経済ロードマップ 年間 300 万の良質な雇用を創出 2014 年—2019 年度

経済ロードマップ
年間 300 万の良質な雇用を創出
2014 年—2019 年度、国家指導力に対するアピンドの貢献
実行概要
1.政策
主題
アピンド及び経済界は、経済開発における今後の政府の最大の課題は、いか
に継続、安定した包括的な経済成長を生み出すかにかかっていると考える。
つまり、高度な経済成長だけでは不十分であり、 貧困と格差を効果的に減ら
すために良質な公式部門の雇用を創出できなければならないということであ
る。
2014 年から 2019 年に生産年齢に達する 830 万人と、2013 年度の失業者数
720 万人を足した計 1550 万人をカバーするために、少なくとも 2014 年—
2019 年度に年間 300 万の雇用を創出する必要がある。
より良好な経済成長と自立した経済開発政策のためには配慮すべき3つの柱
がある。それは、(1)公平な競争、政策の透明性、法的安定性、好ましい
職場環境に基づいた事業機会の拡大(2)国内の利益を優先したグローバル
化による利益の普及(3)国民(特に貧困層)、中小企業、地方、及び国内
利益に対する更なる配慮、である。
成長、機会、課題の源
これまで、また今後のインドネシアの経済発展は、発展を推進する5つの要
素に支えられている。(1)内需の規模、人口2億4千万と更なる購買力の
上昇 、(2)人口統計上の優位、14歳以下、または65歳以上の人口より
生産年齢の人口が上回ること、(3)豊富な資源、過去8年の成長と輸出を
支えた天然資源による主要商品の好況、(4)地方にまで及ぶ安定した民主
主義による事業活動、投資活動の促進、(5)急速な都市化、今年度の 52%
から 2025 年には 68%に達する見込み。
また、 アセアンにおけるインドネシアの競合国(ベトナム、タイなど)での
政治や内務の混乱や、コスト高な生産地から国内市場へ政策変換をした中国
の競争力の変貌を考慮すると、現在また今後インドネシアがグローバルレベ
ルの経済に参入する機会が大いにある。インドネシアがそのグローバル競争
の勢力図における変貌を最適に利用し、グローバル・バリューチェーンに競
争力を持って参入することができれば、インドネシアは国内経済成長を更に
推進することができる。
機会が益々開かれる一方で、今後インドネシアを待ち受ける課題とグローバ
ルリスクも更に大きくなる。インドネシアが今後直面する外的な課題は主に
(1)脆弱で、中国やインドなどアジアにおける途上国の成長を妨げている
グローバル市場、(2)永続的に低水準の国際商品価格、(3)Fed の景気
刺激策により低金利時代が終わり、アメリカの金利引き上げが促進されてい
ること、がある。
そのグローバルレベルでの課題の変貌について、今後政府は十分に注意しな
ければならない。それは、2003 年から 2011 年のインドネシアの経済成長
の大半は商品の輸出に支えられていたものであり、その背景は高い国際商品
価格(棚ぼた利益)の結果と、国際低金利の影響から国内に急速に流れ込ん
だ資金(金融緩和)によるものであるからである。また、絶対的貧困者は減
少したものの、貧困に近いと分類されるインドネシアの人口は未だ多く
(6500 万人)、彼らは食糧の高騰、医療サービス、自然災害のリスクを非常
に受けやすい。またインドネシアには、現在、 雇用/事業機会の6割が非公
式部門によって占められているという、経済構造を改善する上での深刻な
「課題」もある。
インドネシアとの関係
良好で安定した包括的経済成長ビジョンを達成し、グローバルまた国内レベ
ルの機会を最適に利用するために、インドネシアがしなければならないこと
は何か?
