後期基本計画 - 大阪狭山市

パブリックコメント
第四次大阪狭山市総合計画
後期基本計画
(案)
大阪狭山市
[後期基本計画
序
目次]
章 後期基本計画の考え方
1.後期基本計画の目的と位置付け ........................................... 2
2.後期基本計画の背景 ..................................................... 3
3.後期基本計画の基本課題 ................................................. 9
第1章 大阪狭山らしさを創出する 自立と協働のまち
1.参画と協働のまちづくり ................................................ 12
2.人権尊重の環境づくり .................................................. 14
3.男女共同参画社会の環境づくり .......................................... 16
4.平和への貢献 .......................................................... 18
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
1.いつまでも元気で暮らせる健康づくりの推進 .............................. 20
2.地域のみんなで支えあう地域福祉の充実 .................................. 23
3.高齢者に安心な福祉サービスづくり ...................................... 25
4.障がい者の自立や社会参加を支える福祉サービスづくり .................... 27
5.セーフティネットとしての社会保障の充実 ................................ 29
第3章 人と自然が共生する 環境にやさしいまち
1.水と緑を守り、親しむことができる環境づくり ............................ 32
2.地球にやさしい環境づくり .............................................. 34
3.ともに実践する循環型社会づくり ........................................ 36
4.うるおいのある美しいまちづくり ........................................ 38
第4章 ともに学び 世代をつないで 人を育むまち
1.子育てにやさしい環境づくり ............................................ 41
2.学ぶ力・生きる力を伸ばす教育環境づくり ................................ 43
3.青少年の健全育成の環境づくり .......................................... 46
4.生涯スポーツの推進 .................................................... 48
5.生涯学習の推進 ........................................................ 50
6.市民文化・歴史文化の振興 .............................................. 52
7.国際交流・国内交流の推進 .............................................. 55
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
1.快適で魅力ある市街地の整備 ............................................ 58
2.人や環境に配慮した交通環境の整備 ...................................... 60
3.信頼できるライフラインの充実 .......................................... 63
4.消防・救急体制の整備 .................................................. 66
5.防災・防犯対策の充実 .................................................. 68
6.魅力ある都市農業の推進 ................................................ 71
7.活気あふれる商工業と雇用機会の拡大 .................................... 73
8.観光の振興 ............................................................ 75
9.安心できる消費生活の支援 .............................................. 77
第6章 みんなで創る 持続可能なまち
1.計画的な行政運営 ...................................................... 79
2.健全な財政運営 ........................................................ 81
3.開かれた透明性の高い行政の推進 ........................................ 83
4.広域連携の推進 ........................................................ 85
序
章
後期基本計画の考え方
1
序章
後期基本計画の考え方
1.後期基本計画の目的と位置付け
本市では、平成 32 年度を目標年度とした第四次大阪狭山市総合計画を平成 23 年(2011 年)3
月に策定しました。この総合計画は、
「水きらめき
人が輝く
共生のまち
大阪狭山」を将来像
として、まちづくりの基本方向と目標達成のための施策の大綱を示す基本構想(計画期間 10 年)
と、目標達成のために必要となる施策を体系的に示す基本計画(計画期間 5 年)で構成されていま
す。
このたび、基本構想の計画期間が中間年度を迎えたことから、基本構想で示した目標の達成に向
けた取組みを推進するため、後期基本計画を策定しました。
後期基本計画では、前期基本計画の進捗状況を踏まえ、これまでの 5 年間の社会・経済状況等の
変化を基に、施策の課題、指標、役割分担などの見直しを行うとともに、新たに取り組むべき施策
の充実に努めました。計画期間は平成 28 年度(2016 年度)から平成 32 年度(2020 年度)までの
5 年間です。
第四次大阪狭山市総合計画
基本構想
「水きらめき 人が輝く 共生のまち 大阪狭山」
前期基本計画
後期基本計画
実施計画
実施計画
2
目
標
平
成
32
年
度
序章
後期基本計画の考え方
2.後期基本計画の背景
(1)社会経済動向
基本構想策定以後も本市を取り巻く時代潮流は刻々と変化しています。そのため、今後とも、未
来を見据えながら、変化にも的確に対応するまちづくりと行政運営が求められています。
①
少子高齢化と人口減少
わが国の総人口は平成 20 年(2008 年)を頂点に減少に転じ、本格的な人口減少時代を迎えてい
ます。今後、2050 年には 9,700 万人程度となり、2100 年には 5,000 万人を割り込む水準にまで減
少するとの推計もあり、生産年齢人口の減少に伴う社会経済の活力低下や高齢化による社会保障費
用の増大の懸念が高まっています。また一方では、地方と東京圏の経済格差の拡大により、若い世
代の地方からの流出と東京圏への一極集中を招いています。
そのため、国では、人口減少と地域経済縮小の克服を目的として、
「まち・ひと・しごと創生法」
(平成 26 年(2014 年)11 月公布)を定め、「地方創生」の総合的な取組みを進めています。
本市でも、既に人口が減少に転じ、65 歳以上人口比率も約 26%に達していることから、
「大阪狭
山市人口ビジョン」及び「大阪狭山市総合戦略」
(平成 27 年 月策定)に基づいて人口減少の抑制
と地域活性化の取組みに着手しており、今後も、本計画とあわせて総合的な対策が求められていま
す。
②
経済・産業
わが国の経済は、平成 20 年(2008 年)に発生した世界金融危機(リーマンショック)により、
急激な景気後退に見舞われ、パートタイム労働者、非正規雇用の労働者の契約打ち切りが社会問題
化するなど、経済的な不安感が増大しました。その後、全国的には雇用の改善が進んできましたが、
近年ではヨーロッパやアジアなどの経済変動やその影響の波及等も懸念されています。
一方では、ICT(情報通信技術)の急速な発達と普及が進むなかで、インターネットとあらゆる
ものがつながる IoT の時代が到来するなど、社会生活や産業構造の大きな変化も見込まれています。
そのため、本市にあっては、こうした変化を見据えながら、引き続き、地域産業の活性化や、雇
用を支えるための取組みが求められています。
③
環境・地球温暖化
地球温暖化対策として、これまでわが国は、世界の多くの国々によって採択された「京都議定書」
に基づいて、温室効果ガスの排出削減に取り組んできました。また、平成 27 年(2015 年)12 月
の国連気候変動枠組み条約第 21 回締約国会議(COP21)においては、発展途上国を含めた条約加
盟国すべてが協調して温室効果ガスの排出削減に取り組む初めての枠組みとなる「パリ協定」が採
択されました。今後、この新たな国際的枠組みのなかでさらなる地球温暖化対策を進めるとともに、
国内では、低炭素型の都市づくりや、産業部門、運輸部門、エネルギー部門等の取組みに加えて、
一人ひとりの生活様式の見直し、家庭や職場における省エネの一層の推進など、温室効果ガスの排
出削減に対する努力や工夫が求められています。
3
序章
後期基本計画の考え方
④
地方分権
平成 5 年(1993 年)に始まった地方分権改革では、4 次にわたる地方分権一括法を通じて、国
から地方、都道府県から市町村への権限移譲や地方に対する規制緩和など、数多くの改革が具体化
されてきました。これを踏まえ、国では、新たなステージにおける地方分権の役割として、「個性
を活かし自立した地方をつくる」ことを掲げ、従来からの課題への取組みに加え、地方の「発意」
と「多様性」を重視し、地方公共団体等から地方分権改革の提案を募るなどの取組みが進められて
います。
また、地方創生においては「産・官・学・金・労・言」といった、地域における多様な主体によ
る協働の地域づくりが一層重視されてきています。
このように、今後、地方分権は、地方への権限の移譲だけでなく、地域の自発的で個性ある取組
みが求められる時代となります。
⑤
安全・安心
未曽有の被害をもたらした東日本大震災(平成 23 年(2011 年))をはじめ、今後も首都直下地
震や南海トラフ地震が高い確率で発生する見通しであることや、火山活動、異常気象による被害な
ど、国民生活へ多大な影響を及ぼす大きな災害の発生が危惧されています。
また、犯罪認知件数は全体として減少しつつあるものの、特殊詐欺(振り込め詐欺及び振り込め
類似詐欺)やストーカー行為等の件数は増加していることや、感染力の高い疾病の流行など、生活
を脅かすさまざまな問題があり、それらへの未然の対処が求められています。
4
序章
後期基本計画の考え方
(2)前期基本計画期間における本市の動向
①
人口・世帯の動向
本市の人口(国勢調査)は、平成 22 年(2010 年)には 58,238 人であったものが、平成 27 年(2015
年)には○○○人(速報値*)となっています。さらに、65 歳以上人口比率は約 26%に達してお
り、引き続き、少子高齢化が進むものと考えられます。
また、世帯数(国勢調査)は、平成 22 年(2010 年)には 22,471 世帯であったものが、平成 27
年(2015 年)には○○○世帯(速報値*)となっており、増加が続いています。
(*データの公表次第
記載及びグラフ修正)
■大阪狭山市の人口・世帯動向
70,000
4
57,647
60,000
56,996
58,238
58,208
57,787
54,319
3
3.16
50,000
世帯数、人口
2.81
2.67
2.59
40,000
2.34
2
30,000
20,000
19,189
17,188
22,471
21,807
20,295
24,680
1世帯当たり人員
3.00
1
10,000
0
0
平成2年
世帯数
平成7年
人口
平成12年
1世帯当たり人員
平成17年
平成22年
平成27年
各年国勢調査(平成 27 年のみ 8 月末現在住民基本台帳人口)
各年国勢調査(平成27年のみ8月末現在市推計人口)
■大阪狭山市の年齢区分別人口の推移
100%
8.0
10.3
90%
13.4
17.2
22.2
25.8
63.4
60.2
14.3
14.0
80%
70%
60%
73.2
50%
73.2
71.1
68.2
40%
30%
20%
10%
18.8
16.5
15.0
14.6
0%
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成22年
平成27年
15歳未満 15~64歳 65歳以上
各年国勢調査(平成 27 年のみ 8 月末現在住民基本台帳人口)
各年国勢調査(平成27年のみ8月末現在市推計人口)
5
序章
後期基本計画の考え方
②
産業の動向
国の統計によれば、本市の事業所数は平成 21 年(2009 年)から平成 26 年(2014 年)の間に
2,009 事業所から 1,938 事業所と 71 事業所が減少しています。本市の事業所における主な業種は、
卸売業・小売業、サービス業、不動産業・物品賃貸業、宿泊業・飲食サービス業などの第 3 次産業
が中心となっています。
従業者数は 20,810 人で、その 3 割近くが医療・福祉従業者で最も多く、次いで卸売業・小売業、
製造業、宿泊業・飲食サービス業、教育・学習支援業となっています。
なお、本市に立地する近畿大学医学部附属病院には、医師や看護師をはじめ、職員が多く従事し
ていますが、将来の移転再編の計画があることから、さまざまな影響が予想されます。
■事業所数
■従業者数
(人)
500 478
450
複合サービス事業, 180
448
情報通信業, 83
金融業、保険業, 246
400
340
350
建設業, 592
280 274
257
241
250
電気・ガス・熱供給・水
道業, 27
公務, 464
317
300
農林漁業, 33
運輸業、郵便業, 338
不動産業、物品賃貸
業, 683
193
事
200
業
所
150
数
166
159
143
132 123 126123
医療、福祉, 5870
サービス業※, 1930
100
50
20 18 20 18 10 13
8 8
12 6
3 4
4 3
複
合
サ
ー
ビ
ス
事
業
情
報
通
信
業
農
林
漁
業
電
気
・
ガ
ス
・
熱
供
給
・
水
道
業
教育、学習支援業,
2146
0
卸
売
業
、
小
売
業
サ
ー
ビ
ス
業
※
平成21年
不
動
産
業
、
物
品
賃
貸
業
宿
泊
業
、
飲
食
サ
ー
ビ
ス
業
医
療
、
福
祉
製
造
業
建
設
業
金
融
業
、
保
険
業
教
育
、
学
習
支
援
業
運
輸
業
、
郵
便
業
公
務
平成26年
資料:平成21年事業所・企業統計調査、平成26年経済センサス
卸売業、小売業, 3173
製造業, 2656
宿泊業、飲食サービス
業, 2389
※サービス業:学術研究、専門・技術サービス業、生活関
連サービス業、娯楽業、他に分類されないものの合計
それぞれの産業の推移を見ると、まず農業では、農家数の減少が進んでいます。
700
619
■農業
594
600
481
500
433
396
農家数
400
500
396
339
472
300
203
395
356
226
169
200
100
0
64
72
161
43
43
119
124
37
40
14
22
19
29
27
18
昭和 55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年
55
50
専業
第1種兼業
第2種兼業
小規模*
*平成12年以降については、専業、第1種兼業、第2種兼業農家は経営耕地面積が
30a以上又は農産物販売額が50万円以上である販売農家に限っているため、ここでは
それ以外の農家を「小規模」として記載した
資料:市統計書(世界農林業センサス等)
6
資料:平成26年経済センサス
序章
後期基本計画の考え方
商業では、商店数は、平成 11 年(1999 年)以降、減少傾向にあります。年間販売額は、それま
での減少傾向から、平成 11 年(1999 年)以降は増加に転じましたが、平成 16 年(2004 年)以降
は再び減少傾向となっています。
■商業
800
900
803
700
771
712
710
689
600
800
737
733
662
700
617
533
521
509
570
506
549
479
500
600
500
商
店
数
400
326
304
400
300
年
間
販
売
額
(
億
円
)
300
200
200
100
100
0
