資料(PDF 296KB)

2015/4/1
岡山支店
岡山市北区野田屋町 2-10-25
TEL: 086-224-4681
URL:http://www.tdb.co.jp/
特別企画 : 岡山県 2015 年度の雇用動向に関する企業の意識調査
正社員「採用ある」73.4%、8 年ぶりの高水準
~5 年連続の改善も企業間格差を助長か~
はじめに
消費税率が 8%へ引き上げられてから 1
■正社員採用について
年が過ぎ、国内消費は持ち直しの動きが強
80%
まりつつある。上場企業の 2015 年 3 月期
70%
決算では 7 年ぶりに過去最高益を更新す
60%
る見通しとなるなど、大手の業績回復が鮮
50%
明となり、中小企業へも波及しつつある。
40%
今年 2 月の岡山県の有効求人倍率(季節調
30%
整値)は 1.44 倍となった。中国 5 県でト
20%
ップの倍率で推移し、全国でも 8 番目に高
採用予定がある
採用予定はない
10%
2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
い水準となり、足元の雇用環境も好転して
いる。その一方で、人手不足に起因した受注機会の損失、中長期的な視点に立った後継者の早期
育成などの課題がクローズアップされている。大手企業が新卒採用を増やす動きがより強まるな
か、岡山県の企業は雇用動向をどう捉え、どのように取り組んでいるのだろうか。
帝国データバンク岡山支店では、岡山県に本社を置く企業へ 2015 年度の雇用動向に関する意識
について調査を実施した。なお、本調査は、TDB 景気動向調査 2015 年 2 月調査とともに行った。
調査期間は 2015 年 2 月 16 日~2 月 28 日、調査対象は岡山県に本社を置く企業 369 社で、有効
回答企業数は 169 社(回答率 45.8%)。
調査結果(要旨)
1.2015 年度の正社員採用、「予定ある」企業の構成比は 73.4%。5 年連続で上昇し、2007
年度(71.3%)以来 8 年ぶりに 7 割を超える。
「予定はない」は 5 年連続の低下
2.2015 年度の非正社員採用、「予定ある」企業の構成比は 50.9%。5 年連続で改善して前
年度に続き半数を占める。「予定はない」(39.6%)は 6 年ぶりに上昇
3.雇用の改善時期、「3 年以内」が 28.4%。「長期的な改善見込みない」も 25.4%
4.活用に注力する人材、「若者」が 36.1%でトップ。企業経営の将来を見据える
5.採用活動時期の後ろ倒し、「影響はない」が最多の 53.3%
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2015/4/1
特別企画 : 岡山県 2015 年度の雇用動向に関する企業の意識調査
1.2015 年度の正社員採用、
「ある」は 5 年連続の上昇、8 年ぶりに 7 割超える
2015 年度(2015 年 4 月~2016 年 3 月入
■正社員採用について
社)の正社員(新卒・中途入社)の採用状
採用予定がある
況について尋ねたところ、「採用予定があ
2007年度
る」(「増加する」「変わらない」「減少す
2008年度
る」の合計)と回答した企業は、169 社中
2009年度
2014年度
年ぶりに 7 割を超えた。他方、「採用予定
2015年度
はない」と回答した企業は、169 社中 38
3.8%
10.1%
38.0%
45.0%
5.5%
48.2%
47.6%
6.8%
9.0%
43.4%
57.7%
2013年度
回答した企業が 2007 年度(71.3%)以来 8
28.9%
56.4%
2012年度
5 年連続で上昇した。「採用予定がある」と
25.0%
61.0%
2011年度
査(2014 年 2 月)を 7.7 ポイント上回り、
分からない
71.3%
2010年度
124 社で、構成比 73.4%となった。前回調
採用予定はない
6.9%
35.4%
59.8%
6.7%
33.5%
65.7%
30.2%
73.4%
4.1%
22.5%
4.1%
注:「採用予定がある」は、「増加する(見込み含む)」「変わらない(見込み含む)」「減少する(見込み含む)」の合計
社で、構成比 22.5%となった。5 年連続で低下し、7 年ぶりに 3 割を下回った。
「採用予定はない」
と回答した企業は、リーマン・ショック前の 2008 年度(28.9%)を下回った。なお、「採用予定
がある」が「採用予定はない」を上回るのも 5 年連続となった。
全国(1 万 593 社)と比較すると、「採用予定がある」では、『全国』(63.6%・6737 社)を 9.8
ポイントも上回った。内訳でみると、「変わらない」(30.2%・51 社)は『全国』(30.3%・3211
社)を下回ったが、
「増加する」
