【4】 南部地域 活動報告 発表者:東根所⻑(南部就労援助センター)、飯⽒(ウィングル川崎センター) ■東根所⻑ (1)川崎南部地区は新規開設の就労移⾏⽀援事業所が多いということと、家族機能が弱い 世帯が他地域に⽐べて多いと地域性があるため、顔の⾒える関係性を作り、各々の機関 がどういう機能・特徴があるのかを知っておく必要性の⾼いエリアであるが、今回の検 討会ではその点をカバーすることができたと思う。今年度は 2 回実施し、参加者数は 2 回とも約 25 名ほど。とりわけ初回時には参加者の⾃⼰紹介の時間に時間を割き、関係 性のベースづくりを⼼がけた。 (2)実施後のアンケート結果によると、「企業の⽅の意⾒を聞きたい」という声が⽬⽴っ た。就労⽀援機関側の視点や思考だけではなく、雇⽤側の意⾒を交えて事例検討を実施 すべきなのではと考えさせられた。 ■飯⽒ (1)2 回⽬の検討会では、ウイングル川崎センターから、実際に⽀援に困っている事例を 出させてもらった。そして、事例検討で出た様々な意⾒を事業所に持ち帰り、職員間で 共有した。どう⽀援を⾏えばよいかという多⾓的な視点に加え、これまで⾃分たちはど ういう⽀援をしてきたのか、事業所として苦⼿な部分は何なのかなど、良い点だけでは なく、事業所としての改善点を知るための良い機会になった。 (2)事例を出すことで、事業所の⽀援の視点が増え、⽀援の質も確実に⾼まる。⽀援の視 点も増える。このように、各事業所が⼒をつけていけば、それは「地域⽀援の質の向上」 に繋がる。⼤事なのは、事例検討が終わった後の各事業所の取組だと考える。 (3)来年度に取り組める点 1.運営委員会の発⾜。地域としての⽬標(例:⼒を⼊れるべきは就労⽀援か、定着⽀援か) を掲げ、⾏動をとっていくためには、地域の⾃発的、⾃活的な活動が必須(⾏政の事務局 任せにしない)。 2.幅広い参加者を募る。 「地域で⽀援を⾏う」ことがポイント。したがって、就労⽀援を、 福祉ないで終わらせてはならない。 「社会をどう巻き込むか」が⼤切。その中でも企業の 参加は必須と考えている(事例を出してもらう、話をしてもらうなど)。その次に地域⽀ 援を⾏っている NPO 法⼈や、ひきこもり関連、家族などの参加も必要だと考える。参加 者層を増やし、より実際的な⽀援内容を参加者内で共有することで、地域としてより質の ⾼い発信をしていくことができる。 3.できるだけ楽しい集まりになるような仕掛けが⼤事。楽しいことをしていれば、⾃ずと ⼈は集まってくると思う。 感じたこと(感想) 連携・ネットワークについて なごやかな会議ができたようで、良いネットワークが取れていたように感じました。 関係機関とうまく連携を取ることで幅の広い⽀援ができるということに共感できた。 ⼀つ⼀つの事例について、地域で検討・⽀援するという、いわゆる点を⾯にしていく視点は ⼤切だなあと感じました。 事例を作る際、所内全員で話し合いを⾏ったという意⾒がありました。参加者だけでなく、 他の⼈も間接的に巻き込むことで、さらにネットワークを広げるきっかけになると感じまし た。 就労への移⾏だけでなく、その他のフォローや福祉・医療との連携も⼤事ですよね。 福祉以外の機関といかにつながることができるかが、就労⽀援、定着の安定・発展に関わっ てくると感じた。 ⽣活⾯の安定のために、学校でできることは何なのか?本⼈にどんな⼒をつけてあげるべき なのかを、職員で考えていかなくてはいけないと思うとともに、早い段階から相談できる機 関と連携を取りたいです。 ⽀援機関の役割の理解 お互いに顔が⾒えるだけでなく、それぞれの機関の役割を知ることは⼤切だな‥と感じまし た。その中で、⾃分の所属機関が就労⽀援の中で何を求められているのか、改めて認識でき るのではないかと考えさせられました。 それぞれの⽀援機関がどのような仕事をされているのか少し理解でき勉強になりました。 検討会のやり⽅について 気軽に参加できる場(楽しい場)を作っていくことの⼤切さを感じました。 事例検討会も⼤切ですが、参加メンバーの紹介時間を多く取ることで、参加メンバー同⼠の 認識やつながりが深まるので良い試みだと感じました。 事例検討会の運営を事業所が担うなど当事者意識が⾼く、すばらしいと感じました。 テーマが具体的かつピンポイントで良い取り組みだと思います。続けていただきたいと思い ます。 ⽬的を明確にして幅広い参加者で設定したことで、充実した検討会にできたのですね。準備 や視点の重要さを感じました。 知的・精神と違う事例を⾏うことは良かったのではないかと思う。また⽣活⾯の⽀援につい ても話ができたことは、とても他分野の⽅々には参考になったと思います。 