中津市地域公共交通網形成計画[PDF:6MB]

中津市地域公共交通網形成計画
平成 27 年 3 月
中津市
[ 目
次 ]
1. 計画策定の背景と目的 .................................................................................................... 1
1-1 計画策定の背景 ............................................................................................................... 1
1-2 計画の位置づけと目的 .................................................................................................... 1
2. 中津市の現状 .....................................................................................................................2
2-1 地域の現状 ...................................................................................................................... 2
2-2 公共交通の現状 ............................................................................................................. 13
2-3 その他の交通の状況 ...................................................................................................... 27
3. 中津市の地域公共交通に関する利用者ニーズ ........................................................ 30
3-1 市民意向調査(自治委員アンケート調査・市民アンケート調査) ............................. 30
3-2 施設利用者ヒアリング調査 ........................................................................................... 41
4. まちづくりの装置として地域公共交通が担うべき役割 ............................................ 44
4-1 中津市総合計画(H21~30 年度) ............................................................................... 44
4-2 中津市都市計画区域マスタープラン(H23~42 年度) .............................................. 47
4-3 その他の計画 ................................................................................................................. 48
4-4 まちづくりの装置として地域公共交通が担うべき役割(まとめ) ............................. 49
5. 中津市における地域公共交通の基本方針 ............................................................... 50
6. 計画対象区域 ................................................................................................................. 50
7. 計画期間 .......................................................................................................................... 50
8. 計画の目標 ...................................................................................................................... 51
8-1 基本方針の実現に向けてクリアしなければならない問題・課題 ................................. 51
8-2 計画の目標 .................................................................................................................... 52
9. 目標を達成するために行う事業及び実施主体 ......................................................... 55
9-1 事業の概要 .................................................................................................................... 55
9-2 事業の実施時期及び実施主体 ....................................................................................... 56
9-3 事業計画 ........................................................................................................................ 57
9-4 目標達成に向けたマネジメント .................................................................................... 63
10. 持続可能な地域公共交通網の形成に際し配慮すべき事項 ............................... 65
1.計画策定の背景と目的
1-1 計画策定の背景
中津市は、大分県の西北端に位置し、東経 131°11′26”、北緯 33°35′42”、総面積は
491.17km²で、東は宇佐市、南西は玖珠郡・日田市、北西は福岡県に接し、北東は周防灘に面
しています。
平成 17 年3月 1 日に中津市と旧下毛郡の 4 町村(三光村、本耶馬渓町、耶馬溪町、山国町)
が合併し、人口が8万人以上となった本市は県都大分市まで 82 ㎞、北九州市へは 52 ㎞の距離
にあり、古くから交通の要衝として繁栄してきたまちです。
本市は、市域の一体的な振興を目指して、新「中津市」の今後 10 年間に対するまちづくりの
指針として、平成 21 年度に「第4次中津市総合計画」を策定しました。
「第4次中津市総合計画」では、目指す将来都市像を『山国川の「みず」と耶馬の「もり」の
めぐみを受け、「ひと」が育ち、癒され、たゆみなく「もの」がうまれる、「人にやさしい」ま
ち“なかつ”』とし、「安全・安心で利便性の高い都市基盤づくり」に向けて、公共交通機関の
確保や中心市街地の整備などを進めています。
図
中津市の位置
中津市の位置
1-2 計画の位置づけと目的
計画の位置づけと目的
本計画は、「第4次中津市総合計画」を上位計画としており、総合計画に掲げる“目指す将来
都市像”の実現に向け、都市計画や地域医療対策、観光振興など連動した「中津市が目指すべき
地域公共交通網のすがた」を示すマスタープランです。
本計画は、行政のみならず、市民や交通事業者など地域関係者や関係機関等との連携のもと、
様々な取り組みを計画的に進め、持続可能な地域公共交通網を形成することを目的として、策定
しました。
1
2.中津市の現状
2-1 地域の現状
2-1-1 人口推移
●中津市の人口は約 8.4 万人(H22 年国勢調査)、高齢化率は 25.5%(H22 年国勢調査)
となっており、人口減少と高齢化率が進行している状況にあります。
●近年の地域別人口の増減状況をみると、中津地域が5年間で 1.4%増加しているのに対し、
旧下毛郡の地域(三光、本耶馬渓、耶馬溪、山国地域)は減少傾向にあります。特に、本
耶馬渓地域、耶馬溪地域、山国地域は5年間で1割人口が減少している状況にあります。
総人口
高齢化率
(人)
160,000
40%
140,000
120,000
100,000
14.7%
16.9%
19.3%
87,736
86,965
86,679
21.9%
24.1%
25.5%
30%
20%
85,617
80,000
84,368
84,312
10%
0%
60,000
-10%
40,000
-20%
20,000
-30%
0
-40%
S60年
H2年
図
H7年
H12年
H17年
H22年
市の人口と高齢化率の推移
資料:国勢調査
1.06
1.04
1.02
H22=1
1.014
1.00
中津地域
0.98
0.978
0.96
本耶馬渓地域
0.94
0.92
0.902
0.896
0.892
0.90
0.88
0.86
H22年
図
H23年
H24年
H25年
H26年
近年の地域
近年の地域別の人口増減状況
地域別の人口増減状況(
別の人口増減状況(H22 を1とした場合の比率の推移)
資料:中津市(住民基本台帳)
2
三光地域
耶馬溪地域
山国地域
2-1-2 人口分布
●総人口の分布状況をみると、中津地域と三光地域への人口集積が顕著です。
●また、本耶馬渓地域、耶馬溪地域、山国地域については人口 100 人以上のエリアが主とし
て国道 212 号沿線にわずかにみられ、中山間部にも人口が薄く広く分散している状況にあ
ります。
図
中津市の総人口(H22
中津市の総人口(H22)
H22)
資料:平成 22 年 国勢調査
3
2-1-3 総人口の変化(人口増減量)
●総人口の変化をみると、人口減少の状況下において、人口が 5 年間で 20 人以上増加して
いるエリアは中津地域と三光地域にみられます。
●本耶馬渓地域、耶馬溪地域、山国地域においても、国道などの沿線を中心に人口が増加し
ているエリアもあります。
図
資料:国勢調査
4
中津市の総人口の
中津市の総人口の変化
市の総人口の変化(
変化(H22H22-H17)
H17)
2-1-4 高齢者数と高齢化率の分布
●高齢者の人口分布状況をみると、中津地域と三光地域への人口集積が顕著です。
●また、本耶馬渓、耶馬溪、山国地域については、主として国道 212 号沿線に人口集積がみら
れ、中山間部にも薄く広く分散している状況にあります。
中津市の高齢者数の分布(
中津市の高齢者数の分布(H22
市の高齢者数の分布(H22)
H22)
資料:平成 22 年 国勢調査
5
●高齢化率の分布状況をみると、高齢化率 40%以上のエリア域は市全域に数多く存在していま
す。
図
資料:平成 22 年 国勢調査
6
中津市の高齢化率の分布(
中津市の高齢化率の分布(H22
市の高齢化率の分布(H22)
H22)
2-1-5 主要施設の分布特性等
1)公共施設
●公共施設の分布状況をみると、中津地域に集中しているものの、旧下毛郡の地域について
も国道などの沿線において立地がみられます。
図
公共施設の分布状況
資料:中津市資料
7
2)医療施設
●医療施設の分布状況をみると、中津地域に集中しているものの、旧下毛郡の地域について
も国道などの沿線において立地がみられます。
図
医療施設の分布状況
注)中津地域は病院、それ以外の地域は病院と診療所を整理。
資料:大分県医療政策課資料、中津市資料
8
3)商業施設
●商業施設の分布状況をみると、中津地域に集中しているものの、旧下毛郡の地域について
も国道などの沿線において立地がみられます。
図
商業施設の分布状況
注)中津地域は大規模商業施設(床面積 1,000 ㎡以上)、それ以外の地域は個人商店を合わせて整理。
資料:「全国大型小売店総覧 2014」(㈱東洋経済新報社)、中津市資料
9
2-1-6 周辺都市との結びつき
1)通勤流動
●中津市の通勤流動をみると、市内に約 78%、宇佐市に約 5%が通勤しているほか、福岡県
への通勤もみられます。
●また、宇佐市から中津市への通勤が約 12%みられるなど、周辺市町村から中津市への通勤
も若干みられます。
矢印(通勤割合)の凡例
50%以上
30%以上 50%未満
北九州市
10%以上 30%未満
5%以上 10%未満
472
(1.2%)
5%未満
吉富町
豊前市
700
(1.8%)
477
(4.5%)
1689
(4.3%)
上毛町
豊後高田市
(N=10,617)
642
(1.6%)
中津市
(N=39,365)
30,669
(77.9%)
1,940
(4.9%)
宇佐市
(N=26,813)
3,235
(12.1%)
図
通勤流動
注)1%以上の流動のみ図示している。中津市への流動が 1%未満の市町にはN値を示していない。
上段の数値は人数、下段の数値は割合。
資料:平成 22 年 国勢調査
10
2)通学流動
●中津市の通学流動をみると、市内に約 78%、宇佐市に約 6%が通学しています。
●その他、大分市や福岡県内への通学もみられます。
矢印(通学割合)の凡例
50%以上
30%以上 50%未満
10%以上 30%未満
5%以上 10%未満
5%未満
北九州市
小倉南区
北九州市
小倉北区
53
(5.8%)
96
(2.8%)
中津市
(N=3,472)
日田市
豊後高田市
(N=907)
51
(1.5%)
2,705
(77.9%)
191
(5.5%)
275
(10.5%)
64
(1.8%)
宇佐市
(N=2,613)
38
(1.1%)
89
(2.6%)
別府市
大分市
図
通学流動
通学流動
注)1%以上の流動のみ図示している。中津市への流動が 1%未満の市町にはN値を示していない。
上段の数値は人数、下段の数値は割合。
資料:平成 22 年 国勢調査
11
3)買い物流動
●中津市の買い物流動をみると、8 割が市内、1 割が日田市で買い物をしています。
●その他、宇佐市(約 7%)や姫島村(5%)からの中津市内への買い物もみられます。
矢印(買い物割合)の凡例
50%以上
30%以上 50%未満
10%以上 30%未満
