Aminodeoxykanamycin の口腔外科領域における臨床使用経験

CHEMOTHERAPY
VOL.17NO.9
Aminodeoxykanamycinの
1875
口腔 外 科 領 域 に お け る臨 床 使 用 経 験
茂 木 克 俊 ・清 水 正 嗣
東京 医科歯科大学第1口 腔外科学教室
主任:上 野正教授)
(
あ る。 ペ ニ シ リン感 受1生菌 保 有 者 に は 全 例(2例 〉に 有 効
1.序
で あ り,耐 性 菌 保 有 者 に は6例 中有 効2例,無
わ れわ れ は,新 し い抗 生 物 質 ア ミノ デ オキ シ カナ マ イ
シ ン(AKM)を
口腔 外 科 領 域 の感 染 症 な らび に 術 後 感 染
効3例 で
相 半 ば してい る。 ク ロ ラ ム フ ェ 弘 コー ル感 受 性 菌 保 有 者
には 全 例(3例 〉有 効 で あ り,耐 性菌 保有 者5例 中 有 効1
予 防の ため,外 来 患 者 ・入院 患者 に使 用 し,そ の効 果 を
例,無 効3例
臨床 的 に検 討 した の で,そ の 結果 を報 告 す る。
は有 効 で あ り,耐 性 菌 保 有 者7例 中,有 効3例,や
効!例,無
II、 臨 床 的 検 討
で あつ た 。 カ ナ マ イ シ ン感 受 性 菌 保 有 者 に
効3例
投 与 量 と臨床 的 効 果 を示 す と,表6の
本 研 究に お け る本 剤 投 与対 象 例 は,表1に
であ る。そ の うち わ け は,表2に
感 染 症 群 で は,4.1∼8・emg/kgの
示 す とお りで,頬 部 ・
口底等 の軟 組 織 部 化 膿 性 炎11例,骨
骨髄炎2例,放
み る26例
折 に併 発 した顎 骨
射 線 性 顎 骨 々髄 炎3例,カ
タ ル性 口内炎
1例 お よび 口腔 外 科 手 術 の術 後 感 染 予 防 を 目的 と した も
の9例 で あ る。 対 象 症 例 の年 令 を み る と,1才9カ
男児 よ り72才
の 男性 にわ たつ てい る。 投 与 量 は,1∼
9才 で100mg/1H(平
∼800mg/1日(平
例 を除 き,1日
月の
均7・1mglkg),16才
均7.4mg/kg)
や有
であ つ た 。
とお りで あ る。
範 囲 で無 効例 が 目立
つ た 。2例 の 少i数で は あ るが2・1∼4・Omglkgで
両例
に 有 効 で あ つ た ほ か は,す べ て8。1mg/kg以
上 の投 与
量 に よつ て 全 例 有 効 な い しやや 有 効 で あつ た 。
術 後 感 染 予 防 群 で は,緑 膿 菌 の検 出 され た 患者1例
無 効 で あつ た ほ か は,3.6mg/kgよ
に
り11・4mg/kgrc到
る各 投 与 量 のい ず れ に お い て も有 効 で あつ た が,こ れ ら
以上 で200
には 当 然 起 こ り うべ き感 染 症 が 防止 され た と考 え られ る
,投 与 法 は 局所 投 与 の1
症 例群 と,投 薬 しな くて も感 染 症 の 発症 をみ なか つ た で
量 を2回 に 分 け て 筋 注 全 身 投 与 ∫
した 。
あ ろ う症 例群 が 含 まれ る も ので あ り,そ の効 果 判 定 は 慎
本 剤 の投 与 効果 は,局 所 の腫 脹 ・疹 痛 ・発 赤 ・熱感 。
排膿 状態 な ど の局所 臨 床症 状 を全 身 状 態 と合 わ せ 観 察 す
重 に行 な い たい と考 え る。
副作 用 は,投 与 前 後 の一 般 状 態,発 疹 の有 無,検 血 所
る ことに よ り判 定 した 。 そ の際 さ らに,血 検 ・血 清 生 化
見,聴
学 的検 査 ・尿 検 な ど の資 料 が参 考 と さ れ た 。 そ の 結 果
例 中3例 に筋 注 部 位 の疹 痛 が み られ た ほ か は,述 べ るべ
は,表3に
き副 作用 を認 め なか つ た 。
