2025年の住宅市場 ~アンケート調査から見えた空き家の実態と

第221回NRIメディアフォーラム
2025年の住宅市場
年 住
~ アンケート調査から見えた空き家の実態と、有効活用に向けた検討 ~
2015年4月8日
経営革新コンサルティング部
榊原渉、今井絢
グローバルインフラコンサルティング部
杉本慎弥
空き家率の推移と予測
質的側面から見た空き家の実態と地域特性を踏まえた対応の方向性
空き家所有者の実態と活用に向けた課題
本日のまとめ
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1
空き家率の推移と予測
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空き家率の推移と予測
除却・減築や、住宅以外としての有効活用が進まなければ、
除却
減築や、住宅以外としての有効活用が進まなければ、
空き家率は2023年に21.0%、2035年には32.0%に
空き家率の推移と予測
35%
→予測値
【予測の前提】
① 世帯数が、国立社会保障
世帯数が、国立社会保障・人口問題研究所が予
人口問題研究所が予
測しているように減少する。
② 住宅の除却・減築が、現状のまま進まない。
③ 住宅以外として、空き家の有効活用が進まない。
30%
25%
32.0%
30 2%
30.2%
25.5%
20%
21.0%
16.9%
15%
10%
5%
11.5%
7.6%
8.6%
12.2%
13.1% 13.5%
9.4% 9.8%
5 5%
5.5%
0%
年
2035
5
年
2033
3
年
2028
8
年
2023
3
年
2018
8
年
2013
3
年
2008
8
年
2003
3
年
1998
8
年
1993
3
年
1988
8
年
1983
3
年
1978
8
年
1973
3
注)予測方法の詳細は、2014年9月18日に開催した第215回メディアフォーラムの資料( http://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2014/forum215.html )参照
出所) NRI
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質的側面から見た空き家の実態と地域特性を踏まえた対応の方向性
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質的側面から見た空き家の内訳
空き家の1/4は腐朽・破損があり、そのままの居住は困難
空き家の1/4は腐朽
破損があり、そのままの居住は困難
一方、空き家の約47%は活用可能性が高く、その戸数が増加傾向
空き家の内訳(腐朽・破損の有無、建築年および調査年別)
空き家の内訳(腐朽
破損の有無、建築年および調査年別)
(千戸)
4,500
1981年以降に建築された
活用可能性の高い空き家
4,000
約385万戸(約47%)
3,848
3,438
3,500
1,525
1,006
(2001~
(2001~
2009年9月) 2013年9
月)
1,331
1,264
3,000
腐朽・破損がありそのまま
居住困難な空き家
2,500
約208万戸(約25%)
2,000
1,500
約570万戸(約70%)
(1991~2000年)
1,000
500
居住可能な空き家
1,960
1,211
1,301
548
0
777
1,856
1,102
1,059
(1981~1990年)
411
412
2008年 2013年 2008年 2013年 2008年 2013年 2008年 2013年 2008年 2013年
1980年以前完成 1981年以降完成 1980年以前完成 1981年以降完成
(不詳含む)
(不詳含む)
腐朽・破損あり
腐朽・破損なし
別荘などの
二次的住宅
注1)「腐朽・破損あり」とは、建物の主要な構造部分(壁・柱・床・はり・屋根等)やその他の部分に不具合があるもの
注2)( )内の割合は、2013年における全国の空き家総数(約820万戸)に占める割合を表す
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出所)総務省「平成20年・25年 住宅・土地統計調査」
5
地域別にみた空き家の特性
中国・四国地方や北東北地方で、居住困難な空き家の比率が高い
住宅総数 占める 居住困難な空き家」の比率(都道府県別)
住宅総数に占める「居住困難な空き家」の比率(都道府県別)
空き家率
居住困難な空き家の比率
系列2
25%
20%
15%
10%
5%
東京
神奈川
滋賀
埼玉
千葉
宮城
福島
山形
愛知
沖縄
三重
兵庫
静岡
福井
栃木
福岡
京都
茨城
新潟
富山
岩手
佐賀
北海道
大阪
長野
群馬
岐阜
奈良
広島
熊本
大分
鳥取
島根
岡山
長崎
香川
石川
宮崎
山梨
秋田
青森