5%以上 10%未満
5%未満
姫島村
5.0%
83.0%
中津市
日田市
11.9%
1.1%
1.2%
玖珠町
図
買い物流動
買い物流動
注)1%以上の流動のみ図示している。
資料:平成 19 年度大分県中心市街地等消費者動向調査
12
7.2%
宇佐市
2-2 公共交通の現状
公共交通の現状
2-2-1 公共交通の運行状況
●中津市における公共交通としては、JR日豊本線のほか、大分交通グループ(大交北部バ
ス、玖珠観光バス)が運行する路線バス、路線バスを補完するため中津市が運行している
コミュニティバスがあります。
●先述のとおり、市内の医療施設や商業施設の多くは、JR駅の周辺のみならず、国道など
の沿線を中心として中津地域に多く分布している状況にあります。
●そのため、市内等への通院・買い物には路線バスやコミュニティバス等を利用することが
多く、JR日豊本線の利用者は、福岡方面や大分・別府方面への通勤・通学利用が主とな
っています。
※この他に、市内にはタクシー事業者が5社あります。タクシー事業者への聞き取りによると、平成 26 年
9 月時点で、市内には小型タクシー142 台、ジャンボタクシー10 台、福祉タクシー(ベッドや車椅子が固
定できる車両)11 台、マイクロバス4台があります。
図
公共交通の運行
公共交通の運行状況
運行状況
13
●区間別週あたり総運行便数をみると、
中津地域と山国地域をつなぐ国道 212 号などは 150
便/週以上(10 往復/日以上)運行しています。
●その他中津市と日田市、玖珠町を結ぶ公共交通はそれぞれ 50 便/週以上(3 往復/日以上)
運行しています。
図
14
中津市の公共交通の運行便数(区間別週あたり総運行便数)
●中津駅北部や今津駅南部は、市内でも比較的人口集積が多い地区ですが、バスが運行されて
いません。
●また、耶馬溪地域南部において、人口は比較的少ないものの広範囲でバスが運行されてい
ないエリアが存在しています。
図
中津市の公共交通の運行状況と総人口の関係性
15
1)路線バス
●路線バスは 30 系統近く運行されており、中津駅や柿坂、豊後森駅などが起終点となってい
ます。
●これらの系統のうち、中日線(中津駅~守実温泉)、中安線(中津駅~安心院)は、国庫
補助対象地域間幹線バス系統です。
番号
1
路線名
加来線
始点
中津駅前
経由
池永
終点
2
海岸線
鍋島
一ツ松
中津駅前
3
田中線
中津駅前
池永
田中
4
5
永添線
耶馬溪線
6
7
池永線
中津駅前
万田
大貞車庫前
中津駅前
沖代
大貞車庫前
中津駅前
北高
大貞車庫前
中津駅前
一ツ松・池永
大貞車庫前
8
深秣線
中津駅前
万田
山口
9
田口線
中津駅前
上の原
八面山平和公園
中津駅前
沖代
野路
中津駅前
北高
野路
池永
野路
10
11
耶馬溪線
12
池永線
中津駅前
13
-
中津駅前
14
15
16
中日線
17
イオン三光
中津駅前
(特急)
日田
中津駅前
新万田
守実温泉
中津駅前
新万田
柿坂
下田の口
中津駅前
柿坂
中安線
安心院
19
裏耶馬溪線
柿坂
下伊福
20
樋桶路線
柿坂
樋桶山登山口
21
福土線
柿坂
上福土
津民線
23
24
25
26
27
28
中森線
深耶馬渓線
古後線
大
交
北
部
バ
ス
日田
18
22
会社名
少年院官舎前
柿坂
相の原
柿坂
奥畑
相の原
中津駅前
新万田
豊後森
柿坂
深耶馬渓
柿坂
鷹丸
豊後森
守実温泉
綾垣
豊後森
守実温泉
森町
豊後森
玖
珠
観
光
バ
ス
図
注)図中の丸番号は表と対応している。
16
路線バスネットワーク
2)コミュニティバス
●コミュニティバスは、通院、買い物など地域の利便性の向上を図ることを目的に中津市が
運行しています。平成 26 年 10 月時点では、計 13 路線が設定されています。
●運賃は 100 円/人・回で、曜日限定で運行しています。
■運行概要
・運 賃:100 円/人・回(未就学児は無料)
・運休日:土・日・祝日および 1/1~1/3
・運行系統:下表のとおり
表
地域
中津地域
三光地域
本耶馬渓地
域
山国地域
コミュニティバスの運行
コミュニティバスの運行路線
の運行路線とサービス概要(
路線とサービス概要(H2
とサービス概要(H26
H26)
運行曜日
週あたり
路線名
運行便数
総運行便数
月 火 水 木 金 土 日
平日 5 便/日
31 便
三保線
● ● ● ● ● ● ●
(土日 3 便/日)
豊前中津線
● ● ● ● ●
8 便/日
40 便
西秣線
●
●
●
●
7便/日
28 便
屋形線
●
●
6 便/日
12 便
東谷線
●
●
6 便/日
12 便
西谷線
●
●
6 便/日
12 便
毛谷村線
● ● ● ● ●
2 便/日
10 便
槻木線
●
●
4便/日
8便
所小野線
●
●
4 便/日
8便
市平・奥谷線
●
●
4便/日
8便
長尾野線
●
●
4便/日
8便
フヶ原・大石峠線
●
●
4便/日
8便
両宮線
●
●
4 便/日
8便
表
運行便数
三光地域
車両形態
所有者
運行形態
平日2.5往復
土日祝1.5往復
平日4往復
豊前・中津線
土日祝運休
小型バス
(定員23人)
交 通 事業委託
事業者 大交北部バス(株)
西秣線
ジャンボタクシー
(9人乗)
交 通 事業委託
事業者 タクシー協会
三保線
中津地域
屋形線
東谷線
本耶馬渓地域
西谷線
月水金日3.5往復
火2往復
金1往復
水2往復
金1.5往復
月木2往復
マイクロバス
(定員26人)
マイクロバス
(定員28人)
交 通 事業委託
事業者 耶馬溪交通(有)
H25委託料
(千円)
利用者数
運行便数
1便平均
乗車人数
10,550
5,502
1,578
3.5
1,991
7,989
1,968
4.1
4,670
1,599
1,449
1.1
1,837
309
5.9
713
156
4.6
881
159
5.5
1,335
153
8.7
962
492
2.0
1,150
190
6.1
1,329
200
6.6
139
190
0.7
1,933
190
10.2
705
200
3.5
448
204
2.2
5,043
東谷西谷線 平日1往復
毛谷村線
月~金1往復
所小野線
月木2往復
市平・奥谷線 火金2往復
山国地域
長尾野線
月水2往復
槻木線
月水2往復
大石峠・
フケ原線
火金2往復
両宮線
火金2往復
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
利用の状況
平成25年度
事業費
運行車両の状況
路線名
①
平成 25 年度のコミュニティバスの概要
事業の概要
地域
備考
運転業務委託
第一交通(株)
マイクロバス
(定員15人)
マイクロバス
(定員19人)
マイクロバス
(定員29人)
2,720
中津市
運転業務委託
大交北部バス(株)
2,583
17
●平成 26 年度のコミュニティバスの運行状況をみると、中津地域は 2 系統、三光地域は 1
系統、本耶馬渓地域は 3 系統、山国地域は 7 系統運行しています。
●運行ルートをみると、豊前市と中津地域を結ぶ豊前中津線を除いて、各地域をまたぐ系統
はありません。
番号
路線名
始点
終点
運行区域
三保線
中津駅前
中津駅
2
豊前中津線
豊前市役所
中津市民病院 豊前市~中津地域
大交北部バス
3
西秣線
長谷寺
イオン三光
市タクシー協会
4
屋形線
谷の前
西谷温泉
5
東谷線
岩屋上
守谷医院
6
西谷線
守谷医院
要
7
毛谷村線
やすらぎの郷
毛谷村
8
槻木線
やすらぎの郷
藤原
9
所小野線
やすらぎの郷
所小野
10
市平・奥谷線
やすらぎの郷
市平・岩伏
11
長尾野線
花房橋
長尾野
12
フケ原・大石峠線 やすらぎの郷
茸木
13
両宮線
両宮
やすらぎの郷
中津地域
会社名
1
三光地域
本耶馬渓地域
大交北部バス
耶馬溪交通
第一交通
大交北部バス
山国地域
第一交通
大交北部バス
図
注)図中の丸番号は表と対応している。
18
コミュニティバスの運行状況
2-2-2 公共交通の運営状況
1)路線バス事業の経営状況
●路線バス事業の経営状況としては、中津市内に2つの営業所を置く大交北部バス㈱の一般
乗合運送事業(路線バス事業)の収支報告(H25 年度)をみると、経常費用が約 2.95 億
円、経常収入が約 1.67 億円、国・県・市町村からの赤字補填が約 0.82 億円となっており、
乗合バス事業としては約 4,580 万円の赤字となっています。
●この莫大な赤字額を、貸切バス事業などの黒字分で充当(内部補助)することで、経営が
成り立っている状況にあります。
300,000
内部補助45,776千円
200,000
国・県・市町村からの
補助金総額
82,090千円
経常費用
295,037千円
経常収益
167,171千円
100,000
0
表
1
2
一般乗合運送事業(路線バス事業
路線バス事業)
)の経営状況
一般乗合運送事業(
路線バス事業
資料:大交北部バス(株)
2)中津市を走る路線バスの車齢
●中津市を走る路線バスの車齢をみると、車齢 20 年以上が現状で6割を占めています。
●今後このまま推移していくと、車齢 20 年以上の車両の割合は3年後には7割、5年後には
8割、7年度には9割となる計算となります。
5年未満
0%
10%
5年以上
10年未満
20%
10年以上
15年未満
30%
40%
15年以上
20年未満
50%
20年以上
25年未満
60%
70%
25年以上
30年未満
80%
30年以上
90%
100%
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
図
中津市を走る路線バスの車齢
資料:大交北部バス(株)、玖珠観光バス(株)
【参考】バス事業者の生の声(交通事業者ヒアリング結果)
・自家用車の普及などにより、利用者数は年々減少傾向にある上、燃料価格の高騰や車両の老朽化対策、
運転士の人手不足などもあり、路線バスの運営状況は非常に厳しい状況です。
・車両についても、グループ会社である大分交通(株)の減価償却を終えたものを使い回すなど経営努
力をしていますが、その確保が非常に厳しい状況にあります。
・バス事業者として引き続き地域貢献を果たしたいのですが、少子高齢化が進行する中津市において、
現在所有するバリアフリー化がなされていない中型バスでの運行をしている状況にあり、仮に、今よ
り小さいサイズのバスを市から借りて、路線バスやコミュニティバスとして運行できれば、相当程度
メリットがあると考えています。
19
2-2-3 公共交通の利用状況と財政負担状況
1)利用者数の推移
●中津市のバス利用者数は年々減少傾向にあります。
●利用者の多くは路線バスであり、コミュニティバスの利用者は全体の1割に満たない状況
にあります。
(人/年)
路線バス
コミュニティバス
400,000
335,982
335,224
25,741
30,829
300,000
312,050
29,195
299,135
288,845
28,620
26,522
200,000
310,241
304,395
282,855
270,515
262,323
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
100,000
0
H21年度
図
中津市のバス利用者数の推移
2)財政負担額の推移
●中津市の財政負担額は近年 6,000 万円以上となっています。
●コミュニティバスに対する財政負担は全体の4割程度を占めています。
●財政負担額を利用者 1 人あたりに換算すると、路線バスが 132 円/人であるのに対し、コ
ミュニティバスは 1,039 円/人と8倍の開きがあることになります。
(千円/年)
120,000
路線バス
コミュニティバス
路線バス
コミュニティバス
1,039
917
893
951
964
106
110
117
129
132
61,162
60,900
62,454
62,265
23,593
27,532
27,769
27,585
27,557
32,893
33,630
33,131
34,869
34,708
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
56,486
0
図
20
(円/人)
1,200
1,000
800
600
400
200
0
-200
-400
-600
-800
-1,000
-1,200
-1,400
-1,600
-1,800
-2,000
-2,200
-2,400
中津市のバスに対する財政負担額と
中津市のバスに対する財政負担額と利用者1人あたりに換算した財政負担額の推移
3)系統別の利用状況・財政負担状況
<路線バス>
●路線バスの中で、利用者 1 人あたりに 1,000 円以上の財政負担をしている系統は 5 系統
あり、そのうち 4 系統が耶馬溪地域内を運行する系統です。
●特に「深耶馬溪線」(柿坂~深耶馬溪)は 4,000 円/人以上と高額になっています。
(円/人)
(人/便)
11.4
6,000
12
9.9
10
5,000
6.1
4,118
4,000
6.3
4.4
3.2
2.1 2.6 1.6 1.5 2.1 2.5
1.3
1.2
1.1
0.5 0.6
3,000
8
5.6
5.0
6
4
2
0
2,576 2,479
2,154
(2)
2,000
(4)
1,313
(6)
835 817
666 648
1,000
477 436
290 220 216 197 155
125 65
(8)
16
0
(10)
(12)
池永線(
中津駅前~大貞車庫前)
津民線(
柿坂~奥畑~相の原)
中日線(
中津駅前~日田)
古後線(
守実温泉~綾垣~豊後森)
田中線(
中津駅前~田中)
中日線(
中津駅前~柿坂)
池永線(
中津駅前~野路)
田口線(
中津駅前~八面山平和公園)
樋桶路線(
柿坂~樋桶山登山口)
古後線(
守実温泉~森町~豊後森)
加来線(
中津駅前~少年院官舎前)
海岸線(
鍋島~中津駅前)
深秣線(
中津駅前~深泉寺前)
裏耶馬溪線(
柿坂~下伊福)
深秣線(
中津駅前~山口)
利用者 1 人あたり財政負担額と便あたり利用者数
津民線(
柿坂~相の原)
深耶馬溪線(
柿坂~豊後森)
津民線(
柿坂~奥畑)
深耶馬溪線(
柿坂~深耶馬溪)
図
<コミュニティバス>
●コミュニティバスの中で、三光地域(西秣線)については 2,920 円/人と他地区に比べ財
政負担額が大きい状況にあります。
(人/便)
(円/人)
6,000
8
6.1
5,000
3.5
4.1
4.0
6
4
4,000
3,000
1.1
2
2,920
0
-2
1,918
2,000
-4
1,058
1,000
-6
408
249
0
-8
-10
山国地域
本耶馬渓地域
三光地域
豊前・
中津地域
中津地域
図
利用者 1 人あたり財政負担額と便あたり利用者数
21
4)中津市内の主なバス路線の利用実態
