「今後のエネルギー政策のありかた」

内外情勢調査会
「今後のエネルギー政策のありかた」
平成28年1月25日
新潟県知事 泉田 裕彦
福島第一原子力発電所事故の本質とは
原子力発電所は、事故が発生したときに、原子炉を
放射性物質を
冷やすことに
失敗すると・・
圧力容器内の
水位が低下し、
炉心損傷に
、
、
ことにより安全を確保します。
冷やせなければ閉じ
込め続けることは困難
閉じ込めに失敗すると
放射性物質を外部へ
放出
図出典 東京電力
1
事故で明らかになった課題の例
<高線量下の作業>
事故による放射線量の上昇により、発電所内での事故対応のみならず、
発電所外での支援活動にも影響が生じました。
例えば、格納容器の破損を避けるための作業の際に、高線量のため現場
まで行けませんでした。また、放射性物質による汚染、被ばくの問題や避
難指示区域の設定により、発電所に直接物資を輸送できなくなりました。
現在の法制度では放射線量が上昇した
際に、原子力発電所の事故対応や避難者
の救援、物資の運送等を行うことができま
せん。
どのように対応するのか考える必要があ
ります。
※発電所内については、平成28年4月に緊急作業時の
被ばくに関する規制改正予定
2
事故で明らかになった課題の例
<事故後の規制の不整合>
○原子力発電所内よりも一般環境中の規制が緩い
・原子力発電所では、放射線管理区域で発生した廃棄物はドラム缶
に入れて処分
・事故により汚染した廃棄物は、8,000Bq/kg以下であれば通常の廃
棄物として処分可能
○放射線管理区域と避難解除の基準
・放射線管理区域:年間約5mSvを超えるおそれのある区域
・避難指示解除 :年間20mSv以下
○食品安全基準(例:飲料水)
・日本
10Bq/kg(放射性セシウム)
・ウクライナ 2Bq/kg(セシウム137)、2Bq/kg(ストロンチウム90)
規制の整合を図る必要があります。
3
事故で明らかになった課題の例
<なぜメルトダウンを公表しなかったのか>
事故発生の翌日にはメルトダウン(炉心溶融)が起きていたにも関わら
ず、東京電力はその状況をすぐに公表しませんでした。
東京電力がメルトダウンを公表したのは事故発生の2か月後でした。
事故発生の際の適切な情報発信や住民
避難の仕組みを整備する必要があります。
現在でも東京電力の幹部は政府事故調の調書の公開に応じていません。
また、避難者が損害賠償を求めた訴訟において、東京電力は事故前の
2008年に実施した明治三陸地震や貞観地震を基にした津波試算文書の提出
を拒否しています。
4
<メルトダウンの公表に関する時系列>
3月11日 14:46
3月12日 朝
平成23年東北地方太平洋沖地震発生
発電所正門付近などで燃料ペレットの中にしかない放射性物質(セ
シウム)を検出
3月13日 4:15 3号機TAF(燃料頂部)到達
4:53 テレビ会議(発電所技術班)
「TAF到達から炉心溶融まで4時間位と評価」
9:25 消防車による3号機の注水開始(原子炉への注水は1~4割)
3月14日 19:28 テレビ会議(2号機について)
武藤副社長:「(燃料が)裸になった時間の認識をそろえようよ。
18時22分。で、2時間でメルト。2時間でRPV(圧力容器)
破損の可能性あり。いいですね。」
吉田所長 :「はい。」
3月18日 東京電力の新潟県知事への説明
燃料の被覆管は溶けているが、燃料は溶けていない旨を説明
4月19日 内閣官房長官会見
「全体が溶けて、例えば炉に大きく穴が開くという状態ではない。」
5月24日 東京電力プレス資料
1~3号機のメルトダウンを公表(1号機は5/15に暫定評価公表)
5
事故で明らかになった課題の例
<海水注入等の重要事項の意思決定>
原子炉の冷却のため原子炉に水を注入する必要がありますが、海水を注
入すると廃炉になってしまうことから、当時、限られた量しかなかった淡
水を優先し注入を行いました。
このため、原子炉に水を注入できない時間が生じました。
原子力災害時において、事業者の経営へ
の配慮等により、事故への対応が不十分と
なってはなりません。
事故対応に関する重要事項の意思決定
が的確に速やかに行われる仕組みや体制
を整備する必要があります。
6
事故で明らかになった課題の例
<事故対応マネジメント>
発電所長が原子炉の冷却設備の運転状況を十分に把握していなかった
り、官邸や東京電力本店が発電所の事故対応に介入したりするなど、
事故対応は混乱しました。
過酷事故を誰が収めに行くのか。自衛隊?警察?消防?現在でもコン
センサスはありません。
9.11以降に米国で講じられたテロ対策(B.5.b)の情報は保安院にとど
まり電力会社に伝えられていませんでした。
東京電力は事故の際、放射性物質の拡散シミュレーションを実施し対
応したにもかかわらず、なぜ国はSPEEDIを活用しないのでしょ
うか?