和歌山
鹿児島
徳島
愛媛
山口
高知
0%
全国平均3 4%
全国平均3.4%
注)「居住困難な空き家」は腐朽・破損ありの空き家(建築年不詳を含む)を指す(二次的住宅は除く)
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出所)総務省「平成25年 住宅・土地統計調査」
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地域別にみた空き家の特性
北関東地方や甲信越地方で、活用可能性の高い空き家の比率が高い
住宅総数 占める 活用可能性の高 空き家」の比率(都道府県別)
住宅総数に占める「活用可能性の高い空き家」の比率(都道府県別)
空き家率
活用可能性の高い空き家の比率
系列2
25%
20%
15%
10%
全国平均6.3%
5%
山形
秋田
宮城
沖縄
福島
島根
富山
鳥取
佐賀
京都
青森
東京
宮崎
埼玉
奈良
新潟
神奈川
石川
愛知
兵庫
岩手
福岡
熊本
山口
長崎
福井
千葉
滋賀
岐阜
岡山
大阪
北海道
大分
和歌山
広島
高知
徳島
愛媛
茨城
長野
三重
鹿児島
群馬
静岡
香川
栃木
山梨
0%
注)「活用可能性の高い空き家」は1981年以降に建築された腐朽・破損なしの空き家を指す(二次的住宅は除く)
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出所)総務省「平成25年 住宅・土地統計調査」
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地域特性を踏まえた対応の方向性
居住困難な空き家の比率が高く、一般世帯数の減少が見込まれる地域では、
居住困難な空き家の比率が高く、
般世帯数の減少が見込まれる地域では、
除却・減築を推進していくことが必要
一般世帯数の将来増減率と「居住困難な空き家」比率の関係(都道府県別)
居住困難な空き家の
6% 除却・減築が必要
高知
山口
愛媛
居住困難な空き家の
建替え・リノベーションが必要
徳島
5%
居住困難な空き家の比率
鹿児島 山梨
宮崎
和歌山
香川
石川
岡山
長崎
熊本
広島
鳥取 大分
岐阜 奈良 群馬
北海道
大阪
佐賀
岩手 長野
茨城 京都
富山
新潟
福岡
栃木
福井
兵庫
三重 静岡
山形
福島
秋田 青森
島根
4%
3%
宮城
千葉
沖縄
愛知
埼玉
滋賀
神奈川
東京
2%
1%
‐8%
‐6%
‐4%
‐2%
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
一般世帯数の増減率:2010年⇒2020年
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注) 「居住困難な空き家」とは腐朽・破損ありの空き家(建築年不詳を含む)を指す(二次的住宅は除く)
出所)総務省「平成25年 住宅・土地統計調査」、総務省「国勢調査」
8
地域特性を踏まえた対応の方向性
活用可能性の高い空き家の比率が高く、一般世帯数の増加が見込まれる地域では、
活用可能性の高い空き家の比率が高く、
般世帯数の増加が見込まれる地域では、
中古住宅としての活用ポテンシャルが高い
一般世帯数の将来増減率と「活用可能性の高い空き家」比率の関係(都道府県別)
9%
空き家の用途変更による
有効活用を推進
山梨
活用可能性の高い空き家の比率
(高齢者福祉施設、保育所、
外国人向け宿泊施設等)
8%
香川静岡
中古住宅活用の
ポテンシャルが高い
栃木
群馬
鹿児島
長野
三重
徳島
茨城
高知
広島
愛媛
大分
大阪
和歌山
北海道
岡山
岐阜
千葉 滋賀
福井
長崎
熊本
福岡
岩手
愛知
石川
山口
新潟
神奈川
兵庫
奈良
埼玉 東京
宮崎
青森
京都
佐賀
鳥取
富山
島根
福島
7%
6%
5%
沖縄
宮城
秋田
山形
4%
‐8%
‐6%
‐4%
‐2%
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
一般世帯数の増減率:2010年⇒2020年
注)「活用可能性の高い空き家」とは、住宅総数に占める1981年以降に建てられた腐朽・破損なしの空き家を指す(二次的住宅は除く)
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出所)総務省「平成25年 住宅・土地統計調査」、総務省「国勢調査」
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用途変更等を含めた空き家の有効活用の例
オフィスや店舗、高齢者福祉施設、保育所、外国人向け宿泊施設などの
有効活用事例が増えている
空き家 ⇒ オフィス
空き家 ⇒ 高齢者福祉施設
外観写真
(徳島県神山町)
空き家 ⇒ 保育所
空き家 ⇒ 外国人向け宿泊施設
(東京都)
