企業経営動向調査による景況感の現状および見通しについて

平成28年1月20日
News Release
企業経営動向調査による景況感の現状および見通しについて
(平成 27 年 12 月実施)
百十四銀行(頭取 渡邊智樹)では、香川県内民間企業の景況感を把握するため、下
記要領にてアンケート調査を実施し、その調査結果をまとめましたのでお知らせします。
【調査要領】
調査対象
香川県内に本社または主工場をもつ企業:256 社
調査方法
郵送によるアンケート方式
調査時期
平成 27 年 12 月 8 日~平成 27 年 12 月 28 日
回答状況
有効回答企業数:162 社
有効回答率:63.3%
株式会社 百十四銀行
高松市亀井町5番地の1
TEL 087-831-0114(大代表)
香川県内企業経営動向調査による景況感の現状および見通しについて
(平成 27 年 12 月実施)
~ 県内企業の景況感、3 期連続の上昇 ~
1.現状(平成 27 年 10~12 月期の実績)
今期(平成 27 年 10~12 月期)の業況判断指数(BSI)は△3.1 となり、前期(27 年 7
~9 月期)実績の△10.7 から 7.6 ポイント上昇した。前年同期(26 年 10~12 月期)実
績の△10.3 は 7.2 ポイント上回る水準である。産業別では、製造業が今期△1.2 となり、
前期実績の△15.8 から 14.6 ポイントの上昇。非製造業は今期△5.0 となり、前期実績の
△6.0 から 1.0 ポイント上昇した。
■今期業種別業況判断指数の増減状況(対前期)
<製造業>
上 昇 : ①食料品、②化学工業・石油製品、③金属製品、④機械器具、⑤その他製造業
不 変 : ①輸送用機械器具
低 下 : ①繊維製品、②木材・木製品
<非製造業>
上 昇 : ①建設業、②サービス業その他
不 変 : ①運輸業
低 下 : ①卸売業、②小売業
2.見通し(平成 28 年 1~3 月期の見通し)
来期(平成 28 年 1~3 月期)の業況判断指数(BSI)の見通しは△20.4 となり、今期
(27 年 10~12 月期)実績の△3.1 から 17.3 ポイント低下の見通しである。前年同期(27
年 1~3 月期)実績の△19.5 は 0.9 ポイント下回る水準である。産業別では、製造業が
見通し△25.6 となり、今期実績の△1.2 から 24.4 ポイントの低下。非製造業は見通し△
15.0 となり、今期実績の△5.0 から 10.0 ポイント低下の見通しである。
■来期業種別業況判断指数の増減状況(対今期)
<製造業>
上昇 : -
不 変 : ①輸送用機械器具
低 下 : ①食料品、②繊維製品、③木材・木製品、④化学工業・石油製品、⑤金属製品、
⑥機械器具、⑦その他製造業
<非製造業>
上 昇 : -
不 変 : ①運輸業
低 下 : ①建設業、②卸売業、③小売業、④サービス業その他
3.全体の概況
今期の香川県内企業の業況判断指数(BSI)は、消費増税の反動減からの緩やかな景気
の回復基調のなか、季節的な需要の増加も加わり 3 期連続の上昇となった。来期は、季
節的な需要の減少に加えて、人手不足や中国経済の減速等を背景に景気の先行きに慎重
な見方もあり、指数は 4 期ぶりに低下の見通しである。
1
【集計結果資料】
業界業況(BSI)の実績推移と見通し
平成26年
4~6月
期
7~9月
( △ 13.3 ) (
製造業
( △ 29.5 ) (
前年同期比(差異)
△ 12.8
1.3 ) (
△ 22.1
平成27年
1~3月
4~6月
△ 6.6 ) ( △ 29.5 ) ( △ 15.6 ) (
△ 21.1
△ 28.6
△ 7.7
△ 2.5 ) (
△ 10.4
前期
今期
来期
7~9月
10~12月
平成28年
1~3月
△ 5.3 ) (
△ 17.3
5.5 ) ( △ 15.4 ) (
△ 15.1
( △ 21.6 ) (
全産業
10~12月
△ 6.3 ) (
△ 25.0
非製造業
( )内は前回調査時の見通し
2.6 ) ( △ 25.6 )
△ 15.8
△ 9.1 ) (
△ 1.2
2.6 ) (
△ 12.8
△ 4.8 ) ( △ 15.0 )
△ 6.0
△ 0.7 ) ( △ 22.4 ) ( △ 12.3 ) (
△ 5.0
△ 1.3 ) (
△ 1.3 ) ( △ 20.4 )
△ 23.6
△ 18.1
△ 10.3
△ 19.5
△ 15.0
△ 10.7
△ 3.1
△ 13.9
△ 12.9
△ 17.1
△ 21.5
8.6
7.4
7.2
業界業況(BSI) 実績推移と見通し (平成27年12月実施)
(
△ 0.9 )
(「好転」-「悪化」、%ポイント)
40.0
6.8
20.0
2.0
△ 5.2
△ 3.1
△ 17.0
△ 24.1
0.0
△ 38.9
△ 39.6
-20.0
△ 41.5
△ 18.8
△ 17.5
△ 27.9
△ 29.9
△ 30.9
△ 17.4
△ 9.7
△ 15.0
△ 18.1
△ 18.1
△ 29.6
