日本の旅館における経営マーケティングの研究

日本の旅館における経営マーケティングの研究
小規模旅館の USP 経営の実態調査と今後の課題
USP Strategy and Marketing Management at Ryokan:
An Analysis
大
野
惠
子
Keiko OHNO
要旨
本研究は、旅行市場のグローバリゼーションにより宿泊サービス業の市場構成が大きく変化する
中、日本の小規模旅館が高収益性を目標に掲げ独自で取り組んでいる、経営戦略の実態調査である。
その課題は、OTA による世界規模の E−コマースとソーシャル・メディアによる情報の共有化が、
旅行市場に流通革命をもたらし、小規模旅館もグローバル市場に対応できる経営戦略が必要となっ
ているからである。よって、この研究は、小規模旅館が実践するマーケティング戦略とその収益効
果を考察し、今後の小規模旅館における経営戦略の優位性を検討する目的がある。
Abstract
This study aims to analyze revenue management optimization as the USP (unique selling proposition) strategy of an exclusive ryokan (traditional inn) in Japan. Considering
that global OTAs (online travel agents) control market shares without any exception, a
search through the distribution channels enabled an update on the market trends of individual leisure travelers and the market mix. The study describes a unique service design
and marketing management for each property to accomplish the best performance.
[キーワード]
USP 戦略、旅館、インバウンド市場、和リゾート
Keywords : USP strategy, Ryokan, In-bound tourism, Resort
マーケティング研究会」での共同研究課題「地
方都市の旅館における USP 経営の実態調査と
I)はじめに
今後の課題」の報告である。
本稿は、
年度から
年度西武文理大学
共同研究費の助成を受けた「旅館における経営
―
日本は、訪日外国人旅行者(インバウンド市
―
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
年
月)
場)の拡大に向け訪日旅行促進事業「ビジット
そして差別化されたサービス商品の志向へと消
ジャパン事業」を
費者の購買行動が変化している。
年
月に開始した。
年、観光立国推進基本法が成立し観光立国推進
基本計画が策定され、
年に観光庁を設置、
欧米において高収益性を維持している宿泊サ
国内外において本格的な行動計画を発表した。
ービス業の予約チャネルは、旅行会社が介在し
その結果、
購買を促す流通型ではなく、消費者が自ら購買
年度には「訪日外国人 , 万
人」の目標に到達した。次の課題として、
決定を行う直販型である。その結果として、個
年の東京オリンピック・パラリンピック開催に
人旅行市場が主流となっており、小規模で個性
向け、
「訪日外国人 , 万人」への拡大目標を
ある宿泊サービスと高品質の食事を提供する施
掲げ、受入体制の強化とインフラ整備と共に、
設に高い需要がある。そこで、本研究において
「JAPAN ブランド」の発信という大規模なプ
は、流通型ではなく、利用者である消費者の視
ロモーションに取り組んでいる。その背景には、
点から、小規模で差別化戦略に特化した旅館を
日本人海外旅行者(アウトバウンド市場)の成
探索し、マーケティングと経営戦略の優位性を
熟化と超少子高齢化社会における国内旅行消費
検証することを目的とする。
の不確実性がある。インバウンド市場拡大に向
Ⅱ)先行研究
けた誘致は、観光客による経済波及効果をはじ
め、MICE への参加とその前後を含めた長期滞
女将によるホスピタリティ経営の研究
在がもたらす経済波及効果への期待もある。
Sungsook Kang(
日本の宿泊サービス業は、かつて宿泊を提供
する単機能型の旅館業であったが、欧米のホテ
)は、旅館経営と女将
のおもてなしという歴史的考察と共に経営上の
課題において本格的な研究を行っている。
欧米ホテルでは、経営権の有無に関わらず日
ル産業のノウハウを模写した洋式ホテルの登場
業態が混在し
常運営の総指揮を執る総支配人の存在がある。
ながら旅行産業を形成してきた経緯がある。
この研究では、欧米ホテルの総支配人と旅館の
年以降のボーリングによる源泉開発や東海
女将をリーダーの役割と組織管理上で比較考察
道新幹線の開業など日本の高度経済成長が続く
を行っている。具体的には、ホスピタリティ経
中、温泉旅館が次々と開業した。企業の社員旅
