榛 高‘ヲドft)m
一135一
図7.3.3 二瀬,室牧ダムのクラウンの水位たわみ曲線
lO
へεε)斥
=瀬ダム
@ 日.545
室放ダム
5
@ Eし260
0
二瀬外
400 470
4∼「0 4?0 500 510 5ZO 530 540 550
lqO ZOO
ZIO ZZO 230 Z40 Z50 Z60 270 2δ0
堂牧ダム
水 位(m)
一136一
したがつて、ベースに対するアーチ作用部分の頂部に紺る・水圧荷重によるたわみ
は正確にはわからないが、二灘・では・.・口+・・室牧ダ・では4M・βとすると
α,βは正の“小さい値をとることが考えられる・何故・t・6二瀬ダムで時底厚の大き
い厚肉ダムであり、室牧ダムで峰底厚の小さい薄肉アーチダムで下方水位による下
部たわみの上方への伝達が小さいものと考えられるからである.
杜、水圧荷重によるft・bみの小さい二瀬,室牧ダ・では上部…1・ける水圧荷重に
よる杜みの変化率が小さL・もρと考えられる・すlt・bち堤頂のたわみとアーチ作用
部分の頂部のたbみは近似的に等しいであろう●
以上の考察からa == 2M,β一1Mt推定すれば・二瀬ダムのクラウンのEl・5 3 7
のたわみは 10.2m、室牧ダムのE1・254・7のたわみは.5 Uとなる・
7.7)
3.3 温度荷重によるたわみ
堤体平均温度と温度。う配の間に高い相関力・あるため両因子による袖みを完全に分
離することは不可能であるので、両因子によるたわみの和について検討する。
図7.3.4 綾北ダムの温度荷重によるたわみの変動
(1) 綾北ダム
図7.3.4 は綾北ダムのたん水
開始のたわみを零とするたわみ
曲線の変動を各時点におけるE1・
273,E1.2 g8の温度荷重による
たわみより求めたものである・
綾北ダムのたわみはEl.248に
対するものであるから、それ以
下のたわみは外挿によって推定
する.この図から綾北ダムのト
t
下
竃肛
、,〉・
ツプアーチクラウソのEl・2 2 5に対する相対た
わみの最大変化量は約36Mであることがわか
る.
② 鳴子ダム
図7.3.5は鳴子ダムのたん水開始のたわみを零
とするたわみ曲線の変動を各時点の】阻・215・
E1.260の温度荷重によるたわみより求めたも
のである.この図から鳴子ダムのトップアー
チクラウンのたわみの変化量は約24Uである・
③ 二瀬,室牧ダム
ニ瀬ダムの温度荷重によるたわみの変化量
」 、sφ・
図73.5 鳴子ダムの温度荷重によるたわみの変動
一137一
は約23an、室牧ダムのそれは約20mであったe
3.4 精密三角測量との比較
鳴子ダムの精密三角測量による変位の測定精度が、プラムラインによるたわみの実測
値との比較によりかなり高い.ものであり、また両者を比較することによつて、鳴子ダ
7.6)
ムの基礎岩盤の流動変形を推定できることについては、すでに検討が行われているので
説明を省略し、ここでは綾北ダムの精密三角測量の成果にっいて検討を行たう。
(1) 綾北ダムの精密三角測量
綾北ダムの堤体には変位観測用の測点が29個とりつけられ、精密三角測量によつ
てCの水平変位bよび鉛直変位が測定される。 アーチダムの下流7ケ所の基準点に
ょって三角網を構成し、この基準点よりウィルドTs経緯儀をもつて測点を観測する。
測量は宮崎県企業局より国土地理院に依頼し、昭和35年より38年まで観測精度
1Mを目途に5回の観測を行なつている。すなわち
第1回 (昭和35年1月26日∼2月 9日)
第2回 (昭和35年7月 6日∼7月20日)
第3回 (昭和36年1月10日∼1月24日)
第4回 (昭和37年1月17日∼1月31日)
第5回((昭和38年1月22日∼2月10日)
クラウソのEl・290,275,260,245における測点A6,B5,C。,D.aの第1回測定期日
からの変位を、半径方向変位に換算し、表7.3.1にとりまとめた。
衷7.3,1 綾北ダムクラウンの半径方向変位(精密三角測量)
1
ト」∼_L旦」
(3)
(4
135.1/26∼ [;:誓 36.1/17∼ 37.1/17∼
2/9
1/31 1/31
3.4an
L6
:li:
2.5
(5)
38.1/22∼
晶゜1
1:9−
12.・
5.8
5.8
L2
この精密三角測量による変位とプラムラインによるたわみを比較検討してみよう。
精密三角測量は約2週間にわたり行なわれ、その間に温度tsよび水位の条件は刻々に
変動するので、その中間時点を三角測量測定期日と考える。すなわち第2回測定期日
を昭和35年7月13日とし、この時点における三角測量による変位とプラムライソ
によるたわみを図7,3.6に図示した。
三角測量の基準となる第1回測定期日昭和35年2月1日よりたん水を開始する昭
和35年4月2日まで、アーチダムは上流方向に変位する。その変位量は昭和36年
にむける同上期間の温度荷重によるたわみ量に等しいものとしてこのたわみ量を加算
した換算たわみを、同じく図7’3.6に画いた。プラムライソによるたわみは肌.248.3
に対する相対たわみであるから、この換算たわみ曲線を平行移動させれげ、三角測量
一138一
による変位と重ね合わせることができる筈で、事実そう1ることから三角測量の精度
がきわめて高いものと判断されるであろう。
なto、三角測量○下方外挿線が基底と交わる点が近似的に零であることは、初期の
基底基礎岩盤の流動変形が小さいことを意味する。
また、第3,4,5回観測にk・いてE1.275とEユ.260の変位量が何れも大体等しい
ことは、この間にbいて下部の下流方向の流動変形の存在を示唆するもので、このこ
とにっいては】Xて考察を進める。
② 綾北ダムの水圧荷重によるペースに対するたわみの推定
綾北グムではブノムラインによつてM・248.3に対する相対fcわみしか四tSlllされない。
ぺ一スに対するたわみの図7.3.1の外挿線による推定はきわめて不正惟なものでちる。
綾北ダムの三角測量の精度はかなり高いものであることは既述のとおりで、図7.36
によつて綾北ダムの絶対変位が負、すなわち上流方向であることは、綾北ダムの水圧
荷重による変位が温度荷差のそれに比し、非常に小さいものであることを暗示する。
また表7.3.1にk・いて第1,3,4,5回測定の期日は何れも1月下旬であり・温度条
件は大体同じであるが、第1回測定期日においては水圧荷重は作用しないから・もし
水圧荷重による変位が大きいものであるなら、第3,4,5回に●ける下流方向変位量
はもつと大きくなつても良さそうなものである。
図7.3,1の外挿によるたわみの推定は不正確であるが、総たわみ量および温度荷重
によるベースに対するたわみの外挿にょる推定は両たわみ曲線が図7.3.7に見られる
よちに上に凸であるためかなり正確なものと考えられる。
図7.3.7にk・いて細い実線は昭和35年7月4日におけるプラムラインによる総た
わみ曲線で、点線は解析によつて得られた温度荷重によるたわみと流動変形の和であり、
何れも外挿によってE1.248.3以下のたわみ曲線を推定し、平行移動によつてベースに
対する曲線を求めている。さて
水圧荷重による総たわみ
=総たわみ一(温度荷重によるたわみ十流動変形)
であるから、図の実線で示される昭和35年7月4日の水位E1.291・5に対する水圧荷
重によるペースからのたわみ曲線を求めることができるのである。
かくして水位El. 291に対してアーチ作用部分頂部標高肌.291のたわみは約7ra
と推定さn、温度荷重によるたわみに比してきわめて小さいことがわかる。
3.5 無次元解析法によるたわみ計算値どの比較’
(1) 水圧荷重に対して
綾北、室牧、二瀬、鳴子ダムのクラウン頂部の水圧荷重および温度荷重によるべ一スに
対するたわみの推定値はかくして表7.3.2のとおりとなる。これは室牧ダムを除いてベー
スに対する相対たわみであり(室牧ダムは視進測量のため絶対変位に近い値である)
これを絶対変位に換算するためには、クラウソのベース自身の変位最を想定し、これ
を加算しなければならない。水圧荷重による基礎岩盤の変位は非常に小さいものでこ
れを約2anと仮定し、水圧荷重によるクラウン頂部のたわみを綾北9an,室牧5en,
−139一
図7. 3.6綾北ダムのクラウソの変位
3・・=「==二「二IT−JIJ−一一圭;珪二ニコ
酬一 @ 「/二傘 L−一
鋤一 @ /謡ピ・r’ ’”i
標高
:::L ∼ξゴー∴.仁1:−
へm)
25。_一_ / 1.一 一__r
O精密三角測量
240 ・…・一一一寸一一一一一・ ●プラムライン
靴/1・一」一一:二篇震lll麟
5 0 変位 (an) −10 −20
図7.3.7 綾北ダムの水圧荷重によるたわみの推定
一’“一一 ”一「…’………一一一”「一…’
300
,● ’『 ↓/
標
290P−一一一一一・一一
−7〆一一}
2801__一._..一
一一一…一十一一・一一・
高
.4−..
270!
{/
L.
3260卜一一一
250ト…・一一一一一一・
「±プ,。ラインに、る相対たわみ
1/
240
一一一・
キ度荷重によるたわみ
+流動変形
230
/一一一.・一一・一一一一
(na)『
10 ’ 0 たわみ
表7.3.2
o 水圧荷重によるたわみ推定値
一10 −20
k・7.・.・綾・確牧,鳴も二瀬ダムのアーチ剛度晋
水圧荷重、温度荷重によるクラウン頂部
・s・び片持ば噸晋
のたわみ
水圧荷重
綾北ダム 7 1ロー一一一
室牧ダム 5
温度訂
3一
Ho
フ五一{
O13言 「亘190
三蒜:巨吾短:
.2 0
一
@ 1 α2
2 3
ツ子ダム
2 4
一一一=
瀬ダムー÷一一一一一一一一一一一一一’
TT。 Tb
冨三つ:−la一
一140一
。51丁石一「δご砺
二瀬12ma,鳴子20naとして、実測解析より得られたたわみの無次元量Wa を求め
る。ただしEc=300,000 Fg/㎡とし、ダム高Hoとして表5.1のアーチ作用部分の
高さH‘を使用した。
無次元解析法によるたわみの計算無次元量Wc(以下単にWcを計算無次元たわみ,
Waを実測無次元たわみと言う)は綾北、室牧、二瀬、鳴子ダムのアーチ、片持ばり剛
度が表7.3.3のと$・りであるから、図4.5.6k・よび図4.5.7より直ちに求めることが
できる。WaとWcの関係は図7.3.8に図示されるとbりで、もし両値とも正しい推定
値であれば、図の実線上に点がプロットされなければならない。
図73.8計算無次元たわみWcと実測無次元たわみWaとの関係
{粉d
ρ1…一斗…一一・一…一一1.一
一“ ?x
i二領
T−,残
一_.↓.『『
一t 一● ’9
L−t一
、L.._..t_,一
巨’、
5r…一一」
「一一’ P
一十一十
●と⊂3ウぴポ渚1
θ
室イ矧
。E・二4・⑳膨,、Z
ポ…tt ”ち“『 『“ ” 、6
Wa
綾北および二瀬ダムの実測無次元たわみWaは計算無次元たわみWcより小さい。しか
し両ダムのEc=400,000K彩儲とすれば、図7.3.8の白丸のとおりとなり、実線に近
づく。
このようにWcとWaが完全に一致しない理由として次の事項が考えられる。
Waの推定に対して
③ コンクリートの弾性係数Ecの正確な値が不明である。
② プラムライソによつてペースに対する相対たわみが観測されるものであり、水圧
荷重による基礎岩盤変位を含む絶対変位の推定に誤差がはいる。
③とくに・室牧、二瀬ダムでは流動変形と水圧荷重との分離が不十分である。
④アーチ作用部分における頂部のたわみ換算が不正確である。
一141一
Wcの推定について
①W。はクラウンカソテイ・レパー法によつて得られた、たわみ無次元量の近似値で
ある。
② 鉛直水圧荷重、揚圧力等の影響を考慮しない。
③ コソクリート基礎岩盤の弾性係数の比を・上部で2・5・下部で8と仮定した。
7.8)
たわみに関してEe/巴hの影響がかなり顕著である。
④ クレスト厚とダム高の比を一定とした。
⑮周辺サドルの影響を考慮しない。
⑥片持ばり要素、アーチ要素にクラツクがはいる。
なおEc=300,000}K9/㎡としたときの綾北ダムの実測たわみWaが小さい理由として、
Ecの過小評価、片持ばり要素にクラツクがはいり 下方たわみの上方への伝達が不
十分、周辺にナドルがはいり、また基礎岩盤の弾性係数が 予想以上に良好なことな
どが考えられる。
二瀬ダムでは主K流動変形と水圧荷重による分離が不+分であることに帰因するも
のと思われる。
以上の考察により図4.5.⇔よび図4・5・7より得られ71 Wcに対してクラウソ頂部の
たわみは、次の近似式
・h−(・…22−・…35)W。罵 (7・ 3・ 7)
ただしE、−30・・…∼4°°’・0°t:Ptledi
によつて推定されるであろう。ここにHoの単位はm・δhの単位はmaである。
コソクリートの弾性係数Eの大きい場合はその下限値をとる方がよいものと思われる。
(
(2) 温度荷重に対して
衷7.3.2の温度荷重に上るたわみをδtaとする。次に図4.5.19,図4.5.20にお
ける堤体平均温度によるたわみの無次元量W△ttsよび図4.5.34, 図4.5.35にb
ける温度こう配による無次元量W.を4ダムについて求める。ここに
w。t一識・児㌔轟 一)
上式によつて、堤体平均温度$・よび温度こう配による年間のたわみの変化量を求める
ことができるが、図7.1.1,2,3,4より考察されるように・両温度荷重の間に約
1ケ月の位相差が存在し、また温度こう配によるたわみ量は満水時に対する値で・最
高、最低堤体平均温度時に必ずしも満水位でないことから・上式によつて計算された
各温度荷重によるたわみの和は、δ七aより大きい値をとる筈である。
また図3.3.5に示される堤厚と堤体平均温度の年間の変化量との関係式は鳴子ダム
では少し大きすぎるようであり、厚肉アーチダムではW.式分母の係数として16よ
りむしろ14をとる方が妥当であると考えられる。
このような考察から年間の温度変化に対するたわみが次式
δ七。一(・・∼1・・)W・・+(・・14∼°・16)且・W・
(7.3. 9)
一le一
1
で推定できるものとする。ここにHoの単位はm・δtcの単位はanである。
鳴子ダムでは上式第1項の下限を、その他のダムでは第1項上限をとり、温度荷重
によるたわみの計算変化債δ t. eを推定すれば表7・3・4のとおりとなる。
l一一一『’…一’一”一””一一一r’一.一一.一.一一一.t−
uf’一”“’一一』…’”“i…一一一 一”←一一“−1−’f””r’』一’一”…一一〔一一一…}’ i 二瀬ダム 1鳴子ダム
L___._−i.竺巴一室牧タ1二
}. :
L竺__、⊥∴7 i19
1 i
L竺㌧___!_一.一⊥.
