台東区男女平等推進行動計画策定に係る意見と回答

台東区男女平等推進行動計画策定に係る意見と回答
【基本目標1】
あらゆる分野への男女平等参画の促進(12件)
ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
「男女がともに政策・方針決定過程に参画し、様々な ご意見を受けて、重点課題(1)の文章を「~多様
施策に男女の意見をバランスよく反映していくため な意見が施策に公平・公正に反映されるために~」
に、」の部分について、男女の意見が固定的なものと に修正しました。
して存在しているように読み取れるため、国の第3次
男女共同参画基本計画を参考に、多様な意思や意見の
尊重を強調する文言「男女がともに政策・方針決定過
程に参画し、多様な意思が政治や社会の政策・方針決
定に公平・公正に反映されるために」としてはどうか。
区の審議会で女性委員の割合が低い審議会の名称を示 現行計画では目標を 30%とし全庁的な取組みを行
し、女性委員を増やすための取り組みを示すことで、 っていますが、目標達成には至っていません。国は、
より目標が明確になるのではないか。また、計画目標 市区町村の審議会等委員に占める女性の割合の成
の 30%は最低限の基準であり、すでに 25%に近づいて 果目標を 30%としていることから、引き続きこの目
いるため、次の計画目標の数値は 35%、40%とさらに 標達成に向けた取組みを行っていきます。
高い目標設定をしてもよいのではないか。
事業番号2「ガイドラインの活用」とあるが、この「ガ 区では「審議会等へ女性の参画を促進するためのガ
イドライン」は何を意味しているのか。注釈などつけ イドライン」を作成し、全庁的な取組みを行ってい
て、説明を加えてもらいたい。
ます。ご意見を受けて、事業番号2の事業内容の表
記を修正しました。
基本目標1について、区議会に男女平等推進をより理 区議会では、誰もが自分らしく生きるための男女平
解してもらうことは重要な課題だと思われるため、区 等社会の実現を目指し、議員全員の提案による「東
議会議員に対する研修を計画事業として位置づけられ 京都台東区男女平等推進基本条例」を制定したとこ
ないか。計画事業として位置づけることが難しい場合 ろであり、男女平等推進に対する理解が図られてい
は、現状での女性議員比率や経年変化についてわかる るものと考えています。
グラフを載せるだけでも課題提示になると思う。同様 区では、女性管理職の増加は重要な課題であると認
に、区職員の管理職の女性比率の経年推移、区内の学 識しており、管理職選考の受験について男女双方の
校等の女性管理職の推移などもデータがあるとより課 職員に積極的に奨励していきます。
題がみえると思う。
1
ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
事業番号4にある職員に対する男女平等参画の意識啓 一部の講座については職員への参加を促していま
発の場として、外部の研修と同時に、台東区男女平等 す。今後も活用できるものは、職員への周知や参加
推進プラザの講座事業に参画するよう促してはどう 促進を行っていきます。
か。プラザの事業には、職員の意識啓発に適するもの
も多く、区民と共に学ぶという点からもよい研修の場
になると思う。
誰もが暮らしやすく、活力のある地域づくりを進める 区が行うさまざまな講座について、講座の内容や時
ためには、さまざまな区民の視点や意見が反映される 間帯を工夫するとともに、保育・手話通訳・文字通
ことが重要という点においては、さまざまな区民が参 訳を行うなど、区民のニーズを反映させるよう努め
加しやすい、多様な講座メニューや多様な時間帯の設 ていきます。また、シニア世代だけでなく、さまざ
定、保育や講座への情報保障(手話通訳、文字通訳等) まな区民が参加しやすいボランティア活動等の支
の推進といった環境整備も課題になると思う。情報提 援についての取組みを行っていきます。
供も多様な手段を用意してもらいたい。仕事中心の人
も、必ずしも退職後ではなく、仕事をしている間に地
域に関わるという方法もあると思う。学校教育や仕事
のなかでの社会貢献活動や、ボランティア活動といっ
たこともあるだろう。そのためには多様な主体による
連携が重要であり、より多様な可能性を視野に入れた
施策が必要だと考える。
社会・地域活動への男女平等参画の促進のなかで、
「ス 区のスポーツ推進体制において重要な役割を担う
ポーツ活動」では男性の割合が高くなっていることが スポーツ推進委員の女性割合は4割~5割で推移
指摘されている。この傾向は、資料にある女子差別撤 しているものの、区内各スポーツ団体の意思決定に
廃条約の第 13 条でも指摘されており、国際的にも同様 関わる女性比率は決して高くはありません。こうし
