市民の足 ∼デマンド交通の実証実験を行います∼ ∼デマンド交通の実証実験を行います∼ ますます加速する少子高齢化を背景に、これまでの鉄道や路線バス網を補完する新しい公共交通と して 「デマンド交通」 が注目を集めており、埼玉県内でも、北本市や加須市などで導入されています。 志木市の面積は、9.06平方キロメートルと、市としては全国でも6番目に小さく、東西でも長 さ4.7キロメートルほどしかありません。自宅から駅まで徒歩や自転車で行くことが可能な人も多 く、また民間のバス路線網も比較的充実していることなどから、ほかの市町村などと比べても公共 交通に恵まれている地域だといえます。 しかしながら、公共交通が駅周辺と県道沿いに偏在していることから、一般的に交通弱者といわ れている、高齢者をはじめ、障がい者や小さいお子さんを持つ子育て世帯の皆さんにとって、買い 物や通院がしやすい環境が十分に整っているとは必ずしもいえない現状もあります。子どもから高 齢者まで、誰もが暮らしやすいまちにするためには、偏りのない「市民の足」を確保することが、と ても重要なことだと考えられます。 そこで、市では、小さなまちならではの、志木市の特徴にあった公共交通を整備するため、昨年 の9月から「志木市新たな交通手段検討プロジェクト・チーム」を設置して、市民の足の確保につい て検討してきました。 今月の特集では、昨年10月に行った公共交通に関する市民意識調査の結果と、平成27年度に実施 するデマンド交通の実証実験についてお伝えします。 3 Shiki City 2015.4 市民の足 公共交通に関する市民意識調査結果 26 10 公共交通への市民ニーズは 平成 年 月1日︵水︶から 日 ︵水︶までの間、市民ニーズの実態 を把握するための公共交通に関す る市民意識調査を実施しました。 今 回 の 調 査 で は、 少 子 高 齢 化 な どによる社会環境の変化や現在の 市内の公共交通環境を踏まえ、今 後、市として、どのような交通施 策を進めていくべきなのかを検討 44 84 する基礎資料とすることを目的と ・ 50∼59歳 (13.5%) 15 しています。 40∼49歳 (17.3%) 男女と市政モニター登録者の合計 (14.0%) 65∼74歳 住民基本台帳から無作為抽出し た市内在住の 歳以上 歳以下の 30∼39歳 3 千 1 20 人 を 対 象 に 調 査 票 を 配 (12.4%) 布 し、 1 千 3 9 1 人︵ 回 収 率 (5.3%) 75歳以上 (22.9%) 6%︶の皆さんに回答いただきま 15∼17歳(1.6%) 18∼21歳(2.7%) 22∼29歳 無回答(0.9%) した。ご協力ありがとうございま した。 ■回答者の年齢 15 60∼64歳 (9.3%) 買い物や通院 (日常の外出) に利用している交通手段は? ■買い物 車(マイカー)の利用者にとっての公共交通は? ■通院 自動車(家族等に 送ってもらう) 原付バイク・ 自動二輪(1.4%) 民間 鉄道 路線バス 自動車(家族等に 送ってもらう) (3.6%) (6.1%) 無回答 (23.3%) 原付バイク・ 自動二輪 (3.1%) (1.5%) (2.9%) 無回答 鉄道 タクシー (19.6%) (13.7%) 民間 路線バス (5.3%) (0.2%) ■公共交通が利用しやすくなった場合、 公共交通を利用したいですか? まったく利用し たいと思わない 無回答(0.4%) (2.9%) 積極的に 利用したい と思う あまり利用し たいと思わない (11.5%) 自転車 (11.1%) (17.4%) 徒歩 徒歩 その他 (23.4%) 自転車 (20.7%) 自動車 (自分で運転) (0.3%) (21.4%) タクシー (16.1%) (0.9%) 自動車 (自分で運転) その他 (19.0%) (0.1%) (38.9%) 交通手段別の利用頻度は? 