まず初めに、金融政策と効果的な国家予算、好ましい金融政策などの需要面
については、民間の消費向上、投資を監督し、輸出は継続させ、短期的な改
善が必要である。
次に、政府は今後、 構造改革及び生産性の向上に焦点を当てた、現在から中
期的な供給管理政策について更に重点を置かなければならない。それをしな
い場合、新たに生産年齢に達する国民及び非公式で生産性の低い部門(農業
など)の労働者をカバーし、毎年 300 万の良質な雇用を提供するための高い
成長目標(8%以上)を、高いインフラ率や 収支赤字の広がりなどのオーバ
ーヒートを起こすことなしに到達することは出来ず、国内市場や生産年齢人
材の人口統計も、強みではなくむしろ負担となりうる。
経済生産性の向上には主に3つの方法が取られる。つまり、(1)農業から
加工産業またはサービス業など、生産性の低い部門から生産性が高い部門へ
の変換(構造変換)、(2)非公式部門から公式部門への変換、(3)各部
門内での生産性の向上(例:商業など生産性の低い非公式部門でのサービス
から更に生産性の高い物流、金融サービス、または技術や農業生産性向上の
ための収穫後の管理など)
生産性に基づいた成長には、供給面の障害克服政策と、好ましい経済風土が
必要であり、以下を包含する。(1)安定し、推進できるマクロ政策、(2)
リアル部門の発展を支持する金融部門の肩入れ(供給管理)、(3)インフ
ラ、コネクティビティ(接続性)、効率的な物流、(4)公平で透明性、確
実性のある事業風土及び高コストでないこと、(5) 労働力市場が支持され
ていること、(6) 教育、研修を通じた人材投資、医療及び活性化。その他
に、製造、食糧及び農業、サービス、エネルギー、金融など、インドネシア
経済の支柱となる優先部門の生産性と競争力の向上に特別に配慮、注力する
ことが必要である。
2.部門強化検討課題
このロードマップでは、主要問題分析を盛り込み、生産性を向上させ、労働
者と取り込むことができる部門と確信する優先的に開発する部門について、
具体的に推奨している。その部門とは製造、食糧及び農業、サービス、エネ
ルギー、金融である。
グローバルな競争力を持つ製造部門は労働を取り込み、高い生産性はインド
ネシアを国益の高い国家に構造変換させる継続的な鍵となる。よって、今後
の産業開発政策は競争力を低下させる様々な障害を克服し、製造部門に公式
な労働力を取り込むよう方向付ける必要がある。インドネシアは競争力のあ
る重工業にも取りかかり始める必要があり、手作業の多い軽工業及び加工/
部品工業の需要能力を事前に十分に向上させることで、重工業の投資を誘致
する上で十分な経済規模を獲得することができる。クラスター部門はエネル
ギー資源及び海岸近くのエリアで開発する必要があり、特別な労働法もある。
食糧、農業部門では、インドネシアの急速な人口増加及び中産階級の増加、
また世界食糧価格の上昇に伴い、食糧問題の重要さに対する危機感が増して
いる。インドネシアは輸入食糧への依存を減らし、国内の食糧生産量及び質
を高めなければならない。適切な政府の内部統制のもと、サプライチェーン
の改善を通じて栽培中から収穫後までの生産性を上げるために再教育を行い、
食糧、農業部門の経済規模を向上させることが必要である。それによりこの
部門は、国内外の急激な需要の増加に対し迅速に供給対応できるようになる。
サービス部門はこれまであまり注目されていないが、国家経済の開発に重要
な役割を果たしてきた。開発途中の部門として、サービス部門を強化する上
での課題は、経済成長を支え、同時により効率的、高品質で信頼できる標準
化を保証する部門になることである。特に通信、物流、輸送、観光、創造産
業、教育、医療部門におけるサービス業の急速な発展に伴い、この部門での
労働力の取り込み及び信頼できる人材の質を高めていかなければならない。