原子力発電所の事故対応マネジメントを
検証し、技術的部分だけでなく、組織運営
から人的要因まで含めて原因や責任を明
らかにし、対策をとる必要があります。
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事故で明らかになった避難等に関する課題の例
●複合災害時の組織体制等
複合災害に迅速・的確に対処して防災対策を総合的に実施するよう災害対策基
本法や原子力災害対策特別措置法を一元的に見直すとともに、災害対応方針の決
定手順や、それぞれの役割が明確に定められるよう組織体制の構築が必要です。
●高線量下での災害対応
複合災害の状況において屋内退避指示が出ている時に、誰が道路の補修や避難
者の輸送をし、備蓄されている安定ヨウ素剤を配布するかなどの課題があります。
●避難困難者への対応
迅速な避難が困難な方のために、福祉施設等の建物では、一時的に放射線から
防護する対策が必要です。
●屋内退避施設の整備
地震や津波が発生した場合は、健常者でも避難が困難となることが想定されるため、
堅固な屋内退避施設の整備等が必要です。
●避難指示情報等の伝達
地震や津波で通信設備などに障害が発生した場合でも、迅速・確実に避難等を
伝える仕組みや手法を検討しています。
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複合災害時の指揮系統の問題(現行制度)
原子力災害対策特別措置法
災害対策基本法
原子力災害対策本部
官邸
(本部長:総理大臣)
緊急災害対策本部
(全面緊急事態で)
UPZの屋内退避を指示
法的拘束力を有する
指示権限がない。
災害対策本部
官邸
(本部長:総理大臣)
どうしたら、いいの!?
どうしたら、いいの!?
● 放射性プルームから住民を護るため
に屋内退避指示を出したら、余震に
よる死傷者が出るかもしれない。
● 震災から住民を護るために避難指示を
市町村
(本部長:市町村長)
出したら、放射性プルームにより被ばく
するかもしれない。
(国の指示を受けて)
(市町村の判断による)
屋内退避を指示
避難を指示
風向
放射性
プルーム
地震による建物の倒壊等
(地震との複合災害の場合)
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避難指示、屋内退避指示区域での活動
現行の労働安全衛生法では・・・
土砂崩れ
(地震との複合災害の場合)
労働安全衛生法 (抜粋)
Q1
避難指示、屋内退避指示
が出ている区域で、建設
業者は屋外での復旧活動
ができるのか?
第22条 事業者は、次の健康障害を防止するため必要な措置
を講じなければならない。
2号 放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気圧
等による健康障害
道路陥没
(地震との複合災害の場合)
第25条 事業者は、労働災害発生の急迫した危険があるとき
は、直ちに作業を中止し、労働者を作業場から退避させ
Q2
る等必要な措置を講じなければならない。
避難指示、屋内退避指示が出ている
区域で、バスの運転手は避難住民の
搬送活動に従事できるのか?
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UPZ※3内の安定ヨウ素剤の配布
原子力災害対策指針に沿うと・・・
Q1
全面緊急事態(EAL3)
発生から8時間後に
放射性物質放出
安定ヨウ素剤
備蓄庫
8時間以内にUPZの
全住民に配布すること
ができるのか?
誰が配布するのか?
原子力災害対策指針(抜粋)
全面緊急事態(EAL3※1)における防護措置
PAZ※2
【避難】
・避難の実施
【安定ヨウ素剤】
地方公共
・住民等への安定ヨウ
団体
素剤の服用指示
国
【避難】
・自治体に避難の実
施(移動が困難な者
の一時退避を含む)
を指示
【安定ヨウ素剤】
・自治体に安定ヨウ素
剤の服用を指示
UPZ※3
【屋内退避】
・屋内退避の実施
【安定ヨウ素剤】
・安定ヨウ素剤の服用準備(配布等)
【屋内退避】
・自治体に屋内退避の実施を指示
【安定ヨウ素剤】
・自治体に安定ヨウ素剤の服用準
備(配布等)を指示
※1 EAL3:全面緊急事態を判断する緊急時活動レベル
安定ヨウ素剤
備蓄庫
Q2
屋内退避指示が出ている中で、配
布活動を行う事はできるのか?