の課題があることが以前から言われている。日本では、 た現状を踏まえ、女性、障害者のスポーツ指導を適
現在もスポーツ領域においては、男性中心・男性主導 切に行うことができるスポーツ指導者講習会の案
の傾向が強く、女性の参画が進んでいないことやセク 内や女性スポーツに関する情報の収集・発信に引き
ハラやパワハラの問題が大きいことも指摘されてい 続き努めていきます。
る。こうしたことからも、単に、スポーツ活動に男性
が参加しているとするのではなく、女性がスポーツに
参加・参画しやすい環境をつくるためにスポーツ指導
者等に、男女平等の視点や女性アスリート支援につい
て学ぶ場を設けるなどの方策を考えることも必要なの
ではないか。
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ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
「女性の視点を取り入れた防災対策が行われていると 個別の計画事業に取り組んだ成果を総合的に区民
感じる人の割合」を評価指標に設定しているが、これ がどのように認識しているのか、ということを評価
は指標としては恣意性も高く、不適切ではないか。対 指標としました。
策への客観的評価として、例えば、「避難所設置運営
マニュアルに女性の視点を取り入れた防災対策が示さ
れているか」、「防災会議への女性の登用率」を指標
にしてはどうか。(同趣旨1件)
事業番号 13「防災分野における女性リーダーの育成」 防災分野における女性リーダーの育成は、関係団体
は、人権・男女共同参画課だけではなく、災害対策課 との意見交換も含め、人権・男女共同参画課などの
が所管課として取り組む項目ではないか。災害対策課 各所管課が災害対策課と連携して行っていきます。
がすでに行っている自主防災リーダーや女性消防団な また、女性の視点に立った防災対策の啓発は、男女
どの研修を、防災分野における女性リーダーの育成と 平等推進プラザにおいて防災講座を実施していま
位置付けたほうがより具体性がある取組みにつながる す。
のではないか。事業番号 11 も同様。災害対策課が行っ 区では、災害対策課を中心に防災対策の推進に全庁
ている事業に、男女共同参画の視点をとりいれていく 的に取り組んでいることから、ご意見を受けて、事
方が、防災分野における男女共同参画の推進という目 業番号 11「防災分野における男女平等参画の推進」
的により近づきやすいのではないか。
および事業番号 13「防災分野における女性リーダー
の育成」の所管課に「災害対策課」を追加しました。
事業番号 11~13 の所管課が災害対策課、人権・男女共 区では、災害対策課を中心に防災対策の推進に取り
同参画課のみとなっており、全庁的な取り組みをする 組んでいることから、ご意見を受けて、事業番号 11、
という視点に欠けているように思われる。リーフレッ 13 の所管課に「災害対策課」を追加しました。
トの作成、啓発活動、また女性リーダーの育成につい また、男女平等推進プラザで実施する防災講座で
て、具体的にどのように展開していくのか。また、講 は、関係各課と連携し、女性の視点に立った防災対
座を実施するとしているが、所管課が一つでは、他部 策の啓発を行っていきます。
門と連携するという姿勢が見られないので残念であ なお、所管課には主に取り組んでいく部署を記載し
る。実際の活動中心部隊となる関連団体の社会福祉法 ています。防災対策の推進には全庁的な取組みが必
人台東区社会福祉協議会は、市民災害ボランティアの 要と認識しています。
方々の窓口となる組織であるため、連携が必須だと思
う。社会福祉協議会と「男女平等と女性の視点に立っ
た防災対策を進める」ための協議や協力について話し
合う場を設け、具体的に取り組むことが必要である。
また、災害時の避難所の運営は、町会が具体的な運営
にあたることになっている。町会連合会へ「女性の視
点に立った防災対策を進める」ことを啓発し、協議す
る施策はこれも必須と考える。災害ボランティア訓練
に参加しているボランティアの方々に対して、カリキ
ュラムのなかに男女平等、女性の視点、障害のある方、
弱者の方等への取り組みが不足しているように思う。
区民が参加する場は真摯に取り組まれているので、こ
3
ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
の場を有効に活用して啓発の機会としてほしいと思
う。また、男女平等推進プラザで開催される災害関連
講座は社会福祉協議会と連携し、区民との交流の場で
あり情報収集の場としてほしいと願う。
「災害復興時における相談などに対応する拠点施設と 災害復興時においては、避難所や関係機関等と連携
