付録3 Pワン継手施工手順

付録3 Pワン継手施工手順
(管の接合方法と取り外し方法について)
1. 構造
① 胴:用途に合わせて色々な形状のものがある。
② キャップ:パッキンを胴に固定する働きがある。
③ ダストシール:管に付着した異物の継手内部への侵入を防止する。
④ ストッパー:管の抜け出しを防止する。
⑤ 止め輪:ストッパーをキャップ内に収納する。
⑥ パッキン:水密性を保つ。
図1 継手の部品構成
2. 適合管種
(1) PE接続側:水道用ポリエチレン二層管1種(JIS規格)専用の継手。
(2) VP接続側:水道用硬質塩化ビニル管(JIS規格VPおよびHIVP)専用の
継手。
3. 施工手順
(1) 管を接合する前に、Pワン継手の胴(本体)を他の給水器具に接合する(ねじれ、
緩み防止のため。ソケット、エルボ、チーズを除く)。
(2) 管の接合部は、傷のない部分を選択する。管の表面に傷があると漏水の原因にな
るため。
(3) 管表面に付着した泥等は,水洗いまたはウエスなどで洗浄・除去する。
図2 管の面取り
(4) 管は管軸に対して直角に切断する。
(5) 面取り器を使って管先端の外角の面取りを行う。面取りを施さずに施工するとパッキンを傷め、漏水の原因となるため。
面取りの大きさは管の厚さの半分程度を目安とする(表1)
。
表1 面取りの大きさの目安(単位mm)
呼び径
管外径A
PE
面取り径B
管外径A
VP
面取り径B
13
φ21.5
φ18
φ18
φ15.5
20
φ27
φ23
φ26
φ23
25
30
40
50
φ34
φ42
φ48
φ60
φ29
φ35.5 φ41.5
φ52
φ32
φ38
φ48
φ60
φ28.5 φ34.5
φ44
φ55.5
(6) 面取り作業時に発生するヒゲ状のバリや、ささくれ状の切れ残りはカッターできれいに取り除く。面取り部にバリが残っ
たまま接合すると漏水の原因となるため。
(7) 継手には管の差込み深さを表す目安マークがついてる。挿入前に差込み深さを確認して管にマーキングする(図3)
。表
2は差込み深さの目安寸法を示す。
表2 差込み深さ(単位mm)
呼び径
13
20
25
30
40
50
PE
VP
50
51
52
54
62
75
90
10
3
(8) 継手に管を差込む。あらかじめ、パッキンにシリコンオイ
ルを塗布しておくと容易に挿入できる。
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(9) マーキングがキャップの端面と一致するまでしっかりと差込む(図4)
。
(10) 接合終了後、継手または管を適度に引張り、正しく接合されていることを
確認する。
(11) 差込みが困難な場合には、面取りの大きさが不適切な可能性がある。
4. 管の取り外し方法
(1) 管をキャップの端面から100mm以上離れた場所で切断する。短く切断する
図4 施行完了状態
と管の取り外しが困難になるため(図5)
。
(2) キャップを緩め、Pワン継手本体からキャップを取り外す。このとき、胴およびキャップに使用する工具は適切な口幅の
ものを使用する。工具が不適切な場合には空回りし、継手を変形させる恐れがあるため。
(3) キャップが緩んだら、胴とキャップを分離する。管を持って引き抜くと、キャップも同時に外れるため。このときパッキ
ンが管と一緒に外れることがあるので、パッキンが継手内部に残っている場合には取り出す。
(4) 外したキャップのねじ側から管を引き抜く(図6)
。
(5) キャップの内部を清掃し、パッキンとキャップを元の状態に戻して再使用することができる。
図6 管の取り外し
図5 管の切断
5. 識別
PE接続側とVP接続側の差込み口の識別は表3の通り。
表3 識別
①胴
②キャップ
呼び径
13~50
13~50
13~30
③ダストシール/⑤止め輪
40・50
13~30
④ストッパー
40・50
13~30
⑥パッキン
40・50
PE用
VP用と兼用
黒
黒
めっきなし
めっきなし
表示なし
表示なし
VP用
PE用と兼用
めっきなし
めっき処理
VP打刻表示
青
PE用と兼用
めっき処理
PE用と兼用
VP浮出表示
PE用と兼用
6. 仮設配管での注意事項
(1) 直射日光が当たり、管の温度が上昇する環境下で、かつ引張り荷重が継手に加わる露出配管で使用する場合は、管接合部
に引張り荷重が加わらないよう配管等を固定する。
(2) 仮設配管で継手の再使用ができるのは、胴・キャップ、ストッパーなどのPワン継手構成部品に異常がない場合に限る。
(3) 胴やキャップに傷や変形が生じているものは、そのままでは再使用しない。新しい部品に組み替えて再使用する。
(4) パッキンは傷の有無に係らず、継手再利用の都度、必ず新しいものと交換して使用する。
(5) ストッパーのエッジに管の表皮やその他の異物が挟まった場合には、完全に除去してから再使用する。また、変形したり、
内面エッジが丸まったものは再使用しない。ストッパーを交換して再使用する。
(6) ダストシール・止め輪を紛失したものは、再使用できない。
(7) 仮設配管で使用した継手は、パッキンを交換した後も、本設に使用してはならない。
7. 仕様
表4 仕様
使用流体
最高使用圧力
使用温度範囲
水道水
0.75MPa
常温(5~35℃)
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