(No.1,552)〈マーケットレポートNo.4,122〉 2015年4月8日 シンガポールの「通貨政策」(アジア) シンガポール通貨金融庁(MAS、Monetary Authority of Singapore)は、中央銀行としての役割を 担っています。同国経済は輸出入の影響が大きいことから、政策金利ではなく為替レートを用いて 景気や物価の安定を図っています。通常は、4月と10月の年2回、為替レートの誘導目標を見直す ほか、状況に応じて臨時に政策変更を行うこともあります。 通貨政策は金融政策 通貨安誘導は金融緩和 ■主要国の金融政策は、おカネの値段である「金利」や、おカネの「量」を調節することにより行われるの が一般的です。一方、シンガポールでは、為替レートが金融政策の手段です。経済が輸出入に大きく 依存することから、景気や物価が、金利よりも為替レートの影響を受けやすいことが背景です。シンガ ポールの中央銀行にあたる通貨金融庁(MAS)は、決められた通貨バスケットに対するシンガポールド ルの変動幅を一定範囲に収まるよう管理し、通貨価値の安定を図っています。 ■また、インフレや景気低迷への対策が必要な場合は、為替レートの誘導目標を調節します。例えば、イ ンフレが進む場合は、シンガポールドルを高めに誘導し、インフレと景気の抑制を図ります。為替レート と市場金利は密接に関連していることから、通貨高への誘導は市場金利にも上昇圧力をかけ、金融引 き締め効果が金融市場に波及します。金融緩和の場合は、通貨安に誘導する政策がとられます。 4月中旬に定例の見直し 追加金融緩和があるか注目 ■MASは今年1月28日、臨時の金融緩和を実施し ました。インフレが落ち着いているため、通貨高 の度合を緩めることにより、景気を下支えしよう というねらいです。 ■4月中旬には定例の政策見直しが予定されてい ます。インフレは引き続き低下傾向が続いてい ることから、追加金融緩和が実施されるか注目 されます。 緩和的な金融環境が継続する見込み、株式やリート市場をサポート ■景気は緩やかな回復へ ■緩和的な金融環境は株やリートに追い風 主要国の景気拡大や、シンガポールでの緩和的 な通貨政策により、輸出の拡大がけん引役となっ て、シンガポールの景気は緩やかに回復すると見 込まれます。 景気が緩やかに回復することに加え、インフレの 低下により緩和的な金融環境が当面見込まれる ことから、株式やリート市場にとって好環境が継続 すると期待されます。 2015年04月03日 新興国の企業景況感 2015年04月02日 中国株式市場の最近の動向 ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘す るものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想で あり、今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完 全性を保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者お よび許諾者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
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