新名神高速道路 (仮称)鈴鹿 PA スマート IC 利活用計画 新名神高速道路(仮称)鈴鹿PAスマートIC地域活性化委員会 目 第1編 次 はじめに .............................................................................................................................. 1 1.目的 2.検討体制 3.検討の流れ 4.位置 第2編 地域の概要 ........................................................................................................................... 4 1.地域概要 2.関連計画 第3編 (仮称)鈴鹿 PA スマート IC の計画概要 ............................................................................ 13 1.路線名、連結位置及び連結施設 2.概要 3.(仮称)鈴鹿 PA スマート IC の計画及び管理・運営等 (1) (仮称)鈴鹿 PA スマート IC の計画交通量等 (2) (仮称)鈴鹿 PA スマート IC の管理・運営形態等 4.(仮称)鈴鹿 PA スマート IC により期待される整備効果 (1)暮らしの向上 (2)産業活性化 (3)観光の振興 (4)リダンダンシーの確保による物流の安定化 5.完成予想イメージ 第4編 (仮称)鈴鹿 PA スマート IC 地域活性化に向けた課題....................................................... 21 1.(仮称)鈴鹿 PA スマート IC 周辺地域の問題と課題 第5編 (仮称)鈴鹿 PA スマート IC 地域活性化方策の検討 .......................................................... 23 1.地域活性化の方向性と活用方策 (1)課題を踏まえた個々の活性化の方向性 (2) (仮称)鈴鹿 PA スマート IC の活用方策 2.地域活性化に向けた取組の具体案と課題 (1)検討する方策の抽出 (2)各事業の検討 (3)スマートIC利活用計画の方策の方向性と実施検討主体 第1編 はじめに 1.目的 本計画は、平成 30 年度の供用が予定されている新名神高速道路 (仮称)鈴鹿PAスマ-トIC を活用した新たなまちづくりや、地域間の交流や連携等による地域の活性化を図り、スマ-トI Cの利用向上を目指したスマ-トIC利活用計画を策定することを目的とする。 なお、スマ-トIC利活用計画とは、スマ-トIC開通後の利活用について、まちづくり計画 や関係施策との連携方法をまとめたものとする。 2.検討体制 地域ニーズや高速利用者のニーズを把握するためアンケート等を実施し計画づくりに活かすと ともに、幹事会及び委員会で検討し、計画書としてとりまとめを行った。 地域活性化委員会 市民等 ○周辺地域住民アンケート 幹事会 ○スマート IC 周辺の実態調査 意見 委員会 ○高速道路利用者アンケート 1 3.検討の流れ 鈴鹿 PA に取り付くスマート IC 設置に向け平成 21 年度から検討を始め、平成 24 年4月に連結許可さ れた。連結許可後、スマート IC の利活用促進を図るため、平成 24 年度に(仮称)鈴鹿PAスマートI C地域活性化委員会を立ち上げ、平成 25 年度は周辺地域の問題や課題整理、利活用計画の策定方針、方 策の課題整理を行った。平成 26 年度に方策の検討を行い、利活用計画をとりまとめた。 平成24年度 連結許可 スマートIC地域活性化委員会 平成25年度 スマートIC周辺地域の 現状の課題 委員会、幹事会等で 出された意見 利活用計画の策定方針 利活用計画の方向性の整理 方策の課題整理 (課題・問題点・解決の方向性) 平成26年度 利活用方策の検討 利活用計画 2 4.位置 (仮称)鈴鹿PAスマートIC設置箇所は鈴鹿市山本町地内となっており、本計画は(仮称)鈴鹿 PAスマートICを中心とする周辺エリアを対象としている。 図 (仮称)鈴鹿PAスマートICの位置 3 第2編 地域の概要 1.地域概要 (1) 概況・くらし ●スマートIC周辺の椿地区は、鈴鹿山脈東麓の内部川・御幣川を中心とした扇状地に発達した集落で、 古来より椿大神社を核として成り立っている山麓集落である。 ●椿地区は、山本町、大久保町、椿一ノ宮町からなっており、地区の中核である椿大神社のある山本町 が椿地区の中心地となっている。 (2) 地域資源 ●農 業 お茶(かぶせ茶)、花き(サツキ、ツバキ) ●工 業 伊船工業団地 ●観 光等 歴史:椿大神社(獅子舞)、西岸寺、法雲寺、大久保城跡 自然:いぬつげ、あせび群落 観光:ゴルフ場(5箇所) 小岐須渓谷・椿渓谷キャンプ場 東海自然歩道、入道ヶ岳 椿大神社 椿大神社 至 名古屋・岐阜方面 法雲寺 入道ヶ岳 入道ヶ岳 大久保城跡 東海自然歩道 桃林寺 茶 畑 西岸寺 茶畑 伊船工業団地 東 名 阪 自 至 滋賀・京都方面 動 車 道 4 (3) 農業 ●お茶の生産量が県内1位(三重県は全国3位)でかぶせ茶の生産が盛ん。 (茶生葉収穫量 約1万t) ●サツキやツツジといった植木の栽培が盛ん(サツキは全国シェアの約3割) ●養鶏や肉牛などの畜産農家も多い。 表 全国茶生葉収穫量 市町村ベスト 10 全国一番茶生葉収穫量 都道府県ベスト5 順位 都道府県 データ(t) 1 静岡県 60,100 2 鹿児島県 43,100 3 三重県 15,000 4 京都府 7,160 5 奈良県 4,620 平成26年産作況調査/農林水産省 平成18年産作況調査/農林水産省 図 農業従事者の状況、農業の分野 その他 花木 (養鶏等) 28 3 (12%) (1%) 野菜 お茶 38 回答数 112 230 世帯 (17%) (49%) 米 49 (21%) 農業に従 農業に従 事している 事してい 回答数 230 ない 515 世帯 (45%) 285 (55%) H22.9 地域住民アンケート調査 鈴鹿のお茶 鈴鹿のたまご 椿こんにゃく 5 (4) 工業 ●スマートIC周辺には、 伊船工業団地があり自動車関連の企業が立地 ●愛知・岐阜方面・滋賀方面に多く輸送 表 スマートIC周辺企業の輸送品目・敷地面積 会社名 輸送品目(業種) マーク・コーポレーション 自動車リサイクル マスコエンジニアリング 自動車、 オートバイ部品 敷地面積 名古屋港(愛知) 41,501 m2 鈴鹿、四日市(三重) 12,313 m2 ・小牧(愛知) 伊 船 工 業 主な輸送先 坂本工業 自動車部品 ・坂祝町(岐阜) 30,855 m2 *滋賀方面に拡大予定 団地 一般貨物自動車 伸栄サービス ・豊田、豊明、蟹江(愛知) 運送業 ・草津、土山(滋賀) 業務請負業 *滋賀方面に増便予定 倉庫業 豊和精機 10,979 m2 朝日町(三重) 建築関連製品 *滋賀方面に拡大予定 - ・蒲生郡(滋賀) 日東粉化工業 ・磐田(静岡) 粉製品 ・豊田(愛知) *滋賀方面に増便予定 企業へのヒアリング調査(平成 22 年度) 図 工場位置図 6 - (5) 観光 ① 椿大神社 ●年間の観光入込客数は県内第 4 位(約145万人) ●市外から約7割(うち愛知県から1割)であり、全国各地から参拝者が訪れる ●参拝者のうち約2割は高速道路利用者 図 参拝者の車籍 図 高速道路の利用 関西地方 96台(2%) 合 計 その他 173台(3%) 岐阜県 111台(2%) 問4 高速道路の利用有無 自動車で 来ていない 17(3%) 愛知県 571台(11%) 鈴鹿市 933台(18%) 利用した 103(20%) 回答数 5071 台 回答数 520 台 三重県 (鈴鹿市除く), 3187台(64%) 利用して いない 400(77%) H23.1.1(土)交通実態調査(車籍調査調査) 図 H23.1.1(土)交通実態調査(アンケート調査) 正月の参拝状況 7 ② ゴルフ場等 ●スマートICから近く便利なことから、利用者の増加が見込まれる。 