して、男女平等推進プラザの機能の充実を図ります」 を図るとともに、これまで培ってきた事業やネット
とあるが、もう少し具体的に書いてもらいたい。特に ワークの経験を踏まえ、情報収集や心のケアなどの
女性が安心して避難できる場所の用意や女性の衛生用 相談に対応する拠点施設として男女平等推進プラ
品を物資として用意しておくといったことも考えられ ザの機能を充実していきます。
ると思う。ただ、機能の充実をするためには、人員や
予算も必要だと思うが、そうした点も考慮した具体的
施策になるとよいと思う。
【基本目標2】
男女平等の意識をつくる(4件)
ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
「男性は仕事、女性は家庭」という考え方に7割が否 男女平等参画社会を実現していくため、性別に基づ
定的な回答で、全国調査のおよそ5割に比べ高いとさ く固定的な役割に気づき、解消していくためのさま
れているが、区民の意識の内容を考える必要があると ざまな取組みを行っていきます。
考える。現在は、「男性は仕事、女性は家庭」でおさ
まっている家庭は少なく、「男性は仕事、女性は仕事、
パート、家事」が多くなっているなかで、7割だから
男女平等意識が高いとは必ずしも言えないのではない
か。むしろ「女性は仕事、パート、家事」が当たり前
として、女性の負担が重いのは当然とされているので
はないか。
事業番号 22「男女平等を進める家庭教育の推進」のな 性別や年齢にかかわりなく、一人ひとりの個性や能
かで、保護者に対して講座・研修を行うとあるが、こ 力を尊重した教育が行われるよう、①幼児期から④
の場合「保護者」とは誰を指しているのか。高齢者が 高齢期までのすべてに、事業番号 22「男女平等を進
孫を育てている子ども世代に性別に関わりのない尊重 める家庭教育の推進」を記載しています。
教育を行えるようにするということか。
『女性の社会的な地位の向上や社会進出の促進等、女 ご意見を受けて、重点課題(6)を「男性に対する
性のエンパワーメントへの取組みが議論され、進めら 男女平等参画を支援する取組みが見過ごされてい
れる一方で、男性を支援する取組みが見過ごされてい た側面があります。」と、「『男性は仕事、女性は
た側面があります」とあるが、男性の課題を書く前段 家庭』という考え方から、男性は、地域の中でかか
に、女性のエンパワーメントへの取組みが行われてき わりを持っていない場合に地域の中で孤立してし
たということを書くと、あたかも女性のエンパワーメ まうなどの問題が生じることもあります。」に修正
ントが、男性の課題の課題化の障壁になってきたと位
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しました。
ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
置づけているようで、不適切ではないか。例えば、国
は、
「男女共同参画の実現の大きな障害の一つは、人々
の意識の中に長い時間をかけて形作られてきた性別に
基づく固定的性別役割分担意識である。このような意
識は時代とともに変わりつつあるものの、依然として
根強く残っており、特に男性により強く残っている。
男性にとっても生きやすい社会の形成を目指し、男性
自身の男性に関する固定的性別役割分担意識の解消に
関する調査研究を行うとともに、男性への意識啓発や
相談活動などを行う。」と男性課題に焦点を当てる必
要性について記している。こうした書き方を参照し、
異なる書き方で男性課題の焦点化の必要について記し
てほしい。
「男性を支援する取組みが見過ごされていた」という
記述は疑問である。男女平等推進に向けて、男性は優
位な立場に立っているので支援される立場とは言えな
いと思う。「男性が担うべき役割」と記載したらどう
か。男性は家族を扶養し、一家の主でなければならな
いというジェンダー観が男性を縛り、自由な生き方を
妨げていることにもふれてはどうか。
【基本目標3】
人権尊重の視点で男女平等をすすめる(11件)
ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
DV被害を受けている被害者のなかには外国人や障害 多言語での相談窓口の紹介や多様な手段による情
がある人も含まれており、より困難な立場に置かれや 報提供など、関係機関等と緊密な連携を図り、すべ
すい被害者への配慮について明記し、具体的には、多 てのDV被害者を支援するための取組みを行って
言語での相談支援や、電話以外の相談手段の提示、多 いきます。また、配偶者暴力相談支援センター機能
様な手段による情報提供といったことを計画してはど を整備することで、相談から自立まで、一時保護を
