Yammer を中心に Office 365 を積極活用 ナレッジの共有と

KDDI プリシード株式会社
Yammer を中心に Office 365 を積極活用
ナレッジの共有と社員同士の共感を広げることで、お客様に
ライフスタイルを提案する新たな店舗運営モデル確立へ
KDDI 直営店の運営を行う新会社として、2014 年 10 月に設立された KDDI プリシード株式会社。
ソリューション概要
○プロファイル
KDDI プ リ シ ード 株 式 会 社 は、KDDI 株 式 会 社
が 2014 年 10 月に 設 立した 企 業 で す。au ブ
ランド の 発 信 基 地として「au SHINJUKU 」「au
「au OSAKA 」
「au FUKUOKA 」を運営
NAGOYA 」
し、
「新しいライフスタイル」を提案する店舗サー
ビスを展開。
「プリシード (PRECEDE) 」という社名
が示すように、業界に先駆ける形で、携帯電話の
新たな魅力や価値を、積極的に開拓および発信
し続けています。
○導入製品とサービス
・Microsoft® Office 365 ™
○導入メリット
・Yammer® への投稿によって店舗での取り組み
やナレッジが共有しやすくなり、またそれらの
他の店舗への展開もスピーディになった。
・「いいね 」やコメントを通じて社員同士の共感
が広がりやすくなり、モチベーションも高まっ
た。
・Microsoft® SharePoint® Online や Office Sway
を活用することで、ペーパーレス化や業務効率
向上も可能になった。
○ユーザー コメント
「コミュニケーションが活発にな れば、それに
比例して社 員の モ チベーションも向 上します。
Yammer を含む Office 365 でコミュニケーショ
ンが活性化したことで、部門や社員間のつながり
が増え、そこから新たな発想やイノベーションが
生まれてきています」
KDDI プリシード株式会社
代表取締役社長
甘田 純一 氏
ここではライフスタイル提案型の店舗サービスを支えるコミュニケーション基盤として、Yammer
をはじめとする Microsoft Office 365 の機能が積極的に活用されています。Yammer への投稿で
店舗現場の取り組みやナレッジの共有を推進し、
「いいね 」やコメントで共感を示し合うことで社
員のモチベーションも向上。Microsoft SharePoint Online による店舗ポータルの構築やドキュメ
ント共有、Office Sway を活用した社内報の発行なども行われています。今後はコミュニケーショ
ンをベースにした新たな店舗運営モデルを確立していきます。
導入の背景とねらい
店舗スタッフは新たな価値を提案するプランナーへ、
そのために不可欠だった情報共有基盤の変革
私たちの生活に深く浸透し、もはやなくてはならない存在となった携帯電話。端末の多様化や利
用可能なアプリの増大、関連アクセサリーの充実によって、使い方の選択肢も拡大してきました。
このような中、携帯電話販売店が果たすべき役割も、大きく変化しつつあります。携帯電話を取
り揃えて販売するだけではなく、その新たな魅力や価値を提案して、顧客のライフスタイルをさら
に豊かにする " 総合サービスショップ " になることが求められているのです。
このニーズにいち早く対応するため、店舗変革を積極的に推進しているのが、KDDI プリシード株
式会社 ( 以下、KDDI プリシード ) です。同社は全国で展開する KDDI 株式会社が 2014 年 10 月に
設立した企業。
「au SHINJUKU 」「au NAGOYA 」「au OSAKA 」「au FUKUOKA 」といった大都市
圏の大型店舗を展開し、au ブランドの発信基地として、地域に密着した「新しいライスタイル」を
提案する店舗サービスを行っています。
「携帯電話のマーケットは成長が鈍化しており、これ以上の成長を成し遂げるには、店舗の機能を
戦略的に進化させていく必要があります」
。このように語るのは、KDDI プリシード 代表取締役社
長の甘田 純一 氏。そのためには、
店舗スタッフの役割も大きく変えていく必要があると指摘します。
従来の店舗スタッフは単に「携帯を販売する人」という役割でしたが、KDDI プリシードの店舗では
「au の魅力や価値、使い方を提案する人 = プランナー」になることが求められているのです。既に
同社の店舗では、スマートフォンを活用した新たなライフスタイルを提案する「スマホライフスタ
イルプランナー」、外国人対応の「グローバルプランナー」、聴覚障害者対応の「手話プランナー」、
金融サービスの案内を行う「ファイナンシャルプランナー」、エンジニアや技術マニア対応の「テ
クニカルプランナー」、物販やイベント対応の「MD・イベントプランナー」といった、さまざまな役
割を持つプランナーが活躍しています。
しかしこのような変革には、大きなハードルを越える必要があったと甘田 氏は振り返ります。来