週に5回以上 (2.9%) 無回答 (4.5%) タクシーを利用するときはどんなとき? ■車(マイカー) 無回答 週に3∼4回 (4.7%) (2.3%) 週に1∼2回 (6.1%) 月に2∼3回 (11.1%) 通勤・通学 その他 (0.4%) 月に1回 程度 (3.2%) 無回答 (50.6%) (12.3%) (21.5%) 利用して いない (12.3%) 週に5回以上 (26.5%) 通院 その他 (10.2%) 年に数回 買い物 (9.4%) 月に2∼3回 利用していない (35.3%) 運転ができなくなった 場合に、公共交通を利 用したい人が多い 買い物も通院も、徒歩に次いで自動車(自分で運転)を 使っている人が多い ■民間路線バス できる限り 利用したいと 思う 高齢等で運転が できなくなった 場合には 利用したい (18.5%) (38.4%) 週に3∼4回 (22.5%) 週に1∼2回 (14.6%) (28.3%) 通院に利用して いる人が多い 問合せ/生活安全課 内線2326 ※小数点第2位を四捨五入しているため、数値の合計が100%にならない場合があります。 ※複数回答可の設問の場合、すべての回答割合を合計すると100%を超える場合があります。 2015.4 Shiki City 4 市民の足 福祉バス 「ふれあい号」 について 月に2∼3回 週に5回以上 年に数回(2.0%) (91.3%) 20.0 15.0 10.0 5.0 利用目的が限られる 福祉バス ﹁ふれあい号﹂ 非常に低いことが明らかにな 今 回 行 っ た 調 査 か ら、 ふ れ あい号の利用割合が約3% と、 ま ざ ま な 目 的 で、 生 活 の た め 線 バ ス の よ う に、 誰 も が、 さ 用しない﹂が最も多く、民間路 ふれあい号を利用しない理 由 と し て、﹁ 対 象 公 共 施 設 を 利 (31.5%) 市 で は、 福 祉 の 目 的 で 対 象 施設を利用する際の福祉バス ︵特定旅客自動車運送事業︶と し て、﹁ ふ れ あ い 号 ﹂ を 運 行 し ています。 ふ れ あ い 号 は、 昭 和 年 に、 福祉センター利用者を送迎す り ま し た。 ふ れ あ い 号 は、 特 の移動手段として利用できな 新たな公共交通手段 市民の足の確保に向けて 近 年、 新 た な 公 共 交 通 手 段 と し て、 有 料 で 運 行 す る デ マ ンド交通やコミュニティバス を導入する自治体が増えてい ま す。 志 木 市 に お い て 新 た な 公共交通手段を導入した場合 に利用するかどうかを調査し %、﹁ 利 て み る と、﹁ 利 用 料 金 に か か わ らず利用したい﹂が ・ %、﹁ 高 齢 等 で 運 転 が %が新たな公共交通手段 そ こ で、 市 で は、 ま ち づ く り の実行計画に掲げる市民 が予想されます。 通の需要がさらに増えること 進 む 社 会 環 境 の 中 で、 公 共 交 こ と か ら も、 今 後、 高 齢 化 が が わ か り ま し た。 こ の よ う な へのニーズを抱いていること 約 したい﹂が ・5%と、全体の できなくなった場合には利用 が 用料金によっては利用したい﹂ 5.8 るための専用バスとして導入 され、現在は、福祉事務所︵市 役 所 内 ︶、 福 祉 セ ン タ ー、 第 二 福 祉 セ ン タ ー、 健 康 増 進 セ ン タ ー、 総 合 福 祉 セ ン タ ー、 い き い き サ ロ ン、 ふ れ あ い サ ロ ン、ふれあい館﹁もくせい﹂の で き る 福 祉 バ ス と し て、 毎 年 8施設に出かける時のみ利用 て運行しています。 1 千45 0 万 円 の 経 費 を か け 定旅客自動車運送事業の許可 い こ と が ネ ッ ク で あ り、 そ の 用できません。 を 受 け 運 営 し て い る た め、 利 ことが利用割合の低い要因で ふれあい号の利用は約3% 用 は 無 料 で す が、 対 象 施 設 を (29.3%) あると考えられます。 3 利用料金に よっては 利用したい (14.9%) 利用する人だけが乗車できる 31 利用しない も の で、 買 い 物 や 通 院 に は 利 29 70 月から実施します。 し て お り、 そ の 実 証 実 験 を 7 市デマンド交通﹂の導入を計画 新 た な 交 通 手 段 と し て、﹁ 志 木 の 足 の 確 保 を 実 現 す る た め、 35 無回答 利用したいが 約70% 高齢等で運転が できなくなった 場合には利用したい あまり利用したいと 思わない(8.7%) 利用料金にかかわらず 利用したい(5.8%) (5.9%) (3.4%) (19.6%) その他 (15.4%) 新たな交通手段に 変更した方がよい 利用していない (3.9%) ※新たな交通手段とは、 既存の民間バス路線以 外の地域をデマンド交 通やコミュニティバス などで網羅するものを いいます。 (13.1%) その他 54 (3.9%) (22.6%) (6.0%) 無回答 無回答 (3.5%) 別の人が運転する自動車で移動する (10.3%) 徒歩で移動する (4.3%) その他 無回答 (0.9%) (40.1%) (2.4%) (14.0%) 利用したい時間に運行していない 運行本数が少ない どこを走っているのかわからない 自転車で移動する 外出する用事がない 自分で車(マイカー)を運転して移動する 現在の ままでよい (17.6%) (5.8%) (2.4%) (0.3%) (0%) 新たな交通手段を導入した場合利用しますか? ※今回の調査結果の詳細は、市ホームページで公開しています。 Shiki City 2015.4 5 (0.4%) (0.3%) 0.0 (18.9%) (1.5%) 対象公共施設を利用しない バス停留所まで遠い 行きたい施設・場所で降車できない 買い物や通院などに利用できない 週に1∼2回 週に3∼4回 ■ふれあい号を利用していない理由 ■ふれあい号のあり方について ■ふれあい号の利用頻度 実証実験を行います 期間 平成 年7月1日 ︵水︶ ∼平成 年3月 日 ︵木︶ 今後、少子高齢化が進展する中で、 子 ど も か ら 高 齢 者 ま で、 誰 も が 暮 暮らすためのデマンド交通の導入を め、市では、昨年の9 月から市民の 合の利用状況や、ほかの公共交通に そ こ で、 平 成 年 度 の 本 格 実 施 に 先 立 ち、 デ マ ン ド 交 通 を 実 施 し た 場 検討しています。 足 を 確 保 す る た め の﹁ 志 木 市 新 た な らしやすいまちづくりを推進するた 31 1 買い物、通院にも利用できます 2 既存のタクシーで運行します 3 志木市内を運行(志木駅南口を含む) 4 利用料金は300円 5 事前予約制 交通手段検討プロジェクト・チーム﹂ 《特徴》 与える影響などを検証するため、本 問合せ/ 生活安全課 内線2325 利用できる人は? 志木市に住民登録があり、次の① から⑤までのうちいずれかに当ては まる人 歳以上の人 既存のタクシーを活用 低コストでの運行を実現するた め、 志 木 市 デ マ ン ド 交 通 で は、 デ マ ンド交通専用の車両を用意するので は な く、 既 存 の タ ク シ ー を 利 用 し ま す。 専 用 車 両 を 使 っ て し ま う と、 た ① ②要介護等認定を受けている人 リットがあります。 重なった時でも対応できるなどのメ ク シ ー を 利 用 す る こ と で、 需 要 が が限られてしまいますが、既存のタ て し ま っ た 場 合 に、 利 用 で き る 人 数 とえば乳幼児健診で利用者が重なっ 神障がい者、難病患者 ③身体障がい者、知的障がい者、精 ④妊娠中の人︵出産予定日 1 +か月ま で利用可︶ ⑤未就学児︵ 歳以上の保護者などと 学する年の3月 日まで利用可︶ 同 乗 する場 合のみで、小 学 校に入 デマンド交通として運行するタク シ ー は、 一 目 で 分 か る よ う マ グ ネ ッ トシートを付けて運行します。 買い物、通院にも! 志木市デマンド交通は、買い物や 通 院 な ど、 利 用 対 象 者 の 日 常 の 足 と して利用できます。 回300円 同時に配布する志木市デマンド交通 利 用 料 金 は、 1 台 1 回 3 0 0 円 で す︵ 乗降に介助が必要な場合は 、 介 ます︶ 。 助者は利用登録がなくても同乗でき せします。 パンフレットで共通乗降場をお知ら を予定しており、広報しき5 月号と 通乗降場は、全部で300 か所以上 共 通 乗 降 場 と し て 利 用 で き ま す。 共 例外として、志木駅南口︵新座市︶も 運行範囲は、志木市内で、乗降場 所 は、 自 宅 と 共 通 乗 降 場 の み で す。 どこを運行するの? れば利用できます。 条件ですが、介助する人が同乗す ※自ら車の乗り降りができることが 31 28 利用したい時間、利用したい場所などの要望 (デマンド)に低料金で応じる公共交通サービス 年7月から実証実験を行います。 志木市デマンド交通とは? を設置して検討してきました。 コンパクトな志木市ならではの デマンド交通 面積9・ 平方キロメートル、最 も長いところで東西に キロメート ル と、 市 と し て は 全 国 で も 6 番 目 に 小 さ い 市 で あ る 志 木 市。 