うか。また、障害がある被害者で一時保護が必要な場 含む総合的な取組みを行っていきます。
合の補助者の確保のあり方なども具体的に検討・実施
される必要があると考える。
事業番号 25~29 について、暴力を振るってしまう側 暴力は犯罪行為を含む重大な人権侵害であること
が、暴力を振るわないようになるための働きかけが示 を広く周知し、加害者とならないための意識啓発や
されていないのは残念である。DV加害者側に対する 暴力を未然に防ぐための取組みを行っていきます。
講座や働きかけがあってもいいと思う。
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ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
平成 25 年の男女平等に関する台東区民意識調査によ 産業振興課では週4日、雇用・就業相談を実施して
ると、セクシュアル・ハラスメントの被害場所は、職 おり、その中でセクシュアル・ハラスメントの被害
場が多いことが分かっている。台東区内の中小企業等 を受けた方の相談に応じています。また、ポケット
に向けて、セクシュアル・ハラスメントの防止のため 労働法やパンフレットの配布等を通じ、セクシュア
の意識啓発が必要だと思うが、所管課として対応して ル・ハラスメントに対する意識の啓発を行っていま
いる部署、事業はないのか。また、そのような働きか す。
けはしないのか。
子どものスマートフォンの保有率が高まる中、中学校 ご意見を受けて、事業番号 43「メディア・リテラシ
で開催された LINE、インターネットについての講座に ーの普及」の所管課に「指導課」を追加しました。
参加したことがある。子どものおかれている現状から
考えると、子どもが性被害に巻き込まれない、また加
害者にならないようなメディア・リテラシー教育の必
要性を感じる。メディア・リテラシーの普及に関して、
所管課は人権・男女共同参画課のみになっているが、
教育関係機関では検討されていないのか。
「セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)につい ご意見を受けて、「自らの性を理解し~」に修正し
ての理解を含め、男女が互いの性を理解し、人権を尊 ました。
重し合うことが男女平等参画社会を形成していく上で
重要です」とあるが、性的少数者と書くのであれば、
男女が、ではなく、「それぞれの人が、自らの性や性
の多様性を理解し、人権を尊重し合うことが…」とす
べきではないか。
女性の平均寿命は男性より6歳強長いので、健康寿命 生涯を通じて、誰もが心身ともに健康でいきいきと
を延ばすための取組みがいっそう必要になることを入 暮らせるよう、健康の維持・向上に関する施策を充
れてほしい。
実していきます。また、女性の生涯を通じた健康づ
くりを推進していきます。
施策①女性の人生の各ステージに対応した健康支援の 小学校高学年から若年世代の女性への健康支援に
充実において、一番の若年が中高生(事業番号 44)と ついては、事業番号 52「発達段階に応じた性及び自
なっており、小学校高学年~若年世代の女性への健康 己の尊重のための教育」のなかで取り組んでいきま
支援の事業が希薄だと思う。女性の健康リテラシーの す。また、女性特有の健康問題を解決するため、ラ
醸成においては、初経の始まる小学校中高学年時の女 イフステージに応じた健康教育や相談を実施して
子児童と母親への保健教育が重要である。女子児童だ います。
けではなく、その母親と共に学ぶ場の提供をぜひ展開
してほしいと思う。若年女性、中高生に関しては、性
感染症をひとつの事象としてとらえないライフリスク
教育(STD の側面だけでなく、月経のマネジメントや
とらえかた、喫煙などのリスク、食習慣運動習慣のリ
スクも含む)の重要性が指摘されている。将来の骨粗
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ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
鬆症防止のための骨作りをとらえても、一般的に給食
からお弁当に移行する時機の食習慣や運動習慣によ
り、健康な骨作りや将来の妊娠に向けてのからだづく
り(やせ防止なども含む)、自分の希望に合うライフ
プランの醸成など重要な時期への関与が薄いと思う。
また、独居高齢者の多い台東区においては、特に独居
高齢女性への健康と生き方、生活をあわせての支援が
重要だと思う。男女共同参画の部署でとても期待され
るところであるが、その部分が薄いと思う。
妊娠・出産・授乳中の女性のみならず、子供連れの母 健康に対する正しい知識や意識を高めてもらうた
