(アルプちゃん有)(PDF:1374KB)

みんなその日を楽しみにしています。
年少のさくら組さんには、〝初めてのこどもパーティ〞。
から。
楽しいゲームをして、いっぱいごちそうを食べるんです
の日。だってその日は、みんなでおしゃれをして集まって、
にこにこ保育園で一番楽しい日。それは「こどもパーティ」
「にこにこ
保 育 園 」は
それぞれの
保育園名に
自由に変更可
演出メモ
絵・文・脚本 まみあ・ちか
アドバイス 竹迫 祐子
「みんなでおいしくいただきます!
〜お皿ピカピカ大作戦!〜」
ナレーション
①
そんなさくら組さんへ、年長のゆり組さんから、待ちに
待ったこどもパーティーの招待状が届きました。
「あさこ先生、早く読んで読んで。」
ナレーション
子どもたち
子どもたちが集まってきました。
ティーに来たらキレイにぜーんぶ食べてね。』だって。」
スティックサラダ、デザートはおいしいリンゴ〞パー
ーキのミニトマト添え、にんじん・きゅうり・セロリの
ーンピースごはん、たまねぎとしいたけのスープ、ステ
おいしいごちそうもたくさんあるよ。メニューは〝グリ
パーティはそれを着けておしゃれをして来てください。
のカチューシャやちょうネクタイをプレゼントするので、
一生懸命みんなのために準備をしています。今度、手作り
こどもパーティーがあります。ぼくたちわたしたちは、
「じゃあ読んでみるね。『さくら組さんこんにちは。来月、
ナレーション
あさこ先生
②
演出メモ
せかすように
子どもたち
ナレーション
ひとし ナレーション
かすみ みゆ
ナレーション
ゆうと
あさこ先生
でも本当は、あさこ先生もセロリが苦手でした。
「みんな全部食べられるよね!がんばろうね!」
れるかなぁ。」
「え〜、トットッ トマト・・・。どうしよう。食べら
その隣でゆうと君も心配そうな顔をしています。
「りんごやだなぁ。食べられるかなぁ・・・。」
「かすみはごはんよりパンがいいなぁ・・・。」
そういえば、かすみちゃんやみゆちゃんも。
「お肉なんて。ぼく、絶対飲みこめない!!」
おやぁ? ひとし君はどうしたのでしょう。
みんなとってもうれしそうです。
「やったぁ〜。楽しみだなぁ。わーい。わーい。」
③
演出メモ
うれしそうに
拒否する
感じで
わがままな
感じで
不安そうに
自信が
なさそうに
励ますように
ナレーション
子どもたち
ナレーション
でも、おやおや、なんだか心配そうな子たちがいますよ。
さくら組さんも、わくわく楽しみにしています。
「早くこどもパーティーにならないかなぁ。
」
れいに飾ってくれています。
年中のひまわり組さんは輪つなぎを作って、お部屋をき
かわいいランチョンマットも出来上がってきました。
くれています。
ゆり組さんはカチューシャとちょうネクタイを作って
こどもパーティーの準備はどんどん進んでいます。
④
演出メモ
それもそのはず。さくら組さんでは、いつも食べきれずに
残された給食がたくさん。給食のまつこ先生と、もとこ先生
「みんなが残した給食はどうなると思う?」
も悲しそう。
まつこ先生
と、まつこ先生ともとこ先生は話しました。
本当にもったいないよね。」
「せっかく作った給食も残ったら全部捨ててしまうんだよ。
ろすのん 「泣いているのは、だあれっ?」
ナレーション
子ども
「ぼくはろすのん。さくら組のみんなが食べ物を残して、
もったいないと思ったから、出てきたのん。もったいない
のん。悲しいのん。」
「ろすのん、泣かないで。ぼくたち食べられるように頑
張ってみるよ。」
すると、
「でも、どうしたらいいんだろう?」 アルプちゃん
ナレーション
(1/4抜く)
いよいよ、「お皿ピカピカ大作戦」がスタートします。
と、アルプちゃんが助けにやってきてくれました。
「そんなときはわたしに任せて!!さあ一緒に頑張ろう!」
ナレーション
子ども
子ども
ろすのん
います。
まつこ先生ともとこ先生の後ろで、〝ろすのん〞が泣いて
「ぼくも悲しいのん。」
ナレーション
もとこ先生
ナレーション
⑤
演出メモ
悲しそうに
語尾に
「のん」
語尾に
「のん」
ヒーローっ
ぽく
しばらくすると、緑の小さなトマトができました。
「あれ、このトマト赤くないよ。」
(1/4抜く)
ナレーション アルプちゃんが言ったとおり、トマトは真っ赤になりました。