(32.5%・55 社)は『全国』
(25.3%・2676 社)を上回り、
「減少
する」
(10.7%・18 社)も『全国』
(8.0%・850 社)を上回った。他方、
「採用予定はない」では、
『全国』(27.2%・2881 社)を 4.7 ポイント下回った。
規模別でみると、
「採用予定がある」では、『大企業』(79.1%・34 社)が『中小企業』
(71.4%・
90 社)より 7.7 ポイント高く、規模が小さくなるほど構成比は低かった。他方、「採用予定はない」
では、規模が小さいほど構成比は高かった。
業種別(母数 5 社以上)
■2015年度の正社員採用について
(構成比%、カッコ内社数)
でみると、「採用予定があ
採用予定が
ある
る」では、
『小売』(87.5%・
増加する
変わらない
減少する
(見込み含む) (見込み含む) (見込み含む)
採用予定は
ない
分からない
合計
全国
63.6 (6,737)
25.3 (2,676)
30.3 (3,211)
8.0
(850)
27.2 (2,881)
9.2
岡山
73.4
(124)
32.5
(55)
30.2
(51)
10.7
(18)
22.5
(38)
4.1
(7) 100.0
(79.4%・50 社)、『サービ
大企業
79.1
(34)
44.2
(19)
25.6
(11)
9.3
(4)
14.0
(6)
7.0
(3) 100.0
(43)
中小企業
71.4
(90)
28.6
(36)
31.7
(40)
11.1
(14)
25.4
(32)
3.2
(4) 100.0
(126)
ス』(73.9%・17 社)が続い
うち小規模
39.5
(15)
15.8
(6)
21.1
(8)
2.6
(1)
57.9
(22)
2.6
(1) 100.0
(38)
農・林・水産
100.0
(1)
0.0
(0) 100.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(1)
金融
100.0
(2)
0.0
(0) 100.0
(2)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(2)
建設
66.7
(16)
41.7
(2)
16.7
(4)
29.2
(7)
4.2
(1) 100.0
(24)
7 社)が最も高く、『製造』
た。他方、
「採用予定はない」
(10)
8.3
不動産
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
製造
79.4
(50)
25.4
(16)
39.7
(25)
14.3
社 ) が 最 も 高 く 、『 建 設 』
卸売
65.9
(27)
34.1
(14)
29.3
(12)
2.4
小売
87.5
(7)
12.5
(1)
37.5
(3)
37.5
(29.2%・7 社)、『製造』
運輸・倉庫
66.7
(4)
50.0
(3)
16.7
(1)
0.0
サービス
73.9
(17)
47.8
(11)
21.7
(5)
4.3
-
-
-
-
-
では、『卸売』(31.7%・13
(19.0%・12 社)が続いた。
その他
-
-
(0) 100.0
(169)
(1)
0.0
(0) 100.0
(1)
19.0
(12)
1.6
(1) 100.0
(63)
(1)
31.7
(13)
2.4
(1) 100.0
(41)
(3)
12.5
(1)
0.0
(0) 100.0
(8)
(0)
16.7
(1)
16.7
(1) 100.0
(6)
(1)
13.0
(3)
13.0
(3) 100.0
(23)
(9)
-
(975) 100.0 (10,593)
-
-
-
-
-
-
注1:網掛けは、岡山県全体以上を表す
注2:全国の母数は有効回答企業1万593社。岡山は169社
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2015/4/1
特別企画 : 岡山県 2015 年度の雇用動向に関する企業の意識調査
2. 2015 年度の非正社員採用、5 年連続の改善、前年に続き半数を占める
2015 年度(2015 年 4 月~2016 年 3 月入
■非正社員採用について
社)の非正社員(新卒・中途入社)の採用
採用予定はない
採用予定がある
状況について尋ねたところ、「採用予定が
2007年度
ある」(「増加する」「変わらない」「減少
2008年度
する」の合計)と回答した企業は、169 社
2009年度
58.8%
6.7%
61.3%
27.7%
12.0%
60.2%
50.8%
36.0%
13.2%
13.7%
47.4%
38.9%
2012年度
12.6%
38.4%
31.9%
2011年度
査(2014 年 2 月)を 0.9 ポイント上回った。