営における管理者行動論の領域で、総支配人と
行や研修旅行、教育産業の修学旅行など温泉観
女将の教育水準及びキャリア学習、サービス・
光地における団体需要の増加と共に大型旅館が
リーダーとして従業員に関与するイニシアティ
乱立した。しかし、
以来、長い間、旅館とホテルの
年のオイルショック以
ブの有効性、従業員が経営管理者に求める役割
降、それらの団体旅行は激減し衰退期への変遷
に重点を置いた双方向性における実証である。
が訪れると共に、老舗旅館の後継者不足と老朽
ホスピタリティ・リーダーシップと行動のあ
化対策は深刻な課題となっている。加えて
り方において数値的分析を行った結果として、
年
月に施行した耐震改修促進法の改正による
日本旅館を支える人材教育、継承女将のキャリ
新たな行政指導など、様々な問題により閉鎖を
アとその学習モデルの関係は、Dewey や Kolb
余儀なくされる旅館が相次いでいる。さらに、
のサイクル・通過モデルに当てはまるとし、観
国内外における旅行市場の成熟化に伴い旅行商
光産業の領域では本来対人サービスが最も重要
品需要が、団体旅行市場から個人旅行市場へ変
であり、さらに対人サービスのデザイン化と管
わり、大規模宿泊施設から小規模宿泊施設へ、
理により他のサービスビジネスにも応用できる
―
―
日本の旅館における経営マーケティングの研究
と主張している。また、旅館におけるマーケテ
準、 事項
ィングにおいては、サービスの定義、サービス
る。申請の星格付けに準じて標準完備の義務項
商品のフレームワークとサービス品質の分析に
目とオプション項目による加点式評価の厳しい
)
おいて詳しく研究している 。
項目に及ぶチェックリストがあ
審査である。
年
月施行の大幅な改定は、
企業における 社 会 的 責 任 と 持 続 可 能 な 開 発
本研究では、旅館経営の人的資源においては
(Development durable)への取組で、下記④
実態調査にとどめる。サービス・マーケティン
⑤の基準が全格付けに義務づけられている点が
グ論におけるサービス品質、消費者行動論にお
特長である )。
ける顧客アプローチ及び顧客による選択要因と
購買行動決定にいたる研究は、今後の顧客実態
①親切で丁寧なおもてなし
調査において検証し有効性を探る予定である。
②快適なサービスの提供と正確な情報の伝達
③サービスの標準化と顧客満足度の管理測定
Ⅲ)観光と宿泊サービス業
④身体が不自由な方への配慮および施設
⑤環境問題と持続可能な開発への参画
.欧米における宿泊サービス業の法的基準と
現在 EU 加盟国の宿泊サービス業は、フラン
カテゴリー
世界の観光客受け入れ人数において第一位は
フランスである。フランス政府(
ば、
スの宿泊業法に準じ
星から
星の格付けであ
)によれ
るが、具体的な設備基準とサービス品質の管理
年度にフランスを訪れた旅行者数は
は各国の指導による。世界共通のホテル格付け
, 万人、宿泊数は
億
万泊に達し、外貨
)
産業である 。日
獲得において、観光業が第
本はこの成功例を参考に、観光立国に向けた目
制度は未だ公的に存在しない。WHR が他推薦
も含めたホテルの評価基準を設定し、世界的な
格付けの標準化を提唱している。
標を策定している。フランスは、観光資源に恵
まれた国であるが、観光サービス業において厳
一方、様々な文化が融合する多民族国家の米
格な法的管理があり、宿泊と飲食設備を伴う施
国では、商品やサービス品質の選択基準にベン
設基準とサービスの品質基準は標準化されてい
チマークを活用する。消費者は、ホテルなどツ
る。具体的には、フランス政府(
ーリズム関連のサービス品質の評価にはアメリ
年にホテルにおいて
星から
け制度を導入し、続いて
)
は、
星の
段階格付
年には国家保存指
カ自動車協会(AAA)によるベンチマーキング
に信頼を寄せている。
定を受けた伝統ホテルや歴史的建造物などの内
部を有効に活用した特別なホテルに「パラス」
の格付けを加えた。さらに
年
月施行の宿
また、ホテルの個性と差別化を尊重する経営
者は、コンソーシアムによるマーケティング・
泊業法の新基準では、世界の旅行者が理解しや
メリットを支持する。世界で
すいベンチマークを考慮し、
みが加盟するコンソーシアム、リーディング・
星から
星へと
格付けを変更、シンボル的「パラス」の称号は、
星の宿泊施設の
ホテルズ・オブ・ザ・ワールドのメンバーや、
継続している。全宿泊業の審査と星認定
室以下の小規模宿泊施設と高品質の飲食サー
(Classement des hebergements touristiques)
ビスを提供するレストランを招聘するルレ・エ・
は、公的機関のフランス観光開発機構が行う。
シャトー協会に加盟するメンバーは、世界の富
星認定の設備とサービス品質の審査には、
基
裕層市場に向け定評あるベンチマークと理解し
―
―
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
年
月)
ている。加えてラグジュアリー・ビジネスにお
与することを目的とすると記述されている。
「ホ
けるパートナー企業のネットワークと様々な付