示 す とお り,感 染症 群17例
な もの1例,有
中,著
し く有 効
力,腎 機 能 お よび肝 機 能 に つ い て検 索 した が,26
効 な もの10例,計11例(64.6%),や
III.考
や 有効2例(ll.7%),無
効4例(23.5%e)で
部,ロ 底等 の軟 組 織 の 化膿 性 炎 では,Il例
しく有 効で あ り,7例
に有 効,2例
あつ た 。 頬
中1例
に著
に 無 効 で あ つ た 。顎
按
新 しい 抗 生 物 質 ア ミ ノデ オ キ シ カ ナマ イ シ ンを 口腔 領
域 の感 染 症 群17例
に 使用 した結 果,そ
の11例
に 有効
骨 々髄 炎 に 関 して は,外 傷 に 続 発 した 化膿 性 骨 髄 炎 の全
で あつ たが,感 染 症 群 の うち顎 骨 の放 射 線 性 骨 髄 炎 に は
例に有 効 で あつ た のに 比 し,放 射 線性 骨 髄 炎 な い し骨壊
無 効 ない しや や 有 効 で あ つ た。 これ は,放 射 線 性 骨 髄 炎
死症 例で は,全 例無 効 あ るい は や や 有 効 で あ つ た。 カタ
が,放 射 線 照 射 の物 理 的 影 響 に 加 え て,抜 歯 な ど の外 科
ル性q内 炎 で は,対 象が1例
的 侵襲 お よび 感 染 のた め顎 骨 が骨 髄 炎 とい う よ りは む し
のみ で あ つ た が,有 効 で あ
つた 。術 後 感 染 予 防群 では9例 中8例(88。9%)に
有 効,
正例 に無 効 で あつ た 。
巣 の 深部 へ 薬 剤 が 到 達
しに くい こ と,あ るい は,局 所 の 壊 死骨 の存 在 が消 炎 効
検 出 され た 菌種 と臨床 的 効 果 と の関 係 は,表4に
され てい る。 グ ラム 陽性 の レ ンサ 球 菌,お
ろ 骨壊 死 に陥 つ てい た た めD,病
示
よび 双 球 菌 な
どには有 効 で あ つ た が,黄 色 ブ ドウ球 菌 に は 無 効 で あ つ
果 を大 き く妨 げ て い た こ と な どに よ るか と も推 定 され る
が,そ の 詳紐 な 機序 は 未解 明 であ る。
緑 レ ン菌,溶
レ ン菌 に 対 して 本剤 の 試 験 管 内抗 菌 力
た。 グラ ム陰 性 菌 で は,緑 膿 菌 の 検 出 され た 患 者 に 無 効
は,カ ナ マイ シ ン と同 様iに劣 るとい わ れ てい るが2),カ
で あつ た。
ナ マ ィ シ ン に 感 受 性 を 示 す緑 レン菌 と 耐 性 レ ンサ 球 菌
検 出菌 の感 受 性 と臨 床 的 効 果 は,表5に
示 す とお りで
保 菌 者 に 臨 床 的 に 有 効 で あ つ た 。 黄 色 ブ ドウ球 菌 に 対
蚕黛
ミ
〇一
2
08
O
OO姻
凶 .6与
OO寸
O .ら
"
* 灘 Q領 最 ・爆 髄 ・墨 塑
寸 .¢噸
婁 Q 冬 始 霞 曝 ・麺 萎 錬畑
導 艶鍵Q穂起ロ 、
凝駐
8略
◎
OO一
OON
08
一ψ一
o
。 .寸
OO倒
◎◎
凶 .斡
、
銀潔Q 幽
①
軽固
懲ら
銀 灘 e 警誌
OOぜ
碧 潔 忌 κ9 睡 聾 e 窯退
療褥
創 .一
最壕
N .卜
創 .一
寸 .O
戯 .㎝, OON
瞭 。呼
。◎ 。凶
ト
轍 駆 Q蝋 ロ ・目 丑 蓬 墾 ロ
も燈
、薫 駐
OO寸
OO寸
療樽
最拠
蝋 藩 e鎖 冬 却姻 、
灘語 e
﹀⇒ 榊 鞍 蟹 ・罎 遂 暎 ・葛 ヨ 起 型 ロ
蝋灘
e罎 壕 ・鍾 薫 ・墨 遡 ・穏 鯉
、
簾膿
蕪斡
送騨 建
る拳 £萎 々娼 窯 楼 霞 ・鰻 題
鰹響藻楼嘩
憲檸
倖脅
素 誕 e墾 識 ・潔 髄 ・賢 蟹
最装
ロ ・鎖 蟹 ・襲 茜
(
ね。)
蝸鯉
坤軽
一
一
の受
ミ
睡運 e 爆鍛
血回 斡蕪 想濃
匪趣 Q
匝回 創鯨
ミ
蒙癬
ミ
ρ妻
﹂凝
蒙押 Q 蝋
羨駿
患毅 ぺ麹 心皐 ぐ (
蛋国O)麟
§遡螺 ミ .