7.5%
33.8%
49.1%
2010年度
中 86 社で、構成比 50.9%となり、前回調
分からない
5 年連続で改善して、前年に続き半数を占
2013年度
めた。他方、「採用予定はない」と回答し
2014年度
50.0%
た企業は、169 社中 67 社で、構成比 39.6%
2015年度
50.9%
8.5%
47.0%
44.5%
11.0%
39.0%
39.6%
9.5%
注:「採用予定がある」は、「増加する(見込み含む)」「変わらない(見込み含む)」「減少する(見込み含む)」の合計
となった。前回調査より 0.6 ポイント上昇
し、6 年ぶりに前年を上回った。「採用予定がある」が「採用予定はない」を 2 年連続で上回った。
全国(1 万 593 社)と比較すると、「採用予定がある」では、『全国』(50.2%・5316 社)を 0.7
ポイント上回った。内訳をみると、
「減少する」
(9.5%・16 社)は『全国』(6.7%・708 社)を上
回ったが、「増加する」(11.8%・20 社)は『全国』(12.7%・1343 社)を下回り、「変わらない」
も『全国』
(30.8%・3265 社)を下回った。他方、
「採用予定はない」では、
『全国』
(37.6%・3978
社)を 2.0 ポイント上回った。
規模別でみると、
「採用予定がある」では、『大企業』(55.8%・24 社)が『中小企業』
(49.2%・
62 社)より 6.6 ポイント高く、規模が小さくなるほど構成比は低かった。他方、「採用予定はない」
では、規模が小さいほど構成比は高かった。
業種別(母数 5 社以
上)でみると、「採用予
■2015年度の非正社員採用について
(構成比%、カッコ内社数)
採用予定が
ある
定がある」では、
『小売』
(75.0%・6 社)が最も
増加する
変わらない
減少する
(見込み含む) (見込み含む) (見込み含む)
採用予定は
ない
分からない
37.6 (3,978)
12.3 (1,299) 100.0 (10,593)
合計
全国
50.2 (5,316)
12.7 (1,343)
30.8 (3,265)
6.7
(708)
岡山
50.9
(86)
11.8
(20)
29.6
(50)
9.5
(16)
39.6
(67)
9.5
(16) 100.0
大企業
55.8
(24)
14.0
(6)
27.9
(12)
14.0
(6)
30.2
(13)
14.0
(6) 100.0
(43)
(66.7%・4 社)、『製
中小企業
49.2
(62)
11.1
(14)
30.2
(38)
7.9
(10)
42.9
(54)
7.9
(10) 100.0
(126)
うち小規模
39.5
(15)
7.9
(3)
26.3
(10)
5.3
(2)
47.4
(18)
13.2
(5) 100.0
(38)
造』(54.0%・34 社)が
農・林・水産
100.0
(1)
0.0
(0) 100.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(1)
金融
100.0
(2)
0.0
(0)
50.0
(1)
50.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(2)
建設
37.5
(9)
12.5
(3)
16.7
(4)
8.3
(2)
45.8
(11)
16.7
(4) 100.0
(24)
(0) 100.0
高 く 、『 運 輸 ・ 倉 庫 』
続いた。他方、「採用予
定はない」では、『卸売』
(48.8%・20 社)が最
も 高 く 、『 建 設 』
(45.8%・11 社)、『サ
ービス』
(43.5%・10 社)
(169)
不動産
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(1)
0.0
(0) 100.0
(1)
製造
54.0
(34)
7.9
(5)
31.7
(20)
14.3
(9)
38.1
(24)
7.9
(5) 100.0
(63)
(41)
卸売
46.3
(19)
9.8
(4)
36.6
(15)
0.0
(0)
48.8
(20)
4.9
(2) 100.0
小売
75.0
(6)
37.5
(3)
25.0
(2)
12.5
(1)
12.5
(1)
12.5
(1) 100.0
(8)
運輸・倉庫
66.7
(4)
33.3
(2)
16.7
(1)
16.7
(1)
0.0
(0)
33.3
(2) 100.0
(6)
サービス
47.8
(11)
13.0
(3)
26.1
(2)
43.5
(10)
8.7
-
-
-
-
-
-
その他
-
-
(6)
-
8.7
-
-
(2) 100.0
-
-
(23)
-
注1:網掛けは、岡山県全体以上を表す