テル」とは、外客の宿泊に適するように造られ
加価値により高価格戦略を享受できると高く評
た施設であって洋式の構造と設備である。
「ホ
価する。
テル業」とは、ホテルにより人を宿泊及び飲食
させる営業をいう。
「旅館」とは、外客の宿泊
さらに、世界ではホテルの拡大戦略であるチ
に適するように造られたホテル以外の施設をい
ェーン化やクラスターは、ますます激化してお
う。
「旅館業」とは、旅館により人を宿泊及び
りホテルのリブランディングは日常茶飯事であ
飲食させる営業をいうと定義されている。ホテ
る。しかし、現在のホテルのブランド戦略は、
ルと旅館の主な施設基準は、 室以上の客室と
世紀に主流であった大規模なマスマーケット
一定水準のロビーと食堂、外客に対応した館内
対象のシングル・ブランド戦略ではなく、細分
標示の完備施設はホテル、 室以上の客室と外
化した顧客市場を対象にポジショニングされた
客に対応した館内標示の完備施設は旅館に分類
マルチ・ブランドによるセグメンテーション戦
される )。
略である。
日本を訪れる国賓の迎賓館的な施設として開
.日本の旅館・ホテルの現状
業した帝国ホテルは、国際観光ホテル整備法に
日本政府(
認可された
)は、旅館業法を昭和 年
軒目の「ホテル」であった。当時
月に施行した。厚生労働省の管轄のもと都道府
の「ホテル」は、外国人来訪商用客への安心を
県知事の許可が必要であり、具体的な指導要綱
約束するためであったと推測する。しかし、今
は各都道府県により異なる。旅館業とは、
「宿
日においても日本では先述した欧米諸国の法的
泊料を受けて人を宿泊させる営業」で「宿泊」
格付け制度は存在しない。よって国内旅行者は、
とは、
「寝具を使用して施設を利用すること」
和風は旅館、洋風はホテルという
と定義している。旅館業は、
「人を宿泊させる」
な認識が現状である。さらに、旅行者にとって
ことで、生活の本拠を置くようなアパートや間
初めての旅行先、あるいは宿泊サービス施設と
借り部屋などは貸室業・貸家業であって、旅館
サービス品質の知識不足や、旅行先に類似した
業には含まれない。旅館業には、①ホテル営業、
宿泊施設が存在する場合、探索から選択への購
②旅館営業、③簡易宿所営業、④下宿営業の
買意思決定プロセスが複雑のようである。
種類がある。平成 年(
年)
では、旅館業の営業許可施設数は
月末データ
.顧客の市場構成
万 , 施
旅館・ホテルを購買する顧客は、旅行目的か
設である。業態別では、ホテル営業施設数 ,
施設、旅館営業施設数
泊所
択式の曖昧
万 , 施設。簡易宿
)
万 , 施設である 。
らは商用、レジャーと MICE の
市場に大別
される。顧客構成は、国内旅行者市場とインバ
ウンド市場である。国内旅行者市場の顧客構成
さらに日本政府(
)は、翌年の昭和 年
月に国際観光ホテル整備法を制定した。この
は、流通型では高料金と低料金の
大別マスマ
ーケットが主たるセグメントであったが、現在
法律は、ホテルなどの外客宿泊施設について登
では、個人旅行市場の多様化から図
録制度をとり入れ、施設の整備化と外客に対す
うに変化している。そして、小規模高級旅館の
る登録ホテル等に関する情報提供の促進と、外
ターゲットは限定された富裕層市場である。
客に対する接遇を充実し、国際観光の振興に寄
―
―
−
のよ
日本の旅館における経営マーケティングの研究
図
−
顧客構成と市場ターゲットの変化
(出所)筆者が作成
.流通チャネルの変化
の視点から宿泊施設と提供されるサービス商品
インターネットによる E−コマースの成長と
の評価を参考に探索した。そして最後に、 室
共に OTA が旅行業の流通を変えた。グローバ
以下の小規模施設をリスティングし、下記の
ル規模の OTA と、従来からダイレクト・マー
つの観点に基づいて差別化戦略の実態を考察す
ケティング型旅行会社を含む日系 OTA に加え、
る。
リアル・エージェントも自社旅行パッケージ商
品や旅行構成商品である航空券、レンタカー、
①ユニークなサービス商品の構成
ホテル及び旅館などのオンライン予約システム
②高収益性の構築
を構築している。
③顧客とのリレーションシップの構築
Bill Carol(
)は、旅行サービス商品の検
索サイトにおけるサービス提供のスピード化と
.研究方法
技術的革新について、常に新システムの情報を
研究方法は、選出したリストから、任意に抽
把握しその導入の有効性を検討するべきである
出して聞き取り調査を行う方式である。調査方
と主張する。加えて、グローバル・コンソーシ
法は、経営者または施設運営責任者に対して質
アムに加盟するメリットには、マーケティング
問の内容を事前に伝えておき、当日の回答に応
効果と共に高収益性があると実証しており、欧
じて、聞き手が修正を加える半構造化方式とし
米市場のホテルでは ADR が+ .%、RevPAR
た。インタビュー調査は、
が+ .%の高収益性をもたらす結果になった
と分析している )。
年
月
日から
月 日の期間において、群馬県、岐阜県、鹿
児島県、大分県、熊本県の施設で行った。
Ⅳ)研究課題と方法
本研究は、サービス提供者である宿泊企業へ