㌣ Q毅 の疎 国、
蜷
詮 .
挙 熊 細婁 鯉 Q娯 累 溢 與
の妻
逡 暖 拳 藺 頭蒙
釈 遇 幽 桜)
寸
O
O
ミ
ミ
娼婁
幸
径
角
規溢 幸
纒
坤軽 坤軽
縣匝
想幾
渥総
匪濯 e
﹂凝
面回 一滋
静
(望 .
。OOO一 .徳 宏 超 ロ 一滋
幸
十
十
十‡
十
幸 季
国 O
薯芝
国
O O O
盤
i
‡
畳 唇
の
一
樋黙 割 鰹 縄 懲、
、樋
﹁
鋲 封 闘 く 爪、
樋 黙 製 醒 4 駆気
纒 鎌 瓢 躍 鐙 く 恥気
楓藻鰹
魍 鰻 蔭躍 窒 く 恥鳳
樋 鮒 湊翅 闘 畷 堅駄
、
麺誕夢Nき超瞳
椴 鰻 剥 霞 樗 恥気
図
製
、溜 鋲 墨 N ム
掴 誕 心 弘ト 面 楓
姻
塞翌
榔
O芝 O
躍 駆 種 振 照
蟹
窒韻
車攣 駆蕪 溢緊 ﹄-侭
N寸
ミ
ミ
蕊
辱
.Σ
.
hF
.の 。翻
ま
gう 一
=
Oの
.出
〇一
,の
ミ
き
斜
.之 .
図
.ω .Σ
.
蜜ら
①
.窯
蜜
。
g自
寸の
牟廿 幌
軍環
癖灘
[
翻
qう
守
の
O
卜
oσ
O
臼
誘
.︼≧ 。﹄
.
ン(
◎o寸
ミ
畠
〇一
窯纒 タ胆
緊毅⊇課挙9郭晦
㎝寸
ミ
ミ
窯麗霞掌緊ト
トの
ミ
窯還
.
窯製懇撃鍛綴網
ミ
ミ
O
.
O .
↑
ミ
ミ
蒜
.一≧ .隔
ミ
(
翼に姻輿緊覗)
窯 躍 遜 韓 鴇 巡 緊 ﹄, Oで
ミ
錆
σ
o。う
窒繕罐鞍
最 ト 緊 侭 ・鍛 鞍 終
のめ
ミ
.< .
麟
窯瑳麗鞍稔選 ロ
O寸
輯趙
(
り。謂)
ぐ繭り
鵠
窯康越雲簾緊帽
膝警駿畢樽
謹 園 霞巖 綴 麗 緊 侭
琶
総警鍛襲屡柊
(想 握
昇
添
ζ
劉幽醐一
一
一
めめ
=
ご嘲 ぜ)
oo
oo
ひ1ひ書
oo
oo
守c◎
国崎・ 窃
一鮒 蝿
oo
想爆
渥巖
NOV1969
CHEMOTHERAPY
1876
ミ
の饗
薫薯
一
毅 楼 如蟹 逗 Q轟 峯
ミ
D 饗 蘇鍾 Q 羅縷 ・潔 譲
薫墜 ⑩毅 戒麹 9
N 基 ヤセ翼N 焼 叔 、
膨 Q毅
D 課 葉 9 憂坤 縣 無撃 超 憾 避
、、
蒙樽
5
凝 狛毅 勘掴 翠 艶 雌 Q 観 謎逗
簸 駿 O 罵 血 臣 翻姉 藤
ミ
蒙農
﹂ 々 藤 鍾 Q 羅 峯 ・課巌
ミ
薄沓如も
驚Q謎誌 、
ρ迷騨憂轡姻累
選 旺拳 確 曝蒙
霞櫓
馳憂
ミ
ミ
、、
蛎藻
鑛籠
の凝
慧車{肇i三
著 醤Q隼"
墾 濾 貝 ・P虞
躍縷票る狗
榊
㊤ .O
d .う
。
O
自
OO斜
OO寸
趣ら
6う
O
o
㊤ .O
OO寸
08
OO寸
め
寸
め
窃
㊤ .びう
OO寸
⑩ .一
O .一
O .凶
ミ
N
ミ
O
09
卜
藁
OOd
OO寸
卜
創 、州
掴 .O
。○ ,N
08
oo 一
埠藤 無郭
麟 国
想鑛
OO寸
寸 .一
創 、卜
(
b。)
咽鯉
瞭軽
匝聖
ト 翁
一輔 蝿
1877
「HERAPY
CHEMO『
VOL.17NO.9
f
1
!