親が居酒屋等で喫煙席に座って食事する姿を見るのも め、多くの区民に対して健康について学ぶ機会を提
台東区ならではの悪習慣のように思える。飲食店の完 供しています。
全分煙や禁煙、路上禁煙など社会的な環境整備が必要
と思われるが、本視点での取り組みの記載が無いよう
である。
女性の多い職域で、かつ多くの住民の支援を行ってい 区民ニーズを反映した施策を展開するため、女性の
る職種への健康と生き方リテラシーの研修や意見聴取 生きやすさや働きやすさについても、様々な機会を
をしてみるのもよいのではないかと思います。介護事 捉え、幅広く区民の意見を収集していきます。
業の中で特にヘルパー事業所やケアマネのいる事業
所、訪問看護ステーション、若い女性が多く働く薬局、
保育園などにおいての女性の職場からの女性の生きや
すさ働きやすさなどに関する意見を幅広く集めること
で、区民の実態やアイディアを抽出できるのではない
かと考えます。
2012 年に改正された自殺総合対策大綱では、自殺のハ ご意見を受けて、施策②生涯を通じた健康づくりの
イリスク層として「性的マイノリティ」への対策の必 推進の計画事業に、事業番号 82「男女平等推進プラ
要性が明記されている。性的少数者であるがゆえの生 ザにおける相談事業の充実」を追加しました。
きづらさが自殺リスクの要因になっていると感じてい
るが、身近な相談窓口として、はばたき21「こころ
と生きかたなんでも相談」の役割はこの施策にもある
のではないか。
性的マイノリティであるということは、発達を経て自 重点解題(5)年代別の意識啓発の取組みの推進の
覚・理解することを考えると、子どもの心理的・身体 なかで、事業番号 18「教職員に対する研修の実施」
的ケアに取り組む必要があると思う。社会的偏見、無 や事業番号 22「男女平等を進める家庭教育の推進」
理解、家族にも理解されづらく、子どもの頃からいじ について記載し、学校や家庭と協力し、各年代に応
められることも少なくない。そのため、教職員に対す じた意識啓発の取組みを行っています。そのなか
る研修の実施(事業番号 18)や、家庭に対する教育の で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)に
推進(事業番号 22)も重要だと考えるがいかがか。
ついての啓発も行っています。
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【基本目標4】
男女平等参画への社会的支援を充実する(4件)
ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
「しかし、意識調査では、仕事、家庭生活、個人の生 ご意見を受けて、重点課題(9)の文章で、意識調
活をすべて優先させたいと望む人は、男女とも3割を 査及び企業向けのワーク・ライフ・バランスの表記
超えているが、実現できている人は1割未満にとどま について、修正しました。
っており、ワーク・ライフ・バランスの重要性につい
ての理解が、あまり進んでいないことがうかがえます」
とあるが、解釈として間違いではないか。この調査結
果は、ワーク・ライフ・バランスを必要としていなが
ら、実際には実現できていないということを示してい
るが、それはワーク・ライフ・バランスの重要性につ
いての理解が進んでいないことを意味するとはいえな
い。ここでは、「…1割未満にとどまっており、希望
と現実の落差が大きいことがうかがえます」、とし、
「こうした落差をうめるために、企業等において、ワ
ーク・ライフ・バランスに配慮した職場環境づくりを
推進することが重要です。そのためには、…」と続け
てはどうか。
台東区内年齢階級別労働力率の推移のグラフに、雇用 ワーク・ライフ・バランスを推進するための取組み
区分(正社員、パート・アルバイト、派遣・嘱託・そ のなかで、実態を把握していきます。
の他)を追加し、労働力率だけではなく、どのような
雇用形態で働いているかということも含め、課題を明
らかにするようにしてもらいたい。
事業番号 62 に「障害者の就労支援の充実」とあるが、 障害者の就労支援については、より多くの方が就労
障害者のなかでも、障害のある女性が就労に際して困 を実現し、いきいきとした職業生活を送ることが出
難を抱えたり、収入の面からも困難度合
来るよう、障害の状況や年齢、性別など個別の事情
が高いことが指摘されている。国の第三次男女共同参 にも十分配慮して対応していきます。
画基本計画や、障害者基本法においても、障害者のな
かでも特に障害のある女性が困難な状況にあることに
考慮すべきである視点が盛り込まれている。そうした
ことからも、ここでは、単に障害者の就労支援の充実
だけではなく、障害のある女性が困難な状況におかれ