①結びつきの強い都市(宇佐市、日田市)を結ぶ路線
●中安線(中津~安心院)は上下で利用が偏在化しているものの、起終点間で一定の利用が
みられます。
●一方で、中日線(中津~守実温泉、中津~日田)は、大きく2区間(中津~山国、山国~
日田)に利用が分かれます。
50
(人/日)
40
10:20
10
15:10
20
11:05
10
中津駅前
中津市役所前
豊田町二丁目
中央町一丁目
中津警察署前
総合庁舎前
東九州女子短大前
一ツ松口
中津市民病院入口
中津放送局入口
全徳入口
中津東高入口
東陶前
八光産業前
北原入口
野路山
三保入口
犬丸
犬丸工業団地
植野
飛永
樋田入口
南敷田
笠松
猿渡
山下入口
糸口山
千源寺
勤労青少年ホーム前
四日市支所前
四日市
東新町
常徳入口
閣
駅川中学校前
法鏡寺
下別府
別府
新豊川
上大塚入口
山本
下拝田
拝田
鷹栖観音
白岩
三又川
両川
大下
香下
掛
下櫛野
上櫛野
円座
上円座
九人ヶ峠
二日市
上二日市
野尻
下副
副
上副
野末
下田の口
上田の口
辻
大仏
折敷田
安心院高校前
安心院役場前
安心院
18:30(中津駅前~柿坂)
100
17:10(中津駅前~守実温泉)
80
15:30(中津駅前~守実温泉)
60
13:40(中津駅前~守実温泉)
40
12:30(中津駅前~柿坂)
20
10:30(中津駅前~守実温泉)
0
17:50(中津駅前~守実温泉)
120
15:30(中津駅前~守実温泉)
80
14:00(中津駅前~日田)
60
11:40(中津駅前~日田)
40
10:10(中津駅前~日田)
20
0
8:10(中津駅前~日田)
7:40(中津駅前~守実温泉)
6:50(中津駅前~守実温泉)
6:25(中津駅前~守実温泉)
日田
中央通り
大波羅前
丸山町
日の出町
新天神町
医療センター
三和団地
財津南
財津入口
戸山中学校前
秋原入口
下一の瀬
山の口
小河内
大石峠
上志川
花房橋
守実
守実温泉
山国町役場前
朝陽橋
上村
宇曽
三郷保育園前
犬王丸
上中摩
御幸橋
庄屋村入口
下中摩
神谷
一ツ戸
江渕入口
宮園
下郷
島
裏耶馬渓入口
随雲寺
奥の鶴入口
津留
杉畑
耶馬渓中学校前
柿坂
耶馬渓役場前
津民入口
農協センター
耶馬渓高校前
上戸原
平田
多志田
多志田農協前
三日月神社前
中島
青
洞門駐車場
青の洞門
下曽木入口
樋田
屋形入口
渋見
鮎帰り
上野路
野路
土田
二本杉
上佐知
佐知
下佐知
イオン三光
上の原入口
鶴市神社前
三口
恒久橋
鶴居局前
新万田
五領住宅前
新五領
北高入口
新宮永
豊田町二丁目
中津市役所前
中津駅前
中日線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
中日線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
図
中安線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
中安線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
図
6:55
(人/日)
中津駅前
中津市役所前
豊田町二丁目
中央町一丁目
中津警察署前
総合庁舎前
東九州女子短大前
一ツ松口
中津市民病院入口
中津放送局入口
全徳入口
中津東高入口
東陶前
八光産業前
北原入口
野路山
三保入口
犬丸
犬丸工業団地
植野
飛永
樋田入口
南敷田
笠松
猿渡
山下入口
糸口山
千源寺
勤労青少年ホーム前
四日市支所前
四日市
東新町
常徳入口
閣
駅川中学校前
法鏡寺
下別府
別府
新豊川
上大塚入口
山本
下拝田
拝田
鷹栖観音
白岩
三又川
両川
大下
香下
掛
下櫛野
上櫛野
円座
上円座
九人ヶ峠
二日市
上二日市
野尻
下副
副
上副
野末
下田の口
上田の口
辻
大仏
折敷田
安心院高校前
安心院役場前
安心院
17:15
30
9:40(中津駅前~守実温泉)
8:30(中津駅前~日田)
7:30(中津駅前~柿坂)
日田
中央通り
大波羅前
丸山町
日の出町
新天神町
医療センター
三和団地
財津南
財津入口
戸山中学校前
秋原入口
下一の瀬
山の口
小河内
大石峠
上志川
花房橋
守実
守実温泉
山国町役場前
朝陽橋
上村
宇曽
三郷保育園前
犬王丸
上中摩
御幸橋
庄屋村入口
下中摩
神谷
一ツ戸
江渕入口
宮園
下郷
島
裏耶馬渓入口
随雲寺
奥の鶴入口
津留
杉畑
耶馬渓中学校前
柿坂
耶馬渓役場前
津民入口
農協センター
耶馬渓高校前
上戸原
平田
多志田
多志田農協前
三日月神社前
中島
青
洞門駐車場
青の洞門
下曽木入口
樋田
屋形入口
渋見
鮎帰り
上野路
野路
土田
二本杉
上佐知
佐知
下佐知
イオン三光
上の原入口
鶴市神社前
三口
恒久橋
鶴居局前
新万田
五領住宅前
新五領
北高入口
新宮永
豊田町二丁目
中津市役所前
中津駅前
22
11:40
20
9:00
0
8:30
0
15:20
30
16:40
13:30
9:15
50
40
16:25
13:20
10:25
120
(人/日)
19:10(中津駅前~守実温泉)
18:00(中津駅前~守実温泉)
16:30(中津駅前~日田)
14:35(中津駅前~日田)
13:00(中津駅前~日田)
11:10(中津駅前~日田)
(人/日)
100
16:50(中津駅前~日田)
16:50(中津駅前~守実温泉)
14:10(中津駅前~柿坂)
13:00(中津駅前~守実温泉)
10:20(中津駅前~柿坂)
9:20(中津駅前~守実温泉)
②結びつきの弱い都市(玖珠町)を結ぶ路線
●中森線(中津~豊後森)は起終点間で一定の利用がみられます。
●一方で、古後線(守実温泉~豊後森)は、大きく2区間(守実温泉~平松、平松~豊後森)
に利用が分かれています。
20
(人/日)
15
10
豊後森
十文字
上の市
玖珠自衛隊入
森中学校前
栄町
森中央小学校
森農協前
二葉町
森本町
森町
伏原
上伏原
平松
鷹巣
十の釣
井尻町営住宅
池の原
下綾垣
綾垣丸塚
綾垣
元畑入口
本村
サンホール前
八幡小学校前
平井入口
太田
松信
馬勢入口
八幡川底
小橋
坂の上
鶴ヶ原
池の尾
立羽田
柚の木
平原入口
平原
灰原
長田
古後中学校前
上中野
中野
古後保育園前
道迫
神原
杉山
原
専道
梶原
朝小野
東入口
田平
篠矢
寺川
掛地
笹掛地蔵尊前
白地
肥前屋
中摩
三郷保育園前
宇曽
上村
朝陽橋
山国役場前
守実温泉
0
(人/日)
10
豊後森
十文字
上の市
玖珠自衛隊入
森中学校前
栄町
森中央小学校
森農協前
二葉町
森本町
森町
伏原
上伏原
平松
鷹巣
十の釣
井尻町営住宅
池の原
下綾垣
綾垣丸塚
綾垣
元畑入口
本村
サンホール前
八幡小学校前
平井入口
太田
松信
馬勢入口
八幡川底
小橋
坂の上
鶴ヶ原
池の尾
立羽田
柚の木
平原入口
平原
灰原
長田
古後中学校前
上中野
中野
古後保育園前
道迫
神原
杉山
原
専道
梶原
朝小野
東入口
田平
篠矢
寺川
掛地
笹掛地蔵尊前
白地
肥前屋
中摩
三郷保育園前
宇曽
上村
朝陽橋
山国役場前
守実温泉
0
(人/日)
10
豊後森
十文字
上の市
玖珠自衛隊入
森中学校前
栄町
森中央小学校
森農協前
二葉町
森横町
童話碑入口
八重垣
大九郎
弁天橋
内山
須山
園部
鹿倉
錦雲峡入口
軍艦岩
一つ家
深耶馬渓温泉
耶馬溪温泉セ
深耶馬渓駐車
上鴨良
鴨良温泉前
耶馬溪平原
八木蒔
持田
山移
原井
原井団地
竹の弦
百田
柿瀬
物部
尾ヶ篠
台金入口
秋満前
耶馬溪中学校
柿坂
耶馬溪役場前
津民入口
耶馬溪農協
耶馬溪高校
上戸原
平田
多志田
多志田農協前
三日月神社
中島
青
青の洞門駐車
青の洞門
下曽木入口
樋田
屋形入口
渋見
鮎帰り
上野路
野路
土田
二本杉
上佐知
佐知
下佐知
イオン三光
上の原入口
鶴市神社前
三口
恒久橋
鶴居郵便局前
新万田
五領住宅前
新五領
中津北高入口
新宮永
豊田町二
中津市役所前
中津駅前
0
(人/日)
20
豊後森
十文字
上の市
玖珠自衛隊入
森中学校前
栄町
森中央小学校
森農協前
二葉町
森横町
童話碑入口
八重垣
大九郎
弁天橋
内山
須山
園部
鹿倉
錦雲峡入口
軍艦岩
一つ家
深耶馬渓温泉
耶馬溪温泉セ
深耶馬渓駐車
上鴨良
鴨良温泉前
耶馬溪平原
八木蒔
持田
山移
原井
原井団地
竹の弦
百田
柿瀬
物部
尾ヶ篠
台金入口
秋満前
耶馬溪中学校
柿坂
耶馬溪役場前
津民入口
耶馬溪農協
耶馬溪高校
上戸原
平田
多志田
多志田農協前
三日月神社
中島
青
青の洞門駐車
青の洞門
下曽木入口
樋田
屋形入口
渋見
鮎帰り
上野路
野路
土田
二本杉
上佐知
佐知
下佐知
イオン三光
上の原入口
鶴市神社前
三口
恒久橋
鶴居郵便局前
新万田
五領住宅前
新五領
中津北高入口
新宮永
豊田町二
中津市役所前
中津駅前
0
11:50
5
15
10
7:45
5
古後線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
古後線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
図
中森線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
中森線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
図
10:13(守実温泉~綾垣~豊後森)
8
15:56(守実温泉~森町~豊後森)
6
4
2
8:00(守実温泉~森町~豊後森)
8
14:30(守実温泉~森町~豊後森)
6
4
2
23
③利用者 1 人 1,000 円以上の財政支出をしている路線
●深耶馬溪線(柿坂~豊後森)は、車内人員が最大2名/便と少ない状況にあります。
●また、利用は大きく2区間(柿坂~深耶馬溪温泉、森農協前~豊後森)に分かれ、特に深
耶馬溪温泉~森農協前の利用は皆無の状況にあります。
5
(人/日)
16:52(柿坂~深耶馬渓温泉)
4
15:15(柿坂~豊後森)
14:17(柿坂~深耶馬渓温泉)
3
7:20(柿坂~深耶馬渓温泉)
2
1
十文字
豊後森
上の市
玖珠自衛隊入
森中学校前
栄町
森中央小学校
森農協前
森横町
二葉町
童話碑入口
八重垣
弁天橋
大九郎
内山
須山
園部
鹿倉
軍艦岩
錦雲峡入口
一つ家
深耶馬渓温泉
(人/日)
耶馬溪温泉センター
深耶馬渓駐車
上鴨良
鴨良温泉前
耶馬溪平原
八木蒔
持田
山移
原井団地
原井
鷹丸
柿瀬
物部
尾ヶ篠
台金入口
秋満前
耶馬溪中学校
柿坂
0
5
18:00(柿坂~深耶馬渓温泉)
4
16:25(柿坂~豊後森)
15:20(柿坂~深耶馬渓温泉)
3
8:15(柿坂~豊後森)
2
1
0
豊後森
十文字
上の市
玖珠自衛隊入
森中学校前
栄町
森中央小学校
森農協前
二葉町
森横町
童話碑入口
八重垣
大九郎
弁天橋
内山
須山
園部
鹿倉
錦雲峡入口
軍艦岩
一つ家
深耶馬渓温泉
深耶馬渓駐車
耶馬溪温泉センター
上鴨良
耶馬溪平原
鴨良温泉前
持田
八木蒔
山移
原井団地
原井
鷹丸
柿瀬
物部
台金入口
尾ヶ篠
耶馬溪中学校
秋満前
柿坂
図
深耶馬溪線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
深耶馬溪線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
●津民線(柿坂~相の原)は下りの方が上りの2倍の利用があり、上下で利用が偏在化して
いるのが分かります。
●また、上りの7時台と下りの17時台の利用が中心であり、それ以外の利用は極端に少な
い状況にあります。
15
(人/日)
17:49(柿坂~相の原)
12
16:02(柿坂~奥畑)
13:20(柿坂~相の原)
9
8:02(柿坂~相の原)
6
3
0
森の木
相の原
東の前
小屋の原
永岩小学校
川原口
土井
中村
両午
鳴
三坪
赤松
柾木入口
落合
高塚
辻
清水
屋敷原
坂山
萩原
奥畑
萩原
坂山
屋敷原
清水
高塚
辻
柾木入口
落合
津民保育園前
(人/日)
矢形
津民支所前
上大野
大野
津民平原
柚ノ木
桧原山入口
中畑
津民宮前
栃木
津民
津民入口
耶馬渓支所
柿坂
15
16:30(柿坂~奥畑)
12
13:46(柿坂~相の原)
9
8:28(柿坂~相の原)
7:08(柿坂~奥畑~相の原)
6
3
0
森の木
相の原
東の前
小屋の原
川原口
永岩小学校
津民線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
津民線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
土井
中村
両午
鳴
三坪
赤松
柾木入口
落合
辻
高塚
屋敷原
清水
坂山
萩原
奥畑
萩原
屋敷原
坂山
清水
高塚
柾木入口
辻
落合
津民保育園前
矢形
上大野
24
津民支所前
大野
柚ノ木
津民平原
桧原山入口
中畑
津民宮前
栃木
津民入口
津民
耶馬渓支所
柿坂
図
●深秣線(中津~山口)は、上りの8・11 時台と下りの 13 時台の利用が中心であり、それ
以外の利用は少ない状況にあります。
8:10(中津駅前~深泉寺前)
6
山口
小川内
藤ヶ谷
咄
辺割
山口
小川内
藤ヶ谷
咄
辺割
深泉寺前
迫入口
岡入口
久保
ジャスコ前
中津検診センター
風の丘斎場
三口
恒久橋
深秣線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
深秣線の方向別便別車内人員(上:下り/下:上り)
豊田町二
中津市役所前
中津駅前
宝蔵寺入口
宮永
下五領
上宮永三丁目
下万田
五領
イオン三光東口
原口
上の原
下上の原
弁城
黒水
中津少年院入口
南平
森山
下秣
倉迫
上秣
西秣入口
宮地
桶尻
中居
松ヶ本
深水公民館前
深水小学校前
板屋橋
上万田
万田
図
深泉寺前
迫入口
11:05(中津駅前~深泉寺前)
12
岡入口
久保
深水小学校前
板屋橋
中居
松ヶ本
深水公民館前
宮地
桶尻
上秣
西秣入口
下秣
倉迫
南平
森山
弁城
黒水
中津少年院入口
上の原
下上の原
イオン三光東口
原口
ジャスコ前
中津検診センター
風の丘斎場
三口
恒久橋
上万田
万田
下万田
五領
下五領
上宮永三丁目
宝蔵寺入口
宮永
中津駅前
豊田町二
中津市役所前
(人/日)
15
(人/日)
15
12
17:00(中津駅前~山口)
13:40(中津駅前~深泉寺前)
9
10:20(中津駅前~深泉寺前)
3
0
14:25(中津駅前~深泉寺前)
9
8:55(中津駅前~深泉寺前)
6
7:10(中津駅前~山口)
3
0
25
2-2-4 交通結節点におけるダイヤの接続状況
●JR と路線バス(中日線)の乗り継ぎ余裕時間をみると、北九州方面から快速・普通電車を
利用し中津駅から日田方面行きの中日線を利用する場合、バス便の3割が乗り継ぎに 30 分