1
国 O
薯Σ
国
俵O O O
ー
⋮
⋮
の
O芝 O
躍 駆 煙 蕪 羅
掴
軽墾嚥
欝
自
㊤"
.卜 .紮
.< .
卜
.
一の
袋
.Σ
牟廿 呼
.
の
蜜
冬娼
酔聯
2
り[
≧
oD 訓
2
ON
鵠
.の .↑
.↑ .﹃
,図 、卜
6う創
寸斜
霧
遷誕皐融緊↑
需
き
.
﹄ .一
(
$
嘗躍)羅鰹翻車暴
㊤め
ミ
①㊤
貸
盗 ヨ澤聡蟹簾騒響
Oの
ミ
雷
経竃羅聡埋牟緊細
辱
爵
.の .一
総 ヨ露臆幽難壕輯
峯
蟹 濃暴ト摯漣奪霞
等
めう
び
擦ヨ
露
轄 "脳憲 e睡 騒 "﹁
Q
c一
O .一
の.
嬉
σ今の
羅固漣堕ロ
寸㊤
.
﹃ .
の
(
b
の謂)
輔最
.< .繍
窯 擢 ロ罰 ミ 砥 駅 遷
辱
冊)
2
窯運
翻寸
車遡紫蕪輔章暴レ
﹁
錆
遷
一
の︾
(想
窯 枢勲 脈 .
窯燧
樋濃慰 宰 組
繕蕪溢宰驕ト
区 艘
(舶℃ oと 榔
CHEMOTHERAPY
1878
表2投
与対象例
(東 医 歯 大
投
与
対
NOV.1969
第1口
象
表5感
疾
患
(東医 歯 大,1口
症例 数
効
2
放 射 線
内
炎
1
口 腔 外 科 術 後 感 染 予 防 群
9
カ
タ
ル
性
口
PC
CP
1
3
8
りー
8
著効
床
的
1静
効
やや
有効
-嘉
ナ マイ シ ンは,大 腸 菌 に対 し,カ ナ マイ シ ン よ りM.1.C・
が 低 く,大 腸 菌 に起 因 す る感 染症 に有 効 で あ る といわれ
て い る8》
。 わ れ われ の 症 例 で は,'ペ ニシ リン,クPtラ ム
フ ェ ー コー ル 感 受性,カ
ナ マ イ シ ン耐 性 め大 腸 菌 と レン
サ 球 菌 の 検 出 され た 患 者 に 対 して有 効 で あつ た 。緑 膿 菌
菌 菌 菌 繭
桿
腸 形 膿 の
他
の
大 変 緑 そ
ま
に は 無 効 で あ る9)とされ てお り,わ れ わ れ の症 例 に おい
て も無 効 で あ つ た。
1
カナ マ イ シ ン と同 様 の 抗 菌 ス ペ ク トル を持 つ と され て
1
い る本 剤 は,カ ナ マ イ シ ン耐 性 菌 保 有者 に 対 し,7例
中
3例 が 有 効 で あ つ た が,こ の 数値 よ りす れ ば,カ ナ マイ
し て,本
シ ン耐 性 菌 に 対 して 少 な くと も半 数 の症 例 には 有 効 と言
剤 は カ ナ マ イ シ ン よ り もM.LC.(Minimum
InhibitoryConcentration)が
た 黄 色 ブ ドウ
え る よ うで あ るが,い つ ぼ う,カ ナ マ イ シ ンとの交 叉耐
球 菌 の 検 出 され た 化 膿 性 炎 に 有 効 例 が 多 い と 述 べ ら れ て
性 も報 告 され て お りユ
。),こ の 点 な お 今後 の検 討 に まちた
い る4・7)。 しか し,本
のみであ
い と考 え られ る。 ま た ・ ア ミノデ オ キ シ カ ナ マイ ジンは
ナマイ
カナ マ イ シ ン よ り少 量 で カ ナ マ イ シ ンと同 様 の 抗菌 力を
つ た が,ペ
低 く3∼6),ま
研 究 の 対 象 症 例 で は,1例
ニ シ リ ン,ク
ロ ラ ム フ ヱ ニ コ ー ル,カ
