地域と共に歩む博物館育成事業（前年度予算額２９，２２６千円） 20年度要求額１５０，０００千円１．要求の要旨近年の自治体の予算削減等の状況の中で，博物館が地域の市民の理解を得ながら，安定的・継続的に活動を行っていくには，博物館が適切な評価指標によって，評価を受ける必要がある。また、有識者会議の報告において、現在の博物館登録制度を改めることが提言されており、登録制度の具体的基準やその運用方法に緊急に実践的な検討を行う必要が生じている。また，博物館が地域の貴重な資料を保全していくためには，適切な防災や災害に対する対処方針を策定し，博物館関係者等による協力体制を構築することが必要である。一方、地域の教育力や活力は低下しており、博物館の持つ地域の自然や歴史等に関する専門的機関としての機能を強化し、地域の活性化とアイデンティティの創出につながる取組を進める必要がある。以上の目的を達成するため，国内外の博物館の実態等の調査研究を行い，実践的なモデル事業等を実施し、その成果を全国に普及啓発を行うことで，地域の博物館の活性化と地域社会の活性化を目指す。２．要求の内容（１）博物館企画委員会の設置「地域と共に歩む博物館」を育成する方策について，総合的に検討するために，博物館関係者及び有識者等からなる企画委員会を設置し，国内外の調査を基に検討を行う。また，検討成果を報告等するため，全国規模のフォーラムを開催する。（２）調査研究等の実施現在，博物館が緊急に対応を求められている以下のような主要事項について，国内外の博物館の実態や先進的な取組の調査等を行い，課題に対する解決方策を策定する。 ○ 新たな登録博物館制度と評価制度の構築に関する調査研究及び検証事業新たな登録博物館制度を構築するため登録基準における具体的な判断基準や審査体制などの検討を行う。また、館種等の違いに応じた制度の試行を行い、その課題や問題点を明らかにし、実効性のある制度構築に資する事業を実施する。 ○ 博物館における施設管理・リスクマネージメントに関する調査研究地震や水害等の非常事態に対応するため，博物館における施設管理・リスクマネージメントに関する現状を把握し、博物館の防災体制や安全確保に関するマニュアルを策定する。また，災害における博物館への支援体制の在り方についても検討を行う。 ○ 博物館を核とした地域活性化モデル事業の実施地域住民がその地域固有の自然や歴史、生活文化等の理解を通じて、一体感や共通意識を得ることのできる取組を進めるため、博物館を核として自治体の地域性や連携の多様性など特徴を持ったモデル事業を実施し、その成果の普及啓発を行う。３．事業の種別直轄事業：（１）博物館企画委員会の設置委託事業：生涯学習振興事業委託費（委託先：民間団体）（１）博物館企画委員会の設置＜博物館の国際状況に関する調査＞（２）調査研究等の実施（３）博物館登録及び評価検証の実施（４）モデル事業の実施４．所要経費（１）博物館企画委員会の設置等８，９３２千円（２）調査研究等の実施２テーマ × ＠10,144千円２０，２８８千円（３）博物館登録及び評価検証の実施５館種×＠4,500千円２２，５００千円（４）モデル事業の実施２設置主体×３館種×４形態×＠4,095千円９８，２８０千円計１５０，０００千円地域と共に歩む博物館育成事業博物館地域社会 ○経営環境の厳しさ・国からの直接支援の廃止（補助金の廃止）・予算・人員の削減、行政評価。経費削減目的の指定管理者制度の導入 ○登録以外の博物館が増加し、博物館のあるべき姿が不明瞭 ○災害時の支援協力体制の未構築 ○少子化や高齢化の進展による世代間の隔絶 ○地縁的つながりや地域所属意識の低下 ○市町村合併に伴う地域文化の喪失 ○生涯学習、社会教育活動の停滞 ○地域社会の活力や教育力向上の必要性課 ○新しい地域文化の創出と地域住民が共有できるテーマの構築 ○地域住民が参画、協力し、世代間交流ができる博物館活動の展開の必要性題 ○多様な生涯学習・社会教育・文化施設相互の連携協力体制の確立企画委員会による検討事業の実施博物館における施設管理・リスクマネージメントに関する調査研究博物館登録制度・評価制度の確立（調査研究と試行の実施）博物館を中核とした地域活性化モデル事業全国フォーラム等による成果の普及啓発博物館の機能強化とそれを中核とした地域社会の活性化の実現 ○博物館のあるべき姿の明確化と地域住民への説明責任の促進解 ○博物館の保有するコレクションや専門性を生かした地域文化、地域アイデンティティの創出・発信 ○地域住民の参画・協力による博物館活動を核とした地域コミュニティの帰依性決 ○地域の観光振興や産業施策との連携による効率的・効果的な地域社会の活性化 ○地域の関連施設の連携協力による効率的な生涯学習・文化活動の展開