注2:全国の母数は有効回答企業1万593社。岡山は169社
が続いた。
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
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2015/4/1
特別企画 : 岡山県 2015 年度の雇用動向に関する企業の意識調査
3. 雇用の改善時期、「3 年以内」が 28.4%、「改善見込みない」も 25.4%
自社の属する地域・業界の雇用環境が改善する時期はいつ頃
■雇用の改善時期
になるか尋ねたところ、今後、「3 年以内に改善」(雇用の改善
201 4年度内
(すで に回復し
て いる)
12.4 %
時期が「2015 年度」「2016 年度」「2017 年度」の合計)が見込
めると考える企業は、169 社中 48 社(構成比 28.4%)となり、
分からない
29.6 %
前回調査(2014 年 2 月・32.0%)を 3.6 ポイント下回った。他
3年以内
28 .4%
方、『2014 年度内(すでに回復している)』と考える企業は、
長期的に本格
回復する見込
みはない
2 5.4%
12.4%(21 社)となり、前回調査(「2013 年度内」
・1.7%)よ
り 10.7 ポイントも増加した。これは、現状の雇用環境が一定
2018 年度以降
4 .1%
注:母数は、有効回答企業169社
レベルまで改善していると判断する企業が増えた結果と捉え
ることができる。なお、
「2018 年度以降」に改善すると考える企業は 4.1%(7 社)だった。一方、
「長期的に改善する見込みはない」と考える企業は 25.4%(43 社)となり、前回調査(26.2%)
を 0.8 ポイント下回ったものの、依然として 4 社に 1 社の企業が改善しないと考えていることが
わかった。
全国(1 万 593 社)との比較では、「3 年以内に改善」が『全国』
(27.7%・2931 社)を 0.7 ポイ
ント上回り、
「長期的に改善する見込みはない」は同(21.1%・2231 社)を 4.3 ポイント上回った。
規模別でみると、「3 年以内に改善」では『大企業』(30.2%・13 社)
、『小規模企業』(28.9%・
11 社)、『中小企業』(27.8%・35 社)の順に高かった。他方、「長期的に改善する見込みはない」
では『中小企業』(28.6%・36 社)、
『小規模企業』(23.7%・9 社)、『大企業』(16.3%・7 社)の
順に高かった。
業種別(母数 5 社以上)でみると、
「3 年以内に改善」では、
『小売』(37.5%・3 社)が最も高
く、『運輸・倉庫』(33.3%・2 社)、『製造』(31.7%・20 社)が続いた。
■雇用の改善時期
(構成比%、カッコ内社数)
2014年度内
3年以内
2015年度
2017年度
2018年度
以降
6.0
(639)
5.0
8.3
(14)
4.1
(7) 25.4
(43) 29.6
(50) 100.0
(4) 11.6
(5)
9.3
(4) 16.3
(7) 32.6
(14) 100.0
(43)
7.1
(9)
2.4
(3) 28.6
(36) 28.6
(36) 100.0
(126)
0.0
(14) 100.0
(38)
2016年度
全国
10.1 (1,073) 27.7 (2,931)
8.8
岡山
12.4
(21) 28.4
(48)
7.1
大企業
11.6
(5) 30.2
(13)
9.3
(4)
中小企業
12.7
(16) 27.8
(35)
6.3
(8) 14.3
(4) 28.9
(934) 12.8 (1,358)
(12) 13.0
(22)
9.3
長期的に
改善する
見込みは
ない
(18)
合計
分からない
(527) 21.1 (2,231) 36.2 (3,831) 100.0 (10,593)
(169)
うち小規模
10.5
(11)
5.3
(2) 18.4
(7)
5.3
(2)
(0) 23.7
(9) 36.8
農・林・水産
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(1)
金融
0.0
(0) 50.0
(1)
0.0
(0) 50.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0) 50.0
(1)
0.0
(0) 100.0
(2)
(5) 20.8
(5)
4.2
(1)
4.2
(1) 12.5
(3)
4.2
(1) 25.0
(6) 29.2
(7) 100.0
(24)
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(1) 100.0
(1)
(20)
9.5
(6) 14.3