0
平成3年 平成6年 平成 9年 平成 11年 平成14年 平成 16年平成 19年平成 24年平成 26年

商店数
年間販売額
資料:商業統計調査(平成24年は経済センサス活動調査)
工業では、事業所数が減少傾向にあります。製造品出荷額は、平成 21 年(2009 年)には前年の
世界金融危機(リーマンショック)の影響もあって大きく落ち込み、翌年は一定回復しましたが、
その後再度減少しています。
■工業
200
1,200
1,043
180
1,000
160
120
841
864
140
713
704
635
事 100
業
所 80
数
800
752
596
85
76
76
68
62
60
63
57
51
40
製
造
品
600
出
荷
額
400 等
(
億
円
200 )
20
0
0
平成18年 

平成19年 
平成20年 
平成21年 
平成22年 
平成23年 
平成24年 
平成25年
事業所数
製造品出荷額等
※従業者数4人以上の事業所
資料:工業統計調査(平成23年は平成24年経済センサス活動調査)
7
序章
後期基本計画の考え方
(3)前期基本計画の到達点
前期基本計画では、6 つの施策の大綱、33 の施策のもと、実施計画を毎年度見直しながら、目標
達成に向けた取組みを推進してきました。
これにより、施策ごとに定めた指標の目標の多くは達成される見込みですが、社会情勢の変化に
よる新たな課題や、目標が未達成となる見込みの項目もあることから、後期基本計画において、課
題の整理と取組方向を示すものとします。
(4)市民意識の特徴
【住みよさの評価】
市民意識調査によれば、本市の住みよさに対する評価は高く、平成 22 年調査と平成 27 年調査を
比較すると、僅かながら「非常に住みよい」「住みよい」という評価が増えています。
■大阪狭山市の住みよさ
評価
非常に住みよい
住みよい
どちらともいえない
住みにくい
非常に住みにくい
無回答
平成 22 年
18.5%
計
80.9%
62.4%
15.9%
1.6%
0.8%
0.8%
平成 27 年
19.1%
計
82.3%
63.2%
14.2%
2.0%
0.2%
1.4%
資料: 平成 22 年「大阪狭山市総合計画策定に関する市民意識調査結果のまとめ」
平成 27 年「大阪狭山市総合戦略及び大阪狭山市総合計画後期基本計画の策定に関する市民意識調査報告書」
【定住意向】
また、
「現在の場所に住み続けたい」とする定住意向は、平成 22 年調査では 69.3%であったのに
対し、平成 27 年調査では 69.8%となっており、こちらも僅かながら増加しています。
■現在住んでいる場所への定住意向
評価
現在の場所に住み続けたい
市内で引っ越したい
市外へ引っ越したい
わからない
無回答
平成 22 年
69.3%
7.6%
7.3%
14.9%
0.9%
■住み続けたい理由
平成 27 年
69.8%
6.2%
6.0%
16.2%
1.8%
資料: 同前
0%
10%
20%
災害などが少ない」
、
「買い物など日常生活が便利で
ある」、
「治安が良い」
、
「緑や水辺などの自然環境が
31.7%
買い物など日常生活が便利である
31.6%
治安が良い
22.6%
緑や水辺などの自然環境が多い
22.0%
20.1%
16.5%
近所づきあいがうまくいっている
15.7%
今の住宅条件(広さ・家賃など)が良い
14.5%
生まれ育ったところである
13.6%
まちのイメージが良い
9.4%
勤務先・通学先に近く便利である
8.9%
子育て環境が良い
多い」などの評価が高くなっています。
社会福祉に対する取組みが行き届いている
教育文化施設が多く、内容が充実している
道路などの都市基盤の整備がされている
物価が安い
8
50%
47.0%
公害・自然災害などが少ない
鉄道・バスなどの公共交通機関が整っている
なじみがある」が最も多く、次いで、
「公害・自然
40%
長年住んでいて、なじみがある
病院などの保健・医療体制が整っている
住み続けたい理由としては、
「長年住んでいて、
30%
8.5%
3.7%
3.0%
2.2%
1.1%
N=889
「その他」「無回答」を除く
序章
後期基本計画の考え方
3.後期基本計画の基本課題
(1)「生涯住み続けたいまち」に向けた総合的な取組みの課題
今後の人口減少とそれに伴う経済社会の縮小は、わが国全体が直面する深刻な課題であり、国と
ともに、それぞれの自治体が創意工夫を持って自らの問題として取り組むべき課題です。
本市においても、将来の人口減少が見込まれるなか、あらゆる施策分野で常に人口の定着を重視
し、「生涯住み続けたい」と思えるまちづくりをめざし、基本構想に基づいて、総合的かつ前向き
に取り組むことが必要です。
またその際に、市民の定住はもとより、本市に魅力を感じる人々が市外から新たに転入してくる
ことを促進する視点も重要です。
こうした取組みを進める上では、

安心して子どもを産み育て、医療や福祉に不安のない、最も基盤となる「生活安心」を
高めること。

教育や文化など生活の豊かさや楽しみを充実し、安全・安心・快適に暮らせるまちの「住
みやすさ」を高めること。

課題を将来世代に先送りせずに、健全な行政運営を進め、市民との協働により創意工夫
を持って「将来への責任」を果たすこと。
を基本として、施策を具体化し、市民、事業者と連携して推進していくことが必要です。
(2)「生活安心」に向けた課題
安心した生活の基盤となる医療や福祉について、さまざまなニーズにきめ細かく対応したサービ
スを整えていくことが重要です。
そのため、安心して子どもを産み育てることができるよう、妊娠・出産・子育てを切れ目なく支
える体制を充実するとともに、障がいのある人たちや高齢者などが安心して、いきいきと、健康に
暮らせる包括的な支援体制やまちの環境づくりを進める必要があります。
また、医療の面では、本市の医療拠点としての役割を果たしている近畿大学医学部附属病院の移
転再編(平成 35 年(2023 年)予定)が計画されていることから、地域医療の機能を維持していく
ための取組みが必要となっています。
(3)「住みやすさ」に向けた課題
いきいきと暮らせる住みやすいまちとなるためには、教育・文化を豊かに育み、安全・安心・快
適に暮らせるまちの環境を整えることが重要です。
そのため、子どもたちの心身の健やかな発達の支援、変化の激しい時代を子どもたちがたくまし
く生き抜くことができる教育、地域全体で子どもを育てるコミュニティづくりを進めるとともに、
生活の豊かさを高めるスポーツや文化芸術に親しむことのできる環境整備や活動の促進が必要で
す。
また、まちの環境の面では、国の史跡に指定された狭山池を、本市の魅力や市民の誇りの核とし
てさらに活用していくとともに、高齢化が進む狭山ニュータウンの再生や、各所で増加する空き家
への対策など、まちを再生し、魅力を高めていくことが必要です。
9
序章
後期基本計画の考え方
その際、災害、犯罪など市民の安全に対する脅威をなくし、安心を高めるための地域ぐるみの取
組みを促進することが重要な基盤となります。また、地球規模での環境問題に対しても、市民や事
業者のそれぞれの視点・立場での取組みを幅広く促進するなど、まずは地域における取組みを着実
に進めていくことが必要です。
(4)「将来への責任」に向けた課題
これらの課題への取組みを通じて将来への責任を果たすため、市民と行政が協働してまちづくり
を進める必要があります。
市政運営にあたっては、財政規律を堅持し、健全で無駄のない行政運営を進めることが必要です。
特に、将来世代への負担を軽減するため、都市基盤や公共施設などの総合的なマネジメントの推進
が今後の課題となります。さらには、社会経済動向の変化を見据え、将来に向けたまちづくりを明
確にした戦略的な施策の立案と展開が必要となります。
また、市民と行政の情報共有により、市政の透明性を高めるとともに、市民と行政の協働による
取組みをさらに強めていくことが必要です。特に、自治会等やまちづくり円卓会議をはじめ、これ
までに積み上げてきた市民が主体のまちづくりを、今後は、地域の担い手として発展させ、「市民
力」、「地域力」を高めていくことが必要です。
10
第1章
大阪狭山らしさを創出する 自立と協働のまち
11
第1章 大阪狭山らしさを創出する
自立と協働のまち
1.参画と協働のまちづくり
【現状と課題】
地方自治体を取り巻く社会経済情勢が大きく変革しつつあるなか、地域においてさまざまな課題
が生まれ、市民ニーズも多様化しています。また地域活動に貢献する人材が高齢化する一方で、若
い世代の後継者も慢性的に不足しているため、地域コミュニティの希薄化が加速しています。
これまでのように、これらの課題に行政だけで対応していくことは困難な状況にあり、本市では、
まちづくり円卓会議条例の制定などを通じて、市民と行政がそれぞれの役割と責任に基づき、協働
によるまちづくりを推進しています。
今後、さらに協働によるまちづくりの推進を図るためには、より多くの市民にまちづくりに参画
してもらえる環境づくりや、積極的に参画してもらえる人材の発掘・育成に取り組むとともに、地
域に根ざした活動を行っている自治会等の活動の意義や魅力を周知し、加入率の向上を図るなど、
コミュニティ活動の活性化を図る必要があります。
【基本方針】
地域内で活動するさまざまな団体による、地域のまちづくりの課題解決に向けた取組みを支援し、
市民自治の確立をめざします。
そのため、市民が自分たちのまちに誇りと愛着を持ち、主体的にまちづくりを進めることができ
るよう、協働のまちづくりを実践する舞台づくりを進め、活動の担い手となる人材や団体の発掘・
育成に取り組みます。
また、人のつながりや自治会等への加入促進などを支援するとともに、世代を問わず気軽に立ち
寄れる場の整備に努め、コミュニティ活動の活性化を図ります。
さらにボランティア情報の提供を行うとともに、団体相互のネットワークづくりに努め、ボラン
ティア活動の活性化を図り、市民主体のまちづくりを推進します。
地域内分権の推進
【施策体系】
協働の舞台づくり
参画と協働のまちづくり
コミュニティ活動の促進
ボランティア活動への支援
【施策の概要】
(1)地域内分権の推進
地域のまちづくりの課題解決に向けて取り組む自治会等をはじめ、まちづくり円卓会議などの活
動を支援し、市民と行政の協働による地域づくりを進めます。また、こうした活動の周知や市民の
幅広い参画を促進するとともに、まちづくりに積極的に参画してもらえる人材の発掘・育成に取り
組みます。
(2)協働の舞台づくり
市民と行政が対等な立場でそれぞれの役割を理解しあいながら協働の関係を深めるため、市民が
12
第1章 大阪狭山らしさを創出する
自立と協働のまち
主体となったイベントの開催や自然環境の保全活動など、まちづくりを実践する舞台づくりに取り
組みます。
(3)コミュニティ活動の促進
地域を支える人材育成の支援や生涯学習活動による地域課題の理解、コミュニティ活動への参加
を促進し、コミュニティ活動の活性化をめざします。また、地域の住民が気軽に立ち寄れる交流の
場づくりを支援します。
(4)ボランティア活動への支援
ボランティア活動を支援している社会福祉協議会や市民活動支援センターなどの連携を強化し、
ボランティア活動に関する情報発信の充実や、団体相互のネットワークづくりを進めます。また、
ICT(情報通信技術)を活用し、インターネットを通して多様な情報を広範囲に発信します。
【指標と目標】
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
市民・市民公益活動団体との協働事業数(件)
172
180
自治会等への加入率(%)
64.0
65.5
267
276
指
標
市民活動支援センター発行の「しみんのちから」登録数(団
体)
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・自らの発言と行動に責任を持って、まちづくりに取り組み、自治力の向上をめざし
ます。
事業者
・協働によるまちづくりの推進に協力します。
行
・参画と協働のまちづくりに、市民と事業者とともに取り組みます。
政
13
第1章 大阪狭山らしさを創出する
自立と協働のまち
2.人権尊重の環境づくり
【現状と課題】
国際化や情報化の進展など急速な社会環境の変化などにより、同和問題・女性・障がい者・高齢
者・子ども・在日外国人など、人権問題は多様化・複雑化しています。
本市では、
「大阪狭山市人権行政基本方針」に基づき、人権教育・啓発、人権擁護の各施策を積極
的に展開してきました。しかし、インターネットを使った人権侵害や「ヘイトスピーチ」などの新
たな課題への対応が求められており、国の法整備の進展を踏まえながら、より一層、積極的な取組
みが必要となっています。
【基本方針】
すべての人が、かけがえのない存在として尊重される、豊かにつながりあい、だれもが自分らし
く生きがいをもって暮らせる人権文化をはぐくむまちづくりを進めるために、あらゆる機会を通じ
て人権教育・啓発を推進します。また、情報提供・相談体制を整備することによって人権擁護活動
を充実させ、人権問題の解消をめざします。
家庭・学校・地域・職場などのあらゆる場において人権尊重の精神をはぐくむために、次代の担
い手である子どもの人権に関する学習環境の充実や人権にかかわる市民団体との連携を図ります。
【施策体系】
人権教育・啓発の推進
人権尊重の環境づくり
人権擁護活動の充実
【施策の概要】
(1)人権教育・啓発の推進
家庭・学校・地域・職場などあらゆる教育・学習の場を通して、参加しやすく状況に応じた人権
教育・啓発を推進します。また、それらを通じて、市民が日常生活や職場において、モラルと人権
尊重の意識を相互に高めあうよう努めます。
市職員や教職員の人権に係る研修を充実し、それぞれが現場において、人権意識をもって仕事に
取り組むことで、人権意識の高揚を図ります。
(2)人権擁護活動の充実
インターネットの普及などの新たな社会情勢を背景とした人権課題に対応できるよう、相談機関
や関係機関、市民団体との連携を強め、市民や地域生活に密着した人権擁護活動の充実を図ります。
【指標と目標】
指
標
人権啓発講座への参加人数(人)
14
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
82
140
第1章 大阪狭山らしさを創出する
自立と協働のまち
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・すべての人が、かけがえのない存在として尊重される、人権文化をはぐくむまちづ
くりをめざして、人権教育や啓発活動などに参画します。
事業者
・企業内研修などにより、人権教育・啓発に取り組みます。
行
・人権教育・啓発や相談・情報提供の取組みによって、人権問題の解決を図ります。
政
15
第1章 大阪狭山らしさを創出する
自立と協働のまち
3.男女共同参画社会の環境づくり
【現状と課題】
家庭・学校・地域・職場などのあらゆる場において、男女が互いに人権を尊重しながら、共に責
任をもち、個性と能力を十分発揮できる男女共同参画社会の実現に向けた取組みが求められていま
す。
本市では、男女共同参画推進センター「きらっとぴあ」を拠点として、男女共同参画社会の実現
に向けた取組みを行っていますが、性別による固定的な役割分担意識や、セクシュアルハラスメン
ト、ドメスティック・バイオレンス、ストーカー行為など、現在問題となっている課題への取組み
を充実する必要があります。
【基本方針】
「男女共同参画推進条例」の理念に基づき、男女が互いに人権を尊重しつつ、責任を分かちあい、
性別にかかわりなく個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現をめざします。また、
女性に対するあらゆる暴力を根絶するための取組みを進めます。
女性と男性が対等にまちづくりに参画できるように、あらゆる意思決定の場への女性の登用を促
進します。
【施策体系】
男女共同参画社会の実現に向けた啓発・教
育の推進
男女共同参画社会の環境づ
くり
相談事業の充実
【施策の概要】
(1)男女共同参画社会の実現に向けた啓発・教育の推進
「きらっとぴあ」を拠点として、情報提供やセミナー・講座の開催、交流サロンの運営などの実
施や男女共同参画の視点に立って市民や団体の活動を支援し、男女共同参画社会の実現に向けた啓
発・教育を推進します。
また、男女が互いの意見や視点を反映し、ともに住みよいまちづくりを進めていくため、政策決
定の場への女性の参画を進めます。
(2)相談事業の充実
さまざまな悩みを抱える女性に対して、適切な支援や情報提供が行えるよう、相談事業の充実を
図ります。
また、関係機関や市民団体との連携を図りながら、さまざまな問題の解決に取り組みます。
【指標と目標】
指
標
審議会などへの女性委員の割合(%)
16
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
28.0
35.0
第1章 大阪狭山らしさを創出する
自立と協働のまち
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・男女が互いに人権を尊重する、男女共同参画社会への実現に向けた取組みに参画し、
活動の輪を広げます。
・身近な男女共同参画社会の環境づくりとして、家庭でできることから始めます。
事業者
・性別にかかわりなく、個性と能力を十分に発揮できる職場づくりを進めます。
行
・男女共同参画推進プランに基づき、それぞれの主体の取組みを支援することによっ
政
て、男女共同参画社会の実現をめざします。
17
第1章 大阪狭山らしさを創出する
自立と協働のまち
