SURE: Shizuoka University REpository

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IB-1 砂漠化への社会的宗教的対応 (『人間と地球環境』
プロジェクトメンバー研究中間報告 : 環境変動と生態系
・人間(生活)への影響)
嶋田, 義仁
静岡大学学内特別研究報告. 1, p. 26-27
1999-06
http://doi.org/10.14945/00008221
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様性 がかな り大 き くなる地域 である。その条件
とい うのは水 の存在である。乾燥地 にも河川や
捨 のすす め。イス ラー ム世 界で は物乞 いが 実 に
正 々堂 々 とまか り通 って いる。近代経済学思想
湧水 はあ り、そ の分布 は山 岳 な どの地形 的要 因
によって大 き く決定され る。
この点注 目す べ きは、ア フ ロ・ユー ラシアの
の 中核 にあるのは、自己利益 を追 い求 め る個 人
主義 の思想 だ とした ら、イ ス ラームの教 えには
乾燥地帯 にはアルプス・ ヒマ ラヤ造山帯が走 っ
ていることである。アル プス・ ヒマ ラヤ造山帯
言 いか えると、イス ラー ムは商業経済 と都市
文化 の発達 を背景 にしなが らも、む しろ商業主
を水源 地 とす る大小 の河 川 が この 乾燥 地帯 を
流れている。また これを水源 とす る地下水の湧
義 や 都 市文 明 の 害悪 を阻 止す るよ うな 宗教 倫
理 を確 立 しよ うとしたよ うにみえる。この観点
水が低地 の砂漠地帯 にある場合 、イ ランのカナ
ー トや サ ハ ラの フォガ ラな ど の暗 きょ式導 水
か らみ ると、た とえば一 日 5回 お析 りす るイス
ラー ム の礼 拝 は 近代 生活 にそ ぐわ な い と して
によるオアシス文化形成 の基礎 となった。サハ
しば しばアィ ロニ カルに語 られ るが、それ はむ
ラ南縁地帯 も、アフリカ大陸 が周縁部が高地 で
しろ経済 主義 によって非人間化 されが ちな 「近
代 生活 」 の歯止めともみ られ る。
中央部が低地 の盾状地形で あるため、周縁部 の
多雨 の 山岳 地帯 を水 源 とす る河川 が流 れ込 み
やす い。
乾燥 地 の 生産 力は各生 業各 地域 ひと つ ひ と
つ をとってみれ ば決 して大 き くな い。しか し、
その多 様性 と希 少性 ゆえ に一 種 の 分業 関係 が
む しろ対他利益 の思想が ある。
しか しイ ス ラーム 圏以外 の乾燥地域で も、文
の
明 発達 はあ りえた。そ の代表はモ ンゴル 帝国
の発展 で ある。そ の背後 にはいか な り宗教倫理
思想があった のか。モン ゴル 帝国 はイス ラー ム
成立 しやす く、それが全体 と して豊かな生産活
商人 をかな り有 効 に利用 し得 たが ゆえ にそ の
形成 に成功 した とい う研究 もあるが、この点で
動 となる。 こ うした分業 は生 態学 レヴェル (農
業 、牧畜 、な どの第 一次生産 の分業)に とどま
あ らためて考察する価値 があるのは大乗仏教、
特 に ラマ 教 の役割であるだろう。
らず、諸 工 芸品 の生産や、商業、さらには聖 職
な どの知識 産業 もふ くみ こん だ社 会分 業 レヴ
この 問題 を考 察す るに あた って 注 目 した い
のは 、片倉 もとこの『 「移動文化」考』 (岩 波
ェル として も発達 した。そ こに乾燥地文明 の形
書店 )で ある。片倉 によるとイ ス ラー ム文化 の
成 され る理 由がある。
特徴 は、遊牧民文化 の流れ を汲んだ移動文化 で
ある。これ は ここで指摘 してきた こと と基 本的
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宗 教・ 倫 理 的相 互 扶 助 システ ム と して
の イ ス ラ ー ム と移 動 文 化
以 上述 べ た相互扶助 システ ムは、乾燥地 の 自
然・ 生態学状況 に大き く依拠 した ものであるが、
これ をさらに推進 しサポー トす る宗教・倫理 の
体系 も存在 した。
その代表 はイ ス ラー ムで あ る。イ ス ラー ム は
に重な る指摘 であるが、わた しが強 く感銘 を受
けた のは 、移動文化 は、所有 に対す る こだわ り
のな さも含 んでいるとい う指摘である。つ ま り
本来無 一物 とい う仏 教思 想 に 通 じるよ うな 思
想 が移動文化 のなかには含 まれている とい う。
片倉 は移動 こそが人類 の歴史であ り、移動
を通 じて 「人類」は 「人間 」になった とも述 べ
は都市 の宗教で ある。イス ラー ムは、古代 エ ジ
プ ト、ギ リシャ・ ローマ 、ペ ル シ ャな どの古代
て いる。つ ま り生物種 とい うのはかな らず特定
文明が成立 した地域、すなわ ち都市文明 の発達
を背景 に成立 し発展 した宗教 である。コー ラン
動 を通 じて 地球 上いた る ところに 拡大 した 人
を読 んでみ ると、イ ス ラー ム の教 えの実 に多 く
が 商業 に関す る比喩で語 られて い る。
の環境 を棲み家 (ニ ッチ ェ)と す る。しか し移
類は環 境 に 規定 され るも の と して の生 物 の 域
を脱 した存在 になったのだ という。そ して重 要
な のはそ の基礎 に 「所有」か らの 自由が る とい
しか しこれ は、イ スラー ムが 自己利益 と現 生
う指 摘 だ。相 互扶助 とい うのは各 自が 自己 の所
利益追 及型 の経 済論 理 をそ の まま宗教 倫理 と
した ということではな い。イ ス ラー ムの教 え に
有 に こ だわ らず 相互 に助 け合 うと い う こ とで
あるが、 相 互 扶助 システム の基礎が 「移動」に
は近代 経済 学 の 原理 と反 す る よ うな教 えが 数
あると い う指 摘 は、人類進化 の道筋 とも重ね あ
多 く含 まれている。例 えば利子 の禁止。また喜
わせ られて極めて興味ふか い。
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