●
その他の双球菌
1 0
3
菌
2
シ ン耐性 菌保 菌患 者 に 無 効 で あつ た。 ア ミノ デオ キ シ ヵ
無効
1 1
レ ン サ 球 菌
黄 色 ブ ドウ球 菌
有効
果
やや
有効
lO.1∼12。O
I2。1∼
外,1968)
効
1
8.1∼10.O
1且
名
6.1∼8.0
03
(東医 歯 犬,1口
4.1∼6。0
I
出 菌 と臨 床 的 効 果
-且
26
1
OJ
5
2
18
2.1∼4.0
リム
9
12.1∼
リム
1
OJ
8
群
9砲 l
9
1
】L
1
礎J
8
1
1
17
三〇.O
-﹂
4
6孟
2
術後感染予防群
1
10
8.1∼
lO。1∼12.0
計
リム
6.i∼8.0
-
計
症
隔
﹂暫
1
染
果
り幽
2.1∼4.0
外,1968)
00 1
感
臨
1
2
1
1
その他の球
与 量 と臨 床 的 効 果
4,1∼6.0
計
性
3
今乙
2
1
計
菌
kgあ た り投
与 量(mg>
Il
2
術 後 感 染 予 防 群
陰
2
互
与象患
投対疾
7
カ タ ル 性 口 内 炎
陽{生
計
0∂
感 染 症 群
1
放射線性顎 骨 々 髄 炎
細
1
(東 医歯 大1口
果
骨 折 に 併 発 した 顎 骨 々
髄炎
グ ラみ 染 色
表6投
著崩 効1駕綱
頬 部,口 底 等 の軟 組 織
部化膿性炎
表4検
十
外,1968)
効
投 与 対 象 疾 患
小
十
8
果
(東 医 歯 大,1ロ
小
3
-
表3効
1
〇〇
KM
1
ー二
26
計
十
に﹂
3
OJ
炎
計
無効
Q
Jl
髄
々
1有 効
盈U
骨 折 に 併 発 した 顎 骨 々髄 炎
著効
り乙
11
果
やや
有効
1二
頬 部,口 底 等 の軟 組 織 部 化 膿 性 炎
外,1968)
りん
感染症 群
薬 剤感受性
性 顎 骨
受 性 と臨 床 的 効 果
腔 外 科,1968.'12)
VOL. 17 NO. 9
CHEMOTHERAPY
1879
7.ア
有す るとい わ れ て お り1ユ
・12),後考 の副 作 用 の 出 現 を 防 止
ミ ノテ オ キ シカ ナ マ イ シ ンの投 与 量 は,口 腔 外
しつ つ 同様 の効 果 を期 待 しう る とい う点 が 本 剤 の特長 と
科 領 域 の 感 染 症 に対 しては1日
して報 告 され てい るが,本 研 究 で も同 様 の傾 向 がみ とめ
が 適 当 で あ る と考 え られ る。 口腔 外 科 領域 手術 の術 後 感
られ て い る。
染 予 防 に は,7mg/kgな
ア ミノ デ オ キ シ カ ナ マ イ シ ンの 投 与 量 とそ の臨 床 的 効
果 を まと めた 表6か
して,口
ら明 らか な とお り,本 剤 の投 与 量 と
文
腔 外 科 領 域 の 感 染症 に対 しては,8.0∼10.O
I)
し,ほ とん ど問 題 とす べ き副 作用 は み られ なか つ た 。 い
っぽ う本領 域 手 術 の術 後 感 染 予 防 に対 しては,本 臨 床 経
2)慶
験 に お け る投 与 量 の 平 均 で あ る7mg/kgで
充 分 であ る
3)東
IV結
4)
に投
ネ ン ドマ イ シ ン 検 討 会 要 約 集.