1)ゴルフ場 ● 5箇所のゴルフ場利用客は年間約 23 万人以上で県外利用客が多い。 平日利用客数 約100~150名(愛知方面の利用客 約7~8割) 休日利用客数 約700~800名(愛知方面の利用客 約4割) ●東名阪自動車道の渋滞の影響で土曜日、日曜日は、スタートに遅れる利用客が多い。 2)キャンプ場 ●小岐須渓谷・椿渓谷のキャンプ場等の利用客は年間約 8 千人 ●県外利用客が多い。 図 ゴルフ場利用客(H21) 図 小岐須渓谷・椿渓谷キャンプ場 利用客の所在地(H21) 岐阜 7,860名 (3%) その他 関西 9,070名 13,302名 (6%) (4%) 鈴鹿 22,976名 (10%) その他 関西 15名 31名 (2%) (4%) 鈴鹿市 275名 (32%) 調査数 愛知・岐阜 873 名 374名 (42%) 四日市市 三重県 109名 (その他) (12%) 69名 (8%) 愛知 100,067名 利用者数 235,505 名 (42%) 三重 82,230名 (35%) 山の家(小岐須渓谷キャンプ場) 屏風岩 8 ③ 自然 ●自然環境に融和した地域であり、高速道路を利用し、全国各地からの利用者の増加が見込まれる 1)東海自然歩道 ●総延長1,376km の長距離自然歩道。 ●鈴鹿市内(大久保町~西庄内町)約9.9kmが通っている。 2)入道ヶ岳 ●鈴鹿山脈に属し、標高 906.1m の山で、比較的初心者でも登りやすく、年間多数の方が利用 入道ヶ岳 椿大神社 (仮称)鈴鹿PA スマートIC 桃林寺 東海自然歩道 遍照寺 9 2.関連計画 (1)土地利用計画等 ① 都市マスタープラン スマートIC周辺地域は、鈴鹿市都市マスタープラン(H20.10)において農業ゾーンに指定さ れ、農業振興を図る地域として位置づけられている。 10 ② 農業振興地域整備計画 スマートIC周辺地域は、農業振興地域整備計画において農業振興地域に位置づけられ、大半 の農地が農用地区域に指定されている。 ※農業振興地域 農業の健全な発展を図り、国土資源の合理的な利用に寄与することを目的として、自然的経済 的社会的諸条件を考慮して総合的に農業の振興を図ることが必要であると認められる地域。 11 ③ 鈴鹿地域産業活性化基本計画 産業集積を図る区域としては、自然環境を保全する区域を除く全市域が設定されている。スマ ートIC周辺地域については、新名神西側の鈴鹿国定公園の区域が除外されている以外は産業集 積区域となっている。なお、企業誘致にあたっては、新たに市内へ立地を希望する企業に対し、 民間開発による工業団地を紹介するシステム(企業立地マッチング事業)を活用して不動産情報 を提供し、市内への企業立地への誘導を図るものとしている。集積業種としては、地域の強みを 活かし、①輸送用機械関連産業、②先端材料活用関連産業、③住生活関連産業、④モータースポ ーツ関連産業としている。 図 産業集積区域として設定する区域 12 第3編 (仮称)鈴鹿 PA スマート IC の計画概要 1.路線名、連結位置及び連結施設 [路線名] 近畿自動車道名古屋神戸線(新名神高速道路) [連結位置] 三重県鈴鹿市山本町地内 [連結予定施設] 市道 山本65号線 2.概要 <概況> ●スマートIC周辺には、自動車関連の企業が多く立地しており、愛知や滋賀方面への輸送が多い。ま た、お茶の生産が盛んであり、日本一の生産量を誇るかぶせ茶は、全国に配送されている。 ●スマートIC周辺には県内でも有数の集客力を持つ椿大神社があり、年間約145万人の参拝客が訪 れる。また、ゴルフ場やキャンプ場も点在しており、平日休日問わず、鈴鹿市外からの来訪者が多い。 ●鈴鹿IC周辺道路は、朝夕ピーク時には混雑しており、地元住民の利便性が阻害されている。また、 人口減少や地場産業の衰退などスマートIC周辺地域の衰退が課題である。 (仮称)鈴鹿PAスマートICの設置は、地元住民のくらしの向上や、アクセス向上による地域産業の 発展や観光振興、リダンダンシーの確保による物流の安定化など、多面的な効果が期待される。 《 (仮称)鈴鹿PAスマートICの整備効果》 ●地元住民のくらしの向上 ●高速道路アクセスの向上による地域産業の発展 ●周辺観光施設へのアクセスの向上による観光振興 ●リダンダンシーの確保による物流の安定化 13 3.(仮称)鈴鹿 PA スマート IC の計画及び管理・運営等 (1)(仮称)鈴鹿 PA スマート IC の計画交通量等 H17センサス現況交通量推計用データを基にした将来交通量配分計算(OD分割・転換率併用配分 法)により推計 (仮称)鈴鹿PAスマートIC計画交通量(H42) 2,100(台/日) *ETC利用率を90%とした場合 (2)(仮称)鈴鹿PAスマート IC の管理・運営形態等 ●運用形態 フルインター形式 ●利用方法 全方向(上下線ともに出入可能) ●運用時間 24時間 ●対応車種 ETC車載器を搭載した全車種 (軽自動車等、普通車、中型車、大型車、特大車) 14 4.(仮称)鈴鹿 PA スマート IC により期待される整備効果 (1)暮らしの向上 ① 通勤時間の短縮、通勤ゆとり時間の創出 ●スマート IC 周辺在住者の内、市外への通勤者は 477 名(42%)でその内、スマート IC 利用意向者は 57 名(鈴鹿 IC からの転換 45 名、他 IC からの転換 2 名、高速未利用者の転換 10 名)となっ ている。 ● スマートIC周辺在住者の内、鈴鹿市外には42%(477名)が通勤しており、 その内17% (71名)が高速道路を利用している。 ● スマートICの開通により、愛知方面の通勤時間が約11分短縮する。 ● 通勤ゆとり時間が年間2,970時間・人創出される。 周辺地域住民アンケート調査(平成 22 年度) ■ スマートICの整備効果 ●愛知方面への通勤時間は 約11分短縮(23分⇒12分) ●スマートIC整備による通勤ゆとり時間は 2,970時間・人/年 創出 ○ スマートIC整備による通勤ゆとり時間の創出 愛知方面への通勤時間短縮による総ゆとり時間 =(スマートIC整備による時間短縮)×(愛知方面への通勤者数)×(年間 労働日数) =2,970時間・人/年 (11.4 時間・人/日) * 「愛知方面への通勤者数」は地元アンケートより算出 ■通勤時間短縮(愛知県方面) 15 ② 二次医療機関への所要時間の短縮 ●スマート IC 周辺住民のうち高速道路を利用している通院者は 24 名となっている。 ●名古屋方面への通院者が多数みられる。 ●二次医療機関までの所要時間は約 19 分となっている。 ●スマートICの開通により、二次医療機関(菰野厚生病院)への通院時間は、現在は約19 分かかるが、スマート IC の開通により約8分に短縮され、約11分の時間短縮が図られる。 ●複数のICが選択でき、リダンダンシーの確保が図られ安心して遠方の病院へ通院できる。 周辺地域住民アンケート調査(平成 22 年度) ■ スマートICの整備効果 ●二次医療機関への所要時間は 約11分短縮(19分⇒8分) ●時間短縮に伴い、呼吸停止患者の死亡率は 約70%減少(98%⇒28%) ○ カーラーの救命曲線 98% 死亡率約70%減少 28% ① 心臓停止後約 3分で死亡率50% ② 呼吸停止後約10分で死亡率50% ③ 多量出血後約30分で死亡率50% ■二次医療機関への所要時間の短縮 16 (2)産業活性化 ① 高速道路アクセスの向上による地域産業の発展 ● スマート IC 周辺では45%(230世帯)が農業に従事している。その中でも、お茶、花 木は高速道路を利用した配送が盛んに行われている。 ● スマートICの開通により、スマートIC周辺地域から滋賀方面に約12分、愛知方面に約 11分短縮され、より短時間でお茶、花木を各地に配送することができ、安定した供給が可 能となる。 周辺地域住民アンケート調査(平成 22 年度) ■ スマートICの整備効果 ●愛知方面への配送時間は、 約11分短縮(23分⇒12分) ●滋賀方面への配送時間は、 約12分短縮(17分⇒5分) ○ 水沢茶農業協同組合ヒアリング結果 ・かぶせ茶の生産量は日本一であるが、年間出荷量は年々減 少しています。しかし、県外への出荷量は2年間で約1.4倍 に増加しており、中でも京都府へは1.9倍と大幅に増加して います。