第3章 計画の基本的な考え方(PDF:417KB)

第3章
第3章 計画の基本的な考え方
計画の基本的な考え方
1.基本理念
子どもの夢と未来が輝くまち さんだ
三田市では、
「ひと・まち・自然が輝く三田」をまちづくりの基本方向として、先人たちが
守り、育んできた「ひと・まち・自然」の魅力をさらに高め、輝かせることによって、本市
を取り巻く環境の変化への対応や様々な課題を克服し、次の世代に誇るべきまちとして、引
き継いでいこうとしています。このようなまちづくりを進めるためには、子どもの健やかな
成長は欠かすことはできません。子どもの健やかな成長は親・家庭にとって大きな喜びであ
ると同時に社会全体にとって大きな希望です。次代を担う子どもの成長なくして三田市の未
来はないといっても過言ではありません。
子どもが育つ場は、家庭、学校園所、さらに地域と、成長に応じて広がっていきます。そ
のためには、子どもの最善の利益の実現に向けた社会全体の責任と理解が必要になります。
子どもの最善の利益の実現には、社会全体で子どもがかけがえのない存在であることを認
識し、一人の人として人権と個性を尊重していくことが必要です。また、家庭が子育てにつ
いての第一義的責任を有するという基本的認識のもと、学校園所、地域も共に手を携え、社
会全体で子どもと子育て家庭を支える環境づくりを進めていくことが必要です。
そして、家庭、学校園所、地域が一体となって子どもの育ちを支えるとともに、子どもの
発達や学びの連続性を保障するため、就学前教育・保育と学校教育が円滑に接続し、体系的
な教育が組織的に行われることが大切です。
全国的に少子化、核家族化、地域コミュニティの希薄化等子どもや子育て家庭を取り巻く
環境は、一段と厳しさを増し、子育てに不安や負担を感じている家庭の割合は、依然として
高い状況にあります。三田市においても、人口や子どもの数の減少が見込まれており、まち
の持続的発展に向けては、市内外の子育て世帯の定住促進をめざしていくことが必要です。
こうした中、平成 23 年1月「子育てするならゼッタイ三田」をスローガンに掲げ、
「子育て
先進都市」に向けて、安全・安心で質の高い教育・保育並びに子育て支援を行うため、児童
福祉分野、学校教育分野等、多様な子育て支援の施策を展開しています。
こうした状況等も踏まえながら、本市では、次代を担う子どもたちが自らの可能性を伸ば
し、未来に夢をもってたくましく成長することができるとともに、誰もが安心して子どもを
生み育て、子育ての喜びや楽しさを見出しながら自身も育つことができるまちづくりをめざ
します。
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2.基本視点
三田市では、基本理念のもと、子ども・子育て支援を進めるうえでの共通の考え方として、
「子どもの最善の利益を考える視点」を最上位に位置づけるとともに、家庭・地域・環境づ
くりを含めた以下の4つの視点が相互に好循環できるように取り組むこととします。
子育てについての第一義
子どもの人権を大切にし、子どもの利
的責任がある保護者が、子ど
益・意見が最大限に 尊 重され健やか
もとの生活に喜びと安らぎを
に、のびのびと育つことをめざします。ま
感じ、楽しく子育てができるよ
た、子どもがつながりある育ちの中で、
うに支援します。また、子育て
未来を切り拓いていける力を身につけ、
を通して、子どもと保護者が
夢に向かって頑張ることを支えます。
共に育っていけるように、家
庭での子育て力を高めます。
子どもの
最善の利益を
考える視点
三田市の特性
を活かしながら
取り組む視点
家庭の
子育て力を
伸ばす視点
地域の多様な
主体が子育て・
子育ちを支える
視点
社会全体で子育てを支援するこ
豊かな自然環境や貴重な歴史
とが大切です。地域の人々が子育
文化資産、地域で様々な活動をさ
ての喜びや苦労を分かちあい、共
れている人、多様な学習施設等、
に子どもを見守り、子どもが健やか
三田市が有する地域資源を最大
に、のびのびと成長し、保護者も支
限に活用することで、子どもが豊か
えられる子育て環境づくりに努めま
に成長できる環境づくりに努めま
す。
す。
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3.基本目標
本計画では、基本理念を具現化するための施策の柱として、以下の4つの基本目標を掲げ、
