園だより - 麻生明星幼稚園

園だより
2016.1.20
NO.
麻生明星幼稚園
「愛は忍耐強い。愛は情け深い」
(コリントの信徒への手紙13章4節)
○北海道私立幼稚園協会の研修会にて
1月は幼稚園教師にとって研修が続く季節です。園長
としても1月5日(火)~8日の4日間は日帰りの研修で、
11日(月・祝)~12日(火)は牧師としての研修に行って
きました。
色々な研修がありますが、大学の教授が長年かけて研究してきた成果を聞くこと
ができるのは楽しいものです。ある研修会では教育臨床心理学(子どもの問題行動
はなぜ起こるのかを解明し、援助するための学問)の先生の講義を受けることがで
きました。テーマは「子どもの健全な成長」でしたので、現在、子育て中の一人の
父親として反省しなければならない点が多くあったように思います。その先生は現
代について「子どもの成長(ゆっくりした変化)を待ってやれない時代」といいまし
た。ここに「子どもの健全な成長」を阻む一つの原因があるとのことです。
確かに心あたりがあります。日々の夕食時のことを思い起こすと、そのあとには
洗い物や洗濯物、お風呂、歯磨き、絵本の読み聞かせ等々、子どもが眠るまでにや
らなければならないことが目白押しです。子どもが寝たあとにもさまざまな仕事が
あります。1秒でも早く食べ終わるように四苦八苦している自分がいます。子ども
たちと一緒に一日を振り返って楽しくおしゃべりしながら、ゆっくりご飯を食べる
ことができればいいのにとも思いますが、現実はそう甘くはありません。食後に「洗
い物手伝う!」という子どもからの嬉しい言葉を「今日はもう夜遅いから今度手伝
ってね!」と何度いってしまったことでしょう。忙しく、時間がないときほど、子
どもが自分でできるはずのことを先回りして手伝っている自分がいることに気付き
ます。これは親の都合です。親が子どものペースの遅さに我慢できずに先回りして
余計な手助けをしてしまう。そんな数が多ければ多いほど、子どもの成長の機会を
奪っているのでしょう。おおいに反省させられました。
冒頭の聖書の言葉にある通り「愛は忍耐」です。きっと、子どものためにどれだ
け自分の時間をささげることができるかが問われているのだろうと思います。子ど
もが生まれるまでは「自分が中心」であった者が「子ども中心」に生活をシフトす
るのですから、そのためには多くの忍耐が必要です。また現代の子育て世代は多忙
です。心に余裕や安定がないと「愛」は冷えてしまいます。きっと現代は「子ども
を愛する」ということに関しては最も難しい時代といってよいでしょう。そのよう
な時代の中で「神に愛されている」ことを信じることは人生の確かな助けとなるこ
とを再確認した研修会でした。
麻生明星幼稚園 園長 久保哲哉