一方、エネルギー部門はエネルギー源である世界の化石燃料不足/危機を充
填するための発電所の建設があり、石油・ガス輸入増による国家の収支赤字
は懸念事項となっている。産業界にとって電力及びエネルギーは国家の経済
活動を支える主要なものであり、政府はエネルギーの充足ではなくエネルギ
ーの安全に注力すべきである。課題はバイオディーゼルなどの新エネルギー、
地熱、天然ガス、または自然の力による水力、風力、太陽光などを最適化さ
せ、いかに化石燃料以外のエネルギーを開発するかである。
最後に銀行、資本市場、保険を含む金融部門は、インドネシアの業界及び国
民による金融アクセスを容易にする金融包括を生み出すための金融深化が必
要である。
3.部門間の課題への対応
当該各部門は部門別の課題を持つ他に、業績達成を大きく左右する部門間の
複雑な課題にも直面している。部門間の課題は、法的安定性、地方自治、官
僚改革、マクロ政策、インフラ政策を包含し、それらは互いに係わり合って
いる。
このロードマップが着目する全ての事業部門に関連する様々な事項に対する
法的安定性を実現することは、例えば事業契約に対する執行力など、事業運
営における基本条件として絶対に必要である。法令の積み重ねや中央、地方
での法執行の質の低さは、改善すべき主要検討課題の一つである。また、民
事事件から刑事事件への犯罪化は法執行者の専門性を高め、一貫性を図るこ
とで早急になくさなければならない。経済の専門家になる必要はないが、法
執行者は経済的洞察力を具えることが重要であり、判決が経済活動を向上さ
せる上で横槍になってはならない。
地方自治に関しては、政策と実施の質が地方経済の発展に対し肯定的な要素
となることが期待されているが、実際にはその反対の事象がインドネシアの
多くの県/市、州で起きている。地方法令の監督、都市計画の安定性、最低
賃金の決定は法律の規定に準じなければならない。各自の権限に従い、地方
行政官及び地方議員は予算の割り当てなど広く国民の利益を優先し、経済発
展を優先することが期待される。一方、政府は地方間協力に対し金銭的/非
金銭的なインセンティブを与え、地方の膨張するインセンティブを廃止し、
地方が、地方政府の行政区によって途切れることのない経済的尺度に配慮す
るよう推進するなど戦略的に配慮すべき時にきている。
地方自治に従い、官僚改革は事業活動の生産性を支持する上で大変重要であ
る。インドネシアのほぼ全ての県/市が持つ許可申請統合窓口サービスは、
機関ごとに監督、評価を行い、政府が制定する形式的な規定を満たすためだ
けでなく、目的に見合った運営を行うようにしなければならない。2014年法
律第5号「国家機関職員」の制定を受け、民間から国家機関職員として任命す
ることが可能になったことは、様々な部門で適正に欠ける国家公務員を充足
する根本的な官僚改革の突破口として、早急に実施規定を整備し施行しなけ
ればならない。政府機関においては現在また今後のニーズに合わせ、省庁/
機関の効率化を図ることが必要である。一方、新たな組織の編成は、既存の
組織の最適化を図っても政府の内部統制では問題解決が不可能な場合の最終
案でなければならない。
労働問題の課題については、事業界が良質な雇用を創出できるよう競争力を
生み出すことと、政府のプログラムを通じ労働力を取り込むことの2つの主
題がある。州/県/市の最低賃金方針については、事業者、労働者、求職者
の利益に配慮し、セーフティネットとしての比率も計らなければならない。
多くの国民の利益を意図したものが誤った政策を通じ実施されることについ
ては、根本的な政策の見直しを行う時期にきている。最低賃金については、
ねらいが正しい政策を通じて実施されるよう、信頼のおける独立機関による
集約したテクノクラシーのアプローチが必要である。一方、積極的労働市場
政策(ALMP)は労働者市場での競争力がない求職者に対し経済機会を向上