(9)
7.9
(5)
1.6
(1) 20.6
(13) 30.2
(19) 100.0
(63)
(12) 12.2
(12) 29.3
建設
20.8
不動産
0.0
製造
15.9
(10) 31.7
卸売
7.3
(3) 29.3
(5) 12.2
(5)
4.9
(2)
4.9
(2) 29.3
(12) 100.0
(41)
小売
0.0
(0) 37.5
(3)
0.0
(0) 25.0
(2) 12.5
(1)
0.0
(0) 62.5
(5)
0.0
(0) 100.0
(8)
運輸・倉庫
0.0
(0) 33.3
(2)
0.0
(0) 16.7
(1) 16.7
(1)
0.0
(0) 33.3
(2) 33.3
(2) 100.0
(6)
サービス
13.0
(3) 21.7
(5)
0.0
(0) 13.0
(3)
(2)
8.7
(2) 17.4
(4) 39.1
(9) 100.0
(23)
その他
-
-
-
-
-
-
-
-
8.7
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
注1:網掛けは、岡山県全体以上を表す
注2:全国の母数は有効回答企業1万593社。岡山は169社
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4
2015/4/1
特別企画 : 岡山県 2015 年度の雇用動向に関する企業の意識調査
4. 活用に注力する人材、企業経営の将来を見据え「若者」の比重大きく
少子高齢化が進む中、政府は「日本再興戦略改
■活用に注力している人材
訂 2014」(成長戦略)で、雇用制度改革・人材力
40%
の強化として、若者・女性・高齢者・外国人など
30%
が活躍する機会の拡大を目指している。そこで、
20%
自社でどのような人材の活用に注力しているか尋
ねたところ、
「若者」と回答した企業が 169 社中
10%
61 社、構成比 36.1%で最も高かった。次いで、
「女
%
若者
女性
高齢者
外国人
障害者
多様な人材
特定層に
(キャリア・スキ 限定しない
ル・経験など)
性」「多様な人材(キャリア・スキル・経験など)」
その他
が各 16.0%(27 社)、「特定層に限定しない」が
14.8%(25 社)、
「高齢者」が 10.7%(18 社)で続いた。なお、
「外国人」は 3.6%(6 社)、「障害
者」は 1.2%(2 社)にとどまった。
全国(1 万 593 社)との比較では、
「若者」「女性」「高齢者」
「障害者」の 4 項目が『全国』を上
回り、「外国人」「多様な人材(キャリア・スキル・経験など)」「特定層に限定しない」「その他」
の 4 項目は『全国』を下回った。
業種別(母数 5 社以上)でみると、最も回答の多かった「若者」では、
『建設』(45.8%・11 社)
が最も高く、
『卸売』(41.5%・17 社)、『小売』(37.5%・3 社)が続いた。
「女性」では、
『サービ
ス』(21.7%・5 社)が最も高く、『建設』(4 社)と『運輸・倉庫』(1 社)が各 16.7%で続いた。
「多様な人材(キャリア・スキル・経験など)
」では、『卸売』(24.4%・10 社)が最も高く、『建
設』(20.8%・5 社)、『サービス』(17.4%・4 社)が続いた。
「特定層に限定しない」では、『サー
ビス』(21.7%・5 社)が最も高く、『建設』(4 社)と『運輸・倉庫』(1 社)が各 16.7%で続いた。
■活用に注力している人材
(構成比%、カッコ内社数)
若者
女性
高齢者
外国人
多様な人材
(キャリア・ス
キル・経験
など)
障害者
特定層に
限定しない
その他
合計
全国
34.1 (3,614)
15.1 (1,595)
8.4
(885)
4.1
(438)
0.8
(86)
16.7 (1,767)
18.6 (1,975)
2.2
岡山
36.1
(61)
16.0
(27)
10.7
(18)
3.6
(6)
1.2
(2)
16.0
(27)
14.8
(25)
1.8
(3) 100.0
大企業
32.6
(14)
18.6
(8)
18.6
(8)
2.3
(1)
0.0
(0)
7.0
(3)
20.9
(9)
0.0
(0) 100.0
(43)
中小企業
37.3
(47)
15.1
(19)
7.9
(10)
4.0
(5)
1.6
(2)
19.0
(24)
12.7
(16)
2.4
(3) 100.0
(126)
(233) 100.0 (10,593)
(169)
うち小規模
39.5
(15)
21.1
(8)
5.3
(2)
0.0
(0)
0.0
(0)
21.1
(8)
10.5
(4)
2.6
(1) 100.0
(38)
農・林・水産
100.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(1)