例) ①原子炉の運転中に当該原子炉への全ての給水機能が喪失
した場合において、全ての非常用の炉心冷却装置による当
該原子炉への注水ができないこと。
②全ての非常用直流母線からの電気の供給が停止し、かつ、
その状態が5分以上継続すること。
③炉心の損傷の発生を示す原子炉格納容器内の放射線量を
検知すること。
※2 PAZ:(予防的防護措置を準備する区域) 即時避難区域
※3 UPZ:(緊急時防護措置を準備する区域) 避難準備区域
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安全確保に対する懸念
原子力規制委員会
① 福島原発事故の検証・総括がなされていない
・ 検証・総括がないまま策定した規制基準では、原子力発電所の
安全を確保することにはならない。
② 所掌事務を矮小化
・ 原子力規制委員会は、設置法上、「原子力利用における安全の
確保を図ること」を任務とし、関係行政機関の長に対し、勧告す
ることができる。
・ 規制基準を性能基準に矮小化
・ 所掌事務を規制基準作成と審査とし、任務を矮小化
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原子力規制委員会設置法(抜粋)
(任務)
第三条 原子力規制委員会は、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国
の安全保障に資するため、原子力利用における安全の確保を図ること(原子力に係る製錬、
加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関すること並びに国際約
束に基づく保障措置の実施のための規制その他の原子力の平和的利用の確保のための規
制に関することを含む。)を任務とする。
(所掌事務)
第四条 原子力規制委員会は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
一 原子力利用における安全の確保に関すること。
二 原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制そ
の他これらに関する安全の確保に関すること。
(三~十三 略)
2 原子力規制委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政
機関の長に対し、原子力利用における安全の確保に関する事項について勧告し、及びその勧
告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。
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安全確保に対する懸念
原子力規制委員会
③ 深層防護への対応が不十分
・ 第5層の「過酷事故後の対応」は確認しない。米国の原子力規制
委員会とは対照的
・ 第4層の「過酷事故対策」も、ハード面の確認が中心で、運用等
は十分見ていない。
④ 立地自治体への対応が不十分
・ 新潟県からの安全対策、住民の防護対策の強化等に関する質
問に対し、県民に説明できる回答がない。
・ 原子力災害時に現場で対応する行政機関である立地自治体の
意見に耳を傾けてほしい。
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安全確保の前提
⇒信頼確保が必要
①事業者の信頼 ②行政の信頼 ③制度の信頼
<信頼が得られない問題点の例>
◎賠償責任が明確化になっていない。(主体、額、自主避難者の発生防止)
チェルノブイリ事故では、政府が年間1~5mSvで、仕事と住宅を補償し移住の権
利を与えた。
◎現行の法体系では、複合災害時に対策本部が複数立ち上がり、国から
の指揮系統が二重となって、十分に機能しない。
◎福島原発事故では原子力安全・保安院の保安検査官が民間人をサイト
に残し撤退。人事院規則の問題
◎ヨウ素剤服用の判断があいまい
福島県立医大のスタッフの家族へのヨウ素剤服用判断をしたのに、なぜ、一般住
民には配布しなかったのか?
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新潟版グリーンニューディール政策の推進
○新潟版グリーンディール政策とは、再生可能エネルギーの導入を促進し、環境問題への対応と県内
産業振興を図るもの
【政策プラン目標】再生可能エネルギー発電能力を平均的需要電力(1,924,941kW)まで増加(H28)
H23時点:92%
(目標差154,935kW)
本県地域資源
の特徴(強み)
H25時点:96%
(目標差84,572kW)
H26~H28見込:4ポイント+α増加
主な取組
今後の展開方向
再エネ電気
太陽光
・太平洋側と同等量の発 ○県直営のメガソーラー
電可能
○県有地を活用した民間メガソーラー立地
海エネ