の実態調査にとどめ、購買者である顧客が施設
.研究の課題
をどのように選択し、リピート化していく顧客
以上を踏まえて、小規模旅館と和のリゾート
ロイヤルティ構築への関連性と差別化戦略の有
が実践するマーケティング戦略とその収益効果
効性の考察は、今後の顧客アンケート調査にお
の実態を探る。施設の選択は、先述した世界的
いて仮説と共に数値検証する予定である。
基準の
星同等レベルが基本である。次に顧客
―
―
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
年
月)
コア・サービス、促進的なサービスと支援的な
サービスのサブ・サービスに分類している )。
Ⅴ)USP 経営の実態調査結果
旅館のコア・サービス商品とは、図
−
で示
.差別化とコンセプト
すように客室と食事である。温泉は、促進的な
まず初めに、ロケーションについては、最寄
サービスのサブ・サービスである。また、館内
りの公共交通機関からはるかに遠く、アクセス
に SPA やその他の有料サービス商品がある場
が悪いのが特徴である。調査した中には、秘境
合には、支援的サービスのサブ・サービスであ
の地と呼ばれる標高 , m 以上の奥深い山林
る。
に位置する施設があり、むしろその立地環境が、
Kang(
雄大な自然の中で静寂さを保ち、広大な敷地に
㎡以上のゆったりとした客室をしつらえたラ
)は、現在の
泊
食付きサー
ビス商品は旅行会社によって設計されたらしい
グジュアリー設計により、本格的な和リゾート
が、最近になって固定化された商品づくりから、
となっている。インタビューの結果は、表
改めて宿泊と食事を分離しようとする動向があ
−
のとおりである。調査への回答の中で、共通
ると説く。
キーワードは、
「癒し」
、
「非日常的」
、
「非合理
今回、調査した施設では、いずれの施設も
的」
、
「非効率的な生活」の提供がコンセプトで
泊
食付の商品構成の設計で、客室は規模によ
あるという回答であった。
り
室
名から
格は、
田島(
)は、単に設備を提供するのでは
円、
室
名まで同室で利用できる。価
名利用で
泊
人 .万 円∼ 万
室での利用人数が増えるにつれて割引が
なく一つの空間を提供するリゾートであり、自
適用される。また
然野菜を食し広大な敷地の中の露天風呂から星
どの施設においても良心的な
空を眺めるうちに別の価値観が芽生えるかもし
供を行っている。そして、価格設定には、①年
れないとし、多忙な職務に追われる生活から数
間を通じて同一料金制度、②平日料金と休前日
日間脱出できる場所、精神の安定と人間を人に
料金の
戻すところがリゾートであると定義し、その使
ベント行事・お盆・年末年始が割高となる
)
命は『人間性回復産業』であると主張する 。
金制度の
人利用への需要増加に伴い、
人利用料金の提
料金制度、③平日、休前日、祭り・イ
料
つが一般的である。中には、最も需
要の少ないオフ・シーズンから年末年始のトッ
.サービス商品と価格の設計
プ・シーズンまで細かく変動する価格細分化戦
近藤(
略を採用している施設もある。
)は、サービス商品を、核となる
表
施設
−
客室数
各施設のコンセプト
コンセプト
A
大自然と対話する時間の中で、何もしないという贅沢な時間
敷地面積
万坪
B
大自然と共に生きる場所。数万本の孟宗竹林の力強さ、数万本の紅葉の癒し
千坪
C
自然あふれる敷地に 棟の露天風呂付き離れ客室「月の燈りを楽しむ庵」
万坪
D
手つかずの自然と洗練されたアート空間が融けあう至福のプライベートリゾート。
山紫水明の地で一期一会を愉しむ
.万坪
E
飛騨の山間に隠れ里。
.万坪
F
北アルプスと露天風呂。奥飛騨の満天の夜空を臨むメゾネット
年間をそのままに、もうひとつの天の岩戸伝説
(出所)各施設のコンセプトを基に筆者が作成
―
―
千坪
日本の旅館における経営マーケティングの研究
図
−
室を完備する理由は、顧客優先主義に基づくプ
旅館におけるサービス製品
ライバシーの尊重であるとの説明であった。欧
米ホテルでは、一度ゲストがチェックインする
と、清掃目的以外に従業員が客室に勝手に入る
事はあり得ない。
「旅館の客室は、接客係が何
度も出入りするためリラックスできない」とい
う顧客からの評価に対する改良点である。また、
差別化したサービス商品の提供例として、当日
の天候と顧客の気分にあわせて可能な限り屋内
外のどこにでもテーブル・セッティングし、食
(出所)筆者が作成
事を提供する施設もある。
.料飲サービス
.稼働率と収益構造
旅館の伝統的なサービスには、客室での食事
収益管理論によれば、宿泊数が増加すると客
の提供がある。安田(
)は、部屋食への配
室稼働率が上がり、ADR が向上するが、低価
膳と個室におけるサービス時間の検証を行った
格設定や連泊割引を行うと RevPAR は減少す
結果、サービス提供側では、部屋食と個室での
る。今回の調査では、連泊した場合は、どの施
料理提供におけるサービス時間の合理性は不確
設においても
)
実であると実証している 。
泊
食付料金が基本で、連泊値
引きは行わないとの回答で各施設の年間客室稼
働率は %∼ %であった。