μ1二_⊥で∴±.こ1..
÷一・・…寸∵∵1∵
宴ソ8∵_三…
..
・ 79 m ;
m l 82 皿
?D.t− ..『..._ −L....,一』
; l
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L』∵亘.,L_−1.. −..:L∵ i:三一
・・6H諏 1・ i・ _} i−_…i
.__一一一_.._....^_._
ma i 10 an 9 rm
m..・ i、一._、。._」
、_,
獅121ua{25・・
1
…∵一
『…’23maド』’1 ’a”−i i
, i l
_一一一.−4
表7.3.4
堤体平均温度と温度こう配によるたわみの無次元量より計算
された温度荷重によるたわみの年間変化量
表7・3・4において計算によるたわみδXCと・実測解析によつて得られたたわみδ玖と
を比較すればわかるように(7.3.9)式は温度荷重によるたわみ概算式として適切で
あるように思われる。
一143一
遁 ひずみの解析
〔1〕概
説
アーチダムの堤体に生ずるひずみの解析もまた、たわみの解析と同様の手法すなわち水圧、
温度荷重との回帰式を解くことによつて実行可能である。
しかしながら.コンクリート内部に生ずるひずみは上記2因子以外に、種々の局部的諸因
子の影響を受tt ’きわめて複雑な様相を呈するのでプラムラインによるたわみ解析のように
高い精度で解析することは困難である。
ひずみ解析の精匿の低下の原因の一つとして、ひずみ訂白身、 プラムラインのように高い
精度が期待できないことが考えられるが、ひずみの補正計算によつて得られた換算ひずみ
(弾性係数を乗ずることによつて直ちに応力が得られるひずみ)の値もまた、ダムの継目の
影響、コンクリート、基{岩盤の異方性、非均質性、クリープ、塑性変形、クラソクの影響、
間隙水圧、応力集中、基礎接触面にかける拘束応力、曲がりばりのための平面保持の法則が
適用できないことltどのため、荷重分割計算や模型実験による推定値とは異なつたものであ
るとされている。8・1)・8・2)
とく1,ンクリー,打設当初陣いて、,ソク・,一・の自己成長卸流動変形等のため.
厳密な解析はほとんど不可能で、ここでは複雑な履歴をもつたん水開始前の解析を避け.コ
ンクリートの性質が比較的安定するたん開始以降に解析の範囲を限定し、解析の手法の確立
を目的とし、ひずみの挙動柱性を追求するに止める。
アーチダムの堤体には、3.5,9成分のひずみが計測さnるようにスパイダーの先端にひず
み計がとりつけられてかり、いわゆる体積膨脹補正と、主応力、せん断力の計算を可能にし
ている。8’4) ダム表面近くには、その一つE、がダム面に垂直となるように5成分ひずみ計
(El,与,E3,域,E5)が埋設されている。
このダム面に垂直に埋設されたひずみ計のひずみによつて、コンクリートの膨脹係数、ボ
アソン比、弾性係数を推走し、しかる後、体積膨脹補正、ボアソン比の補正、温度補jEを行
い、補正ひずみを計算する。
皿に既述のように、補正ひずみの中には
自己こう束応力によるひずみが含まnるか
ら、補正ひずみに弾性係数を乗じて求めら
れる応力からは自己こう束応力を
(3.3.27)式に促い取り除かなければ、
真の応力の推定ができない。
図8.1.1は5成分のひずみ計の各ひずみ
一E,
上,下琉面
計の方向を示すもので、1場はアーチ方向、
・二重□方白
且4は片持ばり方向ひずみを計測するひずみ
計である。本章ではひずみ計をE,ひずみ
Ez
をεの記号で表わすuまた引張応力による
ひずみを正とする。
−144一
図8.Ll 5成分ひずみ計
〔2〕ひずみの補正計算
2.1 ひずみの補正計算
電気抵抗式ひずみ計は、ひずみが電気抵抗比に比例する性質を応用したものであるが、
コソクリートとひずみ計の膨脹係数の相違のための補正計算が、抵抗比よりひずみを算
定する過程で行われる。かくして求められたひずみを測定ひずみ Erとする。
図3.3.3で考察したように、等値直線温度に基づくコンクリートの膨脹ひずみは、両
端で拘束がなけれは何ら応力に関係しない。コンクリートの膨脹係数をCt .ひずみ計
埋設点の等値直線温度をtとすれば、温度膨脹補正を行なつたひずみ 写は
ξ1 ξ乙一・しt (8・2・1)
ここにi=1.2,………,5である。なtsたん水開始よりのひずみ、温度上昇fi .温鹿補
正ひずみを△6i,△・,△ξとすれer.
ノ
ムξど一△吃一・t△・ (8・2・2)
である。
さて、弾性理論によれば、体積膨脹ひずみ
△v=△毛+△c.:+△ε’バム乞+△㌔+△乙
t
であるから
△≦+△乞一△4・△乙 (8.・2.・3)
したがつてその差
’ ,
ノ
ζ==(△ξz十△ど4)一(△Z三s十△55) (&2.4)
が温度補正ひずみ△ど’、,△乙,………,△ξ’,に比して小さいほど観測の精度は良好で
ある。この誤差ζlt ,次のように体積膨脹補正を行い各方向ひずみに配分する。
ζ・・一芸(△ち+△E’,+△ξ’、+△ε’5)一(△乙+△ε’.) (8・2・5)
ζ・、.,一](△乞+△9’,+△61+△e’5)一(△E’,+△E’、)(8….・)
ζ・ζ・一{ζ、.、 (8.2、7)
ζ’・一ζ・{C、.、 (・・2・・)
tX
かくして、温度膨脹●よび体積膨脹補正の行われたひずみε.はi=2,3,4.5に☆」して
し
ご_ムピ+ζ.,乏1−△ξ1ノ (8.2.9)
( し レ
である。したがつて次式によつてボアソン比の補正を行えば、コンクリートの弾性係数
を乗ずることによつて、直ちに応力が求められる補正ひずみ5f’が得られるであろう。
L
すなわちコンクリートのボアソン比をVとするとき
ε”;一( 11十〃)(1−2v){(1−〃)9・’1+v(ぢ・E・)} (8・・・…)
£”1・一(、+りi、−2“){(・一・)d2+〃(E・+ζ1)} (8・・・…)
弓一( 1 {(1−〃1十〃)(1−2〃))己+〃(ξ㌔・E”z)}
8・5)
9成分の場合も同様、補正ひずみを求めることができる。
一145一
( 8.2.12 )
22 温度膨脹係数、ボアソソ比、弾性係数の算定
補正ひずみを求めるためには、適正な温度膨脹係数c£、teよびボアソン比vを推定
しなければならない。
従来、甑臓係数・七は無応力ひずみ計の’ひずみの挙動から推定し・ボアソン比”
は無応力ひずみ計により得られたCtを使用し、下流面に垂直に埋設されたひずみ計K
よるひずみの値を零とするように算定する方法、あるいは実験室において求める方法が
とられている(!’6)
たとえぱ綾北ダムのEノ.275に埋設された無応力ひずみ計のひずみは、図8.2」
のように変動する。計器を埋設した昭和34年4月25日より同年9月17日までは温
度膨脹と自己成長によるひずみであるが、自己成長が停止してからの変動図のこう配か
ら・,≒・・であることが推察される・
_6
3ん◎6
怩O
v4弔ノ9
34虜3
0
瓢64
n.4万∫2」⊥
3ぷ.4.24
37z6
1 激!12δ
O
/0
2ρ
3θセ
図8.2.1綾北ダムの無応力ひずみ計の拳動(Eム275)
しかしながら、コンクリートの性質は均質なものでなく、コンクリートのCt , vは
場所により異なるo
とくにアーチダムの上部断面のひずみは温度の影響を顕著に受けるため、c七の値の
僅かの差によつて、補正ひずみの値が大きく変わるから、よb適切なCt tSよびvの算
定が望まれる。
ここでは5成分ひずみ計にbいて、〆ム面に垂直にダム面の近傍に埋設されたひずみ
計E、の補正ひずみが、下流面に対して近似的に零、上流面に対しては、水圧荷重のみの
影響を受ける性質を利用して、これに最小二乗法を適用し、コンクリートのCt,〃b
よび弾性係数Ecを推定する方法を提案する。
さて(8.・2.・0)式va・ts hて・補正ひずみε∵はた次式
一146一
弓一(1+。)i1_2万{(1−v)△己・S(△・・’・・△・・’3・△・1・△・・ ’s)}
のとtoり表わすことができる。上式に(8.2.2)式を代入しかつ
E≡圭(△・9・+△ξ・+△ξ・+△・・)一△㍉ (&2・・3)
とすれば
E’:一(、+り}卜市・・ (−4)
ただし
。、・・=△ε,+vE−(1+・)・t△t (&2.15)
である。さてここでど”1,したがつてelを近似的に零とする条件あるいは
Σe言 → 最iJ、 ( 8.2.16 )
とするc七を与えられたvに対する最適温度膨脹係数とすれば、最小二乗法により
2
旦堤L・Σ・・舞・ (一)
∴c, 一一/−El1’i(ζ‘△t1十レ)芸響一 (−8)
を得ることができる。Ctk・よびvの両値に対して(8.2.16)式を満足するように最
小二乗法によつてCt およびレを求めることも可能であるが説明を省略する。
(8.2.18)式は下流面の温度膨脹係数算定法であるが、上流面のE;は同時に水圧荷
重の影響を受け変動する。
すなわち
tfll
e1= bh(h−h∂ (& 2・19)
ここにh〈hcのときh−h(=0とする。 hは水位・h乙は計器埋設点の標高・bhは・
未知の係数である。
(8.2.14),(8.2.15),(8.2.19)式より観測偏差θに対して次の線型回帰模型
が成立するであろう。すなわち
て㌻『(vE △t−’i=”2 iT)=Ct i−=2“+bh(h’・h。)・・ (一・)
上式の未知量c七 ●よびbhの不偏推定値tsよびその有意性は、重回帰における有
意性検定法はつて求める。とができる.な飢,ンクリー,の弾性係数は9、より
次のように誘導されるであろう。すなわち水の単位体積重量をWとし、引張応力i’Cよ
るひずみを正にとるとき
εi−一⊥書一 (一・)
し
であるから(8.2.19),(8.2. 21)式から
E・ =’ ”E、 (8・ 2・ 22)
を得る。
原理的には、(8.2.18),(8.2.20)式は正しいが、観測偏差が大きい場合には、
むしろ常数項cを考え次式
一147一
△ε、+vE
(1+v)(1−2v)
セ
=c+Ct 1−2、+θ
( 8.2.23 )
あるいは
△Ci+vE
At
(、+“)(、一、。)一・+・・、−2〃+bh(h’ hc)+e (8・ 2・ 24)
に、つて6、冷を求める方がよいものと思われる.(8・・…23)式は上流面・
(8.2.24)は下流面にbける線型回帰模型で、
△ε,+vE
Y=
(1十v)(1−2v)
( 8.2、25 )
△t
Xi=
1−2v
( 8.2.26 )
X』=(h−hc )
( 8.2.27 )
とすれば
次の連立方程式の根が(8.2.24)式の解となる。す左わち
( 8.2.28 )
ここに*は対称行列の各要素を意味する。
2.3 適 用 例
綾北ダムクラウンのEノ.275の下流面より1m(堤厚6」03m)の点に埋設されたひ
ずみ計E−22の・tの値を・一・・2とし・(8・・2・・8)式より算定したところ11・83
.、“を得た.8・7) 図8.・・.・はE−22のei、.、(・−1・2・・)の勒姻
示したものであるが・ε㌫の値はきわめてij・さく・解析の鞭が良好であることを示
唆する。
図8. 2. 2 綾北ダムのひずみ計E−22の補正ひずみの挙動
一148一
同様・一・・8の仮定に対して求められた令♂・び9、は次表のとbbである・
E−22
一6
PL96×10
令t
E−8
E−21
一6
W.665×10
1181×10−6
一6−0.5786×10
令、
一
一
一6
Q8.93×10
回帰偏差の不偏分散の平方根
一6
P5.81×10
一6
P7.42×10
含もの不偏分散の平方根
一6
O.458×10
0541×1σ寺
一6
O.739×10
計 算 式
(&a20)式
■
i8.2.20)式
(8.2.20)式
35.4/2∼36.10/3
35.4/2∼38.5/28
解 析 の 期 間
昭35.4/2∼38.5/28
86
60
資 料 組 数
89
標 高 (クラウン)
E1,275
El.275
El.245
上、下流面よりの距離
下一 1皿
上一 1m
上一 1m
堤 厚
6.103皿
6.103皿
10241m
表8.・2. 1 綾北ダムのひずみ計埋設点における温度膨脹係数
E−21の補正ひずみの変動図は図8.2.3のとbりであり、E”i,,.iを昭和36年冬
季に零に近似させることはできない。
ξ1.、も同様であり綱端拘束嵯つく温度荷重の影響を.受けること舗示するが
一応補正計算は正しいものとしてE−8埋設点のコンクリート弾性係数をbh の値よ
り求めれば W=lton/hfとして
E,一
B,k,,…e(t・n/・IPt)
= 175,000 (Kg/そ㎡)
である。bbの不偏分散の平方根
は0.1067×1〔戸であり.Ecの
不偏分散の平方根は32,000Kg/冨
となる。
図8.2.3
綾北ダムのひずみ計E−21の
補正ひずみの挙動
一149一
〔3〕ひずみの解析
3.1 概 説
Pt1
補正ひずみとは主として水圧荷重●よび温度荷重の影響を受け変動するであろう。水
圧荷重による補正ひずみ}t ,演水位に対して水深に正比例するから、水位に対するひず
みが(3.4.4)式に従うものとし、たわみの場合と同様補正ひずみに関する次の線型回
帰模型
ε=k+Σ・・t:+Σb乙α。+C、(n−h。)+C・(h−・he)(h・−h)
L
+c、(h−h。)2(h,−h)+e (8.3.1)
が成立するものとする。ここにkは常数項,a∼,b(は堤体平均温度t乙,温度こう配α乙
にかかる未知係数、eは偏差である。また下部標高よりi=1.2,3,………をとるものと
する。
なお解析の期間をたん水開始後1∼2年にとり、この間にts hてクリープの進行はき
わめて緩慢なものとして、流動変形は除いて解析するが、もしクリープが顕著であれば、
流動変形を表わす対数項を挿入しなければなら左いであろう。
3・2 ひずみの解析
綾北ダムのE2.245,E㊨.275,EZ.285にtsける堤体平均温度、温度こう配を
t1,vz,t3,a1,α2,αsとし、 he =291.5,h。=238.94を与え、 Eノ.275の
下流面より1皿の点に埋設されたひずみ計E−22のアーチ方向の補正ひずみEllt22_ 2
に対して解析の結果、次式を得た。87)
2ち、一、一一・α28(・,一・・.・・)・&5・・(t・一・1・8・)−2&・4(・・+・・5)
−1.375(h−238.94)十〇.04273(h−238.94)(291.5−h)
(8.3.2)
l Jt
を得た。同様に片持ばり方向のひずみと2L_‘ に対して
全〃22.、一一・9.…一 6.37 3(t,一一・ ・・L6 2)…748(t・一・L87)
−2L61(αz十〇.05) ( 8.3.3 )
ξ;、一、の回帰偏差の不偏分散の平方根1・ 1・・.・・…−6,ξSt、一、閻して・5・34
・1・−6であつた.E−22のアーチ方向のひずみ ㌦一,について(8・・3・2・)
式より温度荷重によるひずみ、tsよび水圧荷重によるひずみを求め、図8.3.1に図示し
た.こnより次の事項を考察することができる。
一150一
図8.3.1 綾北ダムのE22のひずみ計による
アーチ方向のひずみぎ”22_2の挙動
(1)
②
昭和38年以降にts hて補正ひずみの計算ひずみよりのずれがみられるが、この原
因としてクリープまたはクラツクρ発生等が考えられる。
水圧舶に、るひずみは水位Ee.29・.・va対して・2・・ゴ6・温度荷重に・るひず
みの年間の変化量は65×1()Sであつた。Ec=200, 000Ke/㎡として応力に換算す
れば、水圧荷重に対して14 IP/al t温度荷重に対して13 Ke/㎡ となる。
{3) 総補正ひずみはつねに負、すなわち圧縮であり引張応力は発生しないであろう。そ
の最大圧縮カIt・E、 ・・ 2・・,・…Kg/Cte・tc対して約2W〃と考えられる・
片持ばりに生ずる応力は(8.3.3)式によつて推定できるが、回帰偏差の不偏分散
の
の平方根に比してε22_4の値は小さく、信頼できない。
ぺt
E必.275のE−21のアーチ方向のひずみε2←2に対して解析の結果次式
εM、←、一一・.399(・・一・1・・1・)・…6・(・・−11・8・)+9・9°8(α・+°・°3)
十21.07(a2十〇.05)十14.10
ひポ
(・ばう
凡
(as十〇.13)−1.296(b」−23894)
十().0538(h−238.94)(291.5−h)
’,’1
U胡触醐
__
一一一一 水肪夕1口・⇒
ひ碑 浴D
100
●
(8.3.4)
総ひ霧
50
を得た。その不偏分散の平方根は
r
ノ
1L56×10−6であり、図8.3.2に補正総
0
●
●
実測ひずみ、計算ひずみ、水圧荷重によ
るひずみ、温度荷重によるひずみを図示
’
■
●
、\
、
’、
ド’
■’
一50
、’
●
’
ψ
●
●
する。
一loo
図8、3.2 綾北ダムのE−−21のひずみ
計によるアーチ方向のひずみ
弓卜、の挙動
14
5 6 7 8 9
8B
一151一
35
10
ll
に
1
Z
3 4 5 6 7 8
β召
3白
?