やすいことを考慮し、必要な支援を行うことを明記す
べきではないか。また、障害者に関わる統計データを
出す際に、ジェンダー統計(男女別データの提示)を
明示し、課題を明らかにすべきである。
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ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
施設のユニバーサルデザイン化への取組みについて、 区では、これまでも区民のニーズを踏まえ、すべて
自分が足が不自由になってわかったことであるが、こ の区民が安全・安心・快適な生活ができるようさま
れまでの高齢者向け施設にさらに配慮が必要になって ざまな施策を推進してきました。今後も引き続き、
いる。例えば、洋式トイレの高さが低いと足腰の力が 高齢者を含め、すべての区民が安全・快適な生活が
衰えた高齢者には座る、立つが困難となり、できれば できるよう取り組んでいきます。
両側に手すりがほしくなる。若い人が頭で考えるだけ
でなく当事者の意見を聞いてほしい。障害者トイレ(誰
でもトイレ)ももっと増やしてほしい。
【基本目標5】
プランを積極的にすすめる(5件)
ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
男女平等推進条例について、条例が制定されたので計 条例が制定されたことにより、「男女平等推進条例
画に当然入るのでしょうが、条例の意義、活用などに 制定の検討」を削除し、重点課題(12)の文章の表
ついて述べてほしい。
記を修正しました。条例の周知については、区のホ
昨年、議会で採択された男女平等推進条例が、ここの ームページなどで行っていきます。
検討課題という理解でよいか。長年検討課題だった条
例が採択されたということであれば、是非、説明会や
条例制定の周知をふくめた企画を行ってもらいたい。
プラザが区民に知られていないことについて、プラザ 男女平等推進プラザの存在を広く区民に周知する
の催しはプラザ内ではかなり周知がはかられている
ため、あらゆる広報媒体を活用した広報活動を行っ
が、プラザ外への広報が足りないと思う。「広報たい ていきます。
とう」は項目が多過ぎて意識的に探す人以外には訴え
ないし、講座などのチラシは各施設で埋もれている。
男女平等推進プラザは、台東区の男女平等推進の拠点 男女平等推進プラザは、これまでも男女平等を推進
施設として重要な役割があると考える。実際には、プ するための拠点施設としての活動を行ってきまし
ランに書かれている以上に様々なことが実施されてい た。今後も、男女平等推進団体などと連携を深め、
ると思う。団体交流会の実施や団体活動の場の提供と より効果的な事業を推進していきます。
いった日常的な活動も重要であり、それらも書き込ん
でよいのではないか。同時に、男女平等推進に関わる
ネットワークの拠点機関になることを期待したい。区
内の団体やグループ、公的機関(母子支援施設等)、
教育機関、企業などを含め、多様な主体が集い、ネッ
トワークを形成し、日ごろから台東区の男女平等に関
する情報交換や課題解決が進められていけばよりよい
と思う。
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ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
事業番号 79 の「男女平等を推進する人材の育成」につ 男女平等推進プラザでは、男女平等を推進する人材
いて、応募を待つだけではなく、若い人材を発掘し育 を発掘し育成するため、
「講座企画ワークショップ」
成できるような仕組みを考える、参加人数だけで評価 を実施しています。今後も、講座の内容を工夫する
するのではなく、真に人材育成につながるような講座 などの取組みを行っていきます。
を企画するなど、叡智を集めるべきではないか。
その他のご意見(1件)
ご意見の要旨
ご意見に対する区の考え方
読みやすくて、眼も悪く字も忘れ不安なこの頃ですが 男女平等参画に関心を持つ区民が一人でも増える
読めました。男女平等条例をまなぶ会をずっと続けて よう、今後も取り組んでいきます。
こられたことに感謝しています。
「はばたきプラン21」P68 にある公募区民として参
加してから皆と話し合いながら、その時その時で雑談
の中で高め合って来られています。国、東京都の動き、
国連の目標まで話し合えた仲間でした。女性の自由な
どガラスの天井と言われた、思いは見えていても届か
ないと北欧の話を聞きました。私の力はなかったけど、
皆に囲まれて今、本当にしあわせです。
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