店顧客に新たな価値を提案する際、プランナーには強力な情報発信力が求められるため、ナレッ
ジの共有を積極的に進める必要があります。し
かし従来型の店舗運営スタイルでは、その実現
は簡単ではなかったのです。
理由の 1 つはプランナーの勤務形態にあります。
店舗ではシフト勤務体制が採用されているため、
他のプランナーと時間的にすれ違いになることが
多く、日常的に情報交換を行うことは簡単ではあ
りません。また KDDI プリシードは多店舗展開を
行っていますが、他の店舗のプランナーとは実際
KDDI プリシード株式会社
KDDI プリシード株式会社
KDDI プリシード株式会社
代表取締役社長
甘田 純一 氏
KDDI プリシード株式会社
経営管理部長
尾川 進 氏
KDDI プリシード株式会社
経営管理部
経営管理グループ
グループリーダー
服部 辰実 氏
KDDI プリシード株式会社
店舗運営部
au SHINJUKU 運営室
副室長
恒川 泰俊 氏
au SHINJUKU
店長代理
内田 あゆ美 氏
au SHINJUKU
プランナー
藤岡 睦美 氏
に会って話をすることも困難です。そのため会社全体としての一体感が得
Office 365 の一部なので、コントロールを確実に行なえます」( 尾川 氏 ) 。
られにくく、ナレッジの共有も難しい状況でした。
第 2 の理由は幅広い種 類の端末で利用できることです。Yammer は
その一方で「コーポレートスタッフや運営スタッフといったプランナー以
Windows® や MacOS (OS X) 、iOS、Android のいずれでも利用可能
外の社員からも、コミュニケーションの課題があると指摘されていまし
です。
「現在は全社員に iPhone を配布していますが、au ショップでは
た 」と語るのは、KDDI プリシード 経営管理部長の尾川 進 氏です。コー
Android 製品も取り扱っているため、将来は Android の端末も採用す
ポレート スタッフや運営スタッフは、プランナーとは異なるオフィス勤
る可能性もあります。Yammer ならこのようなことにも、柔軟に対応で
務になっており、会議などで顔を合わせる機会もそう頻繁にはありませ
きます」( 服部 氏 ) 。
ん。またプランナーは店頭に立って接客を行っているため、PC を使った
第 3 の理由は、Office 365 の 1 機能として Yammer を導入することで、
オフィスワークに時間を費やすことも難しい状況です。プランナーとメー
Office 365 の他の機能も活用可能になることです。KDDI プリシードで
ルをやり取りしても、タイム ラグが発生しやすく、タイムリーなコミュ
は Yammer を中心に Office 365 活用が進められていますが、社内ポー
ニケーションが行いにくかったのです。
タル構築やドキュメント共有には SharePoint Online、社内報の配信に
これらの問題を解決するため KDDI プリシードは、情報共有とコミュニ
は Sway も活用されています。
ケーションのあり方の見直しに着手。その結果 選ばれたのが、Office
このような検討を経て、2015 年 1 月には Office 365 の採用を決定。
365 でした。
その翌月には「Office 365 with KDDI 」の発注が行われ、導入に向け
導入の経緯
る Office 365 活用のためのスマートフォン (iPhone 6 Plus) 配布を開
手軽な情報交換手段として Yammer に着目、
Office 365 が提供するセキュリティも重視
た取り組みが開始されます。2015 年 3 月には全社員約 200 名に対す
始。約 100 名のコーポレートスタッフと運営スタッフには、Microsoft®
Surface™ も配布されています。2015 年 4 月には IT 担当者向けの研修
を実施、その翌月から順次、他の社員への展開が進められていきました。
それではなぜ Office 365 が選ばれたのでしょうか。
「その最大の理由は
全社員へのスマートフォン展開が完了したのは 2015 年 7 月。Yammer
Yammer の存在でした 」と説明するのは、KDDI プリシード 経営管理部
と SharePoint Online の本格活用は、その翌月からスタートしています。
経営管理グループ グループリーダーの服部 辰実 氏です。
「デスクワーク
2015 年 9 月には SharePoint Online を活用した社内ポータルの構築に着
が難しいプランナーとコーポレートスタッフや運営スタッフが、シームレ
手、2015 年 11 月には SharePoint Online と Yammer を連携させた日報
スに会話を行うには、社内 SNS の導入が効果的だと考えました。メー
システムも開発しています。さらに Sway による社内報発行や Yammer 推
ルでは堅苦しくなりがちなやり取りも、SNS ならよりカジュアルに行え
進会議も同時期にスタート。Office 365 によるコミュニケーション変革が、