lo
これより次の諸点が考察されよう。
t1) 総補正ひずみに●いて、ほとんど引張応刀は観察されない。最大圧縮ひずみは
90×1(戸でEc=・ 200, 000Kg/〆として応力に換算すれば18K¢/㎡てある。
(2} 水圧荷重によるひずみは、水位EZ・291.5に対して70×1(「6,温度荷重による
ひずみの変化量は100×10−6であり夏季に50×10−6の引張ひずみが観察される。
これを、E乙=200,000Kg/〆として応力に換算すれば、水圧荷重に対して14 Kg/㎡,
温度荷重によるひずみの年間の変化量に対して20Kg/〆 で夏季には10Kg/〆 の引
張応力が生ずることになる。
3.3 考 察
ひずみの解析の結果をとりまとめると表83.1のとおりとなる。
丁応r−’力
’r ’”−−t J 総
ず
ひ
→{逐亘/ば
み
10
;
1
…
㌫…裁○ず… 這㌔る量三㌔
一圧る
よ
… ー
る
エ
×1(「6
90
ユ
14(24)
隆}ばトー㍑=「l」
… … 一
. 一 一
巨即−。」㎞」
石百亘一…
万…㌘〇一一
21(24)
ヨ竺
「ー」
L 2
応力欄上段は」玉c 200・000 Kg/㏄・下段はEc=300・000 rtg/ぱ
応力欄括弧内の数値は無次元解析法によつて求められた応力の推定値
一
≡
一
引
ず み
を る. }
張一
ひ
負・
表8.3.1 綾北ダムのクラウンのEZ・275にtsける
E−22,E−21埋設点のアーチ応力
表8・3.1の応力欄の括弧内の数値lt .次に述ぺるように無次元解析法によつて計算さ
れたものである。
(1) 水圧荷重による応力
E2・275が無次元解析における標高2と3の中間にあrcるから、図4.5.11あ
るいは図4、5.12によつて水圧荷重によるE2.275のクラウンの外弧面応力σE
O無次元量4.0を求めることができる。 W=1ton/tu,Ho=66rriとすれば
・ε=40×1・0×66=260(t・・/mU)=26(Kg/㎡)
内弧面応力は、図4.3.1より推定できる。すなわちEβ・275におけるT/r=O.075,鬼=50°
Ec/Er=4 とすれば、内弧面と外弧面の応力比は8.5/18= O.47 であるから、Eノ・
一152一
275のクラウンの内弧面応力は
σt == 26×0.47= 12 (Kg〆)
となる。
しかるにE−22,E−21の埋設点は堤厚約6mに対して.内外弧面より1m中へ
はいつた所にあるから、平面保持の法則が成立するものとして、E−22,E−21埋
設点応力は14Kg/⑳,24Kg/㎡ となる。
② 温度荷重による応力
堤体平均温度による内外弧面応力の年間変化量は、図4.5.28,図4.5.25によつて
推定できる。すなわちEc=200,000Kg偏に対して
一6
¢=3.0×100×1巫⊥9_え≦2.9.隻9旦ρ…
△しエ
66
÷ 9(Kg/〆)
− −6
△・び:一一1・・×1…⊥旦Lし::旦旦
÷− 3(Kg/㎡)
温度こう配による内、外弧面応力の年間変化量は、図4.5.36,図4.5.39によつて
計算さ’れ・E,ニ2・O・・ooK・/㎡lc対して
{丁=0.5×16×10×1(戸×200,000
〆 1
=:16(Kg/㎡)
0 =一 O. 7×16×10×1(戸×200,000
ρ( E
=−22(Kg/㎡)
水圧荷重の場合と同様、計器埋設点における応力を内、外弧面における応力より求め
れば、
E−22に対して
堤体平均温度による応力の変化量 : 7Kg/㎡
温度こう配 ” ” : 10Kg/CZt’
且一21に対して
堤体平均温度による応力の変化量 : − 1Kg/〆
温匿こう配 ” ” ニ ー16Kg/0ゴ
したがってd−22の温度荷重による年間の変化童は17Kg/ca .遇一21に対して
一17 Kg/㎡となる。
旦一21埋設点に齢ける温度荷重による夏季の引張応刀は、綾北ダムの堤体平均温度、
温度こう配の変動を示す図7.1.1(1}より、4月から夏季にかけての堤体平均温度上昇量
の年間変化量に対する比が3/4であり、温度こう配上昇量の年間変化量に対する比が
1/2であるから
一1׆−16・S−一・…(Kg・iaf)
すなわち一gKg/c㎡となる。
一153一
E,=300,000Kg/edの場合}:E、=200,000Kg/’afの応力の3/2倍であり・表8・
3.1の値が得られるのである/、 .
表8.3.1において温度荷重によるひずみ応力の変化量を負としたのは、年問の温度変
化量に相当する温度上昇に対して引張ひずみが生ずることを強調したいためである。表
より次の諸事項を考察することができるであろう。
Cl)水圧荷重による両ひずみ計埋設点にtsける実測解析の結果得られた補正ひずみ(以
下単に実測ひずみと言う)の値は等しく、もし、タ’ムコンクリートが均質であれば実
測応力も等しくなり無次元解析法により計算された値(以下単に計算応力と言う)と
ii
は傾向を異にしている。E。・2・・,0・・Kg/edの場合乞、H欄の実測応力と計算応
力は一致するが. E”
r←、va対して、実測応加言tS応力・り小さくなる・
E、 一一 3・・,…Kg/edの場合、㌃←、に対する実測励と計算応力は一致するD’ .
lt/
㌦、についての実測応加・言慣応刀より大きくなる・扶澱輸にようE22−・
の実測応力は計算応力より僅かに小さくなる。
このように、内外弧面のEcが等しいと仮定すれば、アーチ応刀が内外弧面とも均
一化する傾向があるように思われる。
君島氏によれば上椎葉アーチダムその他の実測解析の結果から、実際のタ’ムの応力
分布形状お・よびその大きさが、設計時の模型実験値、理論計算値とくらべて・一一一}般vC小
さく、かつ応力が均分化する傾向があることを指摘し、その原因として、収縮継目の
存在、クリープなどによる応力の緩和作用、ねじれ抵抗等による応力の均分化等を挙
88)
げている。
収緒継目にグラウトによつて唱充されたグラウトミルクの強度は非常に低いか、あ
るいはグラウトが不十分で、継目の密着が不完全であれば、アーチ剛度が低下し、こ
れは厚さ半径比T/r が小さくなることと等価である。したがつて表4.2.1によつて
一般にモーメントが減少し、スラストが大きくなり応力の均一化が行われるのであろ
う。収縮継目以外のアーチ要素にクラツクが発生する場合も同様である。
その他の原因として次の諸点が考えられるであろう。
① アパットメントにtoけるサドルの効果が大きく.基礎の弾性係数が予想以上に大
きい。
② 上流面にS・ける間隙水圧のため、弾性係数が大きくなること。
③アーチアバットメントとサドルの同のせん断流動変形のため・曲げモーメントが
89)
緩和さ才.ること。
② 且1.275にtsける温度応力の変化量は水圧荷重による応力の変化量と同等ある
いはそれ以上である。
温度上昇によって内弧面に圧縮、外弧面に引張が生ずるが水圧荷重による圧縮応力
によつて打消され、総応力に引張は生じない。
{3) 総圧縮応力もまた許容圧縮応力より小さい。
{4} 無次元解析法による応力計算より推察されるように、温度こう配によるアーチ応力
8.10)
は、堤体平均品度によるそれよりとくに外弧面においてはるかに大きい。
一154一
{5) E−21,E−22以外のひずみ計の解析の結果を待つて、総合的に検討の必要が
あるが、少なくともE−21,E−22のアーチ応力については無次元解析法によつ
て近似的に応力の推算が可能であろう。応力に関する無次元量を水圧荷重、堤体平均
温度、温度こう配に対しておのおのWひ.h,WdV△t,W伊久
とすれば
0膓=Wah wH。 ‘
(8.3.5)
ix、一、・・㌦一畢
(8.3.6)
℃−16鴨CtE乙
(8.3.7)
ただし、堤体平均温度による応力式右辺のHひの長さの単位はmである。
な宕、補正ひずみにEごを乗じて求められる応力は真の応力でない。真の応力は・
さらに自己こう束応力を(3.3.27)式に従つて計算し、加算しなければならない。
実際の温度と等値直線温度との差tノの年問の変化量は約1.5℃であり.Ec=300,000
Kg/㎡として応力に換算すれば、5∼6Kg/㎡程度の値となる。主として自己拘束応
力あるいは曲がりばりの影響のため、応力分布曲線は温度分布曲線に似た曲線形とな
るのである。
一155一
X アーチダムの信頼度の検定
〔1〕概
説
アーチダムの実測解析の主要目的の一つが、ダムの安全管理ecあるbとは既に述べたとts
りで、昭和34年のフランスのマルパツセダムの崩壊や、イタリーのヴー”イオソトダムの周
辺山腹の地亡りによる洪水にみられるように、ダムSS・よび貯水池の事故による被害は計り知
れない。と〈にそれが人命の安全K関するだけに、堤体または基礎岩盤に埋設された諸計器
によつて災害を未然に予知するダムの保守管理組織方法の確立は、緊急を要する問題である、
アーチダムは高次の不静定構造物であるから、本体の一部にクラツクが生じたとしそもそ
れが致命的破壊までには到らない。したがつて堤体内部に生じた引張ひずみが進行すること
はもちろん警戒を要するが、同時にプラムラィン、視準測鐘による堤体の総合的たわみの挙動
解析によつてダムの信頼度を予測することは、もつとも簡便、正確な方法であろう。
アーチは外荷重に対してきわめて堅固な構造物であり、むしろ基礎の崩壊がアーチグムを
破籔せしめる契機となると言われているが、プラムラィンにょって基礎の変形を含む総体的た
わみが観測されるのである。
いわゆる信頼性理論によれば、信頼度とは“何らかの組織が規定の環境下において規定の
9.1)
期間故障なぐ満足に機能を果し得る確率”と定義されるが、ここで言うアーチダムの信頼度
の検定とは、単にアーチダムが安定した挙動を繰り返しているかどうかにつhて統計学的判
断を下すことを言う。
アーチダムの信頼度は、矛1に数ケ年にわたるたわみの解析の資料によって検出される流
動変形、〉卜2にたわみの回帰残差の挙動を観察することによってその検定が可能である。
もし、流動変形または回帰残差が著しぐ変動すればそのダムは危険と言えよう。
残差の変動よリアーチダムの信頼度を検定する手法として適用される主成分分析法、重回帰
における一元配置論にっいては既に皿に鉛いて述べたとk・りである。
9.・2)
〔2〕流動変形によるアーチダムの信頼度の検定
アーチダムの非可逆的変形を示すたわみの回帰式における流動変形項の変動を観察するこ
とによつて、アーチダムの信頼度をbうよそ判定することが可能であることについてはWで
考察したとおりである。
しかしながら外荷重に対する抵抗の構造形式は年々変動する。回帰偏差の分散の変動に対
しては、異重重回帰にas・ける構造分析の手法を適用することによつて解決することができる。
回帰係数自身もまた変動するから、多年間を通して解析する場合には、その間の平均的回
帰係数が得られ、それで説明が不十分な部分が流動変形として検出されるごとκなるであろ
う。
初年度からの変鋤を強調したいときは、とくに初年度の資料組数を多くとり、また初年度
一156一
の流動変形を検出したいときは、初年度だけの資料に対してたん水後毎日の資料を与え解析
すればよいであろう。
通常たん水開始後、新たに生起する水圧荷重に対してアーチダムがもつとも適合した状態
に落着する数ケ月の間にかなり顕著な流動変形が観察されるであろう。
プラムラインによるたわみは下部に対する上部の相対的変位を表わすから、水位の低い期
間が長期にわたり継続するときには、あたかも上流向き流動変形が生起するようにみえる。
初期の流動変形があまbに大きいときは、水位を上昇させることについて警戒する必要が
ある。
たん水後数ケ月を経たアーチダムもまた決して安定した挙動を繰り返しているわけではな
い。
自然覆境自身刻々変動し、アーチダム内問のクラツクの進行、クリープ等によつてたわみ
と外荷重との回帰の構造も刻々変動する」Cめ流動変形が検出されるが、通常その変動の巾は
小さい.
