の生物学的同等性試験

レボフロキサシン点眼液 1.5%「KOG」
社内資料
興和(株)社内資料:生物学的同等性試験
(ウサギ実験的緑膿菌角膜感染症に対する治療効果)
レボフロキサシン点眼液 1.5%「KOG」の生物学的同等性試験
(ウサギ実験的緑膿菌角膜感染症に対する治療効果)に関する資料
興和株式会社
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レボフロキサシン点眼液 1.5%「KOG」 生物学的同等性試験
(ウサギ実験的緑膿菌角膜感染症に対する治療効果)に関する資料
作成年月:2013 年 2 月
【目的】
ウサギを用いて、レボフロキサシン点眼液 1.5%「KOG」の実験的緑膿菌角膜感染症に対する治
療効果について、標準製剤と比較検討し、生物学的同等性を検証する。
【方法】
1. 検体及び使用動物
試験製剤:レボフロキサシン点眼液 1.5%「KOG」
標準製剤:クラビット点眼液 1.5%(参天製薬株式会社)
陰性対照物質:生理食塩液
使用動物:Kbs:JW(Hea1thy)雄性ウサギ(出荷時体重 1.50~1.80kg、7~8 週齢)
30 匹(各投与群:10 匹)
2. 実験方法
ウサギをケタミン塩酸塩及びキシラジンの併用麻酔下で、右眼球に 0.4%オキシブプロカイン塩酸
塩を用いて点眼麻酔を施した後脱臼し、角膜表層やや実質にいたる深さに円形の創を作成した。
更にその内側に縦横 2 条ずつに交差する創を作製した後、リン酸緩衝生理食塩液(pH7.4)に懸
濁した緑膿菌を接種し、角膜の混濁を誘発した。
緑膿菌接種 6 時間後及び 10 時間後に、試験製剤、標準製剤又は生理食塩液を 50μL/回点眼し、翌
日以降、1 日あたり 4 時間ごとに計 3 回の点眼操作を 2 日間実施した。
接種日から l 日 1 回 8 日間(最終日:7 日目)角膜の観察を行い、以下に示す基準に従いスコア
を付けた。
観察終了後、動物をチアミラールナトリウム麻酔下にて放血、安楽死させ、右の角膜を摘出し、
生理食塩液を用いてホモジナイズした後、緑膿菌分離・鑑別用培地(NAC 寒天培地)を用いて緑
膿菌の分離を行い、緑膿菌由来の感染症による角膜混濁であったことを確認するため,緑膿菌が
検出された陽性眼数を計測した。
角膜混濁のスコア
0:角膜混濁がない。
0.5:角膜混濁がない軽度の浮腫。
1:角膜混濁が直径 6mm より小さい。
2:角膜混濁が直径 6mm に及ぶ。
3:角膜混濁が直径 6mm より大きい。
4:角膜混濁が角膜全体に及ぶ。
3. 生物学的同等性の検証
得られた角膜混濁スコアは、各群、各観察日で平均値及び標準偏差を算出した。統計処理は、陰
性対照物質群と試験製剤群、陰性対照物質群と標準製剤群、試験製剤群と標準製剤群の間で
Mann-Whitney の U 検定を用いて行った。なお、得られた有意確率については、Bonferroni 調整を
行い、有意水準を危険率 5%及び 1%とした。なお、緑膿菌陽性眼数についての統計学的解析は行
わなかった。同等性評価として、陰性対照物質群との比較で、いずれの製剤群(試験製剤又は標
準製剤)との聞にも有意差が認められ、さらに両製剤群(試験製剤及び標準製剤)の聞に有意差
が認められないとき、試験製剤と標準製剤は生物学的に同等であると判断した。
【結果】
緑膿菌接種後 7 日目までの角膜混濁のスコア推移を図 1 に示した。
陰性対照物質群では、0 日目(緑膿菌接種 6 時間後、点眼開始前)で平均スコア 0.8±0.3 を示し、
軽度な変化が認められた。その後 1 日目ではスコア 3.2±0.8 に増加し、3 日目以降は全例でスコ
ア 4(角膜混濁が角膜全体に及ぶ)を示した。試験製剤群では、陰性対照物質群と同様に 0 日目
で平均スコア 0.8±0.3 を示し、軽度な変化が認められた。その後、2 日目ではスコア 0.6±0.4 と
スコアの低下が確認され、7 日目では全例において角膜混濁は認められなかった。また、陰性対
照物質群と比較して 1 日目より統計学的に有意な差が認められた(1 日目以降:p<0.01)
。標準
製剤群では、陰性対照物質群と同様に 0 日目で平均スコア 0.8±0.3 を示し、軽度な変化が認めら
れた。その後、2 日目ではスコア 0.5±0.4 とスコアの低下が確認され、7 日目では全例において
角膜混濁は認められなかった。また、陰性対照物質群と比較して 1 日目より統計学的に有意な差
が認められた(1 日目以降:p<0.01)。角膜混濁のスコア推移について、試験製剤と標準製剤の
聞には、観察期間を通じて有意な差は認められなかった。
緑膿菌接種後 7 日目に角膜から緑膿菌を分離培養した結果、陰性対照物質群は、10 眼中 10 眼が
陽性を示した。これに対し試験製剤群及び標準製剤群は、いずれも全眼で陰性であった。
以上の結果より、試験製剤と標準製剤は、いずれも本モデルにおいて発症した角膜混濁の増加を
著明に抑制し、観察終了後も角膜から緑膿菌は検出されず、優れた治療効果を示した。また、試
験製剤と標準製剤との間に、有意な差が認められなかったことより、試験製剤の治療効果は標準
製剤と生物学的に同等と判断された。
図 l ウサギ眼感染モデルにおける試験製剤及び標準製剤治療効果(角膜混濁のスコア推移)
**p<0.01、陰性対照物質群との聞に Mann-Whitney の U 検定(Bonferroni 調整後)で有意差あり。
試験製剤と標準製剤との聞に Mann-Whitney の U 検定(Bonferroni 調整後)で有意差なし。