以上かかる状況となっています。
●また、日田方面から中日線を利用し、中津駅で宇佐方面行きの快速・普通電車を利用する
場合、バス便の3割しか円滑な乗り継ぎができる便がない状況となっています。
5分未満
40%
12.5%
60%
80%
100%
81.3%
6.3%
行き
中日線⇔JR特急電車
N=16
20%
30分以上
中日線⇔JR快速・普通電車
0.0%
N=16
中日線⇔JR特急電車
N=16
87.5%
18.8%
12.5%
81.3%
帰り
0.0%
中日線⇔JR快速・普通電車
0.0%
N=12
12.5%
33.3%
87.5%
0.0%
行き
中日線⇔JR特急電車
N=16
66.7%
中日線⇔JR快速・普通電車
N=16
中日線⇔JR特急電車
N=17
43.8%
11.8%
31.3%
25.0%
88.2%
0.0%
帰り
日田・守実・柿坂~中津駅~宇佐方面
日田・守実・柿坂~中津駅~北九州方面
0%
5分以上30分未満
中日線⇔JR快速・普通電車
5.9%
N=17
図
94.1%
0.0%
JR と路線バス(中日線)の乗り継ぎ余裕時間
と路線バス(中日線)の乗り継ぎ余裕時間
注)平成 26 年 10 月末時点。N値は分析対象とした便数を示す。
注)バスと電車・船の間隔が最も短い便の時間間隔を「乗り継ぎ余裕時間」とした。
注)「大分県地域間幹線バス系統実態調査 報告書」(平成 25 年 3 月 大分県)の調査結果を踏まえ、バスと電車、
船の乗り継ぎ余裕時間が「5 分未満」と「30 分以上」の便は「問題がある」という閾値を設定した。
26
2-3 その他の交通の状況
2-3-1 耶馬溪地域を運行する患者輸送バスの状況
●中津市は耶馬溪地域において、津民診療所・山移診療所・下郷診療所の患者を送迎する無
料の「患者輸送バス」を運行しています。
●患者輸送バスは計5コースありますが、その中で「津民コース」は大交北部バスの津民線
とルートがほとんど重複しており、二重に財政支出している状況にあります。
●中津市は患者輸送バスの運行に年間 260 万円以上の財政支出をしており、利用者1人あた
りの輸送に 1,000 円以上かかっている計算になります。
その中でも「津民コース」
は 1,500
円/人以上かかっています。
●患者輸送バスの事業目的やサービス形態、利用特性などの詳細は、次頁の表のとおりです。
津民コース(H10~)
(毎週月・木曜)
大島台コース(H20~)
(隔週金曜
隔週金曜)
隔週金曜
深耶馬コース(S63~)
(毎週火・木曜)
鎌城コース(H20~)
(隔週金曜
隔週金曜)
隔週金曜
図
山移コース(H9~)
(毎週水曜)
耶馬溪
耶馬溪地域における患者輸送
地域における患者輸送バスと路線バス等
における患者輸送バスと路線バス等の運行ルート
バスと路線バス等の運行ルート
表
平成 25 年度の利用状況・運営状況
利用状況
コース名
津民コース
山移コース・深耶馬溪コース
大島台コース・鎌城コース
計
利用者数
(人/年)
757
1,323
385
2,465
運行便数
(便/年)
91
147
44
282
1便平均
利用者数
(人/便)
8.3
9.0
8.8
8.7
財政負担額
(千円/年)
1,139
1,026
517
2,681
利用者1人あたり
の財政負担額
(円/人)
1,504.7
775.2
1,341.6
1,087.7
27
<津民コース>
事業目的
利用対象者
サービス形態
利用特性
・市町村合併前、旧耶馬溪町が平成 10 年に事業を開始。
・市が運営する津民診療所と交通不便地域を結ぶための移動手段を提供することを目的
としており、事業主体は市の地域医療対策課。
・津民診療所利用者
・定時定路線
・運行頻度:毎週月曜日と木曜日の1往復/日。
・車両:マイクロバス。以前は多い時で 10 人を超える利用があったが、最近は9人以
下の利用がある。
・運賃:無償
・無料のバスを運行することで民間タクシー事業の圧迫にも繋がることから、旧耶馬溪
町を主な営業区域としていた耶馬溪交通(有)に委託
・80 歳から 90 歳代前半の女性の利用が多い。
・周辺に商店があり、診療終了後、迎えのバスが来る間に、買い物を行う利用者もいる。
診療所の向かいの商店(ノーソン)での乗降を望む声がある。
<深耶馬溪コース・山移コース>
事業目的
利用対象者
サービス形態
利用特性
・市町村合併前、旧耶馬溪町が深耶馬溪コースは昭和 63 年、山移コースは平成9年に
事業を開始。
・市が運営する山移診療所と交通不便地域を結ぶための移動手段を提供することを目的
としており、事業主体は市の地域医療対策課。
・山移診療所利用者
・定時定路線
・運行頻度:深耶馬溪コースは、毎週火曜日と木曜日の1往復/日。山移コースは、毎
週水曜日の1往復/日。
・コースによっては、乗客が 10 人以上となるため、市が所有するハイエースコミュー
ターを活用しているものの、ベッドや車いすは入らない。
・運賃:無償
・無料のバスを運行することで民間タクシー事業の圧迫にも繋がることから、旧耶馬溪
町を主な営業区域としていた耶馬溪交通(有)に委託
・80 歳から 90 歳代前半の女性の利用が多い。
・周辺には商店や郵便局があり、診療終了後、迎えのバスが来る間に、買い物や年金の
引き出しなどを行う利用者もいる。診療所から郵便局まで 500m程度離れており、
郵便局での乗降を望む声がある。
<大島台コース・鎌城コース>
事業目的
利用対象者
サービス形態
利用特性
28
・市町村合併後、大島台地区等から下郷地区の医療機関に行きたいが交通手段が厳しく
なったとの声があり、患者輸送バスを出してほしい陳情があった。市として検討した
結果、運行することになった。
・下郷農協が運営する下郷診療所及び福原歯科医院と交通不便地域を結ぶための移動手
段を提供することを目的としており、事業主体は市の地域医療対策課。
・下郷診療所利用者
・定時定路線
・運行頻度:隔週金曜日の1往復/日。
・コースによっては、乗客が 10 人以上となるため、小型タクシーを追加する。
・運賃:無償
・無料のバスを運行することで民間タクシー事業の圧迫にも繋がることから、中津市タ
クシー協会に委託し、大島台コースは第一交通(株)、鎌城コースは耶馬溪交通(有)が
運行している。
・80 歳から 90 歳代前半の女性の利用が多い。
・周辺に商店があり、診療終了後、迎えのバスが来る間に、買い物を行う利用者もいる。
2-3-2 スクールバスの状況
●中津市は本耶馬渓地域・耶馬溪地域・山国地域において、小中学校の統廃合などにより遠
距離通学しなければならない地区等に対して、スクールバスを運行しています。
●その中で、本耶馬渓地域ではマイクロバス3台が投入されていますが、児童数が 10 人未満
となっています。
表
地域
平成 26 年度のスクールバスの
年度のスクールバスの利用状況・運営状況
スクールバスの利用状況・運営状況
路線名
運行回数
屋形線
本耶馬渓地域
東谷線
登校日 1.5 往復
西谷線
耶馬溪地域
柿坂線
山国地域
毛谷村線
登校日 1.5 往復、
夏休み登校日及び
プール日は 1 往復
対象児童数
(人)
車両形態
8
マイクロバス 3 台
①定員 26 人
②定員 28 人
③定員 15 人
5
7
タクシー
(定員4人)
マイクロバス
(定員 29 人)
2
28
計
52
29
3.中津市の地域公共交通に関する利用者ニーズ
3-1 市民意向
市民意向調査
意向調査(
調査(自治委員アンケート調査・
自治委員アンケート調査・市民アンケート調査)
市民アンケート調査)
3-1-1 調査概要
本市における地域公共交通に対する市民の意識などを把握するため、平成 26 年 9 月~11 月にか
けて、市民意向調査を実施しました。
具体的には、「①自治委員アンケート調査」と「②市民アンケート調査」を実施しました。
「①自治委員アンケート調査」は実際に外出に利用できる公共交通の有無、地区内の交通弱者の状
況、自治委員の公共交通に対する意識、交通弱者の外出実態等を把握することを目的に、「②市民ア
ンケート調査」は路線バス・コミュニティバスの利用状況、公共交通に対する市民の意識、公共交通
が今必要な市民の外出実態等を把握することを目的にそれぞれを実施しました。
調査の概要は下表のとおりです。
表
調査の概要
①自治委員アンケート調査
30
②市民アンケート調査
調査対象
中津市自治委員(388 人)
市民:3,983 人
調査手法
配布・回収:手渡し方式
配布・回収:郵送方式
主な
調査項目
・実際に外出に利用できる公共交通
の有無
・地区内の交通弱者の状況
・自治委員の公共交通に対する意識
・路線バス・コミュニティバスの利用状況など
・公共交通に対する市民の意識
・公共交通が今必要な市民の外出実態
・回答者属性
回収結果
回収率 78.6%(305 票回収)
回収率 47.3%(1,884 票回収)
参考:市民アンケートにおける回答者属性
●アンケート配布対象者と回答者を比較すると、男女構成に偏りはなく、また、年齢構成を
みると、高齢者の割合が8ポイント程度高いものの、各年齢層からバランス良く回答があ
りました。
●ちなみに、回答者の中で、「免許または車を持っておらず日中に送迎を頼める家族等もい
ない(移動不便者)」と答えた方は約9%となっています。
<配布対象者>
<回答者>
回答者>
無回答
1.1%
女性
50.0%
男性
50.0%
N=3,983
N=1,884
女性
51.9%
図
男性
47.0%
男女構成
<配布対象者>
<回答者>
回答者>
無回答
0.9%
高齢者
38.5%
38.5%
75歳以上
15.7%
65~74歳
22.8%
19歳以下
9.4%
20歳代
10.9%
N=3,983
高齢者
46.9%
46.9%
75歳以上
18.4%
30歳代
10.7%
19歳以下
7.0% 20歳代
7.1%
30歳代
7.5%
N=1,884
65~74歳
28.5%
40歳代
10.0%
50~64歳
20.4%
図
40歳代
7.6%
50~64歳
23.1%
年齢構成
無回答
3.2%
免許または車を持っておらず日中に
送迎を頼める家族等もいない
8.7%
免許または車を持っていないが日中
に送迎を頼める家族等がいる
15.5%
N=1,884
それ以外
72.6%
図
移動不便者の割合
31
3-1-2 調査で得られた知見
1)公共交通の利用実態(市民アンケート調査結果)
①市民の公共交通の認知度・利用度
●路線バスの認知度は全体では9割となっていますが、市内では比較的運行本数が多い中津
地域の認知度が旧下毛郡の地域より 10 ポイント程度低いことが分かりました。
●利用度は全体では約 15%であり、利用度が最も高い山国地域(約 18%)と最も低い中津
地域(約 11%)には7ポイント程度の差があります。
●コミュニティバスの認知度は全体では6割となっていますが、利用度は5%となっていま
す。
<路線バス>
利用度
認知度
100%
30%
25%
86.7%
88.9%
79.6%
87.8%
92.3%
88.7%
80%
60%
18.4%
20%
15.1%
15.0%
15.6%
16.1%
40%
20%
15%
10.7%
0%
10%
-20%
5%
-40%
-60%
0%
全体
(N=1,884)
中津地域
(N=392)
三光地域
(N=359)
本耶馬渓地域
(N=353)
耶馬溪地域
(N=366)
山国地域
(N=380)
<コミュニティバス>
利用度
認知度
20%
78.7%
72.2%
15%
80%
60.7%
56.0%
60%
43.6%
26.2%
10%
40%
7.6%
6.1%
5.0%
-20%
1.9%
-40%
-60%
0%
全体
(N=1,884)
中津地域
(N=392)
図
32
20%
0%
5.9%
3.8%
5%
100%
三光地域
(N=359)
本耶馬渓地域
(N=353)
認知度と利用度(地域
認知度と利用度(地域別)
地域別)
耶馬溪地域
(N=366)
山国地域
(N=380)
②公共交通利用者の属性
●路線バスとコミュニティバスの利用者の年齢をみると、路線バスは「高齢者(約 60%)」
と「19 歳以下(約 20%)」が、コミュニティバスは「高齢者(約 76%)」がそれぞれ
多くなっています。
●また、路線バス利用者の中で「免許または車を持っておらず日中に送迎を頼める家族等も
いない(移動不便者)」と答えた方は約 32%を占めています。
●同様に、コミュニティバス利用者の中では、約 36%を占めています。
<路線バス利用者>
<コミュニティバス利用者>
無回答
1.1%
無回答
0.7%
19歳以下
19.7%
75歳以上
31.0%
N=284
20歳代 30歳代
2.1% 1.1%
40歳代
19歳以下
2.1%
7.4%
20歳代
2.5%
30歳代
1.4%
40歳代
1.8%
75歳以上
42.1%
50~64歳
10.5%
N=95
50~64歳
14.4%
65~74歳
28.5%
高齢者
59.5%
59.5%
65~74歳
33.7%
高齢者
75.8%
75.8%
図
路線バスとコミュニティバス利用者の年齢
路線バスとコミュニティバス利用者の年齢
<路線バス利用者>
<コミュニティバス利用者>
無回答
2.5%
無回答
5.3%
免許または車を持っておらず日中に
送迎を頼める家族等もいない
32.4%
それ以外
31.0%
N=284
免許または車を持っていないが日中
に送迎を頼める家族等がいる
34.2%
図
それ以外
32.6%
免許または車を持っておらず日中に
送迎を頼める家族等もいない
35.8%
N=95
免許または車を持っていないが日中
に送迎を頼める家族等がいる
26.3%
路線バスとコミュニティバスに占める移動不便者の割合
路線バスとコミュニティバスに占める移動不便者の割合
33
③公共交通利用者の利用特性
●路線バスの利用頻度は、「週1日以上」が約 25%「年に数日程度」が約 39%を占めてい
ます。
●コミュニティバスの利用頻度は、「週1日以上」が約 34%「月に数日程度」が約 30%を
占めています。
●路線バス、コミュニティバスともに利用目的は総じて「買い物・飲食」と「通院」が多く
なっています。
<路線バス利用者>
無回答
2.1%
<コミュニティバス利用者>
週1日以上
25.3%
25.3%
週に5日以上
8.8%
無回答
3.2%
週に5日以上
4.2%
週に3~4日程度
2.8%
週1日以上
33.7%
33.7%
年に数日程度
24.2%
年に数日程度
39.4%
N=284
月に1日程度
10.6%
週に1~2日程度
13.7%
N=95
月に数日程度
29.5%
利用頻度
<路線バス利用者>
10%
20%
30%
<コミュニティバス利用者>
40%
50%
買い物・飲食
通院
業務
2.8%
通勤
2.5%
0.7%
通勤
デイサービス
N=284
(複数回答)
図
34
利用目的
通学
業務
50%
60%
15.8%
13.7%
寄り合い・会合
11.3%