△ 10.7
△ 10.3
△ 22.6
△ 47.4
△ 20.4
-40.0
△ 19.5
△ 23.6
△ 27.5
△ 36.6
-60.0
「好転」の割合
「悪化」の割合
△ 45.6
業界業況BSI
△ 55.1
うち製造業
(
-80.0
うち非製造業
△ 69.1
H24.12 安倍内閣発足
H23.3 東日本大震災発生
H20.9 リーマン・ショック
見
通
し
)
H26.4 消費税率引き上げ
-100.0
Ⅱ Ⅲ
H20
Ⅳ
Ⅰ Ⅱ
H21
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ Ⅱ
H22
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ Ⅱ
H23
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ Ⅱ
H24
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ Ⅱ
H25
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ Ⅱ
H26
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ Ⅱ
H27
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
H28
■業界業況判断指数(各期比較)
実 績 値
業 種
今期の前年同期
来期の前年同期
(H26.10-12月) (H27.1-3月)
増 減
見通し
前 期
今 期
来 期
(H27.7-9月) (H27.10-12月) (H28.1-3月)
③
④
⑤
今期(H27.10-12月)
前期比
④-③
前年同期比
④-①
来期(H28.1-3月)
今期比
⑤-④
前年同期比
⑤-②
①
②
△ 12.8
△ 28.6
△ 15.8
△ 1.2
△ 25.6
14.6
11.6
△ 24.4
3.0
0.0
△ 60.0
△ 20.0
11.8
△ 35.3
31.8
11.8
△ 47.1
24.7
繊維製品
△ 37.5
△ 55.6
△ 44.4
△ 60.0
△ 70.0
△ 15.6
△ 22.5
△ 10.0
△ 14.4
木材・木製品
△ 66.7
△ 50.0
16.7
0.0
△ 57.1
△ 16.7
66.7
△ 57.1
△ 7.1
化学工業・石油製品
△ 16.7
33.3
△ 16.7
16.7
△ 16.7
33.4
33.4
△ 33.4
△ 50.0
金属製品
20.0
0.0
△ 22.2
10.0
0.0
32.2
△ 10.0
△ 10.0
0.0
機械器具
9.1
8.3
9.1
25.0
16.7
15.9
15.9
△ 8.3
8.4
製造業
食料品
0.0
△ 20.0
△ 20.0
△ 20.0
△ 20.0
0.0
△ 20.0
0.0
0.0
その他
△ 33.3
△ 50.0
△ 20.0
△ 6.7
△ 26.7
13.3
26.6
△ 20.0
23.3
非製造業
△ 7.7
△ 10.4
△ 6.0
△ 5.0
△ 15.0
1.0
2.7
△ 10.0
△ 4.6
輸送用機械器具
建設業
△ 7.1
23.1
7.1
21.4
14.3
14.3
28.5
△ 7.1
△ 8.8
卸売業
△ 5.9
△ 23.5
△ 15.8
△ 16.7
△ 33.3
△ 0.9
△ 10.8
△ 16.6
△ 9.8
小売業
△ 21.1
△ 4.8
9.1
△ 10.0
△ 15.0
△ 19.1
11.1
△ 5.0
△ 10.2
運輸業
△ 30.0
△ 25.0
△ 30.0
△ 30.0
△ 30.0
0.0
0.0
0.0
△ 5.0
16.7
△ 22.2
△ 11.1
5.6
△ 11.1
16.7
△ 11.1
△ 16.7
11.1
△ 10.3
△ 19.5
△ 10.7
△ 3.1
△ 20.4
7.6
7.2
△ 17.3
△ 0.9
サービス業 その他
合 計
2
【参考】その他各種判断指数
平成26年
平成27年
平成28年
(見通し)
項 目 別
選択肢
4~6月
7~9月
10~12月
1~3月
4~6月
7~9月
10~12月
1~3月
受注高判断
(増加・不変・減少)
△ 13.8
15.8
28.2 △ 19.5
13.3
26.3
29.3 △ 23.2
生産高判断
(増加・不変・減少)
△ 8.8
25.0
20.5 △ 15.6
20.0
32.9
25.6 △ 23.2
売上高判断
(増加・不変・減少)
△ 22.9
18.8
25.6 △ 19.5
2.0
25.8
26.5 △ 14.2
在庫高判断
(増加・不変・減少)
12.7
10.7
1.3 △ 16.2
3.3
3.1
6.2
△ 5.6
資金繰り判断
(好転・不変・悪化)
△ 5.7
△ 5.4
0.0
△ 4.5
△ 6.5
3.8
4.9
0.6
銀行借入判断
