ネパール密教伝統修行舞チャルヤ 正規継承者プラジョワール・ラトナ・ヴァジュラチャルヤ僧 来日特別企画 ネパール密教伝統修行舞チャルヤの正規継承者プラジョワール・ラトナ・ヴァジュラチャルヤ僧の来日にあわ せて、和光大学において特別公開授業を開催します。どなたでも参加できます。ご来場をお待ちしています。 日時:2015 年 4 月 22 日(水)16:20~17:50 場所:和光大学 J204 教室 備考:共通教養科目「東南アジアの文化とことば」授業内 概略:チャルヤ・ヌリテャ 原始仏教が世界で唯一残っているともいわれるネパー ルの、そのヴァジュラ・ヤーナ密教を守り続けているのが カトマンドゥの先住民ネワールの人たちです。ネワールの 中の職業別カーストの最上位にいる司祭(あるいは僧侶) がヴァジュラチャルヤです。 ヴァジュラチャルヤの伝承修行のひとつが『チャルヤ・ ヌリテャ』です。チャルヤとはサンスクリット語で「糧・ 行」を表し、ヌリテャは「舞」を意味します。 舞というと娯楽や表現の一つとしてのイメージがあり プラジュワール・ラトナ・ヴァジュラチャルヤ ますが、このチャルヤ・ヌリテャは全く違うものです。 そもそもが、お寺の一室に鍵を掛けて自らと向き合って舞うもの、あるいは許されたものたちの前のみで舞われ るものだからです。人に見せる目的で作られているのではありません。 体の基本的な形である「トゥリ・バンガ」は頭・胸・腰を曲げることで天界・現世・地界の「三世界」を表し、 細胞一つ一つのレベルまで考え順番に手足を伸ばしていく動きは「必然」を表し、対照的に動かす部位は「二極」 のバランスを表し、繰り返される動きは「輪廻」を表しています。 基本的な 4 つの足の動きは大地にマンダラを描き結界を張っている意味となり、手首を曲げることで健康への 刺激とされ、手印の一つ一つ、指の一本一本にもすべて教えがあります。 チャルヤは自らをブッダと捉え一体化し、自らの体の隅々までを自覚しな がら完全な管理のもと動かすことで宇宙の真理を学ぶ修行なのです。 いわば、日本にもあちこちに普通にある仏像や、あるいはマンダラや壁画 に描かれた神々を生身の人間がおこなっているのがチャルヤです。 今回のワークショップでは、 日本人初弟子の岡本有子先生に 司会および通訳を務めて頂きます。 チャルヤ・ヌリテャの現状 鍵を掛けて秘密裏に行われてきた高度な修行チャルヤ・ヌリテャですが、後継者不足、世の中の変化に伴いヴ ァジュラチャルヤたち自身の技術の衰え、そして何より漏れ出してしまったチャルヤ・ヌリテャがレストランや ホテルなどで踊り手が意味も分からず見世物として踊るようになり、本来のチャルヤは消滅の一途をたどり始め ました。 今から 57 年前、当時チャルヤの精通者と言われる 3 人のヴァジュラチャルヤがチャルヤの消滅の危機に意を 決して、ちゃんと学ぶ気持ちがあるものには開くべきであると、閉ざされていたその門を開きました。そこで機 会を得た別のカースト、民族、外国人が初めて学ぶことができました。 その 3 人の僧侶は亡くなってしまいましたが、その遺志を継いでチャルヤの普及活動をしているのがその 3 人 の内の一人ラトナ・カジ・ヴァジュラチャルヤ僧の息子、今回来日をするプラジョワール・ラトナ・ヴァジュラ チャルヤ僧です。 チャルヤ・ヌリテャは学術的にも大変貴重なものであるとともに、日本ではまだ未知の世界であり、またこの 修行法はネパールの手印(ムドラ)ヨーガとして日本の人々の心身の健康にも必ずや役立つものと確信していま す。どうか、この機会にチャルヤ・ヌリテャの紹介にご協力いただきたくお願い申し上げます。 チャルヤ・ヌリテャ日本事務局 代表 岡本 有子 2014 年 12 月吉日 故ラトナ・カジ・ヴァジュラチャルヤ僧がチャルヤを指導する様子
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