4.平和への貢献
【現状と課題】
現在の国際社会では地域紛争、国際テロが多発しており、当事国間のみならず世界の平和を脅か
すものとなっています。
本市では、戦争、核兵器のない世界の恒久平和のため、一人ひとりが生命の大切さや平和の尊さ
を学び合い、貴重な体験を次世代に伝える取組みを進めてきました。しかしながら、戦争の実体験
を語ることのできる人の高齢化によりその継承が困難になっています。平和や核兵器の廃絶は全世
界共通の願いであり、生命の大切さ、平和の尊さを市民一人ひとりが認識する必要があります。
【基本方針】
「核兵器廃絶・平和都市宣言」を踏まえ、市民一人ひとりの平和意識の高揚を図り、争いのない
恒久平和をめざして啓発や学習に取り組みます。
【施策体系】
平和への貢献
平和の尊さを共有できるまち
【施策の概要】
(1)平和の尊さを共有できるまち
平和を考える市民のつどいの開催や、戦争に関する資料収集や体験談の活用、啓発ビデオ、パネ
ルの貸出などの人権啓発・平和事業を行い、平和の尊さを共有できる取組みを進めます。
【指標と目標】
指
標
現 状 値
(平成 25 年度※)
目 標 値
(平成 32 年度)
150
200
平和を考える市民のつどいへの参加者数(人)
※平成 26 年度は、台風の接近により開催していないため、平成 25 年度を現状値として記載しています。
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・平和事業に参加することを通じて、生命の大切さ、平和の尊さに対する市民一人ひ
とりの認識を高めます。
事業者
・市民団体や行政と連携して平和への貢献に取り組みます。
行
・市民一人ひとりの平和意識の高揚を図るために、平和事業の実施など平和の尊さを
政
訴える取組みを進めます。
18
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
第2章
健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
19
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
1.いつまでも元気で暮らせる健康づくりの推進
【現状と課題】
本市でも、死因別死亡数をみると悪性新生物(がん)が最も多く、心疾患、肺炎、脳血管疾患と
続いていることから、生活習慣病の予防に取り組むことが重要となっています。また、自立した生
活ができる期間を示す健康寿命を延伸させるために、市民自らが主体となって健康づくりに取り組
むことを、より一層支援していく必要があります。
特にがん対策については、早期発見・早期治療が最も重要なことから、各種がん検診の受診率の
向上に向けた取組みと喫煙防止対策が重要です。また、心疾患、脳血管疾患の予防のためにも、高
血圧、糖尿病等の重症化予防対策が必要となっています。
さらに、少子化が進む社会においては、妊娠期からの支援を強化し、安心して妊娠・出産・育児
ができるよう、母子保健・子育て支援施策によって切れ目ない支援をすることが重要となっていま
す。
また、近畿大学医学部附属病院の移転再編(平成 35 年(2023 年)予定)が計画されており、将
来にわたって安心な医療体制の確保に向けた検討が必要となっています。
【基本方針】
「健康大阪さやま 21(第 2 次計画)
」に基づき、すべての市民が生活の質を高め、健康寿命を延
ばすことができるよう、乳幼児期から高齢期にわたるすべてのライフステージにおいて、妊婦・乳
幼児健診やがん検診、健康教育や保健指導、予防接種などの保健事業を推進します。また、食育や
食生活の改善、運動、こころの健康、飲酒、たばこの各分野について、正しい知識の啓発などに積
極的に取り組むとともに、歯と口腔の健康を保ち、健診等による早期発見・早期治療を推進するな
ど、家庭、学校、職場、地域社会、行政が一体となって、生涯にわたり継続的に取り組む健康づく
り運動を推進します。
また、地域の医療機関や近隣市町村との連携により、引き続き、初期救急医療をはじめとする医
療体制の充実を図ります。
【施策体系】
健康づくりの推進
母子保健の充実
いつまでも元気で暮らせる健
成人・高齢者保健対策
康づくりの推進
こころの健康づくり
感染症予防体制の充実
医療体制の充実
20
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
【施策の概要】
(1)健康づくりの推進
健康づくり活動は市民が中心となって展開していくことが重要であることから、広報・啓発活動
の充実をはじめ、生活習慣病やがんの対策、たばこ対策、運動の推進、食育の推進等を家庭、学校、
地域社会、行政が連携して推進します。
(2)母子保健の充実
健康診査や保健指導の充実に努めるとともに、妊娠期からの支援を一層強化することで、妊娠・
出産・子育ての切れ目のない支援を実施し、安心して子どもを産み育てられる環境づくりを進めま
す。
(3)成人・高齢者保健対策
がん検診や特定健診の受診により、生活習慣病の早期発見、早期治療に取り組むとともに、高血
圧症や糖尿病などの重症化予防対策に取り組みます。また、高齢期を迎えても、心身ともに健康な
生活を継続できるよう、適切な栄養摂取や壮年期以降にかかりやすい疾病等について周知し、市民
それぞれが身体機能を維持し、生活機能の自立を確保するための健康づくりを推進します。
(4)こころの健康づくり
こころの病気についての知識の普及啓発、こころの健康づくりに取り組むとともに、関係機関が
連携して自殺対策についても取り組みます。
(5)感染症予防体制の充実
市民が安心して暮らせるよう、感染のおそれのある疾病の発生予防や蔓延予防のため、予防接種
の接種率の向上を図るとともに、医療機関と連携して市民が接種を受けやすい環境を整えます。
(6)医療体制の充実
小児夜間救急医療や休日診療など初期救急医療体制の円滑な運営に努め、誰もが安心して診療を
受けることができる医療体制を構築します。また、近畿大学医学部附属病院の移転再編後も、将来
にわたって安心な医療体制が確保できるよう努めます。
【指標と目標】
指
現 状 値
(平成 26 年度)
7.6~39.1
胃がん
7.6
肺がん 17.2
大腸がん 21.0
子宮がん 39.1
乳がん 34.1
標
がん検診受診率(%)
21
目 標 値
(平成 32 年度)
50.0 以上
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・健診への受診をはじめ、生きがいのある生活、正しい食生活など主体的に健康づく
りに取り組むことで生活習慣病の予防を図ります。
事業者
・特定健診やがん検診の受診を勧めるとともに、受動喫煙防止のため、職場内の禁煙
に取り組みます。
行
政
・計画に基づき、医療機関等の関係機関と連携して市民の主体的な健康づくりの取組
みを支援します。
22
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
2.地域のみんなで支えあう地域福祉の充実
【現状と課題】
本市では、市社会福祉協議会と連携しながら、地区福祉委員会やボランティア団体などが主体と
なった地域ぐるみの支えあいの活動を支援しています。そして、市と市社会福祉協議会が緊密に連
携・協力した活動を推進するために、これまで別々に策定してきた地域福祉に関する計画を「第3
次大阪狭山市地域福祉計画・大阪狭山市地域福祉活動計画」として一体的に策定しました。
中学校区毎に CSW(コミュニティソーシャルワーカー)を配置して、制度の狭間等で、どこに
相談に行ったらいいのか分からない要援護者に対して、個別支援や市民、関係団体・機関、行政が
連携した地域のセーフティネット(安全網)の構築に努めてきました。
公的な福祉サービスだけで対応することができない生活課題に対応するためには、地域が一体と
なった支援体制がますます必要となっています。
また、心身障害者福祉センター及び母子・父子福祉センターなどの福祉施設については、公共施
設等総合管理計画を踏まえ、計画的に維持管理を行うとともに、長期的な視点での再整備を検討し
ていきます。
【基本方針】
「第3次大阪狭山市地域福祉計画・大阪狭山市地域福祉活動計画」に基づき、市と市社会福祉協
議会が緊密に連携しながら地域福祉推進体制の整備を図るとともに、地区福祉委員会やボランティ
ア団体などの活動を支援することによって、市民が主体の地域福祉活動を推進します。
また、ハード(施設の改善など)
・ソフト(人的支援など)の両面において、ユニバーサルデザ
インの考えに基づき公共施設の整備を進めるなど、すべての人にやさしい生活環境の整備を進めま
す。
【施策体系】
地域で支えあう仕組みづくり
地域福祉の担い手づくり
地域のみんなで支えあう地
避難行動要支援者の支援
域福祉の充実
高齢者や障がい者などにやさしい生活環境の整備
福祉施設の機能の充実
【施策の概要】
(1)地域で支えあう仕組みづくり
市民による身近な支えあいの活動である小地域ネットワーク活動の充実をはじめ、要援護者の発
見・見守り・支えあいを広げ、市民、関係機関・団体、行政などにより地域の要援護者が制度の狭
間に陥ることのないよう、地域福祉セーフティネット(安全網)の構築を推進します。
また、地域の民生委員・児童委員、関係機関などが連携して孤独死や虐待防止に取り組みます。
23
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
(2)地域福祉の担い手づくり
身近な相談相手となる民生委員・児童委員の活動内容の周知を図るとともに、地域福祉の推進を
支援し、活動しやすい環境づくりを進めます。
また、福祉活動やボランティア活動への関心を高めるため、学校や地域における福祉教育や啓発
によって福祉意識の高揚を図り、地域福祉の新たな担い手を養成します。
(3)避難行動要支援者の支援
地震などの災害時に備えて、避難行動への支援が必要な避難行動要支援者に関する情報を把握す
るとともに、関係機関・団体などの連携・協力により、安否確認などの避難行動要支援者の支援を
図ります。
(4)高齢者や障がい者などにやさしい生活環境の整備
高齢者や障がい者を含むすべての市民が安心して快適に生活できるよう、ハード(施設の改善な
ど)・ソフト(人的支援など)の両面においてユニバーサルデザインによる福祉のまちづくりを推
進します。
また、高齢者や障がい者が家庭で自立した生活ができるよう、住宅改修等の助成を行います。
(5)福祉施設の機能の充実
福祉施設については、計画的な維持管理を行うとともに、長期的な視点での再整備の検討を行い
ます。
【指標と目標】
指
標
小地域ネットワーク活動実施支部数(支部)
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
39
45
【まちづくりのための役割分担】
主
市
体
民
事業者
行 政
それぞれの役割
・地区福祉委員会やボランティア活動に参加し、地域での支えあい・助けあい活動に
取り組みます。
・地域の一員として、福祉分野における社会貢献・地域貢献活動に取り組みます。
・地域の要援護者に対するセーフティネット(安全網)の構築を図り、市社会福祉協
議会や市民・事業者と協働して地域での支えあいの活動を支援します。
24
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
3.高齢者に安心な福祉サービスづくり
【現状と課題】
本市では、「大阪狭山市高齢者保健福祉計画及び第 6 期介護保険事業計画」に基づき、団塊の世
代がすべて 75 歳以上となる平成 37 年度(2025 年度)に向け、中長期的な視点で地域包括ケア体
制の構築や、今後増加が予想される高齢者に対応した介護予防に取り組み、また、介護サービスの
量・質の確保を進め、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるための環境整備を進めています。
介護保険事業を持続可能な制度として適正に運営するとともに、地域ぐるみで高齢者を支える高
齢者福祉施策の充実が課題となっています。
【基本方針】
高齢者が住み慣れた地域や家庭で安心して暮らせ、生きがいをもって生活できる活力あふれるま
ちづくりを推進します。
そのため、支援を必要とする高齢者に対して、介護保険サービスや保健・福祉サービスを提供し
ます。
また、高齢者の健康増進や生きがいづくりへの支援を図り、年齢や世代にかかわらず支えあうこ
とができる地域社会の実現をめざします。
【施策体系】
自立を支える地域社会づくり
高齢者に安心な福祉サービ
保健・福祉サービスと介護予防の充実
スづくり
介護保険事業の推進
【施策の概要】
(1)自立を支える地域社会づくり
高齢者が地域の中で生きがいを見つけられるよう、市民と協働して住民参加型のイベントやボラ
ンティア活動などの環境づくり、社会参加の機会を提供します。
地域包括支援センターや在宅介護支援センターなどの相談窓口を強化し、高齢者が地域の中で安
心して快適な生活を過ごせるよう環境整備を図ります。
(2)保健・福祉サービスと介護予防の充実
住み慣れた地域で自立した日常生活を過ごすことができるよう、地域住民が主体となった介護予
防の取組みを推進します。
また、ICT(情報通信技術)も活用し、医療との連携を図りながら、保健・福祉サービスを提供
し、高齢者が健康で自立した生活を過ごせるよう支援します。
25
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
(3)介護保険事業の推進
高齢者のニーズに基づいたサービスを選択できるように、地域包括支援センターを中核機関とし
て、地域における高齢者の生活を総合的に支援します。また、地域包括支援センターが地域支援の
力を発揮できるよう、機能強化を図ります。
サービス給付と負担のバランスをとり、満足度の高い持続可能な保険事業を推進します。
また、介護予防・日常生活支援総合事業については、要介護状態にならないように身体や生活機
能の維持向上を図るため、地域における生活支援の担い手となるボランティア、NPO、民間企業等
の身近な地域資源を活用しながら心身の健康状態を維持できるよう、サービス提供の体制整備等に
取り組みます。
【指標と目標】
指
標
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
81
85
自立高齢者の割合(%)
※65 歳以上人口のうち、要介護認定を受けていない者の割合
【まちづくりのための役割分担】
主
体
市
民
それぞれの役割
・地域ぐるみで高齢者を支えるまちづくりを進めます。
・できる限り健康で自立した生活を送ることができるよう、介護予防への取組みを進
めます。
事業者
・高齢者 SOS ネットワークなどに積極的に取り組み、高齢者が地域で安心して暮らせ
るよう支援します。
行
政
・計画に基づき、高齢者福祉施策及び介護保険事業などを適正に運営し、高齢者が住
み慣れた地域で安心して暮らせるように支援します。
・生きがいづくりや、介護予防、介護サービスの基盤整備など、高齢者にやさしいま
ちづくりに努めます。
26
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
4.障がい者の自立や社会参加を支える福祉サービスづくり
【現状と課題】
本市では、
「第 2 次大阪狭山市障がい者計画」に基づき、ノーマライゼーションの理念の普及や
福祉サービスの充実に取り組んでいます。
障がい者が地域で自立した生活を送るためには、福祉サービスだけでなく、就労や雇用の促進、
文化活動やスポーツ等の社会参加、医療や年金など、総合的な生活支援が必要になります。
平成 25 年(2013 年)4 月に「障害者自立支援法」が「障害者の日常生活及び社会生活を総合的
に支援するための法律(障がい者総合支援法)」へと改められたことから新たな法律に対応した行
政サービスの提供が求められます。
また、平成 24 年(2012 年)4 月に児童福祉法の一部が改正されたことにより、障がい児通所支
援サービスの支給にかかる事務が新たに市町村事務となったことから、利用者が安心してサービス
を利用することができる提供体制の整備などが求められています。
【基本方針】
ノーマライゼーションの理念に基づき策定した「第 2 次大阪狭山市障がい者計画」及び「第 4 期
大阪狭山市障がい福祉計画」を推進し、障がい者がいつでも、どこでも、あらゆる活動に自主的・
主体的に参加できる社会の実現をめざします。
計画の推進に加えて、サービスを提供する職員の専門性を高めることや、障がい者の増加や高齢
化、障がいの重度・重複化に対応した新たなサービスづくり、地域ぐるみの障がい者支援などの施
策の充実を図ります。
【施策体系】
社会参加の促進
自立支援サービスの充実
障がい者理解の促進
就労及び雇用の支援
【施策の概要】
(1)社会参加の促進
障がい者が地域で活動できるよう、地域活動支援センターでの活動やスポーツ・レクリエーショ
ン活動、当事者団体の活動を支援します。
また、移動支援や手話通訳者の派遣など、障がい者の社会参加を促進します。
(2)自立支援サービスの充実
住み慣れた地域や家庭で安心して自立した日常生活を送れるよう、障がい福祉サービス及び障が
い児通所支援サービスの提供体制の充実を図るとともに、相談支援体制の強化に努め、障がいの状
27
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
況に応じたきめ細かな情報提供を行います。また、介護に係る家族の負担軽減のため、ショートス
テイの充実等に努めます。
(3)障がい者理解の促進