・長大な海岸線(潮流や
洋上風力発電の適地)
○潮流発電装置開発と実証
○国実証フィールドに粟島沖が選定
○潮流ポテンシャル調査
●潮流発電装置の規模拡大、実証
●洋上風力発電のポテンシャル調査・研究
地 熱
・全国3位の温泉地数
○地熱ポテンシャル調査
○バイナリー地熱発電実証(松之山温泉)
●地熱発電の導入促進
・バイナリー地熱発電実証(糸魚川温泉)
○小水力ポテンシャル調査
○県直営の水力発電(売電利益の確保・還元)
●小水力発電の導入促進
・農業用水路・ダム等
水力・小水力 ・全国4位の水資源量
再エネ熱
雪冷熱
(データセンター)
地中熱
●電力安定化の方策を研究
(EVリユース蓄電池活用)
・首都圏から好アクセス
○雪冷熱データセンター適地調査(4適地選定)
の豪雪地(立地の適地) ○立地事業着手(津南町)
●雪冷熱効果の検証
●データセンターの立地促進
・関連事業者の集積
(製品・掘削)
●地中熱設備の導入促進
○関連事業者の普及啓発活動を支援
【今後の展開方向】 ・多様な地域資源の活用可能性を追求
⇒
・太陽光発電における出力制御に対応
⇒
海洋エネルギー(潮流・洋上風力)
再エネ熱(雪冷熱・地中熱)
「EVリユース蓄電池」研究
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太陽光発電 <メガソーラーの導入促進>
新潟雪国型メガソーラー
〔1MW〕
・H22.8月~稼働
・新潟県・昭和シェル石油の共同事業
全国初の
商用メガソーラー
雪国でも太陽光発電の事業化が可能であることを実証
県直営(企業局)のメガソーラー
○ 県直営(企業局)のメガソーラー
〔21MW〕
■東部太陽光発電所
・1号系列: 1MW(H23.10月~)
・2号系列: 1MW(H24.7月~)
・3号系列:15MW(H27.7月~ )
■北新潟太陽光発電所
・4MW(H26.11月~)
全国初の自治体直営
かつ最大規模!
県有地の活用(発電事業者の公募)
〔20MW〕
H27年度運転開始
・中条中核工業団地 :10MW(H27.9月~)
H28年度運転開始
・11町歩(新潟市北区):10MW(H28.7月予定)
地元調達
を優遇
メガソーラーが設置可能な
県内用地の情報発信
●H28年1月現在、県内23箇所で約72MW(うち県関与は建設中を含め約6割の42MW)のメガソー
ラーが稼働中
課
題
●電力の安定供給
●太陽光発電設備は太平洋側に集中
●買取価格、賦課金ともに全国一律
再エネの導入と負担のバランスについて国へ提案
EVリユース
蓄電池活用
■今後回収増加が見込まれる電気自動車等の
使用済み電池を利用 した蓄電池システム活用 を研究
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海洋エネルギー(潮流発電)
新潟県の海岸線は
330kmと長大
H25・26
5者協定書締結
(H25.11)
粟島浦村
■ 我が国では導入ポテンシャルが高いと評価のある
海洋エネルギーについて、長大な海岸線を有する本
県の強みを活かせる地域資源として、導入を促進
H26
H27
H28
潮流発電装置の開発
潮流発電装置の規模拡大
実証フィー
ルドにおけ
る2度目の
実証試験
新潟県海洋
エネルギー研究会
粟島北方沖
粟島浦漁協
日本大学
新潟県
国の実証フィールドに選定(H26.7)
実証フィールドに
おける初の実証
試験(H26.10)
実証
フィールド
φ1m可変ピッチ水車
の開発(φ0.5m→1m)
可能性調査
流況調査(粟島)
海面
海面下4m
水深
60m
流速計
おもり
自然潮流での発電及
び1m/sで20Wの発電
を確認
アンカー
チェーン
~ 95m
洋上風力
風況等調査
(予定)
(H27.7~H28.1)
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海洋エネルギー(洋上風力発電)
1 洋上風力発電事業の開発要件
風
自然条件
●村上
陸地から30km未満
深
法 規 制
(単位:m/s)
6.5m/s以上
離岸距離
水
社会条件
速
2 新潟県沖の風速(概況)
水深200m未満
●胎内
●新潟
国立・国定公園(海域公園)外
〔出典〕環境省調査報告書(抜粋)
●長岡
●柏崎
●上越
●糸魚川
○洋上風力発電先進国(デンマーク)
3 今後の展開方向
〔STEP1〕
●洋上風力発電の可能性調査
・自然条件・社会条件等の調査
・風況の詳細観測
新潟県の長大な海岸線は洋上風力発電の
可能性があるのではないか
〔STEP2〕
●風力発電事業の立地促進
●系統強化等の国要望
〔出典〕NEDO局所風況マップ(抜粋)
5kmメッシュ/高度70m
〔STEP3〕
●県内経済・雇用の活性化
・建設投資、関連産業創出 等
●地球温暖化問題への対応
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雪冷熱エネルギー