ゆうと
「わぁ。すごい!!なんだかおいしそう。ぼくちょっとだ
け食べてみようかな。」
「パクッ。あれっ?甘い?おいしい!! 本当に甘いんだ
ね!!」
ナレーション ゆうと君は、苦手だったトマトが食べられるようになりま
した。
(全部抜く)
アルプちゃん
「ゆうと君もう少し待っててごらん。トマトは最初、緑色
なんだけど、もうすぐ赤くなってくるよ。」
ゆうと
ナレーション
(3/4抜く)
ナレーション トマトの木がゆうと君の背と同じくらいになった頃、小さ
くて黄色いかわいい花が咲きました。
(2/4抜く)
ナレーション トマトが苦手なゆうと君に、農家のおじさんがトマトの苗
を持ってきてくれました。
おじさん 「ゆうと君。トマトはね、水をあげて、太陽の日をいっぱ
い浴びると、赤くて甘〜くなるんだよ。」
ゆうと
「え〜。本当〜?」
ナレーション と言いながらも、ゆうと君は、毎日毎日、アルプちゃんと
トマトの様子を見に行きました。
⑥
演出メモ
疑っている
感じで
言い聞かせる
ように
驚いている
感じで
ナレーション
ひとし君は、お肉を食べるのがとても苦手です。
(2/4抜く)
どうしてかというと、なかなか飲みこめずに、口の中に
いつもお肉が残ってしまうからです。
「ぼくはどうしてお肉が飲みこめないんだろう。」
ナレーション
ひとし
ナレーション
心配したアルプちゃんがひとし君の口の中を見てくれま
した。
(3/4抜く)
「ひとし君はお肉をどの歯で噛んでいるの?」
アルプちゃん
「前の歯だよ。」
(全部抜く)
「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ・・・・・。ごっっくん!
あっ。飲みこめた。でもどうして?」
演出メモ
くやしそうに
「そうかぁ。奥歯でいっぱい噛んだから飲みこめたんだね。
」 ひとし君は、お肉が飲みこめるようになりました。
(1/4抜く)
ナレーション
ひとし
アルプちゃん「それはね、前の歯は食べ物を切る役目をしてるんだけど、
奥の歯は食べ物をつぶして小さくする役目をするんだよ。
だから奥歯でしっかり噛むと飲みこめるようになるんだ。
」
ひとし
アルプちゃん「なるほど。それで、どうして飲みこめないかわかったよ。
今度は奥の歯でしっかり噛んで食べてみて。」
ひとし
⑦
「うーん、難しいよぅ。なかなかうまくにぎれない。」
かすみちゃんとお母さんは一緒におにぎりを作ってみました。
かすみ
「でも、かすみちゃん、少しずつ上手になってきたじゃない。
」
「わぁい!!かわいいおにぎりができた。
」
ナレーション
かすみ
(全部抜く)
(2/3抜く)
アルプちゃん「じゃあ、みんなで食べよう。
」
ナレーション かすみちゃんの横でお母さんとアルプちゃんがおいしそう
におにぎりを食べはじめました。すると、
かすみ
「パクッ。おにぎりおいしい!」
ナレーション あんなにごはんが苦手だったかすみちゃんがおにぎりを食
べることができました。
「やったのん。すごいのん。
」
ろすのん
と、アルプちゃんがチューリップやお星さまの形に切った
海苔をくれました。
アルプちゃん「とっても、上手にできたね。初めてのおにぎり記念にプ
レゼントだよ。
」
(3/4抜く)
お母さん
ナレーション
お母さん
「かすみちゃん、また、白いごはんばかり残して・・・。」
かすみ
「だって、おいしそうじゃないんだもん。」
ナレーション 困っているお母さんのところに、アルプちゃんがやってき
ました。
アルプちゃん「 良 い 考 え が あ る よ 。 か す み ち ゃ ん 、 一 緒 に お に ぎ り を 作
ってみない?」
かすみ
「おにぎり?」
お母さん
「そうね。一緒におにぎり作ってみようか。」
(2/4抜く)
⑧
演出メモ
困ったように
ツンとして
うれしそうに
うれしそうに
2/3
ナレーション
さあ、今日はいよいよ待ちに待った、こどもパーティーの
日です。
みんな、ゆり組さんが作ってくれたカチューシャやちょう
ネクタイをつけておしゃれをしてわくわくどきどき。
ごはんが苦手だったかすみちゃんも、お肉が飲みこめな
かったひとし君も、トマトが食べられなかったゆうと君も
ニコニコ自信たっぷりの様子です。
おや。みゆちゃんはどうしたのでしょう?