障がい者に対する偏見や差別をなくし、障がいのある人もない人もともに暮らすことができるよ
う、障がいや障がい者への理解を促進します。また、「障害を理由とする差別の解消の推進に関す
る法律」の施行に伴い、地方公共団体等職員対応要領の作成、相談等の体制整備、啓発等の対応を
進めます。
(4)就労及び雇用の支援
障がいがあっても働くことで自立をめざすことができるように、障害者就業・生活支援センター
など関係機関との連携を図りながら、自立支援協議会などを通じて地域課題の抽出と解決方策の検
討を進め、就労支援と障がい者雇用促進に向けた体制の整備や啓発活動を推進します。
また、福祉的就労の場として、大きな役割を担う就労継続支援事業所などの確保に努めます。
【指標と目標】
指
標
地域活動支援センターの年間のべ利用者数(人)
現 状 値
(平成 26 年度)
8,345
目 標 値
(平成 32 年度)
8,500
34,984
36,500
日中活動系サービスの年間のべ利用者数(人)
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・障がい者が地域の中で、安心していきいきと暮らせるよう、地域での支えあいに取り
組みます。
事業者
・障がい者の雇用の創出を図り、障がい者が働きやすい職場環境の整備に努めます。
行
・必要な障がい福祉サービスを給付し、障がい者の社会参加や地域移行、自立生活を支
政
援します。
・福祉施設への簡単な作業の委託や福祉施設で作成された物品の購入の拡充を図ります。
28
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
5.セーフティネットとしての社会保障の充実
【現状と課題】
市町村国民健康保険財政は、国民健康保険の構造的な要因や医療給付費の増加等により厳しい状
況となっていることを踏まえ、平成 30 年度(2018 年)から都道府県が財政主体となり国民健康保
険の運営が行われることになりました。
大阪府と市町村が共同で実施している子ども医療や老人医療、障がい者医療、ひとり親家庭医療
などの各福祉医療制度については、引き続き、適正な運営に努める必要があります。
国民年金については、年金制度を適正に運用するため、普及啓発による加入の促進や相談業務の
充実に取り組む必要があります。
生活保護については、面接相談員や医療扶助相談支援員を配置し、体制整備を進めるとともに、
就労支援員を配置し、ハローワークとの連携のもと、就労支援施策にも取り組んでいます。
また、生活保護に至る前の段階の生活困窮者に対しては、自立相談支援事業と家計相談支援事業
を市社会福祉協議会に委託して実施していますが、今後、福祉的配慮が必要な生活困窮者について
日常生活自立に関する支援など、市が積極的に自立に関する支援を実施する必要があります。
【基本方針】
国民健康保険については、平成 30 年度(2018 年)からの運営の広域化を踏まえながら、医療費
の削減を図る取組みを行うとともに、市民が安心して医療を受けることができるよう健全な運営を
図っていきます。
福祉医療制度については、大阪府と連携し、負担の公平が図れるよう制度の安定的な運用を図り
ます。
国民年金については、無年金者の発生防止のため、制度の普及啓発や年金相談の充実を図ります。
生活保護については、生活保護受給者に対する生活の安定と自立更生に向けて、生活保護制度の
適正な運用に努めます。また、生活困窮者については、就労自立に向けて各種支援事業を実施しま
す。
【施策体系】
国民健康保険財政の安定
福祉医療制度の充実
セーフティネットとしての
社会保障の充実
国民年金制度の促進
生活保護受給者及び生活困窮者の支援
【施策の概要】
(1)国民健康保険財政の安定
特定健康診査の受診率や特定保健指導の利用率の向上を図り、健康増進・生活習慣病の予防を進
め、医療費の適正化に取り組みます。また、保険料の収納率向上をめざした徴収体制を強化します。
29
第2章 健康で安心して暮らし続けられる 思いやりのあるまち
(2)福祉医療制度の充実
子ども医療、老人医療、障がい者医療、ひとり親家庭医療などの各種医療制度の充実に努めます。
(3)国民年金制度の促進
年金制度への理解を深めるため、広報活動や年金相談の充実を図ります。未加入者の加入勧奨を
行い、保険料未納による無年金者の防止に努めます。
(4)生活保護受給者及び生活困窮者の支援
生活保護受給者に対し、その困窮の程度に応じた保護を受けることができるよう、生活保護制度
を適正に運用するとともに、自立した生活が営めるようさまざまな阻害要因を個別に調査・分析し、
解消するよう適切な支援を行います。
また、生活困窮者に対しては、日常生活や社会生活における自立を支援するために、自立相談支
援事業や家計相談支援事業のほか、就労準備支援事業や子どもの学習支援事業などを立ち上げます。
【指標と目標】
指
現 状 値
(平成 26 年度)
33.1
標
国民健康保険特定健康診査受診率(%)
目 標 値
(平成 32 年度)
60.0
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・社会保障制度について理解を深め、必要となる社会保障サービスを適切に受けます。
事業者
・行政と連携し、質の高い社会保障サービスの提供に努めます。
行
・社会保障制度の維持・充実のため、財源確保に努めるとともに、セーフティネット
政
として市民の生活を支えます。
30
第3章 人と自然が共生する 環境にやさしいまち
第3章
人と自然が共生する 環境にやさしいまち
31
第3章 人と自然が共生する 環境にやさしいまち
1.水と緑を守り、親しむことができる環境づくり
【現状と課題】
本市の緑は、市街化の進展により減少しつつありますが、あまの街道沿いの「(仮称)今熊市民
の森」周辺は、自然が残された貴重な空間であり、都市緑地法に基づく「大阪狭山市みどりの基本
計画」による保全を図る区域として、緑を残す取組みを行っています。
また、都市公園は、自然とのふれあいの場、市民同士の交流の場、健康づくりの場、災害時の避
難場所など多様な機能を有しています。今後も、水と緑のネットワークの骨格を成す公園や緑道を
整備するとともに、効率的・効果的な維持管理を行っていく必要があります。
さらに、市民との協働による緑化推進など、地域における緑の創出と保全に努める必要もありま
す。
【基本方針】
水や緑などを身近に感じられるよう、ため池・河川・樹林地・農地を適切に保全・活用し、公園
や緑道とあわせて水と緑のネットワーク形成を図ります。
公園や緑道の整備を推進するとともに、地域における緑化の推進や管理など、市民との協働によ
る緑の創出や保全を進め、誰もが利用しやすい憩いと安らぎの場を提供します。
人と自然が共生するまちづくりを進めるため、生物多様性の保全に取り組みます。
【施策体系】
貴重な自然環境の保全と活用
公園緑地の整備
水と緑を守り、親しむこと
都市緑化の推進
ができる環境づくり
水と緑のネットワークの形成
生物多様性の保全
【施策の概要】
(1)貴重な自然環境の保全と活用
「(仮称)今熊市民の森」をはじめとする自然環境を保全するため、必要に応じて用地取得など
を進め、生態系に配慮した、保全と活用方法を検討します。
(2)公園緑地の整備
環境や時代の変化に応じた、誰もがより利用しやすい公園や緑地をめざし、遊具等の充実も含め
た、利用者の視点に立った整備を進めます。また、既設公園や新設公園などあらゆる公園において
公園美化活動団体への助成を行うとともに、若い世代がボランティアへの活動に参加しやすくなる
ように取り組みます。
32
第3章 人と自然が共生する 環境にやさしいまち
(3)都市緑化の推進
都市の緑化を推進するため、事業者、市民と協働して緑のまちづくりを進めます。事業者が開発
時等に緑を積極的に確保するよう、緑化協定の締結など、緑化誘導の手法を活用していきます。
また、花づくり運動や公園ボランティアなど、市民と連携して緑化を進めます。
さらに、「市の木」である桜を、狭山池をはじめ、市内の主要施設に植樹するとともに、維持管
理も重視し、桜の保全に努めます。
(4)水と緑のネットワークの形成
狭山池を水と緑の拠点として、市内に点在するため池や公園を、河川や緑道、道路の街路樹など、
軸で結び、水と緑のネットワークを形成します。
(5)生物多様性の保全
生物多様性の保全に向けて、植生や流域環境の調査を行うとともに、市民協働により、あまの街
道沿いや副池周辺の自然の保全や、西除川のヒメボタルの保全活動などにも取り組みます。
【指標と目標】
指
現 状 値
(平成 26 年度)
5.7
標
市民一人当たりの公園面積(㎡/人)
目 標 値
(平成 32 年度)
7.0
【まちづくりのための役割分担】
主
体
市
民
事業者
それぞれの役割
・自宅周辺の公共空間の草花の手入れなど、緑化推進事業に参画します。
・CSR(企業の社会的責任)活動などによる自然環境保全に取り組みます。
・自然環境、緑の保全に配慮したまちづくりに参画します。
行
政
・土地所有者との緑化協定の締結、用地取得などにより自然環境の保全に努めます。
・河川やため池の改修にあわせ水辺環境を整備するとともに、自然景観や歴史景観を
生かして、うるおいのあるまちづくりを進めます。
33
第3章 人と自然が共生する 環境にやさしいまち
2.地球にやさしい環境づくり
【現状と課題】
地球温暖化の原因は、石油や石炭などを大量に消費した結果、温室効果ガスが大量に発生したこ
とにあるといわれています。
本市では、これまでも「大阪狭山市地球温暖化対策実行計画」に基づき、行政活動全般にわたる
温室効果ガスの削減を図るとともに、環境マネジメントシステムである「エコアクション 21」の
認証・登録など、率先して環境負荷の低減に取り組んできました。
しかしながら、東日本大震災以降の火力発電所の稼働増加等に伴い、温室効果ガス排出量は増加
傾向にあります。
温室効果ガス排出量のさらなる削減に向けて、市自らの取組みに加え、「エコフェスタおおさか
さやま」の開催などにより、若い世代も含めた全ての市民に対し、地球温暖化対策に関する普及啓
発を図るとともに、市内事業者に対する「エコアクション 21」の導入支援などの取組みを推進す
る必要があります。
【基本方針】
行政活動全般にわたる温室効果ガスをさらに低減させるとともに、市民一人ひとりの地球温暖化
問題に対する啓発や意識の高揚を図り、市民、市民団体、NPO、事業者等との協働により、地球に
やさしい環境づくりを促進します。
【施策体系】
地球温暖化対策の計画的な推進
地球にやさしい環境づくり
地球温暖化防止の啓発
再生可能エネルギーの利活用
【施策の概要】
(1)地球温暖化対策の計画的な推進
「地球温暖化対策の推進に関する法律」などに基づき、低炭素社会の実現に向け、「エコアクシ
ョン 21」の運用を通したエコオフィス活動を実践するとともに、市が実施する事務事業について
は、環境配慮の視点に立った企画・立案に努めます。
(2)地球温暖化防止の啓発
家庭から排出される温室効果ガスの削減に向けた啓発活動を市民、市民団体、NPO、事業者との
協働で推進し、市域全体の地球温暖化対策に取り組むとともに、
「エコアクション 21」を導入する
事業者に対する支援など、環境マネジメントシステムの普及促進を図ります。
(3)再生可能エネルギーの利活用
防災機能を有する都市公園をはじめ、公共施設での再生可能エネルギーの利活用や、地域におけ
34
第3章 人と自然が共生する 環境にやさしいまち
る太陽光発電の活用などの検討を進めるほか、一般家庭への再生可能エネルギーの普及に向けた取
組みを促進し、市域の温室効果ガスの低減を図ります。
【指標と目標】
指
現 状 値
(平成 26 年度)
-
標
公共施設の二酸化炭素削減割合(%)
目 標 値
(平成 32 年度)
(4,552t‐CO2)
6
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・地球温暖化問題に関する意識を高め、家庭でできる温室効果ガスの低減に取り組み
ます。
事業者
・
「エコアクション21」の認証・取得等により事業に伴う温室効果ガスを低減します。
行
・地球温暖化対策実行計画を推進し、行政活動全般にわたる温室効果ガスをさらに低
政
減させるとともに、低炭素社会の実現に向けた施策を推進します。
35
第3章 人と自然が共生する 環境にやさしいまち
3.ともに実践する循環型社会づくり
【現状と課題】
大量生産、大量消費、大量廃棄の社会システム構造は、資源の枯渇につながり、大気汚染や水質
汚濁など環境にも大きな影響を与えています。このため、これまでの生活スタイルを見直し、ごみ
の排出抑制を図るとともに、再資源化と適正なごみ処理の推進が求められます。
本市では、これまでごみ減量を目的として「ごみシール制度」を導入した後、「大阪狭山市ごみ
減量対策推進会議」を設置し、市民から公募した「大阪狭山市廃棄物減量等推進員」とともに、市
民との協働によるごみ減量化の取組みも進めてきました。今後も、減量化に向けたさらなる取組み
が求められます。
【基本方針】
環境への負荷の少ない循環型社会への転換を図るため、市民・事業者・行政が協働して、廃棄物
の発生を抑制(Reduce=リデュース)し、廃棄物を再使用(Reuse=リユース)し、また再生利用
(Recycle=リサイクル)する「3R」を柱に、市民一人ひとりがもっと身近に取り組むことのでき
る“R”、発生回避(Refuse=リフューズ)を加えた「4R」の推進を基本方針として、排出抑制・
資源化を進めます。
【施策体系】
ごみ減量化の推進
ともに実践する循環型社会づくり
資源リサイクルの推進
【施策の概要】
(1)ごみ減量化の推進
市民・事業者・行政が協働して、ごみの減量化を推進します。また、生ごみ排出時の水切りの徹
底、生ごみ堆肥化のさらなる促進、レジ袋の削減などのきめ細かい取組みを促進し、ごみそのもの
の排出抑制を図ることで、引き続き適正なごみ処理に努めます。
(2)資源リサイクルの推進
資源ごみのさらなる分別徹底に向け、カン・ビンの収集品目の拡大、ペットボトルの収集回数増
加、その他プラスチック製容器包装の全域収集なども視野に入れ、今後実施すべき項目を検討し、
再資源化による循環型社会づくりに努めます。
【指標と目標】
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
ごみ減量化目標率(%) (減量化量/総ごみ量)
8
22
資源リサイクル率(%) (資源ごみ量/総ごみ量)
18
28
指
標
36
第3章 人と自然が共生する 環境にやさしいまち
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・ごみの分別やリサイクル活動、買い物時のマイバッグ利用など、ごみを減らす生活
スタイルを実践します。
事業者
・ごみの減量化や資源化に取り組みます。
行
・ごみの発生抑制や資源化などの啓発及び適正なごみ処理を進めます。
政
37
第3章 人と自然が共生する 環境にやさしいまち
4.うるおいのある美しいまちづくり
【現状と課題】
本市では、よりよい生活環境をつくるため、市民協働による美化運動が進められており、三津屋
川におけるアドプトリバー制度による取組みや、道路においても市民協働による美化運動やアドプ
トロード制度による取組みが行われています。今後の活動を一層充実していく上で、次世代へのさ
らなる参加啓発等も重要となってきます。
また、「ポイ捨て」や不法投棄は減少していますが、今後も監視を続ける必要があり、騒音など
の監視や指導などとあわせて総合的な環境対策に取り組む必要があります。
【基本方針】
うるおいのある美しいまちづくりを進めるため、市民・事業者・行政の協働で公共空間の美化に
努めます。
また、生活環境の保全に取り組み、公害のない快適な生活環境の確保をめざします。
【施策体系】
環境美化の推進
うるおいのある美しいまちづくり
公害対策の推進
【施策の概要】
(1)環境美化の推進
「ポイ捨て」をなくしモラルの向上を図るため、啓発を行うとともに、まちをきれいにするため
のクリーン作戦やアドプト制度などの活動を支援します。
また、市民との協働で違反屋外広告物の撤去を行うなど、美しいまちづくりに取り組みます。
(2)公害対策の推進
環境情報を収集し、環境保全に向けた情報提供を進め、公害の未然防止に努めます。
また、生活排水の適正処理について啓発を行い、河川や池の水質保全に努めます。
【指標と目標】
指
現 状 値
(平成 26 年度)
1(河川)
標
アドプト制度実施箇所数(か所)
38
目 標 値
(平成 32 年度)
3(河川)
第3章 人と自然が共生する 環境にやさしいまち
【まちづくりのための役割分担】
主
体
市
民
それぞれの役割
・美化運動やアドプト制度などの取組みに参画します。
・「ポイ捨て」やペットの糞尿放置の防止に取り組みます。
事業者
・地域の環境美化に協力します。
行
・総合的な環境施策を進め、環境保全の啓発及び監視・規制を行います。
政
・アドプトリバー制度における協定書に基づき、取組みを支援します。
39
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
第4章
ともに学び 世代をつないで
40
人を育むまち
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
1.子育てにやさしい環境づくり
【現状と課題】
平成 27 年度(2015 年度)から「子ども・子育て支援新制度」が施行されたことに伴い、本市で
は、幼保一元化の運営に取り組んできたこども園(南第三幼稚園・第二保育所)と民間保育所の山
本保育園を、幼稚園と保育所の良いところを併せ持つ幼保連携型認定こども園に移行しました。ま
