小次郎講師の実践チャート分析第16回

小次郎講師の実践チャート分析第16回
「マルチタイムフレームとは?」
(7/29分析)
===秘伝のチャート分析特別編===
皆さん、こんにちは。
小次郎講師です。
助手のムサシです。よろしくお願いします。
さて、この1ヶ月は激動の1ヶ月だった。
ギリシャ問題・中国問題で揺れ動いた。今少し落ち着いているように見
えるが、問題は少しも解決していない。
心配ですね。いつ突然、どんな動きをするか予想できないですからね。
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こういうときはチャートが教えてくれる。
よくそういう話を聞きますが、結局チャートで買いにエッジがあると思
っても、何か材料が出ると売りに変わっちゃうじゃないですか。
どうやったらチャートが教えてくれるんですか?
そうだね。では本日はそれを教えよう。
【1、さまざまな足で東京金を分析する】
チャートにはいろんな足がある。
日足・週足・月足・時間足・分足というやつですね。
時間足の中にも1時間足、4時間足、8時間足などがあり、分足の中に
も、1分足、5分足、10分足、15分足、30分足、などがある。
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つまり山ほどあると。
そしてそれぞれのチャートで示しているトレンドが違う。
こちらは東京金の日足チャート。
チャート分析のコラムで勉強してきた移動平均線大循環分析とMACDを
付けている。ちょっと分析してごらん。
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移動平均線大循環分析ではステージ④のままですね。
MACDもクロスしそうにないですし、強い下げトレンドを感じます。
なるほどそうだね。では今度は週足で見てみよう。
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週足で見るとどう分析出来る?
これはステージ③ですか。
7月の頭までステージ①だったのが短期線と中期線がクロスしてステー
ジ②、その後短期線が長期線とクロスしてステージ③と推移してきまし
た。
今まさに中期線と長期線がクロスをしそうなので、このクロスが完成す
ればステージ④、「安定下降期」にと突入します。
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つまり今は下降トレンドの入り口という位置づけだね。
今後は月足で見てみよう。
こちらはちょっとステージがわかりづらいかもしれないが、上から短
期・長期・中期、つまりステージ⑥だ。
ここで長期と中期がクロスして順番を変えればステージ①となり、安定
上昇の局面になる。
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月足だけ見るとまだまだ下降トレンドだとは思えませんね。
このように同じ金価格でも足をどれにするかでトレンドの判定が全然違
ってくる。
当たり前の話だが、大きなトレンドとしては上昇の中で中局は下げ、目
先はもみあいなどということはいくらでもあること。
トレンドを見極めるときには、どれくらいの期間のトレンドを見るのか
ということをまず明確にしておかないと間違ってしまう。
確かに、チャート分析で上昇と出ても、自分がトレードする時間軸と合
わなければ、勘違いしてしまいますね。
この3つの時間軸で金を分析してみると、大局(月足ベース)では上昇
からもみあいに変化してきたところ。
中局(週足ベース)では上昇相場からもみあいを経て下放れして、下降
相場に突入する直前といったところ。
目先(日足ベース)では、既に下降トレンド進行中ということになる。
時間軸を変えて分析するとトレンドの変化がよくわかりますね。
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【2、短い時間軸で分析する】
そして、現在のような変化の激しいときにはもっと短い足も利用しなけ
ればいけない。
何かが起こると短い足からその異変を感じ取るからね。
短い足を使うことが「チャートが教えてくれる」ということにつながる
わけですね。
そのひとつと思って欲しい。
マルチタイムフレームの基本的考え方をお教えしよう。
時間軸は以下の並び順。
【マルチタイムフレーム】
月足→週足→日足→4時間足→1時間足→15分足
つまりそれぞれの足がひとつ大きな時間軸の4分の1から5分の1とな
っている。
なるほど、1ヶ月は4週から5週、1週は5営業日、1日は4時間
6、4時間は1時間 4、1時間は15分 4ってことですね。
日足から4時間足だけがちょっと6分の1と差がありますが、後は大
体、4分の1から5分の1に収まってますね。
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で、まず、自分がどの足でトレードをするかを決める。
これには正解はない。
よく、どの足が一番トレンドが出やすいですかとか、初心者はどの足が
最適ですか?などと聞かれるが、どの足でトレードするかは自分で決め
なければいけない。
優劣はないんですね。
優劣はないが、特徴はある。ちょっと為替で見てみよう。
こちらは米ドル円の15分足・1時間足・4時間足。為替ではこのよう
に短い足で売買をしている人が多い。まず、自分が1時間足でシグナル
を出してトレードをすると決める。
そして参考資料として15分足と1時間足を見る。いいかな?
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このように15分足・1時間足・4時間足と並べてみるといかに短い足
の変化が早いかがわかる。だから早耳情報は短い足ほど教えてくれる。
しかし、短い足の情報には騙しが多い。
確かにトレンドのイメージがこの3つでは随分違いますね。
15分足では大きな上昇トレンドの発生が感じられる。ステージはまだ
⑥だが、この状態が続けば次にはステージ①になるのは想像出来る。
そしてステージ⑥の状態で、短期・中期・長期とも右肩上がりになって
いる。
これは早仕掛けしてもいいというサインだ。
やりましょう、やりましょう。
ちょっと待て。今、私は15分足の解説をしたが、今回のトレーダーは
1時間足を売買シグナルを出す足と決めている。
簡単には15分足でシグナルが出ても売買しない。
そうなんですね。
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1時間足を見てみよう。
ステージ①から②③と下降を演じてきたが、そこからまたステージ②へ
と 戻 って き た 。 長 期 線 の 傾 き を 見 る と 押 し 目 の 可 能 性 が あ る 。
①②③②①の押し目となる可能性が感じられる。
確かに。
続いて4時間足。こちらはゆるやかな下降トレンド形成中。
ステージ④からステージ⑤に一瞬進行したが、果たして今後の展開は?
というところ。ここでの可能性はステージ⑥、ステージ①と変化して上
昇トレンドを形成するという可能性。
もうひとつは④⑤④の戻り売りになる可能性。
この4時間足のチャートだけではそれは判別出来ないのだが、1時間
足、15分足の上昇を見ると、非常に勢いがある。
現時点ではステージ⑥に向かうという方が可能性が強いことがわかる。
このチャートなどは短い足を見ることにより、チャートが変化を教えて
くれるという例だ。
複数の時間軸を使うことでそういった分析が出来るんですね。
そして、3つの時間軸を使うことによって、目先トレンドは非常に強
い。
大局トレンドは緩やかな下降トレンドが今変化しつつあるところ。
とすると1時間足のトレードは買いを中心に検討し、前日の21時に付
けた高値123.79円を抜けるかどうかが目先のポイントとわかる。
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よくわかります。
こういった見方で分析をすると騙しが少なくなる。
以上、本日はマルチタイムフレームの勉強をした。
ありがとうございました。
起立・礼
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