金融
50.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
50.0
(1)
0.0
(0) 100.0
(2)
建設
45.8
(11)
16.7
(4)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
20.8
(5)
16.7
(4)
0.0
(0) 100.0
(24)
不動産
0.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(1)
製造
36.5
(23)
15.9
(10)
15.9
(10)
6.3
(4)
1.6
(1)
9.5
(6)
14.3
(9)
0.0
(0) 100.0
(63)
卸売
41.5
(17)
12.2
(5)
9.8
(4)
0.0
(0)
0.0
(0)
24.4
(10)
9.8
(4)
2.4
(1) 100.0
(41)
小売
37.5
(3)
12.5
(1)
12.5
(1)
0.0
(0)
12.5
(1)
12.5
(1)
12.5
(1)
0.0
(0) 100.0
(8)
運輸・倉庫
16.7
(1)
16.7
(1)
33.3
(2)
0.0
(0)
0.0
(0)
16.7
(1)
16.7
(1)
0.0
(0) 100.0
(6)
サービス
17.4
(4)
21.7
(5)
4.3
(1)
8.7
(2)
0.0
(0)
17.4
(4)
21.7
(5)
8.7
(2) 100.0
(23)
その他
-
(0) 100.0
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
注1:網掛けは、岡山県全体以上を表す
注2:対象とする人材は、正社員だけでなく、パートタイマーや派遣社員など非正社員を含む
注3:「多様な人材(キャリア・スキル・経験など)」とは、中途採用、子育て後の復職などにより、多様なルートで採用・登用されている人材などを指す
注4:全国の母数は有効回答企業1万593社。岡山は169社
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5
2015/4/1
特別企画 : 岡山県 2015 年度の雇用動向に関する企業の意識調査
5. 採用活動時期の後ろ倒し、「影響はない」が最多の 53.3%
政府の「学生は学業を優先すべき」という要請に対
■採用活動時期の後ろ倒しの影響
して、日本経済団体連合会が就職活動の時期を後ろ倒
有利になる
1.2%
しすることを決めた。2016 年春の卒業予定者から就職
活動のスケジュールが大きく変更され、会社説明会は
これまでより 3 ヵ月遅い 2015 年 3 月から、選考活動は
分からない
29.0%
4 ヵ月遅い 2015 年 8 月から開始されることになった。
このような採用活動時期の後ろ倒しされたこと対し、
影響はない
53.3%
自社の採用活動にどのような影響があるのか尋ねたと
不利になる
16.6%
ころ、「影響はない」と回答した企業が 169 社中 90 社、
構成比 53.3%で最も高かった。次いで、「分からない」
が 29.0%(49 社)が続いた。なお、
「不利になる」は
注:母数は有効回答者数169社
16.6%(28 社)、「有利になる」は 1.2%(2 社)にとど
まった。
全国(1 万 593 社)との比較では、「影響はない」では、『全国』(50.6%)を 2.7 ポイント上回
った。「分からない」では、『全国』
(36.4%)を 7.4 ポイント下回った。なお、「不利になる」で
は、『全国』
(11.1%)を 5.5 ポイント上回り、
「有利になる」では、『全国』(1.9%)を 0.7 ポイ
ント下回った。
「影響はない」では、『中小企業』(56.3%・71 社)が『大企業』(44.2%・19
規模別でみると、
社)より 12.1 ポイント高かった。他方、「不利になる」では、
『大企業』(32.6%・14 社)が『中
小企業』(11.1%・14 社)より 21.5 ポイントも高かった。これは、
『大企業』は大都市圏の大手企
業との競合により不利になると
■採用活動時期の後ろ倒しの影響
(構成比%、カッコ内社数)
考えている可能性がある。
業種別(母数 5 社以上)でみ
ると、「影響はない」では、『製
造』(57.1%・36 社)が最も高
有利になる
影響はない
不利になる
分からない
合計
全国
1.9
(206)
50.6 (5,358)
11.1 (1,175)
36.4 (3,854) 100.0 (10,593)
岡山
1.2
(2)
53.3
(90)
16.6
(28)
29.0
(49) 100.0
大企業
2.3
(1)
44.2