スマートICの整備により、京都府をはじめとする関西 方面の利便性の向上による出荷量の増加に期待しています。 (水沢茶農業協同組合) ■配送時間の短縮 17 (3)観光の振興 ① 周辺観光施設へのアクセスの向上による観光振興 ● スマート IC 周辺には椿大神社、ゴルフ場、キャンプ場があり、県外からの来訪も多く、鈴 鹿ICとの選択が可能になることで利便性が向上する。 ● 椿大神社へは、滋賀・京都方面から約8分、愛知方面から約7分の時間短縮が図れるととも に、正月の鈴鹿ICから椿大神社へのアクセス道路の渋滞が緩和される。 ■ スマートICの整備効果 ●愛知方面からは、 約7分短縮(21分⇒14分) ●滋賀・京都方面からは、 約8分短縮(15分⇒7分) ■椿大神社特異日(正月)参拝状況 ●県外からの利用も多く、特に新名神(草津 JCT~亀山 JCT)開 通後は関西方面からの利便性が向上し、関西方面からの参拝客 が増えています。 ●正月などの特異日は、高速道路の IC が複数あれば、参拝客は IC を選択することができ交通が分散され鈴鹿 IC までのアクセス道 路の渋滞も緩和されます。(椿大神社ヒアリング結果) ■椿大神社への所要時間 18 (4) リダンダンシーの確保による物流の安定化 ● 東名阪(四日市JCT~亀山JCT)では交通事故や交通規制により、H20 年は 8 回、 H21 年は 2 回、H22 年は 5 回、H23 年は 4 月末現在 4 回の通行止めが発生している。 ● スマート IC の整備により、鈴鹿市内からの迂回が可能となり、リダンダンシーが確保できる。 ■ スマートICの整備効果 ●リダンダンシーが確保されることにより、物流の安定化や定時性 の確保が可能になる。 ○ 東名阪(四日市 JCT~亀山 JCT) 通行止め発生回数(H19~H23.4) 出典:NEXCO 提供資料 ○ 東名阪上り線(鈴鹿IC⇒四日市東IC)事故渋滞時の県道 神戸長沢線の渋滞状況 写真① ●東名阪(鈴鹿IC⇒四日市東IC:上 り線)の事故渋滞により、鈴鹿IC周辺 のアクセス道路が渋滞 ■東名阪通行止め時の迂回経路 ○東名阪上り線(鈴鹿IC⇒四日市東IC:) 事故渋滞時の県道 神戸長沢線の渋滞状況 19 5.完成予想イメージ (仮称)鈴鹿PAスマートICの完成予想イメージは以下のようになっている。 提供:ネクスコ中日本 20 第4編 (仮称)鈴鹿 PA スマート IC 地域活性化に 向けた課題 1.(仮称)鈴鹿 PA スマート IC 周辺地域の問題と課題 (1)スマートIC周辺地域の問題 スマートIC周辺地域の問題として、以下の2つの事項があげられる。 ① 人口減少や農家の後継者不足、地場産業の衰退 ② 耕作放棄地や獣害の増加の問題 ①の人口減少や農家の後継者不足、地場産業の衰退は、少子高齢化を背景にして農業の先行き が不安、農業の他にこれといった雇用の場が少ないことや、市の中心市街地から離れた地域に位 置するため職場、医療福祉施設、買い物施設、教育施設等への交通が不便といったことを背景に、 若者が地域に定着しなくなったことが関係していると考えられる。 ②の耕作放棄地や獣害の増加の問題は、人口減少や高齢化を背景に、農地の適正管理を始めと する集落の活力が弱まっていることが関係していると考えられる。 ●人口減少や農家の後継者不足、地場産業の衰退の問題 少子高齢化を背景にして、農業の先行き 少子高齢化を背景にして、農業の先行き が不安、農業の他にこれといった雇用の が不安、農業の他にこれといった雇用の 場が少ない 場が少ない 若者が地域に定着しなくなったことが関係 若者が地域に定着しなくなったことが関係 市の中心市街地から離れた地域に位置 市の中心市街地から離れた地域に位置 するため職場、医療福祉施設、買い物 するため職場、医療福祉施設、買い物 施設、教育施設等への交通が不便 施設、教育施設等への交通が不便 ●耕作放棄地や獣害の増加の問題 農地の適正管理を始めとする集落の活力が弱まっ 農地の適正管理を始めとする集落の活力が弱まっ ている ている 人口減少や高齢化を背景に 人口減少や高齢化を背景に ・・・・・ ・・・・・ スマートIC周辺地域の問題 21 (2)スマートIC周辺地域の課題 ①人口減少や農家の後継者不足、地場産業の衰退、②耕作放棄地や獣害の増加の問題といった 地域の課題を克服するためには、人口減少に歯止めをかけることが必要である。そのためには、 スマートICの整備を契機に以下の事項を行うことが望まれ、課題としてあげられる。 ① 日常生活での交通の不便さを軽減する ② 観光振興や工場誘致等で雇用の場を増加させる ③ 農業の魅力を高める ② 地場産業の衰退 スマートICの整備を契機に 必要なこと 人口減少に歯止めをかける 人口減少に歯止めをかける ことが必要 ことが必要 すべきこと(課題) その先にあるもの ●日常生活での交通の不便さを軽減する ●日常生活での交通の不便さを軽減する ●観光振興や工場誘致等で雇用の場を増加させる ●観光振興や工場誘致等で雇用の場を増加させる ●地域に居住する魅力の充実 ●地域に居住する魅力の充実 ●地域の活性化 ●地域の活性化 ●農業の魅力を高める ●農業の魅力を高める ●スマートICの利用促進 ●スマートICの利用促進 22 第5編 (仮称)鈴鹿 PA スマート IC 地域活性化方策 の検討 1.地域活性化の方向性と活用方策 (1)課題を踏まえた個々の活性化の方向性 鈴鹿PAスマートICの機能確保をする上で、スマートIC周辺地域の現状の課題や委員会・ 幹事会等で出された意見からスマートICの利活用の策定方針を立て、その策定方針に基づき、 ①暮らしの向上、②産業の活性化、③観光の振興の骨格となる3つのテーマに、短期的な利活用 にあたって最も重要な④PRを加えた4つのテーマを整理した。 <暮らしの向上> ①広域・近隣への移動が容易な利便性で快適なくらしのあるまち <産業の活性化> ②地域内で住み続けられる、雇用の場となる農業、工業の充実したまち <観光の振興> ③地域の歴史・自然が満喫できる、来街者でにぎわうまち 23 (2)(仮称)鈴鹿 PA スマート IC の活用方策 ① 暮らしの向上 スマートICが設置されて他地域のICとの所要時間の短縮となるため、地域住民や周辺地域勤務者 の利便性の向上が期待される。そして、暮らしの向上に関わる課題解決のための方策としては以下のこ とが考えられる。 利活用計画の方策 方策例 土地・建物の活用 (1)空き家、古民家の活用 (農家民宿、二地域居住の推進等) 利便施設の整備 (1)スマートIC周辺への生活品販売施設の設置 (コンビニ等) 地域づくりの推進 (1)地域づくりの協議会での取組 (1)アクセス道路の整備・改修 アクセス道路の整備 (2)ピーク時の渋滞対策 ① 暮らしの向上 職場 鈴鹿市周辺地域 他地域 IC 鈴鹿PAスマートIC 所要時間の短縮 アクセスの向上 新名神高速道路 PA IC 所要時間の短縮 アクセスの向上 ●利便施設の整備 ●利便施設の整備 他地域 IC ・スマートIC周辺への ・スマートIC周辺への生活 生活品販売施設の設置 品販売施設の設置 (コンビニ等) (コンビニ等) ●地域づくりの推進 ●地域づくりの協力 ・地域づくりの協議会 体制の構築 での取組 ●土地・建物の活用 ●土地・建物の活用 職場 ・空き家、古民家の活用 ・空き家、古民家の活用 (農家民宿、二地域居住 (農家民宿、二地域居住 の推進等) の推進等) 周辺集落 ●空き家を活用して二地域居住を推進する 事例 「津市空き家情報バンク」(三重県津市) 下の写真は紹介されている空き家例 職場 市街地 暮らしの向上のイメージ 24 二次医療機関 ●古民家を活用した農家民宿の事例 体験型農家民宿「なかや」(三重県津市美 杉町) ② 産業の活性化 スマートICが設置されて取引先との配送時間の短縮となるため、既存企業の利便性の向上と新たな 企業の立地が期待される。そして、産業の活性化に関わる課題解決のための方策として以下のことが考 えられる。 