させることを目的としており、この政策は社会包括を向上させるものでもあ
る。
マクロ政策は、現行の取引バランスの回復と、インフレ、ルピア為替レート、
金銭的なインセンティブを管理する金融政策の安定、また、前に述べた法令
の改善と官僚改革を通じた投資競争力の改善を含む供給管理政策に関連し、
全事業部門の業績に大きく左右する。短期的には、石油燃料について段階的
に助成金を削減し、2019年までに石油燃料価格が市場価格に見合うよう価格
調整を行い、石油燃料の助成金は今後インフラ整備や社会福祉に充てること
ができる。
急速な経済発展に追従するには、電気をはじめ十分なインフラ能力の提供、
また物流を改善するための港湾、空港、道路、および効率的な通信網が絶対
に必要であり、それらなしには経済発展に追従するためのインフラの遅れに
より物流費が膨れ上がり、経済成長は遅れを取るだろう。
政府の限られた資金を考慮すると、官民パートナーシップを整備する必要が
あり、法的安定性や適切な経済インセンティブを整えることで優先プロジェ
クトの資金調達に民間投資を誘致することができる。
電力、鉄道、港湾などのインフラ関連プロジェクトの進捗を確実にするには、
用地へのアクセス優遇や事業許可の取得手続きなど、政府と地方政府の責任
が大変重要である。
マクロ戦略、部門戦略、部門間戦略
1.マクロ経済戦略
主要ビジョン
継続的経済成長のための構造改革と強靭なマクロ経済の実行
推奨プログラム
1 年目
1. 2015 年に石油燃料の助成金廃止を段階的に開始し、2019 年までに経
済価格にまで達するように調整し、当該助成金はインフラ整備及び社
会福祉に充てる。
2. 食糧価格、食糧供給の安定化プログラム
3. 社会セーフティネットプログラムの予算追加
推奨プログラム
変換期5年間
1. 金融政策、金融システムの安定化向上
2. より効果的な国庫政策、歳出、歳入(租税、バランスの取れたインセ
ンティブ、抑制策)
3. 産業政策の見直し、輸出、製造、サービス部門の開発
4. 法令・官僚改革、調整、法的安定性、及び中核インフラ建設を通じた
投資競争力の向上
5. 供給管理/工業部門の競争力を推進する労働法の見直し
2.製造部門開発
主要ビジョン
グローバル競争力と付加価値のある、良質な労働を取り込む製造部門を目指
す。
推奨プログラム
1 年目
1. WTO の枠組みにおいた、製造輸出競争力を推進する統合化、制度化さ
れた正当なインセンティブと助成金政策のスキームを打ち出す
2. 国家研修基金の創設
3. 民間をより多く取り込んだ職業訓練所の再活性化
4. 製造部門の投資風土を改善するための官僚改革、許可申請改革の継続
と加速化
推奨プログラム
変換期5年間
1. 軽工業及び加工/部品工業の開発に注力し、グローバルサプライチェ
ーンに参画し、雇用を創出する一方で、信頼できる人材、効率的なイ
ンフラアクセス、適切な技術など、重工業に取りかかる準備も始める。
2. 付加価値の高い商品開発においては R&D 部門の支持および設備の向
上を図る。
3. 鉄道網を工業地帯まで開発、開通させ、長距離また積載重量が重い物
品輸送システムを車両/トラックから電車に切り替える。
4. 海岸近くの、及びグローバルサプライチェーンにつながるクラスター
工業及び SMEs(超電導エネルギー貯蔵)の開発と労働関連の特別法
令の整備、特に中部ジャワ、東ジャワの北部、ランプン、南カリマン
タン地区
5. 製造輸出及びクラスター工業を支持するインフラ建設
— 幹線道路、港湾へのアクセス道路、エネルギー貯蓄、倉庫地区への
アクセス、労働者のための生活基本設備
— 国際ハブとなりうる国際港湾の増設
3.食糧、農業部門開発
主要ビジョン
食糧、農業部門は、量、質、栄養的に十分な食糧を実現するために生産性に