40%
49.5%
親族、知人宅への訪問
15.8%
30%
54.7%
娯楽・趣味・レジャー
17.6%
寄り合い・会合
20%
買い物・飲食
19.4%
娯楽・趣味・レジャー
10%
通院
38.4%
通学
デイサービス
0%
60%
49.6%
親族、知人宅への訪問
週に1~2日程度
24.2%
月に1日程度
9.5%
月に数日程度
22.5%
図
0%
週に3~4日程度
5.3%
12.6%
6.3%
4.2%
3.2%
1.1%
N=95
(複数回答)
2)公共交通の利用者・非利用者の問題指摘(市民アンケート調査結果)
●路線バス利用者の問題指摘内容をみると、「運行本数が少ないため、待っている時間が長
い」(6割)と「乗りたい時間帯にバスがない」(6割)が最も多く、次いで、「バス停
に上屋・ベンチがなく、バスを待つのがつらい」(4割)、「電車やバスとの乗り継ぎが
しにくい」(3割)の順となっています。
●また、コミュニティバス利用者の問題指摘内容をみると、「乗りたい曜日や時間帯にバス
がない」(5割)が最も多く、次いで、「バス停に上屋・ベンチがなく、バスを待つのが
つらい」(3割)、「電車やバスとの乗り継ぎがしにくい」(3割)の順となっています。
0%
20%
40%
60%
80%
運行本数が少ないため、待っている時
間が長い
63.0%
乗りたい時間帯にバスがない
62.7%
バス停に上屋やベンチが無く、バスを待
つのがつらい
37.7%
電車やバスとの乗り継ぎがしにくい
32.4%
自宅や行きたい場所の近くを通らない
29.6%
バスの行き先や経路、バス停の位置が
わかりにくい
16.2%
時刻表どおりにバスが来ない
12.0%
運転士の運転や接客に問題がある
図
N=284
(複数回答)
9.9%
路線バス利用者の問題指摘内容
路線バス利用者の問題指摘内容
0%
20%
40%
乗りたい曜日や時間帯にバスがない
29.5%
電車やバスとの乗り継ぎがしにくい
26.3%
自宅や行きたい場所の近くを通らない
24.2%
運賃が安すぎる
15.8%
バスルートが広範囲であり、移動が遠
回り
12.6%
時刻表どおりにバスが来ない
5.3%
バスの行き先や経路、バス停の位置
がわかりにくい
5.3%
図
80%
46.3%
バス停に上屋やベンチが無く、バスを待
つのがつらい
運転士の運転や接客に問題がある
60%
4.2%
N=95
(複数回答)
コミュニティバス利用者の問題指摘
コミュニティバス利用者の問題指摘内容
利用者の問題指摘内容
35
●問題が改善されれば「すぐにでも利用する」と回答した路線バス非利用者の問題指摘内容
をみると、「運行本数が少ないため、待っている時間が長い」(7割)と「乗りたい時間
帯にバスがない」(7割)が最も多く、次いで、「自宅や行きたい場所の近くを通らない」
(6割)、「電車やバスとの乗り継ぎがしにくい」(4割)の順となっています。
●また、問題が改善されれば「すぐにでも利用する」と回答したコミュニティバス非利用者
の問題指摘内容をみると、「自宅や行きたい場所の近くを通らない」(6割)と「乗りた
い曜日や時間帯にバスがない」(6割)が最も多く、次いで、「電車やバスとの乗り継ぎ
がしにくい」(4割)、「バスルートが広範囲であり、移動が遠回り」(4割)の順とな
っています。
0%
20%
40%
60%
80%
運行本数が少ないため、待っている時
間が長い
74.1%
乗りたい時間帯にバスがない
74.1%
自宅や行きたい場所の近くを通らない
59.3%
電車やバスとの乗り継ぎがしにくい
44.4%
バス停に上屋やベンチが無く、バスを待
つのがつらい
38.9%
バスの行き先や経路、バス停の位置が
わかりにくい
26.9%
時刻表どおりにバスが来ない
8.3%
運転士の運転や接客に問題がある
図
N=108
(複数回答)
1.9%
問題が改善されれば「すぐにでも利用する」と回答した
路線バス非利用者の問題指摘内容
0%
20%
60%
80%
自宅や行きたい場所の近くを通らない
64.7%
乗りたい曜日や時間帯にバスがない
64.7%
電車やバスとの乗り継ぎがしにくい
39.7%
バスルートが広範囲であり、移動が遠
回り
バス停に上屋やベンチが無く、バスを待
つのがつらい
バスの行き先や経路、バス停の位置が
わかりにくい
時刻表どおりにバスが来ない
運賃が安すぎる
運転士の運転や接客に問題がある
図
36
40%
35.3%
33.8%
30.9%
13.2%
8.8%
7.4%
N=68
(複数回答)
問題が改善されれば「すぐにでも利用する」と回答した
コミュニティバス非利用者の問題指摘内容
コミュニティバス
非利用者の問題指摘内容
3)公共交通に対する市民の意識(市民アンケート調査結果)
●中津市で暮らすにあたっての公共交通の必要性に対しては、「今は必要ないが、将来的に
は必要」が半数以上を占めています。
●また、「今必要」との回答者は3割であり、地域別にみると、中津地域では 25%、三光地
域・本耶馬渓地域では 28%程度、耶馬溪地域・山国地域では 35%程度となっています。
(中津地域と耶馬溪地域・山国地域では指摘に 10 ポイントの差があります。)
今も将来も、
必要である
0%
今は必要だが、将来的には、
不必要である
10%
全体
(N=1,884)
20%
30%
30.4%
中津地域
(N=392)
50%
三光地域
(N=359)
28.4%
0.3%
本耶馬渓地域
(N=353)
28.0%
1.7%
35.2%
山国地域
(N=380)
36.1%
今も将来も、
不必要である
70%
80%
57.7%
58.1%
7.1%
6.6%
5.8%
7.8%
4.5% 7.6%
50.5%
1.8%
100%
5.1% 7.8%
61.2%
0.5%
無回答
90%
55.6%
0.5%
耶馬溪地域
(N=366)
60%
1.1%
24.5%
図
40%
今は必要ないが、
将来的には、必要である
4.6%
52.1%
9.0%
3.4% 6.6%
中津市で暮らすにあたっての公共交通の必要性(地域別)
中津市で暮らすにあたっての公共交通の必要性(地域別)
●財政負担のあり方について、回答者の7割が「財政負担が増えないように工夫しつつ、移
動手段を確保して欲しい」と指摘しています。
移動手段の確保のため、
今後財政負担が増える
のは仕方がない
0%
10%
20%
財政負担が増えないように
工夫しつつ、移動手段
を確保して欲しい
30%
40%
50%
60%
その他
70%
無回答
80%
90%
100%
全体
(N=1,884)
17.9%
66.2%
2.1% 13.9%
中津地域
(N=392)
16.8%
68.4%
2.0% 12.8%
三光地域
(N=359)
15.6%
69.9%
2.2% 12.3%
本耶馬渓地域
(N=353)
19.8%
62.6%
耶馬溪地域
(N=366)
18.0%
65.0%
山国地域
(N=380)
19.7%
図
66.3%
0.8% 16.7%
2.2% 14.8%
2.9% 11.1%
財政負担のあり方についての意向(地域別)
政負担のあり方についての意向(地域別)
37
●市民の移動手段の確保等に向け、必要だと感じる取り組みとして、「住民・行政・交通事
業者が話し合い、地域に合った公共交通の運行方法を検討すべき」(6割)、「市が交通
事業者に小型車両を提供し、集落に近い細街路の運行を促すべき」(4割)への指摘が多
くなっています。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
住民・行政・交通事業者が話し合い、地域に
合った公共交通の運行方法を検討すべき
62.7%
市が交通事業者に小型車両を提供し、
集落に近い細街路の運行を促すべき
38.7%
公共交通の利用状況を定期的に報告しつつ、
市民に公共交通の利用を呼びかけるべき
16.5%
運賃を値上げしてでも、
住民にとって必要な移動手段を確保すべき
特に市が公共交通の維持に向け、
取り組む必要はない
図
38
70%
14.4%
1.6%
N=1,884
(複数回答)
市民の移動手段の確保等に向け
市民の移動手段の確保等に向け必要だと感じる取り組み内容
移動手段の確保等に向け必要だと感じる取り組み内容
4)公共交通が“今”必要な市民の外出実態
●自治委員アンケート調査で、自治委員に対して、車を自由に使えない交通弱者の把握が出
来ているかについて質問したところ、「大体わかる」との回答が 8 割ありました。
●各地区の交通弱者の人数規模は「5 人未満」(約 41%)が最も多く、「10 人以上」は 3
割程度となっています。また、その方々の外出頻度は「週 2 日以下」(約 59%)が最も多
く、その外出場所は「医療、介護施設」(約 81%)と「買い物施設」(約 76%)が突出
しています。
無回答
2.0%
50人以上
分からない
17.7%
N=245
4.4%
20人以上50人未満
7.4%
10人以上20人未満
N=305
21.8%
5人以上10人未満
大体分かる
80.3%
5人未満
(N=245
(N=245)
245)
図
交通弱者の認知度
20%
30%
医療・介護施設
40%
50%
週に1~2日
41.6%
交通弱者の外出頻度
81.2%
買い物施設
週 2 日以下
59.1%
59.1%
図
10%
図 地区内の交通弱者の人数規模
地区内の交通弱者の人数規模
N=245
月に数日
16.3%
40.6%
0%
週に5日以上
1.6%
無回答
4.5%
週に3~4日
11.0%
分からない
23.7%
月に1回以下
1.2%
25.8%
75.9%
市役所
6.5%
金融機関
5.3%
郵便局
4.5%
JA
4.1%
その他
11.0%
無回答
11.0%
0%
20%
図
40%
60%
80%
交通弱者の外出場所
39
100%
●市民アンケートの調査結果をもとに、公共交通が“今”必要な市民の買い物と通院の外出
実態を分析しました。
●市民が最も買い物に行くのは「イオン三光」であることが分かりました。
●また、買い物移動実態をみると、中津地域・三光地域は自地域内での買い物が中心となっ
ています。
●本耶馬渓地域・耶馬溪地域は中津地域・三光地域への移動が中心です。
●山国地域は日田市への移動が中心となっています。
24.4%
98.8%
51.2%
各地域の1番の
各地域の1番の
買い物先は
イオン三光!
58.1%
7.8%
中津地域(N=82
中津地域(N=82)
N=82)
三光地域(N=86
三光地域(N=86)
N=86)
本耶馬渓地域(
本耶馬渓地域(N=80
馬渓地域(N=80)
N=80)
耶馬溪地域(N=108
耶馬溪地域(N=108)
N=108)
山国地域(N=116
山国地域(N=116)
N=116)
55.0%
62.5%
7.8%
7.4%
41.7%
75.9%
70%以上
70%以上
50%~
50%~70
%~70%未満
70%未満
30%~
30%~50
%~50%未満
50%未満
10%~
10%~30
%~30%未満
30%未満
10%未満
10%未満
※5%未満は非表示
※5%未満は非表示
47.2%
図
買い物の移動実態
●通院移動実態をみると、中津地域は自地域内が中心となっています。
●三光地域・本耶馬渓地域・耶馬溪地域は中津地域への移動が中心です。
●山国地域は自地域内と日田市への移動が中心となっています。
89.7%
66.1%
上位3つは
中津市民
中津市民病院
市民病院
川嶌クリニック
中津胃腸病院
中津胃腸病院
20.3%
10.3%
82.8%
51.7%
13.8%
26.9%
59.6%
29.3%
図
40
通院の移動実態
中津地域(N=39
中津地域(N=39)
N=39)
三光地域(N=59
三光地域(N=59)
N=59)
本耶馬渓地域(
本耶馬渓地域(N=58
馬渓地域(N=58)
N=58)
耶馬溪地域(N=52
耶馬溪地域(N=52)
N=52)
山国地域(N=58
山国地域(N=58)
N=58)
70%以上
70%以上
50%~
50%~70
%~70%未満
70%未満
30%~
30%~50
%~50%未満
50%未満
10%~
10%~30
%~30%未満
30%未満
10%未満
10%未満
※5%未満は非表示
※5%未満は非表示
3-2 施設利用者ヒアリング調査
施設利用者ヒアリング調査
3-2-1 調査概要
耶馬溪地域のへき地診療所を含む“市内各地域の日常生活目的施設”の利用者に対して、外出時に
おける問題点などを把握するため、聞き取り調査を実施しました。
調査の概要は下表のとおりです。
表
調査対象施設
調査の概要
中津地域:中津駅
三光地域:イオン三光
本耶馬渓地域:守谷医院、西谷温泉、横井医院
耶馬溪地域:平田診療所、津民診療所、下郷診療所、山移診療所
山国地域:水谷クリニック
調査手法
公共交通や患者輸送バスの利用者を中心とした施設利用者への調査員に
よる聞き取り
主な調査項目
・本日の外出目的地や移動手段など
・公共交通を利用する上で困っていること
・公共交通同士の乗り継ぎ実態(中津駅、イオン三光のみの設問)
回収結果
280 票回収
図
調査対象施設の位置
41
3-2-2 調査で得られた知見
1)耶馬溪地域を運行する患者輸送バス利用者の公共交通の利用実態
①患者輸送バス利用者の外出目的
●患者輸送バス利用者の外出目的をみると、「通院のみ」が約 74%を占める一方で、「通院
と買い物・私用」との回答が約 26%みられました。
通院と買い物・私用
25.8%
N=31
通院のみ
74.2%
図
患者輸送バス利用者の外出目的
②患者輸送バス利用者の満足度と利用上の問題点
●患者輸送バス利用者の満足度をみると、津民診療所(津民コース)と山移診療所(山移コ
ース・深耶馬溪コース)は 100%である一方で、下郷診療所(大島台コース・鎌城コース)
は約 57%と比較的低いことが分かりました。
●利用上の問題点をみると、下郷診療所(大島台コース・鎌城コース)利用者の半数以上(14
人中9人)が「荷物が重たくて手助けが欲しい」や「自宅からバス停までが遠すぎる」と
指摘しています。
※下郷診療所(大島台コース・鎌城コース)を利用する方の生の声
Aさん:たくさん買物をします。下郷農協から診療所までは、お店の方が荷物をもってきてくれるの大
変助かりますが、バス停から自宅までが1km以上あり、荷物が重くて辛いです。
Bさん:唯一の移動手段となっていますので通院と一緒に買い物もします。しかし、腰が悪く荷物を多
く持てませんので、外出をあきらめて移動販売車を利用することもあります。
Cさん:月2回しかないので、たくさん買い物をしたいです。
表
満足度
患者輸送バス利用者の満足度と
患者輸送バス利用者の満足度と利用
満足度と利用上の問題点
利用上の問題点
山移診療所
下郷診療所
津民診療所
(山移コース・
(大島台コース・
(津民コース)
深耶馬溪コース)
鎌城コース
57.1%
100%
100%
利用上の 問題点
荷物が重たくて手助け
0
1
9
0
1
7
運行本数が少ない