るからです。またスマートフォンで利用しやすいことも、大きなメリット
急速な勢いで進んでいます。
だと判断しました 」。
2014 年 12 月には本格的な導入検討を開始。この時点で他の SNS サー
ビスとの比較も実施しています。検討対象として取り上げられたのは、
iOS にはじめからインストールされている iMessage や、爆発的な普及
を見せている LINE など。それらの中から最終的に Yammer が選択さ
れたのは、3 つの理由があったと尾川 氏は説明します。
導入効果
店舗での取り組みやナレッジをスピーディに共有、
「いいね 」やコメントによってモチベーションも向上
「Yammer を導入したことで、店舗現 場でのタイムリーな情報共有が
第 1 の理由はセキュリティです。
「LINE はプライベートでの利用が広がっ
容易になりました 」。こう語るのは、KDDI プリシード 店舗運営部 au
ており、当社の社員にも多くのユーザーがいますが、企業システムの一
SHINJUKU 運営室 副室長の恒川 泰俊 氏です。たとえば、ある店舗で行
部に取り込んでコントロールするのは簡単ではありません。これに対して
われた新たな取り組みが成功した場合、その様子を Yammer に投稿す
Yammer であれば、企業システムとして十分なセキュリティ機能を持つ
ることで、他の店舗のプランナーに即座に伝えることができます。これ
KDDI プリシード株式会社
Yammer での「au WALLET 四角柱」の投稿
au WALLET Market の紹介を行う「特製 au WALLET 四角柱」に関する Yammer への投稿と、
それに対する数々のコメント。このようなやり取りによって、新たな取り組みや現場のナレッジ
を共有しやすくなり、他店舗への展開もスピーディに行えるようになっています。
Yammer の日報画面
Yammer 上の日報は、社長を含む全社員が、いつでも閲覧可能。小さな日々の気付きや豆知識
を、他の人へ手軽に伝えられることもメリットです。
によって一部の店舗で生まれたイノベーションを、全店舗に展開しやすく
なったと言います。
その典型的な事例として恒川 氏が紹介するのが、
「特製 WALLET 四角
柱」という卓上 POP です。これは、コンビニや飲食店などの店舗やイン
ターネット サイトでの買い物に使える「au WALLET プリペイドカード」
の特長やメリットを紹介する、1 リットル パック大の立体 POP であり、
2015 年 8 月に au SHINJUKU で作成されたものです。これをあるプラ
ンナーが写真付きで Yammer に投稿したところ、数多くの「いいね 」と
コメントがつき、そのわずか 2 か月後には直営店のみならず、全国約
2,500 店の au ショップにも展開されることになったのです。
このような動きについて甘田 氏は、
「Yammer がもたらす疑似体験によ
る効果」だと指摘。他の社員が実施した施策が写真付きで共有されるこ
とでその場の臨場感やよろこびといった文字では伝わらない感情的な部
分も同時に伝搬。結果その記事を見た社員のやる気や、新しい取り組み
Office 365 Video の投稿
Yammer への投稿は写真だけでなく、Office 365 Video による動画投稿も
始まっています。社内に共感が生まれることで、社員はより自律的に動ける
ようになり、それが新たな共感を生み出しています。
の実施に対する勇気にもつながるのだと説明します。
新たに始まったリアル店舗 & ネット融合型のショッピング サービス「au
日々の気付きや豆知識を、他の人へ手軽に伝えられることもメリットだと
WALLET Market 」の展開でも、同じような現象が生まれつつあると言いま
指摘します。
「ちょっとしたアイデアを共有して売り上げにつなげられると、
す。プランナーが自ら商品を体験して、その内容を Yammer で共有するこ
大きな達成感を得られます。たとえば最近では、あるノートタイプのス
とで、他のプランナーも自分の体験のように感じ、店頭での顧客提案に活
マホケースに Suica 用のポケットがあることに気づき、それについて投稿
かしているのです。また写真だけではなく、Office 365 Video による動画
したところ、たくさんの " いいね " をいただきました。みんなも同じ悩み
投稿も始まっています。
「社内に共感が生まれることで、社員はより自律的
や疑問を抱えていたんだ!と実感できて本当に嬉しかったですね 」
。
に動けるようになり、それが新たな共感を生み出します。このような好循
さらに au SHINJUKU プランナーの藤岡 睦美 氏は「Yammer の日報に
環が、Yammer によって広がりつつあると感じています」( 甘田 氏 ) 。
よって、自分が研修を担当した新入社員の成長を見ることができるのも、
日報を Yammer で電子化したことも、このような共感を広げるうえで、