向けた政策を支持する再教育を行い、供給対応を強化し、農業経済規模を改
善しなければならない。
推奨プログラム
1 年目
1. 農業部門の投資改善:政府は早急に、民間に投資を働きかけるインセ
ンティブを設けること、特に農業の収穫後の部門については、農産物
の付加価値を上げることが期待される。
2. 農家の供給対応の改善:政府は食糧価格の安定と農産物価格の保護ス
キームに専心しなければならない。
推奨プログラム
変換期5年間
1. 食料品、農産物のバリューチェーンの改善:食糧産業、特に中小企業
の効率化、収穫後の商品の減少や出荷輸送時のロスの削減、グローバ
ルレベルの商品認証に対する明確な位置づけと機能食糧の開発
2. 農家を直接支持する政策改革:農家を直接支持する再教育、種、肥料
の助成指導から生産性向上の指導に転換、及び、研究開発、技術、普
及活動
3. 食糧、農業経済スケールの改善:食糧の自給から生産部門の最適化へ
の転換と効率改善に向けた他種生産への統合
4. エネルギー、インフラ、労働、用地、中央—地方政府の統合問題の改
善:灌漑やその他インフラの大規模建設、村における農業、非農業部
門のスキル向上、用地利用の対立の終結、中央—地方の協働強化
4.サービス部門開発
主要ビジョン
実現産業(enabling industry)として、インドネシアの経済成長を支え、均
一化を保証し、より効率的、高品質また信頼性のあるサービス部門を創造す
る。
推奨プログラム
1 年目
1. 効果的なサービス部門の部門間連携の確立:これまでインドネシアの
省庁/機関が各々行ってきた部分的な連携について、優先順位と活動
計画の決定を政治レベルでコミットする連携機関(マレーシアで実施)
を設立する必要がある。
2. 国民参画による公共サービスの SLA(サービス品質保証)の適用を高
め、許可申請、役所手続き、法令策定の標準期間を最長 60 日にする。
3. 優先サービスサブ部門の決定。この優先サブ部門には輸送、物流、通
信、流通、教育、医療、観光、創造産業が含まれる。短期的には安価
な固定回線と高速ブロードバンドの基礎インフラを優先させ、サービ
ス部門の効率化と競争力を図る必要がある。
推奨プログラム
変換期5年間
1. 2015−2019 国家中期建設計画における優先サービス部門の策定
2. 労働力を取り込み、より高い生産性、革新的で効率的な部門としての
サービス部門の付加価値の向上
3. 2008 年法律第 17 号「サービス業」、政府政令、ライセンス取得要件
に関わる法令、サービス提供者の標準技術資格を含む、サービス部門
の法的安定性の向上に関する法令の協調と相乗
4. 才能、知識の向上、また技術の取り込みを通じた国内創造産業の発展
を支持、創造産業の IT 部門のスタートアップを支持
5. 国際商取引におけるハブ港となる港湾の増設と効率、効果的な港湾管
理(ソフト面のインフラ)
6. 国内物流システムと国内輸送システムの統合されたインフラ建設の推
進
7. 社会保険社の始動に関連する、ヘルスケア産業のクラス別、または地
理的に均一な医療サービスの提供に対応する供給能力の推進
8. 良質な労働力を取り込み、外貨を獲得できる競争力のある観光開発
5.エネルギー部門開発
主要ビジョン
継続的発展を支える国家エネルギーの耐久性の実現と原油以外の代替エネル
ギー源の利用向上
推奨プログラム
1 年目
1. バイオディーゼルの生産および国内市場を推進するバイオディーゼル
の経済価格の制定
2. 過去 10 年間見直しをしていない電力の世帯向け料金助成金の削減
3. 5年以内に終了するエネルギー・ミネラルの提携契約書の確実性に対
する見直し
推奨プログラム
変換期5年間
1. エネルギー・ミネラルの法令と許可申請の同期化。エネルギー・ミネ
ラル部門の許可申請書類の簡素化と、許可・契約の普及及び一貫性、
2.
3.
4.
5.
6.