一 般 的 に、 デ マ ン ド 交 通 は、 既 存 の 公 共 交 通 の 空白地帯に対する交通手段として導 入 さ れ て お り、 す で に 導 入 し て い る 自治体と比べ、志木市は、鉄道や路 線 バ ス が 発 達 し、 い わ ゆ る 空 白 地 帯 の存在しない地域といえます。 し か し、 志 木 市 で も、 今 後 さ ら に 高齢化が進むと予想されることや子 育てのしやすいまちづくりを進める た め、 コ ン パ ク ト な 志 木 市 の 特 徴 を 16 28 27 4.7 生 か し た、 誰 も が 生 き が い を も っ て 1 06 65 デマンド交通 市民の足 6 2015.4 Shiki City 市民の足 通 乗 降 場 の み で、 途 中 で の 立 寄 利用のルール り や、 利 用 者 同 士 の 乗 り 合 い は 利用には登録が必要です 利用登録申請書を生活安全課へ 提 出 く だ さ い︵ 郵 送・F A X可 ︶。 だ さ い。 介 助 者 は 利 用 登 録 が な くても同乗できます︶。 ⑤ 市 外 へ 行 き た い 場 合 は、 電 車 ま 録証 ル料︵300円︶が発生する可能 ⑥直 前 の キ ャ ン セ ル は、 キ ャ ン セ TAXI アンケートのご協力をお願いします ㈲志木合同タクシー ☎ (471) 0033 今回の実証実験は、平成28年度の本格実施に向けて行い ます。利用者の皆さんの意見を反映した、より志木市にあっ たデマンド交通とするため、デマンド交通を利用した時は、 アンケートにご協力をお願いします。 三和富士交通㈱ ☎049 (274) 4000 ㈱昭和交通 ☎ (461) 0059 ※運行開始は、7月1日(水)からになります。 ①乗 降 場 所 は、 利 用 者 の 自 宅 と 共 登 録 要 件 の 確 認 後、 利 用 登 録 証 を 歳以上の保護者などと たは路線バスに乗り換えてくだ せ ん︵ ④未 就 学 児 の み で は、 乗 車 で き ま 利用 登 録 申 請 書 ⋮5 月から、市 内 い。 予 約 は、 一 週 間 前 か ら 直 前 ②事 前 に 利 用 予 約 を し て く だ さ さい。 できません。 公共施設で配布します︵広報しき ま で で き ま す。 な お、 直 前 の 予 発行します。 5 月 号 といっしょに 同 時 配 布 し 約 の 場 合 は、 受 け 付 け る こ と が 志木市デマンド交通をお 願いします。登録番号1 番の志木花子です。7月 10日の11時に自宅から A-5(共通乗降場番号)の 志木スーパーまで乗りた いのですが。 同乗が必要です︶。 ます。また、5月上旬を目途に、 難しい場合があります。 ③タクシー(デマンド交通)が迎えにきたら、 利用登録証を見せる ③自 分 で 車 の 乗 り 降 り を し て く だ TAXI 16 市ホームページからダウンロード 市役所 生活安全課 月曜日∼土曜日 (日曜日、祝休日、年末年始を除く) 午前8時30分∼午後5時 SUPER MARKET 志木スーパーに到着 しました。 料金は300円です。 SUPER MARKET ④到着地で300円を支払う 利用登 登録番号1番の志木花子さん で す か。 利 用 登 録 証 を 確 認 さ せ て く だ さ い。 行 き 先 は、 A-5の志木スーパーですね。 〒 利用登録申請書を 提出します (郵送・FAX可) 性があります。 登録番号、名前、予約日時、 どこからどこまでの利用かを伝える (帰りの時間が決まっている場合は、あわせて予約するこ ともできます) もできるようにします︶ 。 ②タクシー事業者に予約をする (利用したい日の1週間前から当日直前まで) さ い︵ 一 人 で 車 の 乗 降 が 困 難 な 利用登録証が発行され、 郵送で届きます 場 合 に は、 介 助 者 と 同 乗 し て く 録証 度 を 要 し ま す の で、 早 め の 申 請 7月 3 Shiki City 2015.4 7 利用登 ※利 用 登 録 証 の 発 行 に は 一 週 間 程 ①利用者登録をする をお願いします。 どうやって利用するの? 運行時間・予約時間 SUPER MARKET 志木市デマンド交通を運行する タクシー事業者
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