(19)
32.6
(14)
20.9
(9) 100.0
(43)
中小企業
0.8
(1)
56.3
(71)
11.1
(14)
31.7
(40) 100.0
(126)
(169)
うち小規模
2.6
(1)
63.2
(24)
2.6
(1)
31.6
(12) 100.0
(38)
農・林・水産
0.0
(0) 100.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(1)
『運輸・倉庫』(50.0%・3 社)
金融
0.0
(0) 100.0
(2)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(2)
建設
0.0
(0)
(11)
20.8
(5)
33.3
(8) 100.0
(24)
が続いた。なお、「不利になる」
不動産
0.0
(0) 100.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(1)
製造
3.2
(2)
57.1
(36)
14.3
(9)
25.4
(16) 100.0
(63)
く、『卸売』(56.1%・23 社)、
では、『小売』(50.0%・4 社)
が 最 も 高 く 、『 サ ー ビ ス 』
( 26.1 % ・ 6 社 )、『 建 設 』
(20.8%・5 社)が続いた。
45.8
卸売
0.0
(0)
56.1
(23)
9.8
(4)
34.1
(14) 100.0
(41)
小売
0.0
(0)
25.0
(2)
50.0
(4)
25.0
(2) 100.0
(8)
運輸・倉庫
0.0
(0)
50.0
(3)
0.0
(0)
50.0
(3) 100.0
(6)
サービス
0.0
(0)
47.8
(11)
26.1
(6)
26.1
(6) 100.0
(23)
-
-
-
その他
-
-
-
-
-
-
-
注1:網掛けは、岡山県全体以上を表す
注2:全国の母数は有効回答企業1万593社。岡山は169社
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2015/4/1
特別企画 : 岡山県 2015 年度の雇用動向に関する企業の意識調査
※補足資料
■正社員採用
(%)
正社員採用
採用予定が
採用予定は
変わらない
減少する
増加する
ある
ない
(見込み含む) (見込み含む) (見込み含む)
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
74.8
66.7
71.3
61.0
56.4
45.0
47.6
57.7
59.8
65.7
73.4
31.4
29.2
26.9
20.1
12.3
14.1
18.5
22.3
23.2
27.3
32.5
34.6
29.8
33.8
28.3
24.5
16.2
20.6
26.3
30.5
30.8
30.2
8.8
7.6
10.6
12.6
19.6
14.7
8.5
9.1
6.1
7.6
10.7
17.0
25.7
25.0
28.9
38.0
48.2
43.4
35.4
33.5
30.2
22.5
分からない
8.2
7.6
3.8
10.1
5.5
6.8
9.0
6.9
6.7
4.1
4.1
有効回答数
(N)
159
171
160
159
163
191
189
175
164
172
169
調査年月
2005年2月調査
2006年2月調査
2007年2月調査
2008年3月調査
2009年2月調査
2010年2月調査
2011年2月調査
2012年3月調査
2013年2月調査
2014年2月調査
2015年2月調査
※母数は有効回答企業
(社)
正社員採用
採用予定が
採用予定は
増加する
変わらない
減少する
ある
ない
(見込み含む) (見込み含む) (見込み含む)
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
119
114
114
97
92
86
90
101
98
113
124
50
50
43
32
20
27
35
39
38
47
55
55
51
54
45
40
31
39
46
50
53
51
14
13
17
20
32
28
16
16
10
13
18
27
44
40
46
62
92
82
62
55
52
38
分からない
13
13
6
16
9
13
17
12
11
7
7
有効回答数
(N)
159
171
160
159
163
191
189
175
164
172
169
調査年月
2005年2月調査
2006年2月調査
2007年2月調査
2008年3月調査
2009年2月調査
2010年2月調査
2011年2月調査
2012年3月調査
2013年2月調査
2014年2月調査