新潟県は全国有数の
豪雪地帯
■雪国新潟において、これまで捨てられてきた雪を資源とし
て捉え、データセンターの冷房に活用することで、コスト
競争力の高いデータセンターの立地に取り組む
【適地調査の実施】県内11市町村20箇所で実施
魚沼市・上越市・津南町・十日町市の4箇所を適地選定
雪冷熱活用データセンター立地事業
H27に事業者を公募し事業実施(津南町)
【事業内容(H27~H28)】
■雪冷熱エネルギー供給設備の整備
■データセンターへの雪冷熱エネルギーの供給
■雪冷熱エネルギー供給効果、経済性等の検証
【県内データセンター立地に伴う波及効果】
●本県豪雪地帯は首都圏からアクセスが良好<人材養成、DC保守・メンテナンスのし易さにメリット>
●今後データセンターが集積していくことで、中山間地域の雇用創出、人口増の可能性
⇒ 将来に向けた第一歩として、雪冷熱を活用したデータセンターの立地を実現
(第2、第3の雪冷熱活用データセンターの立地に繋がるよう取り組む)
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バイナリー地熱発電
新潟県は温泉地数が
全国第3位
■温泉地におけるバイナリー地熱発電の導入により、エネルギーの地産地消に加え、
温泉地の魅力を引き上げる観光資源としての活用も期待
【導入可能性調査の実施】 県内30市町村310箇所で実施
導入が期待できる地域は、松之山、糸魚川、瀬波、村松浜の4温泉
松之山温泉における実証試験
●H21導入可能性調査を契機に、民間企業が
実証事業を展開
全国初の
100℃未満の温泉活用
装置の安全性・耐久性を確認
(H22~H24)
■実証期間: H27
■定格出力: 300kW
※ 経済産業省事業
熱交換後の
温泉を活用
融雪
■実証期間: H22~H28
■定格出力: 50kW
※ 環境省事業
余熱活用
装置改良
(H25)
プロトタイプ完成予定
(H28)
糸魚川温泉における実証試験
食品加工
足湯
試運転・実証
(H26~H28)
【参考:フラッシュ発電】糸魚川温泉における実証試験
■実証期間: H26~H27
■定格出力: 2,000kW
※ 環境省事業
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その他の取組
その他の再生可能エネルギーの取組
小水力発電
全国第4位の
水力資源量
■小水力発電(1,000kW未満)は、河川やダムだけで
なく、農業用水路や上・下水道等、幅広い導入が
可能
■県内ではこれまで、29箇所で導
入。今後、農業用水路、農業用
ダム等4箇所での導入を予定
水力発電
■本県の豊富な水資源を活かし、12水力発電所
(最大出力合計133,900kW)で発電
■うち11の発電所は一般競争入
札により売電先を決定し、H27
~H28の2年間で約95億円の
増収見込み
バイオマス(消化ガス)発電
地中熱
■流域下水道終末処理場(6箇所)の汚泥処理工程
で発生する消化ガスを燃料とした発電設備を導入
(予定)
■H25年末における本県の地中熱ヒートポンプの利
用件数は全国7位
■処理場内で消費する電力料
を削減(全電力量の2~4割
に相当)
■県内メーカーを含め技術開
発により、価格は低下傾向
■依然初期費用が課題であり
導入促進策を検討中
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表層型メタンハイドレートの開発
国
海洋エネルギー資源開発促進日本海連合
日本海・日本海沿岸地域のポテンシャルを活かし、
海洋エネルギー資源の開発を加速化させるため、日
国の資源量
本海沿岸12府県で構成(H24設立)
把握調査を
後押し
活動内容
○国との資源開発促進に向けた対話
○国への提案・要望活動
など
新潟県表層型メタンハイドレート研究会
○H27.9月、県内企業、大学、自
治体等約30団体により設立
○H28.1.22(金)第2回研究会を
開催し、技術調査を開始
○H28.6月頃、一般向けフォーラ
ムを開催
研究会取組
●地元利益の
確保
●将来、商業
化の際の推
進母体となる
ことを期待
○会員相互のネットワークづくり
○表層型メタンハイドレートに関する情報共有
○資源開発における県内技術の活用などの調査研究
●表層型メタンハイドレート調査
H25
広域地質調査開始
⇒上越沖等、日本海側の広範囲に賦存を確認
H26
上越沖など3箇所で地質サンプルを取得
H27
上越沖、隠岐周辺で集中的な調査実施
※複数調査により存在量や分布状況を把握
調査結果はH28年1月公表予定
上越沖
H26調査海域
回収技術
の本格調
査に向け
県内技術
を提案
H27年度
集中調査
上越沖のガスチムニー構造で取得された厚さ約1.3mの表層型メタンハイドレート
●今後、回収技術の本格調査・研究開発を実施
予定
24
ご清聴、ありがとうございました。