ゼルボラフ錠 240mg - 医薬品医療機器総合機構

患者向医薬品ガイド
2015 年 4 月作成
ゼルボラフ錠 240mg
【この薬は?】
ゼルボラフ錠 240mg
ZELBORAF Tablet 240mg
ベムラフェニブ
Vemurafenib
販売名
一般名
含有量
(1 錠中)
240mg
患者向医薬品ガイドについて
患者向医薬品ガイドは、患者の皆様や家族の方などに、医療用医薬品の正しい理解
と、重大な副作用の早期発見などに役立てていただくために作成したものです。
したがって、この医薬品を使用するときに特に知っていただきたいことを、医療関
係者向けに作成されている添付文書を基に、わかりやすく記載しています。
医薬品の使用による重大な副作用と考えられる場合には、ただちに医師または薬剤
師に相談してください。
ご不明な点などありましたら、末尾に記載の「お問い合わせ先」にお尋ねください。
さ ら に 詳 し い 情 報 と し て 、「 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホ ー ム ペ ー ジ 」
http://www.info.pmda.go.jp/ に添付文書情報が掲載されています。
【この薬の効果は?】
・この薬は、抗悪性腫瘍剤で、BRAF 阻害剤と呼ばれるグループに属する薬です。
・この薬は、がん細胞の増殖に必要な BRAF タンパク質の活性化を阻害すること
によって、がん細胞の増殖を抑えます。
・次の病気の人に処方されます。
BRAF 遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫
・この薬は、体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり、量を加減した
りすると病気が悪化することがあります。指示どおりに飲み続けることが重要
です。
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【この薬を使う前に、確認すべきことは?】
○患者さんまたは家族の方は、この薬の効果や注意すべき点について十分理解でき
るまで説明を受けてください。説明に同意をした場合に使用が開始されます。
○この薬を使用する前に BRAF 遺伝子検査※が行われます。
※BRAF 遺伝子検査:がん組織またはがん細胞を検体として、BRAF 遺伝子変異が
認められるかどうかを調べる検査
○次の人は、この薬を使用することはできません。
・過去にゼルボラフ錠に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人
○次の人は、慎重に使う必要があります。使い始める前に医師または薬剤師に告げ
てください。
・肝臓に重い障害がある人
・QT 間隔延長(心電図の異常)をおこす可能性のある人、または過去に QT 間隔
延長のあった人
・高齢の人
○この薬の使用前に、心電図検査および血液検査が行われます。
○この薬には併用を注意すべき薬や飲食物があります。他の薬を使用している場合
や、新たに使用する場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
【この薬の使い方は?】
●使用量および回数
飲む量は、あなたの症状などにあわせて、医師が決めます。
通常、成人の飲む量および回数は、次のとおりです。
一回量
4錠
飲む回数
1日2回
食事の影響を避けるため、食事の1時間前から2時間後までの間を避けて、飲む
ことが望ましいです。
●どのように飲むか?
コップ 1 杯程度の水またはぬるま湯で飲んでください。
●飲み忘れた場合の対応
決して2回分を一度に飲まないでください。
飲み忘れに気がついた場合は、飲み忘れた分は飲まずにとばして、次の時間に1
回分を飲んでください。
●多く使用した時(過量使用時)の対応
異常を感じたら、ただちに医師に連絡してください。
【この薬の使用中に気をつけなければならないことは?】
・有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)(びらんやかさぶたに覆われた皮膚の隆起
あるいは潰瘍(かいよう))があらわれることがあるので、皮膚の異常が認めら
れた場合には、速やかに受診してください。
・QT 間隔延長があらわれることがあるので、この薬の使用前および使用中は定期
的に心電図検査および血液検査が行われます。
・肝不全、肝機能障害、黄疸などの肝障害があらわれることがあるので、この薬
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の使用中は定期的に肝機能検査が行われます。
・光線過敏症(日光のあたる部分に発疹やみずぶくれができる、日光の照射によ
る過度の日焼け、かゆみ、皮膚の色素沈着)があらわれることがあるので、外
出時には帽子や衣類などの着用や日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使
用により、日光や紫外線にあたることを避けてください。
・ブドウ膜炎(眼のかすみ、視力の低下、蚊が眼の前を飛んでいるように見える、
まぶしい、眼の痛み、眼の充血)などの眼障害があらわれることがあるので、
眼の異常が認められた場合には、速やかに受診してください。
・妊娠する可能性のある人は、避妊してください。
・授乳中の人は、授乳を中止してください。
・他の医師を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの薬
を飲んでいることを医師または薬剤師に伝えてください。
副作用は?