今回、調査した施設では、客室での食事提供
は一部を除いて行っていない。伝統ある芸術作
観光庁の宿泊旅行統計調査によると、
年
度の宿泊施設の客室稼働率は、全国平均 .%、
品が楽しめる貴賓室や数か所の食事室と個室な
施設タイプ別では、リゾートホテル .%、ビ
どで食事提供を行っている。また、客室と同数
ジネスホテル .%、シティホテル .%、旅
の完全個室を完備して、朝夕で異なる個室にお
館 .%であった。図
いて食事を提供する施設もある。このように個
施設のある県における
図
−
−
は、今回調査した
年度施設タイプ別客
年度宿泊施設タイプ別客室稼働率
(出所)国土交通省観光庁『平成 年度宿泊施設タイプ別都道府県の客室稼働率』
『
年度宿泊施設タイプ別客室稼働率』のデータを抜粋して筆者が作成
―
―
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
年
月)
室稼働率である。調査したいづれの施設も各県
いて滞在客のスペイン人カップルが調査に協力
における旅館の稼働率をはるかに上回っていた。
してくれた。予約は、ラグジュアリーホテル・
また、宿泊数は、繁忙期のハイシーズンと閑散
コレクション(kiwi collection.com)から直接
期のローシーズンにより異なるが、年間平均宿
探索予約であると回答した。
泊数は、
欧米市場には、グローバル大手 OTA だけで
泊から .泊となっている。各施設
の RevPAR は、 , 円から
, 円前後と
推定される。
なくラグジュアリー旅行市場に特化し、メンバ
ーにだけプライベート・セールス料金を提供す
る閉鎖的販売戦略がある。各ホテルは、収益管
加えて、調査内容に MICE やイベントへの取
理分析に準じてこれらのチャネルを随時活用し
組という質問を入れた結果、広大な敷地のオー
ている。ホテルは、特化したセグメントに対す
プンエアを利用した特別なコンサートやブライ
るプライベート・セールスであるため、自社会
ダルなどテーラー・メイド型の宿泊をともなう
員組織の閉鎖的チャネルへの販売同様ターゲッ
ミニイベントにも積極的に取り組んでいる施設
トが明確であり、ブランドイメージを傷つける
があった。日帰りイベントへのケータリング・
リスクが極めて少ない。
サービスだけでは収益性への貢献は低いが、客
室の収容規模の範囲で最大人数の貸切プランで
.マーケティング・コミュニケーション
あれば数十人規模の MICE が可能となり、通常
サービス商品の購買とは、サービスの体験で
の客室収益と共にイベント収益が獲得出来る。
ある。Langeard, Bateson, Lovelock, Eiglier
(
)のサーパクション(servuction)のフ
.販売と予約チャネル
レームワークによると、顧客は非可視的および
各施設の予約チャネルには、OTA の存在が
可視的サービス経験の体験により、提供された
ある。グローバル OTA のインターフェースは
サービスの便宜を評価すると定義する )。
シームレス化により到着日当日まで在庫確認を
調査を行った各施設のコンセプトについては、
行い自動的に販売できるため、宿泊サービス業
にとって収益見込みが悪い時期やオフ・シーズ
先述したように施設が位置する可視的な環境設
ンには、ラストミニッツまで販売機会となる。
定である物的証拠をはじめ、様々なサービス体
各施設共に、直接電話予約や予約センターを介
験を提供するための工夫がされている。図
−
しての電話予約が多い。電話予約は、予約セン
は、各施設に共通するサービス体験の設計で
ターをアウトソースしている場合を除き、流通
ある。また、各施設における類まれで可視的な
コストが発生しないため収益性が最も高い販売
サービス体験の提供は、施設 A から E のとお
チャネルである。
りである。
施設 A
.外国籍利用客
広大なプライベートゾーンの敷地内は、急勾
各施設の外国籍利用客をみると、台湾、韓国、
香港、シンガポールなどアジア圏からの利用客
配の山道が多く運転手付の専用車のみドライブ
が %から %を占めている。岐阜県では、フ
が可能であるため、指定駐車場に 4WD 専用車
ランス、スペイン、英国などの欧州圏が最多と
が迎えに来る。その後、渓流の川を渡り放し飼
の回答であった。どの施設においても、訪日外
いの鶏が走り回る自家農園を通過すると、標高
国人市場が中心のようである。山中の施設にお
, m の連峰を一望する丘でチェックインと
―
―
日本の旅館における経営マーケティングの研究
図
−
重厚な雰囲気の中、広大な庭園を見渡しながら
サービス体験の設計
のチェックインである。さらに、母屋から宿泊
棟に行くには、珍しい吊り橋を渡る。源泉露天
の岩風呂は日本最大規模で ㎡以上あり、水遊
びができるグッズや日光浴用のサンベッドが配
され、まるで自宅の天然プールのように独占し
て寛ぐ事ができる。
(写真
−
、写真
−
)
施設 D
(出所)Raymond P.Fisk, Stephen J.Grove and Joby
John(
)Interactive Services Marketing
小川孔輔・戸谷圭子訳サービス・マーケティング入門