利活用計画の方策 方策例 (1)農業の6次産業化 (2)農業系テーマパークの整備 農業施策 (3)休耕地、耕作放棄地の活用 (市民農園、貸し農園、獣害対策等) (1)企業や集客施設の誘致 工業・商業施策 土地利用 幹線道路の整備 (1)上位計画における土地利用計画の明確化 (総合計画、都市マスタープランへの反映) (2)柔軟な土地利用に向けた規制緩和、適切な誘導策の推進 (規制緩和後の排水・インフラ問題の解消) (1)幹線道路の整備 ●休耕地を利用して地域活性化に取り 組 ん でいる事例 「ふれあい農園推進事業」 (三重県鈴鹿市 農林水産課) ② 産業の活性化 鈴鹿市周辺地域 大阪・滋賀方面 取引先 配送時間の短縮 アクセスの向上 鈴鹿PAスマートIC PA IC ●工業・商業施策 ●商業施策 ・商業施設の誘致 ・企業や集客施設の誘致 (アウトレット、ショッピングモール等) ひるがの高原SA内のふるさと市場 SA内にて春まちにんじ んを使 った ジュースと農産物の販売 幹 線 道 路 の 整 備 ・ 改 修 アクセス道路の整備・改修 ●農業の6次産業化に取り組んでいる事例 「高原野菜を無駄なく活かす野 菜加工 商品 の開発事業」 (岐阜県郡上市 ひるがのラファ ノス) 取引先 ●農業施策 ●工業施策 ・農業の6次産業化 ・企業誘致 ・農業系テーマパークの整備 ・休耕地、耕作放棄地の活用 ●農業施策 (市民農園、貸し農園、獣害 ・農業の6次産業化 対策等) ・休耕地、耕作放棄地の活用 (市民農家制度、貸し農園、獣害 対策等) 工場、農産物出荷場、伝統 産業(鈴鹿墨、伊勢型紙)等 産業の活性化のイメージ 25 東京・愛知方面 新名神高速道路 ●土地利用 ●土地利用 ・上位計画における土地利用計画の ・上位計画における土地利用計画の 明確化(総合計画、都市マスター 明確化(総合計画、都市マスター プランへの反映) プランへの反映) ・柔軟な土地利用に向けた規制緩 ・柔軟な土地利用に向けた規制緩和、 和、適切な誘導策の推進 適切な誘導策の推進 配送時間の短縮 アクセスの向上 ●ICに近接する工業団地の開 発事例 「甲南フロンティアパーク」(滋賀県甲 賀市) ※ 新名神高速道路甲南ICまで約3 ㎞ 新名神高速道路 ③ 観光の振興 スマートICが設置されて観光客の旅行時間の短縮となるため、観光客の増加が期待される。そして、 観光の振興に関わる課題解決のための方策として以下のことが考えられる。 利活用計画の方策 方策例 (1)地元農水産物及び関係施設の観光資源としての活用( 「見る・知る・体験する」 、 「飲 食」 、 「買い物」の提供) (2)既存活動の支援・有効活用 ストロー効果による地域衰退の防止 、椿地区まちづくり 既存資源の活用・ブラッ (椿の農業と地域を考える会「鈴鹿・椿縁の結びプロジェクト」 協議会) シュアップ (3)自然・文化・スポーツ・レクリエーション資産の活用(鈴鹿サーキット、椿大神 社、小岐須渓谷、東海自然歩道、キャンプ場、青少年の森、海水浴場、伝統産業会 館,鈴鹿農村環境改善センター,スポーツ施設、ゴルフ場) (4)優れた農業人材、企業OB等の多様な人材の活用 新資源の創設 観光コースの設定 (1)内部川及び周辺の利用 (農林水産物の栽培、自然動物園、老人施設等各種施設整備、イベント開催、温泉等) (2)資源の有効活用 (1)広域観光コースの設定 (2)地域観光コースの設定 (1)PAとの一体整備・連結に向けた取組・方向性 (一体的な緑地整備、PA外の駐車場整備等) (2)鈴鹿市の情報発信機能・スペースの充実 観光拠点(鈴鹿PA)の (3)地元の意向、特色を踏まえた施設整備 整備・利活用 (地域交流のためのコミュニティ広場等) (4)地元特産品の販売・飲食 (5)良好な景観が望める視点場の整備 新名神高速道路の利用促進 (1)高速料金の割引 ●既存資源の活用・ブラッシュアップ ●既存資源の活用・ブラッシュアップ ③ 観光の振興 ・自然・文化・スポーツ・レクリエーション資産の活用 ・自然・文化・スポーツ・レクリエーション資産の活用 鈴鹿市周辺地域 亀山市 観光資源 椿大神社、ゴルフ場、小岐須渓谷、東海自 椿大神社、ゴルフ場、小岐須渓谷、東海 自然歩道、キャンプ場、美しい景観等 然歩道、キャンプ場等 観光資源 地域観光コースの設定 ●既存資源の活用・ブラッシュアップ ●既存資源の活用・ブラッシュアップ 大阪・滋賀方面 四日市市 観光資源 ・既存活動の支援・有効活用 ・既存活動の支援・有効活用 (椿の農業と地域を考える会「鈴鹿・椿 (椿の農業と地域を考える会「鈴鹿・椿縁の結 縁の結びプロジェクト」、椿地区まちづ びプロジェクト」、椿地区まちづくり協議会) くり協議会) ・優れた農業人材の活用 ・優れた農業人材、企業OB等の多様な ・企業OB等の多様な人材の活用 人材の活用 鈴鹿PAスマートIC 旅行時間の短縮 アクセスの向上 PA IC 観光客 ●既存資源の活用・ブラッシュアップ ●既存資源の活用・ブラッシュアップ ・地元農水産物及び関係施設の観光資源としての活用( 「見 ・伝統工芸品、地元農水産物及び関係施設の観光資源としての 活用(「見る・知る・体験する」、「飲食」、「買い物」の提供) る・知る・体験する」 、「飲食」、「買い物」の提供) ・鈴鹿墨、伊勢型紙等 ・鈴鹿墨、伊勢型紙等 ・お茶、穴子、こんにゃく、鶏めし、草もち、植木等 ・お茶、穴子、こんにゃく、鶏めし、草もち、植木等 ・獣害(鹿)対策も兼ねたジビエ料理開発(鹿肉の有効利用) ・獣害(鹿)対策も兼ねたジビエ料理開発(鹿肉の有効活用) 旅行時間の短縮 アクセスの向上 新名神高速道路 広域観光 コースの設定 市内都市住民 との交流 ●新資源の創設 ●新資源の創設 ●新資源の創設 ・内部川及び周辺の利用 ・農業系テーマパークの整備 ・内部川及び周辺の利用 (農林水産物の栽培、自然動物 (農林水産物の栽培、自然動物 園、老人施設等各種施設整 園、老人施設等各種施設整備、 備、イベント開催、温泉等) イベント開催等) ・資源の有効活用 ・助成制度の有効活用 東京・愛知方面 観光客 都心住民 ●新名神高速道路の利用促進 ●新名神高速道路の利用促進 ・高速料金の割引 ・高速料金の割引 観光資源 鈴鹿サーキット、青少年の森、 海水浴場、伝統産業会館等 観光の振興のイメージ 26 ●観光拠点(鈴鹿PA)の整備・利活用 ●観光拠点(鈴鹿PA)の整備・利活用 連結に向けた取組・方向性 ・PAとの一体整備・連結に向けた取組・方向性 ・PA内外の一体整備・連携強化 (一体的な緑地整備、PA外の駐車場整備等) (一体的な緑地整備、PA外の駐車場整備等) ・鈴鹿市の情報発信機能・スペースの充実 ・鈴鹿市の情報発信機能・スペースの充実 ・地元の意向、特色を踏まえた施設整備 ・地元の意向、特色を踏まえた施設整備 ・地元特産品の販売・飲食 (地域交流のためのコミュニティ広場等) ・良好な景観が望める視点場の整備 ・地元特産品の販売・飲食 ・良好な景観が望める視点場の整備 ④ PR PRは、短期的な利活用の中核となることが期待される。PR策としては、以下のようなことが考え られる。 方策例 利活用計画の方策 スマートICのPR STEP1 新名神・スマート IC の 存在を知る (1)マスコミやインターネットを通じた情報発信、道路上の横断幕 STEP2 STEP3 スマート IC の 利用方法(便利さ)を 知る 実際にスマート IC を 利用する まずは、スマートIC 次に、スマートICの 利用した方がまた利用 ができることを知って 利用方法や利用すると したくなるような取り もらう取り組みを行う 便利なことを知っても 組みを行う らう取り組みを行う 27 2.地域活性化に向けた取組の具体案と課題 (1)検討する方策の抽出 前項で取りまとめた利活用計画の方策の検討例を示す。検討例として産業の活性化、観光の振 興・PRに位置付けた方策の中で効果的と考えられる方策を抽出した。 利活用計画のテーマ 産業の活性化 観光の振興 P R 方策 1 農業の6次産業化 2 企業誘致 3 農業系テーマパークの整備 1 地元農水産物及び関係施設の観光資源としての活用 2 既存活動の支援・有効活用 3 自然・文化・スポーツ・レクリエーション資産の活用 4 優れた農業人材、企業OB等の多様な人材の活用 5 広域観光コースの設定 6 地域観光コースの設定 1 スマートICのPR 28 (2)各事業の検討 方策の事業概要、実施時期、期待される効果、課題、活用できる現状の取り組み方策を示す。 