特にご注意いただきたい重大な副作用と、それぞれの主な自覚症状を記載しまし
た。副作用であれば、それぞれの重大な副作用ごとに記載した主な自覚症状のう
ち、いくつかの症状が同じような時期にあらわれることが一般的です。
このような場合には、ただちに医師または薬剤師に相談してください。
重大な副作用
主な自覚症状
有棘細胞癌
びらんやかさぶたに覆われた皮膚の隆起あるい
ゆうきょくさいぼうがん
は潰瘍
悪性の腫瘍
悪性腫瘍(二次発癌)
あくせいしゅよう(にじはつがん)
からだがだるい、ふらつき、意識の低下、考え
がまとまらない、ほてり、眼と口唇のまわりの
はれ、しゃがれ声、息苦しい、息切れ、動悸(ど
うき)、じんましん、判断力の低下
さむけ、ふらつき、汗をかく、発熱、意識がう
過敏症
かびんしょう
すれる、考えがまとまらない、口唇周囲のはれ、
息苦しい、かゆみ、じんましん、発疹、判断力
の低下
皮膚粘膜眼症候群(スティー からだがだるい、高熱、発熱、まぶたや眼の充
ブンス・ジョンソン症候群) 血、結膜のただれ、ひどい口内炎、唇や口内の
ひふねんまくがんしょうこうぐん
ただれ、食欲不振、赤い発疹、中央にむくみを
ともなった赤い斑点、陰部の痛み
中毒性表皮壊死融解症(TEN) からだがだるい、関節の痛み、全身の赤い斑点
ちゅうどくせいひょうひえしゆうかいしょ と破れやすい水ぶくれ(水疱)、発熱、食欲不振
アナフィラキシー
う(テン)
関節の痛み、発熱、発疹や水ぶくれができる
多形紅斑
たけいこうはん
紅皮症(剥脱性皮膚炎等)
こうひしょう(はくだつせいひふえん
う)
と
発熱、かさぶた、全身の発赤、皮膚がはがれお
ちる
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重大な副作用
薬剤性過敏症症候群
やくざいせいかびんしょうしょうこうぐん
主な自覚症状
さむけ、ふらつき、汗がたくさん出る、発熱、
意識がうすれる、考えがまとまらない、息苦し
い、かゆみ、発疹、しびれ、判断力の低下
QT 間隔延長(心電図の異常) 頻脈、めまい、動悸、気を失う
キューティーかんかくえんちょう
肝不全、肝機能障害、黄疸
かんふぜん、かんきのうしょうがい、おう
だん
からだがだるい、吐き気、嘔吐(おうと)、食欲
不振、かゆみ、羽ばたくような手のふるえ、白
目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる、尿の色が
濃くなる
以上の自覚症状を、副作用のあらわれる部位別に並び替えると次のとおりです。
これらの症状に気づいたら、重大な副作用ごとの表をご覧ください。
部位
自覚症状
全身
悪性の腫瘍、からだがだるい、ふらつき、さむけ、汗をか
く、汗がたくさん出る、発熱、高熱、関節の痛み、全身の
赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)
顔面
ほてり
頭部
意識の低下、考えがまとまらない、意識がうすれる、めま
い
眼
眼と口唇のまわりのはれ、まぶたや眼の充血、結膜のただ
れ、白目が黄色くなる
口や喉
しゃがれ声、眼と口唇のまわりのはれ、口唇周囲のはれ、
ひどい口内炎、唇や口内のただれ、吐き気、嘔吐
胸部
息苦しい、息切れ、動悸、吐き気
腹部
食欲不振、吐き気
手・足
関節の痛み、羽ばたくような手のふるえ、頻脈
皮膚
じんましん、発疹、赤い発疹、中央にむくみをともなった
赤い斑点、発疹や水ぶくれができる、かさぶた、全身の発
赤、皮膚がはがれおちる、かゆみ、皮膚が黄色くなる、び
らんやかさぶたに覆われた皮膚の隆起あるいは潰瘍
尿
尿の色が濃くなる
その他
判断力の低下、陰部の痛み、しびれ、気を失う
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【この薬の形は?】
販売名
ゼルボラフ 240mg
フィルムコーティング錠
形状
長径
短径
厚さ
重さ
色
識別コード
約 19.1mm
約 9.7mm
約 7.4mm
870mg
帯赤白色∼だいだい白色
VEM
【この薬に含まれているのは?】
販売名
有効成分
添加物
ゼルボラフ錠 240mg
ベムラフェニブ
ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、クロスカルメロ
ースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、
ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール(部分け
ん化物)、酸化チタン、マクロゴール 4000、タルク、三二酸化鉄
【その他】
●この薬の保管方法は?
・直射日光と湿気を避けて PTP 包装のまま室温(1∼30℃)で保管してください。
・子供の手の届かないところに保管してください。
●薬が残ってしまったら?
・絶対に他の人に渡してはいけません。
・余った場合は、処分の方法について薬局や医療機関に相談してください。
【この薬についてのお問い合わせ先は?】
・症状、使用方法、副作用などのより詳しい質問がある場合は、主治医や薬剤師
にお尋ねください。
・一般的な事項に関する質問は下記へお問い合わせください。
製造販売会社:中外製薬株式会社
(http://www.chugai-pharm.co.jp)
医薬情報センター
電話:0120−189706
受付時間:9時∼17時30分
(土、日、祝日、会社休日を除く)
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