(全部抜く)
みゆちゃんは心配そうにみんなを見つめています。
「みんなすごいな。わたし、りんご食べられるかなぁ。
」
ナレーション
みゆ
⑨
演出メモ
不安そうに
パーティーでは、ゆり組さんの劇を見たり、ひまわり組さ
んの歌を聞いたり、園長先生の手品も見ました。
とても楽しい時間の後は、いよいよ待ちに待ったごちそう
です。
テーブルには、ゆり組さんがつくったランチョンマットの
上に、まつこ先生ともとこ先生が一生懸命作ってくれたご
ちそうが並んでいました。
「わぁっ! かわいい!」
ナレーション
子ども
「とってもきれい。」
「おいしそうだなぁ。先生ありがとう。」
「わぁ。ごはんの上には、旗が立ってるよ。」
テーブルの上のりんごを見たみゆちゃんはびっくり。
「はやく食べようよ。」
ナレーション
だって、りんごがかわいいうさぎさんになっていたのです。
わり組さんもニコニコ見ています。
まつこ先生ももとこ先生もうれしそう。ゆり組さんもひま
まつこ先生、もとこ先生、ありがとう。」
「みゆ。うさぎちゃん大好き。これなら食べられるかも!
ナレーション
みゆ
⑩
演出メモ
うれしくて
うきうきと
した感じで
うれしそうに
子ども
「いただきまぁす。」
「本当においしい!」
「みんなで食べるとおいしいね。」
「おかわり!」
「ぼくにも!」
ぱくぱくおいしそうに食べている子どもたちを見て、アル
「わたしにもちょうだい!」
ナレーション
プちゃんとろすのんもうれしそうです。
「よかったのん。うれしいのん。」
「こんなに食べられるようになって、すごいね、みんな。」
アルプちゃん
ろすのん
⑪
演出メモ
楽しく
おいしく
食べている
感じで
子ども
「ごちそうさまでした。」
「おいしかったね。」
「見て、ぼくのお皿ピカピカ。すごいでしょ。」
「この旗とランチョンマット持って帰っていい?」
「あさこ先生どうしたの?」
「ありがとうみんな。先生、がんばる!」
(お し ま い)
みんなはごはんを残してもったいないことしていない
かな?アルプちゃんとろすのんが、みんなを見ている
かもしれませんよ。
ナレーション あさこ先生は、来年のこどもパーティーまでにセロリを
食べられるようになるでしょうか。
あさこ先生
「なぁんだ。先生も食べられないものあったんだ。大丈夫。
僕たちが食べられるように応援してあげるよ。」
あさこ先生 「それがぁ。そのぉ。えっとぉ。みんなには言いづらいん
だけど・・・。先生、本当は・・・・・。セロリが食べら
れないの。がんばったけど、今日も食べられなかったの。
」
子ども
ナレーション 子 ど も た ち の お 皿 は 、 全 部 空 っ ぽ 。 食 べ ら れ な い も の が
あった子どもたちもみんなキレイに食べることができま
した。
こどもパーティー大成功!!
あれぇ。先生の様子がちょっと変ですよ。
子ども
⑫
演出メモ
誇らしげに
申し訳
なさそうに
励ますように
語りかける
ように