それぞれのキャリアプランに向けて 今日1月26日(火)は3年生の卒業試験の最終日でした。試験終了後学年集会を開き、明日から の生活について、生徒指導部長、進路指導部長、学年主任等の教員から話をしました。明日から3年 生はそれぞれの進路に応じた目標に向けて、各自が行動プランを作成し実践するという期間になりま す。多くの学校が卒業式までの約1ヶ月間はこのような期間を設けて実施しています。各学校で言い 方は違いますが。「家庭学習期間」とか「自由登校期間」と呼んでいるのが一般的なようです。 しかし、家庭学習期間といっても毎日家庭で学習しているわけでもなし、来たいときに学校に来る ような期間でもなし・・・何か良い名前がないかと思っています。4月からの新しい生活、就職のため に自動車免許が必要な人は、自動車学校に通って免許取得を目指します。また、大学・短大等に進学 する人は新しい学生生活が順調に始めることができるよう、自己の目標に向けて自学自習をしたりも するでしょうし、地域の行事やボランティア活動に積極的に参加し、社会の一員としての役割を果た そうとする人がいるのかもしれません。案外、卒業論文などの締め切りに追われて学校に出てきてま だまだ頑張ってる・・・って人もいるかもしれません。このようにこの期間は、それぞれが自己実現に 向けて自分の時間割を組んで、主に学校外で学習する期間であることから、 「新生活準備期間」とで もいった方が良いのかもしれません。 ただ、これまでの12年間の学校生活の中で、次への新しい4月に向けて、これほど自由になる時 間(自分で設計する時間)があるのも今回が初めてかもしれません。明日1月27日から3月1日の 卒業式までですと約1ヶ月、卒業式後もほぼ1ヶ月の合計2ヶ月間が準備期間です。卒業式までは決 められた登校日はありますが、多くは自分で設計する期間です。 子どもを取り巻く環境や生活が大きく変わる時期に、子どもが環境変化に馴染めず、集団行動がと れなかったり、不登校になったりすることが近年問題視され、これは「小1プロブレム・中1ギャッ プ・高1クライシス」などといわれています。これらの用語に共通しているのは、子どもの教育環境 や学習内容が大きく変化するタイミングと、その変化に伴うリスクを示していること。特に、学制の 変わるタイミングで、子どもが環境変化に馴染めないリスクを言い表す言葉です。しかし、高校から 大学や専門学校あるいは就職などの切り替わりの時期には、大1ギャップとか、新卒クライシスなど といったことばは聞かれません。高校を卒業するまでに、そのような環境変化に対応する力がついて いるからでしょうか。 この小1・中1・高1○○とは逆に、高校卒業から大学入学までの期間を「ギャップイヤー」とよ びます。このギャップイヤーは英国で生まれたとされ、日本では東大が秋入学へと全面移行する方針 を発表したことで、春に高校を卒業した生徒さんが、秋までの期間にギャップイヤー制度を利用する ことが注目されています。この期間に様々な体験活動を行うことが注目されるということです。ギャ ップイヤー先進国である、欧米ではすでにこのギャップイヤーを利用する若者が多数いるようです。 英国では 20%以上の学生がギャップイヤーを使って、海外でのボランティアやインターンの仕事に 就労(本校で行うインターンシップを自ら長期に行うものです)するとされています。ギャップイヤ ーは、普段の学生生活では決して味わうことのできないことに思い切ってチャレンジできる期間です。 海外の学生たちは、 『社会の一員』として様々なボランティア活動に取り組んでいるようです。ボラ ンティア活動をすることで、普段とは違う考えた方や見える景色が変わります。学校で学ぶことがで きないたくさんのことをこの時期に学ぼうというものです。 プチ・ギャップイヤーであるこの時期をただ漫然と過ごすのではなく、社会の一員として何かの活 動を行ってほしいものです。一人ではなかなか一歩踏み出すことができないのであれば、ぜひボラン ティア活動に友達やクラスメイトを誘ってみたらどうでしょう。きっとその友達とその貴重な経験を シェアできるはずです。 卒業を目前に控え、この「新生活準備期間」が有効な期間であってほしいと願っています。 3年生学年集会
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