平成 28 年 1 月 27 日 特定非営利活動法人トランスペアレンシー・ジャパン 理事長 若林亜紀 2015 年TI 腐敗認識指数(CPI)の発表 前略 汚職・腐敗防止活動を展開する国際NGOトランスペアレンシー・インターナショナル(略 称TI、本部ベルリン)は、2015 年(2013 年 12 月~2014 年 9 月を調査対象とする) 「CP I(腐敗認識指数、corruption perception index)」を発表しました。 日本支部であるトランスペアレンシー・ジャパン(略称TI-J)から概要をお届けします。 この指数は、腐敗とは「与えられた権限を濫用して私的利益を得ること」というTIの定 義に基づき、各国の公務員や政治家などが賄賂などの不正行為に応じるかどうか、つまり公 的部門と民間との関係における腐敗度を調査と評価により数値化してランキングしたもので す。この種のものとしては、最も信頼が高いものとして世界的に知られており、日本の大手 企業においても、贈賄リスク対策やコーポレートガバナンスの教育資料に使われています。 今年の日本の得点は 100 点満点で 75 点、第 18 位(前年は 75 点、15 位)とやや後退しま した。一位はデンマークで 91 点です。最下位は北朝鮮、ソマリアです。最低限3種類のデー タを必要とするために対象とならない小国もあり、今年は世界168の国と地域が対象です。 日本の貿易相手国を見てみましょう。輸出相手トップ 5(2014 年)の順位は、アメリカ 16 位(前年 17 位) 、中国 83 位(前年 100 位) 、韓国 37 位(前年 43 位) 、台湾 30 位(前年 35 位) 、 香港 18 位(前年 17 位)です。輸入相手国トップ5では中国(同) 、アメリカ(同)、オース トラリア 13 位(前年 11 位)、サウジアラビア 48 位(前年 55 位)、アラブ首長国連邦 23 位(前 年 25 位)です。 アジアやアラブの国々の清廉度が高まっています。途上国は国連腐敗防止条約(UNCA C)のもと、この 10 年で贈賄防止法を整備し、途上国の贈賄事情が劇的に改善しています。 企業は海外進出にあたり、 「途上国では賄賂が当たり前」という認識を改める必要があります。 また、アメリカやイギリスはOECDの外国公務員贈賄防止条約のもとで贈賄防止法を整備 したり執行を強め、日本企業も巨額の罰金・和解金を払わされるケースも多く、多国籍ビジ ネスにおいては注意が必要です。 全体を見ると、昨年に較べオーストリア、チェコ共和国、ヨルダンとクエートが得点を延 ばし(順位を上げ) 、ブラジル、グアテマラ、レソトが大きく後退しました。 以上
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