9,・3)
〔3〕主成分分析法によるアーチダムの信頼度の検定
3.】 概
説
アーチn’ムは1年を周期とする気温と水温の影響を受け全体としてきわめて緩慢な変
位とひずみの変動を繰b返している。すなわち気温は堤体内部に平均温度と混度こう配
を生ぜしめ、水位は水圧荷重としてアーチダムの変位、ひずみを惹起せしめることにっ
いては既述のとお・りである。しかしながら堤体平均温度と温度こう配の間の高い相関.9
ための多重共線性の問題によって、回帰分析の結果得られる温度こう配によるたわみの
一部があたかも堤体平均温度によるたわみの中に含まれるように検出され、両因子によ
るたわみに完全に分離することが不可能になる。
そのため、主成分分析法によつて各因子が張る多次元直交座標軸を回転して相互の相
関係数を零とするU座標系に変換し各軸の有意性を検定し、有意となつた分散の小さい
U座漂系にt”・ける回帰係数を年度毎に求めて、それが時間的ilC女定するかどうかを因子
のレペルでとらえ、アーチダムの信頼度を検定しようとするのてある。
3.2 主成分分析による信頼度検定の電子計算
綾北ダムのたん水初期にS・ける回帰分析の結果その流動変形は昭和35年7月中旬ま
でに安定する。そこでこの流劫変形を除いた領域で主成分分析を行うため、綾北ダムの
昭和35年7月26日より昭和40年3月30日tでの125組の資料に対して線型回
帰模型
」。、+』。、t、+お、α、+,(。一.he)・+e (9..3.1)
こニ’ i亀1
−157一
を考える。ここにkは常数項、al,bこ,Ccは堤体平均温度t;.温度こう配αe tsよび水深
h−h。の2乗にかかる係数で、i=1,2,3はs・のbのE」多.245,275,285、 h。は
クラウンにおけるサドル上面標高でh。=225mを与える。 eは偏差である。
(9.3.])式における常数項を除く右辺の各因子の125組の値を標準化し、相関マト
リクスR,固有値ベクトルλおよび固有マトリクスLを求め、U座標系に変換し・各u
因子の有意性の検定を行つた。
すなわちX座標系におけるx、,Q,……,x7因子として、 t、,t2,ts,α1,α2,
α3,(h−ho)2をとり、各因子の平均値(MEAN),残差平方和の平方根(D)を
(2.・2.17),(2.2.18).式に従い計算し、(2.2.ゴ9)式により各因子を標準化すれば、
その相関マトリクスRは表9.3.】のとおりとなる。なts(9・3・1)式の正規方程式にかけ
る残差平方和(SE)および回帰係数の不偏推定値(SB)を同時に計算する。次に相
関係数マトリクスRの固有値ベクトル(VAL)および固有マトリクス(VEC)を求め
る。固有マトリクスを方向余弦マトリクヌLとし、標準化されたX座標系をLによりU
座標系に変換すれば、Ut軸の方向余弦.IZIiは、固有マトリクスにas・ける矛i列のベクト
ルによつて表わされる。たとえばu3軸の標準化されたt3軸に対する方向余弦は0.4615
である。(表9.3.2参照)
新因子u.(し=1,2.3i……,7)に対して次の線型回帰模型
し 7
∂=b。+Σbe・ε+・ (9・・3・2)
c訂
を考える。ここにb。は常数項、bzはUCにかかる偏回帰係数である。(9. 3. 2)式に対す
るiE規方程式の係数マトリクスは、固有値ベクトルを対角要素とする対角マトリクスで
あり、固有値ベクトルの大きいものより順に矛1主成分、矛2主成分……と言われる。
この場合矛】主成分はU3軸である。
また(9.3.2)式の重回帰模型に対して帰無仮設により有意性の検定を行う’。その分散
分析表(AOV)はAOV表一2に従って、表9.3.2にプリントされる。 u2を除く各u
t’
因子は高度に有意であることがわかる。なお・SSξレはu2を除く有意な囚子とたわみ0と
の重回帰にむける残差平方和であり、F欄の括弧内の数値はその不偏分散の平方根であ
る。有意な因子の偏回帰係数の不偏推定値(B)もまた同時にプリントされる。
さて、次には昭和35年7月26日より昭和41年3月3]日までの131組の資料
を各年度毎に分割し、各年度毎にふたたび資料を標準化し、先に誘導された有意な因子
に対する変換マトリクスL,(マトリクスLより、矛2列目の先に棄却されたu2に対す
る方向余弦珍を除いた方向余弦)によつて
U,.=X,L, (9・3・3・)
J J
に従い、U1座標系(U座標系よりα2軸をとり除いた直交座標系)にbける値に変換する。
ここに変数マトリクスXsとして、さきに標準化された値を使用する・さて矛」年度va対
して次式
話一・,+三・1・、… ・」 +・・ (・3・・)
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国
白
なる線型回帰模型を立てるとき、上式の偏回帰係数bo.5,b:・j(L=1.3,4,……,7)
の不偏推定値(BS)は(9.3.4)式に対する正規方程式(2.2.50)式に従い容易に誘
導される。同時に正規方程式の係数マトリクスの対角要素(C)および残差平方和(SE
S)を求めた結果を表9.3.3に示す。
表9.3.4にかける(Fl)は(2. 2. 42)式左辺においてβ∼,j=Oとした値を各年度別に
まとめたものであり、 (F]α)は有意水準5%におけるF Ct(1,nJ−p1+];O. 05)
でこれより大きい(F1)に対応する表9.3.3にtsける(BS)表の値が有意である。た
とえば昭和36年度のu4の偏回帰係数b4.2は有意でない。この有意と判定されたb;∫を
∧
有意でないb(.」と識別するために表9.3、3の(BS)表の有意なbc・」の下にアンダーライ
ンを付した。同様にして(F2)は(2. 2.48)式の左辺の値で(F2α)はFat(1,n;
+・・−25「百;O・05)であり、(F2・)<(F2)を満足する偏回帰係数b“jとbiI
の間に差異があると判定される。この差異があると判定されたb(づに対して、同じく表
9..、.、の(BS)表のCt・,の下に・本のアンダー・イン鮒・てある.(F・)は(・.・.
25)式の左辺の値であり・(F3α)はF・(・」−P;+1t ”・一・‘1+];°・°5)である・
ただし(2・・3・25)式肋いてn・ ・ Piを・j・Pj va ・P・・ Pjを有意姻子数・∼・・いζ常数
項1を加算した値に変換する。
3.3 考 察
表9・3・3の(BS)表{てよつて有意lt b・・jの挙動を調べてみよう・
(1) U3軸の偏回帰係数b3.jはすべての年度において有意である。
また、表9.3.2からこのu3軸の固有値(VAL)は4.307で矛1主成分であり、牙
2主成分であるulの固有値1.140、矛3主成分であるu7の固有値0.7975よりはる
かに大きい値であることがわかC・かも・、の醜係数令、」の値は、令1」冷,,の・倍
近い値であるから、このU3成分はたわみδに対してもつとも顕著な効果を及ぼしてい
ると判断することができるであろう。
表9.3.2の方向余弦マトリクス表(VEC)の矛3列の、 u3軸のx軸に対する方向余
弦の値は、U3軸が主に堤体平均温度および温度こう配によつて構成された軸であるこ
とを示す。X因子は(2.2.】9)式によつて標準化されているから、方向余弦の値はzrt
,ヱ2,……,.T7因子のU3成分に対する効果を意味するのである。したがってU3すな
わち温度荷重に関する成分はたわみに関して支配的効果を及ぼしていることがわかる。
温度の条件が、堤体平均温度と温度こう配の和としてしかとらえられないのは、両
者の間の相関が顕著であb、これを分離することが不可能であることを意味する。
U3軸の方向余弦を詳しく見ると、温度こう配(碕,X5,X6)の方向余弦が堤体平
均温度lrt,Xz,X3)の方向余弦より小さく、また必tよりX2,X3の方向余弦がtX6
よりzr 5,x4の力向余弦が大きいことかわかる。したがつて温度こう配より堤体平均温
度のたわみに及ぼす功呆が大きく、また下部標高堤体平均温度より、上部ps高堤体平
均温度が、上部標高温度こう配より下碗漂高温度こう配が、たわみに対して顕著な効
果を及ほすものと推察されるのである。
一161−一
BS
年度
U
一
0
]
34567
35
36
37
38
39
40
9.792
−8.793
−7、926
−8969
−9.727
−7.854
29.27
]9.28
29.31
20.03
11. 74
13.84
−45.40
一46.45
−一
一45. 44
−41.77
−46.22
−42.]7
58.94
2.303
34.94
64.83
71.33
52.6(,
]5.74
15.44
30.92
】5. 07
6.666
7.]8’]
12.08
10.91
】7.56
23.13
12.66
6.302
32.2]
26.69
27.00
】5.67
17.89
]5.93
0.08335
0.05076
0.】957
O. 3021
O.07154
0.2043
5.683
3.602
]4. 27
77.03
6. 477
20.50
1.868
L281
2.]38
9.684
1.949
5.938
272.2
223.5
62.47
5991.0
975.5
176TO
40.80
37.02
98.82
96.99
22」5
73.22
15.24
12、55
35.02
59.99
11.39
】1】.9
21.85
9.539
17.】3
51.44
8.455
50.23
7.33
15、89
27.25
4. 790
4.697
22.55
33
32
17
13
22
14
C
U
一
0
】34567
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表9.3.3綾北ダムの主成分分析出カデータ(3)
一162一
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一163一
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そしてこの温匿軸に関する偏回帰係数b3.jの値は、初年度のb1」と差異がなく、す
なわち温度荷重によるた:わみは、 きわめて安定した挙動を繰り返しているものと考え
られるであろう。
〈
7’ltsu3軸の温度荷重に関する方向余弦はすべて正であb、 t3.」は負であるから、正
の温度荷重によりたわみは負の方向すなわち上流方向にたわむことがわかる。
(2} 矛3主成分Urは表9.3.2の方向余弦マトリクス(VEC)の矛7列の値から、堤体
平均温度と温度こう配の方向余弦が消殺され主として水圧荷重を表わすものと考えら
れる。
−N・・.・.・の・,の偏回帰係数令,、の変動から、水圧荷重に・るたわみ・珊和38年度
より急激に小さくftり、初年度の約半分となつているものと考えられる。これは37
年度より38年度にかけて、何らかの外荷重に対する綾北ダムの抵抗の構造形式の変
化があつたことを意味する。
水圧荷重によるたわみがこのように小さくなる理由として次の諸点が考えられる。
① Eユ.248より上部の片持ばり要素にクラックが生じたこと。
片持ばり要素にクラツクが入り、たとえばもし片持ばり要素の剛度が零となれ
ば、水圧荷重による下部アーチの変位の上方への伝達が不可能となり、トップア
ーチクラウンのたわみは零となる。このように片持ばle剛度が小さぐなるほど、
たわみδは小さぐカるのである。
片持ばり剛度の低下は、堤体平均温度によるたわみを増大せしめ、温度こう配
によるたわみを減少させる。しfcがつて両者相殺して、温度荷重によるたわみの
変劫は認められないのであろう。何れにしても、片持ばりの剛度の低下がアーチ
ダムのたわみに及ぼす効果は小さいものと考えられる。
② コンクリートあるいは基礎岩盤の弾性係数の増大
土木研究所の飯田隆一氏によれば重力ダムにお・いても同様の現象が観察される
とのことであり、その理由としてコンクリートが打設後長期にわたり漸次硬化し
ていく。芦鑓岩盤の圧密現象が進行。ていく.躍が考えられる。ただ。温
度荷重によるたわみには、コンクリートと基礎岩盤の弾性係数の比Eo/Ebが関
係し、Eeが単独にたわみに影響しない。したがってE(/Enを一定にしたままで,
EcむよぴEトが共に増大すれば温度荷重によるたわみは変化しない筈である。
③たわみδはri・i・248に対するEl・298の相対たわみである。しかるに適常水
位の低いとき、下部標高(El・248付近)のアーチには、水圧荷重により上部よ
9.・6)
り大きい圧縮力が作用する。Davis−Granvi11の法則によればクリープは応力
に比例するから、下部アーチのクリープは上部アーチのクリープより大きく、水圧
荷重による相対たわみは小さくなるのであろう。しかしながらもしクリープにっい
てボル。。ンの鑓原螂!許,れるなら、温度縫四る応力は、醐的哺対値
の近似的に等しい圧縮訟よび引張応力を繰り返しており、打設後相当の時日を経て
いることなどから、下流S・よび上流へのクリープによる変位を等しいものと仮定す
れば、正、負のクリープが相殺されて年間の温度荷重によるクリープの変位は零と
一164一
なるのであろう。
④①,②,③の現象が同時に進行する。
(3) 矛2主成分であるu1は判然と断定はできないが、 u7と同様、主として水圧荷重の
影響の人きい成分と考えられ、U1によるたわみは次矛に減少する。
(4} 要するにたわみδと各囚子との間の回帰平面は決して安定したものでなぐ、アーチ
ダムの外荷重に対する抵抗の構造形式の変化と共に刻々変動していくものと考えられ
く
る。そしてこの回帰係数b句の値の動きを観察し、異常があれば 警戒を要し、その
原因を究明する必要があるように思われる。
個 (F3)表は残差’平方和の動きを観察することによってたわみの挙動の異常性を検
出するために計算作成されたものである.)これによれば昭和37年Pt’ foよび昭和40
年度に異常があることがわかる。
39年度の(F3)の値がきわめて小さいことから計器自身の精度の低下は考えられ
ない。計器の精度は一たん低下すれば容易に回復しないであろう。
37年度の(F3)の値が大きいのは、この年度において水位によるたわみを低下せ
しめる何らかの原因が大きぐ進行しっつあったためではないかと考えられる。
{6} 昭和40年度において有意な因子は常数項とUs軸すなわち温度軸のみでその他はす
ぺて有意であるとは言えない。40年度夏季に指示計が故障し3ケ月にわたり欠測が
あり十分な資料が得られなかったためと考えられるが、41年度の解析の結果を整理
しなければ、現在その理由について断定することは難かしい。40年度の(F3)の
値が大きい理由についても同様である。
(η 水圧荷重によるたわみが年々小さくなることを確認するために主成分分析に使用し
た綾北ダムの資料を各年度毎に分割し、各年度毎に(9.3.1)式の線型回帰模型を考え
U座標系に変換することなぐX座標系において各因子の有意性を検定した。その有意
な因子とδの回帰関係を谷年度毎に示せぱ次のとおりであろ。
口召矛U35年,度
9。. S. 72+1.75(,、一 ]、.62)一、.。。(,,−11.、。)−4.51(。、+。.。5)
十〇.002403(h−225)2 (9.3.5)
SE=4.997(O.・422) Ch=2.330×10’i N=33
N召矛0 3 6年度
9。.、.35−。832(,、一、、.,。)一、.。5(α1+。。3)一、.23(。、+。。5)
十〇.001318(h−225)2 (9.3.6)
SE=15.57(0.746) Cヵ=9・583×】0−g N=32
昭和37年度
く
δ=4.00十1.64(tl−1 1.62)−1.46(t2−】1.]0)−7.02(α1十〇.03)
(9. 3. 7)
N=17
Sε=43.02(1.8]9)
一165一
昭和38年度
含。。.、69一α4。9(tl−1、.62)一、21(。、+。.。3)
(9.3.8)
SE=9・399(0・969) N=]3
昭和39年度
く
δ =−3.49十〇.558(tt−]1.62)−1.27(t3−1 1.87)−2.88(α2十〇.05)
−1.37(α3十〇.1 3) (9.3.9)
Sε=・3.1】8(0、4283) N=22
fi召禾04 0 年度
9=。.648_1」4(t一11.62)一.1 1.5(。、+。。3) (9.、コ。)
SE…=34、61(1.774) N=・]4
ここにSεは残差平方和、その右の括弧内の数値は不偏分散の平方根,Chは水圧荷重
の回帰係数に対する正規方程式の係数マトリクスの逆マトリクスの対角要素,Nは資
料組数である。
これより次の事項が考察される。
①35年度と36年度κおける水圧荷重にかかる回帰係数の不偏推定値はO.0024
03.0.0013】8で36年度の方が小さぐなる。
この両値の差の検定を行うことが可能であるとして(22.48)式左辺の値を計質
すれば、】3.00を得る。しかるにF.(】,N3,+N36−pl 5+pl 8;0.05)=4.02
であるから、両値の間に明らかに差があり、35年度よb36年度にかけて水位に
よるたわみが小さぐなるものと判断される。ここに姑5,pk 6は35,36年度にお
ける常数項を含む有意な因子数である。
② 37,38,39,40年度の水圧荷重に関する回帰係数bAは帰無仮設検定の
結果有意ではないと判定された。38,40年度にk・いては不偏分散の平方根が大
きぐ、水圧荷重によるたわみの持分が、この全体の残差の中に埋没して有意で無い
と判定された可能性も考えられるが、39年度の不偏分散は36年度より小さいに
もかかわらず、bhが有意でないのは明らかに39年度のbhが35,36年度に比
して、 きわめて小さい値をとるためである。
③昭和37年度にts hて常数の値が急に大きぐなるのは、この中に検出不可能な水
圧荷重によるたわみが含まれているためと考えられる。また37年度より40年度
にかけて常数項が小さくなるのは、水圧荷重によるたわみが次矛に小さくなること
等の流動変形の存在を示唆するものである。
④水圧荷重VCよるたわみの差の検定は、このようにいろいろ問題はあるが、主成分
分析によらなくても可能である。しかし温度荷重によるたわみの差の検定はもはや
不可能で(9.3.5)∼(9.3.10)式より明らかなようにt,αの回帰係数は年々
大きく変わり、一見温度荷重によるたわみが刻々変動しつっあるように.患えるが、
これは温度荷重相互の相関性のためであつて、この温度荷重vaよるたわみの和をと
一166−1
ってみれば図9.3.1のとbりとなり、実はきわめて安定した挙動を繰り返している
のである.