0
2
4
曜日・時間帯があわない
回答者
0
2
4
10
14
が欲しい
自宅からバス停までが
遠すぎる
7
注)利用上の問題点は複数回答であり、単位は人
42
2)電車やバスとの乗り継ぎがしにくい理由
●中津駅またはイオン三光で、公共交通の乗り継ぎをしている方に「電車やバスとの乗り継
ぎがしにくい理由」を具体的に聞いたところ、バスとJRの乗り継ぎに対して、半数以上
(14 人中9人)が「接続が悪くて、乗り継ぎがしにくい」と回答しています。
●また、バスとJRの乗り継ぎに対して、14 人中6人が「便と便の接続状況が分かる情報が
ない」と回答しており、乗り継ぎ可否に関する情報提供を求めていることが分かりました。
表
電車やバスとの乗り継ぎがしにくい理由
乗り継ぎパターン
計
バスとJR
バスとバス
接続が悪くて、乗り継ぎがしにくい
9
3
12
便と便の接続状況が分かる情報がない
6
2
8
公共交通を乗り継ぐと運賃が高くつく
1
0
1
14
9
23
回答者(乗り継ぎ利用者)
注)バス・・・路線バス又はコミュニティバスを指す
注)複数回答
3)利用者が路線バス・コミュニティバスに乗り入れして欲しい場所
●本耶馬渓地域の3施設(守谷医院、西谷温泉、横井医院)などで公共交通利用者(路線バ
ス・コミュニティバス)に聞き取りしたところ、路線バス・コミュニティバスに乗り入れ
して欲しい場所として、「イオン三光」を希望する声が複数ありました。
表
公共交通利用者が
公共交通利用者が路線バスやコミュニティバスに
利用者が路線バスやコミュニティバスに乗り入れて
路線バスやコミュニティバスに乗り入れて欲しい場所利用者の意向
乗り入れて欲しい場所利用者の意向
コミバス
路線バス
回答者数
・イオン三光に行く便がほしい
・徒歩で行ける範囲内しか行けない
・イオン。ちょっとした食品は近くて
が本当はイオン三光に行きたい
守谷医院
買えるけどやっぱりいろいろ品揃
4
えがあるイオンに行きたい
西谷温泉
横井医院
・イオンの中まで入ってほしい
・イオンの中まで入ってほしい。イ
・イオン行きがあったらよい
オンの所にイスと屋根がほしい
・イオン行きがあればもっと利用者が ・イオン入口ではなく中まで入って
増えると思う
ほしい
・イオン行きがほしい。コミュニティ ・バスによってイオンの中まで行く
バスで行けたら金額も安くてよい
バスがあったらよい
のに
・イオンに行ってくれたらよい(1週
間に 1 回です)
水谷クリニック
3
・バス停まで遠い
平田診療所
(特になし)
5
(特になし)
1
11
43
4.まちづくりの装置として地域公共交通が担うべき役割
4-1 中津市総合計画(
~30 年度)
中津市総合計画(H21~
4-1-1 中津市における将来都市像や地域・拠点の位置づけ
○将来都市像の実現に向けて、次の 4 つの施策の大綱が示されています。
Ⅰ.「ひと」と「自然」を守り、安全・安心で快適に住めるふるさとづくり
Ⅱ.「ひと」を育み、慈しみ、「ひと」に活力を与えるふるさとづくり
Ⅲ.絶えず新しい「もの」がうまれ、豊富に集まり、「ひと」が集い、常に発展をめざす
ふるさとづくり
Ⅳ.対話と協働によるふるさとづくり
○また、市域を中津地域、三光地域、本耶馬渓地域、耶馬溪地域、山国地域の 5 つの地域に分けて、
それぞれの整備計画を示しています。
○以下に示す各ゾーンなど中津市内における地域の位置づけは次頁の図のとおりです。
地域名
中津地域
三光地域
本耶馬渓地域
耶馬溪地域
山国地域
44
位置づけ・整備の方向
・県北の拠点都市として、また、地域経済活性化の核としてふさわしい【都市ゾー
ン】としての各種の基盤整備を推進する。
・ベッドタウンとして発展が見込まれる。【田園居住ゾーン】として、快適で豊か
な田園生活圏の創造に向けた整備を促進する。
・「青の洞門」や「羅漢寺」など豊富な観光資源を活かし、深耶馬溪、裏耶馬溪な
どとともに耶馬日田英彦山国定公園として、本市における【観光交流ゾーン】と
しての観光交流拠点の整備を促進する。
・また、中津地域への通勤圏でもあることから【中山間ゾーン】として豊かな自然
の保護に努めながら質の高い住宅や老朽化した公営住宅の改修等により定住環
境の整備を促進。
・豊かな森林資源を適正に維持・管理するための林道や作業道等の林業経営基盤の
強化を図る一方、市民参加の森づくりである「耶馬の森林」等の育成に一層努め、
【森林資源保護ゾーン】として、山村への理解を深め、下流域の住民等との交流
を図る。
・また、深耶馬溪や裏耶馬溪等の名勝や、サイクリングロードや水上スキー・ウエ
イクボード、温泉などのスポーツ・レクリエーション施設が整備されていること
から、【観光交流ゾーン】として都市との観光・交流拠点の整備を促進する。
・市民参画のもとに【森林資源保護ゾーン】として森林自然環境の維持・保全に努
める。
・本市の西の拠点と位置づけ【観光交流ゾーン】として、各種交流施設や観光施設
の整備を促進するとともに「コアやまくに」を本市の文化活動の発信地として機
能充実を図る。
図
中津市内における地域の位置づけ
中津市内における地域の位置づけ
注)「山国川水系・名勝耶馬溪エリア」は中津市景観計画(H22 年 4 月策定)を参考とした。
備考)中津地域全体が「都市計画区域」に該当している。
○総合計画基本計画においては、都市(用途地域指定区域)と中山間地域について、土地利用・地
域振興の方向を示しています。
地域名
用途地域指定
区域
中山間地域(本
耶馬渓、耶馬
溪、山国地域)
土地利用・地域振興の方向
○都市計画区域の土地利用
・住宅地、工業地、商業地のそれぞれについては、用途地域指定区域内で対
応することを基本方針とする。
・ただし、まとまった規模の産業用地開発については、農業振興地域との調
整に配慮しながら、必要に応じて用途地域内に組み込むことを検討する。
○集落機能の向上
・集落を単位とした生産組織の育成や協業化、法人化を進め、付加価値をつ
けた複合型経営を充実させていく。
・高齢者などができるかぎり住み慣れた地域の中で、本人の生活能力に合わ
せた自立生活を送れるよう地域振興対策などによる支援を行う。
45
4-1-2 中津市のまちづくりにおける地域公共交通の位置づけ・整備の方向性
○基本構想においては、4 つの施策大綱のうち、「Ⅰ.「ひと」と「自然」を守り、安全・安心で
快適に住めるふるさとづくり」の中の「4.安全・安心で利便性の高い都市基盤づくり」に位置
づけられており、路線バスとコミュニティバスについて、「運行改善による利便性の向上と利用
促進を図り、市民の移動手段である公共交通機関の確保に努める」という方向が示されています。
○また、基本計画においては、公共交通機関の確保に係る施策の体系として、①路線バス不採算系
統に対する補助、②コミュニティバスの運行、③新規施策の検討の 3 本柱で、次のような方向が
示されています。
路線バス不採算系統に対
する補助
・利用状況に応じた見直し、運行改善による利便性の向上、費用
対効果の観点からコミュニティバスへの転換の検討
コミュニティバスの運行
・利用状況に応じた見直し、運行改善による利便性の向上
新規施策の検討
・効率的な公共交通機関の確保を実現するための新規施策の導入
の検討
○また、その他、地域公共交通がその役割を担う政策課題として「診療所経営の安定化」、「小中
学校の適正配置」、「集落機能の向上」が求められています。
分野
位置づけ・整備方向
安心して暮らせる地
○診療所
域医療体制づくり
・患者輸送バス(津民、山移)及び福祉バス(槻木)の運行本数を増便
「ひと」が育ち、文
○小中学校の適正配置
化・スポーツで活力
・遠距離通学児童生徒への通学費補助やスクールバスの運行などについ
あるふるさとづくり
て引き続き継続するとともに、適正配置に伴う新たな課題への施策を
することにより、診療所経営の安定化を図る。
講じる。
対話と協働ですすめ
○集落機能の向上
るふるさとづくり
・民間事業者とともに路線バスとコミュニティバスの見直しを利用状況
に応じて定期的に行い、市民の移動手段である公共交通機関の確保に
努める。
・より効率的に公共交通機関の確保を実現するための新規施策の導入を
検討する。
46
4-2 中津市都市計画区域マスタープラン(
~42 年度)
中津市都市計画区域マスタープラン(H23~
4-2-1 中津市における将来都市像や地域・拠点の位置づけ
○「中津都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(中津都市計画区域マスタープラン)」におい
ては、基本理念は「本都市計画区域は県北の中心として、歴史、文化、自然環境との調和を図り
ながら、田園、商業、工業、文化、観光など多様な機能のバランスがとれた魅力ある都市の形成
を目指す」となっています。
○また、都市づくりの視点として、次の 5 つを掲げています。
視点1 必要な都市機能が集積した都市づくり【都市構造】
視点2 地域の魅力や価値の向上があふれる都市づくり【都市再生】
視点3 安全で安心して暮らせる都市づくり【安全安心】
視点4 歴史・文化を保全し、観光資源を創出する美しい都市づくり【環境】
視点5 私たちの地域は私たちがつくる地域主体の都市づくり【地域主体】
○土地利用等の方針として、次のような事項が示されており、“商業業務機能の中心市街地への集
積を図り、集約型の都市づくりを目指すことが基本”となっています。
・中津駅周辺の中心市街地及び大貞地区に商業地を配置する。中心市街地では県北地域の
中核都市としての機能を発揮する。官公庁施設は業務地区に集約的に配置し機能の充実
を図る。
・人口の大半が用途地域内に居住している。今後とも、無秩序な宅地開発が進まないよう、
本都市計画区域の西部から中央部に住宅地を配置し、増加する人口の適切な収容を図る。
・農業集落では、既存の農村景観を保全するとともに低密度の集落形成を図る。
・大規模集客施設は、「広域拠点」(中津駅周辺地区)内の「誘導区域」に立地誘導する。
・耶馬溪へと続く南部の高台の樹林地は、市街地後背の貴重な自然緑地として位置づけ保
全に努める。
4-2-2 中津市のまちづくりにおける地域公共交通の位置づけ・整備の方向性
○道路交通環境の改善(円滑な自動車交通の確保)や環境負荷の少ない移動ネットワーク形成の観
点から、公共交通機関が位置づけられ、公共交通の利用促進や駅の交通結節機能強化などの取組
みが示されています。
47
4-3 その他の
その他の計画
○前述の「中津市総合計画」と「中津市都市計画区域マスタープラン」以外の分野別計画などの中
でも地域公共交通の位置づけなどが明記されています。
表
分野
分野別計画などにおける地域公共交通の位置づけなど
定住自立圏
名称
九州周防灘地域定住
自立圏共生ビジョン
(変更)
策定年月
H26.5 変
地域公共交通の位置づけなど
○圏域の将来像に、高齢者などの交通弱者の増加により、
圏域を越えた公共交通網の整備に対する需要が高まっ
ていることに対応して、公共交通ネットワークの整備
を推進することがうたわれています。
※その具体的取り組みの1つが、「コミュニティバス豊
前中津線」の運行です。
福祉
第2次中津市地域福
祉計画・地域福祉活
動計画
H24.4
生活保健
第9次中津市交通安
全計画
H23.4
まちづくり
中津市都市計画マス
タープラン
H14.1
48
○地域福祉活動を支えるしくみ・体制づくりの中に「移
動手段の確保」が位置づけられ、日常生活に必要な買
い物や交通は生活の基盤となる要素であり、その整
備・支援を進めるとしています。
※具体的取り組みとしては、調査・検討を通じた公共交
通の整備、利便性向上、通学補助やスクールバスの運
行を挙げています。
○高齢者の交通安全の観点から、運転免許自主返納者に
対する「代替交通手段の確保」や買物料金割引等の「イ
ンセンティブの創設」など、高齢運転者が運転免許を
自主的に返納しやすい環境づくりの推進を示していま
す。
○旧中津市域を対象とする合併前の計画ですが、中津地
域に対して、都市拠点(都市機能が集積して都市の核
を形成する地区)と都市軸(都市拠点を相互に連絡し、
都市の骨格を形成する幹線的な機能をもった軸)から
なる都市構造が示されており、特に商業・業務・文化の
中心となる「中心核拠点」として「中津駅周辺」が位置
づけられています。
○公共交通の整備方針では、自動車利用の抑制、誰にも
やさしい公共交通の実現、環境負荷の軽減、観光交通
への対応等の視点から、バス、鉄道等の公共交通の充
実を図ることが示されています。
○また、バス・鉄道・タクシーなどにおける車椅子の乗
降可能な車両の確保、交通結節点でのエレベーターの
普及等の交通環境の整備が挙げられています。
4-4 まちづくりの装置として地域公共交通が担うべき役割
まちづくりの装置として地域公共交通が担うべき役割(まとめ)
べき役割(まとめ)
○この章の検討をまとめると、中津市において、“まちづくりの装置”として地域公共交通が果た
すべき役割は「地域住民の移動手段の確保」と「まちのにぎわいの創出や健康増進」、「コンパ
クトシティの実現」、「人の交流の活発化」の4つとなります。
【上位計画】
中津市総合計画
【関連計画】
中津市都市計画区域マスタープラン
九州周防灘地域定住自立圏共生ビジョン
中津市地域福祉計画・地域福祉活動計画
中津市交通安全計画
中津市都市計画マスタープラン など
まち づ く り の装 置 と し て 地 域 公 共 交 通 が担 う べ き役 割 ( まと め )
「地域住民の移動手段の確保」と「まち
まちのにぎわいの創出や健康
まちのにぎわいの創出や健康増進」
のにぎわいの創出や健康増進」
運転のできない学生・生徒や高齢者、障がい者等の移動手段の確保し、それにより、外出機会の増加による
まちの賑わいの創出や「歩いて暮らせるまちづくり」による健康増進
◆教育
◆福祉
◆医療
・小中学校までの移動手段の確
保に向け、既存の交通手段
(路線バス、コミバス、スクール
バス、患者輸送バス等)の連
携が必要
・高齢者や障がい者等の社会参加、共生社会の実
現が重要
・外出することで、様々な活動をし、自立した生活が
継続でき、介護予防等に効果があることを期待
・各地域あるいは市全体の中で拠点づくりが求めら
れ、そこまで移動軸として交通が重要
(ただし、自宅からバス停まで等のバリアフリー等
のフォローアップ策も必要)
・診療所経営の安定化に向け
た移動手段の確保が必要
・有償運送することで、高齢者
の出費が生じるが、通院以外
の外出が促進することを期待
「コンパクトシティの実現」
諸機能が集約した拠点同士、あるいは拠点と居住エリアを結ぶ
移動軸を提供
◆建築・都市計画
◆財政
◆まちづくり
・公共交通の利便性が高
いエリアに市営住宅等
を集約化することが必
要
・拠点施設につい
ては「公共施設等
総合管理計画」と
の整合性に留意
することが必要
・公共施設の立地
適正化が必要
・継続的な集落の維持
活性化や機能向上に
向けて、地域公共交
通を活用しつつ、「集
落ネットワーク圏」を
構築して、定住を促進