産業の活性化 1 農業の6次産業化※ 「産業活性化-農業施策」の方策 (1)事業概要 【事業の必要性】 6次産業化は、農林漁業の活性化を目指して平成 22 年に成立した6次産業化法※に基づき推進 されている。鈴鹿市では、第2次鈴鹿市農業基本計画(H23.3)の中で6次産業化を推進している。 こうした背景とスマートICの設置を契機に、地域における農業振興と観光振興を担った農業の 6次産業化が課題となっている。 ※6次産業化 農山漁村が生産(第 1 次産業)だけでなく、食品加工(第 2 次産業) 、流通・販売(第 3 次産業)にも 主体的・総合的に関わり合うことで高付加価値化を図り、活性化につなげていこうという考え方 ※6次産業化法 正式名称は「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進 に関する法律」 【事業内容】 以下の事項について検討する。 1)農業行政と商工会議所等の地元経済界の協力を得た農協・生産者を中心にした検討 ① 6次産業化を図る業種、業態、品種、品目等の研究・検討 ② 先進的な生産者や新たな生産者の確保に向けた検討 ③ 適用する支援制度の検討 ④ 適用する規制緩和策、優遇税制策の検討 (2)実施時期 推進組織や実施する農業法人等が未定であるため、将来計画を考える中で効果発現を目指す。 (3)期待される効果 事業により以下の効果が期待される。 ① 地元農産物の付加価値化、魅力向上 ② 地元農業の活性化、魅力発信 ③ 農村生活での生きがいの増大 29 (4)課 題 事業の推進に向けた課題として以下の事項があげられる。 ① 推進組織の立ち上げ ② 先進的な生産者の確保・育成 ③ 支援制度の適用 30 2 企業誘致 「産業活性化-工業・商業施策」の方策 (1)事業概要 【事業の必要性】 現状、優良農地が多くみられるスマートIC周辺地区の利便性が高まるなか、農業環境との調 和が図られた将来計画や土地利用について明確にしておくことが課題としてあげられる。 将来計画や土地利用を明確にするために、現状の産業の把握や将来事業の把握を行い、必要な 規模や場所の選定を行う必要がある。 【事業内容】 具体な事業、取り組み及び検討事項として以下の事項があげられる。 1)工場立地動向調査 ① 企業の立地ニーズの把握(企業アンケート、統計データ等による) ② 工業団地の分布状況(三重県内、競合する工業団地等) ③ ICに近接する工業団地の販売状況、立地効果 2)工場立地需要調査 ① 立地需要の把握 ② 立地条件の把握 3)企業誘致の可能性検討 ① スマートIC周辺地域の工業地としての適正評価 ② スマートIC周辺地域における工業地の必要性検討 4)開発候補地の抽出・評価・選定 ① 工業用地規模の検討 ② 開発候補地の抽出・評価・選定 (2)実施時期 計画や事業が具体的ではないため、将来計画を考える中で効果発現を目指す。 (3)期待される効果 事業により以下の効果が期待される。 ① 企業の物流、人流によるスマートICの利用促進、地域経済の活性化 ② 地元での就業機会の増大 ③ 住民の定住化 (4)課 題 事業の推進に向けた課題として以下の事項があげられる。 ① 実施検討主体の立ち上げ ② 支援制度の適用 ③ 用地確保のための取り組み 31 (5)活用できる現状の取り組み方策(農業環境との調和を図ったうえでの方策) 活用できる現状の取り組み方策として以下の事項があげられる。 ①(仮称)鈴鹿PAスマートIC周辺地域の利活用に関する基礎調査(平成 26 年度) 類似環境ICやスマートICにかかる先進事例調査、当該地域エリアの現状と課題や希望 等のアンケート・ヒアリング調査(名神高速道路沿線企業,大手物流系企業,IC周辺の 立地交流施設等) 32 3 農業系テーマパークの整備 「産業活性化-農業施策」の方策 (1)事業概要 【事業の必要性】 PA周辺地区の魅力を高め、スマートICの利用促進を図る上で、新たな観光資源を創設し集 客を図ることが課題としてあげられる。 鈴鹿市は、鈴鹿サーキットの入込客数が年間 200 万人を超えるなど、モータースポーツの都市、 レジャー都市といったイメージが強いが、第一次産業の出荷額が県内第1位、植木の生産額が全 国の市町村で第2位となるなど、農業が極めて盛んな都市である。PA周辺地区一帯は農業振興 地域に指定され、お茶畑が広大に広がる農業地帯である。 こうした地域の特性を踏まえ、観光振興施策と農業振興施策を織り交ぜた新たな産業振興施策 として、農業系テーマパークの整備について実現の可能性を検討する。 【事業内容】 検討事項として以下の事項があげられる。 1)PA周辺における適地の検討 ① 土地利用規制(農振農用地、白地等)の把握 ② 土地利用、建物利用の把握 ③ 休耕地、空き家の把握 ④ 候補地の抽出 ⑤ アクセス道路の状況 ⑥ 計画地の検討 2)土地利用・施設内容の検討 ① 「特定農地貸付法」による日帰り型市民農園ゾーン ② 農地付き別荘(売買、賃貸)による長期滞在型農園ゾーン ③ 農地付き農家住宅や空き家を活かした定住農家形成ゾーン ④ 特産品の販売店や地産地消型レストラン等の拠点施設整備 等 ●野菜作りを教わりながら野菜育てをするマイ農園(松阪農業公園ベルファーム) 33 3)適用できる助成制度の検討 ① 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金 ② 高速道路利用・地域連携推進プラン 等 4)地元農業関係者を主体にした取り組み主体の立ち上げと準備についての検討 ① 対象不動産物件の募集と登録 ② 施設整備における既存活動組織との連携 ③ 直販施設との役割分担 5)経営主体の検討 ① 行政、第三セクター、民間、農業法人、NPO 等 (2)実施時期 農業振興地域、市街化調整区域の規制があること、取り組み主体が未定であることなど、実 現の可能性を検討する必要があるため、将来計画を考える中で効果発現を目指す。 (3)期待される効果 事業により以下の効果が期待される。 ① 観光客の集客によるスマートICの利用促進、地域経済の活性化 ② 農村部と都市部の地域交流機会の増大 ③ 農業体験の場の創出や新規農家の増加による地元農業の活性化、イメージアップ ④ 休耕地、空き家の有効活用 ⑤ 地元での就業機会の増大、余剰人材の活用 (4)課 題 事業の推進に向けた課題として以下の事項があげられる。 ① 休耕地・空き家の活用施策との調整 ② 類似施設(松阪農業公園ベルファーム)との差別化、住み分け ③ 直販施設との役割分担 34 ■事例: 「ふれあい農園推進事業」 (三重県鈴鹿市 農林水産課) 農業者が開設する小面積に区画された農園をサラリーマンなどの農業者以外の方が、レクリエーショ ンとしての自家用の野菜・花の栽培、高齢者の生きがいづくり・健康増進、生徒・児童の体験学習など の多様な目的で利用する。 農園利用者が農業者から 30 ㎡程度の区画農地を1年借り、農業者より栽培指導を受けることで交流が 生まれ、農業への理解と関心を深めることができる。 ホームページ http://www.city.suzuka.lg.jp/gyosei/plan/nousui/index03.html (写真抜粋) 関連する助成金制度: 「農」のある暮らしづくり交付金(農林水産省農村振興局) 35 観光の振興 1 地元農水産物及び関係施設の観光資源としての活用 「観光の振興-既存資源の活用・ブラッシュアップ」の方策 (1)事業概要 【事業の必要性】 PA周辺地区の魅力を高め、スマートICの利用促進を図るにあたり、地元にある既存の観光 資源を活用し磨きをかけることが課題としてあげられる。 地元の農水産物や特産品に目を向けると、鈴鹿PA周辺でお土産等の買い物や飲食がまとまっ てできる施設は椿会館のみである。また、名産品である「お茶」について学ぶ施設が少ない。近 いところでは四日市市水沢地区に「四日市市茶業振興センター」があるが、訪れる観光施設とし ては十分ではなく、アクセス性に欠ける。 そこで、地元農水産物及び関係施設の観光資源としての活用を図るため、観光の3要素「見る・ 知る・体験する」 、 「飲食」 、 「買い物」の提供に留意した事業を展開する。 【事業内容】 具体な事業、取り組み及び検討事項として以下の事項があげられる。 