法政大学出版局P. Langeard, Eric, John E. Bateson,
Christopher H. Lovelock and Pierre Eiglier(
)
,
Service Marketing: New Insights from Consumers and
Managers, Cambridge, MA: Marketing Science Institute によるサーパクション(servuction)フレームワー
クを参考に筆者が加筆修正。
「瞑想岩」と書かれた川底には、大きな岩が
削られ座が置かれている。夏は、川のせせらぎ
と蝉の声が聞こえる大自然の中、瞑想体験によ
り精神を安定する事ができる。雪が深い冬には、
読書室の暖炉で寛いだりスノー・ヒーリングと
いう空間も提供しており自然と対話出来る演出
である。
(写真
−
、
−
)
施設 E
いうサプライズがある。加えて、リピート客に
伝統的な豪農家を移築した佇まいは圧巻であ
対しては、毎回異なる場所と演出で迎えている。
る。屋内には、
(写真
囲炉裏傍は顧客が自由に寛げるエリアである。
−
、
−
)
年の歴史ある囲炉裏があり、
夕食後には、食後酒と女将による昔話が提供さ
施設 B
れる。滞在中のスペイン人カップルは、まるで
まず初めに、巨大な孟宗竹のアプローチに出
迎えられる。数万本の竹が茂る幻想的な雰囲気
時が止まりタイムスリップしたようだと感動し
高い評価の回答であった。
(写真
の中に佇む離れタイプの客室だけでなく、敷地
−
、
−
)
内には SPA やバーベキュー・ガーデンとテラ
スがありアジアンリゾートの雰囲気もある。日
また、販売促進活動(SP)では、インバウン
中、広大な竹林を散策する顧客のために、ラム
ド市場の誘致として世界でも屈指のラグジュア
ネや自家製アイスクリームの冷蔵ケースが置か
リー・トラベルマート ILTM Japan へ出展し
れ全て無料で提供されている。
「お客様へのお
ている施設が数軒あり、アジアを中心に海外セ
願い。アイスクリームをお取りになりましたら
ールス・ブリッツも行っている。主たる営業国
必ずお締めいただきますようお願いいたしま
は台湾、韓国および香港である。観光ビザが自
す」という表示に、顧客は自然に従うという双
由化され潜在的市場が期待できるタイに対して
方向コミュケーションが実現されている。
(写
も、ラグジュアリーに特化した個人旅行手配会
真
社とメディアイベントによる BtoB アプローチ
−
、写真
−
)
を行っている。さらに、ブランド構築とベンチ
施設 C
お迎えは、築
マーキングの目的により、欧米市場に強いコン
年の古民家の母屋で始まる。
―
ソーシアム、ルレ・エ・シャトー協会(Relais
―
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
年
月)
et Chateaux)やグローバル市場に向けて個性
的に発信している。ウエブサイトは、全施設共
的で高級旅館を対象にマーケティングサポート
に日本語と英語版である。一方で、顧客データ
と予約業務を 行 う 日 本 初 の コ ン ソ ー シ ア ム
ベースによる DM や E ニュースの配信など、
Ryokan Collection に加盟している施設がある。
プッシュ型アプローチは行っていない。年末年
始など特別なサービス商品を提供する時期のみ、
ソーシャル・メディアは、一部の例外施設を
案内状と共に和を意識した手書きの手紙を送付
除き、Facebook, twitter と Google+を 活 用 し
している。その理由としては、OTA やホテル
日本語と英語で発信しており、スタッフブログ
が頻繁に発信する E ニュースやメールマガジ
も日本語・英語で情報提供を行っている。加え
ンによるプッシュ型マーケティングは、和のお
て、韓国からの訪日客が多い九州の施設は、韓
もてなしを提供する各施設の控えめなイメージ
国人スタッフによるハングル語のブログを日常
と相反するからであるという回答であった。
写真
写真
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放し飼いの鶏たち
写真
竹林に配されたラムネ
写真
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標高 , mのチェックイン
BBQ が出来るテラスレストラン
日本の旅館における経営マーケティングの研究
写真
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宿泊棟への大吊り橋
写真
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(出所)写真
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∼写真
写真
瞑想岩
−
写真
移築した豪農家
写真
− は筆者撮影
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大きな源泉露天風呂
−
読書室の暖炉
年の歴史ある囲炉裏