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ゆいま~る高島平(東京都板橋区)
(京都府)
出所)各種公表情報より作成
10
中古住宅活用のポテンシャルが高い地域がとるべき方向性
中古住宅としての活用ポテンシャルが高くても、中古住宅流通が低調な地域が多く、
更なる中古住宅流通市場の活性化が求められる
住宅総数に対する「活用可能性 高 空き家 比率と既存住宅流通比率 関係(都道府県別)
住宅総数に対する「活用可能性の高い空き家」の比率と既存住宅流通比率の関係(都道府県別)
9%
活用可能性の高い空き家の比率が高いものの
既存住宅流通比率が低い地域では
既存住宅流通比率が低い地域では、
中古流通市場の活性化が必要
活用可能性の高い空き家の比率
8%
山梨
栃木 香川
鹿児島
三重
静岡
高知
愛媛
広島
大分
岡山
滋賀
岐阜
千葉
山口
熊本
石川 岩手
新潟
埼玉 宮崎
群馬
茨城
7%
福井
愛知
6%
佐賀
富山
長野
徳島
和歌山
大阪
北海道
長崎
福岡
神奈川
青森
兵庫
奈良
東京
京都
鳥取
島根
福島
5%
沖縄
秋田
山形
宮城
4%
20%
25%
30%
35%
40%
45%
50%
既存住宅流通比率(2011年)
注)「活用可能性の高い空き家」とは、住宅総数に占める1981年以降に建てられた腐朽・破損なしの空き家を指す(二次的住宅は除く)
赤字は、2010年から2020年までに一般世帯数の増加が見込まれる地域
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出所)総務省「平成25住宅・土地統計調査」、FRK「既存住宅流通量の地域別推計について」
11
中古住宅流通の活性化事例
北海道R住宅システムでは、関連事業者連携のもと、履歴システムとインスペクション、
リフォームローンの仕組みを一体的に整備し、中古住宅の適切なリフォームと流通を推進
北海道R住宅システムの特徴
北海道R住宅システムによるリフォームの流れ
 インスペクション
 リフォーム
 サポートシステム
 住宅品質カルテ
 瑕疵担保保険
北海道R住宅システムを利用するメリット
 金融機関と連携した新築同様の最長35年ローンの
利用が可能
 快適性向上の省エネリフォーム、エコリフォームの実現
 住宅性能の測定・証明と、信頼できる情報提供
住宅の長寿命化と、資産価値のアッ
 住宅の長寿命化と、資産価値のアップ
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出所)北海道R住宅システム・ウェブサイト等より作成
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空き家所有者の実態と活用に向けた課題
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アンケートの概要
NRI「住まいに関するインターネット・アンケート調査」(2015年2月)の概要
 実施時期
 2015年2月23日~2月25日
 実施方法
 NRIのインターネットリサーチサービスTRUENAVI (http://truenavi.net) を利用
 回答者
 現在居住中の住宅以外に不動産資産を所有しており、その不動産資産が空き家である※472人を対象に集計
▪
不動産資産は、マンション(区分/一棟)、アパート(区分/一棟) 、戸建てのいずれかに限定
性別の内訳
年代の内訳
N=472
N=472
20代 30代
3人
1%
女
104人
22%
60代~
男
368人
78%
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201人
43%
16人
3% 40代
80人
17%
50代
172人
36%
※ 二次的住宅は含まない
出所) NRI「住まいに関するインターネット・アンケート調査」(2015年2月)
14
空き家の活用実態
空き家所有者の48%は空き家を活用せずに放置。三大都市圏を除く地方圏では55%
現在所有する空き家の扱い方(空き家の所在地別)
0%
20%
(N 合計
472)
合計 (N=472)
20.6
東京圏(N=138)
21.7
名古屋圏(N=49)
22.4
地方圏(N=202)
13.1
15.8
16.3
中古住宅として売却する予定
10 8
10.8
7.9
60%
80%
18.6
21.0
28 9
28.9
大阪圏(
大阪圏(N=83)
)
40%
20.8
賃貸住宅として貸し出す予定
100%
47.7
15.9
41.3
14.3
46.9
20 5
20.5
39 8
39.8
55.4
自分や親族が居住する予定
特に決めていない(放置している)
注)集計対象: 現在、空き家を所有する人
東京圏は埼玉・千葉・東京・神奈川、名古屋圏は岐阜・愛知・三重、大阪圏は京都・大阪・兵庫・奈良、地方圏はその他都道府県を、それぞれ指す