参加者・参加事業所のスキルアップ 事例発表の準備段階や検討会当⽇のやり取りでもそれぞれ“気づき”が得られたことが今後の ⽀援につながったというお話は、今後の展開に向けた⼤きな成果ではないかと思う。 事例検討の場に事例を出すことで事例について改めて振り返ることができるので、各機関の スタッフ教育やスキルアップに役⽴つということがよく伝わってきました。 事例検討会に事業所のスタッフ全員が参加し、グループにも分かれて⼊って質疑応答をした ことで学習(研修)になったということ、発表前後の振り返りをしっかり実施されたこと等、 参考にさせていただきます。 事例検討を通じて、他機関と役割や違う視点からの意⾒が出され、勉強になっているんだな と感じました。 アセスメントの⾜りないところを確認したりされて、技術の向上に努められていると感じま した。 その他感想 とてもコーディネート会議楽しくできたことが感じられました。 株式会社系の事業所の⽅のお話を聞くことができて良かったです。もっと知っていきたいと 思いました。 難しく考えず「まず参加!!」が⼤事だと思います。 当初の思いを⼤事にしていきましょう。 就労を福祉の中で終わらせない!!ステキな⽬標ですね。ぜひ参加させて下さい。 就労にあたり、⽀援側が必要と思うことと、企業側が求めるものが違っている時、調整は必 要ですね。違いがわかるように話し合いを⼤切にしたいと思いました。 市内・区内に熱い想いを持った⽅がいて、⼒づけられた。 内容の深い事例検討会だと思いました。 南部は、就労以外にも課題が多いと感じた。 中部でも同じアンケート結果なので、事例検討は継続的な必要性があるものと思いました。 聞いてみたいこと(質問) Q.他地区に⽐べて多くの機関が参加しているようにお⾒受けしますが。やりにくい点はありま せんでしたか? A.毎回グループに分かれ、メンバー構成もあえて違う機関の⽅が集まるようにしましたが、毎 回グループから笑い声が聞こえるなど、和気藹々とした雰囲気で⾏われました。グループ内 で異なる意⾒・考え⽅が聞かれることもありましたが、「違った視点が得られた」と前向き に捉えた参加者が多く、やりにくさを感じたことは特にありませんでした。 Q.地域包括センターにきてもらうきっかけ、理由は何でしょうか? A.南部地域の特性として、⾝近で⽀えてくれる家族がいなかったり、いたとしても⽀えの役割 が期待できなかったり、⾼齢化等で逆に家族への⽀援こそが必要である場合も少なくありま せん。このように家族を⽀えることが結果的に本⼈の安定就労を⽀えることになる場合があ ると思われ、地域包括⽀援センターにも参加をお誘いしました。 Q.市内でも多くの機関が集中している南部地域において、各機関がどのように住み分けをして、 どのように連携しているのか、その中で抱えている困難例なども知りたいなと思いました。 A.南部ならではの特性に合わせた、南部ならではの⽀援や連携のあり⽅、多問題事例への対応 については、これから事例検討会を重ねていく中で徐々に積み上げていきながら、地域で共 有していきたいと考えています。 Q.区役所の担当cwとの役割分担など、実際の⽀援を⾏ううえでのやりとりの内容を教えて下 さい。 A.特に知的障害の⽅については、なるべくインテークの段階から本⼈に関する情報を共有し、 取り巻く状況の整理を⾏って⽀援の⽅向性を定めます。また就労に関する福祉サービスの⼿ 続きや、⽣活⾯でも課題がある⽅への⽀援等については、担当CWに相談させて頂きます。 Q.単⾝⽣活者が多いという地域特性から、援助センター以外にも関わっている⽀援機関(利⽤ 登録している機関)はありますか? A.就労⽀援機関のほか、相談⽀援センター、地域活動⽀援センターとは連携して⽀援にあたる ことも多く、最近では、だい JOB センターからの紹介でつながる⽅もいます。 Q.⽣活⾯での安定が必要な⽅に対して、具体的にどのような道筋でサポートをしたかなど聞い てみたいと思いました。 A.今回の事例では、グループホームの情報提供と、家族・本⼈との⾒学同⾏からグループホー ムへの体験⼊居、職場での区分認定調査等、本⼈・家族・会社間の調整を中⼼に⽀援を組み ⽴てました。 提案・要望・応援メッセージ 企業視点の不⾜ この会議は福祉のからの視点が多すぎる。企業側の話や意⾒をもっと取り⼊れるべきではな いか。 企業も含めた視点が必要かなと思いました。 更なるネットワークの広がり ネットワークの広がり、頑張って下さい。 新しい事業所がどんどんできているとのことですが、そこも巻き込んで更なるネットワーク の強化ができるとよいと思いました。 地域特性に合わせたテーマ設定 南部ならではの困難な事例(ホームレス、AL、薬物、不登校など)に焦点をあてて⾏って みてはどうか。
© Copyright 2024 ExpyDoc