することが必要
「人の交流の活発化」
観光客等の来訪者の移動利便
性や回遊性の向上により、人の
交流を活発化
◆観光
・現状で観光スポット(市街地内、市街地~
耶馬溪方面)への移動手段や周遊手段
が乏しく、公共交通の充実は必要
・コミバスの活用や市外の人が利用しやす
い周遊バス等の創設により、観光客の利
便性の向上が期待
49
5.中津市における地域公共交通の基本方針
本市におけるまちづくりの方向性や地域公共交通の現状などを踏まえ、安全・安心な地域公共交通
体系を基本とした上で、本計画の基本方針を以下のように設定します。
●中津市が目指す“いつまでも安全・安心で快適に生活でき、また、多くのひ
とが集い、常に発展をめざすふるさとづくり”に向け、
高齢者や学生等の交通弱者の移動手段の確保を前提に、
市内外から多くの人をまちに呼び込み、ふるさとの賑わいづくりと生きがい
づくりに寄与する“ひとにやさしい”地域公共交通網の形成を目指す
注)本計画における「交通弱者」は、「1人で外出することはできるものの、車や運転免許がないなど
車を自由に使えない方々」を指します。
6.計画対象区域
本計画の区域は、中津市全域とします。
7.計画期間
本計画の期間は、平成 27 年度から平成 30 年度までの4年間とします。
※なお、第四次中津市総合計画の計画期間が平成 30 年度までとなっており、それにあわせています。
50
8.計画の目標
8-1 基本方針の実現に向けてクリアしなければならない
基本方針の実現に向けてクリアしなければならない問題・課題
針の実現に向けてクリアしなければならない問題・課題
8-1-1 地域公共交通のサービス改善
○JR・路線バス・コミュニティバス・民間タクシーがそれぞれ担う移動(役割)を明確化し、連携・
ネットワーク化する必要があります。
○その中で、市内や市外への広域移動の中心となる路線バス(中日線)について、市民の外出状況
等を踏まえた運行ルート等の見直しが望まれます。
○また、市民(特に交通弱者)の生活利便性の向上のため、市内移動・地域内移動を中心に展開す
る地域公共交通サービスは“さらなる地域密着型のサービス展開”に向けて、利用者の意向や利
用実態等を踏まえた運行ルート・ダイヤ等の見直しが必要です。
○これらの地域公共交通のサービス改善は日常生活の利便性等を高め、コンパクトな市街地や集落
ネットワークの形成や人口密度の維持、都市機能の誘導等に寄与するものと期待されます。
8-1-2 地域公共交通の乗り継ぎ円滑化
○中津駅でのJRと路線バスの接続が芳しくない便も一定程度みられ、改善の余地があります。
○行政と交通事業者、施設管理者等の連携のもと、公共交通の乗り継ぎ(JR⇔バス、バス⇔バス)
を円滑にし、“地域公共交通網全体の利便性向上”が必要です。
8-1-3 地域公共交通の持続ある運行
○中津市の人口減少・少子高齢化が進行し、地域公共交通の利用者減少が進んだ場合、市の財政負
担が増大し、バス路線の廃止なども考えざるを得ない状況に陥ってしまうことが懸念されます。
○そのようなことを未然に防ぎ、地域公共交通を持続的に運行させるためには、利便性と経済性の
バランス(調和)を図ることが求められます。
51
8-2 計画の目標
○基本方針ならびに基本方針の実現に向けてクリアしなければならない問題・課題を踏まえ、計画
の目標として、以下を設定します。
①生きがいづくりに向けた様々なサービス・行事などを楽しむため、そして、
各種拠点の機能を維持・強化するため、各地域
各種拠点の機能を維持・強化するため、各地域の中心部や都市機能が集積した
地域の中心部や都市機能が集積した
市内・市外などへの“おでかけ”の増加に資する効果的な地域公共交通ネット
市内・市外などへの“おでかけ”の増加に資する効果的な地域公共交通ネット
ワークを構築する
数値目標
●路線バス(中日線)注の年間利用者数
目標値(H30) 95,000 人
〔現況値:94,217 人(H25)〕
●コミュニティバス年間利用者数(※総合計画より)
目標値(H30) 28,000 人/年 〔現況値:26,522 人(H25)〕
注)「路線バスの年間利用者数」について、中日線のみを対象としています。これは、「各地
域の中心部や都市機能が集積した市内・市外などへの“おでかけ”の増加に資する効果的
な地域公共交通ネットワーク」の中心的役割を担うのが、中日線であると考えているから
です。また、他のバス路線については、路線の重複状況や利用者の特性などを考慮した上
で、運行形態も含めた路線の再編等を検討するため、数値目標の設定は行っていません。
②人口減少下にあることを真摯に受け止め、限られた予算で最大の効果を上げる“経
営感覚”を取り入れた効果主義のもと、地域公共交通の運行・経営に努める
数値目標
●路線バス・コミュニティバスの利用者1人あたり財政負担額
130 円/人未満 〔現況値:132 円/人(H25)〕
目標値(H30)路線バス
コミュニティバス 1,000 円/人未満〔現況値:1,039 円/人(H25)〕
③地域公共交通の利用促進に地域全体で取り組み、地域公共交通を「創り、守り、
育てる」気運の醸成を図る
数値目標
●路線バス・コミュニティバス1便あたりの平均利用者数
目標値(H30) 各路線それぞれ 1.5 人/便
●地域公共交通アドバイザー会議(仮)の開催数
目標値(H30) 2回/年以上
52
<中津市が目指すべき地域公共交通網のすがた>
○基本方針ならびに計画目標の達成に向けて、「中津市が目指すべき地域公共交通網のすがた」は
以下のとおりです。
幹線バス
地域拠点間連携軸
機能分類
該当路線
・市境を跨いだ広域的な移動や、地域拠点間の連携・交流、特に中
・路線バス
心核拠点である中津駅周辺や買い物拠点となるイオン三光など
中日線、
多様かつ高度な都市機能が集積する市街地部(中津・三光地域)
中森線
への円滑なアクセスを確保することで、市民の生活を支える役割
を担う公共交通
・需要に応じて比較的利便性の高いサービスを提供
支線バス
地域拠点連絡軸
・通院や買い物といった日常生活を送る上での一定の都市機能を有
・路線バス
する地域拠点等までの移動手段、さらには、地域拠点間連携軸と
市内線
なる公共交通(中日線)に接続する移動手段として、地域で生活
・コミュニ
し続けられる環境を維持する役割を担う公共交通
・路線バスやコミュニティバスにより、曜日限定運行など需要に応
ティバス
路線
じた効率的なサービスを提供
小さな拠点・集落ネ
・通院や買い物、郵便・銀行といった日常生活を送る上で必要最低
・コミュニ
限の機能を有する小さな拠点・日常生活拠点施設等までの移動手
ティバス
段として、地域で生活し続けられる環境を維持する役割を担う公
路線ほか
ットワーク軸
共交通
・コミュニティバスによる曜日限定運行やデマンド型運行(事前予
約制の運行)など需要に応じた効率的なサービスを提供
中心核拠点(中津駅)
地域拠点
小さな拠点・日常生活拠点施設
小さな拠点(小学校)
地域拠点間連携軸
地域拠点連絡軸
小さな拠点・集落ネットワーク軸
(住居系・商業系)
城下町エリア・中心拠点再生地区
注)オレンジ波線:小学校区界
図
中津市が
中津市が目指すべき地域公共交通網のすがた(中津
目指すべき地域公共交通網のすがた(中津地域
(中津地域)
地域)
53
中心核拠点(中津駅)
地域拠点
小さな拠点・日常生活拠点施設
小さな拠点(小学校)
地域拠点間連携軸
地域拠点連絡軸
小さな拠点・集落ネットワーク軸
(住居系・商業系)
城下町エリア・中心拠点再生地区
図
54
中津市が
中津市が目指すべき地域公共交通網のすがた(旧下毛郡の4
目指すべき地域公共交通網のすがた(旧下毛郡の4地域
(旧下毛郡の4地域)
地域)
9.目標を達成するために行う事業及び実施主体
9-1 事業の概要
地域公共交通をもっと使って、まちにお出かけしてもらうために、「今より使いやすく」した上で
「多くの方に知ってもらい、使ってもらう」ことを考えました。その具体的な施策を以下に示します。
事 業
目 標
(1)地域公共交通のサービス見直し
(1)地域公共交通のサービス見直し
①生きがいづくりに向けた様々
なサービス・行事などを楽しむ
ため、そして、各種拠点の機能
を維持・強化するため、各地域
を維持・強化するため、各地域
の中心部や都市機能が集積し
た市内・市外などへの“おでか
た市内・市外などへの“おでか
け”の増加に資する効果的な地
域公共交通ネットワークを構
築する
~今よりもっと地域に密着した、使いやすく
愛される公共交通を~
①コミュニティバスのサービス見直し
②路線バスのサービス見直し
③公共交通不便地域における支線交通の実証
運行
④安全確保と利便性向上に向けた、バス車両
④安全確保と利便性向上に向けた、バス車両
の計画的更新
(2)地域公共交通の利用促進
地域公共交通の利用促進
②人口減少下にあることを真摯
に受け止め、限られた予算で最
大の効果を上げる“経営感覚”
を取り入れた効果主義のもと、
地域公共交通の運行・経営に努
める
~多くの方に知ってもらい使ってもらう、
そして地域ぐるみで育ててもらう~
①公共交通啓発チラシや広報誌等の活用、
公共交通啓発チラシや広報誌等の活用、地域公共
交通の利用実態報告の検証
②公共交通マップの作成
③交通結節点となるバス停の改善
④住民座談会、公共交通試乗会等を活用した直接的
コミュニケーションによる利用促進活動の実施
⑤ICT を活用した効率的な公共交通情報の提供
⑥他機関との連携
③地域公共交通の利用促進に地域
全体で取り組み、地域公共交通
を「創り、守り、育てる」気運
の醸成を図る
<マネジメント体制>
1)公共交通の継続的な改善を実施していくための仕
組みづくり
2)公共交通に対する改善要望等を収集し、活用する
仕組みづくり
図
実施する事業など
実施する事業など
55
9-2 事業の実施時期及び実施主体
各事業の実施時期と事業主体は以下のとおりです。
表
事業の実施時期及び実施主体
実施予定時期
中津市
地域公共交通会議
交通事業者
地域住民ほか
◎
○
◎
○
◎
○
◎
○
◎
◎
○
○
○
実施
◎
○
◎
○
実施
◎
○
◎
◎
実施
◎
○
◎
○
◎
○
◎
◎
○
◎
29
30
年度
○
平成
◎
28
年度
○
平成
◎
年度
○
平成
◎
27
年度
(1)地域公共交通
のサービス見直
し
平成
事業
事業の実施主体
計画
①コミュニティバスのサービス見直し
実施
②路線バスのサービス見直し
計画
実施
③公共交通不便地域における支線交通の実証運行
(2)地域公共交通
の利用促進
実施
④安全確保と利便性向上に向けた、バス車両の計画的更
新
①公共交通啓発チラシや広報誌等の活用、地域公共交
通の利用実態報告の検証
計画
実施
検証
②公共交通マップの作成
③交通結節点となるバス停の改善
④住民座談会、公共交通試乗会等を活用した直接的コミ
ュニケーションによる利用促進活動の実施
⑤ICT を活用した効率的な公共交通情報の提供
実施
計画
⑥他機関との連携
実施
実施
注)実施主体:◎・・・中心的な立場で実施、○・・・協力的な立場で実施
事業の実施にあたっては、市民の需
要(ニーズ)にあった利便性のある持
続的な地域公共交通サービスの提供に
向け、PDCAサイクルによるマネジ
メントにより、評価・見直しを行いな
がら実施します。
特に、事業や目標値については、上
述の目標を達成するために、必要に応
じて修正・追加等を行う場合がありま
す。
Plan
●事業の実施計画作成
●指標及び目標値の設定
Action
Do
●計画の見直し
●改善策の検討・実施
●事業の実施
Check
●指標の達成状況の評価
●課題・問題点の整理
図
56
PDCAサイクル
◎
9-3 事業計画
(1)地域公共交通のサービス見直し
(1)地域公共交通のサービス見直し
~「今よりもっと地域に密着した、使いやすく愛される公共交通を
~「今よりもっと地域に密着した、使いやすく愛される公共交通を」~
今よりもっと地域に密着した、使いやすく愛される公共交通を」~
①コミュニティバスのサービス見直し
コミュニティバスは、路線によってその利用状況に差異がみられます。
そのため、各路線共通で運行ルートの見直しや路線バスとの乗り継ぎ利便性を高めるようなサー
ビスの改善を行いますが、特定の路線については、後述の利用促進策を実施しつつも、持続的な移
動手段の確保に向けて、試行的な取り組みも実施していくことを考えています。
具体的には、利用状況からサービス水準などの見直しを検討する“目安”を設定し、目安に該当
する路線を対象として運行形態や運行頻度などのサービス水準の見直しを検討します。
※本計画における“目安”は数値目標に掲げている「
本計画における“目安”は数値目標に掲げている「1.5
掲げている「1.5 人/便」とします。
便」とします。
この「1.5
この「1.5 人/便」は1往復(2便)のうち行き・帰りの最低どちらか1便が乗り合って利用する(つまり2
人利用する)ことを期待している数字です。
<コミュニティバスの各路線共通の取り組み>
○民間タクシーとの役割を明確化すべく、利用者の皆さんには停留所まで少し歩いてもら
うことを基本としますが、現状よりも自宅や目的地の近くで乗り降りできるように運行
ルートを改善することで、より地域密着型の運行ルートの見直しを検討します。
○コミュニティバスと路線バスの乗り継ぎ利便性の向上等を図るため、ダイヤの変更を行
います。
1便あたりの
利用者数が
5人/便以上
(H25
H25 年度実績)
1便あたりの
利用者数が
1.5 人/便以上
(H25
H25 年度実績)
1便あたりの
利用者数が
1.5 人/便未満
(H25
H25 年度実績)
表 コミュニティバス
コミュニティバス各路線の見直しの方向性
各路線の見直しの方向性
見直しの方向性
具体路線
・槻木線(10.2 人/便)
○現状の運行状況を基本としつつ、効率性や利
・市平・奥谷線(6.6 人/便)
便性のさらなる向上に向けた運行ルート(停
・所小野線(6.1 人/便)
留所位置)や運行ダイヤ・運行便数の調整を
行います。
・屋形線(5.9 人/便)
○一定程度の利用需要が顕在化した場合は、必
・西谷線(5.5 人/便)
要に応じて、インセンティブとして増便など
・東谷線(4.6 人/便)
も検討します。
・豊前・中津線(4.1 人/便)
・三保線(3.5 人/便)
・大石峠・フケ原線(3.5 人/便)
・両宮線(2.2 人/便)
・毛谷村線(2.0 人/便)
・西秣線(1.1 人/便)
・長尾野線(0.7 人/便)
○当面は現状の運行形態(路線定期)を維持し
つつ、利用者増加に向けた運行ルートや運行
ダイヤ等の見直しなどを行います。サービス
見直し後も状況が改善しない場合は、住民座
談会を開催しつつ、運行形態の大幅な見直し
を視野に入れた検討を行います。
次頁にコミュニティバスにおけるサービスの見直しに向けた検討の流れを示します。
57
コミュニティバスの利用状況(H25 年度実績)
はい
(1.5 人/便以上の路線)
各路線はそれぞれ
1.5 人/便以上?