た、新たな保育所の整備や各小学校における放課後児童会の充実を図るとともに、子育て支援拠点
施設のほかプレイセンター事業や認定子育てサポーター事業の実施により、安心して子どもを産み
育てることができる環境づくりを進めてきました。
しかし、子どもや子育て世帯を取り巻く環境は大変厳しくなってきており、子育てに対する不安
やストレス等による児童虐待の予防の取組みとともに相談・支援への対策が求められています。
また、子どもの貧困問題への対応や、ひとり親家庭に対する経済面をはじめとする自立への支援
も求められています。
さらに、核家族化や女性の社会進出により共働き世帯が増加しており、放課後児童会への入会希
望の増加に対応するための施設等の充実も必要となっています。
今後は、これらの子育て支援の取組みとあわせて、子育てにやさしい環境づくりを進める必要が
あります。
【基本方針】
子どもたちの健やかな育ちをめざし、地域社会全体で子育てを支援する環境づくりを進めます。
相談機能や支援事業を充実させ、子育てに関する親の負担感の軽減、児童の虐待防止に取り組み
ます。
また、子育てと仕事の両立支援、小学校就学前の教育・保育の充実に取り組みます。
【施策体系】
地域や家庭における子育て力の向上
配慮が必要な子どもと家庭への支援
子育てにやさしい環境づくり
子育てと仕事の両立支援
就学前教育・保育の充実
【施策の概要】
(1)地域や家庭における子育て力の向上
「ぽっぽえん」をはじめとする子育て支援の拠点施設において、子育て世帯が気軽に利用できる
よう実施する事業の充実に努めるとともに、新たな拠点施設の整備を検討します。さらに、保護者
自らが地域で子どもの遊び場を提供するプレイセンター事業を推進し、親と子がともに育つための
活動を支援します。
また、新たな子育てサポーターを養成し、子育ての知識や経験を持った市民が各地域で子育てを
41
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
サポートする体制を整えます。
(2)配慮が必要な子どもと家庭への支援
発達障がい等のある児童やひとり親家庭、経済的に支援が必要な家族について、専門的な相談に
応じるほか、支援事業充実により、自立に向け安定した生活が送れるよう支援を行います。
また、地域の民生児童委員、児童相談所、教育委員会、保健センターなどの関係機関や市民と連
携して児童虐待防止に取り組みます。
(3)子育てと仕事の両立支援
保護者の就労などにより、保育を必要とする乳幼児を保育所や認定こども園で受け入れ、子育て
と仕事の両立を支援します。
また、放課後児童会においては、放課後児童支援員と学校、保護者、関係機関が情報共有しなが
ら、子どもが安全に活動でき、保護者が安心して預けられる体制を整備します。
さらに、一時預かりや病後児保育、休日保育など、多様なニーズに対応した保育サービスを提供
します。
(4)就学前教育・保育の充実
保護者の状況に応じて、幼稚園、保育所及び認定こども園の適切な配置に取り組むとともに、教
育・保育の質の向上に努めます。
【指標と目標】
現 状 値
(平成 26 年度)
5
目 標 値
(平成 32 年度)
10
認定子育てサポーター登録者数(人)
64
100
保育所入所児童数(人)
860
1,043
保育所待機児童数(人)
0
0
指
標
プレイセンター設置数(か所)
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・子育ての第一義的責任者は保護者であるという自覚と責任を持ち、子どもを育てま
す。
・子育て支援の環境を活用して、安心して子どもを育てます。
・保護者同士の交流による育児ネットワークづくりなどに参加し、地域ぐるみの子育
て支援の輪を広げます。
事業者
・育児休業の取得促進を図るなど、子育てと仕事の両立を支援します。
行
・保育所・幼稚園・認定こども園や子育て支援センターなどを拠点として、子育てに
政
やさしい環境づくりに取り組みます。
42
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
2.学ぶ力・生きる力を伸ばす教育環境づくり
【現状と課題】
少子高齢化社会を迎え、家庭・学校・地域が力を合わせて、地域社会全体で次代を担う人材の育
成に取り組んでいく必要があります。
幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎が培われる大切な時期であるため、保育所・幼稚園及び
認定こども園では各園における特色ある教育・保育活動の充実が求められています。
学校教育では個に応じた指導の充実や、子どもたちの自学自習力の育成、学習習慣の定着が求め
られているとともに、不登校やいじめ問題の解決に向けた取組みを進める必要があります。
また、経済的理由により、家庭での学習の機会や場所がない子どもへの学習支援が求められてい
ます。
次代を担う子どもたちを育てるためには、ICT(情報通信技術)機器を活用した学習や英語教育
の充実、学校教育の現場における教職員の資質向上や養成も求められています。今まで積み上げて
きた教育のノウハウを確実に引き継いでいくとともに、時代の変化に対応した教育のあり方を身に
つける取組みを進めることが必要です。
さらに、学校園及び学校給食センターは耐震化工事が完了したものの、老朽化した施設について
は、大規模改修工事を計画的に進める必要があります。
【基本方針】
次代を担う人材の育成をめざし、
「生きる力」を育むために、教育内容の充実を図るとともに教
職員の資質や能力を高めるための教職員研修を実施します。
子どもたちの「学び」と「心の育ち」をより確かなものにするために、「保・幼・小・中」のつ
ながりを強め、家庭や地域と連携した教育環境づくりを進めます。
また、経済的理由により、家庭での学習の機会や場所がない生徒、その他家庭環境において特別
な配慮を要する生徒を対象に、家庭学習の支援に取り組みます。
【施策体系】
自ら学び、ともに育つ教育の推進
教職員の資質向上
学ぶ力・生きる力を伸ばす
家庭学習への支援
教育環境づくり
安全・安心な学校給食の提供
教育施設の整備・改修
地域に開かれた学校園づくり
【施策の概要】
(1)自ら学び、ともに育つ教育の推進
習熟度別による少人数指導や教員の複数配置による指導など指導方法や指導体制を工夫改善し、
43
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
個に応じた指導の充実を図るとともに、学習支援チューターや地域人材バンクなどを活用し、アク
ティブ・ラーニングによって児童・生徒の学習意欲を高め、自学自習力や学習習慣を確立します。
ICT(情報通信技術)機器を活用し視覚支援を取り入れた学習や、
「読む・聞く・書く・話す」の
4 技能をバランスよく学習し、身につけることができる英語教育などの充実を図ります。
また、ボランティア活動への参加や職業体験等を通して社会性を育む取組みを進めるとともに、
道徳教育や人権教育などの視点から、仲間づくりを大切にし、豊かな心を育てます。
さらに、不登校やいじめ問題の解決に向け、「フリースクールみ・ら・い」の充実や相談体制の
強化を図ります。
(2)教職員の資質向上
マネジメント研修、危機管理研修、人権教育研修、子ども理解のための研修、若手教員向けに 10
年目教員が企画・主導するチームワーク研修、教科等課題研修及び幼児教育・保育研修など、子ど
もの「学び」と「心の育ち」をより確かにするために教職員の資質向上を図ります。
(3)家庭学習への支援
家庭の教育力を高めるため、家庭が果たすべき役割などを学ぶ講座の充実や、親が学べる場の充
実を図ります。
また、経済的理由により、家庭での学習の機会や場所がない生徒、その他家庭環境において特別
な配慮を要する生徒(主に中学 3 年生)を対象に、土曜日や長期休業中の学習の支援に取り組みま
す。
(4)安全・安心な学校給食の提供
老朽化した学校給食施設等を改修するとともに、国の食物アレルギー対応指針に基づき、より安
全で安心な学校給食の提供に努めます。また、児童生徒の健全な心身の発達のためには栄養バラン
スのとれた豊かな食事が重要であることから、行事食や地場産物を活用しながら食育を推進します。
(5)教育施設の整備・改修
子どもたちが快適で安心して学校園生活を送ることができるよう、老朽化した学校園施設の大規
模改造や小学校等の空調設備の整備などに、計画的に取り組みます。
(6)地域に開かれた学校園づくり
地域ぐるみで子どもを育てる環境づくりを進めるため、学校園を地域の拠点と位置づけ、学校
園・家庭・地域との連携を深め、地域の住民が学校園の教育活動や環境整備などに積極的に参加で
きる取組みを進めます。また、学校施設の地域での活用のあり方について検討します。
【指標と目標】
指
標
学校園の授業等への外部人材参加者数(人)
※外部人材による授業・学校行事への参画
44
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
819
850
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・義務教育の第一義的責任者は保護者であるという自覚と責任を持ち、子どもを育て
ます。
・PTA 活動、学校行事など学校園のさまざまな活動に積極的に参加します。
事業者
・地域の一員として、教育環境を支えます。
行
・次代を担う子どもたちを育てる環境づくりとして、教職員の資質を高めるとともに、
政
教育環境の充実を図ります。
45
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
3.青少年の健全育成の環境づくり
【現状と課題】
青少年を取り巻く社会環境は大きく変化しており、非行やいじめ、少年による事件の発生などが
大きな社会問題となっています。基本となる家庭の役割はもとより、学校、地域社会が連携しなが
ら、次代を担う青少年が心豊かに健やかに育つ環境整備が求められています。そのため、自然体験
や環境学習、ボランティア活動を通じた人とのかかわり方などを学ぶことのできる場や機会の提供
が必要です。
【基本方針】
青少年が人と人とのつながりのなかで、健やかな身体と豊かな人間性、人権感覚を育み、社会の
責任ある一員として成長できるよう、地域と学校が連携して幼児期から青少年の健全育成に取り組
みます。
青少年の発達段階に応じて、さまざまな悩みの相談に対応できる体制づくりに取り組みます。
【施策体系】
地域ぐるみの健全育成のための環境づくり
青少年の活動の場や機会の提供
青少年の健全育成の環境づくり
団体や指導者の育成
総合的支援体制のネットワークづくり
【施策の概要】
(1)地域ぐるみの健全育成のための環境づくり
家庭、学校、地域社会との連携により、青少年の非行防止にかかわる事業の充実に努めます。青
少年の健全育成のため、市内全域、小学校区や中学校区などを単位に活動を展開している団体を支
援することにより、自主活動を促進します。
(2)青少年の活動の場や機会の提供
青少年に活動の場や機会を提供するため、発達段階に応じた講座の開催や相談事業の実施、ボラ
ンティア活動などの情報提供を行うことにより、子どもも大人もお互いに成長しながら豊かな人間
性を育むことができる体制づくりに努めます。
また、市民ふれあいの里青少年野外活動広場において、自然体験や野外活動を通じた体験学習の
できる場としての施設の整備・改修や、キャンプ・工作などの体験活動の場を提供します。
46
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
(3)団体や指導者の育成
青少年の健全育成にかかわる団体を育成するとともに、指導者や青少年リーダーの養成に努めま
す。また、自己実現を図った大人の生き方から学ぶ機会を青少年に提供し、自立性・主体性を育み
ます。
(4)総合的支援体制のネットワークづくり
ひきこもり、ニート等の青少年への支援については、庁内連携はもとより、関係する機関や民間
団体、地域が連携し、発見から相談、自立にいたるまで、総合的支援体制のネットワークづくりを
推進します。
【指標と目標】
指
標
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
26,341
30,000
青少年野外活動広場利用者数(人)
※小学生以下の利用者数
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・親、教師に次ぐ「第三の保護者」である地域の大人として、青少年健全育成に参画
します。
事業者
・次代を担う青少年の自立支援を図るため、学校などとの連携により職場体験や青少
年の健全育成の環境づくりを支えます。
行
政
・家庭、学校、地域と連携し、健全育成のための環境づくりを進めます。
47
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
4.生涯スポーツの推進
【現状と課題】
本市では、総合体育館や野球場、テニスコートをはじめとした各種スポーツ施設や、市民ふれあ
いの里などのレクリエーション施設を整備するなど、市民が気軽に親しむことができる活動の場と
機会の提供に努めてきました。
高齢化の進行や健康づくりへの意識の高まりによって、健康づくりに取り組む市民が増えていま
す。平成 32 年(2020 年)の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、スポーツの多種目
化やスポーツ人口の増加に対応するためにも、専門的な知識を持った指導者の養成が必要になって
います。
また、老朽化が進んでいるスポーツ施設については、順次改修してきましたが、今後も計画的に
取り組む必要があります。
【基本方針】
健康・体力づくりへの参加意識を高めるため、マラソン大会などのイベントを開催するとともに、
子どもから高齢者まで健康づくりやスポーツを楽しめるよう、情報の提供や施設相互利用の促進、
各種教室の開催などに取り組みます。
また、スポーツ推進委員会、体育協会、総合型地域スポーツクラブなどの団体や、施設の指定管
理者と連携しながら、スポーツ活動の充実と活動を通した世代間の交流を図ります。
市内のスポーツ施設を市民が安全で安心して快適に利用できるよう、順次改修に取り組みます。
【施策体系】
健康づくりやスポーツに親しめる機会の提供
生涯スポーツの推進
団体や指導者の育成
施設の整備・改修
【施策の概要】
(1)健康づくりやスポーツに親しめる機会の提供
誰もが生涯スポーツに親しみ、健康で生きがいのある生活が送れるよう、各施設の利用率の向上
に努めるほか、学校体育施設開放などによる利用者の拡大を図ります。各種スポーツ教室の開催や、
イベントに関する情報の提供を行います。
(2)団体や指導者の育成
体育協会、総合型地域スポーツクラブなど、市民(団体)の自主的な活動や運営を支援します。
スポーツ推進委員をはじめ各種団体の指導者を養成し、身近な地域における活動を支援します。
48
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
(3)施設の整備・改修
市民にとって利用しやすい管理運営に努めるとともに、老朽化した施設の整備・改修を計画的に
進めます。
また、オーパス(スポーツ施設情報システム)を必要に応じ見直すなど、施設利用にあたっての
利便性の向上や情報提供の充実を図ります。
【指標と目標】
指
現 状 値
(平成 26 年度)
286,918
標
スポーツ施設利用者数(人)
目 標 値
(平成 32 年度)
316,000
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・生活の質を高めるために、日常的にスポーツ・レクリエーション活動に参加します。
事業者
・地域のスポーツイベントなどに積極的に参加します。
行
・指導者の充実や施設整備などの取組みによって、生涯スポーツ活動の環境整備を進
政
めます。
49
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
5.生涯学習の推進
【現状と課題】
本市には、文化会館、公民館、図書館等の施設が整備され、生涯学習活動の拠点として、市民が
それぞれの学習課題に応じて活用しています。
また、高等教育機関である帝塚山学院大学と平成 18 年(2006 年)に生涯学習推進協定を締結し、
官学協働で「成人大学講座」等の生涯学習に取り組んでいます。さらには、連携教育に関する協定
を平成 18 年(2006 年)に大阪大谷大学と、平成 22 年(2010 年)にはプール学院大学と締結し、
教育分野でも官学協働に取り組んでいます。
一方、地方分権や規制緩和の流れを受け、行政のスリム化が進んでいることから、市民と行政と
が互いの役割を担い、協働の関係を構築し、より質の高い公共サービスを提供するため「新たな公
共」の形成に取り組んでいます。生涯学習の推進は、新たな公共の形成を進める大きな力となって
おり、その活動の場である施設については、支障部分の改修やより有効な活用方策を検討する必要
があります。
また、地域社会の発展のために、市民や団体の学習や活動の成果を主体的かつ適切に生かすこと
ができる機会を提供する必要があります。
【基本方針】
市民の多様なニーズに応えるまちづくりを進めるため、大学と連携して官学協働で生涯学習に取
り組みます。また、本市全域を「学びのキャンパス」とし、市民や学生にとって、生涯のいつでも
自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が個々のキャリアやボランティア活動、地域