1)直販施設の整備(飲食、買い物、体験する) ① 適地・規模の検討(PA周辺またはPA内) ② 適用する支援制度の検討 ③ 販売品目の検討(お茶、植木、穴子、こんにゃく、鶏めし、草もち、郷土料理、ジビエ料 理(獣害対策として鹿肉の有効利用)、鈴鹿墨、伊勢型紙等) ④ 近辺の茶畑を体験農場として活用 2)お茶の学習施設の整備(見る・知る) ① 適地・規模の検討(PA周辺または北勢茶センター等既存 施設への整備) ② 実施組織や体制の検討 ③ 適用する支援制度の検討 ④ 展示内容の検討(鈴鹿市のお茶の歴史、直売所等) 3)お茶工場見学ツアーの実施(見る・知る・体験する) ① 実施組織や体制の充実 ●農家レストランを併設した直販施設例 (きなぁた瑞浪) ② 支援制度の検討 ③ 催行内容の検討(直販施設・体験学習施設や椿大神社と抱き合わせた「椿の歴史・お茶め ぐりツアー」等) (2)実施時期 既存資源の活用をスマートIC完成に合わせ実施し、早期の効果発現を目指す。 36 (3)期待される効果 整備、催行により以下の効果が期待される。 ① 観光客の集客によるスマートICの利用促進、地域経済の活性化 ② お茶をはじめとする地元農水産業のさらなる振興 ③ お茶産業の伝承、技術継承 ④ 地元での就業機会の増大、余剰人材の活用 ⑤ 農村部と都市部の地域交流機会の増大 (4)課 題 事業の推進に向けた課題として以下の事項があげられる。 【直販施設・お茶の学習施設の整備】 ① 実施主体の立ち上げと法人組織化 ② 支援制度の適用、整備財源の確保 ③ 用地確保のための取り組み ④ 農振除外(PA周辺で農振農用地の場合) 【お茶工場見学ツアー】 ① 実施主体の立ち上げと法人組織化 ② 支援制度の適用 (5)活用できる現状の取り組み方策 活用できる現状の取り組み方策として以下の事項があげられる。 ①「椿の農業と地域を考える会」の鈴鹿・椿縁の結びプロジェクトとタイアップし、新規直 販施設で開催 「椿の農業と地域を考える会」のお茶摘み体験、茶工場見学ツアーの活用 ②すずか茶サポーター 新茶の摘み取り体験、お茶のおいしい入れ方教室 37 2 既存活動の支援・有効活用 「観光の振興-既存資源の活用・ブラッシュアップ」の方策 (1)事業概要 【事業の必要性】 既存の観光資源の活用・ブラッシュアップの施策として、既存の活動を支援し発展させていく ことが課題としてあげられる。 現在椿地区では「椿の農業と地域を考える会」と「椿地区まちづくり協議会」が精力的に活動 し、地域の発展に寄与しており、これら団体の支援策、有効策を検討する。 【事業内容】 検討事項として以下の事項があげられる。 1)適用できそうな支援制度の検討 ① 都市農村共生・対流総合対策交付金(集落連携推進対策) 集落連合体が取り組む「食」を活用したグリーン・ツー リズム、子どもから社会人までを対象とした農山漁村の体 験教育、 「農」を活用した健康づくりなど、農山漁村の持つ 豊かな自然や「食」を観光、教育、健康等に活用する地域 の手づくり活動を支援する。 →「椿の農業と地域を考える会」はお茶摘み体験、茶工 場見学ツアー、大豆の種まき・収穫体験、豆腐づくり 体験、とりめしづくり体験、農作業体験等を精力的に 実施している。 ② 鳥獣被害防止総合対策交付金 野生鳥獣による被害の深刻化・広域化に対応し、地域ぐるみの被害防止活動や侵入防止 柵等の整備等の鳥獣被害防止対策を総合的に支援する。 →「椿の農業と地域を考える会」は『耕作放棄地活用ワークショップ』にて獣害対策(柵 設置)を実施済み。今後の対策に活用することが望まれる。 2)農林行政サイドの支援体制の強化 鈴鹿市は「市長と話そう!鈴鹿(まち)づくりミーティング」で椿の農業と地域を考える 会とミーティングを開催したり、 「車座懇談会」で椿地区まちづくり協議会と意見交換を行 っている。今後は、これらコミュニケーションを図る機会を継続していくとともに、 農林 行政サイドの支援体制の強化に努め、各種イベントの後援、情報発信など、既存活動の支 援を検討する。 (2)実施時期 これまで行われてきた行政とのコミュニケーションを図る機会も継続していくとともに 支援体制の強化・充実を図る。 (3)期待される効果 既存活動の支援により以下の効果が期待される。 38 ① 地域活動の充実による地元農産業の活性化、地域の魅力発信 ② 充実したイベント開催による観光客の増加、スマートICの利用促進 ③ 農村部と都市部の地域交流機会の増大 ④ 農村生活での生きがいの増大 ⑤ 農業に対する市民の理解増進 (4)課 題 事業の推進に向けた課題として以下の事項があげられる。 ① 活動組織の法人化(より助成を受けやすい体制を整える) ② 支援制度の適用 (5)活用できる現状の取り組み方策 ① 「椿の農業と地域を考える会」の各種活動 ② 「椿地区まちづくり協議会」の各種活動 39 ■事例: 「鈴鹿・椿縁結びプロジェクト」 (三重県鈴鹿市 椿の農業を考える会) 鈴鹿市民と一緒に椿の農業や環境などの宝を発見する宝探しツアー『鈴鹿のいいね!発見ツアー』と 耕作放棄地の解消・活用ワークショップ『耕作放棄地活用ワークショップ』の2つの企画をして、椿地 区のすばらしさを再確認し、新たな何かを発見しようと立ち上げた。 『鈴鹿のいいね!発見ツアー』として、お茶摘み体験、ブルーベリージャム作り、カブト虫釣り、紅 葉狩りといった椿地区の自然を体験してもらうものを行っている。 『耕作放棄地活用ワークショップ』で は、20a の耕作放棄地を借りて、獣害対策(柵設置)をして、農作業の体験をしている。大豆の種まき から収穫まで行い、収穫したものを料理し、郷土料理も楽しんでいる。 椿地区の自然を地域住民と市民が共同で作業することで、地域の活性化になる方向性を模索している。 平成 25 年度も継続して実施中。 フェイスブック https://ja-jp.facebook.com/tsubaki.enmusubi (写真抜粋) 5月 お茶摘み体験 7月 25a の畑に大豆の種まき 8月 ブルーベリー収穫とジャム作りとカブト虫釣り 10月 郷土料理とりめしづくり体験 12月 地元産のものを販売して縁を結ぶ椿縁結び市 関連する助成金制度:都市農村共生・対流総合対策交付金(農林水産省農村振興局) 40 3 自然・文化・スポーツ・レクリエーション資産の活用 「観光の振興-既存資源の活用・ブラッシュアップ」の方策 (1)事業概要 【事業の必要性】 既存の観光資源の活用・ブラッシュアップの施策として、自然・文化・スポーツ・レクリエー ション資産の活用が課題としてあげられる。特に当該地域は、鈴鹿市観光振興基本計画(H19.3) のイメージ戦略の中で「椿大神社・山岳観光地区」とイメージされており、地域のイメージ形成 が重要となっている。 現状をみると、スマートIC周辺地域の自然・文化資産の入込客数は、椿大神社が年間約 141 万人訪れるのに対し、登山やキャンプ場利用が主たる目的となる小岐須渓谷は約 7,000 人、椿渓 谷は約 1,400 人と少ない(平成 23 年度) 。小岐須渓谷・椿渓谷は、椿大神社に比べ認知度は低く、 アクセス道路は自動車ですれ違うのが難しい林道で、多くの利用客を呼び込むのが難しい状況に ある。 このように、観光資源ごとに観光客数や認知度、スマートICからの時間距離やアクセスの整 備状況が違うので、一律の利用促進方策を適用することができない。また、椿大神社とスマート ICを往復するだけでは波及効果がない。 そこで、自然・文化資産の活用においては、短期で効果発現できるような各観光資源の特性に 合わせた利用促進策について検討する。 【事業内容】 検討事項として以下の事項があげられる。 1)各観光資源の特性に合わせた利用促進策の適用 ① 椿大神社をメインに据えた観光コースの設定 椿大神社を観光のメインに据え、小岐須渓谷、椿渓谷、桃林寺、東海自然歩道、茶畑・ 鈴鹿山系・伊勢湾(セントレア)の美しい景観等を周遊して楽しむことができる観光コー スを設定する。設定にあたっては、アクセスする道路事情がそれぞれ違うため、自動車、 自転車、徒歩等移動手段別のルート設定に留意する。 ② 鈴鹿山脈、茶畑、伊勢湾が眺望できる視点場の 整備 地域の宝である鈴鹿山脈、茶畑、伊勢湾が織 りなすすばらしい自然景観を活用するため、そ れらを眺望できる視点場の整備を図る。