2015年2月調査
※母数は有効回答企業
■非正社員採用
(%)
非正社員採用
採用予定が
採用予定は
増加する
変わらない
減少する
ある
ない
(見込み含む) (見込み含む) (見込み含む)
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
64.8
59.1
58.8
49.1
31.9
27.7
36.0
38.9
44.5
50.0
50.9
13.2
15.8
12.5
10.1
2.5
3.7
10.6
7.4
11.0
9.9
11.8
42.8
37.4
38.8
30.8
19.6
15.7
20.6
23.4
26.2
32.6
29.6
8.8
5.8
7.5
8.2
9.8
8.4
4.8
8.0
7.3
7.6
9.5
21.4
29.8
33.8
38.4
61.3
60.2
50.8
47.4
47.0
39.0
39.6
分からない
13.8
11.1
7.5
12.6
6.7
12.0
13.2
13.7
8.5
11.0
9.5
有効回答数
(N)
159
171
160
159
163
191
189
175
164
172
169
調査年月
2005年2月調査
2006年2月調査
2007年2月調査
2008年3月調査
2009年2月調査
2010年2月調査
2011年2月調査
2012年3月調査
2013年2月調査
2014年2月調査
2015年2月調査
※母数は有効回答企業
(社)
非正社員採用
採用予定が
採用予定は
増加する
変わらない
減少する
ある
ない
(見込み含む) (見込み含む) (見込み含む)
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
103
101
94
78
52
53
68
68
73
86
86
21
27
20
16
4
7
20
13
18
17
20
68
64
62
49
32
30
39
41
43
56
50
14
10
12
13
16
16
9
14
12
13
16
34
51
54
61
100
115
96
83
77
67
67
分からない
22
19
12
20
11
23
25
24
14
19
16
有効回答数
(N)
159
171
160
159
163
191
189
175
164
172
169
調査年月
2005年2月調査
2006年2月調査
2007年2月調査
2008年3月調査
2009年2月調査
2010年2月調査
2011年2月調査
2012年3月調査
2013年2月調査
2014年2月調査
2015年2月調査
※母数は有効回答企業
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2015/4/1
特別企画 : 岡山県 2015 年度の雇用動向に関する企業の意識調査
企業からの声
○採用予定がある
・ベテランの退職に備えて補充する。採用者の育成期間も必要なため
(鉄鋼卸)
・新事業や新部門の立ち上げに向けた増員
(機械製造)
・人手不足だが、非正社員では集まらないので、正社員を募集している
(サービス)
・会社の方針として正社員しか採用しない
(機械製造)
・採用の予定はあるが、応募者が少ないため採用したくてもできない
(その他製造)
○採用予定はない
・業界の展望がまだ見えないため、現状の人員でやるしかない
(サービス)
・新人の教育に費やす時間や費用に余裕がない
(サービス)
・人員過剰なため
(化学品製造)
○人材活用について
・(若者)次世代につなぐため、技術の継承が重要
・
(若者)主力の得意先を担当させ、成長することに期待
(建材製造)
(建材卸)
・
(女性)結婚や出産で退職しても再雇用できる体制があり、女性が戦力として欠かせない(機械製造)
・(特定層に限定しない)全体のレベルアップを目標にしている
(化学品製造)
・
(高齢者)業務に精通し、体力的に余力のある人を選んでいる
(鉄鋼卸)
○雇用環境、採用状況、採用活動時期の後ろ倒しの影響などについて
・採用活動の期間の後ろ倒しで就職活動の期間が短くなるため、学生は大企業だけを受けるのが精一
杯となり、中小にはますます集まりにくくなるだろう
(その他卸)
・企業側に採用意欲があっても、学生が職種の選り好みをしており、採用環境は厳しい(出版・印刷)
・大手と採用スケジュールが重なるため、採用しても辞退されることを懸念
(電気機械製造)
・女性も採用したいが、非正社員でも時給相場が高くなっており採用に結びつかない (医薬品小売)
・良い人材がいないうえ、定着率も悪い状況
(鉄鋼製造)
・都市圏ばかりでなく、もっと地方に新卒者が集まるようになってほしい
(機械製造)
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