図9.3.1 綾北ダムの温度荷重tcよるたわみδt
医酪
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∫35∼4’
柱
●ヨ5、4∼…珍3 宇召.4∼…旬3
●ヨ64∼37.∋ ▲ヨ94∼40ヨ
入37」4∼38ヨ 040.4∼41.3
0こ史副R’力’】’‘ご対寸OQ意、
σこ噺弱与情∼日9★副ト⑰カφ.ヨ5禽旬ぷ亀仔.占.としAtのであ■・
⑧(・…48)式は・S−d,一σt ・ P・・一β・・1の仮設闘して成立する・したがつて(Z
2.48)式によつて両水準の間に差異があると判断されたとしても・あるいは両水準の
分散に差異があつて、偏回帰係数には差異がないのかも知れない。この異重重回帰の
場合の偏回帰係数の差は厳密には(9.3.14)式によって検定を行わなければならな
いが(9.3.14)式左辺の計算結果を示す表9.3.5に示されるように(2.2.48)式
によつても十分に妥当な判定が下せるものと考えられるのである。
●
すなわちPi i=Aj σ」キu.,・tの仮設に対して(2. z 45)∼(2,2.48)式の代
わりに次式が成立する。
2. 一 2,、∈N(…、、a、・+C“・;) (・…)
’
Sεi Sεj
e、・+T∈x2(n’+n・−2pt+1) (9・ 3・1 3)
会.一合、、
c..c旦
11
●.
D
@iJσf
sE、・》答
∈F(1・n1+nJ−2Pt+1)
nl+n 梶│2ダ+1
一167一
(9.3.14)
(9.3.14)式のσ :2,σ.2を求めることが不可能であるから、その不偏推定値によ
J
って(9.3.14)式左辺を計算すれば表9.3.5に示すとおちとなり、表9.3.3BS表
にかいて、有意な偏回帰係数について初年度と差異のある二本のアンダーライソを付
した係数に何らの変わりはない。
これは(9.3.】4)式左辺にas・いてσ.2/σ了が大きくなるほど、分子分母ともに小さ
くなり、分散の差による影響は小さいものと考えられるのである,
F2
U
一
0
134567
37
38
】7.90
6,26
0.00
25、65
0.00
35
36
0.00
39
・10
2、 56
0.09
5.51
0.OO
1.35
84.67
3.52
0」8
O.00
10]
0.1】
0.43
0。00
14.66
2.33
3.15
0.40
0.00
0.00
0.00
0.82
0.00
4,46
0.30
0.00
0. 12
0,30
234
0.04
0.09
0.00
2.49
0.51
5.79
23.29
1.58
4. 00
4.02
4.09
4.05
4.09
F2A
表9.3.5 綾北ダムの主成分分析出力データ (5)
3.4 結 論
(】) 綾北ダムのたわみに影響を及ぼす堤体平均温度、温度こう配、水圧荷重等tD諸因子
に対して主成分分析を行い、新因子を求め、新因子のたわみに対する有意性を検定し
た。有意な因子は相互に独立であり、その偏回帰係数の推定値の分散はきわめて小
さぐなるから、この新因子の回帰係数の動きを時系列の中でとらえることによって、
回帰係数の時間的変動すなわちアーチダムの信頼度の検定が可能となつた。
② アーチダムの外荷重に対する抵抗の構造形式は決して安定したものでなく、刻々変
動していることが観察された。綾北ダムにおいては水圧荷重によるたわみが、たん水
後次Wに小さくなるものと考えられ、この原因にっいて若干の考察を行った,しかし
温度荷重に対しては安定した挙動を繰り返しているようである。
主成分分析を行わないで、実測された諸因子とたわみとの回帰構造模型に対して、
帰無仮設による有意性の検定を行い、外荷重に対する抵抗の構造形式の変動を確認し
た。
③ 綾北ダムのたわみに対して、堤体平均温度kよび温度こう配によつて構成される矛
一168一
1主成分が、支配的効果を及ぼしていることが推察された。しかもカ]主成分の中で
堤体平均温度の影響が温度こう配より大きく、かつ上部堤体平均温度および下部温度
こう配の効果が顕著であると考えられた。
(4) 残差平方和の時系列的変動から、アーチダムの信頼度の検定を試みだ。
〔4〕重回帰における一元配置論によるアーチダムの信頼度の検定
4.1 概 説
アーチダムの外荷重に対する抵抗の構造形式の変動を推定する方法として、主成分分
析とともに異重重回帰にS・ける一元配置論の適用が考えられる。すなわち年度毎に資料
を分割し、各年度毎のたわみと諸因子との間の回帰の構造の間にいわゆる級間変動があ
るかどうかを検定する方法である。
まず各年度毎の資料に対して、最小二乗法により回帰式を求め、次に検定を行S・うと
する数年度間の資料に対して、同じく回帰式を求める。ある年度に他の年度の資料を追
加したためvc 一回帰偏差の不偏分散の平方根が単年度のそれより著しく大きぐなれば、
その年度間に回帰の構造の変動があるものと考えられるのである。
4.2 信頼度の検定
〔3〕の主成分分析に使用したのとまつたぐ同じ資料を用いて、各年度毎の重回帰構造
模型に対して最小二乗法により回帰係数を求め、表9.4.】のとお1)回帰偏差の不偏分散
の平方根元1凌差平方和S・・、を了号た・⇔表の重さqiは、35鰻の重さを・と
し、有意性の検定を行つてイ1}られた不偏分散を(2.3.16)式に代入し計算されfc各年
度の重さである。
次に同一の資料を使用して、初年慶である昭和35年度に36,37,38,39,・10
年度の各資料を追加した5組の2年度間にわたる異重重回帰構造模型に対して、最小二
乗法によりその解を求め、不偏分散の平方根》幅o,残差平方和Sεoを求めた。
重さを考えたのは、分散の相違により、あたかも級間変動があるかの如き結果を生ず
るのをお・それたためであり、また重回帰にお・ける一元配置論を実行するためには、回帰
式における因子数を等しくする必要から、有意性検定の結果得られる残差平方和を使用
せず、最小二乗法によって得られる残差平方和で検定を行おうとするのである
一169一
年度
表9.4.1 綾北ダムの各年度の残差平方和
表9・4・2の残差平方和SEσは全変動であり、これK対して表9・4・1の各年度の残差平方
和Sε已に35年度の重さを1とする各年度の重さをこれに乗じたものvaっいての35年
度と検定を行ts bとする年度の和はすなわち級内変動SεEでSEOとSEGO差は級間変動SE ,,L
であり、表9.4.2に従つて級間変動の検定が可能である。その結果次の諸事項が考察さ
れた。
①昭和35年度と昭和36∼40年度の各年度の問に級間変動が認められる。とく
に35.36年度および35,39年度間の級間変動が顕著である。
@ このことは昭和35年度の回帰偏差の不偏分散の平方根が0.428,昭和36年
度のそれが0.778であるが、昭和35年度と364「度の資料を合わせた異重重回
帰分析の結果はむしろ0.428に近い値であるべきであるのに0.635であること、
また39年度のそれがO.464であるが、35年度と39年度を合わせた回帰式に
対して1.07となることからも推察できる。
③ある年度と次年度との間の級間変動の有無を検定するために解析の結果は表94.
3に示すとtsりであり、36,37年度,37,38年度,38.39年度,39,
40年度間に級間変動は認められない。
④ あるいは36∼40年度までの次年度間級間変動は極めて小さいために認めらil
ないかも知れない。そこで36∼39年度までの4年度間の資科に対して級間変班
の存在を調べるため解析した結果を同じく表9.4.3に示す。すなわち回帰偏差の不
偏分散の平方根はL252で、各年度のそれより全般的に大きぐなり、この間に級
間変動が存在するものと考えられるのである。
⑲ 以上の解析によつて、綾北ダムの回帰構造は、35年度よb36年度にかけて急
激に変わり、その後も僅かではあるが、刻々に変動しつつあることが推察される○
である。この結果は表9.3.3に示す主成分分析の結果と一致する。
⑥この方法では因子のレベルで回帰構造の変動は推定できない。
一170一
「網騨総幽巳門門当溺川‥川巳蕊◎註
烈川誌ご璋聴‥▽∴誌話一に∵∴−丁⊥覇+当]
㎏\溺睡,一已竃㍑㌦㎏に已い:三∵∴
,
Nべd艦
一171一
国隔∫辱一
翼調一霞誌二
誤∴∵…‥∵共.,−
←
一172一
〔5〕アーチダムの安全管理について
5,1 概 説
アーチダムのたわみはアーチダムの総合的変形をかkり的確に表現するものであり、
アーチダムの信頼度を検定するもつとも有力な手段として活用できるであろう。もしア
ーチダムのたわみの挙動に異常があれば、その原因を究明し、アーチダムのどの点が危
険であるかにっいて調査しなければならない,・
アーチダムの局部的ひずみ、応力はもちろん堤体に埋設されたひずみ計、応力計によ
って推定できるが、ひずみ計によるひずみ算定にお・ける補正計算やクリープの評価が複
雑で、また長期間にわたる計器の精度も期待できない。したがつて、解析に多ぐの時間
と労力を要するが、ひずみ計tsよび応力計は、局部的破損にっいての具体的資料を提供
してぐれるだけにいささかも計測を忽にすることはできない。
その他の計器すなわち継目計による収縮継目の開閉、揚圧力、間隙水EE、漏水、クラ
ツク発生等は、何れも相互に有機的な関係をもちながら、アーチダムD堤体および基礎
の構造の局部的変形に関する情報を提供してぐれるであろう。
アーチダムの破壊の原因がむしろ其礎岩盤の崩壊にあると言われている。基礎の変形、
ひずみ、応力を的確、迅速に計測する計器の開発が望tれる
さて、アーチダムが安定した挙動を繰り返しているかどうかを判定する尺慶として先
に“信頼度”を定義した。この信頼度が低下すればアーチダムの破壊の確率は増大し、
アーチダムの安全性は脅されることにたる。
標題の“アーチダムの安全管理”を下流住民の安全を保障するためにダム管理者が
アーチダムの崩壊の危険性を予知してこれを未然に住民に警報し、あるいは危険荷旬を
除去し、危険箇所を点検、修理する一切の事務t,‘よび作業と定義すれば、アーチダムの
9.8)
安全管理は信頼匪の検定を含むきわめて広汎な内容を包括することになる。しかしなが
らこの問題を詳細に検討することは、本論文の趣旨を逸脱することになるので、ここで
はアーチダムの信頼度を検定する各種の手法を如何に具体的に実際問題に適用するかに
っいて論述するに止める。
5.2 アーチダムの信頼度検定論の実際問題への適用
たわみによるアーチダムの信頼度検定を実際上に適用する上にお・いて考えられる諸問
題を検討してみよう。
ω 重回帰にt・ける有意性検定、主成分分析法あるいは重回帰における一元配置論によ
るアーチダムの信頼度検定の理論は、約1年間の資科が提供されて後始めてその威力
を発揮する。これらの方法は長期間にわたるアーチダムの変形の様相をかなり正確に
把握することができても、刻々に変動するアーチダムの信頼度の予測を、観測直後に
行うことは、とぐにたん水初期にお・いて困難である。
たん水初期にお・いては、むしろたわみの設計値あるいは(7.3.7),(7.3,9)式によ
ってたわみの変化量を推定して、たわみ実測値が、推定値より異常に大きいとき注意
一173一
を要し、水位の上昇を抑止するよう心raけねrr・ltらlt・…もちろん水位・肝均気温
代表的クラウン⇔ける温度、たわみの図上検討を行lt・…クラツクの発生・漏水量
調査をも併せて実施すべきであろう。
たん水開始後1年以上経過したアーチダムについては、前年度1年間の実測資料に
っいての重回帰分析の結果得られたたわみと諸因子との間の回帰式に基づき、温度荷
重と水圧荷重によるたわみを求め、その和とたわみの観MPtとの差を計算常数項とし・
この値が前年度回帰式にbける常数項に対して大きく変動していれば書戒を要するで
あろう。
たとえば綾北ダムの」8年度のたわみに関する(9.3.8)式に39年8月4日の資
料を代入すれば、
計算常数項=O.409×(1339−11・62)+1Zlx(1・65+0・03)−20・45=0・60
回帰式の常数項=0・169
となり、その差は僅かにO.・4 Uで信頼度は高い.