社会の発展などに生かされるようなまちづくりを推進します。さらに、学んだ人たちが教える側に
もなることができる生涯学習の総合型循環システムの構築を進めます。
【施策体系】
生涯学習の環境整備
生涯学習の推進
公民館活動の充実
図書館サービスの充実
【施策の概要】
(1)生涯学習の環境整備
教員や地域人材の専門性を生かし、市民の誰もが参加できる学びの場を提供します。また、大学
と連携して官学協働による事業を展開するとともに、民間の事業者を含めた生涯学習の取組みと連
携し、学習の機会を拡充します。特に、高齢者が健康でいきいきと暮らせるよう、熟年者による熟
年者のための市民教養大学として取り組んでいる「熟年大学」を支援し、高齢者がそこで生きがい
を感じ、仲間づくりなどにつながる多様な学習機会を協働して提供します。
そこで得た学習の成果を地域社会で生かす機会を提供するため、自主的な市民活動を支援する市
民活動支援センターを拠点として、ボランティア活動や地域活動などの活性化を図ります。
50
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
また、総合型循環システムを構築するため、行政をはじめさまざまな団体や機関等で取り組んで
いる講座やセミナーなどを総合的、体系的に整理し、学んだ成果を生かすことのできる環境整備を
進めます。
(2)公民館活動の充実
市民の主体的な学習活動や文化活動を支援するため、幅広い学習の場や機会の提供、老朽化した
施設の計画的な改修を進めます。
また、多様化する市民ニーズに対応できる公民館をめざし、利用者に運営参加を促すことにより
自主事業の充実を図ります。さらに、若者にも魅力のある事業の展開に努め、幅広い世代の参加を
促進します。
(3)図書館サービスの充実
蔵書や視聴覚資料の充実を図り、市民が読書に親しむ機会の拡大に努めます。
また、学校園との連携を強化するとともに、近隣自治体との相互利用など、広域的な図書館サー
ビスのネットワーク化を推進します。
【指標と目標】
指
標
公民館利用者数(人)
現 状 値
(平成 26 年度)
78,973
目 標 値
(平成 32 年度)
89,000
7.4
13.0
市民一人当たり図書貸出冊数(冊)
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・生涯学習活動に積極的に参加するとともに、活動を支える担い手同士の輪を広げま
す。
事業者
・地域ぐるみの生涯学習活動を支援します。
行
・大学との連携や場づくりに取り組むなど、市民の生涯学習活動を支援します。
政
51
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
6.市民文化・歴史文化の振興
【現状と課題】
本市では、地域で行われている盆踊りや地蔵盆などの伝統文化、地縁の下で取り組まれている地
域文化や市民が主体あるいは行政との協働による芸術文化があり、市民文化・歴史文化の取組みが
盛んに行われています。今後もこれらの文化活動を継承し、多様な主体が有効かつ機能的な連携を
図りながら、まちの魅力向上と個性豊かな文化芸術のまちづくりにつながるよう、市民の活動エネ
ルギーを生かす取組みが重要となっています。
国の史跡に指定された狭山池は平成 28 年(2016 年)に築造 1400 年を迎え、江戸時代に陣屋が
置かれた狭山藩も誕生 400 年を迎えます。これらは全国に誇れる歴史遺産であり、市民の心の拠り
所として歴史文化あふれるまちづくりに活用していく必要があります。
また、市史編さん事業を通して調査した情報を公開し、文化財を保存・活用することで、歴史遺
産への理解を深め、郷土への愛着を深めてもらう必要があります。
【基本方針】
「大阪狭山の豊かな文化芸術を育むビジョン」の理念に基づき、「市民が主体となってわがまち
の歴史文化や芸術を学ぶ」
、
「市民のいきいきとした暮らしと市民同士で顔の見えるコミュニティづ
くり」、
「まちへの愛着と誇りにあふれる感性豊かな子どもの育成」
、
「多様な人々の集いと交流の推
進」の 4 つの視点に立って、文化芸術のまちづくりをさらに深化させ、個性豊かで心を大切にする
本市ならではの文化芸術の創造をめざします。
これまでの埋蔵文化財の発掘調査や市史編さん事業での古文書調査などによって収集した資
料・情報を活用して市民の文化財への理解を深めます。国の史跡に指定された狭山池や、重要文化
財に指定された狭山池出土木樋、市指定文化財など、市内に所在する文化財を保存・活用して、歴
史文化豊かなまちづくりを進めます。
また、今後も継続して文化財調査を実施し、本市の歩んできた歴史と市の宝となる歴史遺産につ
いて市民に広く知ってもらえるよう努めます。
そして、多くの人が積極的に狭山池や狭山藩などの文化財の保存と活用にかかわり、市の文化財
保護のマスタープランを策定し、日本遺産ひいては世界遺産登録をめざすことで地域の活性化につ
なげます。
【施策体系】
文化芸術活動の支援
地域文化の発信
市民文化・歴史文化の振興
文化芸術を支える環境の整備
文化財の保存と活用
狭山池・狭山藩など歴史資産の活用
52
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
【施策の概要】
(1)文化芸術活動の支援
多くの市民が身近に文化芸術に親しみ、人と人とのつながりのなかで心豊かに暮らすことができ
るまちを実現していくため、市民主体の多様な文化芸術の活性化を支援するとともに、その活動を
次代にわたって継続的なものにしていくため、文化芸術に携わる人材や団体の育成を支援します。
また、文化芸術のさまざまな分野において、若い世代が気軽に参加できる機会を拡充するととも
に、若い世代の才能を発掘し、まちづくりにおいて積極的に活用するなど活動の支援に努めます。
(2)地域文化の発信
市民はもちろん、国内外から多くの人々が集い、本市の歴史や文化を理解し、まちに愛着を持っ
てもらうため、このまちの個性や魅力を市民自身が知り、誇りを持って守り育てていくとともに、
国内外の人に「個性豊かな地域文化」の発信に努めます。
(3)文化芸術を支える環境の整備
文化会館をはじめとする文化関連施設を生かし、中長期的な視点に立って、施設、設備の充実や
市民ニーズに対応したサービスの向上、さらには施設間のネットワークを構築することにより、市
民主体の文化芸術活動を側面的に支援します。
(4)文化財の保存と活用
古文書等の資料や埋蔵文化財など多岐にわたる文化財、歴史資料を体系的に調査、整理し、歴史
文化基本構想(文化財保護のマスタープラン)を策定して、保存・活用を図ることで、本市の歴史
をまちづくりや暮らしの中に生かしながら次世代に継承します。また、本市の文化財を積極的に公
開し、本市の歴史や文化に誇りと愛情を持ってもらえるよう努めます。
(5)狭山池・狭山藩など歴史資産の活用
国の史跡となった狭山池の保存と活用の方針を定め、市民が憩える狭山池を未来へ継承する方法
を提供し、その魅力を広く発信していきます。市内に陣屋が置かれた狭山藩については、藩主であ
った北条氏が戦国時代における小田原北条氏の末裔であることも踏まえ、関係遺物の収集と活用を
図るとともに、ゆかりのある小田原市と協力し、
「狭山北条 12 代」と「小田原北条 5 代」の歴史と
文化を広く全国に発信していきます。
また、狭山池博物館や郷土資料館、市史編さん所を活用して、市の歴史資産などにふれあう機会
を提供することにより、郷土に対する愛着や親しみ、ふるさと意識を育みます。
【指標と目標】
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
文化会館施設利用率(%)
77.0
77.5
狭山池シンポジウムの参加人数(人)
206
220
狭山池博物館で開催されたイベント数(事業)
28
30
指
標
53
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・文化・芸術に触れあうとともに、自らも活動の担い手として、積極的に活動に参加
します。
・市の文化や歴史に積極的に触れ、活動の中心となって文化財の保存と活用に努めま
す。
事業者
・市民の文化活動や学習活動を支援します。
・文化財の保存と活用を支援します。
行
政
・指定管理者と連携を図り、市民が主体となる文化活動や学習活動を支援します。
・本市の歴史文化を守り、まちづくりや暮らしの中に生かす取組みを進めます。
・各団体や施設と連携を図りながら、市民が主体となる文化財の保存と活用を支援し
ます。
54
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
7.国際交流・国内交流の推進
【現状と課題】
経済、文化、環境など多方面で国際化が進んでおり、本市においてもさまざまな文化を持った人々
が増加しています。
本市では国際化や地域間交流をめざして、大阪狭山市都市間市民交流協会の活動を支援し、姉妹
都市との国際交流や友好都市との市民交流に取り組んできました。
国際化の進展に対応できる活力ある地域社会を実現するためには、人権尊重と異文化への理解を
深め、日本人と外国人がお互いの文化を尊重し共生できる環境づくりが必要です。
【基本方針】
姉妹都市アメリカ合衆国オレゴン州オンタリオ市との学生の相互派遣などによる国際交流、友好
都市和歌山県日高川町とのイベントを通しての市民交流を進め、市民主体による交流活動を支援し
ます。
また、本市と共同で世界遺産登録をめざす大韓民国金堤市(キムジェ市)との交流を市民と共に
進めます。
さらに、国際理解教育など多文化共生のための取組みや人材育成、多言語での情報提供など、在
住外国人や本市を訪れる外国人が安心して快適に過ごせる環境整備を進めます。
【施策体系】
姉妹都市・友好都市交流の促進
国際交流・国内交流の推進
外国人が暮らしやすく訪れやすいまちづくり
国際理解の推進
【施策の概要】
(1)姉妹都市・友好都市交流の促進
市民との協働による国際交流、国内交流を進めるため、市民団体などが取り組む姉妹都市、友好
都市との自主的な交流活動を支援します。
(2)外国人が暮らしやすく訪れやすいまちづくり
外国語表記のパンフレットや案内表示を整備し、在住外国人や本市を訪れる外国人が、安心して
快適に暮らせる環境づくりを市民や市民団体との協働により進めます。
学校においては、外国人児童・生徒の受け入れ体制の充実に努めます。
(3)国際理解の推進
多文化共生社会の形成をめざし、大阪府や他市町村、市民団体と協力し、市民に外国の言語や文
化などを学ぶ機会の提供や、学校における英語教育の推進など、国際理解の浸透及び国際化に対応
55
第4章 ともに学び 世代をつないで
人を育むまち
する人材の育成のための取組みを進めます。
【指標と目標】
指
現 状 値
(平成 26 年度)
5
標
国際交流・国内交流実施事業数(事業)
目 標 値
(平成 32 年度)
15
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・人権尊重と異文化への理解を深め、お互いの文化を尊重し共生する意識を高めます。
事業者
・市民団体や行政と連携して国際交流・国内交流への貢献に取り組みます。
行
・市民一人ひとりの異文化への理解を深めるために、都市間交流や多文化共生の取組
政
みを進めます。
56
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
第5章
にぎわいがあり
安全で快適な暮らしのあるまち
57
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
1.快適で魅力ある市街地の整備
【現状と課題】
本市の市街化区域は、駅周辺のにぎわいのある市街地、計画的に整備された市街地、道路・公園
等の都市基盤整備が十分でない市街地及び生産緑地指定による農地等が残る地域で構成されてい
ます。
また、市街化調整区域は、既存集落とその周辺に農地等が混在している地域やまとまった農地・
緑地等が残る地域等があり、それぞれ多様な地域で構成されています。
そのため、地域の特性に応じた適切な整備手法を検討するとともに、安全で良好な市街地の形成
を図り、また、商業・サービス業などが集積する魅力あるにぎわい創出拠点の形成や行政・文化交
流拠点の充実、地域の資源を活用した新産業の取組みをはじめ、企業・商業施設の誘致など、都市
拠点及び地域拠点の整備充実を図る必要があります。
【基本方針】
快適で魅力ある都市環境を形成するため、地域の特性に応じて「にぎわい」、
「文化」、
「うるおい」
が感じられるよう、計画的な土地利用を誘導します。
また、良好な地域イメージの構築を図るため、自然環境の保全や都市景観の形成等、魅力ある都
市環境の形成を進めます。
【施策体系】
にぎわいのある市街地の整備
計画的な土地利用の推進
快適で魅力ある市街地の整備
魅力ある住環境の保全と形成
良好な景観の保全と形成
【施策の概要】
(1)にぎわいのある市街地の整備
人と環境にやさしい快適なまちづくりを進めるとともに、にぎわいを感じられるような市街地を
形成します。
特に、金剛駅周辺は、本市の玄関口として、アメニティあふれる場となるように緑化対策や基盤
整備を継続するとともに、商業やサービス業の集積や都市型住宅の誘導を図ります。
また、大阪狭山市駅周辺は、市役所・文化会館などの公共施設の集積する行政・文化交流拠点と
して、人々が親しみ集える場所となるよう、活性化を進め、あわせて商業やサービス業の集積を図
ります。
狭山駅周辺及びコミュニティセンター周辺は、地域住民の生活利便性を高めるため、商業など地
域拠点としての機能充実を図ります。
58
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
(2)計画的な土地利用の推進
緑の保全やまちなみなどに配慮した開発の誘導に努めるとともに、住民の合意形成に基づいた地
区計画や建築協定等を活用した魅力ある良好な住環境を形成します。
また、新産業の取組みにあわせ、都市計画マスタープランにおける市街化調整区域等の土地利用
について検討を進めます。
(3)魅力ある住環境の保全と形成
計画的に面整備された住宅市街地においては、高齢化などを背景として空き家の増加や敷地の分
割などが進んできており、空き家対策や住宅の適正な管理などにより、住環境を保全するとともに
住宅地の活性化にも配慮した取組みを推進します。市街化区域の面整備区域以外の市街地において
は、生産緑地等との調和を図りつつ、スプロール市街地の形成防止等に努めます。
市街化調整区域の既存集落においては、社会情勢の変化も考慮しながら、住宅地と農地や緑地と
が調和した住みよい住空間を形成します。
また、災害に強いまちづくりを進めるため、住宅の耐震診断や耐震補強への支援を行うことによ
り、市内の建築物の耐震化を促進します。
(4)良好な景観の保全と形成
本市の特性を生かし、都市環境の保全と良好な地域イメージの構築を図るため、市民参加による
地区ごとに魅力ある都市景観の形成を進めます。
【指標と目標】
指
現 状 値
(平成 26 年度)
8
(建築協定 5)
(地区計画 3)
標
地区計画・建築協定の誘導件数
76
住宅の耐震化率(%)
目 標 値
(平成 32 年度)
10
(建築協定 7)
(地区計画 3)
90 以上
【まちづくりのための役割分担】
主
体
市
民
それぞれの役割
・土地利用について、ルールを守り進めます。
・景観の重要性について理解し、良好な景観の保全や創出に参画します。
事業者
・景観の重要性について理解し、良好な景観の保全や創出に努めます。
行
・土地利用のルールの周知を行うとともに、適切な指導を行います。
政
・市民・事業者に協力を求めながら、地域特性を生かしたまちづくりを進めます。
59
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
2.人や環境に配慮した交通環境の整備
【現状と課題】
幹線道路(都市計画道路)は、都市構造の骨格の一部になるとともに、市内交通を円滑化し、各
拠点を結びつける重要な役割を果たす一方で、通過交通が増えるという問題を併せ持っています。
このような特性を踏まえ、未整備区間については、都市計画の見直しを含めて検討する必要があり
ます。
また、橋梁については、老朽化したものもあり、安全性の確保を図っていく必要があります。
生活道路については、順次整備を進めていますが、今後も通行の安全性や快適性の向上を図ると
ともに、歩きやすく安全な歩行空間として整備を進める必要があります。
交通事故は減少傾向にあるものの、自転車による事故が増加していることから、道路交通法の改
正により、自転車に対する罰則などが強化されています。今後も安全な交通環境を整備するととも
に、交通安全意識の高揚に努めていく必要があります。
市内循環バスについては、長期的な運行が可能となるよう、運行の効率化と利用促進を進める必
要があります。
【基本方針】
幹線道路については、将来の都市構造を踏まえ、地域の都市間交通の円滑化や各拠点へのアクセ
スの向上をめざすため、事業を促進し道路のネットワークの形成を図ります。
生活道路については、舗装補修や袋小路の解消を図ります。
歩道については、計画的に整備・改修を行い、段差解消などバリアフリー化を進めます。併せて
橋梁についても定期的な点検・補修を推進し、市民の安全性と利便性、快適性の向上を図ります。
公共交通については、鉄道、バス、タクシーの事業者や関係機関と協議し、公共交通の充実に努
めます。
また、交通事故を抑制し市民の安全・安心な暮らしを守るため、交通安全施設の適切な維持整備
を進め、関係機関や地域と連携した交通安全教育の充実を図ります。