「1.5 人/便」は1往復(2便)のうち
行き・帰りの最低どちらか1便が
乗り合って利用(つまり2人利用)
することを意味しています
いいえ
(1.5 人/便未満の路線)
住民座談会を開催
運行に対する強い要
望や利用者増加の可
能性があるか?
運行に対する要望
が強く、見直しな
どによる利用者増
が期待できる
現状の運行状況
現状の運行状況を基本とし
状況を基本とし
つつ、効率性・利便性のさら
つつ、効率性・利便性のさら
なる向上に向けた停留所位
なる向上に向けた停留所位
置やダイヤ等の調整を実施
運行に対する要望が強く
ない、又は、見直しなどに
よる利用者増が期待でき
ない
当面は
当面は現状の運行形態(路線定
期)を維持しつつ、利用者増加に
向けた運行ルートや運行ダイヤ
等の見直しなどを実施
市が利用状況の変化を調査
はい
各路線はそれぞれ
1.5 人/便以上?
いいえ
住民座談会を開催
現状維持
利用状況次第では
増便の可能性も
あります
図
58
集落分布状況や地域の意向等を踏まえて、
移動手段の確保に向けて
必要に応じて、減便や
必要に応じて、減便や代替サービス
減便や代替サービスなど
代替サービスなど
の見直しを検討
の見直しを検討
コミュニティバスにおけるサービスの見直しに向けた検討の流れ
②路線バスのサービス見直し
中津市を走る路線バスの中には、サービス水準に対して利用者が顕著に少ない路線が見られ、
公共交通の運行に対する財政負担増大の一因になっています。
持続可能な公共交通を実現していくためには、このような利用が低迷する路線の改善を図っ
ていくことが重要になることから、路線の重複状況や利用者の特性などを考慮した上で、運行
形態も含めた路線の再編や、需要に応じたサービス水準の見直し、新たな需要の掘り起しなど
を進めていきます。
その一環として、路線バス事業者(大交北部バス)が主体となって、行政・施設管理者等と連携
しつつ、中日線の一部便について「イオン三光」の施設内への乗り入れの検討を行います。
また、路線バスと JR、路線バス同士の乗り継ぎ利便性を高めるため、行政と交通事業者、施設
管理者等の連携のもと、できる限りの運行ダイヤの調整を検討・実施します。
③公共交通不便地域における支線交通の実証運行
中津市はいつまでも安全・安心で快適に生活できるよう、市内の中山間地域や旧市内の周辺地区
を中心として、生きがいづくりに向けた“ひとにやさしい”地域公共交通の実現を目指します。
まずは、コミュニティバスが唯一運行されていない耶馬溪地域や地域活性化のモデル地区である
今津地区といった“周辺に商業施設や医療施設などがあまり立地していない地域・地区”に着目し、
既存の公共交通ネットワークの見直しを行いつつ、必要最小限のサービス水準が確保された支線交
通を運行します。
図
今津地区における
今津地区におけるワークショップの様子
におけるワークショップの様子
④安全確保と利便性向上に向けた、バス車両の計画的更新
市内を運行する路線バス車両は経過年数(車齢)が 20 年以上のものが多く、ここ数年のうちに
バス車両の整備費用の増大に伴う市の財政負担の増大が懸念されます。
そのため、安全確保と利便性向上に向け、“公有民営方式”(行政が車両を購入し、バス事業者
がそれを運行・運営する方式)を念頭に置いた、バス車両の計画的な更新(代替)を行います。
バス車両については、バリアフリー対応車両の導入(購入)を優先的に検討します。
59
(2)地域公共交通の利用促進
~「多くの方に知ってもらい使ってもらう、そして地域ぐるみで育ててもらう」~
対象エリア
●市内全域
対象とする
●中津市を運行する路線バス(大交北部バス、玖珠観光バス)全路線
交通手段
●中津市が運行主体となっている地域公共交通全路線
①公共交通啓発チラシや広報誌等の活用、地域公共交通の利用実態報告の検証
公共交通啓発チラシや市の広報等を活用し、鉄道やバス等の地域公共交通の各種情報などを広
く周知していくことで地域公共交通の利用促進を図ります。
特に、市民の皆さんと一緒になってコミュニティバスを「守り、育てる」ため、市が定期的に利
用状況を把握し、自治会長さんや運転手さんなどの協力のもと、広報誌やバス車両等で利用状況を
利用者や沿線地区の皆さんに報告することで、地域公共交通の利用促進に地域全体で取り組み、
地域公共交通を「創り、守り、育てる」気運の醸成を図りたいと思います。
なお、“利用が著しく少ない路線”については、利用者の皆さんや沿線地区の皆さんに、利用実
態などを周知した後、その後も状況が改善しない場合は、サービスを見直します。
②公共交通マップの作成
公共交通の路線図や時刻表等を記載した「公共交通マップ」を作成し、各公共交通機関の乗り継
ぎ等をわかりやすくすることで利用促進を図ります。
図
地域単位の詳細な
地域単位の詳細な公共交通
単位の詳細な公共交通マップを作成している事例(豊後大野市)
公共交通マップを作成している事例(豊後大野市)
出典:豊後大野市ホームページ
60
③交通結節点となるバス停の改善
乗り継ぎ利用の促進や、乗り継ぎ利便性向上に向けて、
交通結節点のダイヤ調整や乗り継ぎ時刻表などの作成を行
います。
また、乗り継ぎ利用の促進や、乗り継ぎ利便性向上に向
けて、交通結節点における分かりやすい案内標示や情報提
供、円滑に乗り継ぎができる環境の整備などを地域ぐるみ
で行います。
図
民地を活用したバス待ち環境整備
(豊後大野市)
出典:豊後大野市ホームページ
④住民座談会、公共交通試乗会等を活用した直接的コミュニケーションによる利用促進活動の実施
住民座談会や公共交通試乗会、その他老人会の集まりなど地域の寄合や市が実施する「ふれあい
出前講座」等を活用して、市民の皆さんと直接コミュニケーションをとり、路線バスやコミュニテ
ィバスの利用方法などの利用促進の取り組みを行います。
特に、公共交通試乗会では、子供やお年寄りなどを対象に、市内の公共交通のルートや利用方法
などを説明し、沿線住民の皆さんに実際に試乗してもらうことで、路線バス・コミュニティバスの
周知に努めます。利用意向を示す方々には「無料乗車券」を配布することも考えています。
また、企業や学校などにも、公共交通マップ等を活用した公共交通の利用促進を行います。
⑤ICT を活用した効率的な公共交通情報の提供
スマートフォンやタブレット、CATVなどを活用して、バスのリ
アルタイム位置情報などが提供できるICTシステムを検討します。
あと5分でバスが
来ます!
図
利用イメージ
61
⑥他機関との連携
医療機関や商業施設等と協力し合って、公共交通利用者を増やすための取り組みを進めます。
具体的には、地域公共交通の利用促進を促す情報媒体(チラシなど)の留め置きや、地域公共交
通の利便性を高めるための環境づくりの協力など、地域公共交通のサポーターになってもらう取り
組みを行います。
例えば、飲食店やスーパーなどで買い物をした顧客に対して商業事業者がサービスとして無料
乗車券を配布することで、利用促進を図るなどの取り組みも考えられます。
図
企業や商業施設との連携イメージ
出典:「地域公共交通の利用促進のためのハンドブック」(平成 25 年 5 月、国土交通省総合政策局)
中津市では「福祉の里づくりサポーター事業」が行われており、この事業を活用しつつ、公共交
通サービスの一環として、“特定便のみ、荷物をかわりに持ってくれるヘルパー(ポーター)が同
乗する仕組み”をつくることで、公共交通の運行形態を変えることなく、サービスの質を格別に向
上させることが可能です。
<中津市
福祉の里づくりサポーター事業>
○65 歳以上の中津市民の方が、施設等でサポーター活動を行うことで評価ポイントを得られ、
そのポイントを換金できる制度
(1時間につき1個で1日に2個まで。1個につき 100 ポイント(100 円)が付与)
○高齢者がサポーター活動を通じて、高齢者自らの介護予防、生きがいづくり、健康増進や住
民同士のつながりの強化が目的
特定便には
ヘルパーが同乗
(ツーマン体制)
支援
デイサービス施設
介
コミュニティバス等
市街地部
支援
商
商業施設
図
62
特定便にヘルパーが同乗するツーマン体制の地域公共交通
(福祉と交通のパートナーシップ例)
9-4 目標達成に向けたマネジメント
9-4-1 マネジメントの進め方
○中津市の地域公共交通については、運行開始後は1年ごとに利用状況などを把握し、目標達成状
況についてモニタリングを行うこととします。そうすることで、市民の外出ニーズや利用実態な
どにマッチした地域公共交通を育てていくつもりです(①小さな PDCA サイクル)。
○また、現在とは、需要などが変化すると想定される4年後には、再度市民の移動状況を調査し、
また、それまでの運行を総括した上で、地域公共交通ネットワークやそれに関する様々な仕組み
を見直していきます(②大きな PDCA サイクル)。
C
D
D
A
P
P
計画
策定
1 年後
2 年後
P
P
D
A
C
3 年後
D
A
D
A
C
P
D
A
C
C
表
5 年後
P
P
図
D
A
C
PDCA サイクルのイメージ
サイクルのイメージ
各 PDCA サイクルの概要
項目
P(計画)
大きなPDCA
・地域公共交通網形成計画の策定
D(実行)
・計画に掲げる各種施策の実行
C(評価)
・各種施策の実行による、市民の移動への効
果などの評価
・地域公共交通網形成計画の見直しの検討
A(改善)
4 年後
小さなPDCA
・各路線の運行計画の策定
・利用促進策などの実施計画の策定
・地域公共交通の運行
・利用促進策などの展開
・利用状況の評価
・施策実施効果の評価
・運行の見直し
・利用促進策の見直し
63
9-4-2 マネジメント体制
1)公共交通の継続的な改善を実施していくための仕組みづくり
公共交通の継続的な改善を実施していくための仕組みづくり
○公共交通を取り巻く状況や利用状況の変化、改善要望などを踏まえて、継続的に改善を実施して
いくための仕組みづくりを行います。
公共交通に関する専門員を設置し、公共交通政策の積
○具体的には、総務部まちづくり推進課内に公共交通に関する専門員を設置
公共交通に関する専門員を設置
極的な推進を図っていきます。
2)公共交通に対する改善要望等を収集し、活用する仕組みづくり
○住民や利用者などからの改善要望などを収集し、公共交通の改善につなげていく仕組みづくりを
行います。
○前述の「小さな PDCA サイクル」で検討するモニタリングについては、利用者数のみならず、財
政負担額などの既存データを有効活用するとともに、最も重要視すべき“利用者の声”に加え、
さらなる認知度向上と利用促進のため、“非利用者の声”も一定程度把握し、量と質の両面から
みたモニタリングを実施します。
○その際、中津市の公共交通を支えるキーパーソン(運転手、タクシー会社のオペレーター等)を
「中津市公共交通アドバイザー会議」(仮)を定期開催し、利用者の生の声や実情など
参集した「中津市公共交通アドバイザー会議」
「中津市公共交通アドバイザー会議」
を収集し、具体的な運行計画の見直しの参考にします。
「地域検討会」(仮)を立ち
○加えて、公共交通利用者の中から「公共交通サポーター」を募り、「地域検討会」
「地域検討会」
上げ、地域の状況や住民のニーズなどに基づいて、地域自らが主体となって移動手段の確保や公
共交通利用環境の改善などを実施する取り組みを促進していくための仕組みづくりも検討しま
す。
図
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豊後高田市で実施された運転手を集めた意見交換会
図
大分市で実施されている地域検討会
10.持続可能な地域公共交通網の形成に際し配慮すべき事項
○市民アンケート調査結果によると、山国地域の約 7 割の方が、日田市に買い物に行っていること
が分かりました。
○中津市は山国地域の中心地である守実に「買い物センター」(仮称)を整備する予定です。
○これにより、地域内の買い物弱者を減らし、定住促進や山国地域の集落機能の向上を期待してい
ます。また、路線バスやコミュニティバス等もそれに連動するようなサービスの見直しなどを行
っていく予定です。
図
生鮮食品や日用品を販売する期間限定のテスト店舗「みんなのお店」
無料「買い物バス」(事前予約型運行)
と無料「買い物バス」
(事前予約型運行)
(実験期間:H26
(実験期間:H26 年 9/18~
9/18~10/1)
10/1)
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