②各年度毎の重回帰に鋪る有意義の検定の結果得られた回帰偏差の不偏分散の値は
アーチダムの破損が進行すると共に次第に増大し、またその逓増率は、破壊に近づき
摩耗破損が進行すると共に、舗醜大することが考えられるが・現在・・たん水開始
後数年を醐したに過ぎず、+分枝料が得らぱいので・・の・とvaついての断定
は困難である。
(、)たわみを計測するプラ・ライソの糠・齢勒長期肋剖保障し得るものと恩わ
れるが、温度計の破損は次第に進行し、遂には使用不可能となることが予想される。
しかしながら、堤体平均温度、温度こう配は気温と水位に従属して変動し、相互に
高、、糊がある㌘)改謀体平均温度と肝均気温との間には約・ケ月の位相9t:
あり温度。う配rcつ・・ても若干の位相のズレのあることが図・・1・・(・)・図9・5・1より
考察されるであろう。
図9. 5. 1 綾北ダム地点にbける気温の変動
的
ゐ
’0
(CJ
@
乃
’o
o
一174一
したがつてもし温度計が故障すれば、気温を温度条件として与え解析すれば、安全
管理の業務に支障がないのであろう。
すなわち温度条件として、月平均気温t。と前30日の月平均気温t,soを与え、次の
線型回帰模型
δ = co十c‘to十〇2 t.so十c3( h−ho)2十e (9.5.1)
を立て、綾北ダムの年度毎の資料に対して解析した結果次式を得た。ただし、c・は
常数項,c!tc2は回帰係数.hは水位、δ,eはたわみtsよび回帰偏差である。
すなわち
昭和36年度
9= 3、 38−。.791,。一。.42。t.,。+α。。1、142(・−225)・ (9.・5.・2)
S =29.17(1.003) C =1.13×工O−T N=33
E h
昭和37年度
合一一。.831t。一。.457t−、。+α。。288(・_225)t (9.5.3)
S。=41・45(1・786) Ch=3・09×10“s N=16
昭和38年度
A6 −6.。。一。.4。5,。一。.7。。t−,。 (95,4)
Sε=6.136(0.747) N・=14
上式でSEは残差平方和、その右の括弧内の数値は回帰偏差の不偏分散の平方根であり
Chは水圧荷願の回帰係数の正規方程式の係数マトリクスの逆マトリクスの対角要素・
Nは資料組数である。回帰係数の不偏分散の平方根の値より、温度条件として、月平
均気温工・よび前30日の月平均気温を与えてもかなりの精度でたわみの回帰式を誘導
できることが考察されるであろう。
㈲ 実際上、管理所において堤体平均温度お・よび温度こう配を計算することは困難で、
もし可能であるとしても、計算完了までにかなbの時間がかかるであろう。
そこで堤体内部の各断面の堤体平均温度、温度こう配の間に高い相関があることか
ら、クラウンの2,3の断面の数個の温度計によって計測される温度資料を、温度条件
として与えて解析してみよう、ト10)
綾北ダムのクラウンのEl.245, EL 285の上下流面より0.5mの点の温度を
t“,tl2,t3‘,t32として解析の結果次式を得た。ここに上下流面より0・5mの点
の温度を用いたのは、温度こう配の効果を期待したためである。
昭和35年度
9。5.93一α759,、.,+。.48。t、.一、.。1・、.、+α・・183(・−225)・
(9.5.5)
S・=1・・63(°・6 56) C、 =4・°9gx1°−7
−175一
N=32
昭和36年度
’1) ,. 6.6。+。.398,、.一1.71,,.,+… 17・(・−225)・ (9.・5.・6)
S。=37.73(1・141) Oh =7・056×1 O’s N=33
昭和37年度
含司2.45−1.37,、.2 (9.・5.・7)
S=46.34(L888) N:=15
E
昭和38年度
含=1。.55−1.24t,.2 (9.・5.・8)
S。=11・54(0・981) N=14
昭和38年度の(91.5.8)式に昭和39年6月のt2.2=19、2℃を代入すれば推定た
わみは一13.2naとなり、実測たわみ一14.6 naと大きい差異がなぐ、アーチダムの
構造に大きい変化が生じていたいものと考えられるであろう。
このように温度条件として堤体平均温度、温度こう配を与えて解析した場合より多
少精度が落ちるが、安全管理上、この方式に従ってダムの安全性を検討しても、tず
差支えないものと考えられる。
一176一
X 結
論
最後にllよb双までにおいて筆者自ら開発したアーチダムの挙動解析ならびに信頼度検定
の諸理論、およびその具体的適用によつて考察された主要事項を要約して列挙すれば下記の
とおりである。
(工)アーチダムのたん水開始以降のたわみbよぴひずみに影響を及ぼす主要囚子は、堤体平
均温度、温度こう配、水圧荷重鉛よび流動変形であることを改めて確認した。
(2)温度荷重によって堤体に生ずるひずみの発生機構にっいて、弾性力学的考察を加え、ひ
ずみの補正計算を検討した。すなわち温度補正は等値直線温度で行い、補正ひずみより応
力に換算する過程にお・いて自己こう束応力を実際の温度と等値直線温度との差t「より推
定して、これを差し引けばよいこと、ダム面に垂直に埋設されたひずみ計の補正ひずみの
混度による変動を最小にする条件より、すなわち最小二乗法によって、温度膨脹係数Ct
の推定が可能であること、たん水開始以前のひずみの履歴はきわめて複雑であるので、た
ん水開始以降のひずみにっいて1.2年毎にクリープ項を除いて回帰分析を行えば解析が比
較的容易になることを述べた。
(3)温度こう配の年間の変化量と厚さとの関係式を誘導した。
(4)弾性固定アーチの引張応力発生の機構について考察し、中心角およびコンクリート弾性
係数と基礎岩盤の弾性係数の比Ec./Ehが一定のとき、厚さ半径比丁/rが小さぐなるほ
ど、曲げモーメントが小さぐ、スラストが大きぐなり、引張応力が発生し難ぐなる点を強
調した。
(5)温度荷重が単独に作用するときは引張応力を除去することができないこと、温度荷重に
よる引張応力を除去するためには、水圧荷重および自重によるアーチ圧縮応力、アーチダ
ムの温度荷重による変形に対する、片持ばりあるいはアーチ要素の抵抗、過冷却によるブ
リストレスの導入によらなけれげならないことを述べた。
(6)堤体平均温1、温度こう配の年間の変化量が厚さに逆比例する関係を考慮した場合、温
度荷重による応力の絶対値は、T/rに逆比例することを述べた。
(7)アーチ要素の厚さ半径比T/rおよび片持ばり要素の基底厚高さ比Tb/Hoはアーチおよ
び片持ばりの剛性を表わす主要パラメーターであることを確認した。
(8)アーチダムの水圧荷重および堤体平均温度と温度こう配の年間の変化量に対するたわみ
の無次元量Eこδ/wH♂,△εδ/100ct ,〆δ/16ct He,tsよぴ応力の無次元量 σ/wHo
,dtσ/100ct Ec/品,〆σ/16ct Ecと高さ中央部におけるアーチ剛度T。/ro,片持ば
り剛度Tti/Hoの関係を電子計算κよつて考察した。
(9)このことから、アーチダムの形状、材料因子が相似である場合には、水圧荷重によるた
わみは高さの2乗に比例し、温度こう配によるたわみは局さの1乗に比例するが、堤体平
均温度によるたわみは高さに無関係となること、また水圧荷重による応力は高さの1乗に
比例し、堤体平均温度による応力は高さに反比例するが、温度こう配による応力は高さに
無関係となる関係が推察された。したがって高さの高いアーチダムの堤体平均温度による
応力は、他の2荷重に比して小さく、逆に高さの低いアーチダムでは堤体平均温度による
一177一
応力が、かなりの大いさになることが指摘された。
(10)水圧荷重によるトソプアーチクラウンのたわみは、アーチ剛度丁。/r。が大きいほど小さ
ぐなるが、片持ばり剛度T,/品が小さくなれば下方アーチのたわみの上方への伝達が小さ
くなJt、たわみは小さくなる傾向があることを述ぺた。堤体平均温度、温度こう配による
たわみのT。/r。,Ts/H。に対する関係も同様の傾向あるが、堤体平均温度に対しては、片
持ばり剛度が大きぐなるほどたわみが小さぐなるものと考えられる。
(11)水圧荷重による下部アーチ応力は、片持ばり剛度が大きぐなるに従つて小さぐなり、ま
たアーチ剛度に比し、片持ばり剛度の小さい薄肉アーチ応力は、T。/roに逆比例するが、
片持ばり剛度がアーチ剛度に比し大きい場合はTo/reが大きぐなるに従ってアーチ配分荷
重は大きぐなり、アーチ応力が大きくなることが認められた。
温度こう配によるアーチ応力は、その配分荷重が小さいために、単独アーチに温度こう
配が生ずる場合と同様の傾向が考察された。
また、水圧荷重、堤体平均温度上昇かよび温度こう配による片持ばり応力の絶対値は
Tb/H。に逆比例し、前2荷重に対してT・/r。に逆比例するが温度こう配に対して上部で
比例し、下部で逆比例する傾向が認められた。
(12)実測資料による4ダムの解析の結果得られた各荷重によるたわみtsよびひずみ値によっ
て、無次元解析法によるたわみ、応力値の検証を行い、両値が近似的va 一致することを確
認した。
ただし、水圧荷重によるたわみに対してコソクリートの弾性係数Ecが単独に影響を及
ぼすので、無次元解析法Kよる計算たわみの評価に若干の難点があった。あるいは、逆に
Ecの推定の可能性がある。
また内外弧面の水圧荷重による実測ひずみが均一化する傾向が認められ、その原因にっ
いて考察しk。温度荷重による応力はEく単独に影響されるが水圧荷重による応力はEc単
独に影響されない。ひずみ補正値より応力を換算するためにはE,を乗じなければならな
いから、水圧荷重による実測ひずみによつて計算応力を検証するためには、たわみの場合
と同様適正なEcを評価しなければならない。
(13)無次元解析法によれば、水圧荷重によるたわみは下に凸なる曲線で、温度荷重によるた
わみは上に凸なる曲線である。アーチクラウンに2段にわたり設置された綾北ダムおよび
鳴子ダムのプラムラインによつて推定されたたわみ曲線からこの事実を確認した。
(14)各荷重によるたわみおよびひずみの推算式を提案した。ただしこの式は、さらに多くの
アー一チタ’ムに適用して、検討を加え、改善する必要がある。
(15)水圧荷重によるたわみと初期流動変形を完全に分離するためには、もし流動変形が緩慢
に進行するものとすれば、たん水開始後2,3ケ月間は毎日の資料を与える必要があるよう
に思えた。
(16)精密三角測量の精度はかなり高いものであり、綾北グムの三角測量の成果より綾北ダム
の水圧荷重によるたわみ曲線を推定した。
(17)掴逆的鞠を示揃動変形をΣ・、輪(当ご)・して検出・た・
し
流動変形はcたん水初期の数ケ月簡にお・いてとくに顕著で、それ以降は大体安定する
一178一
ことが観察された。この流劫変形の挙劫はアーチダムの信頼度検定の一手段として有効で
あろう。
(18)異重重回帰にお・ける有意性を検定する理論を考案した。またもし初年度に比較してそれ
以降にk・ける流動変形を観察したいときは、初年度の資料組数をとぐに大きぐとるべきで
あることを述べた。
(】9)アーチダムのたわ.みやひずみを生起せしめる堤体平均温度、温度こう配のように相互に
高い相関をもつ因子と、その従属変量との回帰の構造を有意性検定によつて推定するとし
ても信頼ある回帰係数を誘導することはできない。この多重共線性の問題を主成分分析注
によつて解析する計算法を確立した。主成分分析の結果俘られた、多次元空間における方
向余弦マトリクスによつて変換された新因子と、従属変量との間の年度毎の回帰係数の間
に差異があるかどうかを、重回帰にjs・ける差の検定法にょって推定した。
かぐして、アーチダムのたわみに対して新因子の年度毎の回帰係数の変動の状況を時系
列の中でとらえることによって、アーチダムが安定した挙劫を繰り返しているかどうか、
すなわらアーチダムの信頼度の検定を因子のレベルで行うことが可能となることを述べた。
(20)綾北タ’ムに対して、主成分分析法による信頼度の検定を行い、温度荷重によるたわみは
比較的安定した挙動を繰り返しているが、水圧荷重によるたわみは年々小さぐなることを
確認した。その原囚として考えられる片持ばり要素のクラツクの発生、コンクリー・ト基礎
岩盤の弾性係数の増大、クリープ等のたわみに及ぼす効果にっいて若干の検討を試みた。
(21)このようにアーチダムの外荷重に対する抵抗の構造形式は刻々に変勒するものと考えら
れるから、長期間にわたりたわみあるいはひずみの同時解析を行うよりはむしろ年度毎に
解析する方が好寸しいものと考えられた。