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
年
月)
.人的サービスと従業員教育
追随型と先行型戦略があり、先行型戦略には攻
従来の老舗旅館における接客サービスは、顧
撃型と防御型があると定義する )。今回の調査
客の到着から出発まで一貫して仲居が担当する
結果では、いずれの施設においても、独自性が
専任制度が周知である。専任仲居は、到着時の
非常に高く、類似が困難な物的証拠の施設環境
お迎えに始まりロビーから客室まで頻繁にお茶
づくりと可視的なサービス経験の提供を行って
のサービスを行いながらコミュケーションをは
いるという実態が明らかとなった。従って、本
かる。その背景には、顧客の属性や旅行目的な
研究で考察した小規模旅館が実践するマーケテ
どをさりげなく察しながら顧客満足度に向けて
ィング戦略は常に市場環境をモニタリングし新
行動する習慣が、旅館における伝統的なサービ
しい企画としかけを行う攻撃型であると考えら
ス提供と考えられてきたからである。
れる。攻撃型戦略に基づいた USP 経営の有効
しかし、調査を行った各施設では、仲居の役
性と根拠は、下記のとおりである。
割を果たす接客スタッフの担当制は導入してい
ない。その理由は、
第一に営業時間に応じて様々
.類似困難な施設づくりとサービス体験の提
な業務を担当するマルチタスクという合理性で
供
ある。次に、顧客サービスの観点では、滞在中
宿泊サービス業は、コア・サービス商品が例
の顧客情報は全スタッフが共有し、顧客が身近
外なく宿泊であるためコモディティ化がすぐに
なスタッフに相談すると即座に解決出来るシス
進んでしまうという構造がある。しかし、今回
テムとなっている。専任制では、担当者が何ら
調査した施設では、広大な敷地と素晴らしい眺
かの理由で、直ぐに対応できないリスクがある
望の確保という類いまれな立地条件の有効性、
ため、どのスタッフでも任務を遂行できる問題
ありのままの自然と生態系との共存と融合を可
解決型をむしろ採用している。この点において
能としている。客室においては意図的に小数規
も、顧客満足度の追求をしていることがわかる。
模設計を活用し、 室、 室、 室と明確な差別
そして、接客サービスの品質管理とスタッフ
化戦略という特長があった。これらの自然環境
教育に関しては、接遇サービスと英語教育が、
と空間そのものが、都会に暮らす多忙な顧客に
外部講師により毎週または月数回行われている。
より価値が見出され、市場ニーズの優位性を形
接客スタッフの平均年齢は、 歳前後という若
成している。そして、施設の敷地内においては、
さである。立地上寮完備であるが、
「住む・働
都会では日頃体験できない非日常的で、非効率
く・休む」が共存する環境に若手は長続きせず、
的な自然との対話というサービス経験と共に高
定着率は平均
年である。宿泊サービ
品質な食の提供がある。各施設が、小数規模の
ス業は 時間営業、中でも旅館は長時間かつ不
設計を採用する理由には、顧客の要望により
規則な労働時間と休暇がとりにくい労働環境の
様々なサービス体験をカスタマイズする目的と
実情がある。旅館経営では、人的資源の定着に
考えることが出来るだろう。外国籍顧客が、交
向けて新たな対策が必要であろうとの回答があ
通アクセスが少々不便でもわざわざ訪れ、これ
った。
らの施設を高く評価するのは、自然に包まれた
年から
環境づくりと繊細でさりげない日本のホスピタ
Ⅵ)考察および今後の課題
Fisk, Grove, John(
リティに対するイメージが合致するのであろう。
)は、サービス・マ
.高収益性の確保
ーケティング論において戦略的に対処するには
―
稼働率と収益性については、平均して優れて
―
日本の旅館における経営マーケティングの研究
いる。フランスで公的認可されている
星、
富裕層市場の拡大には限界があり、インバウン
星ホテル同等の RevPAR の実績を維持する施
ド市場における潜在的なセグメントに向けた
設が大半であった。これは、
国々へのアプローチは早急の課題であろう。
泊以上の連泊に
おいても一切値引きをしないという方針が、高
収益性の確保に貢献しているからであろう。そ
以上を踏まえて、今後の研究では、日本人顧
の一方で、どの施設においても 歳から 歳の
客及び外国籍顧客を対象に、小規模高級宿泊施
客層は、平均滞在日数が
設への顧客動向調査を行う予定である。具体的
泊という回答であっ
た。この点については、これらの滞在日数を
には、顧客が支持する宿泊施設の実態をさらに
連泊に延泊する工夫と商品設計により、さらな
明確化すると共に、数値的な検証をすることに
る収益性の向上が可能になるかもしれない。
より、双方向からの有効性を探りたい。
付記
.顧客とのリレーションシップの構築
各施設では、サーパクション・フレームワー
クに基づき可視的なサービス体験の提供と双方
今回の調査において、多大なご協力を頂いた
向コミュニケーションを、敷地内の空間におい
各施設の経営者と運営責任者の皆様に心から御
て、さりげなく実現している事を確認できた。
礼を申し上げます。また、本研究にあたり、様々