60
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
【施策体系】
幹線道路の整備
生活道路の整備
バリアフリー化の推進
人や環境に配慮した交通環
境の整備
公共交通の充実等
交通安全環境の整備
交通安全教育の充実
【施策の概要】
(1)幹線道路の整備
広域幹線道路として位置づけられている都市計画道路大阪河内長野線については、整備の促進を
図ります。
地域幹線道路や補助幹線道路については、河内長野美原線の整備を促進し、駅へのアクセス道路
である廿山高蔵寺線、西池尻4号線などを整備します。
整備にあたっては、良好な沿道環境や都市景観の形成に配慮するとともに、地域の都市間交通や
各拠点を円滑に結びつけ、生活道路への通過交通の抑制を図ります。
また、橋梁については、長寿命化計画に基づき、点検や補修を進めます。
(2)生活道路の整備
生活道路の舗装補修や施設整備を行うとともに、袋小路の解消に努め、安全性と利便性、快適性
の向上を図ります。
(3)バリアフリー化の推進
高齢者や障がい者など、誰もが自由に移動しやすく安全で安心して通行できるよう歩行空間の整
備を進めます。
(4)公共交通の充実等
公共交通機関である鉄道、バス、タクシーなどの事業者や関係機関等と協議し、公共交通の充実
に努めます。特に、市内循環バスについては、市民ニーズを把握し、サービス向上のほか、市内を
移動する身近な手段として、引き続き、利便性の向上に努めるとともに、市民の利用を促進します。
また、公共交通機関とあわせて、自転車の利用促進を図るなど、環境に配慮した交通環境の形成
を図ります。
(5)交通安全環境の整備
歩行者の安全を確保するため、交通安全施設の適切な維持管理に努めるとともに、歩道の整備を
61
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
進めます。
(6)交通安全教育の充実
誰もが安全で安心して暮らせるよう、交通安全教育を警察署と連携を密にしながら実施すること
で、特に自転車についての交通安全意識の高揚を図るとともに、自転車保険の加入促進と併せて交
通マナーの遵守を促します。
【指標と目標】
指
橋梁点検率(%)
現 状 値
(平成 26 年度)
0
標
(市内橋梁 67 橋分)
目 標 値
(平成 32 年度)
100
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・交通安全に対する高い意識を持ち、正しいマナーを身につけて交通ルールを守りま
す。
・バス、鉄道などの公共交通機関を積極的に利用します。
事業者
・バス、鉄道など公共交通機関の積極的な活用に努めるとともに、従業員の交通安全
意識の高揚を図ります。
行
政
・市道の維持管理や整備を進めます。
・交通安全に関する啓発や研修を行い、交通ルールを守る意識の向上に努めます。
・誰もが公共交通を利用しやすい環境づくりに取り組みます。
62
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
3.信頼できるライフラインの充実
【現状と課題】
水道事業を取り巻く環境は大きく変化しており、少子高齢化の進展による人口構成の変動、節水
機器の普及や節水意識の定着など、循環型節水社会への移行などにより、水需要が落ち込み、有収
水量が減少し、給水収益も年々減少しています。
一方で、昭和 40 年代に布設した送配水管などの老朽化に伴い、管路の更新と耐震化については、
引き続き取り組む必要があることから、財政的な負担は次第に大きくなってきています。
公共下水道整備(汚水)については、ほぼ完了しましたが、今後は施設の老朽化に伴い、下水管
の破損等に起因する道路陥没などの事故も懸念されます。このため、日常の点検調査により劣化状
況のデータを蓄積し、それに基づき、ライフサイクルコストの最小化や事業量の平準化を考慮した
計画的な予防保全型の維持管理が必要となっています。
また、公共下水道(雨水)は、集中豪雨による浸水被害に備え、効率的な整備を進めていく必要
があります。
なお、公共下水道事業を持続的・安定的に運営していくため、企業会計の導入が求められていま
す。
【基本方針】
上水道及び公共下水道については、安全かつ快適な生活環境を支えるライフラインとして充実を
図り、市民の安全な暮らしを守ります。
上水道については、老朽化した送配水管等の更新と耐震化に取り組みます。
また、効率的で持続可能な事業運営のために、アセットマネジメント手法を取り入れた詳細な事
業計画に基づく施策の実行により、安全で安定的な水道水の供給に努めます。
公共下水道(汚水)は、公共用水域の水質保全や生活環境の改善、浸水防除を目的として、改正
下水道法に伴う適正な維持管理と安全かつ快適な生活環境を支えるライフラインとして充実を図
ります。
公共下水道(雨水)は、浸水発生箇所のうち、優先順位を付けて、効率的に整備し、浸水箇所の
解消を図り、市民の生命及び財産を守ります。
なお、公共下水道事業の企業会計の導入にあわせ、水道事業と一本化した組織体制のもと、持続
的・安定的な事業運営を進めていきます。
【施策体系】
水道施設の更新
効率的で持続可能な水道事業の運営
安全で安定した水の供給
信頼できるライフラインの充実
公共下水道(汚水)の適正な管理
公共下水道(雨水)の整備
循環型水利用の推進
63
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
【施策の概要】
(1)水道施設の更新
老朽送配水管の更新と耐震化などを進めます。
(2)効率的で持続可能な水道事業の運営
事業運営の要となる経営面においては、給水収益が減少傾向のなか、アセットマネジメント手法
の活用による、ライフサイクルコストの削減と長期的な財政見通しを踏まえた事業量の平準化によ
り、効率的で持続可能な事業の運営に努めます。また、事業コストや経営効率化の取組み、料金の
仕組みなどについて情報提供に努めることで、事業の透明性を高めます。
(3)安全で安定した水の供給
大阪広域水道企業団との連携を深め、今後も安全で安定した水の供給に努めます。また、より一
層安全でおいしい水の供給と漏水の未然防止のため、鉛給水管の早期解消に努めます。
(4)公共下水道(汚水)の適正な管理
改正下水道法に併せた適正な維持管理(点検調査)を行い、修繕改築の計画策定から対策実施に
係る一連のマネジメントシステムを構築します。
(5)公共下水道(雨水)の整備
雨水整備については、浸水箇所を優先的に、従前の対策手法だけでなく、一時的に溜めるといっ
た新たな手法を視野に入れ整備を進めます。
(6)循環型水利用の推進
再生水や雨水の有効利用を進め、水の循環利用と節水意識の向上を図ります。
【指標と目標】
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
上水道耐震管布設率(%)
22.8
31.9
上水道鉛給水管解消率(%)
94.6
100.0
雨水整備率(%)
44.8
45.2
指
標
64
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
【まちづくりのための役割分担】
主
体
市
民
それぞれの役割
・水道の節水に努めます。
・公共下水道にごみや油を流さないよう心がけます。
・雨水ますの清掃や雨水浸透施設の設置に努めます。
事業者
・事業所内における貯水槽及び水道設備の適切な管理を行います。
・公共下水道にごみや油を流さないよう努め、水質保全に取り組みます。
・雨水ますの清掃や雨水浸透施設の設置に努めます。
行
政
・安全でおいしい水を安定的に供給するとともに、効率的で持続可能な事業運営に努
めます。
・持続可能な公共下水道の維持と迅速な対応に努めます。
・効率的な雨水整備手法を検討し、浸水対策に取り組みます。
65
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
4.消防・救急体制の整備
【現状と課題】
本市では、自主防災組織や女性防火クラブ員の育成、地域や消防団の防火・防災資機材の充実を
図るとともに、常備消防力・救急体制の強化に努めてきました。今後は、市民の協力により、特に
防火対策と初期消火の一層の強化を図っていく必要があります。
また、近隣自治体との部分的な施設・資機材等の共同運用や応援協定等の検討を進め、消防力の
強化を図ることが必要となります。
【基本方針】
地震・火災などの災害から、市民の生命と財産を守り、誰もが安心して暮らせるように、消防資
機材・消防水利の充実などにより消防力を増強するとともに、医療機関と連携した救急救命体制の
充実・強化を図ります。
【施策体系】
消防体制の充実
消防・救急体制の整備
救急救命体制の充実
火災予防の推進
【施策の概要】
(1)消防体制の充実
消防車両、消防資機材の計画的な整備更新や消防救急無線のデジタル化を進めます。
本部機能の効率化、初動体制の強化、重複投資の回避による経費節減など効果的・効率的な消防
組織体制を構築するため、近隣自治体との応援協定などの検討を進めます。
(2)救急救命体制の充実
高規格救急車など救急資機材の計画的な整備や救急救命士の養成を進めるとともに、救急活動時
には搬送先医療機関選定用のシステム等を活用しながら、医療機関との連絡・連携体制を密にし、
医療機関収容までの時間短縮を図るなど、円滑な救急業務に努めます。また、安全安心スクールな
どを通じて、AED の取扱いを含め、救命処置に関する講習を実施し、重篤患者の救命率の向上に
努めます。
66
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
(3)火災予防の推進
防火対象物や危険物施設の予防査察を強化し、住宅用火災警報器の設置促進や火災予防の普及啓
発により、市民の防火意識の高揚を図り、火災の未然防止に努めます。
【指標と目標】
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
火災発生件数にかかる死傷者割合(%)
30.0
6.9
救急患者搬送者のうち死亡者の割合(%)
1.6
1.1
指
標
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・防火意識を高め、消火器や住宅用火災警報器を設置するとともに、適切な維持管理
に努めます。
・適切な救急車の利用を心がけます。
事業者
・防火意識を高め、消火器や自動火災報知設備などの消防用設備の設置や消防訓練を
実施し、防火管理体制を充実します。
・事故防止に心がけ、地域の消防活動に協力します。
行
政
・各種消防資機材を計画的に整備し、各種災害に対応できる訓練を行います。
・安全安心スクール等を通じて、応急手当の普及啓発を行います。
・防火思想の普及啓発を行い、防火意識の高揚を図ります。
67
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
5.防災・防犯対策の充実
【現状と課題】
安全・安心なまちづくりを推進するため、防災対策については、自主防災組織をはじめとした自
助・共助体制についての理解や意識啓発に加え、地域のリーダー育成を一層進めるとともに、庁内
体制及び監視体制の強化や関係機関との連携、備蓄物資などの充実を図る必要があります。また、
近年の災害状況から、高齢者や障がい者などの避難行動要支援者の支援対策が重要となっています。
防犯対策については、学校と地域の安全を守ることを目的に、その活動拠点として、すべての小
学校に地域防犯ステーションを設置し、市民主体による自主防犯活動を促進しています。しかし、
特殊詐欺被害や、子どもや女性を狙った凶悪犯罪が増加傾向にあり、犯罪のない明るいまちづくり
を推進するためには、地域防犯リーダーや地域防犯活動団体の育成をさらに充実させるとともに、
活動に対する支援策を強化し、地域における自主防犯活動の促進を図る必要があります。
【基本方針】
地震・風水害などの災害から、市民の生命と財産及び社会資本を守り、市民が安心して生活を送
れるようにするため、自助・共助・公助の連携を図るとともに、防災意識の高揚や地域防災力及び
高齢者や障がい者などの避難行動要支援者の支援対策の強化、防災及び危機事象の情報収集・伝達
体制の充実、防災訓練の実施など、災害時の迅速な対応と災害への備えの両面から総合的な防災対
策を推進します。
犯罪を未然に防ぎ、市民が安心して生活を送れるようにするため、警察署や地域の自主防犯活動
団体などと連携、協力して、防犯教育や防犯活動を推進し、安全な環境づくりに努めます。
【施策体系】
防災対策の充実
防災・防犯対策の充実
防犯対策の充実
【施策の概要】
(1)防災対策の充実
防災用資機材等の充実による防災力の強化に努めるとともに、市民の防災意識の高揚を図り、自
主防災組織の育成など地域の自主的な防災活動を促進します。また、関係機関や地域の関係団体と
の連携・協力により、避難行動要支援者の支援を図ります。また、「防災士」の資格取得支援を実
施し、地域の防災リーダーの育成をめざします。
災害に強いまちづくりを進めるため、住宅の耐震診断・耐震補強を支援します。また、公共施設
については、耐震・耐火性の向上に努めるとともに、避難時における危険個所の改修・整備を進め
ます。
(2)防犯対策の充実
コミュニティ活動に対する関心の低さや近所付き合いの希薄化、生活時間の相違などが地域防犯
68
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
機能を弱めているため、広報・啓発活動を通じて市民の防犯意識の高揚を図るとともに、警察や防
犯委員会をはじめ、小学校区地域防犯ステーション運営団体など関係団体と一体となった地域ぐる
みの防犯活動を促進します。
また、防犯灯の適正な配置、街頭防犯カメラの設置、青色回転灯装備車によるパトロールなど、
防犯環境の向上を推進します。
【指標と目標】
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
68
80
安全安心推進リーダー認定者数(人)
71
150
防犯委員の人数(人)
447
550
指
標
自主防災組織の組織率(%)
※全世帯数のうち、自主防災組織に加入している世帯数の割合
69
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
【まちづくりのための役割分担】
主
体
市
民
それぞれの役割
・防災意識を高め、地域で力を合わせた救援・救助活動に備えます。
・防犯意識を高め、隣家同士の声掛けや子どもたちの登下校時の見守りなど、地域の
防犯活動に参加します。
事業者
・顧客や従業者の安全確保、業務の早期再開、地域への貢献に努めます。
・関係団体と連携、協力し、防犯活動を行います。
行
政
・自主防災組織の育成や防災訓練の実施、防災資機材の整備を行います。
・広報・啓発活動などにより市民の防犯意識の高揚を図ります。
・公共施設の耐震・耐火性の向上に努めます。
70
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
6.魅力ある都市農業の推進
【現状と課題】
本市では、これまでに都市近郊という立地条件を生かした農業の活性化や経営の維持安定を図っ
てきましたが、農業従事者の高齢化が進行しており、後継者など担い手の育成に向けた対策が必要
となっています。
また、大都市近郊の利点を生かした新鮮で安全な農産物の供給や市民農園としての活用により、
遊休農地の増加を抑制するとともに、貴重な緑のオープンスペースとしての役割も担っている農地
の保全や活用を図っていくことが求められています。
さらに、関係機関と連携し、ため池の改修など農業基盤の整備とあわせた農空間の環境整備を進
める必要があります。
【基本方針】
市民農園の開設促進や地産地消の取組みなどを通して、市民が農業に親しんでもらえる機会を提
供するとともに、新たな担い手の育成、生産基盤の整備や経営基盤の強化を図るなど、潤いと活力
ある農業振興を図ります。
また、農地を良好な緑地空間や景観を形成する貴重な資源として位置づけ、その保全と活用を図
ります。
【施策体系】
農業基盤の整備
地場流通の促進
魅力ある都市農業の推進
農業振興策の推進
【施策の概要】
(1)農業基盤の整備
農業用施設(ため池や水路)の整備改修を進めます。
(2)地場流通の促進
安全で安心な農産物の生産振興を図るため、エコ農産物の普及拡大に努めるとともに、朝市の拡
充、地元農産物を活用した特産物の開発など地産地消の取組みを進め、地場流通を促進します。
(3)農業振興策の推進
太陽光パネルをため池に設置し、その売電収入を維持管理に充てる取組みを検討します。
また、農業従事者の減少や高齢化に対応し、農業の担い手を確保するため、定年帰農者登録制度
の活用や、新規就農者や援農ボランティアの育成を図ります。
産業まつりにおける農産物の販売や、市民農園の整備促進など、市民が農業に親しみ、関心を高
める機会を提供します。
71
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
【指標と目標】
指
現 状 値
(平成 26 年度)
1.3
標
遊休農地の比率(%)
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・エコ農産物や地域で採れた農産物を消費します。
事業者
・エコ農産物や地域で採れた農産物を消費します。
行
・農業基盤の整備や農業経営の支援を行います。
政
72
目 標 値
(平成 32 年度)
0.8
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