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出所)NRI「住まいに関するインターネット・アンケート調査」(2015年2月)
15
空き家を放置している理由
空き家を放置している人のうち、「思い出」等情緒的なものは2割にも満たない
空き家を放置している人のうち、
思い出」等情緒的なものは2割にも満たない
約4割は処分・活用方法に悩んでおり、約3割は売却・貸出を諦めている
現在空き家を放置している理由(複数回答) [N=225]
0%
20%
40%
処分方法・活用方法について悩んでいる
43.1
売却できない/貸し出せないと思っているので、
売却や貸し出しを諦めている
30.2
18.2
思い出が残っており手放したくない
12.0
売却収入/賃貸収入を得る必要が無い
売却や貸し出すことに対して家族や親族の合意が
得られない(遺言等を含む)
売却や貸し出すことに対して世間体が気になる
その他
60%
7.6
3.1
7.6
注)集計対象: 現在、空き家を所有する人のうち、空き家の扱いを特に決めていない(放置している)人
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出所)NRI「住まいに関するインターネット・アンケート調査」(2015年2月)
16
空き家売却・貸出の状況
「売却したい/貸し出したい」人のうち、「買い手/借り手が見つからない」が約4割
売却したい/貸し出したい」人のうち、 買い手/借り手が見つからない」が約4割
約3割は「方法がわからない」と回答
売却/貸出に向けた現在の状況 [N=159]
0%
20%
30.2
40%
60%
42.1
80%
18.2
100%
9.4
1.売却したい/貸し出したいが、方法がわからない
1
売却したい/貸し出したいが 方法がわからない
2.買い手/借り手を募集中だが、買い手/借り手が見つからない
3.売買契約/賃貸契約の手続きの最中である
4.その他
注)集計対象: 現在、空き家を所有する人のうち、空き家を「中古住宅として売却する予定」もしくは「賃貸住宅として貸し出す予定」の人
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出所)NRI「住まいに関するインターネット・アンケート調査」(2015年2月)
17
中古住宅としての空き家活用に向けた環境整備
米国では中古住宅流通の環境整備が進み、売買方法がエンドユーザーにも広く認知
 米国では中古住宅に関わる情報がオープンになっており、それに基づいて購入した住宅に関わる各種問題の発生リスクは買主が負う。
 一方、日本ではエンドユーザーが入手できる中古住宅に関わる情報が限定的であるため、買主(消費者)保護を強化せざるを得ない。
日米の中古住宅流通システムの比較
米国における特徴
サポート体制
日本における特徴
 住宅売買プロセスにおいて、不動産エージェントと専門業者の役割分
担・リスク分担が進んでいる
 その結果、売主/買主に提供されるサービス内容が充実している
物件情報
資産価値の評価
建物検査
(インスペクション)
 住宅売買プロセスにおけるサービス
提供が不動産仲介業者に集中
 インターネットを活用したデータベース(MLS:Multiple Listing Service)
が整備されており、エンドユーザーによる物件情報(修繕履歴や売買履
歴、登記の状況を含む)の取得が容易
 エンドユーザーが取得できる物件情
報は限定的
 建物と土地は一体として扱われ、取引事例比較法に基づいて評価
 土地と建物を別々の不動産として扱
い、異なる評価法を適用
 実質的な経過年数(Effective age)と、経済的残存耐用年数
(Remaining economic life)を建物価格の判断要素としている
 買主立ち会いのもと実施され、最終的な契約の判断や修繕すべき箇所
の確認を行う
 買主は不動産エージェントから紹介されたインスペクターに依頼するが
買主は不動産エージェントから紹介されたインスペクターに依頼するが、
両社の癒着は禁止されている
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 住宅の築年数が重視され、住宅の状
態に関係なく資産価値が減少
 インスペクションが普及していない
 インスペクションを担えるプレーヤー
が不足している
出所)日米不動産協力機構「米国不動産流通研究レポート」各種、国交省「中古
住宅流通促進・中古住宅流通促進 ・活用 に 関する研究会」よりNRI作成
18
空き家に対する課税引上げの影響
空き家対策特別措置法(2015年2月施行)で固定資産税の優遇が見直された場合には、
空き家放置者の3割以上が「売却や貸出を検討」 (4割は「不明」)
固定資産税が強化された場合の空き家の扱い方(空き家の所在地別)
0%
合計(N=225)
三大都市圏(N=113)
地方圏(N=112)
20%