(増加・不変・減少)
△ 1.9
△ 2.7
△ 3.2
△ 2.6
△ 4.6
△ 4.4
△ 1.2
△ 6.2
設備投資判断
(増加・不変・減少)
5.1
9.4
10.9
11.7
3.3
9.4
14.8
9.3
雇用状況判断
(増加・不変・減少)
11.5
4.7
6.4
△ 3.9
19.0
△ 0.6
0.0
2.5
採算判断
(好転・不変・悪化)
△ 15.3
△ 4.0
10.3
△ 8.4
△ 6.5
6.9
12.3
△ 8.0
4.経営上の問題点
「経営上の問題点」の推移
平成27年/1~3月期
平成27年/4~6月期
1
原材料(仕入 )高
19.3%
1
求
難
19.9%
1
求
難
19.4%
1
求
難
22.0%
2
求
難
17.2%
2
原材料(仕入 )高
19.0%
2
原材料(仕入 )高
16.5%
2
設 備 老 朽 化
14.5%
3
過
争
15.4%
3
販売(受注) 不振
14.0%
3
設 備 老 朽 化
14.4%
3
過
争
14.2%
4
販売(受注) 不振
15.1%
4
過
争
13.4%
4
過
争
12.9%
4
販売(受注) 不振
13.1%
5
設 備 老 朽 化
11.8%
5
設 備 老 朽 化
12.1%
5
販売(受注) 不振
12.4%
5
原材料(仕入 )高
12.2%
6
製 品 ( 販 売 )安
9.4%
6
製品(販売)安
10.4%
7
賃
金
上
昇
5.4%
7
賃
8
環
境
対
応
3.3%
8
そ
9
設
備
不
足
0.9%
9
設
9
借
入
れ
難
当
11 そ
競
の
順位
項 目
人
当
競
構成比
順位
項 目
平成27年/10~12月期
項 目
人
構成比
平成27年/7~9月期
順位
人
当
競
構成比 順位
項 目
人
当
競
構成比
10.6%
6
製品(販売)安
9.7%
6
製品(販売)安
昇
6.2%
7
賃
金
上
昇
6.2%
7
賃
他
1.9%
8
環
境
対
応
2.1%
8
そ
足
1.2%
9
そ
他
1.5%
9
環
境
0.9% 10 金 利 負 担 増
0.9%
9
設
足
1.5% 10 設
備
9
金 利 負 担 増
金
上
の
備
不
の
備
不
金
上
昇
5.6%
他
2.7%
対
応
2.4%
不
足
1.2%
の
他
0.6% 11 環
境
対
応
0.3%
1.5% 11 金 利 負 担 増
0.9%
12 金 利 負 担 増
0.3% 11 借
入
れ
難
0.3% 12 借
入
れ
難
0.9% 11 借
入
れ
難
0.9%
12 回 収 条 件 の 悪 化
0.3% 13 回 収 条 件 の 悪 化
0.0% 12 設
備
過
剰
0.9% 13 設
備
過
剰
0.0%
14 設
0.0% 13 設
0.0% 14 回 収 条 件 の 悪 化
0.3% 13 回 収 条 件 の 悪 化
0.0%
備
過
剰
備
過
剰
業種別回答数及び構成比
業 種
企業経営動向調査概要
① 調 査 時 期 : 平成27年12月8日~12月28日
(毎年3・6・9・12月実施)
② 調 査 事 項 : 受注高、生産高、売上高、在庫高、資金繰り、銀行
借入、設備投資、雇用、採算、業界業況の各項目別
BSI、売上高の増加・減少要因、設備投資目的、
経営上の問題点
製造業
食料品
繊維製品
木材・木製品
化学工業・石油製品
金属製品
機械器具
③ 調 査 方 法 : 景況感についての調査
前期(平成27年7~9月)と比較した今期(平成27年
10~12月)の実績及び今期(平成27年10~12月)と
比較した来期(平成28年1~3月)の見通しを調査。
④ 調 査 対 象 : 県内に本社または主工場を持つ主要企業256社
輸送用機械器具
その他
非製造業
建設業
卸売業
小売業
⑤ 有 効 回答 率: 63.3%(有効回答数162社)
運輸業
サービス業 その他
合 計
3
回答
社数
82
17
10
7
6
10
12
5
15
80
14
18
20
10
18
162
構成比
50.6%
10.5%
6.2%
4.3%
3.7%
6.2%
7.4%
3.1%
9.3%
49.4%
8.6%
11.1%
12.3%
6.2%
11.1%
100.0%
企業経営動向調査について
BSIとは
Business Survey Index の略で、企業動向の現状と先行き見通しに対する企業経営者
の判断を数字であらわした指数。次の算式により求める。
BSI=X-Y
X=「好転(増加)」と回答した企業の割合(百分率)
Y=「悪化(減少)」と回答した企業の割合(百分率)
※回答は、①好転(増加)、②不変、③悪化(減少)から 1 つ選択
季節的変動要因
当アンケート調査は、調査月を含む直前 3 か月実績と調査月の翌月からの 3 か月見通
しについて、その直前の 3 か月と比較することから、一般的には、年間の閑散月 2 月、
8 月を含む 1~3 月期と 7~9 月期にはBSIが低下し、逆に 4~6 月期と 10~12 月期は、
上昇する傾向がある。
(百十四経済研究所
4
髙木)