特に保護林地区にあるエネルギー・ミネラル探鉱用地に関する法令の
同期化が必要。
エネルギー・ミネラル価格の制定。石油燃料の経済価格の決定、助成
金の廃止、バイオディーゼルの経済価格の決定、電圧別ではなく、産
業が使用するエネルギー費のボリュームに基づく電気料金の設定
新エネルギー源の開発。化石燃料以外の新エネルギー源にバイオディ
ーゼルがある。 他にも地熱、天然ガス、石炭を含むエネルギー源の最
適化を図る。
エネルギー・ミネラル活動の金融、投資スキームの策定。政府はエネ
ルギー、ミネラル、新エネルギーの探鉱活動を支持する金融システム
を構築しなければならない。
関連機関の調整。エネルギー鉱物資源省と石油ガス総局は、作業地区
の入札に当たり協働し、石油ガス部門の管理において、入札の信頼性
を確実にしなければならない。
新規製油所、製油所、精製、貯蔵開発を含むエネルギー・ミネラル部
門のインフラ開発。インドネシアは特に東インドネシア地区で、国内
の石油生産量を上げるための新規製油所の建設が必要である。インド
ネシアの原油を加工する精製所も増設する必要がある。 PLN の発電所
の競合となり、PLN の発電所がより効率を上げるよう、政府は独立系
発電事業(IPP)を支持する必要がある。天然ガスは、リザーバーにあ
る地熱の特性に見合った発電所を建設する必要がある。
6.金融部門開発
主要ビジョン
インドネシアの全国民と事業界による金融サービスへのアクセスを容易にす
る金融深化の推進と金融包括の創造。
推奨プログラム
1 年目
・インドネシアの全事業部門によるアクセスを容易にする金融包括の推進。
推奨プログラム
変換期5年間
1. 銀行と金融市場でのミスマッチを解消するための長期的な金融深化の
実施。
2. 次の金融部門の法令の改定、見直し:1)OJK の予算に関する剰余金
に関する政府政令;2)銀行法、国有企業法、災害対策法;3)国内
銀行の外国所有権に関する大統領令;4)リース事業のセールス&リ
ースバックに関する二重課税を回避する財務大臣令;5)銀行部門の
アウトソーシングに関する明確な法令策定
3. 金融機関における信頼性のある人材能力向上。施策: 1) 保険エージ
ェント、保険数理士に対する研修と認証制。教育機関及び民間(事業
者)との協力による研修・実習を実施;2)研修、認証制を通じた保
険経営のポートフォリオの管理能力向上
4. 統合及び競争力の向上における金融機関の効率化推進。施策:インド
ネシア銀行再編計画(API)の青写真に沿った銀行の合併と買収;リ
スク情報局、保険クレーム局の設立;国有企業再保険会社の買収
5. 金融機関に対するインセンティブの付与。インセンティブの内容は、
合併買収に対する税務上のインセンティブ;自由変動相場制(フリー
フロート)に基づく上場企業に対する累進課税の適応;投資家に対す
る利益配当税、取引税の廃止;生命保険の保険料支払いに対する課税
所得控除の検討(保険のみ)
6. 国民の金融能力開発。金融普及プログラム、国民に対する金融の重要
性の意識付け、あらゆる階層の国民/事業からの金融アクセスの向上
7.インフラ開発
主要ビジョン
物流費、通信費を削減する優先プロジェクトを通じてインフラを経済成長に
調和させ、生活レベルの向上と、経済競争力を高めるためのコネクティビテ
ィ(接続性)の向上を図る。
推奨プログラム
1 年目
1. インフラの一般予算増額。政府予算の内訳のうちインフラに充てる予
算の増額。
2. インフラプロジェクトの計画、調整、評価を行う政府機関の改善。政
府は優先インフラ案件加速化委員会(KPPIP)またはその他の機関を
通じて実行し、株主の意見を伝えなければならない。
推奨プログラム
変換期5年間
1. 優先インフラの建設。目標に則した経済成長を成功させるためには限
られたインフラ予算から優先インフラを選択することが不可欠である。
電力、エネルギー、海外輸送の港湾が優先される。
2. 戦略的インフラに関する官民パートナーシップの改善を推進する。官