大きな喜びです」と付け加えます。Yammer はナレッジの共有だけでは
大きな効果をもたらしています。従来の紙の日報では、直属の上司など
なく、社員同士のつながりを作り出すうえでも、大きな効果をもたらし
限られた人にしか見ることができませんでしたが、Yammer 上の日報で
ているのです。
あれば社長を含む全社員が、いつでも閲覧できます。投稿した日報には
その一方で SharePoint Online 上に構築されたポータルは、店舗の紹
「いいね 」が付くことが多く、他の社員からのコメントが寄せられること
介やドキュメント共有などで重要な役割を果たしています。最初に構築
も少なくありません。
された au SHINJUKU のポータルは「店舗の特長がよく分かる」と好評
「普段から目立っている人だけではなく、黙々と仕事に取り組んでいる人
で、他の店舗でも同様のポータル構築が進みつつあります。また「au
の活動も Yammer を通してよくわかるようになりました 」と言うのは、au
WALLET Market 」などの最新情報やシフト勤務表の共有、社内アンケー
「いい取り組みには賞賛のコ
SHINJUKU 店長代理の内田 あゆ美 氏です。
トにも活用されており、ペーパー レス化や業務の効率化に大きく寄与し
メントが数多くつくのも、すばらしいことだと感じています」
。また小さな
ています。
KDDI プリシード株式会社
最近では毎月発行される社内情報誌「PRECEDE STYLE 」を、Office 365
属性情報データベース化や、プランナー間の引き継ぎメモ実装です。ま
の新機能である Sway で発行するという取り組みも行われています。
たシフト勤務表も、現在は Microsoft® Excel® で作成したものを PDF 化
Sway はコンテンツの要素をドラッグ & ドロップで切り貼りするだけで、
して SharePoint Online 上で共有していますが、入力フォームなどの開
レイアウトされたデジタル コンテンツを簡単に作成できるアプリケー
発によってさらなるシステム化を進めていくことが検討されています。
ション。画面表示は端末に合わせて自動的に最適化されるため、PC で
「コミュニケーションが活発になれば、それに比例して社員のモチベー
もスマートフォンでも見やすいという特長もあります。
ションも向上します。Yammer を含む Office 365 でコミュニケーション
Sway の活用は、2015 年 9 月に発行された「PRECEDE STYLE Vol.2」か
が活性化することで、部門や社員間のつながりが増え、そこから新たな
らスタート。最新の Vol.4 では社内コンテストの結果や各店舗の取り組
発想やイノベーションが生まれています」と甘田 氏。
み、新人プランナーの紹介、私服のファッション チェックなどの記事が
KDDI プリシードは今後、コミュニケーションをベースにしたショップ運
掲載されています。それぞれの記事内の写真には明るい表情の社員が数
営のモデルを確立し、それを全国の au ショップに紹介していきたいと
多く写っており、社内のモチベーションの高さが感じられます。
語ります。
「KDDI プリシードは "PRECEDE ( 先に進む )" という社名が示すように、
今後の展望
コミュニケーションをベースにした店舗運営モデルを確立し、
全国の au ショップにも紹介
" 先に進む " 役割を担う会社だと考えています。Yammer などでコミュ
ニケーションを活性化すれば、店舗も活性化していきます。我々の成功
体験を全国の au ショップとともに実践し、お客様のライフスタイルを
より豊かにするお手伝いをしていきます」。
「店舗におけるお客様対応はハードで孤独なものですが、Yammer など
の活用によって、この問題を解消することができました 」( 恒川 氏 ) 。自
分の仕事を他の人に見てもらい、評価してもらっているという実感によっ
て、孤独感を解消でき、社員の自信にもつながっているのです。KDDI
プリシードでは 2015 年 10 月に社員の満足度調査を実施していますが、
情報共有やコミュニケーションに関する項目は、他の項目に比べ高いス
コアを獲得しています。これも Office 365 の効果を如実に物語っている
と言えそうです。
今後は SharePoint Online の活用領域をさらに拡大し、業務効率化に
つなげていく計画です。その 1 つとして挙げられているのが、来店者の
Office Sway の画面
2015 年 9 月から Sway で発行されている社内情報誌「PRECEDE STYLE 」。コンテンツの要素
をドラッグ & ドロップで切り貼りするだけで、簡単にコンテンツを作成できます。
SharePoint Online の画面
SharePoint Online 上で構築されている各店舗のポータル。「店舗の情報共有が進む 」と好評
です。
導入についてのお問い合わせ
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