付録 6 ダクタイル管用ポリエチレンスリーブ施工要領

付録 6 ダクタイル管用ポリエチレンスリーブ施工要領
1 概論
1,名称
2,目的
ダクタイル管用 ポリエチレンスリーブ
ポリエチレンスリーブによる管被覆の目的は埋設土壌と管との直接の接触を断つことにより、管
の防食を行うものである。
3,ポリエチレンスリーブ
1) スリーブの形状
スリーブの形状はチューブ状で、各部寸法は表-1の通りである。
表-1 スリーブの各部寸法
単位 mm
呼び径
内径
折り径
厚さ
長さ
50
191
300
0.2
4000
75
248
390
0.2
5000
100
286
450
0.2
5000(6000)
150
350
550
0.2
6000
200
414
650
0.2
6000
250
446
700
0.2
6000
300
509
800
0.2
7000
350
573
900
0.2
7000
400
637
1000
0.2
7000
450
700
1100
0.2
7000
500
732
1150
0.2
7000
600
859
1350
0.2
7500
700
955
1500
0.2
7500
800
1114
1750
0.2
7500
900
1210
1900
0.2
7500
1,000
1273
2000
0.2
7500
備考
① 折り径とは、スリーブの円周長さの1/2の寸法である。
② スリーブの長さは、管の有効長に 1000mm(呼び径 500mm 以上は、1500mm)を加えた。
ただし、特記仕様で指示した場合はロール状に巻いたものを使用することができる。
③ 長さの( )内寸法は、管の有効長が 5000mm の場合を示す。
2)スリーブの表示
スリーブには、外側の面に一定間隔ごとに長さの印を入れ、寸法表示をする。
呼び径 50~450mm については端から 500mm ごとに、呼び径 500~2600mm については端から 250mm 離れた位
置と、その位置から 500mm ごとに●印を表示する。
ただし、ロール状にものは端から 500mm ごとに表示してある。
呼び径 450mm以下
50mm
日本ダクタイル鋳鉄管協会認定品
φ 300水 道 ①
②③
日本ダクタイル鋳鉄管協会認定品
φ 300水 道 ①
500m m
123
②③
呼び径 500mm以上
①
② ③
日 本 ダ ク タ イ ル 鋳 鉄 管 協 会 認 定 品
φ 1500水 道 250m m
50mm
協 会 認 定 品
①
日 本 ダ ク タ イ ル 鋳 鉄 管 協 会
φ 1500水 道 ①
② ③
② ③
500m m
750m m
図-1 スリーブの表示例
注 ① 日本ダクタイル鋳鉄管標章
② 供給会社の略号
③ 製造会社の略号
備考 ① 「日本ダクタイル鋳鉄管協会認定品」及び①の表示は、日本ダクタイル鋳鉄管協会の認定基準に適
合し、かつ、認定審査に合格した工場で製造されたスリーブについてのみ表示を行う。
② 表示の下地色は、水色で行う。(参考 ガスは若草色)
③ 水道用に使用されるスリーブの表示は、「日本ダクタイル鋳鉄管協会認定品」、呼び径、①②③及
び長さの印を黒色で行う。
ただし、呼び径 1600mm 以上は長さの印のみでよい。
4,ポリエチレンスリーブの固定
1)固定は水道用表示テープで年号の入ったものを貼り付ける。
固定用のゴムバンドも使用して良い。
5,引用規格
JDPA Z 2005-1997 ダクタイル鋳鉄管用ポリエチレンスリーブ
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2 施工要領
1, 施工上の留意点
1) 各種作業は労働安全衛生規則や基準等、各々該当する法規を遵守して施行し、安全には常に注意する。
2) 施工時において使用するクレーン等の重機類、吊りベルト等の吊り用具は指定したものや専用吊りベル
トを使用し、常に点検を行い正常なものを使用すること。
3) スリーブを傷つけないように注意し、地下水や土砂が入らないように管にできるだけ密着させる。
また、埋め戻し時の土砂の衝撃による損傷を避けるために、折り重ね部(3重部)が管の頂に来るよう
にする。(スリーブの表示が管頂にくるようにする)
管とスリーブは、地下水が入らないようにできるだけ密着させる。
また、1m間隔でスリーブを表示テープで固定する。
4)① 接合部のスリーブは十分にたわませる。
② 埋め戻し時に、継ぎ手の形状に無理なくなじむよう十分にたるみを持たせる。
また、
KF 型や離脱防止金具を使用する場合、
シールキャップや押しボルトに当たる部分のスリーブが、
埋め戻し時の土圧によって壊れやすいので、十分たわませるとともに、別に短く切って四重にしたス
リーブを上部に当てておくのがよい。
5)
スリーブを被覆した管を吊るときは、滑りやすいので、管の重量及び重心をよく確認し、吊りベル
トを必ず使用し、管を2点吊りする。
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6)
傾斜地に配管する場合は、地下水が下流側の管とスリーブの間へ流れ込まないように、上流側のス
リーブを上にして重ね合わせる。
7)① 地下水の侵入を防ぎ、また、侵入した地下水が移動しないようスリーブの端を管に固定する。
② スリーブの両端は必ず表示テープで固定する。
③ 管の胴体部分には表示テープを巻き付ける。雨天などで貼り付けが困難な場合は固定用ゴムバンドで
施工してもよい。
また、埋設後地盤が安定するにつれて、管の真下に空隙が生じることがあり、地下水の流入を招く
おそれがあるのできつく巻く。
④ ゴムバンドを使用する場合は跳ね返りに十分注意をし施工する。
8)
9)
10)
誤ってスリーブに傷を付けた場合は、傷口よりも大きい当てスリーブをかぶせ、四方を表示テープで
固定する。
スリーブを被覆してある管上は滑りやすいので、立ったり歩行したりしないこと。
また、作業員が通行する場所には、滑りやすいのでスリーブを放置しないこと。
スリーブを切断するときは滑りやすいので、スリーブ上に乗って作業しないこと。
スリーブの縦裂きは厳禁とする。やむなく被せる場合は管頂で重ね合わせること。
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2.直管の施工要領
図-10 手順
手順
図
解
説
●管を吊り上げるか、または枕
木の上に載せて、挿し口側スリ
ーブを挿入する。
1
●スリーブの端から500mm(呼び
径500mm以上は750mm)につけら
れた印と管端とを合致させて、
スリーブを引き伸ばす。●管上
部にスリーブの折りたたみ部が
くるように折りたたんで、表示
テープで固定する。
2
●受け口側及び挿し口側に表示
テープを巻き、管にスリーブを
固定する。
●受け口側及び挿し口側のスリ
ーブを折り返す。
3
●スリーブを傷つけないように
管を吊りおろす。
●受け口側及び挿し口側のスリ
ーブを折り返す。
4
●折り返したスリーブを元に戻
して、接合部にかぶせ、表示テ
ープ(ゴムバンド)を巻き、ス
リーブを管に固定する。
5
●他方のスリーブも同様に管に
固定する。
6
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図-11 A法による接合部施工詳細図
その他、この仕様書に記載なき事項は下記図書を準用するが、ゴムバンドは表示テープへ、ワイヤーロープは
吊りベルトと読み替えるものとする。
参考図書
日本ダクタイル鋳鉄管協会発行 ダクタイル管用ポリエチレンスリーブ施工要領書
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