民パートナーシップはインフラ投資を行う民間企業を支持する資金調
達機関をもって実施されているが、当該機関を更に強化する必要があ
る。
3. 政府、地方政府による責任を高め、用地買収問題を解消し、用地への
アクセスを保証すること。
8.法令、政府の内部統制
法務部門の部門間の課題、地方自治、官僚改革、労働問題は、参加型、透明
性、責任を包含する政府の内部統制の骨子と一貫している。当面の課題には、
法令、法務機関、法令執行と法令を執行する人材の質、さらに法執行におけ
る課題がある。
主要ビジョン
事業部門の業績向上を支持する必須条件として、法令、支持機関及びプロフ
ェッシャルな人材の質の調和と、法令実施の一貫性を実現する。
推奨プログラム
1 年目
1. 政府に対する課題指摘と勧告をするタスクフォースチームを結成し、
鉱業、エネルギー、林業、農園、地区都市計画、事業許可を含む、全
レベルの法令の調和を図る。
2. 政府は、反汚職裁判所、警察、最高検察庁の威厳を失墜させる、警察
や最高検察庁による民事犯罪を撲滅しなければならない。
3. 国有企業の財務の位置づけ(国の財政如何)を明確化すること。この
不明瞭さにより法執行者による多くの民事犯罪が起きている。
4. 大統領から財務大臣への地方令の監督権限を強化し、特に許可申請、
税務、手数料に関わる問題のある地方令を評価すること。地方令の廃
止についても、政府が廃止した地方令を地方政府が適用しないことを
確実にするために、政府が厳しく監督を行わなければならない。
5. 事業許可手続きをより簡素で迅速に妥当な費用で実施することを目的
とする許可申請統合窓口サービスに対する組織だった監視、評価。
6. 法的保証のなさを回避し、投資を助長するために地区都市計画決定に
おいて政府と地方政府間の調整を円滑にすること。また、都市計画の
変更については投資家および一般に公布しなければならない。
7. 正確かつプロフェッショナルな土地行政管理。土地の所有権に関する
オンラインのデータベースを立ち上げ、二重権利証を回避する。
8. 事業者による継続的な研修を通じて事業界を担当する官僚のプロ意識
を高め、官僚が事業及び各分野の問題を理解し、よりよいサービスを
提供することを目指す。
推奨プログラム
変換期5年間
1. 事業活動に関わる法令策定における事業者、株主の参画。
2. 国、地方の全ての法令データをオンラインで一元化し、一般からアク
セスできるよう公開すること。
3. 2003 年労働法第 13 号の改定。労働者、事業者、求職者の便宜を図り、
最低賃金、解雇、アウトソーシングなどの規定を改定すること。
4. セーフティネットとしての最低賃金の制定には、労働者、事業者、求
職者の利益を考慮の上、制定しなければならない。また制定方法は、
独立機関による集約したテクノクラシーによって制定し、地方首長が
改定することができないものにする。セクターごとの最低賃金は三者
間協議を通じて制定すること。
5. 2012 年法律第 2 号「公共性を有する開発の用地取得」を一貫して堅持
し、戦略的インフラ建設を加速化する。この法令の実施に当たっては
インドネシアの食糧安全と環境問題に配慮しなければならない。政府
の義務であるインフラ整備には政府の予算能力も伴っていなければな
らない。
6. 国家予算および地方予算のイヤーマークを通じて官僚予算の使用用途
制限を決定し、建設費に予算を回すよう推進すること。
7. 地方間協力に対するインセンティブを含む、地方政府の実力評価に対
する金銭的/非金銭的なインセンティブ/抑制策の強化。
8. 法務知識の精通だけでなく、法執行者としてのプロ意識を向上させ、
職務遂行上の経済的洞察力を兼ね備え、行動/決定が良好な投資環境
を創造する上での横槍とならないこと。
9. 様々な部門で適正に欠ける国家公務員を充足するために民間からの国
家機関職員を採用することを可能にする 2014 年法律第5号 「国家機
関職員」の実行。