(22)主成分分析によらないで、流動変形が比較的安定するたん水開始後2.3ケ月経過してよ
1り以降の資料に対して、年度毎に回帰分析を行う方法は、アーチダムの信頼匿を検定する
もっとも簡単明瞭な方法であろう。すなわち回帰係数の変幼、温度荷重による総たわみ量
の図示等にょってアーチダムの信頼度が推定され、また常数項の値の変功によって流動変
形が推定されることを述べた。
(23)重回帰にむける一元配置の理論を考案し、この理論を使って綾北ダムのたわみと諸因子
の聞の回帰の構造の時系列にk・ける変動を確認した。
(2の具体的にアーチダムの安全管理にアーチダムの信頼度検定理論を適用する上の諸問題を
検討した。すなわちたん水開始後の初年度にk・いては回帰分析を行つて前年度と比較する
わけにはいかないから、た才)みの設計1直あるいは無次元解析法による推定たわみ値と比較
して、たわみの実測値が異常に大きいかどうかを検討し、異常に大きい場合は注意を要す
る。
たん水後1年以上経過したアーチダムにっいては、主成分分析法、その他の方法によっ
て回帰の構造を検討すべきであるが、管理所Kおいては堤体干均温度、温度こう配計算を
行うことが煩雑であるから、温度条件としてクラウソの2.3の断面における上下流面より
0.5∼1皿の点の温度計による堤体温度を混度条件として与えて、回帰分析を行い、回帰
式を誘導し・次年度の混度、水位の条件をこの回帰式に代入して、推定たわみ値と実測た
一179一
わみ値の差にっいて検討すればよいものと思われた。
たん水開始後相当の時日を経過したアーチダムでは、埋設計器が故障することが考えら
れるから、このような場合は、温度条件として、月平均気温、●よび前30日の月平均気
温を与えてもかなりの精度でたわみを予測し、アーチダムの信頼度を検定することができ
ることを確認した。
(25)たわみtsよびひずみの挙動解析の経験から得られた計器配置、計測方法、資料整理の具
10.1)
体案を下記のとかりとりまとめる。
①温度計は半径方向に沿つて端部を密に、中心部に少くとも1個配置しなければ・温度
分布曲線を推定することができない。ダムの上、下流面にも温度計を設置したい。
ひずみ計による温度測定は、温度計に比べて精度が落ちるから、できるだけ避けるべ
きである。
堤体温度は相互に高い相関があるから、たわみの挙動解析が目的の場合には高さ100
m未満のダムではクラウソに沿つて3∼4断面に埋設するのみで十分と思われる。
② プラムイソの観測精度は良好で容易に測定および修理が可能で・耐用年限も温度計に
比べれば長いものと考えられるが、ダムの全高にわたって設置し、できれば下部岩盤に
まで通してダムの全体の挙動を把握するように心がけるべきである。また高さ方向に数
段に設置してたわみ曲線の推定を可能にし、できれば、クラウン以外に両岸側にも配置
して、3次元的挙動を調べたいものである。
③視準測標’は、プラムラインに比べてその精度が悪ぐ、また測定も煩雑で測定回数も少
なぐなる傾向があるから、必要あるときプラムラインと併設する程度が望古しい。
しかし、視準測量は岩盤の変位を含む絶対変位を推定し得る利点がある。
①たん水前の温度荷重によるたわみをも観測すべきである。
⑤ 精密三角測量はプラムライソによる観測、解析の結果を検証するためKも実施の必要
がある。とぐにプラムライソでは計測不可能な基礎岩盤の挙動を観測するために、ダム
のクラウソのペースに測点を設けたい。
ブラムラインによるたわみに異常な劫きが観察されたとき、あるいは、水位、 温度条
件が一致する毎年同月同日に三角測量を行えぱ、流動変形を捉えることができるであろ
う。少くともクラウンについては、たん水開始後数年間は毎年三角測量を行いたいもの
である。
またたん水開始前後に三角測61:を行わなければ、水圧荷重によるたわみ量の算出が困
難になる。
⑥ たん水初期の水位によるたわみと流動変形の分離を完全にするためには、たん水後水
位がある程度上昇したとき、ふたたび水位を意識的に下げることが望ましい。意識的に
あるいは自然的にこのように水位が低下する傾向が表われたときは、水位、温度、たわ
み、ひずみなどの観測回数を多ぐすべきであろう。
たん水初期の流動変形を検出するために、たん水開始後数ケ月間は毎日の温度、水位
だわみの計測を行なうべきである。
⑦ ひずみ解析断面には必ず温度計を併設すべきである。できれば応力計をも併設すぺき
一180 ・一
であろう。
また上下流面に垂直方向のひずみ計は品度膨脹係数の推定を可能にする惹味からも必
ず埋設すべきであろう。
⑧ 各柱の資料の同時計測を可能にするためecも、計測を自動化し、遠隔操作による集中
管理方式を採用すべきであろう。
(26)アーチダムの挙動解析卦よび安全管理上の今後研究すべき問題は次のとk・りである。
①円弧アーチダム以外の形式のアーチダムに対して、ζこで解析した成果がどの程度適
用できるかどうかを検討する。
② アーチダムの外荷重に対する抵抗の構造形式は刻々変動することが主成分分析法その
他によって観察された。
しからば、初年度あるいは前年度と比較して、どの程度の変化に対して警戒を要し、
あるいはダム補修を行うべきであろうか。
③ この問題を解析するためには、ひずみ、応力、継目開度、間隙水圧、クラツクの発生
状況あるいはその相互関係、とぐにひずみ、応力の挙動解析の進展に期待しなけれはな
らない。
④破壊直前にお・いては他の構造物と同様、流動変形が大きぐ進行する。いわゆる弾塑性
学的手法による破壊理論の究明が望±れる。
⑤ 堤体基礎の変形をも含めた総合的アーチダムの信頼度検定の手法を検討する必要があ
る。
⑥信頼性理論、あるいはいわゆる安全率とここで言うアーチダムの信頼度との関係を明
らかにしたいものである。
⑦ アーチタ’ムの構造が変動する主要原因の一っとして地震が考えられる。アーチダムの
動的挙○解析、耐震性の問題を究明する必要がある。
妥するに本論文にかいて、アーチダムのクラウンの静的たわみの挙動解析あるいはた
わみによるアーチタ’ムの信頼反検定の手法に関する研究は、かなり進展したものと考え
られるが、ひずみの挙動解析については、ようやくその手がかりを摘んだ所であり、今
なお解決すべき多くの問題が残されているのであり、今後の実測資料によるアーチダム
の構造解析の手法に関する研究の発展に期待して本文を終える。
一181一
記 号・符 号
1, マトリクフ
① 原則としてマトリクスは肉太の大文字、列ベクトルは肉太の小文字、右上添字‘で転促・
−1で逆マトリクスを表わす。
② マトリクスのトレース記号としてtrac8、零マトリクスとしてO、単位マトリクスとし
て1を用い、n次の単位マトリクスを1助,すべての要素が1であるペクトルをlnとして
両者を区別する。
⑬マトリクスXのc行J列要素を(X)t.5ペクトルxのi行要素を(x)d・また(X)iでマトリ
クスXのe行行ベクトルと表記する。
④ 特殊なマトリクス演算公式
∂(al P)_∂(βx)
−− . ..t−− tt−・−−− ttt− ニ ヨご
∂β ∂β
旦1鵠亙!−・Aβ
Aを正方行列とし、A=BCであれば
trace(A)=trace(CB)
⑤ いわゆる固有ベクトルによって構成されるマトリクスを固有マトリクス、固有値によつて
構成されるベクトルを固有値ベクトルと称することにする。
2. 統 計
E〔 〕
期待値演算子
N(μ,σ2)
母平均μ,母分散a2の正規分布
x2(n)
自由度nのx2分布
F(m,n)
自由度対(m,n)のF分布 .
F(m,n;α)
有意水準α%にk・ける自由度対(m,n)のF値
P,「
線型回帰模型における因子数
n
標本の大いさ
X
確定変数(因子)マトリクス(nXp)
y
Xの従属観測変量ベクトル(n×1)
β
未知母数ベクトル (px1)
e
偏差(ランダムノイズ)ベクトル(n×1)
L
直交マトリクス
u
Xの直交変換により誘導された新因子のマトリクス(n×p)
W
eの直交変換により誘導された新偏差ベクトル (n×1)
−182一
lql
ノ
〕
1
1 重さのマトリクス
Q−lq2\・
.
L・\・・…
ノ
S3= X! QX
(PXp)マトリクス
ロ
A,=QΣX Sii X Q言
(n×n)マトリクス
S=XX
(p×p)マトリクス
A=XS−,X1
(nXn)マトリクス
C..膓
Sの逆マトリクスの対角(i,i)要素
C:・J
j番目の水準におけるC:.‘;
s∴乙
i番目の因子の残差平方和
Slり
残差積和
S.,Q
回帰偏差に対する残差平方和
V
不偏分散
回帰偏差の不偏分散
B
R
回帰に基づぐ平方和
相関係数マトリクス (p×p)
yの母平均ペクトル (n×1)
SE 、.
全変動
SgA
級間変動
E Eε
級内変動
Q°の添写・nの如きは次のように定義する。
Q°の如き添字。は全変動に対する値を意味する。
〈
伏・D如き記号∧は推定値を意味する。
O
:
:
〈
5の如き記号一は算術平均値を意味する。
‘
:
(u)
(n)
:
:
S‘Eの如き右上添字1は有意な囚子に対する値を意味する。
βωの如き右上添字(・)は・鴎系rL対する値を意味する.
uLr)の如き右上添字(n)はマトリクスUを構成するi列ベクトルを意味する。
し
3.弾性力学、構造力学
① 材科特性
縦弾性係数
EGレ
せん断弾性係・数
ボアソン比
C
w
七
コンクリートの線膨脹係数
水の単位体積重量
一183一
② 形状特性
T
堤厚
Tb
基底厚
Tc
クレストの堤厚
Tz
基底よりの高さZにおける堤厚
r
アーチ要素の曲率半径
ro
Ru
アーチ要素の中心線の曲率半径
φ,e
アーチ麟の6中心角(・・ウ・よリアバツ・メ・・方向旺)
φA
アー一一チアバツトメントにt、’けるφあるいはφAを単にφと記述することが
アーチ要素の外弧面の曲率半径
ある。
H A工9zηC
且 む
ダムのts’1さ
アーチ作用部分のダムの高さ
はりの断面積
はりの断面2次モーメント
ァーチァバットメントの鉛直面ec対する傾角
基底よりのli言さ
基底よりの高さの無次元量
=
R 二
し
THRo=
TRo
LL
(1一
p)
王
T,
工 基底厚高さ比
Ho
旦 標準標高に紺るア.チ要素の厚さ半径比
ro
↓標高における谷巾
゜しト
玉 標準騙谷巾に対する・標齢巾の比
Lo
アーチ中心線に沿う長さ
③ 荷 重
たん水開始前100日を原点とする日数
θ』ぴt
流動変形検出における基準となるθ
実際の温度あるいは堤体平均温度
α
tl
等値直線温度
tl
実際の温度と等値直線温度との差
τ
堤体平均温度
△t
堤体平均温度上昇
等値直線温度こう配あるいは単に温度こう配、下流側温度が上流側より大
きい場合を正とする。
一184一
t、・αC(L=1・2・……)
アーチクラウンにおける基底側よbi番目の断面に●ける堤体平均温度、
お・よび温度こう酉己
△t
堤体平均温度のベクトル、 こ標高の温度△t.をこ要素とする。
し
温度こう配のペクトル・乙標高の温度こう配αこをL要素とする。
h
水位
ho
基圧標高
hぐ
アーチ作用部分の最高標高
P
等分布水圧荷重
Pl
水圧線荷重
P°
水圧線荷重の無次元量
P
水圧荷重のベクトル、i標高水圧荷重をi要素とする。
④ 断面力
クラウンにお・ける正の単位のi断面力によるアーチ要素の任意点の曲げモ
mc
ーメント
hV
’レ
゜レ
〃 t− 〃
スラスト
tt tt 〃
せん断力
ただしi=1、2,3は曲げモーメント・スラスト、せん断カ
MHV
アーチ要素の任意断面の曲げモーメソト
〃 スラスト
〃 せん断力
MH,V
M,
アーチ要素の任意断面の曲げモーメントの無次元量
ィW
〃 スラストの無次元量
〃 せん断力の無次元量
ただしL=1,2,3は、水圧荷重、堤体平均温度上昇、温度こう配に対する
値である。
。(ra)
水圧荷重に対する曲げモーメント、スラスト比
⑤応力、ひずみ、
あ・よびたわみ
σ
直応カ
σ1 σ’
,
アーチ要素の応力の無次元量
We
アーチダムに生ずる応力の無次元量
τ
せん断力
e,E
ひずみ
Eこ.」
L番目の5成分ひずみ計群のj番目のひずみ計
ξ、つ
E弓のひずみ計による実測ひずみ
どi:l
乙づの補正ひずみ
e e
u , yγ
x軸,y軸方向の直応力に基づくひずみ
一185一
e
zプ
せん断ひずみ
ムr
アーチクラウンの上流方向変位あるいは正のせん断力方向の変位(半径
方向変位)
△r‘
△rの無次元量
△if
正のスラスト方向の変位(接線方向変位)
△θ
正の曲げモーメント方向の変位(廻転角)
たわみまたは変位
δ
δ.