視点場 は①の観光コースの拠点の一つとして位置づ ける。 ③ 鈴鹿市の玄関口として周辺の観光案内や市内のテーマ別コース案内等の情報発信 スマートICは新名神を利用した滋賀県方面からの観光客の玄関口となるため、鈴鹿P Aや鈴鹿市 HP 等でこの地域の魅力を広く情報発信し、自然・文化資産を活用した観光コ ースや視点場の利用促進を図る。併せて、市内のテーマ別コース案内等の情報発信を行い、 スマートICから市内各所へ観光客を波及させる役割を担う。 41 (2)実施時期 自然・文化資産の活用施策をスマートIC完成に合わせ実施し、早期の効果発現を目指す。 (3)期待される効果 事業により以下の効果が期待される。 ① 観光客の集客によるスマートICの利用促進、地域経済の活性化 ② 椿大神社以外の観光スポットにおける観光客の増大、周辺部への観光客の波及 ③ スマートIC周辺地域の魅力発信、認知度の高まり ④ 自然・文化資産が豊かな地域というイメージの定着 (4)課 題 事業の推進に向けた課題として以下の事項があげられる。 ① 観光客の増大を見込んだ観光コースの安全対策、交通規制(特に小岐須渓谷、椿渓谷にア クセスする林道や集落内の道路は狭小で、自動車が集中すると通行困難になる) ② 駐車場の確保 ③ 観光コース沿道住民の理解、合意形成 (5)活用できる現状の取り組み方策 既存の観光コース、観光マップとして以下のものがあげられる。 ① 鈴鹿の週末ウォーク 23 コース(鈴鹿市民歩こう会監修作成・鈴鹿市観光協会発行) ・東海自然歩道と小岐須渓谷コース ・入道ヶ岳登山コース ② 歩いてみよう鈴鹿西部周辺MAP(鈴鹿市観光協会発行) ③ 鈴鹿の山々東海自然歩道ハンドブック(鈴鹿市観光協会・鈴鹿山渓観光協会発行) ④ 鈴鹿観光ガイドMAP(鈴鹿市観光協会発行) 42 4 優れた農業人材、企業OB等の多様な人材の活用 「観光の振興-既存資源の活用・ブラッシュアップ」の方策 (1)事業概要 【事業の必要性】 既存の観光資源の活用・ブラッシュアップの施策として、お茶や花・植木、野菜といった盛ん な農業を支える優れた農業人材を活用し、農業振興を図ることが課題としてあげられる。農業を 活用した観光振興施策として、体験農園、市民農園といったふれあい・体験型の農業や、生産か ら加工、流通・販売をこなす6次産業化等があげられる。こうした新たな取り組みを支える力と して、優れた農業人材を活用することが今後の農業振興を図る上で重要な施策として位置づけら れる。また、鈴鹿市は団塊の世代を中心とした多くの企業OB等の多様な人材を有する。観光振 興施策においては、こうした既存の余剰人材を有効に活用し、観光振興を図ることが課題として あげられる。 【事業内容】 検討事項として以下の事項があげられる。 1)地元農業者、農協、行政(観光、農政)による研究と対応組織の立ち上げ ① 都市・農村交流促進策の情報母体としての活用検討 ② 具体的な人材活用の場の検討とニーズの把握 ③ 必要とされる分野の洗い出しと人材需要把握 ④ 対応組織の立ち上げと準備についての検討 ⑤ 専門知識提供による観光の付加価値化(豊富な専門知識を体験観光や農産物の販売等に活 用し観光の魅力を高める方策の検討) (2)実施時期 優れた人材を活用できる体制を早期に整え、スマートIC完成後の様々な観光施策での人材 提供を図る。 (3)期待される効果 事業により以下の効果が期待される。 ① 豊富な専門知識の提供による農業観光の付加価値化、魅力向上 ② 農村部と都市部の地域交流機会の増大 ③ 観光振興に向けた人的なサポート体制の確立 ④ 農村生活での生きがいの増大 ⑤ 地元での就業機会の増大、余剰人材の活用 (4)課 題 事業の推進に向けた課題として以下の事項があげられる。 43 ① 実施組織の立ち上げと法人組織化(支援を受けやすい体制を整える) ② 需給バランスの調整(人材不足、人材過多への対応) 44 5 広域観光コースの設定 「観光の振興-観光コースの設定」の方策 (1)事業概要 【事業の必要性】 観光の3つの要素「観光資源」、 「観光拠点」、「観光コース」は、観光振興を図る上で欠かせな い重要な要素に位置づけられる。スマートIC周辺地域は、ICの設置を契機に鈴鹿PAを観光 拠点にした観光周遊が利活用施策の一つとしてあげられ、広域的に当該地域の魅力をアピールし 集客を図るため、隣接する四日市市、亀山市との連携による広域観光コースの設定が課題として あげられる。 【事業内容】 検討事項として以下の事項があげられる。 1)広域観光周遊コースの設定 ① 地域観光資源の抽出 ② 新設する観光資源の把握 ③ 移動手段別観光コースの設定(自動車、自転車、徒歩等) ④ 観光コースの情報発信手法の検討 2)サイン計画 ① 案内・誘導・説明サインの設置検討 ② 案内・誘導・説明サインのデザイン検討 3)改修検討 ① 狭小部、未舗装部など改修が必要な区間の抽出及び改修計画 ② 沿道修景の検討 (2)実施時期 地域観光コースの設定・改修をスマートIC完成に合わせ実施し、早期の効果発現を目指す。 (3)期待される効果 事業により以下の効果が期待される。 ① 観光客の集客によるスマートICの利用促進、地域経済の活性化 ② 椿大神社以外の観光スポットにおける観光客の増大、周辺部への観光客の波及 ③ スマートIC周辺地域の魅力発信、認知度の高まり ④ 農村部と都市部の地域交流機会の増大 (4)課 題 事業の推進に向けた課題として以下の事項があげられる。 ① 観光客の増大を見込んだ観光コースの安全対策、交通規制 ② 駐車場の確保 ③ 観光コース沿道住民の理解、合意形成 45 ④ 支援制度の適用 (5)活用できる現状の取り組み方策 ① 鈴鹿の週末ウォーク 23 コース(鈴鹿市民歩こう会監修作成・鈴鹿市観光協会発行) ・東海自然歩道と小岐須渓谷コース ・入道ヶ岳登山コース ② 歩いてみよう鈴鹿西部周辺MAP(鈴鹿市観光協会発行) ③ 鈴鹿の山々東海自然歩道ハンドブック(鈴鹿市観光協会・鈴鹿山渓観光協会発行) ④ 鈴鹿観光ガイドMAP 46 6 地域観光コースの設定 「観光の振興-観光コースの設定」の方策 (1)事業概要 【事業の必要性】 観光の3つの要素「観光資源」、 「観光拠点」、「観光コース」は、観光振興を図る上で欠かせな い重要な要素に位置づけられる。スマートIC周辺地域は、ICの設置を契機に鈴鹿PAを観光 拠点にした観光周遊が利活用方策の一つとしてあげられ、地域の観光資源を有機的に連絡する地 域観光コースの設定が課題としてあげられる。 【事業内容】 検討事項として以下の事項があげられる。 1)地域観光周遊コースの設定 ① 地域観光資源の抽出、掘り起こし ② 新設する観光資源の把握 ③ 移動手段別観光コースの設定 (自動車、自転車、徒歩等) ④ 観光コースの情報発信手法の検討 2)サイン計画 ① 案内・誘導・説明サインの設置検討 ② 案内・誘導・説明サインのデザイン検討 ●地域の観光コース 椿大神社へ向かうアクセス道路の紅葉 3)改修検討 ① 狭小部、未舗装部など改修が必要な区間 (歩道設置等が考えられる) の抽出及び改修計画 ② 沿道修景、歩道設置の検討 地域観光周遊コース設定の概念図 47 (2)実施時期 地域観光コースの設定・改修をスマートIC完成に合わせ実施し、早期の効果発現を目指す。 (3)期待される効果 事業により以下の効果が期待される。 ① 観光客の集客によるスマートICの利用促進、地域経済の活性化 ② 椿大神社以外の観光スポットにおける観光客の増大、周辺部への観光客の波及 ③ スマートIC周辺地域の魅力発信、認知度の高まり ④ 農村部と都市部の地域交流機会の増大 (4)課 題 事業の推進に向けた課題として以下の事項があげられる。 ① 観光客の増大を見込んだ観光コースの安全対策、交通規制 ② 駐車場の確保 ③ 観光コース沿道住民の理解、合意形成 ④ 支援制度の適用 (5)活用できる現状の取り組み方策 既存の観光コース、観光マップとして以下のものがあげられる。 ① 鈴鹿の週末ウォーク 23 コース(鈴鹿市民歩こう会監修作成・鈴鹿市観光協会発行) ・東海自然歩道と小岐須渓谷コース ・入道ヶ岳登山コース ② 歩いてみよう鈴鹿西部周辺MAP(鈴鹿市観光協会発行) ③ 鈴鹿の山々東海自然歩道ハンドブック(鈴鹿市観光協会・鈴鹿山渓観光協会発行) ④ 鈴鹿観光ガイドMAP 地域観光コースの設定例 48 1 スマート IC の PR スマートICの周知・利用促進に向けたPR方策 (1)事業概要 【事業の必要性】 スマートICの短期的な利用促進に向けては、IC周辺の施設の魅力化を図るとともに、IC 周辺の施設の魅力をPRすることにより、知ってもらう取組みが必要となります。 (仮称)鈴鹿P AスマートICができることにより、どのような施設をどれだけ便利に利用できるのかを分かり やすくPRしていくことが重要です。 【事業内容】 開通までの各段階に応じた効果的なPRとして以下の事項について検討していく。 表 事業展開イメージ イベント スマートIC名称決定前 時期 PR方策 ~平成 29 年度 展開イメージ ◎スマートICができるこ 存在を知る との周知 スマートIC名称決定以降 スマートIC開通以降 図 平成 29 年度~ 平成 30 年度~ ◎スマートIC名称の周知 存在を知る ○具体的な利用策の周知 利用策を知る ◎具体的な利用策の周知 利用策を知る 事業展開イメージ H27 本年度 H29 H30 IC名称決定 スマートICができることの周知 IC開通 スマートIC名称の周知 具体的な利用策の周知 1)マスコミを通じた情報発信 ①鈴鹿市のキャラクター「ベルディ」を使った各種PRイベント ②開通記念イベント(ロードレース、ウォークラリー) ③マスコミ(新聞、テレビ、ラジオ)やミニコミ誌などへの積極的な情報提供 ④新聞広告への掲載 2)インターネットを利用した情報発信 ①整備動向、周辺施設情報をホームページやブログ、ツイッター等のSNSで発信 3)周辺観光スポットとの連携イベントによる周知 ①椿大神社とのタイアップイベント ②周辺ゴルフ場とのタイアップイベント(ゴルフトーナメント開催等) 49 ③周辺観光スポットとのタイアップイベント 4)横断幕等による周知 けんすいまく ①横断幕(高速道路本線)、懸垂幕 ②路側立看板の設置(IC入口付近、高速道路本線) ③車貼付マグネットシート(道路利用者等の団体への協力) ④道路情報版 5)公共交通機関等による周知 ①バスへのポスター・チラシ・広告の設置 ②タクシーへのポスター・チラシ・広告の設置 ③レンタカー会社へのポスター・チラシ・広告の設置 6)周辺市町の広報誌による周知 ①鈴鹿市、周辺市町の広報誌による周知 (2)実施時期 スマートIC開通までの各段階に合わせ実施し、早期の効果発現を目指す。 (3)期待される効果 事業により以下の効果が期待される。 ①スマートICの周知・認知度の高まり ②観光客の集客によるスマートICの利用促進、地域経済の活性化 ③椿大神社、ゴルフ場等の周辺観光スポットにおける観光客の増大、周辺部への観光客の波及 ④地域交流機会の増大 (4)課 題 事業の推進に向けた課題として以下の事項があげられる。 ①観光施設との連携 ②潜在的な利用者への効果的なPR (5)活用できる現状の取り組み方策 マスコミを通じたスマートICに関する各種情報発信 50 (3)スマートIC利活用計画の方策の方向性と実施検討主体 利活用計画 のテーマ 利活用計画の方策 土地・建物の活用 利便施設の整備 ①暮らしの向上 地域づくりの推進 (1)空き家、古民家の活用 (農家民宿、二地域居住の推進等) (1)スマートIC周辺への生活品販売施設の設置 (コンビニ等) (1)地域づくり協議会での取組 スマートIC開通予定(2018) 利活用計画の方策の方向性 H27 年度~H30 年度 実施検討主体 H31年度~ 空き家バンク制度の検討・立ち上げ 鈴鹿市、民間 生活品販売施設の整備 生活品販売施設の整備 民間 自治会や地域づくり協議会との協議 自治会や地域づくり協議会との協議 鈴鹿市、地域(自治会等) アクセス道路整備 アクセス道路の維持(改善) 鈴鹿市、三重県 (1)アクセス道路の整備・改修 アクセス道路の整備 (2)ピーク時の渋滞対策 (1)農業の6次産業化 農業施策 ②産業の活性化 工業・商業施策 土地利用 幹線道路の整備 (2)農業系テーマパークの整備 (3)休耕地、耕作放棄地の活用 (市民農園、貸し農園、獣害対策等) 適地・経営主体の検討 休耕地・耕作放棄地の実態調査 地権者へのアンケート調査 (1)企業や集客施設の誘致 開発候補地の抽出・評価・選定 (1)上位計画における土地利用計画の明確化 (総合計画、都市マスタープランへの反映) (2)柔軟な土地利用に向けた規制緩和、適切な誘導策の推進(規制 緩和後の排水・インフラ問題の解消) (1)幹線道路の整備 (1)地元農水産物及び関係施設の観光資源としての活用 ( 「見る・知る・体験する」、 「飲食」 、 「買い物」の提供) 既存資源の活用・ ブラッシュアップ (2)既存活動の支援・有効活用 ストロー効果による地域衰退の防止 (椿の農業と地域を考える会「鈴鹿・椿縁の結びプロジェクト」 、椿地区ま ちづくり協議会) (3)自然・文化・スポーツ・レクリエーション資産の活用(鈴鹿サーキット、 椿大神社、小岐須渓谷、東海自然歩道、キャンプ場、青少年の森、海水浴場、伝統 産業会館,鈴鹿農村環境改善センター、スポーツ施設、ゴルフ場) (4)優れた農業人材、企業OB等の多様な人材の活用 (1)内部川及び周辺の利用 (農林水産物の栽培、自然動物園、老人施設等各種施設整備、イベント開催、温泉等) 新資源の創設 ③観光の振興 (2)資源の有効活用 (1)広域観光コースの設定 観光コースの設定 (2)地域観光コースの設定 (1)PAとの一体整備・連結に向けた取組・方向性 (一体的な緑地整備、PA外の駐車場整備等) (2)鈴鹿市の情報発信機能・スペースの充実 観光拠点(鈴鹿PA) (3)地元の意向、特色を踏まえた施設整備 の整備・利活用 (地域交流のためのコミュニティ広場等) (4)地元特産品の販売・飲食 (5)良好な景観が望める視点場の整備 新名神高速道路の 利用促進 ④PR スマートICのPR 6次産業化の検討及び推進 (1)高速料金の割引 (1)マスコミやインターネットを通じた情報発信、道路上の横断幕 51 生産者の確保・育成 支援制度や規制緩和策等の検討 整備に向けた具体化への取組 活用方策の検討 貸し農園等の実施に向けた取組 支援制度の検討 工業団地や集客施設の開発等 総合計画、都市マスタープランへの働きかけ 鈴鹿市、商工会議所、農協、生産者 鈴鹿市、民間 鈴鹿市、農協 鈴鹿市、民間 鈴鹿市 柔軟な土地利用に向けた方策検討 柔軟な土地利用に向けた方策検討 鈴鹿市 幹線道路の整備検討 幹線道路の整備検討 鈴鹿市、三重県 地元農水産物を使った観光の活用検討 (お茶工場見学ツアー等の実施) 直販施設・学習施設の整備検討 鈴鹿市、商工会議所、青年会議所、椿の農業と地域 を考える会、農協 支援体制の強化 支援体制の充実 鈴鹿市、椿地区まちづくり協議会、椿の農業と地域 を考える会 利用促進策の検討 利用促進策の実施に向けた取組 鈴鹿市、三重県、鈴鹿市観光協会、民間 農業者・企業OB等の活用に関する研究と対応組 織の立ち上げ検討 組織の法人化・運営に向けた取組 鈴鹿市、農協 検討組織の立ち上げ検討 内部川及び周辺の利用方策の検討 利用方策の推進 鈴鹿市、民間 支援体制の強化 新たな支援制度の検討・創設 鈴鹿市 広域観光コースの設定 地域観光コースの設定 案内パンフレット等の作成 サイン計画の整備検討 案内パンフレット等の作成 サイン計画の整備検討 鈴鹿市、鈴鹿市観光協会、民間 鈴鹿市、鈴鹿市観光協会、民間 PAとの一体整備検討 実施に向けた取組 鈴鹿市、ネクスコ中日本、商工会議所 鈴鹿市の情報発信機能・スペースの充実整備検討 情報発信機能の強化 鈴鹿市、ネクスコ中日本、鈴鹿市観光協会 地元の意向、特色を踏まえた施設整備検討 鈴鹿市、ネクスコ中日本 民間事業者への周知 鈴鹿市、ネクスコ中日本、商工会議所、農協、民間 良好な景観が望める視点場の整備検討 ネクスコ中日本 周知・利用促進のための割引制度の実施検討 周知・利用促進のための割引制度の実施 マスコミやインターネットを通じた情報発信、道 路上の横断幕 マスコミやインターネットを通じた情報発信 鈴鹿市、三重県、ネクスコ中日本 鈴鹿市、各種団体
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