北 大 抗 酸 菌 病 研:カ
ネ ン ドマ イ シ ン検 討 会 要 約
.札 幌 逓 信 病 院 耳 鼻 科;カ
院 内 科:カ
ネ ン ドマ イ シ ン検 討 会 要
ネ ン ドマ イ シ ン検 討 会
要 約 集.1.146,1968
与 し,以 下 の結 論 を 得 た 。
6)東
や=有効2例,無
大医科研内科
カ ネ ン ドマ イ シ ン検 討 会 要 約
集.1.107,1968
7)北
効4例 で あつ た 。
大 皮 膚 科:カ
ネ ン ドマ イ シ ン検 討 会 要 約 集.1.
222,1968
2.放
射 線 性 顎 骨 々髄 炎2例 に は無 効 であ つ た 。
3.術
後 感 染 予 防 群 は9例 中8例 に 有 効 で あ つ た 。
4.緑
膿 菌 の 検 出 され た 患者 に は無 効 であ つ た 。
5.カ
ナ マ イ シ ン耐性 菌 保 有 患 者7例 中,有 効 例 が3
8)順
大 産 婦 人 科:カ
ネ ン ドマ イ シ ン検 討 会 要 約 集.
1.196,1968
9)関
東 逓 信 病 院 泌 尿 器 科 ・内 科:カ
ネ ン ドマ イ シ ン
検 討 会 要 約 集.1.136,1968
10)斉
例 あつ た が,カ ナ マイ シ ン耐 性 菌 と の交 叉 耐 性 に つ い て
藤
玲
カ ナ マ イ シ ン研 究 会,第9回
臨床委員
会 報 告.2∼6頁,昭43年
は 今後 検 討 した い 。
作 用 と して は,全 症 例26例
中,3例
位 の疹 痛が み られ た ほ か,最 長 投 与 日数18日,最
与 総 量7.2gの
大 五 味 内 科:カ
約 集.1.234,1968
5)国
立 東 京 第1病
新 しい抗 生 物 質 ア ミ ノデオ キ シ カナ マ イ シ ンを 口腔 外
科 領 域 の感 染 症 な らび に 術 後 感 染 予 防 の た め26例
6.副
MEYER, I. . Osteoradionecrosis of the Jaws,
Practical Dental Monographs Series, the Year
Book Publishers Inc., Chicago, 1958
集.1.243,1968
語
中 有』
効Il例,や
献
1.142,1968
と思 わ れ る。
染 症 群17例
い し,そ れ 以下 で よい と思 わ れ
る。
mglkgが 適 当 で あ る と考 え られ,こ れ らの連 続投 与 に対
1.感
当 り8.0∼10.Omglkg
11)梅
に筋注部
沢 浜 夫:カ
ネ ン ドマ イ シ ソ 検 討 会 要 約 集.1.
81,1968
大投
12)奈
患 者 に お い て も述 べ るべ き もの は 認 め ら
良 医 大 第2内
科
カ ネ ン ド マ イ シ ン検 討 会 要 約
集.1.23,1968
れ なか つ た 。
CLINICAL
EXPERIMENTS
ORAL
WITH
AMINODEOXYKANAMYCIN
SURGICAL
IN
FIELD
KATSUTOSHISHIGEKI & MASATSUGUSHIMIZU
First Department of Oral Surgery ,University of Medicine and Dentistry of Tokyo
(Chief: Prof. TADASHIUENO)
Aminodeoxykanamycin (AKM), a new antibiotic, has been used clinically, and the following result
was obtained.
(1) AKM was administered intramuscularly (except 1 case) at a dose of 200-800 mg/day for
adults and 100 mg/day for children to 17 cases consisting of various infections in the field of oral surgery.
The results were remarkably effective 1, effective 10, slightly effective 2, and ineffective 2.
The ineffective 2 cases were radio-osteomyelitis. The drug would not reach to the deep lesion,
as a necrosis of bones occurred there.
(2) Aiming at the prophylaxis of a post-operative infection, AKM was administered intramuscularly at a dose of 100-400 mg to 9 cases, among which the infection was prevented in 8 cases.
(3) As for the carriers of kanamycin sensitive organisms, all cases showed effective, while asifor
1880
CHEMOTHERAPY
NOV. 1969
7 cases of the carriers of kanamycin resistant organisms, the result revealed effective 3, slightly effective
1, and ineffective 3.
(4) As for the dosage of AKM the effect was recognized in all cases which received more than 8.1
mg/kg.
(5) As to the side-effects of AKM, no noticeable side-effect occurred except 3 cases of an ache at
the injected site.