7.活気あふれる商工業と雇用機会の拡大
【現状と課題】
本市では、地域商店会の経営基盤や後継者不足が問題となっていることから、商業者の育成に向
けた取組みが求められています。
市内事業者の雇用実態から見て、市域で雇用機会の拡大を図るには一定限界があることから、近
隣自治体と連携した広域的な雇用対策の取組みが必要となっています。
また、地域就労支援センターの相談機能を充実させるため、ハローワークなどの関係機関との連
携方策を強化していく必要があります。
【基本方針】
地域特性を踏まえ、地域に密着した商業の集積や活性化を図るとともに、市内商工業者の育成を
支援します。また、大阪狭山ブランドの開発など地域活性化の取組みを進めます。
雇用機会の拡大に向け、近隣自治体やハローワークなどの関係機関と連携し、就職困難者の支援
など地域就労支援事業の充実を図ります。
【施策体系】
商工業の振興
就労支援の推進
活気あふれる商工業と雇用
機会の拡大
コミュニティビジネスなどの育成
労働環境の充実
【施策の概要】
(1)商工業の振興
大阪府や商工会との連携を強め、経営相談や金融セーフティネットへの誘導をはじめ、中小企業
者に対する経営支援策の充実を図り、商工業の振興に努めます。
また、本市マスコットキャラクターや特産品を使用した大阪狭山ブランドの開発や、産業まつり
などを通じた農業及び商工業の各業種間の交流促進など、地域活性化の取組みを進めます。
(2)就労支援の推進
ハローワークなど関係機関と連携して、就労支援体制の充実に努めます。また、近隣市町村と連
携して、就職困難者を対象に就職相談会や求人求職フェアなどを通じて雇用機会の拡大を図ります。
(3)コミュニティビジネスなどの育成
コミュニティビジネスなどの新たな産業を育成するため、地域における創業支援体制の整備に取
り組みます。
73
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
(4)労働環境の充実
関係機関との連携を図り、専門的な知識を有する者による労働相談の実施や、事業所の人権研修
を促進するなど、すべての労働者が、安全に安心して働けるよう労働環境の整備充実を図ります。
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・地域の商店や商店会などで積極的に購買します。
・企業活動に理解を深め、地域における共存を進めます。
事業者
・障がい者の雇用の創出を図るとともに、安定的な雇用機会の提供に努めます。
行
・商工会と連携し、市内の中小企業者への支援を充実します。
政
・就職や雇用に関する相談を積極的に実施します。
74
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
8.観光の振興
【現状と課題】
南河内地域の自治体などで構成する華やいで大阪・南河内観光キャンペーン協議会、本市・堺市・
河内長野市などで構成する西高野街道観光キャンペーン協議会では、観光ルートの設定やマップの
作成、イベントの開催などを行ってきましたが、これからも狭山池博物館や西高野街道などの観光
資源を圏域内外に積極的に情報発信し、集客向上に努める必要があります。また、来訪者が快適に
滞在し、再来してもらえるよう、受け入れ体制の充実が課題となっています。
また、交流人口の拡大を図るため、国の史跡に指定された狭山池をはじめとする歴史資産を活用
した競争力のある着地型観光のプランや、大阪狭山ブランドなど、魅力的な観光商品の開発が課題
となっています。
【基本方針】
大阪府内の自治体をはじめ、大阪府・鉄道事業者・旅行事業者・出版・放送メディアなどと連携
し、ホームページやパンフレットなどを通して、観光情報を市内外に向けて発信するとともに、関
連イベントを開催し、集客に努めます。また、本市の観光スポットを訪れた人が快適に滞在できる
よう、ルート整備や観光ガイドの育成を図ります。
【施策体系】
観光資源の発掘と情報発信
観光の振興
受け入れ体制の充実
【施策の概要】
(1)観光資源の発掘と情報発信
狭山池が国の史跡に指定されたことに伴い、狭山池を新たな観光資源として活用します。また、
ホームページや観光パンフレットなど、各種メディアを利用した宣伝・情報発信を強化します。
(2)受け入れ体制の充実
施設の案内標識の設置など、観光客のニーズに応えたきめ細かな受け入れ体制づくりの検討を行
います。また、
「歴史街道情報センター」と連携し、観光ガイドの育成を図ります。
【指標と目標】
指
現 状 値
(平成 26 年度)
-
標
AR アプリの利用件数(件)
75
目 標 値
(平成 32 年度)
5,000
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・観光ガイドに登録し、観光の振興に参画します。
・まつりやイベントの企画から開催まで積極的に参画します。
事業者
・まつりやイベントの共催など観光振興に積極的に参画します。
行
・まつりやイベントの共催など観光振興を積極的に支援します。
政
・観光パンフレットの作成や観光ルートの設定など観光振興施策を推進します。
76
第5章 にぎわいがあり 安全で快適な暮らしのあるまち
9.安心できる消費生活の支援
【現状と課題】
消費生活の多様化に伴って発生する消費トラブルの内容も、高齢者を狙った架空請求やインター
ネットの利用による詐欺サイトなど複雑多岐に渡っており、相談体制の充実が求められています。
本市でも市民が消費トラブルに巻き込まれないための啓発や教育活動への取組みを、より一層推
進する必要があります。
【基本方針】
暮らしにかかわる相談体制の強化やトラブルの未然防止のための啓発活動を積極的に進め、市民
の消費生活への不安解消に向け必要な支援を充実します。
【施策体系】
消費者保護の推進
安心できる消費生活の支援
消費者の自立支援
環境にやさしい消費生活の推進
【施策の概要】
(1)消費者保護の推進
消費者トラブルが複雑かつ多様化しているため、消費生活センター組織の充実を図るとともに、
相談員や職員のさらなる能力向上を図ります。また、商品量目調査や立入検査などにより、消費者
保護を推進します。
(2)消費者の自立支援
消費者自身が自覚と判断力を持って行動できるよう、自立した消費者育成のための情報提供や学
習機会を充実します。
(3)環境にやさしい消費生活の推進
消費行動が環境への影響を避けることができないことから、消費者の立場から地球環境問題を考
えるよう、環境にやさしい消費行動の啓発や情報の提供に努めます。
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・消費トラブルに遭わないよう、情報収集や知識習得に努めるとともに、環境に配慮
した消費行動を心がけます。
事業者
・安全・安心な商品や役務の提供、公正な取引に努めます。また、消費者にわかりや
すい情報提供や苦情処理体制の確立を図ります。
行
政
・消費者の疑問やトラブルの解決に向けて相談に応じるとともに、トラブルの未然防
止のための啓発活動を行います。
77
第6章 みんなで創る 持続可能なまち
第6章
みんなで創る 持続可能なまち
78
第6章 みんなで創る 持続可能なまち
1.計画的な行政運営
【現状と課題】
国、地方を通じた厳しい財政状況のなかで、本市では、平成 18 年(2006 年)3 月に見直した「大
阪狭山市行財政改革大綱」に基づき、市民サービスの質的向上を図りながら、行政運営の効率化に
よるコスト削減に努めてきました。また、行財政改革の取組みについて、市民や有識者などからな
る外部組織を設置し、意見をいただくなど市民参画を進めてきました。
今後も、少子高齢化や人口減少社会の進展など社会経済情勢の変化やさらなる地方分権に対応す
るため、行財政改革の推進に取り組む必要があります。
また、行財政運営について、透明性を高めるとともに、より厳格で適正な情報の管理策を講じる
など、行政を取り巻くさまざまなリスクの軽減に努め、自律的に対応する組織を構築することが重
要です。
【基本方針】
簡素で効率的な行政運営を行うため、引き続き行財政改革に取り組みます。
また、地方分権の進展に対応し、市民自治を推進するため、積極的に市民への情報提供を行い、
行政運営への市民参画を進めます。
適正な定員管理と効率的な組織機構の構築に努めるとともに、人材の育成と活用及び明確な登用
に重点を置き、適正な人事制度の確立を図ります。
また、市民の利便性の向上、費用対効果の観点から行政の情報化を推進するとともに、行政リス
クの軽減に努めます。
【施策体系】
効率的で健全な行政運営
機動的で効率的な組織機構
計画的な行政運営
人材の育成と活用
情報化の推進と個人情報の保護
【施策の概要】
(1)効率的で健全な行政運営
地方分権時代に対応した簡素で効率的な行政運営を行うため、行財政改革を進めます。
また、公共施設等の老朽化への対応やニーズの変化に応じた機能の改善、将来コストの削減等に
向け、公共施設等の総合的な維持管理を進めます。
また、市民への説明責任を果たすため、情報提供を積極的に進めるとともに、施策等の点検や見
直しを行う機会への市民参画を促進します。
さらに、行政運営の透明性を高めるとともに、行政のさまざまなリスクに自律的に対応できるよ
う内部統制システムを適正に運用します。
79
第6章 みんなで創る 持続可能なまち
(2)機動的で効率的な組織機構
業務量を踏まえた、適正な定員管理に努めるとともに、地方分権の進展や新たな行政課題に即応
できる、機動的で効率的な組織機構の構築を図ります。
(3)人材の育成と活用
人材の育成に重点を置いた人事評価や、職員の能力や特性を生かすことができる適切な人事配置
など、人材の育成と活用に重点を置いた人事制度の確立を図ります。
計画的・体系的な研修を通じて、政策形成能力や法務能力などの向上を図るとともに、地域に愛
着を持ち、市民との協働によるまちづくりを担うことができる職員を育成します。
また、女性職員の登用など女性職員の活躍できる環境づくりを進めます。
(4)情報化の推進と個人情報の保護
市民サービスの向上と行政事務の効率化を図るため、行政の情報化を進めます。
また、市民の利便性の向上、費用対効果、社会保障・税番号制度(マイナンバー)の導入などの
観点を踏まえ、情報システムの改修と効果的な運用を図ります。
情報化を進めるにあたっては、個人情報などの漏えい防止等のための必要な措置を講じるととも
に、情報管理の徹底に努めます。
【まちづくりのための役割分担】
主
体
市
民
それぞれの役割
・計画策定やまちづくりの実践に積極的に参画します。
事業者
・計画的なまちづくりに積極的に協力します。
行
・市民との協働による計画策定やまちづくりを進めるための仕組みづくりに取り組み
政
ます。
80
第6章 みんなで創る 持続可能なまち
2.健全な財政運営
【現状と課題】
本市では、危機的な財政状況の立て直しを図るため、平成 15 年度(2003 年度)に「財政健全化
フレーム」を策定するとともに、行財政改革を推進し安定的な財政運営に努めてきました。
その後、三位一体の改革など地方財政制度の変化に対応するため見直しを行い、平成 19 年度
(2007 年度)に、平成 28 年度(2016 年度)までの財政運営の指針となる「財政運営フレーム」
を策定し、効率的な財政運営に努めてきました。
今後も、国の方針などの情勢の変化と多様化する行政ニーズに対応し、健全な財政運営を行うた
め、新たな収支見通しの策定を含め、歳入確保の取組みを進めるとともに、効率的な予算の執行に
努める必要があります。
【基本方針】
財政健全化法に定める健全化判断比率の動向に留意し、行財政改革を進め、新たな収支見通しの
策定により、安定した財政運営を進めます。歳入においては、市税などの徴収率の向上及び受益者
負担の適正化などを図るとともに、市の保有する債権の適正管理に取り組み、歳出においては、事
業の優先度を勘案し、最小の経費で最大の効果が出せるような財政運営を行います。
また、資産・債務の適切な管理や財務情報の開示等に資するため新地方公会計制度の導入を進め
ます。
【施策体系】
自立性の高い財政運営
財政計画の策定
健全な財政運営
財政健全化法への対応
新地方公会計制度の導入
81
第6章 みんなで創る 持続可能なまち
【施策の概要】
(1)自立性の高い財政運営
安定した財政運営を推進するため、市税などの徴収率の向上や市の保有する債権の適正管理、受
益者負担の適正化、広告料収入など、自主財源の確保に取り組みます。
(2)財政計画の策定
社会経済情勢の変化や地方財政制度の改正に伴う影響に留意し、新たな収支見通しを策定すると
ともに、適宜見直しながら、総合計画の着実な推進に取り組みます。
(3)財政健全化法への対応
実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の 4 つの指標に留意しながら、
健全な財政運営に努めます。
(4)新地方公会計制度の導入
新地方公会計制度の導入に向け、固定資産台帳を整備し、統一的な基準による財務書類を策定し
ます。
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・行財政運営が適切に行われているか注視します。
・行政サービスにおける適切な受益者負担への理解と協力を進めます。
事業者
・行財政運営が適切に行われているか注視します。
行
・健全な財政運営を進めるとともに、市民に対して財政状況について分かりやすく情
政
報提供を行います。
82
第6章 みんなで創る 持続可能なまち
3.開かれた透明性の高い行政の推進
【現状と課題】
本市では、広報誌やホームページ、SNS(ソーシャルネットワークキングサービス)など、さま
ざまな手段で市政に関する情報を市民に発信してきました。また、パブリックコメントやふるさと
いきいきカードなど、市政に対する市民の意見や提案を反映する取組みや、積極的な情報公開の推
進と適正な個人情報の保護に取り組んできました。
今後、高度情報化の進展を踏まえ、適正な個人情報の保護や、情報・通信技術の利用に困難を抱
える人への配慮を重視しながら、より一層積極的に市政に関する情報の提供や公開により、市民と
情報の共有化を進め、透明性を確保した効率的な行政を進める必要があります。
【基本方針】
市民に分かりやすい積極的な情報の提供や公開に努めるとともに、市民の安心につながる個人情
報の保護を徹底し、透明性を確保した効率的な行政手続の仕組みづくりを進めます。
【施策体系】
広報の充実
開かれた透明性の高い行政
広聴活動の充実
の推進
情報の公開
【施策の概要】
(1)広報の充実
市政にかかわるさまざまな情報を、広報誌やホームページ、情報公開コーナーなどを活用して、
分かりやすくきめ細かに情報発信するよう努めます。また、本市の住みやすさや魅力を広くアピー
ルするための情報発信に取り組みます。
(2)広聴活動の充実
市民の意識や意見、要望などを的確に把握し、市政に反映するため、広聴活動の充実に努めます。
(3)情報の公開
開かれた市政を推進するため、個人情報の保護を徹底した上で、市の保有する情報を適正に管理
し、情報公開制度の適切な運用に努めます。
【指標と目標】
指
標
ホームページへのアクセス件数(件)
83
現 状 値
(平成 26 年度)
目 標 値
(平成 32 年度)
497,417
700,000
第6章 みんなで創る 持続可能なまち
【まちづくりのための役割分担】
主
体
それぞれの役割
市
民
・行財政運営が適切に行われているか注視します。
事業者
・行財政運営が適切に行われているか注視します。
行
・適正な個人情報の保護を徹底しつつ、積極的な情報公開により説明責任を果たしま
政
す。
84
第6章 みんなで創る 持続可能なまち
4.広域連携の推進
【現状と課題】
本市では、ごみ処理やし尿処理、小児夜間救急医療体制の整備などをはじめ、大阪府からの権限
移譲などにより、まちづくり分野、福祉分野及び公害規制分野における事務の共同処理や、執行機
関や附属機関の共同設置などのように、近隣自治体との連携を推進しています。また、大阪府内受
水市町村の用水供給事業における大阪広域水道企業団など、大阪府域におよぶ広範囲の連携につい
ても参画しています。
さらに、国による新たな広域連携の仕組みの創設など、広域連携に期待する分野も、多岐にわた
っています。
市民に最も身近な基礎自治体の果たすべき役割が増大していくなか、各自治体がそれぞれ単独で
事務処理を行うよりも共同で処理するほうが、効率的でかつ効果的な事務は、広域連携による事務
処理体制を構築して進めることが必要です。
【基本方針】
効率的で効果的なさらなる広域連携の導入に向け、既に実施している広域連携のノウハウを活用
するとともにあらゆる手法を検討し、行政サービスの質的向上をめざします。
【施策体系】
広域連携体制の充実
広域連携の推進
新たな広域連携の推進
【施策の概要】
(1)広域連携体制の充実
既に共同処理にて実施している事務において、類似又は関連性のあるものの追加を図るとともに、
事務の集約により求められる高度な専門性に対応するため、適切な人材を配置するなど広域連携体
制の充実に努めます。
(2)新たな広域連携の推進
大阪府からの権限移譲事務や、共同で処理するほうが効率的かつ効果的である事務について、近
隣自治体と連携の強化を図り、新たな事務の共同処理体制の構築を進めます。
【まちづくりのための役割分担】
主
体
市
民
・広域連携によるまちづくりや事業への理解を深めます。
事業者
・広域連携によるまちづくりや事業への理解を深めます。
行
・地方分権の進展に対応して、さまざまな事務を効率的に処理できるよう広域連携を
政
それぞれの役割
進めます。
85