その結果として、顧客ロイヤルティの構築を
な助言と支援を頂いた本学の道下知子氏と久保
可能とし、リピーター顧客を獲得している事実
英弘氏に深く感謝いたします。
があり、そこにマーケティングの有効性がある
と理解できよう。
情報発信のためのマーケティング・コミュニ
ケーションでは、
「控えめで繊細なサービス経
験の提供」という和のイメージを損ないたくな
いという理由から、意図的にプッシュ型アプロ
ーチを行わない方針だが、顧客維持と市場需要
の拡大という課題においては、ある程度積極的
なコミュニケーション活動の継続が必要であろ
う。
以上の観点から、小規模旅館において類似性
が困難な差別化戦略の経営には、素晴らしい立
地環境の確保とサービス商品のパーソナル化の
実現に優位性があると考えられる。今回は、顧
客構成において年齢分布による実態調査は行わ
なかったが、主たる年齢層は 歳代以上であっ
た。従って高齢化へ向かう実情はもとより、顧
客ライフバリューには限度があり、今後の新規
顧客獲得に向けたマーケティングが肝要である。
また、少子高齢化社会がますます深刻化すると
共に、消費税の増税が必至である国内市場では、
―
注
Sungsook Kang(
)
『実践から学ぶ女将のお
もてなし経営』中央経済社,pp −
)
Key Figures of French Tourism − France
Diplomatic − Ministry of Foreign Affairs and
International Development, http : //www.diplomatie.gouv.fr/en/french-foreign-policy/tourism/
tourism-a-major-french-asset/article/key-figuresof-french-tourism
(最終アクセス日
年 月 日)
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https://www.classement.atout-france.fr/,
https://www.classement.atout-france.fr/
les-engagements-cles#Les hôtels de tourisme
(上記同様)
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http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsueisei04/03.html(上記同様)
)
国土交通省観光庁 国際観光ホテル整備法 昭和
年 月 日 法 律 第 号 第 章∼第 章。http://
law.e-gov.go.jp/htmldata/S24/S24HO279
(上記同様)
)
Bill Carol (2011), ‘Demand Management in
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)
―
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,
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年
月号,pp. , − .
)
近藤隆雄(
)
『サービス・マーケティング』
生産性出版,pp. − .
)
安田 剛(
)
「日本旅館における部屋食サー
ビスオペレーションに関する考察」
『日本ホスピ
タリティ・マネジメント学会誌』
年第 号,
pp. − .
)
Langeard, Eric, John E. Bateson, Christopher
H. Lovelock and Pierre Eiglier (1981), Service Marketing: New Insights from Consumers
and Managers, Cambridge, MA: Marketing
Science Institute
)
Raymond P. Fisk, Stephen J. Grove and Joby
John (2004), Interactive Services Marketing 小
川孔輔・戸谷圭子訳『サービス・マーケティング
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モデルの正しい定義」
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『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』
年 月号,The Science of Sensory「感覚マ
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月刊『致知』
年 月号「特集 人生に誓うもの
を持つ」
。
週刊『トラベルジャーナル』
年 月 日号。
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