34.2
38.1
30.4
売却する/貸し出す可能性が高い
40%
60%
25.3
20.4
30.4
80%
100%
40.4
41.6
39.3
売却しない/貸し出さない可能性が高い(現状のまま)
わからない
注)集計対象:現在、空き家を所有する人のうち、空き家を放置している人
三大都市圏は東京圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)、名古屋圏(岐阜・愛知・三重)、大阪圏(京都・大阪・兵庫・奈良)、地方圏はその他都道府県を、それぞれ指す
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出所)NRI「住まいに関するインターネット・アンケート調査」(2015年2月)
19
年代別空き家の所在地
高齢者が所有する空き家は地方圏に所在する割合が高く、
若年層ほど都市圏に空き家を所有する傾向
 空き家を所有するきっかけは、相続によるものが多いため、都市圏に流入した二代目以降は、相続する住宅が都市圏となりやすい。
現在所有している空き家の所在地(所有者の年代別)
0%
合計 (N=472)
合計
20%
29.2
代以上(
)
60代以上(N=201)
10.4
60%
5.3
31.7
24.4
10.7
10.4
東京圏
80%
17.6
47.4
【参考】 20~30代(N=19)
40~50代(N=252)
40%
42.8
10.5
36.8
15.9
41.7
20.4
名古屋圏
100%
44.8
大阪圏
地方圏
注)集計対象: 現在、空き家を所有する人
東京圏は埼玉・千葉・東京・神奈川、名古屋圏は岐阜・愛知・三重、大阪圏は京都・大阪・兵庫・奈良、地方圏はその他都道府県を、それぞれ指す
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出所)NRI「住まいに関するインターネット・アンケート調査」(2015年2月)
20
居住地別空き家の所在地
居住地の近くに空き家を所有する人が多いが、
東京圏に居住する人が地方圏に空き家を持っているケースも多い
所有者の居住地と空き家所在地の関係 [N=472]
空き
き家の所在地
5
4
地方圏
11%
3
大阪圏
3%
2
名古屋圏
1%
%
1
東京圏
24%
1%
3%
29%
12%
2%
1%
4%
3
大阪圏
4
地方圏
%
7%
0
0
1
東京圏
2
名古屋圏
5
所有者の居住地
注) 集計対象: 現在、空き家を所有する人
東京圏は埼玉・千葉・東京・神奈川、名古屋圏は岐阜・愛知・三重、大阪圏は京都・大阪・兵庫・奈良、地方圏はその他都道府県を、それぞれ指す
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出所)NRI「住まいに関するインターネット・アンケート調査」(2015年2月)
21
本日のまとめ
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まとめ
~ 空き家の実態と有効活用に向けて ~
空き家率の推移と予測
質的側面から見た
空き家 実態と
空き家の実態と
地域特性を踏まえた
対応の方向性
空き家所有者の実態と
活用に向けた課題
 除却・減築や、住宅以外としての有効活用が進まなければ、2035年の空き家率は32.0%になる
除却・減築や 住宅以外としての有効活用が進まなければ 2035年の空き家率は32 0%になる




空き家の1/4は居住困難だが、47%は活用可能性が高く、その戸数が増加傾向にある
居住困難な空き家は中国 四国や北東北 活用可能性の高い空き家は北関東や甲信越で比率が高い
居住困難な空き家は中国・四国や北東北、活用可能性の高い空き家は北関東や甲信越で比率が高い
地域特性を踏まえた空き家対応の方向性(除却・減築もしくは中古住宅としての活用)を考えるべき
ポテンシャルが高くても中古住宅流通が低調な地域が多く、更なる中古住宅流通市場の活性化が必要
 空き家所有者の48%は空き家を活用せず放置。このうち4割は処分・活用方法に悩んでおり、3割は売却・
貸出を諦めている
 空き家所有者の34%は売却・貸出意図があるが、約4割は「買い手/借り手が見つからない」 、約3割は
「方法がわからない と回答 中古住宅売買の環境整備を進める必要がある
「方法がわからない」と回答。中古住宅売買の環境整備を進める必要がある
 現在は、東京圏に居住する人が地方圏に空き家を持っているケースが多いが、今後は、東京圏に住みな
がら東京圏の空き家を所有するケースがより一層増えると見込まれる
今後は都市部を中心に良質な空き家が増えるため、中古住宅流通のポテンシャルは高まる
逆に、中古住宅流通が進まなければ、都市部でも住宅地の荒廃が進んでしまうことが懸念される
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23