子ども・子育て支援を進めます。
Ⅰ
子ども
次代を担う子どもがたくましく育つまち
子どもたちの個性や可能性を大きく伸ばし、発達と学びの連続性と一貫性を確保しながら健
やかな心身の成長に向けた質の高い教育及び保育を推進するとともに、遊びや様々な体験活
動、自然とのふれあい体験や多様な人間関係を通じて、子どもたちが“ふるさと三田”を愛し、
豊かな人間性を育み、自立した社会の一員へと成長できるよう「次代を担う子どもがたくまし
く育つまち」をめざします。
Ⅱ
子育て
家庭
すべての子育て家庭への支援が充実したまち
子育てと仕事を両立させたい人やひとり親家庭、障害のある子どもとその家庭、暴力や虐待
を受ける子どもとその保護者等を含め、すべての子どもや子育てをしている人に対する社会的
支援を充実するとともに、支援体制や情報提供体制等の整備・強化を進め、必要なときに必要
な支援が適切に受けられる「すべての子育て家庭への支援が充実したまち」をめざします。
Ⅲ
保護者、
地域
地域で子どもと共に育ちあうまち
子どもの人権を尊重する社会風土のもとに、子育てをしている保護者が親としての自覚と責
任をもつとともに、子どもの成長や子育てに楽しみを感じながら子どもと共に自らも学び育つ
ことができるよう、また、市民も地域の子どもや保護者との交流、支援等を通じて地域社会の
一員として学び育つことができるよう支援します。子どもや子育て中の保護者と地域住民との
交流を進めることで、地域における子育て課題を地域で協力して解決できる「地域で子どもと
共に育ちあうまち」をめざします。
Ⅳ
子育て・
子育ち環境
子どもを生み育てることに安心感をもてるまち
母子保健や医療施策の充実等、妊産婦や乳幼児、保護者の健康づくりを積極的に進めるとと
もに、ゆとりある住環境や安全・安心な生活環境の整備を進め、出産や子育て、子どもの育ち
にやさしい「子どもを生み育てることに安心感をもてるまち」をめざします。
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4.施策体系
基本目標Ⅰ 次代を担う子どもがたくましく育つまち
1.生きる力を育む教育・保育をめざします
(1)就学前教育・保育の充実
(2)保幼小中の連携強化
(3)学校教育の充実
2.子どもの豊かな成長を支える環境づくりを進めます
(1)安全・安心な子どもの居場所づくりの推進
(2)遊びや学び、体験活動の場の充実
(3)次代の親の育成
(4)不安や悩み、不登校、問題行動等への対応
3.青少年の心と身体の健康づくりを応援します
(1)青少年の心と身体の健康づくりの推進
基本目標Ⅱ すべての子育て家庭への支援が充実したまち
1.必要なときに必要な子育て支援が受けられるようにします
(1)子育て中の親子の出会いのきっかけづくりの推進
(2)わかりやすい子育て関連情報の提供
(3)子育てに関する相談体制の充実
(4)子育てに要する経済的な負担の軽減
2.仕事と家庭の両立を応援します
(1)多様な教育・保育サービスの充実
(2)仕事と家庭を両立しやすい環境づくり
3.様々な状況にある子どもや家庭をサポートします
(1)ひとり親家庭への支援の充実
(2)障害のある子どもへの支援の充実
(3)児童虐待防止への取組強化
基本目標Ⅲ 地域で子どもと共に育ちあうまち
1.家庭や地域の子育て力の向上をめざします
(1)子どもの権利擁護に関する理解促進
(2)親育ちへの支援強化
2.地域の人と親子がかかわりをもちやすい環境づくりを進めます
(1)地域におけるふれあい・助けあいの推進
(2)子育て・子育ち支援への参加促進
基本目標Ⅳ 子どもを生み育てることに安心感をもてるまち
1.乳幼児期までの親と子の心と身体の健康づくりを応援します
(1)妊娠・出産期の心と身体の健康づくりの推進
(2)乳幼児期の子どもと保護者の健康づくりの推進
(3)小児医療体制の充実
2.子育て・子育ちにやさしい居住・生活環境の向上をめざします
(1)子どもを犯罪や交通事故から守る環境づくりの推進
(2)子育て・子育ちにやさしい居住・生活環境づくりの推進
3.結婚・妊娠・出産・育児の切れ目のない支援の推進をめざします
(1)結婚・妊娠・出産・育児の切れ目のない支援の推進
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