・’j
アーチ要素の静定基本系rc」荷重が作用したときのこ荷重作用点におげ
る↓荷重方向の変位
ただし、↓=1,2,3はクラウソにおけるIEの単位の曲げモーメント,
スラスト、せん断力
δt =_δ
‘元 ’1・}
δ
し づ
cFの(こ,コ)要素に用いるときは、クラウン片持ばり要素のコ標高に
単位の荷重が作用したときの1標高κbける変位
qδとこ
eδn
i標高アーチクラゥンの単位の等分布荷重による下流方向変位
アーチ要素の静定基本系va等分布荷重が作用したときのi荷重点にk・け
るi荷重方向変位
ペクトル9の↓要素として用いるときは、水圧荷電によるビ標高アーチ
δ
クラウンの下流方向変位
,δ
6t し
アーチ要素の静定基本系に堤体平均温度上昇が生じたときのe荷舌点に
おけるこ荷重方向変位
または、ペクトルbe8の:要素として用いるときは、堤体平均温度上
昇によるアー一チクラウンのE標高変位
♂
変位に関するペクトル
K
sしiffness マトリクス
F
flexibiユity マトリクス
f
aAt
ァーチ要素のクラウンの堤体平均温度上昇による上流方向変位ペクトル
W
水圧荷重によるたわみの無次元量
Wc
水圧荷重による計算たわみの無次元量
水圧荷重による実測たわみの無次元量
W、t
・(・」・・も
堤体平均温度上昇によるたわみの無次元量
アーチ常数、荷重常数(j=0の場合)
α・t a・,β・r・ k、・k。、・kA・k。・ki(L=1・2,……6)
岩盤常数
字
⑥ 添
.A
¢Aの如き右下添字Aはアパットメントにおける値を表わす。ただし・tiA
について単にこれをφと表わすことがある。
一186一
a
。δの如き左下添字aてアーチ要素を表わす。
C
rδの如き左下添字cで片持ばり要素を表わす。
Ecの如き右下添字cでコンクリートを表わす。
εcの如き添字cでクリープを表わす。
◎Eeh
咋の如螺字◎でアーチクラウ㌘に紺る値をあらわす・
σEの如き右下添字Eで外弧側を表わす。
t
eeuの如き左上添字θで固有応力を表わす。
δhの如き右下添字hで水圧荷重を表わす。δの如き添字なしで水圧荷重
に対する値を意味することがある。
1
,”
σiの如き左下添字工で内弧側を表わす。
δ,の如き添字iで標高番号を表わす。ただし、無次元解析にtsいては上
より下へ、実測解析vaおいては下より上に乙=1,2,3.……,とする。
.Mの如き左下添字Lでアーチ要素の左側を表わす。
M,の如き右下添字Lでアーチ要素の静定基本系に等分布荷重が作用した
場合の値を示す。
0
omの如き左下添字○で等分布荷重を意味する。
°eqの如き左上添字○で固有応力源を意味する。
Rr
RMの如き左下添字Rでアーチ要素の右側を意味する。
Erの如き右下添字rで岩盤を意味する。
σチの如き添字で極座標における半径方向の1直を示t。
t
tδの如き添字tで温度を表わす。あるいは堤体平均温度を表わす場合が
ある。
△t
atδの如き添字△tで堤体平均温度上昇を意味する。
x,y
直交x.y座標系va tsけるX軸,Y軸方向の値を示す。
α
θ
δaの如き添字αで温度こう配を意味する。
δeの如き添字θで流動変形を意味する。
σsの如き添字θは極座標における円周方向を意味する。
⑦符号.その他
(D 弾性理論お・よびひずみの実測解析にSS・いては引張ひずみを正とし、はり理論に基づく無
次元解析においては圧縮ひずみを正としている。
(m アーチのはり理論において上流方向のクラウン変位を正とするが、その他の片持ばり理
論、荷重分割計算、実測解析においては、下流方向変位を正とする。
㈱ ア→チのはり埋論にfo hて圧縮応力を生ぜしめるスラスト、外弧面に圧縮応力を生ぜし
める曲げモーメント、tsよび左側アーチの左側断面または右側アーチの右側断面に生ずる
せん断力によつて、外弧面に圧縮応力を生ぜしめるせん断力を正とする。
W 温度こう配は下流側温度が上流側温度より大きい場合を正とする。
M 本文では、たわみと変位を回戎語として用いた。
一187一
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2.15) 肯{∫とi.t 1.] 9 )「
前出 2.10) P’100∼P. 107
2.1 6)森口繁一:“統計解析、岩波講座現代応用数学3の、岩波書店、 1957,?.5
2.]7) N.R.Draper,H.Smith:“ApPliod Regression.Anaユysi8”,Wiley 1・9’67
P.244∼P.252
中村慶一:“測定値の補助情報と予測の精度て土木技術資料、Voユ・7 No・9、
昭和40年9月、P.18
前出 2.16) P.72∼P.80
2.18)三上操:“応用推計学一工業技術者のための一鈴内田老鶴圃新社、1965,
P.1 4 6∼P・1 4 8
2.19)信頼性管埋便覧編集委員会:“信頼性管理便覧二日刊工業新聞社、昭和39年、P.467
2.20) Igor Bazovsky:“Reユiabiユity Theory and Practice”,Maruzen Asian
Edition ,
P.33 . . . .
2.21) A.Nl.Preudentha1:.Safety,Reliabiユitア and Structuraユ De日ign”,Proc・
A.S.C.E・Vol.87 No・6T3,Mar.1 961
222)}き6出 2.19) P◆101
2.23)前出 2.19) P.1226,P.1236
固有値その他マトリクスに関する演算公式については次の参考書を参考にした。
−190一
224)稲葉三男:‘行列と行列式ご近代数学新書、至文書、昭和40年
遠山啓:“行列論二共立全書、共立出版、昭和28年
西垣久実.:“マトリクスとその応用”応用数学講座矛1巻、コロナ社\昭和36年
加藤勉:“固有値問題”建築構造学大系4、彰国社、昭和42年
、
参 考 文 献一 皿
3.1) Wiユユiam P.Crθager,Joeユ D・Justin,Julian Hinds:‘Engineθ’ring
for Dams,Voユ・ll Conerc.te Dams.,Wiley,1954,P. 252∼P. 286
3.2) “ダム設計基準Z昭和32年制定、国際大ダム会議日本国内委員会
3.3)土木学会編:“土木エ学・・ンドブツク 第31編 ダム 第3章 コンクil一トダム”、
技報堂 日召弄039年、 P.2207∼P.2208
3.4)Maruku日Reiner(柳沢延房訳):aレオロジーの基礎理論:コロナ社、昭和32年、
P.5
3.5)近藤泰夫、坂静夫監修:aコンクリート工学ハ;lxドプソク゜、朝倉書店、昭和40年、
王).289
3.6)・ダム設計基準 第4章アーチダム、’日本大ダム会議、1965年5月改定 P・5
3・7)」.タロブル(岡本舜三、吉越盛次監修、近藤一夫訳):“岩盤力学”、森北出版
’ 、 .
昭和42年、P.71 ’
3.8)日本材料学会編:“岩石力学とその応用”丸善、昭和41年、P.79
3.9)岡本舜三編:“土木技術者のための岩盤力学㌧土木学会、昭和41年、P.‘331
3.1・O)山本三三三:“レオロジーζ.新物理学進歩シリーズ8、槙書店、1964年、P.20
3.11)岡田清:“コンクリートのクリープ”H本セメント技術協会、コンクリートパンフレッ
ト 第29号、昭和28年、P.21
3.12)前出 1.17)
3ユ3)中村慶一、飯田隆一、三池亮次、古屋久和:“実測資料によ.るアーチダムの挙動解析”、
土木研究所報告 121号の1、昭和39年7月、P.25
3.14)前出 3.13) P.21
3.15) M・Rocha,J.L・Serafin,A.F.da Silvθira,M・Q・Guerreiro:“Observation
of Co r:crete Dam Rosult,Obtainθd in Cabril Dam”,R.83 thg Vlth
Congres8 0n Large Dam,New York,1958
3.16) M・Rocha,J.L・Serafin,A・F.〔ia Silvoira,M.Q.Guerr6iro;“AMethod
of Quantitati▽e Interpretation of the Results,Obtained in Observa−
tion of Dam8”R.36 th6 V【th Congre8s on』Large Dam,New York,1958
3.17) TimoGhθnkO on(i GOo(1ier:‘The◎ry Of E工a8ticity”,Mcgraw−−H↓1. 1,
kogakushaゴP.4 2 5
3.18)倉西正嗣:“弾性学”、日本機械学会、昭和32年、P.640
−191一
3.19)村幸雄、中村慶一、.大久保忠良、,飯田隆一:“アーチダムの温度応力に関する理論的考
察ζ土木研究所報告 104号の2、昭和34年11月、P,74
3.20) “Cooling of Concrete Dams,,Boulder Canyon iProject Fi:nal R◆Port,
Buユユ・3,Part W Bureau of Rθclamation.0・S・A.1 94 9
3.21)前出 3.2) P.29
322) “Troatθe on Dams,Chap.10 Arch Dam8”,United States Bureau cf
Rocユamation, 1 9 5 0
323)前tiG 3.1.) P.269
3.24)湯浅昭:”アーチグムの設計について“”発電水力 No・84,Sop・1966・P.9
3.25)前出 3.5) P.361
326)前出 3.5) P.795
32 7)前出 3.1) P.266
32,8)テルツアギ・ペツク(星埜他訳):“土質力学 基礎編r丸善、昭和30年、P. 44
329)土質工学会編:“土質工学・・ンドプツク、技報堂、昭和40年、P.138
3.30)九州電力K・K 土木部編:“上椎葉アーチダムの計画と施.工’、 丸善、昭和32年1月
20日、P・756
参‘考 文 献一 N
4.1) xトラースナー一(村上永一訳):’弾性撲橋の理論と設計’工元社、昭和18年
4.2) “Trial Load Method cf anaユyzing Arch Damθ7Buユ1.No..1 Part V,
Brul(ie’r Cany’)n PrOject Finall. Rθportθ,Bureau of Recユ:amation U・S・A・
1 9 3 8 , P.9 2∼P.9 8
4. 3)前出 3.22)
4.4)三池亮次:“弾性固定アーチの応力の挙動特性一円弧等厚アーチの場合Z昭和40年度
土木学会西部支部研究発表会、昭和41年1月、P. 89∼P.91
4.5) Roユand Kettner:‘Formgebung und Berθchnung der Begenユam9ユユen von
t の
gew61b6melbi er”,Die Taユsporrθn O臼七〇rre玉ch8 Hθft 8,0sterreichen
Staubecken KGmmi6sjon und Wasserw±rtschをftsverband,Wien,1959,
P.1 2∼P.26
t
4.6) Vogt F :ctUbet di6’Berech:ung von Fun・寸ament deformattcn,,Ooコo, 、
1925
47,)小西一郎、横尾義貫、成岡昌夫:“構造力学第皿巻戸、丸善、昭和38年、P.33
4.8)成瀬勝武:“弾性橋梁、河出書房、昭和23年、P.27
4.9)垣谷正道:“コンクリートタ’ム特論(V)アーチダム”・土木学会誌 第37巻第1号
P.4 1 .
−192一
4.10)前出 1.5)
前出 3.13)
4.11) Liouranc9:“The Design of Arch Dams”,Proc・A・S・C・E・May.1940,
P.8 2 9∼P,8 5 1
4,12)林正夫:畠基礎の変形がアーチダムの応力に及嫁す影専について一堤体応力を中心とし
た一考察一’、土木学会論文集 第69号 別冊(3−1)、P.7∼P、 17
4.13)林正夫:“アーチダムの周期的な温度応力の解析”、電研所報 第104号 1960年
3月、 P.97∼P.102
4.14)三池亮次、福井武弘:“弾性固定アーチにk・ける応力の挙動特性一特に引張応力発生の
機構について一e熊本大学丁学部研究報告 第15巻 第2号 昭和41年11月
4.15)前出 4.12) P.5∼F.6
4.16) Jorgensθn L・R・“Thθ C〔nθtant Angユe Arch Dam”vTrans・A・S・C・E・ 79,
1 915
前出 4.9) P.39
4.17)前出 3.19) P.114
4.18)前出 3.1) P.483
4.19)三池亮次:“無次元解析法によるアーチダムのたわみk・よび応力の挙動特性の研究”、
昭和41年度土木学会西部支部研究発表会、昭和42年1月、P.1−(7)−1∼4
4.20)前出 3、1 9 ) P.1 1 4
421)前出 3.6) P.34
垣谷正道:“アーチダムの設計に関する研究”、学位論文集14、 電力中央研究所、
昭和37年、P.18
422) 肖訂 出 4.1 2 )
参 考 文 献一 V
5.1)村幸雄、中村慶一、大久保忠良、飯田隆一:“綾北ダム構造模型実験て土木研究所報告
108号 昭和36年10月
田島正彦、元永正紀:“綾北ダム施工に関するダムニ、三の問題”、士木学会誌 45巻
10号、昭和35年10月
5.2) “室牧ダム発電所工事誌て富山県電気局、昭和38年
5.3)建設苔河川局監修二“日本の多目的ダム∵山海堂、昭和38年
5.4)“鳴子ダム工事誌”,東北地方建設局鳴子ダム工事々務所、昭和34年
宮崎明:“鳴子ダム工事報告Z±木学会誌 44巻 7号 昭和34年7月
一193一
参 考 文 献一W
6.1)前出 5.1)
6,2) A.U.Huggenbgrg6r:“Talspeアren Mo/9technik”
“ダム測定技術㌧発電水力協会、昭和33年
6,3)前出 5.2)
6,4)小林泰 望月邦夫:“コンクリートダム施工法 12章 ダムの測定”是新土木施工法
、
講座8、山海堂、昭和36年
6.5)高田孝信、大久保忠良:“現場にk・ける応力の測定て最新土木施工法講座25、山海堂、
昭和38年
6.6) “カールソン型計器取扱説明書,INSTR No.T −40303・K.K.共和電業
6.7 ) ぷ1 出 5.1 ) , 5.2 ) , 5.3 ) , 5.4 )
参 考 文 献一 W
7.1)前出
1.1)
前出
1.5)
7.2)前出
1.4) 前出
3,1 3 ) P.2 5
7.3)前出
3.13) P.25
7.4) 肩f∫出
313) P.31
7. 5)前出
3.1 3) P.30
7.6)前出
1.4 ) P.2 9∼P.3 0
7.7)前出
3.1 3 ) P.3 9
7.8)前出
4.1 2 ) P.2 7
P.17
参 考 文 献一遁
8.1)君畠博次:“ダムコンクリートのクリープの基礎的研究とその応用結果について1土木
学会論文集 72号、昭和36年1月、P.28
8.2)君島博次、巾新井克子:“上椎葉ダムから実測されたアーチダムの実態一収縮継目篇一1
電力中央技術研究所報告 9巻 1,2号
8.3)前出 3.30) P.756
8.4)前出 6.5) P.149
8.5)前出 84) P.158
8.6) 前出 1.1)
8.7)三池亮次他2名:“実測資料によるアーチダムのひずみの挙動解析”土木学会 第22
一194一
回年次学術講演会、昭和42年
8,8)君島博次:“ダムk・よび基礎の実測と解析㌧第4回発電水力講習会テキスト、発電水力
協会、昭和37年2月、P.104
8.9) C.Semgnza:“Devo二〇pθment in Italy” ,Journal of the ?ower Divi6ion,
Pτ’oc.A.S.C.E.Vol.82,June 1956,R1017∼41
8.10)前出 3.19) P.114
参 考 文 献一 X
2.1 9 ) P.6
9.1)
・〕胃出 9.2)
前出 3.13) P.59
9.3)
前出 1.19)
9、 4)
前出 3.5)
P.289
前出 3.6)
P.5
9.5.)
前出 3.7)
P.71
9.6)
甫{∫出 9.7)
前出 3.10)
9.8)
山口貝一、柳内彰゜ .“ タ全工学” 森北出版、昭和36年4月、
、
3.5)
P・371∼P,372
P.20
P.26
武居省之:‘ダムの管理”、第5回発電水力講習会テキスト、発電水力協会、昭和38
年2月、P.109∼P.130
9. 9)前出 1.4) P.27
9.10)前出 1.3) P.1134∼17
参 考 文 献一X
10.1)前出 3.13) P.61
一195一